JP2001329591A - 自動排水装置 - Google Patents

自動排水装置

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JP2001329591A
JP2001329591A JP2000154251A JP2000154251A JP2001329591A JP 2001329591 A JP2001329591 A JP 2001329591A JP 2000154251 A JP2000154251 A JP 2000154251A JP 2000154251 A JP2000154251 A JP 2000154251A JP 2001329591 A JP2001329591 A JP 2001329591A
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陽一 前田
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健二 佐々木
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祐二 高須
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造で、かつ信頼性の高い浴槽の自動
排水装置を提供する。 【解決手段】 手動操作にて上下動する操作軸20と、
電動操作を操作軸20の上下動に変換する動力変換手段
38を備え、前記動力変換手段38と操作ワイヤ13を
接続する連結軸32との間に、動力変換手段38の動作
を連結軸32に伝達する従動部材33を揺動不能に挟持
させるとともに、押下した連結軸32を所定位置まで上
動させる第1のばね部材31と、連結軸32を押下する
際、所定値以上の反抗力が連結軸32に付加されたと
き、連結軸32と連動して押下するガイド筒26と前記
ガイド筒26を上方へ付勢する第2のばね部材27を備
えて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽の排水口部に
取付けられた排水栓を、手動と電動の両方で開閉操作で
きる自動排水装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、浴槽の排水口を開閉させる方法に
は、浴槽内槽面上部に掛止されたチェーンの他端に連接
されたゴム栓などの栓体を排水口に抜き差しする方法
や、浴槽上面に設けられたボタンの押動操作と、開栓お
よび閉栓状態を保持するロック機構を備えた排水栓とを
浴槽外側からワイヤなどで連動させて開閉を行なう方法
などがある。とくに後者は入浴時や清掃時に邪魔となる
チェーンやその掛止部が浴槽内に無いこと、ならびに閉
栓の際、栓を排水口に差し込むために身体をかがませる
必要がなく浴槽上面のボタンを指で押動するのみで開栓
と閉栓が容易に行えることからその需要が増加してきて
いる。
【0003】さらにその利便性を高めるため、浴槽上面
のボタンの押動操作のみならず、浴室外からのスイッチ
操作により電動機を作動させ、排水栓を開閉させる、浴
槽用の自動排水装置の技術が、特開平10−21274
7などをはじめ多数発明されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような手動および
電動の動作を両立させた自動排水装置を得るためには、
浴槽上面のボタンの押動操作による動作と、電動機によ
る動作の両方が排水栓と連動している連結軸へ伝達され
ることが必要である。しかしそのためには、構造が複雑
になり、部品点数が多くなること、そして組立手順が複
雑になることなどが問題であった。
【0005】一方、自動排水装置を構成する場合、従来
から存在する、浴槽上面に設けられたボタンの押動操作
と、開栓および閉栓状態を保持するロック機構を備えた
排水栓とを浴槽外側からワイヤなどで連動させて開閉を
行なう浴槽排水装置(以下、「既存の浴槽排水装置」と
いう)の部品を多く流用し、電動機ならびにその動力変
換手段やそれらを収容するケーシングなどの操作部(電
動機周辺部品)のみを追加する方法が新作部品を最小限
にとどめることができ、有効である。しかし、このよう
な部品の流用は流用する部品の改良やコストダウンなど
に伴う形状変更が発生した場合に、操作部(電動機周辺
部品)の部品まで影響が及ぶことがあり、問題であっ
た。
【0006】また、排水栓が踏みつけられるなど、何ら
かの過大な反抗力が排水栓にはたらいているときに開栓
あるいは閉栓操作をしようとした場合、手動によるボタ
ンの押動操作であれば、反抗力が操作者の手に伝わり、
前記操作者は栓が踏みつけられているなどの異常を即座
に感知できるため、操作を中断することができるが、電
動機による開栓あるいは閉栓操作であれば、電動機また
はその制御回路は該反抗力を感知できずに動作を継続
し、動力伝達部品の破損もしくはモータ焼損などの故障
をまねくおそれがあった。
【0007】さらに、排水の途中で排水栓を閉栓する場
合、前記排水栓は閉栓の瞬間に排水流の圧力によって急
激に閉栓する現象を起こす。この閉栓動作を電動にて行
った場合、電動機による操作軸の上動速度よりも速い速
度で、前記操作軸が操作ワイヤと連結軸を介して上動し
ようとするため、操作ワイヤ、被覆部材、電動機および
動力変換手段などに過度な応力が加わり、被覆部材の変
形による排水栓の動作不良や部品の破壊等の不具合を誘
発するおそれがあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の自動排水
装置は、排水栓の開閉操作を操作ワイヤを介して手動ま
たは電動により行う操作部と、前記排水栓の開栓状態を
保持するロック機構を備えた排水装置において、手動操
作にて上下動する操作軸と、電動操作を前記操作軸の上
下動に変換する動力変換手段を備え、前記動力変換手段
と操作ワイヤを接続する連結軸との間に、動力変換手段
の動作を連結軸に伝達する従動部材を揺動不能に挟持さ
せるとともに、押下した連結軸を所定位置まで上動させ
る第1のばね部材を具備して構成した。
【0009】請求項2記載の自動排水装置は、請求項1
記載の自動排水装置において、従動部材に複数のガイド
板を突設して動力変換手段と連結軸との間に揺動不能に
挟持して構成した。
【0010】請求項3記載の自動排水装置は、請求項2
記載の自動排水装置において、従動部材の側面に磁性部
材を備え、該磁性部材の磁力を検知する位置検出手段
は、前記従動部材が所定位置に達したとき磁性部材と対
向する位置に配置するとともに、ガイド板の1つに電動
機の出力軸を挿通する切欠を形成した。
【0011】請求項4記載の自動排水装置は、請求項2
記載の自動排水装置において、従動部材の上面に磁性部
材を備え、該磁性部材の磁力を検知する位置検出手段は
前記従動部材が最上端に達したとき磁性部材と対向する
