JP2001334152A - 低級炭化水素の芳香族化合物化触媒ならびに低級炭化水素を原料とする芳香族化合物及び水素の製造方法 - Google Patents
低級炭化水素の芳香族化合物化触媒ならびに低級炭化水素を原料とする芳香族化合物及び水素の製造方法Info
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Abstract
ン、ナフタレン等の芳香族化合物と水素ガスとを同時に
製造するための芳香族化方法を提供する。 【解決手段】 レニウム、亜鉛、Ga、Co、鉄、クロ
ム、タングステン、モリブデン、希土類金属またはそれ
らの化合物の1種以上を触媒材料として含み、該触媒材
料を4.5〜6.5Å径の細孔を有する多孔質メタロシ
リケートに担持する。 【効果】 触媒能が大幅に向上し、低級炭化水素から
ベンゼン、トルエン、キシレン及びナフタレン等の芳香
族炭化水素及び水素を特に効率的に製造することができ
る。
Description
炭化水素から化学工業、薬品類、プラスチック類などの
化学製品の原料であるベンゼン及びナフタレン類を主成
分とする芳香族化合物と高純度の水素ガスを効率的に製
造し得る触媒とその製造方法に関するものである。
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物は主に
ナフサから製造されている。また、ナフタレン類の製造
方法としては石炭などの溶剤抽出法、天然ガスやアセチ
レンなどのガス熱分解法などの非触媒方法が採られてい
る。しかし、これら従来法ではベンゼン及びナフタレン
類は石炭やアセチレンなどの原料に対して数パーセント
しか得られず、また副生芳香族化合物や炭化水素、ター
ルや非溶解性の炭素残留物が多く、問題点を有してい
る。また石炭などの溶剤抽出法では多量の有機溶剤を必
要とする難点もある。またメタンやアセチレンの熱分解
法による製造方法では、数%以上の変換効率でナフタレ
ン類を製造するには1000℃以上の反応温度が必要で
あるにもかかわらず、ナフタレン類の収量は変換メタン
あるいはアセチレンの数%以下であり、実用上問題があ
った。
としては、オルトキシレン等のアルキルベンゼン類を高
温で白金類担持触媒を用いて脱水素縮合化反応すること
によりナフタレン類を製造する方法も知られているが、
ナフタレン類の変換効率は低く、また原料として用いる
アルキルベンゼン類が高価であることもあって実用上問
題があった。
スの製造法としては、製鉄廃ガスや石炭の部分酸化で生
成する一酸化炭素を用いる水成ガス(ウォーターガスシ
フト)反応及び天然ガスの水蒸気改質反応による高温・
高圧の反応条件下で実施される工業プロセスがある。さ
らに原油の熱分解法での水素製造法などがあげられる
が、製造ガス中に触媒毒である硫黄や窒素酸化物等や、
生成される水素中に副生物である一酸化炭素等が含まれ
ることから、これら従来法で製造された水素ガスの場合
は触媒毒の除去、精製に多大な負荷と設備を必要とする
工業的問題があった。また、これら従来法による水素製
造法では水素生成に伴い多量の炭酸ガスを副生排出する
ことから地球環境の上から重大な問題がある。
ンゼン等の芳香族化合物と水素とを併産する方法として
は、触媒の存在下、酸素あるいは酸化剤の非存在下にメ
タンを反応させる方法が知られている。この際の触媒と
してはZSM−5に担持されたモリブデンが有効とされ
ている〔「JOURNAL OF CATALYSI
S」165頁、150−161頁(1997年)、及び
該文献に引用された文献等〕。しかしながら、これらの
触媒を使用した場合でも、炭素析出が多いことやメタン
の転化率が低いという問題点のほかに、触媒の寿命が非
常に短く実用化プロセスのための好ましい触媒性能が得
られないという問題点を有している。
て、Mo等の触媒材料を多孔質のメタロシリケートに担
持した触媒を提案している(特開平10−272366
号公報、特開平11−60514号公報)。これら公報
では、担体として7Åの細孔径を有する多孔質のメタロ
シリケートに触媒材料を担持した触媒を用いた実験にお
いて、低級炭化水素が効率的に芳香族化合物化され、こ
れに付随して高純度の水素が得られることが確認されて
いる。しかし、芳香族化合物及び水素の製造効率をさら
に高めるために、その反応効率について一層優れた触媒
の開発が望まれている。
鑑み、天然ガス等のメタンを主成分とする低級炭化水素
を用いて有用な化学原料であるベンゼン、ナフタレン等
の芳香族化合物と水素ガスとを高転化率で高選択率の触
媒性能をもって同時に製造することができ、しかも長時
