JP2001327918A - 透水性下地処理剤及び透水性塗膜形成方法 - Google Patents

透水性下地処理剤及び透水性塗膜形成方法

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JP2001327918A
JP2001327918A JP2000153034A JP2000153034A JP2001327918A JP 2001327918 A JP2001327918 A JP 2001327918A JP 2000153034 A JP2000153034 A JP 2000153034A JP 2000153034 A JP2000153034 A JP 2000153034A JP 2001327918 A JP2001327918 A JP 2001327918A
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permeable
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coating
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Hideya Makino
秀也 牧野
Haruo Akita
晴夫 秋田
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Makino Sogo Kenkyusho KK
Eco Technology Co Ltd
Original Assignee
Makino Sogo Kenkyusho KK
Eco Technology Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水圧又は空気圧の変化による塗膜の剥離を抑
制して塗膜強度を高めることができる透水性下地処理剤
及び透水性塗膜形成方法を提供する。 【解決手段】 透水性塗膜形成方法は、透水性下地処理
剤と被覆剤17とを用いて、下地11の表面に下地処理
層12及び被覆層13からなる塗膜14を形成させる方
法である。下地処理層12は下地処理主剤15と透水孔
形成材16とを下地11の表面に同時に吹付けることに
よって形成される。被覆層13は前記下地処理層12の
表面に被覆剤17を噴射塗布することによって形成さ
れ、透水孔形成材16と被覆剤17とから構成される。
透水孔形成材16は、ガラスチップ、ガラス繊維、カー
ボンチップ、カーボン繊維、スペクトラチップ、中空ボ
ール、粒状塩等の粒状物又は針状物により構成され、そ
の最大長さは10〜70mmであるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、トンネ
ルの内壁面を塗装して塗膜を形成させるために使用され
る透水性下地処理剤、及びその下地処理剤を用いてトン
ネルの内壁面に塗膜を形成させるための透水性塗膜形成
方法に関するものである。より詳しくは、トンネルの内
壁面に浸み出す地下水や空気を積極的に通過させて排出
することにより、水圧又は空気圧の変化による塗膜の剥
離を抑制して塗膜強度を高めることができるように構成
された透水性下地処理剤及び透水性塗膜形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の塗膜形成方法におい
ては、トンネルの内壁面に浸み出す地下水により形成さ
れた塗膜が溶出されないようにするために、いずれも疎
水性(防水性)を有する下地処理剤及び被覆剤が塗膜形
成のために使用されていた。すなわち、この塗膜形成方
法は、まず、トンネルの内壁表面にエポキシ系プライマ
ー等の疎水性の下地処理剤を均一に塗布して乾燥させる
ことによって、平滑な表面を有する下地処理層を形成さ
せる。続いて、前記乾燥された下地処理層の表面に二液
型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤等の疎水性の被覆剤を均
一に塗布して乾燥させることによって、トンネルの内壁
表面に防水性を有する塗膜を形成させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
塗膜形成方法によって形成された塗膜では、トンネルの
内壁面全体に渡って防水性の塗膜が隙間なく形成されて
いたことから、トンネルの内壁面から浸み出す地下水や
空気を逃がしてその内壁面と塗膜との間に生じる水圧や
空気圧の差を解消させることができなかった。このた
め、内壁面と塗膜との間に地下水層や空気層が形成され
ることにより、塗膜の表面が膨出したり、塗膜に大きな
亀裂が生じたりしてしまっていた。さらには、トンネル
内を通過する運搬用車両等による振動や衝撃によって前
記亀裂が拡大され、塗膜が剥離して落下するおそれもあ
った。
【0004】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、水圧又は空気圧の変化による塗膜の剥離
を抑制して塗膜強度を高めることができるように構成さ
れた透水性下地処理剤及び透水性塗膜形成方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の透水性下地処理剤は、下
地処理主剤及び透水孔形成材からなり、下地の表面に塗
布し、下地と、その上に被覆剤を塗布することによって
形成される被覆層との間に下地処理層を形成することに
より、被覆層の形成を促進させて下地処理層と被覆層と
よりなる塗膜を形成するための透水性下地処理剤であっ
て、前記透水孔形成材により塗膜に透水孔を穿設又は穿
設可能に形成し、透水性を付与又は付与可能に構成する
ことを特徴とするものである。
【0006】請求項2に記載の発明の透水性下地処理剤
は、請求項1に記載の発明において、前記透水孔形成材
を粒状物又は針状物により構成するとともに、その透水
孔形成材の最大長さを10〜70mmとすることを特徴
とするものである。
【0007】請求項3に記載の発明の透水性下地処理剤
は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記
透水孔形成材は、ガラスチップ、ガラス繊維、カーボン