位置に配置するとともに、ガイド板の1つに電動機の出
力軸を挿通する切欠を形成した。
【0012】請求項5記載の自動排水装置は、請求項4
記載の自動排水装置において、動力変換手段は操作軸を
挿通して上下方向にのみ昇降滑動する被係合部材と、前
記被係合部材の側面に穿設した横長な係合溝に横移動可
能に係合するアーム部と、このアーム部を回転駆動して
前記被係合部材を昇降させる電動機からなり、前記被係
合部材は側面に縦方向に貫通した嵌合溝を備え、該嵌合
溝には、ケーシングに止着した筐体を上下動可能に嵌合
させるとともに、該筐体内に前記磁性部材の磁力を検知
する位置検出手段を配置し、前記従動部材が最上端に達
したとき磁性部材と対向するように構成した。
【0013】請求項6記載の自動排水装置は、請求項1
記載の自動排水装置において、前記連結軸を押下する
際、所定値以上の反抗力が連結軸に付加されたとき、前
記連結軸と連動して押下するガイド筒と、前記ガイド筒
を上方へ付勢する第2のばね部材を備えて構成した。
【0014】請求項7記載の自動排水装置は、請求項6
記載の自動排水装置において、ガイド筒と第2のばね部
材との間にスペーサを介在させて構成するとともに、前
記スペーサはガイド筒、第2のばね部材および収容筒と
滑動良好な材質より成るように構成した。
【0015】請求項8記載の自動排水装置は、請求項6
記載の自動排水装置において、動力変換手段を排水栓の
上下動作長以上のストロークで操作軸を上下動可能に設
定した。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
ないし図15により説明する。図1は本発明よりなる浴
槽用の自動排水装置Aの実施例について示すもので、前
記自動排水装置Aは、浴槽9のリム部の最上縁9aに取
付けられて、浴槽9の底面9bに設けられた排水栓10
を自由に開閉操作する操作部11と、浴槽9の底面9b
下側の空所に設置されて、前記排水栓10の開栓状態を
保持するロック機構12と、前記操作部11とロック機
構12とを連動する長さ方向に剛性を有する操作ワイヤ
13とによって概略構成されている。
【0017】また、図1で示す14は、浴槽9の外槽側
において、操作部11とロック機構12とを連接する操
作ワイヤ13を挿通保持するために配設した挿通管で、
その上方端は操作部11の下方端に連結し(図示せ
ず)、下方端は浴槽9の排水口15と連通する排水管1
6に連接されている。また、前記自動排水装置Aを構成
するロック機構12は、前記排水管16内において、浴
槽9の底面9b下側に止ねじ等の固定手段を用いて止着
されており、操作部11により排水栓10が開栓された
とき、その開栓状態を保持するよう構成されている。
【0018】つづいて、前記操作部11の構造を図2に
より説明する。図2は前記操作部11の要部切欠断面図
を示し、17は浴槽9のリム部最上縁9aに穿孔した嵌
込孔18に嵌込まれ、内周側に手動操作用の押ボタン1
9(以下、手動ボタンと記載する)を上下動可能に取付
けた有底筒状の案内筒で、この案内筒17の底面中央に
は、前記手動ボタン19に連結した操作軸20を挿通す
る軸通孔17aが開口している。
【0019】そして、前記案内筒17には、浴槽9のリ
ム部最上縁9aを、案内筒17の掛止片17bとの間で
挟持した状態で収容筒21がねじ止されており、この収
容筒21の側面には、電動機34を収容した駆動部収容
筐23が、図5に示すように、締付ねじ24により締着
保持されている。
【0020】前記収容筒21の下端狭隘部21aには、
これに例えば、ねじ込みにより螺着された有底筒状の袋
ナット25底面との間で、ガイド筒26が所定弾性力を
備えた第2のばね部材27によって、円板部26aを収
容筒21の張出部21b下面に当接させて取付けられて
いる。
【0021】前記袋ナット25の底面中央には、前記ガ
イド筒26の筒部26b下端に螺合される被覆部材29
が挿通する挿通孔30が穿設され、前記被覆部材29の
孔部29aから前記ガイド筒26内に引込まれる操作ワ
イヤ13は、第1のばね部材31を介して連結軸32の
傘部32a先端に圧着固定されている。なお、前記ばね
部材27は、袋ナット25の挿通孔30に内側に向けて
突設した突出片25aにより、前記袋ナット25内から
外れることを確実に防止している。
【0022】前記連結軸32はガイド筒26の筒部26
b内から、その上端を収容筒21内に進入させて取付け
られ、前記連結軸32の上端は収容筒21内に備えた従
動部材33の下面に当接され、該従動部材33を操作軸
20との間で揺動不能に挟持している。このとき前記操
作軸20と連結軸32は、従動部材33が収容筒21内
で揺動しない程度の充分な接触面積を有する断面形状
(例えば、円形状)で構成することができる。また、新
設部品を少なくする上で、前記ガイド筒26、連結軸3
2、操作ワイヤ13、被覆部材29およびこれより排水
栓側の部品(ロック機構12を含む)は、既存の浴槽排
水装置の部品から流用することが望ましい。
【0023】図3は前記従動部材33を示す概略構成図
であり、同図(a)は前記従動部材33を図2に示すY
−Y矢視方向より示した図である。また、同図(b)は
従動部材33の外観を示す斜視図である。図3(a)、
(b)に示すように前記従動部材33は円板上の台座3
3aと、前記台座33a上に複数(任意数)起立して備
えたガイド板33b、および、前記ガイド板のうち図2
に示す電動機34の出力軸35が挿通する切欠36aを
備えた回転防止ガイド板36から構成されている。
【0024】また、前記従動部材33の台座33aに
は、前記回転防止ガイド板36の基端下側に所定の磁気
力を備えた永久磁石などの磁性部材37が取付けられ、
図2に示すように前記ガイド板33bを収容筒21の内
壁面と後述する被係合部材間の隙間を沿うようにして、
操作軸20と連結軸32の間に揺動不能に挟持されてい
る。
【0025】前記従動部材33の上方には、電動機34
の回転を減速機構を介して出力する出力軸35の回転運
動を、前記操作軸20の上下運動に変換するための動力
変換手段38が取付けられており、39は操作軸20下
端近傍に固定した止輪40を下面に穿設した凹溝39a
に嵌込した被係合部材である。
【0026】つづいて、前記動力変換手段38の構成を
図4により説明する。図4は前記動力変換手段38を、
図2のY−Y’矢視方向から示す図であり、図4(a)
で示す39は、操作軸20に沿って上下方向に所定の距
離滑動するよう取付けた被係合部材である。この被係合
部材39の一側面(図2の電動機34が位置する方向の
側面)には、電動機34の出力軸35先端に嵌着した、
係合部材41のアーム部41a(係合部材41は、円柱
状のアーム部41aと、出力軸35先端に形成した鍵突
起35aを嵌合固定する鍵溝41cを備えた、例えば、
長円状の支持部41bとによって構成する)が係合する
係合溝42が穿設され、この係合溝42は図4(a)に