間にわたり安定な触媒能を示すメタン等の低級炭化水素
の直接改質法触媒並びにそれを用いた芳香族化合物と水
素の製造法を提供することを課題とする。
達成するために、鋭意検討を行った結果、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明の低級炭化水素の芳香
族化合物化触媒のうち第1の発明は、レニウムまたはそ
の化合物で構成される群から選択される一種以上と、亜
鉛、Ga、Co、鉄またはそれらの化合物で構成される
群から選択される1種以上と、クロム、タングステン、
モリブデンまたはそれらの化合物で構成される群から選
択される1種以上と、希土類金属またはその化合物で構
成される群から選択される1種以上の少なくとも一つを
触媒材料として含み、かつ該触媒材料を担持する担体と
して実質的に4.5〜6.5Å径の細孔を有する多孔質
メタロシリケートを含んでいることを特徴とする。
する芳香族化合物及び水素の製造方法は、第1の発明の
触媒の存在下で、メタン等の低級炭化水素を反応させて
芳香族炭化物を主成分とする芳香族化合物と水素とを製
造することを特徴とする。
香族化合物及び水素の製造方法は、第2の発明の製造方
法において、前記反応を一酸化炭素及び/又は二酸化炭
素の共存下に行うことを特徴とする。
香族化合物及び水素の製造方法は、第3の発明の製造方
法において、前記一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の添
加量が、反応に供給する全原料ガスにおける容量%とし
て0.01〜30%の範囲であることを特徴とする。
料+多孔質担体)の存在下、低級炭化水素を反応させて
芳香族炭化水素を主成分とする芳香族化合物及び水素を
製造する技術分野に適用される。ここで、本発明で原料
として用いられる低級炭化水素としては、重量%で少な
くとも50%、好ましくは、少なくとも70%のメタン
を含有する天然ガス等を示すことができる。メタン含有
量がこの範囲であれば、その他に炭素数が2〜6の飽和
及び不飽和炭化水素が含まれていても差し支えない。こ
れらの炭化水素の例としては、エタン、エチレン、プロ
パン、プロピレン、n−ブタン、イソブタン、n−ブチ
ン及びイソブテン等が例示できる。
ロシリケートを用いる。例えばアルミノシリケートの場
合、種々の組成から成るシリカ及びアルミナからなる多
孔質担体であるモレキュラーシーブ5A(UTA)、フ
ォジャサイト (NaY)及びNaX、ZSM−5、Z
SM−11、ZSM−22、ZSM−48、β−HZS
Mやリン酸を主成分とするALPO−5、SAPO−
5、VPI−5やMCM−22等の多孔質担体でミクロ
細孔やチャンネルを有するゼオライト担体を例示するこ
とができる。さらには、シリカを主成分とし一部アルミ
ナを成分として含むメゾ細孔の筒状細孔(チャンネル)
で特徴づけられるFSM−16やMCM−41などのメ
ゾ細孔多孔質担体をシリコンアルコキサイド等を用いた
CVD法によりメゾ細孔径を調整した修飾メゾ細孔材な
どを例示できる。メタロシリケートとしてはアルミノシ
リケートやフェロシリケートの他に、シリカ及びチタニ
アから成るチタノシリケート等の多孔質担体を用いるこ
とができる。また、例えばアミルノシリケートの場合、
シリカとアルミナの含有比としては、通常入手し得る多
孔質担体のシリカ/アルミナ比=1〜8000のものを
用いることができるが、本発明の低級炭化水素の芳香族
化反応を、実用的な低級炭化水素の転化率及び芳香族化
合物への選択率で実施するためには、シリカ/アルミナ
比は10〜100であることが好ましい。
にはミクロ及びメゾ細孔が実質的に径5.5±1Åの範
囲にあるものを用いる。実質的にとは、この範囲を外れ
る多少の細孔の存在は許容されることを意味しており、
大部分がこの範囲内にあるものであれば本発明の範囲に
含まれる。さらにその表面積が200〜1000m2/
gであるものがより好ましい。なお、上記径は、全方向
で上記範囲を満たすのが望ましいが、異形の細孔では、
一方向で上記範囲を満たすものであっても良い。また、
上記径は、さらに下限を5.0Å、上限を6.0Åとす
るのが一層望ましい。
子の大きさとほぼ同じであり、本発明者等の研究によっ
て、この範囲の細孔径を有するメタロシリケートを担体
として用いた触媒は、低級炭化水素の芳香族化合物化に
際して特異な活性を示すことが明らかになった。具体的
には、この細孔は大きな分子(例えばコークスを生成し
やすい重合物)の成長を物理的に妨げ、触媒表面への炭
素生成を抑制して、良好な活性を発揮する。すなわち、