示すように、その横幅寸法を電動機34の出力軸35の
軸中心とアーム部41aの軸中心間距離(図4(a)の
X)とアーム部41aを成す円柱の半径rの和の2倍以
上の長さ寸法を有して形成されている。つまり、2(X
+r)≦(係合溝幅)の関係が成立するように形成され
ている。
【0027】そして、前記被係合部材39の下面には、
操作軸20の下端近傍に止着した止輪40が嵌合される
凹溝39aが穿設され、前記被係合部材39は通常時、
前記止輪40に凹溝39aを乗載した状態で操作軸20
上に支持されている。
【0028】図4(b)は、前記動力変換手段38を図
2のZ−Z’矢視方向から示す図であり、電動機34の
出力軸35の先端には、前記のように係合部材41の基
部を構成する長円状の支持部41bが、鍵溝41cを出
力軸35の鍵突起35aに嵌着して固定され、前記支持
部41bに垂設するアーム部41aは、その先端を被係
合部材39の係合溝42の底面42aと当接しない位置
で前記係合溝42に沿って横方向に滑動可能に係合され
ている。
【0029】また、前記係合部材41を嵌着する出力軸
35は、前記従動部材の台座33aに起立して備えられ
た回転防止ガイド板36の切欠36aを挿通するため、
従動部材33の回転運動が阻止される。そして、前記被
係合部材39は、ガイド板33bおよび回転防止ガイド
板36の存在により、収容筒21内をガタツクことな
く、良好に上下動できる。
【0030】なお、図2に示す43は、例えば、収容筒
21の下段部に取付けられて、磁性部材37の磁気力に
反応してスイッチング動作する、リードスイッチ等の位
置検出手段であり、例えば、排水栓の位置検出信号を後
述の図14に示す浴槽9から離れた場所に設置した操作
パネルの開閉表示手段に表示させることにより、排水栓
10の開閉状態を容易に把握することができる。なお、
前記位置検出手段の取付位置は前記収容筒21の下段部
に限らず、磁性部材37の磁気力を検知してスイッチン
グ動作することにより、排水栓10の開閉状態を認識で
きる位置であればどこでも良い。
【0031】次に、前記操作部11を組立てる場合につ
いて説明する。最初に、収容筒21の下端狭隘部21a
の上部にある張出部21bの下面に、ガイド筒26の円
板部26aを当接させる。そのときガイド筒26は、あ
らかじめ、上から前記第2のばね部材27、袋ナット2
5に開口した挿通孔30の順に挿通した状態で取付けら
れる。この状態で袋ナット25を収容筒21の下端狭隘
部21aの外周面に設けられたねじ部と螺着させること
により、円板部26aと袋ナット25に挟まれた第2の
ばね部材27が圧縮され、収容筒26は張出部21bに
向かって所定の力で押しつけられる。
【0032】このとき、図12に示すように、前記第2
のばね部材27とガイド筒26の円板部26aとの間
に、円板部26a、第2のばね部材27および収容筒2
1の下端狭隘部21aの内面と滑動良好な材質(例え
ば、ポリオキシメチレンやポリプロピレン)よりなるス
ペーサ65を介することにより、前記袋ナット25は収
容筒21の下端狭隘部21aに、操作ワイヤ13および
第2のばね部材27のねじれを生じることなく、良好に
螺着することができる。
【0033】なお、前記ガイド筒26の円板部26aと
収容筒21の張出部21bとの間に予めストロークを調
整するためのライナ64(図12参照)を具備しておく
と、経年使用でのワイヤ13の摩耗や被覆部材29の伸
びなどにより排水栓10のロック機構12を作動させる
ためのストロークに不足が発生した際、該ライナ64を
取り去るだけでストローク不足を解消することができ
る。これにより、ワイヤ13の交換といった工事が不要
となり、メンテナンス性が向上する。
【0034】一方、前記収容筒21内に進入した連結軸
32の上面には、収容筒21の上端開口部から収容筒2
1内に取入れた従動部材33が、ガイド板33bを上方
へ向けた状態で載置される。また、同じく収容筒21の
上端開口部より進入し、上端に手動ボタン19を止着
し、下端に前記被係合部材39を挿通した操作軸20
が、被係合部材39の凹溝39aに止輪40を嵌合した
状態で前記従動部材33の上面に載置される。これによ
り、前記従動部材33はそれぞれ充分な接触面積を備え
た操作軸20と連結軸32の間に揺動不能に挟持され
る。
【0035】このとき前記被係合部材39は係合溝42
に係合部材41のアーム部41aを係合させる。一方、
前記係合部材41の支持部41bは、収容筒21の側面
に穿設された挿通孔44の駆動部収容筐23側から挿入
された出力軸35の一端と嵌合され、前記出力軸35は
挿通孔44の内面とOリング35bによって防水され
る。
【0036】前記出力軸35の駆動部収容筐23側の突
出端には電動機34が連動可能に取付けられ、該電動機
34を収容筒21の側面に固定ねじ45にて締付固定す
ることにより、前記出力軸35は被係合部材39ならび
に係合部材41と電動機34の間に位置することとな
り、出力軸35および係合部材41は収容筒21内で脱
落することなく保持される。また、被係合部材39は操
作軸20上に係合部材41のアーム部41aに支持され
て取付けられる。
【0037】前記収容筒21の側面には、前記電動機3
4の外側から電動機34を収容するための駆動部収容筐
23をパッキン46を介して当接し、この状態で図5に
示すように、締付ねじ24を用いて収容筒21に設けら
れた取付け孔に止着することにより、電動機34を防水
構造で被覆する。
【0038】そして、前記収容筒21を浴槽9のリム部
最上縁9aに形成した嵌込孔18の下側から緩衝および
防水用のパッキン47を介して当接し、外周に雄ねじを
形成した案内筒17を前記嵌込孔18を挿通して、収容
筒21の上部内面に形成した雌ねじ部に螺合することに
より、収容筒21は浴槽9のリム部最上縁9aに取付け
られる。
【0039】このように収容筒21を浴槽9へ取付ける
ことにより、本発明の自動排水装置Aにおける操作部1
1は組立を完了する。なお、図2に示す磁性部材37と
位置検出手段43は、前記操作部11を組立てる際、予
め従動部材33と収容筒21の下段部に各々取付けてお
くものとする。
【0040】次に、図7に示す排水栓10のロック機構
12の構造について説明する。図7において48は排水
管16内に遊合されて、止ねじ49により排水管16と
ともに浴槽9の底面9bに固定された本体筒である。ま
た、50は前記本体筒48の内壁面軸方向に沿って、か
つ周方向に複数条形成されたガイド片である。51は一
端を排水栓10に止着し、他端は排水口15を通して本
体筒48内に遊嵌した軸杆である。52は前記軸杆51
の下部を中空状に穿設した押動孔で、この押動孔52の
上端には、本体筒48下端開口から挿入した操作ワイヤ
13の先端が当接している。
【0041】53は前記軸杆51の下部外周に一体的に
固定した止着環である。54は前記止着環53の上方に
て前記軸杆51に対して回転および上下動可能に取付け
た可動環である。53a、54aは前記止着環53と可
動環54の外周側にそれぞれ形成されて、前記ガイド片
50に嵌合保持される突片を示し、また、53b、54
bは止着環53の上端と可動環54の下端にそれぞれ噛
合可能に形成した鋸刃状の噛合歯である。50bは前記
ガイド片50の上端に形成した鋸刃状の噛合歯である。
【0042】55は前記軸杆51の胴央(可動環47の
上方近傍)に突設した鍔片で、この鍔片55と浴槽9底
面9bとの間には、前記排水栓10が開栓したとき、こ
れを閉塞する方向に付勢するばね部材56が介挿され
て、ロック機構12は構成されている。なお、図7,8
に示す66は、前記排水口15と排水管16間を連通さ
せる通水孔である
【0043】つづいて、前記操作部11の動作について
説明する。まず、前記操作部11を電動により駆動して
図7に示す排水栓10を開操作する場合、自動排水装置
Aの操作部11が図2の状態にあるとき、即ち、手動ボ
タン19の上面と案内筒17の掛止片17bの上面とが
一致しているとき。浴槽9の底面9bにある排水栓10
は図7に示すような閉栓状態にある。この状態で、図2
に示す操作部11の電動機34を駆動すると、前記電動
機34は内部に収納した図示しない減速歯車からなる減
速機構を介して出力軸35をゆっくりと回転させる。
【0044】前記出力軸35の回転駆動によって、出力
軸35の先端に嵌合された係合部材41は、そのアーム
部41aを出力軸35の軸心回りに回転させ、図4
(a)に示す被係合部材39の係合溝42の下面42b
に接触し、かつ、係合溝42内を図4(a)の右方向も
しくは左方向に移動することにより、前記被係合部材3
9を下方へ下降させる。
【0045】前記被係合部材39が下方へ下降すると、
前記被係合部材39の下端と当接した従動部材33は連
結軸32を下方へ押下げる。このとき、前記操作軸20
と連結軸32は従動部材32を挟んで直線的に配置され
るため、操作軸20を挿通する被係合部材39の下降は
良好に連結軸32に伝達することができるとともに、前
記連結軸32は従動部材33と充分な接触面積で当接し
ているため、繰返使用により前記連結軸32に多少のガ
タやグラツキが生じても、問題なく従動部材33との間
で動力を伝達することができる。
【0046】その際、前記従動部材33にはU字状の切
欠36aに電動機34の出力軸35を挿通した回転防止
ガイド板36が取付けられているため、前記従動部材3
3は横方向の回転が制限された状態で下降動作すること
ができる。すなわち、前記従動部材33に取付けた磁性
部材37は下降した際、必然的に位置検出手段43の正
面に位置するように構成されている。
【0047】連結軸32が下降すると、傘部32aに圧
着固定した操作ワイヤ13はガイド筒26より押出さ
れ、浴槽9のリム部内に配管した挿通管14(図7参
照)内を通って、図7に示すロック機構12の軸杆51
をばね部材56の付勢力に抗して押上げる。これによ
り、排水栓10は図8に示す2点鎖線の位置まで上動す
るが、前記軸杆51が押上げられる過程において、これ
に固定される止着環53は、鋸刃状の噛合歯53bが可
動環54の噛合歯54bに当接し、突片53a、54a
が本体筒48内壁に形成したガイド片50に嵌合されて
いることにより、回転することなく軸杆51とともに上
方へ押上げられる。
【0048】前記軸杆51および排水栓10が図8に示
す2点鎖線の位置まで上動すると、可動環54の突片5
4aはガイド片50から開放されて回転可能となり、止
着環53の噛合歯53b上を滑動して、軸杆51を中心
として微少角度回動する。一方、図6に示すように出力
軸35が図2の位相に対して1回転すると、出力軸35
に嵌合した係合部材41のアーム部41aは、図4
(a)に示す係合溝42の上面42cに衝接して、被係
合部材39を図9に示す位置まで上動させる。
【0049】この結果、前記連結軸32は、被係合部材
39下端と従動部材33との当接が解けることにより、
下方への押下力がなくなるため、傘部32aに衝接して
いる第1のばね部材31の付勢力により上動し、操作ワ
イヤ13の押下動作を終了する。前記操作ワイヤ13の
押下動作が終了すると、図8に示す排水栓10および軸
杆51は、自重とばね部材56の付勢力によって下降す
る。
【0050】然るに、前記排水栓10および軸杆51が
図8に示す2点鎖線の位置から実線で示す位置まで下降
すると、軸杆51に対して微少角度回動した可動環54
の噛合歯54bがガイド片50に形成した噛合歯50b
上に係合される。結果、軸杆51がさらに下降しようと
しても、可動環54の上端に軸杆51に突設した鍔片5
5が受止められ、軸杆51、排水栓10が下降するのを
阻止して排水栓10の開栓状態を保持する。
【0051】前記排水栓10が開栓保持された状態で
は、図9に示す手動ボタン19と操作軸20、従動部材
33、連結軸32は、第1のばね部材31により押上げ
られる位置、即ち、第1のばね部材31の付勢力と手動
ボタン19、操作軸20および従動部材33、連結軸3
2の自重とが釣合う位置まで上動して停止する。
【0052】このとき、前記被係合部材39は、排水栓
10を開栓するために1回転した出力軸35の動きと連
動して、図2に示す初期位置(排水栓10が閉栓状態に
ある位置)と同位置(図9に示す位置)まで上動してい
るが、手動ボタン19は被係合部材39が操作軸20上
を滑動して上昇するため、図6に示す最大押下位置から
図9に示すやや上昇した位置(第1のばね部材31によ
って上動される位置)で停止することとなる。したがっ
て操作者は前記手動ボタン19の凹み状態より排水栓1
0が開栓されていることを容易かつ確実に認識すること
ができる。
【0053】次に、前記排水栓10を電動操作により閉
栓させる際は、再度、図9において電動機34を駆動す
ると、電動機34は、前述した排水栓10の開栓動作と
同様に、出力軸35を回転して係合部材41のアーム部
41aにより被係合部材39を下降させる(図6参
照)。この結果、再び前記操作ワイヤ13が押動されて
軸杆51が上昇し、図8に示す排水栓10は、実線で示
す位置から2点鎖線で示す位置まで再び上動する。
【0054】そして、前記軸杆51が上昇するのに伴
い、軸杆51に固定された止着環53が可動環54を衝
接しながら押し上げる。すると、開栓保持時にガイド片
50の上端と係合状態にあった可動環54は、鋸刃状に
形成した噛合歯54bがガイド片50の噛合歯50bか
ら開放されて回転可能となり、止着環53の噛合歯53
b上を滑動して、軸杆51を中心として微少角度回転
し、ガイド片50との係合状態が解除される。
【0055】つづいて、図6に示す電動機34の出力軸
35が1回転して被係合部材39を図2に示す初期位置
に復帰させると、図8に示すように、可動環54は、鋸
刃状に形成した噛合歯54bがガイド片50上端の噛合
歯50b上を滑落することにより、軸杆51を中心とし