触媒表面に炭素が生成されて蓄積されると触媒としての
活性が失われてしまうが、本発明では、上記のように炭
素の生成が抑制されることによって触媒として格別に優
れた性能を発揮する。細孔の大きさは、上記の範囲を上
下いずれに外れても上記した特異な活性は損なわれる。
レニウムまたはその化合物で構成される群から選択され
る一種以上と、亜鉛、Ga、Co、鉄またはそれらの化
合物で構成される群から選択される1種以上と、クロ
ム、タングステン、モリブデンまたはそれらの化合物で
構成される群から選択される1種以上と、希土類金属ま
たはその化合物で構成される群から選択される1種以上
の少なくとも一つが含まれる。したがって、本願発明の
触媒材料は、上記した群のいずれから選択したものであ
ってもよく、また複数の群から選択するものであっても
よい。また、選択される各群では上記のように1種また
は2種以上の材料を選択することができる。なお、本発
明では、上記した各材料のいずれを選択することも可能
であり、選択される触媒材料が特に限定されるものでは
ないが、望ましくはMo、Re、Wまたはそれらの化合
物の一種以上を重要な触媒材料として含むのが望まし
い。
に担持させる際に、前駆体として用意することができ
る。前駆体の例としては、塩化物、臭化物等のハロゲン
化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、炭酸塩、
酢酸塩、蓚酸塩等のカルボン酸塩や金属カルボニル錯体
やシクロペンタジエニル錯体等の有機金属塩等を例示す
ることができる。例えば、レニウムの前駆体の例として
は、レニウムカルボニル化合物(Re2(CO)10、
Re6(CO)、(C5H5)2Re(CO)2、CH
3ReO 3)酸の他に、塩化物、臭化物等のハロゲン化
物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、炭酸塩、酢
酸塩、蓚酸塩等のカルボン酸塩等が例示できる。また、
各材料の前駆体として複合錯塩や複合酸化物を用いるこ
ともできる。
シリケートに担持することにより得ることができる。本
発明としては、上記触媒材料をメタロシリケートに担持
させる際の担持量に特に制限はないが、各群毎に、全触
媒重量に基づいて質量比で、0.001〜50%、好ま
しくは0.01〜40%が良好な担持量範囲である。な
お、複数の群から触媒材料を選択する場合は、触媒材料
の担持量の合計は、全触媒重量に基づいて0.002〜
50%、好ましくは0.02〜40%の範囲が望まし
い。なお、上記担持量範囲は、触媒材料に前駆体を用い
る場合には前駆体としての担持量を示す。
せる方法としては、前述した金属の前駆体の水溶液ある
いはアルコール等の有機溶媒の溶液としてメタロシリケ
ートに含浸担持させるか、あるいはイオン変換方法によ
り担持させた後、不活性ガスあるいは酸素ガス中で加熱
処理する方法がある。この方法の一例をより具体的に説
明すると、まず最初に、例えばメタロシリケート担体に
硝酸レニウム水溶液を含浸担持させ、さらに乾燥して溶
媒を適当量除いた後、窒素含有酸素気流中又は純酸素気
流中で250〜800℃、好ましくは350〜600℃
で加熱処理してレニウムを担持したメタロシリケート触
媒を製造することができる。また、複合酸化物や複合錯
塩を用いて触媒を得る場合にも同様の担持方法や、加熱
処理方法によって複合酸化物塩や複合錯塩からなる触媒
を得ることができる。
持させる際には、各触媒材料を順次、メタロシリケート
に担持させてもよく、また、一部または全部を一度に担
持させることもできる。ただし、本発明としては重要な
材料を先に担持させ、その後、他の触媒材料を順次、ま
たは一度に担持させるのが望ましい。これは触媒として
特に重要な作用を果たす第一成分を最初に担持すること
によって、第一成分がメタロシリケートに確実に担持さ
れることになり、触媒の耐久性が向上するためと考えら
れる。
状又はペレット状及びその他の形状のいずれの形状であ
ってもよく、形状が特に限定されるものではない。ま
た、本発明で用いる触媒は、芳香族化合物を生成する誘
導期を短縮するため、水素ガスやヒドラジン、金属水素
化合物、例えばBH3、NaH、AlH3等による前処
理を含む触媒活性化過程を施してもよい。
化合物及び水素の製造方法では、上記した触媒をの存在
下で前述した低級炭化水素を原料として反応を起こさせ
る。この際には、一酸化炭素及び二酸化炭素から選ばれ
た一種又は二種のガスの共存下に反応を行うことが望ま
しい。一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の共存下に反応