てさらに微少角度回転する。すると、排水栓10と軸杆
51は、その自重ならびにばね部材56の付勢力によ
り、止着環53と可動環54の各々の突片53a、54
aをガイド片50に沿わせた状態で降下する。
【0056】この一連の動作によって、前記排水栓10
は図8に2点鎖線で示す位置から図7に示す原位置まで
下降し、排水口15を閉塞する。前記排水栓10が閉栓
されると、軸杆51の押動孔52内に挿入した操作ワイ
ヤ13は、前記押動孔52の上端面により下方へ押出さ
れる状態で作動し、浴槽9リム部内の挿通管14内を介
して図2に示す連結軸32の傘部32aを押上げる。
【0057】この操作ワイヤ13による押上力と第1の
ばね部材31の付勢力によって、前記連結軸32は従動
部材33および操作軸20を介して、手動ボタン19を
その上面が案内筒17の掛止片17b上面とほぼ一致す
る高さまで復帰させることができるため、操作者は、排
水栓10が閉栓状態にあることを容易かつ確実に認識す
ることができる。
【0058】以上説明したように、本発明の排水装置
は、電動で排水栓10を開閉操作する場合、操作者は操
作部11の電動機34を駆動して、出力軸35を1回転
させることにより、排水栓10の開栓と閉栓を確実かつ
容易に切換えることができる。また、前記排水栓10の
開栓時、手動ボタン19は案内筒17内の深所に位置
し、排水栓10の閉栓時は案内筒17の掛止片17b上
面と手動ボタン19の上面がほぼ一致する高さに位置す
るため、操作者は排水栓10の開閉栓状態を手動ボタン
19の位置状況により容易かつ確実に認識することがで
きる。
【0059】つづいて、図2に示す操作部11によって
排水栓10を手動で開閉操作する場合について説明す
る。図2に示す操作部11の手動ボタン19を図10に
示すように押下すると、前記手動ボタン19と止着した
操作軸20は、被係合部材39の挿通孔39bを滑動
し、従動部材33を介して連結軸32を下方へ押下げ
る。この押下動作により、連結軸32は操作ワイヤ13
を第1のばね部材31の付勢力に抗して、図7に示す排
水栓10のロック機構12側へ押動する。
【0060】操作ワイヤ13の押動によって前記ロック
機構12は、軸杆51を図8の2点鎖線で示す位置まで
押上げる。この際、前記したように、可動環54が突片
54aをガイド片50から解放することにより軸杆51
を中心として微少角度回動し、ガイド片50の上端に形
成された噛合歯50bに係合される。
【0061】これにより、操作者が図10に示す手動ボ
タン19から手を離して、操作ワイヤ13がロック機構
12側に押出されなくなっても、前記排水栓10は図8
に2点鎖線で示す位置から実線で示す位置まで下降する
ものの、軸杆51の鍔片55が前記可動環54の上端に
衝接しているため、これよりも下降はせず、良好に開栓
状態を保持できる。
【0062】そして、操作者が手動ボタン19から手を
離すと、図10に示す連結軸32は下方への押動力がな
くなるため、連結軸32の傘部32aに当接する第1の
ばね部材31の付勢力と手動ボタン19、操作軸20、
従動部材33および連結軸32の自重とが釣合う位置
(図10に示す位置から図9に示す位置)まで上動して
停止する。その結果、手動ボタン19は図10に示す最
大押下位置からやや上昇した位置(図9参照)にて停止
し、操作者は前記手動ボタン19を視認することで排水
栓10の開栓状態を認識できる。
【0063】つづいて、前記のごとく手動開栓した排水
栓10を手動により閉栓する際は、再度、図9の位置に
ある手動ボタン19を押動することにより、操作軸20
および従動部材33を介して連結軸32先端の傘部32
aに圧着した操作ワイヤ13を、図8に示す排水栓10
のロック機構12側へ押出する。
【0064】前記ロック機構12側に押出された操作ワ
イヤ13は、軸杆51の押動孔52の上端面に衝接して
これを上方へ押動し、排水栓10を図8に2点鎖線で示
す位置まで押上げる。このとき、排水栓10の開栓保持
状態において係合していた可動環54とカイド片50と
の係合が解かれ、前記排水栓10と軸杆51は、自重と
ばね部材56の付勢力によって下方へ押下げられ、前記
排水口15は排水栓10により閉塞される。
【0065】すると、前記排水栓10の閉栓動作にとも
ない軸杆51の押動孔52上端面に当接する操作ワイヤ
13は、図10に示す操作部11側へ押し返されて、第
1のばね部材31とともに連結軸32を上方へ押し上げ
る。この連結軸32の上動により、手動ボタン19は、
従動部材33ならびに操作軸20を介して図2に示す案
内筒17の掛止片17bの上面とほぼ一致する位置に復
帰する。
【0066】つまり、本発明の自動排水装置Aにおい
て、排水栓10を手動操作によって開閉する場合、操作
者は浴槽9のリム部最上縁9aに設置した手動ボタン1
9を押動操作することにより、排水栓10の開栓および
閉栓状態を順次切換えることができる。また、前記排水
栓10の開閉操作において、例えば、電動により開栓し
た排水栓10を手動により閉栓したり、逆に手動で開栓
した排水栓10を電動操作により閉栓するようにしても
よいことは言うまでもない。
【0067】次に、前述の如く電動または手動により排
水栓10を開栓する際、前記排水栓10に何らかの過大
な荷重(排水栓10の上から踏みつけたれた場合等)が
加わっているときの前記操作部11の動作について説明
する。
【0068】前記排水栓10に過大な荷重が加わってい
るときに、電動もしくは手動により操作軸20を下方へ
押下げた場合、連結軸32の傘部32aに圧着固定した
操作ワイヤ13は、前記過大な荷重の影響により排水栓
10を開栓することができないため、ガイド筒26の筒
部26b内から前記操作ワイヤ13を良好に外部へ導出
することができず、前記筒部26b内もしくは被覆部材
29の孔部29a内において捩れを生じさせてしまう。
【0069】この操作ワイヤ13の捩れは、前記操作ワ
イヤ13と被覆部材29の孔部29a内壁間に摩擦を生
じ、ガイド筒26を図11に示すように第2のばね部材
27の付勢力に抗して、一体的に螺着した被覆部材29
とともに下方へ押下げする。つまり、排水栓10に加わ
る過大な加重が第2のばね部材27の上方への付勢力よ
り大である場合、前記ガイド筒26は連結軸32の押下
と連動して下方へ押動される。
【0070】これにより、前記連結軸32は筒部26b
および被覆部材29の孔部29a内の操作ワイヤ13を
これ以上捩れさせることなく、出力軸35の回転に伴い
操作軸20を下方へ良好に移動させることができる。し
たがって、前記出力軸35と連動する電動機34内の減
速機構は、前記過大な加重の影響によりこれを破損した
り不具合を生じるといったことは全くなく、操作部11
の耐久性および信頼性を向上することができる。
【0071】また、排水の途中で排水栓10を閉栓する
場合、排水栓10は閉栓の瞬間に排水流の圧力によって
急激に閉栓する現象を起こす。この閉栓動作を電動にて
行った場合、電動機34による操作軸20の上動速度よ
りも速い速度で、操作軸20が操作ワイヤ13と連結軸
32を介して上動しようとするため、操作ワイヤ13、
被覆部材29、電動機34および動力変換手段38など
に過度な応力が加わり、被覆部材29の変形による排水
栓の動作不良や部品の破壊等の不具合を誘発する恐れが
あった。
【0072】然るに、本発明の自動排水装置は、排水栓
10の急激な閉栓動作とこれよりも速い操作軸20の上
動により、前記操作軸20との間に連結軸32を介して
接続される操作ワイヤ13は、被覆部材29の孔部29
a内で捩れを生じ、この捩れにより前記操作ワイヤ13
は前記被覆部材29の孔部29a内壁間に摩擦を生じさ
せる。
【0073】すると、前記操作ワイヤ13と孔部29a
内壁間の摩擦力によって、図11に示すガイド筒26は
第2のばね部材27の付勢力に抗して、一体的に螺着し
た被覆部材29とともに下方へ降下する。これにより、
前記操作ワイヤ13は操作軸20を電動機34による上
動速度を超えて上動させることはなく、電動機34や被
係合部材39等の動力変換手段38を破損することな
く、良好に動作させることができる。
【0074】なお、前記ガイド筒26の円板部26aと
袋ナット25の底面間に取付けた第2のばね部材27
は、電動機34による動力変換手段38の最大昇降動力
および破壊荷重よりも小さく、かつ浴槽9を満水にした
ときの排水栓10の開栓に要する力以上の付勢力を備え
たものを利用することとし、前記操作ワイヤ13と被覆
部材29の孔部29a内壁は、両者間に所定の摩擦力が
生じる材質にて構成するものとする。
【0075】このように、本発明の自動排水装置におけ
る操作部11は、排水栓10に不要な加重が加わった状
態で操作軸20を押下操作したとき、および排水途中で
排水栓10を閉栓した時に、装置11が故障したり、不
具合が生じることを確実に回避できる手段を備えて構成
されているため、安全性ならびに信頼性の高い排水栓開
閉装置を提供することができる。
【0076】図12は本発明の他の実施例における排水
装置Aの操作部11を示す縦断面図である。なお、図1
2において、図2に示す操作部11と同一部品は同一符
号を付して説明を省略する。
【0077】図12において、57は収容筒21の側面
(電動機34と対向する側)に穿設した取付孔であり、
58は前記取付孔57の縁部に筐体鍔片58aを係止し
て嵌込固定される有底角筒状の筐体である。
【0078】39bは図2に示す被係合部材39と同様
に、係合部材41のアーム部41aを係合溝42に係合
した状態で、操作軸20上を上下方向に所定の距離滑動
可能に構成した被係合部材である。そして前記被係合部
材39bの側面には縦方向に貫通した嵌合溝59が形成
され、前記嵌合溝59には筐体58の底部を嵌込むこと
により、前記被係合部材39bは回動が抑制された状態
で上下動可能に取付けられる。
【0079】図12において、37aは従動部材33の
上面において筐体58の下端に衝接可能な位置に嵌着さ
れた磁性部材であり、43aは前記筐体58内の前記磁
性部材37aと対向する位置に配置され、前記磁性部材
37aが接近した際に磁気力に反応してスイッチング動
作する、リードスイッチ等の位置検出手段である。
【0080】図13は前記被係合部材39bと筐体58
および係合部材41との係合状態を図12に示すZ−
Z’矢視方向から示した図である。図13に示すよう
に、被係合部材39bは嵌合溝59に筐体58の底部を
嵌込むことによりその回動が抑制され、操作軸20上を
上下動する。なお、被係合部材39bの下方に位置する
従動部材33は上方へ向けて突設した回転防止ガイド板
36の切欠36aに電動機34の出力軸35を挿通する
ことによって、回動することが抑制される。
【0081】前記図12に示す操作部11の組立順序と
しては、図2に示す操作部11の組立手順とほぼ同一で
あるが、異なる手順としては収容筒21の取付孔57に
予め筐体58を嵌着しておき、収容筒21の上端開口部
より手動ボタン19を止着した操作軸20を進入させる
際、前記操作軸20を挿通した被係合部材39bの嵌合
溝59に前記筐体58の底部を嵌込むようにした点であ
る。その他の手順は図2に示す操作部11の組立と同一
であるため、ここでは割愛する。
【0082】つづいて、前記図12に示す操作部11動
作であるが、排水栓10の開・閉栓する動作については
手動・電動問わず、図2に示す操作部11の動作と同一
であるが、手動・電動により被係合部材39aが上下動
する際、前記被係合部材39bは嵌合溝59に筐体58
が嵌込まれているため、回動が抑制され良好に操作軸2
0上を上下動することができる。
【0083】この結果、前記被係合部材39bの係合溝
42には、係合部材41のアーム部41aが的確に係合
した状態を常時維持することができ、電動機34の出力
軸35の回転運動を連結軸32の上下運動に確実に変換
することができる。また、被係合部材39bのガタツキ
が解消されるため、被係合部材39bを動作させるとき
に生じる騒音をなくすことができる。
【0084】図14は本発明の自動排水装置Aを制御す
る制御装置を示し、図14において、60は例えば、浴
室の壁面に設置されて、浴槽9への給・排水を指示する
スイッチ60a、60bを備えた操作パネルを示し、ま
た、61は電動機34と排水栓10の位置検出手段43
および操作パネル60を制御するためのコントローラ
で、62は電動機34およびコントローラ61に電力を
供給する電源である。
【0085】そして、今、排水栓10が開栓した状態に
あるとき、操作部11の従動部材33は図6に示すよう
に案内筒17の深所に位置しているため、前記従動部材
33に取付けた磁性部材37の磁束は位置検出手段43
を良好に通過する。例えば、位置検出手段43がリード
スイッチである場合、位置検出手段43は投入状態とな
る。この状態で前記操作パネル60の給水スイッチ60
aを投入すると、コントローラ61はリードスイッチの
投入状態より排水栓10が開栓状態にあることを認識
し、図15に示すデータテーブルにしたがって電動機3
4の出力軸35を1回転することにより、排水栓10を
閉栓し、浴槽9に給水を行なう。
【0086】また、前記排水栓10が閉栓状態にあると
き、操作部11の従動部材33は図2に示す案内筒17
内の上面に位置しているため、前記従動部材33に取付
けた磁性部材37の磁束は位置検出手段43を通過せ
ず、リードスイッチは投入状態にない。この状態で前記
操作パネル60の給水スイッチ60aが投入されると、
コントローラ61はリードスイッチの開放状態より排水
栓10が閉栓状態にあることを認識し、図15に示すデ
ータテーブルにしたがって電動機34を駆動することな
く、排水栓10の閉栓状態を維持したまま、浴槽9に給
水を行なう。
【0087】さらに、前記排水栓10が閉栓状態にある
ときに、排水スイッチ60bが投入された場合、コント