を行うことにより、低級炭化水素の反応転化率を向上さ
せ、さらにベンゼンおよび水素の生成速度が著しく低下
するのを抑制することができる。なお、一酸化炭素や二
酸化炭素は、それぞれ単独で添加しても両者を混合して
添加しても差し支えない。一酸化炭素及び/又は二酸化
炭素の添加量は、反応系に供給する原料ガスにおける容
量%として0.01〜30%、好ましくは0.1〜25
%の範囲である。これは、この範囲よりも添加量が少な
いとその効果が小さく、また、この範囲より添加量が多
いと反応器の容積効率が悪くなるためである。
は、通常は回分式あるいは流通式の反応形式で実施され
るが、固定床、移動床又は流動化床等の流通式反応形式
で実施することが好ましい。反応は、メタン等の低級炭
化水素原料を、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の存在
下で300〜800℃、好ましくは450〜775℃の
温度で触媒と接触させることによって行うのが望まし
い。また、反応は、0.1〜10気圧、好ましくは1〜
7気圧で好適に実施される。重量時間空間速度(WHS
V)は0.1〜10であり、好ましくは0.5〜5.0
である。反応生成物から回収される未反応原料及び反応
に添加される一酸化炭素又は二酸化炭素は、芳香族化反
応に再循環させることができる。
芳香族炭化水素を主成分とする芳香族化合物が得られ
る。なお、得られる芳香族化合物の種別や化合物の比率
は原料によっても異なり、一律に規定されるものではな
い。また、この反応に伴って高純度の水素が得られる。
上記した芳香族化合物と水素とは、いずれか一方を有効
に利用してもよく、両方を有効利用しても良く、本発明
としては利用方法が限定されるものではない。また、そ
の利用分野も特に限定されるものではない。
説明する。なお、この実施例で用いているメタン転化
率、炭化水素選択率、炭化水素の分布及び水素生成速度
は以下のように定義した。 メタン転化率(%)=〔(原料メタンモル数−未反応の
メタンモル数)/原料メタンモル数〕×100 炭化水素選択率(%)=〔生成した全炭化水素のメタン
換算モル数/(原料メタンモル数−未反応のメタンモル
数)〕×100 炭化水素の分布(%)=〔着目する炭化水素のメタン換
算モル数/生成した全炭化水素のメタン換算モル数〕×
100 水素生成速度=触媒1gあたり、1秒間に生成した水素
のnmol数 ベンゼン生成速度=触媒1gあたり、1秒間に生成した
ベンゼンのnmol数
レニウム酸アンモニウム塩1.20gを10mlの蒸留
水に溶解し、これにメタロシリケート担体であるHZS
M−5(シリカ/アルミナ比=40、表面積870m2
/g、細孔径=5.4×5.6Å)の粉末12gを加
え、充分に攪拌しながら回転式減圧エバポレーターを用
いて蒸発乾固して、パラレニウム酸アンモニウムのHZ
SM−5担持体を得た。なお、上記担体の細孔は均等円
孔でないため、孔の最小幅と最大幅で示した。これを石
英製反応管(1.2cm径、長さ30cm、V字タイ
プ)に充填後、純酸素ガス流下(40ml/分、1気
圧)、400℃で2時間焼成して薄草色粉末として、全
触媒重量に基づいて質量比で6%のレニウムをHZSM
−5に担持した触媒(以下、Re(6%)/HZSM−
5と略記する)を得た。
酸アンモニウム塩1.20gの他に、Zn(N
O3)2、GaCl3、FeCl3またはCoCl2を
それぞれ前駆体として加えて10mlの蒸留水に溶解
し、上記と同様の方法によって全触媒重量に基づいて質
量比で6%のレニウムと1%のZn、Ga、Fe、Co
を含有する触媒を得た。さらに、GaCl3をパラレニ
ウム酸アンモニウム塩に加えた前駆体を用いるもので
は、担体として、MCM−22(細孔径5.5Å)また
はHZSM−11(5.1×5.5Å)を用い、上記と
同様の方法によって触媒を得た。
置の石英製反応管(内径8mm)に充填し、反応温度7
50℃、3気圧で、メタンに対し2%炭酸ガスを添加し
た反応ガスを26ml/minの流量で供給しメタンの
芳香族化反応によるベンゼン及び水素の生成反応活性を
調べた。反応後200分後経過後の結果を表1に示し
た。
用いた反応では、低級炭化水素原料であるメタンからベ
ンゼンおよびナフタレンが特に高い生成速度で得られて
おり、芳香族化合物化に優れている。また、これに伴っ
て水素が高い生成速度で製造されており、水素の製造能
力においても優れている。上記から、多孔質メタロシリ
ケートの細孔の径を規定することによって優れた触媒の
能力を発揮することが分かる。
ニウム酸アンモニウム塩をメタロシリケート担体である