ローラ61はリードスイッチの開放状態より排水栓10
の閉栓を認識し、排水のために電動機34の出力軸35
を1回転させて排水栓10を開栓して、浴槽9内の排水
を行なう。
【0088】また、前記排水栓10が開栓した状態にあ
るときに、排水スイッチ60bが投入された場合、コン
トローラ61はリードスイッチの投入状態より排水栓1
0の開栓を認識し、電動機34を駆動することなく、排
水栓10の開栓状態を維持する。
【0089】このように、本発明の自動排水装置Aは、
コントローラ61により排水栓10の開閉動作と浴槽9
への給・排水を的確に制御できるため、操作者は操作パ
ネル60上の給・排水スイッチ60a、60bを任意に
投入することにより、確実に排水栓10の開閉操作を行
って浴槽9内に湯水を給・排水することができる。その
結果、例えば、排水栓10の開栓状態に気づかずに浴槽
9へ給水を行なって、水を無駄にしてしまうといった問
題は確実に防止することができる。
【0090】また、前記操作パネル60にLED等の発
光素子からなる表示手段63を備え、該表示手段63の
灯火状態を変化させることにより、前記排水栓10の開
閉状態をより確実に操作者に認識させるようにしてもよ
い。
【0091】さらに、磁性部材37を従動部材33に取
付け、磁性部材37の磁束を検知する位置検出手段43
とこれに接続される電気信号線を駆動部収容筐23内に
収容した場合、位置検出手段43が外気にさらされて劣
化するといった問題を防止することができる。
【0092】なお、図14の制御装置を図12に示す自
動排水装置に利用する場合は、図14に示すコントロー
ラ61は、リードスイッチ43aが投入状態にあるとき
排水栓10が閉栓していると認識し、リードスイッチ4
3aが開放状態にあるとき排水栓10が開栓していると
認識するように設計する必要がある。
【0093】また、図12に示す自動排水装置は従動部
材33に取付けた磁性部材37aが、筐体58内に配置
したリードスイッチ43aに対して平行に動作する、い
わゆる接近型に配置されたものであるため、図2に示す
ように、リードスイッチ43aに対して磁性部材37a
が垂直に動作する、いわゆる通過型配置のものと比較し
て磁性部材37aの磁力の検出感度を向上させ、装置の
信頼性を飛躍的に上昇させることができる。
【0094】以上説明したように、本発明の自動排水装
置は、動力変換手段と連結軸の間に、従動部材を揺動不
能に挟持させたため、従動部材に当接させる連結軸は先
端の形状に制約が少なく、容易に既存の浴槽排水装置の
部品から連結軸を流用することができ、ひいてはガイド
筒や操作ワイヤ、そして被覆部材他、これより排水栓側
の部品も既存の浴槽排水装置の部品を流用することがで
きるため、新作部材を最小限に留めながら自動排水装置
を構成することができる。
【0095】また、本発明の自動排水装置は、従動部材
の回転動作を防止するガイド板を備えて構成したので、
前記従動部材に磁性部材を備えた場合、前記磁性部材は
前記ガイド板の存在により真下に下降し、位置検出手段
の正面位置に確実に降下することができ、磁性部材の磁
力を良好に検出することができる。
【0096】さらに、本発明の自動排水装置は、被係合
部材の回動を防止する筐体を取付けることにより、前記
被係合部材の上下動によるガタツキを解消し、係合溝か
ら係合部材のアーム部41aが外れたり、前記ガタツキ
により騒音が発生することを確実に防止することができ
る。
【0097】また、本発明の自動排水装置は、従動部材
の上面に磁性部材を備え、筐体内に磁性部材の磁力を検
知する位置検出手段を配置することによって、前記磁性
部材の磁力を接近型の配置で検出することができ、検出
感度を飛躍的に向上することができる。
【0098】さらに、本発明の自動排水装置は、排水栓
に不要な加重が加わって、前記排水栓を良好に開栓でき
ない場合や、排水流の圧力により排水栓が急激に閉栓す
る場合に、手動または電動による動力が必要以上に排水
栓に伝達されることを回避する手段、または、排水栓の
閉栓によって操作軸が強制的に上動することを回避する
手段を備えて構成したので、動力変換手段や操作ワイヤ
および被覆部材が損傷したり故障したりすることを確実
に防止できる。
【0099】
【発明の効果】請求項1に記載した自動排水装置は、手
動または電動操作により操作ワイヤを介して排水栓を開
閉操作する機構を比較的簡素で容易な構造にて実現でき
るとともに、前記従動部材に当接させる連結軸の先端の
形状に制約が少なく、容易に既存の浴槽排水装置の部品
(連結軸、ガイド筒、操作ワイヤ、被覆部材そして排水
栓他)を流用することができるため、新作部材を最小限
に留めながら自動排水装置を構成することができる。
【0100】請求項2に記載した自動排水装置は、従動
部材に複数のガイド板を突設して構成したので、前記従
動部材は操作軸の上下動に連動して、揺動することなく
良好に上下動することが可能となり、装置の信頼性を向
上することができる。
【0101】請求項3に記載した自動排水装置は、磁性
部材を従動部材の側面に取付けることにより、前記磁性
部材の磁力を検知する位置検出手段を前記従動部材が最
下端に達した時、磁性部材と対向する位置に配置するこ
とができるので、前記位置検出手段に接続する電気信号
線を駆動部収容筐内に配置することができ、前記位置検
出手段および電気信号線が外気に接触して劣化・損傷す
るという問題を確実に防止することができる。
【0102】請求項4に記載の自動排水装置は、従動部
材に取付けた磁性部材と、磁性部材の磁力を検知する位
置検出手段をいわゆる接近型に配置することができるた
め、位置検出手段における磁力検知の感度を飛躍的に向
上することができ、排水栓の開閉不良を確実に検出する
ことができる。
【0103】請求項5に記載した自動排水装置は、筐体
により被係合部材の回動を抑制することができるため、
前記被係合部材が上下動の際にガタつくというようなこ
とがなく、係合溝から係合部材のアーム部が外れるなど
の問題を確実に防止することができ、装置の信頼性を向
上することができる。
【0104】請求項6に記載した自動排水装置は、排水
栓の開栓あるいは閉栓途中において、排水栓に外部から
強制的に押圧する荷重が加わえられた場合、連結軸の反
抗力が所定値以上となったときに前記連結軸とともにガ
イド筒を降下させることによって、過大な荷重が電動機
や操作部を構成する各種部品に加わることを防ぐため、
操作部の破損や故障を防止し、信頼性をが格段に向上さ
せることができる。
【0105】請求項7に記載した自動排水装置は、ガイ
ド筒と第2のばね部材との間に滑動自在な材質よりなる
スペーサを介在したため、操作部の組立で袋ナットを収
容筒下部に螺合させる際、前記第2のばね部材および操
作ワイヤが捩れにくく、組立性が向上する。また、前記
スペーサの介在により、前記第2のばね部材をガイド筒
の形状に関係なく取付けることが可能となり、ガイド筒
を既存の排水栓の部品から流用する際、形状の制約が少
なくなる。
【0106】請求項8に記載した自動排水装置は、排水
栓の上下動作長以上のストロークで操作軸を上下動可能
に動力変換手段を構成したので、排水栓の開閉操作時に
おける操作ワイヤの曲がりおよび被覆部材の伸びに起因
した排水栓のストローク不足を解消し、確実に前記排水
栓を開栓または閉栓することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動排水装置を示す構成図である。
【図2】本発明の自動排水装置を構成する操作部の要部
切欠断面である。
【図3】前記操作部を構成する従動部材を抽出して示す
拡大図である。
【図4】前記操作部を構成する動力変換手段を抽出して
示す拡大図である。
【図5】前記操作部を側面から見た外観図である。
【図6】前記操作部を電動により動作させた状態を示す
動作説明図である。
【図7】本発明の自動排水装置を構成する排水栓とロッ
ク機構との結合状態を示す断面図である。
【図8】排水栓を開栓ロックした状態を示す説明図であ
る。
【図9】前記ロック状態における操作部の状態を示す説
明図である。
【図10】前記操作部を手動により動作させた状態を示
す動作説明図である。
【図11】排水栓に不要な加重が加わった状態で、前記
操作部を電動により動作させた状態を示す動作説明図で
ある。
【図12】本発明の請求項5記載の自動排水装置を構成
する操作部の要部切欠き断面である。
【図13】本発明の請求項5記載の自動排水装置を構成
する操作部の要部切欠き断面である。
【図14】本発明の自動排水装置の制御装置を示すブロ
ック図である。
【図15】前記制御装置における制御データテーブルで
ある。
【符号の説明】
9 浴槽 9a リム部最上縁 10 排水栓 11 操作部 12 ロック機構 13 操作ワイヤ 14 挿通管 16 排水管 17 案内筒 17a 軸通孔 17b 掛止片 18 嵌込孔 19 手動ボタン 20 操作軸 21 収容筒 21a 下端狭隘部 21b 張出部 23 駆動部収容筐 24 締付ねじ 25 袋ナット 25a 突出片 26 ガイド筒 26a 円板部 26b 筒部 27 第2のばね部材 29 被覆部材 29a 孔部 30 挿通口 31 第1のばね部材 32 連結軸 32a 傘部 33 従動部材 33a 台座 33b ガイド板 34 電動機 35 出力軸 35b Oリング 36 回転防止ガイド板 37,37a 磁性部材 38,38a 動力変換手段 39,39b 被係合部材 39a 凹溝 40 止輪 41 係合部材 41a アーム部 41b 支持部 41c 鍵溝 42 係合溝 42a 底面 42b 下面 43c 上面 43 43a 位置検出手段 46 パッキン 47 防水用パッキン 48 本体筒 49 止ねじ 50 ガイド片 50b,53b,54b 噛合歯 51 軸杆 52 押動杆 53 止着環 53a,54a 突片 54 可動環 55 鍔片 56 ばね部材 57 取付孔 58 筐体 58a 筐体鍔片 59 嵌合溝 60 操作パネル 60a 給水スイッチ 60b 排水スイッチ 61 コントローラ 63 開閉表示手段 64 ライナ 65 スペーサ 66 通水孔 A 自動排水装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高須 祐二 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機株 式会社内 Fターム(参考) 2D061 DB03 DB07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排水栓の開閉操作を操作ワイヤを介して手
    動または電動により行う操作部と、前記排水栓の開閉状
    態を保持するロック機構を備えた排水装置において、手
    動操作にて上下動する操作軸と、電動操作を前記操作軸
    の上下動に変換する動力変換手段を備え、前記動力変換
    手段と操作ワイヤを接続する連結軸との間に、動力変換
    手段の動作を連結軸に伝達する従動部材を揺動不能に挟
    持させるとともに、押下した連結軸を所定位置まで上動
    させる第1のばね部材を具備したことを特徴とする自動
    排水装置。
  2. 【請求項2】前記従動部材は、複数のガイド板を突設す
    ることにより動力変換手段と連結軸との間に揺動不能に
    取付けられることを特徴とする請求項1記載の自動排水
    装置。
  3. 【請求項3】前記従動部材は磁性部材を側面に備え、該
    磁性部材の磁力を検知する位置検出手段は、前記従動部
    材が所定位置に達したとき前記磁性部材と対向する位置
    に配置するとともに、前記ガイド板は、電動機の出力軸
    を挿通する切欠を備えて構成したことを特徴とする請求
    項2記載の自動排水装置。
  4. 【請求項4】前記従動部材は磁性部材を上面に備え、該
    磁性部材の磁力を検知する位置検出手段は、前記従動部
    材が近接したときに前記磁性部材により作動する位置に
    配置するとともに、前記ガイド板は、電動機の出力軸を
    挿通する切欠を備えて構成したことを特徴とする請求項
    2記載の自動排水装置。
  5. 【請求項5】前記動力変換手段は、操作軸を挿通して上
    下方向にのみ昇降滑動する被係合部材と、前記被係合部
    材の側面に穿設した横長な係合溝に横移動可能に係合す
    るアーム部と、このアーム部を回転駆動して前記被係合
    部材を昇降させる電動機からなり、前記被係合部材は側
    面に縦方向に貫通した嵌合溝を備え、該嵌合溝にはケー
    シングに止着した筐体を上下動可能に嵌合させるととも
    に、該筐体内に前記磁性部材の磁力を検知する位置検出
    手段を配置し、前記従動部材が最上端に達したとき磁性
    部材と対向するように構成したことを特徴とする請求項
    4記載の自動排水装置。
  6. 【請求項6】前記連結軸を押下する際、所定値以上の反
    抗力が連結軸に付加されたとき、前記連結軸と連動して
    押下するガイド筒と、前記ガイド筒を上方へ付勢する第
    2のばね部材を備えて構成したことを特徴とする請求項
    1記載の自動排水装置。
  7. 【請求項7】前記ガイド筒は、第2のばね部材との間に
    スペーサを介在させて構成させるとともに、前記スペー
    サはガイド筒、第2のばね部材および収容筒と滑動良好
    な材質より成ることを特徴とする請求項6記載の自動排
    水装置。
  8. 【請求項8】前記動力変換手段は排水栓の上下動作長以
    上のストロークで操作軸を上下動可能に設定したことを
    特徴とする請求項6記載の自動排水装置。
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