HZSM−5(シリカ/アルミナ比=46、表面積80
0m2/g、細孔径=5.4×5.6Å)に担持させ、
これを焼成、粉末化して、全触媒重量に基づいて質量比
で6%のレニウムをHZSM−5に担持した触媒を得
た。該触媒0.3gを固定床流通式反応装置の石英製反
応管(内径8mm)に充填し、反応温度750℃、3気
圧で原料ガスとしてメタンガスに一酸化炭素を所定量添
加したガスを26ml/minの流量で供給し、メタン
の芳香族化反応を行った。反応管流出物中には未反応の
メタンの他に、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭素数
2〜5の炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、メ
シチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナ
フタレン、アントラセン等が存在していた。 反応開始
後、200分経過後、400分経過後、2000分経過
後の結果を表2に示した。また、比較例として、メタン
ガス中に一酸化炭素を添加しない以外は、実施例2と同
様の方法でメタンの芳香族化反応を行った。反応開始
後、100分経過後、400分経過後、1440分経過
後の結果を同じく表2に示した。
存下に反応を行うことにより、低級炭化水素の反応転化
率が大幅に向上している。また、一酸化炭素を含まない
原料では、経時的に芳香族化合物及び水素の生成速度が
著しく低下しているが、一酸化炭素の共存下で反応を行
うものではこの低下が抑制されており、長時間、安定し
た性能が得られている。
おける原料ガス中への一酸化炭素の添加を二酸化炭素の
添加に変えた以外は、実施例2と同様の方法でメタンの
芳香族化反応を行った。反応開始後、420分経過後お
よび2000分経過後の結果を表3に示した。この表3
から明らかなように、二酸化炭素の共存下で反応を行う
場合にも、実施例2と同様に反応転化率の大幅な向上、
生成速度の経時的な低下が抑制されている。なお、これ
ら実施例では、一酸化炭素の共存下または二酸化炭素の
共存下でのみ評価を行ったが、一酸化炭素と二酸化炭素
がともに共存する環境においても同様の効果が得られる
ことが確認されている。
族化合物化用触媒が、レニウム等の触媒材料を実質的に
4.5〜6.5Å径の細孔を有する多孔質メタロシリケ
ートに担持させたものであるので、触媒能が大幅に向上
しており、低級炭化水素を芳香族化反応させる際にこの
触媒を用いることによって、該反応に付して高付加価値
製品であるベンゼン、トルエン、キシレン及びナフタレ
ン等の芳香族炭化水素及び水素を特に効率的に製造する
ことができる。また、この反応を一酸化炭素又は二酸化
炭素の共存下に行うことにより、低級炭化水素の反応転
化率を向上させることができ、さらにベンゼン等の芳香
族化合物及び水素の生成速度の低下を効果的に抑制する
ことができ、長時間に亘って安定した触媒能を得ること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 レニウムまたはその化合物で構成される
群から選択される一種以上と、亜鉛、Ga、Co、鉄ま
たはそれらの化合物で構成される群から選択される1種
以上と、クロム、タングステン、モリブデンまたはそれ
らの化合物で構成される群から選択される1種以上と、
希土類金属またはその化合物で構成される群から選択さ
れる1種以上の少なくとも一つを触媒材料として含み、
かつ該触媒材料を担持する担体として実質的に4.5〜
6.5Å径の細孔を有する多孔質メタロシリケートを含
むことを特徴とする低級炭化水素の芳香族化合物化触媒 - 【請求項2】 請求項1に記載の触媒の存在下で、メタ
ン等の低級炭化水素を反応させて芳香族炭化物を主成分
とする芳香族化合物と水素とを製造することを特徴とす
る低級炭化水素を原料とする芳香族化合物及び水素の製
造方法 - 【請求項3】 前記反応を一酸化炭素及び/又は二酸化
炭素の共存下に行うことを特徴とする請求項2記載の低
級炭化水素を原料とする芳香族化合物及び水素の製造方
法 - 【請求項4】 前記一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の
添加量が、反応に供給する全原料ガスにおける容量%と
して0.01〜30%の範囲であることを特徴とする請
求項3記載の低級炭化水素を原料とする芳香族化合物及
び水素の製造方法
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