チップ、カーボン繊維、スペクトラチップ、中空ボール
又は粒状塩からなることを特徴とするものである。
【0008】請求項4に記載の発明の透水性下地処理剤
は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記
透水孔形成材を吸水変色剤により構成し、前記被覆剤を
透明又は半透明の防水性の被覆剤によって構成するとと
もに、前記吸水変色剤により塗膜に透水孔を穿設可能に
形成し、透水性を付与可能に構成することを特徴とする
ものである。
【0009】請求項5に記載の発明の透水性塗膜形成方
法は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の透水性
下地処理剤と被覆剤とを用いて、下地の表面に塗膜を形
成させるための透水性塗膜形成方法であって、前記下地
処理主剤及び透水孔形成材を同時に吹付けながら下地の
表面に塗布して下地処理層を形成させた後、その下地処
理層の表面に前記被覆剤を塗布して乾燥させ、塗膜を形
成させることを特徴とするものである。
【0010】請求項6に記載の発明の透水性塗膜形成方
法は、請求項5に記載の発明において、前記被覆剤を塗
布する際に、透水孔形成材を同時に吹付けて塗布するこ
とを特徴とするものである。
【0011】請求項7に記載の発明の透水性塗膜形成方
法は、請求項5又は請求項6に記載の発明において、前
記被覆剤の乾燥前にその塗布面に点圧、線圧又は面圧を
かけることにより、前記塗膜に通水孔、通水溝又は通水
凹部を穿設又は穿設可能に形成させることを特徴とする
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、この発明
を具体化した第1実施形態を図面を参照して詳細に説明
する。
【0013】図1(a)及び(b)に模式的に示すよう
に、第1実施形態の透水性塗膜形成方法は、透水性下地
処理剤と被覆剤とを用いて、例えば、トンネルの内壁面
を構成する下地11の表面に、下地処理層12及び被覆
層13からなる塗膜14を形成させる方法である。前記
下地処理層12は下地処理主剤15と透水孔形成材16
とから構成され、前記被覆層13は透水孔形成材16と
被覆剤17とから構成される。
【0014】前記透水性下地処理剤を用いて形成された
塗膜14は、下地11の表面に浸み出す地下水や空気を
積極的に通過させて排出することにより、下地11表面
の圧力変化(水圧又は空気圧の変化)による塗膜14の
剥離を抑制して塗膜強度を高めることができるように構
成されている。
【0015】前記透水性下地処理剤は、下地処理主剤
(プライマー)15と透水孔形成材16とから構成され
ている。この透水性下地処理剤は、図示しない吹付け装
置の異なるタンク内に下地処理主剤15と透水孔形成材
16とをそれぞれ装填した状態で同時に吹付け、両者1
5,16を吹付け途中(空気中)で混合させながら下地
11の表面に塗布して下地処理層12を形成させるよう
に構成されている。
【0016】下地処理主剤15は、トンネルの内壁面を
構成するコンクリート等の下地11と、被覆剤17に対
して高い親和性を有し、下地11と被覆層13との間の
結合を強化させ、塗膜14の剥離を抑制させるために含
有される。この下地処理主剤15としては、形成された
下地処理層12が地下水によって容易に溶解されて消失
してしまわないように疎水性(防水性)であるのが好ま
しく、例えば、エポキシ系プライマー、湿潤性ウレタン
プライマー等が好適に使用される。
【0017】透水孔形成材16は、塗膜14に透水孔を
穿設又は穿設可能に形成させるために含有される。前記
塗膜14に形成される透水孔の一端は、図1(b)に示
されるように、下地11の表面に接触している透水孔形
成材16aの接触部によって構成されている。一方、こ
の透水孔の他端は、被覆層13(塗膜14)の表面から
露出している透水孔形成材16bの露出部によって構成
されている。この透水孔の中間部は、前記下地11の表
面に接触している透水孔形成材16aの表面、被覆層1
3の表面から露出している透水孔形成材16bの表面、
及びそれらに接触して両者間を繋ぐように配置された透
水孔形成材16の表面によって構成されている。
【0018】前記塗膜14に穿設可能に形成される透水
孔の一端は、前記透水孔形成材16aの接触部によって
構成されている。一方、この透水孔の他端は、前記透水
孔形成材16aの表面、及びその透水孔形成材16aと
接触して配置されているうえ被覆層13の表面から露出
していない透水孔形成材16の表面、から延長される形
で被覆層13の表面に形成され得る。
【0019】この透水孔形成材16としては、例えば、
カーボンブラック、ベンガラ、チタン白、フタロシアニ
ンブルー等の着色剤や、リン酸エステル、フタル酸エス
テル、エポキシ脂肪酸エステル等の可塑剤や、トリフェ
ニルホスファイト、ジラウリル・チオジプロピオネー
ト、ブチル化ヒドロキシアニゾール等の酸化安定剤や、
ニッケルビス(オクタチルフェニル)サルファイド、ヒ
ンダードアミン、フェニルサリシレート等の紫外線吸収
剤や、トリクレジルホスフェート、三酸化アンチモン、
硼酸亜鉛等の難燃剤や、第4級アンモニウム塩、アルキ
ルホスフェート等の帯電防止剤や、塩素酸ナトリウム、
シアン酸ソーダ、硫酸ニコチン、酢酸トリブチル錫、ク
ミアイ化学社製「ランリード」、吉富製薬社製「トミサ
イド」、保土谷化学社製「ラウゾール」、等の防カビ剤
及び除草剤や、塩化カルシウム、五酸化リン等の脱水剤
や、シリカ、クレー、タルク、多孔性無機化合物(ゼオ
ライト、モレキュラーシーブ、シリカゲル等のアミノケ
イ酸塩)、グラスファイバー、カーボンファイバー、各
種合成繊維、合成ゴム屑、各種プラスチック屑等の充填
剤、金属石鹸等の滑剤、シリコン系又はフッ素系界面活
性剤、シリコン系又はフッ素系等の離型剤、各種酵素、
銅鋼やステンレス鋼等の金属屑、その他加水分解防止剤
や消泡剤等が使用される。
【0020】さらに、この透水孔形成材16としては、
前記透水孔を容易に形成させることができることから、
ガラスチップ、ガラス繊維、カーボンチップ、カーボン
繊維、スペクトラチップ、中空ボール又は粒状塩を使用
するのが好ましい。この透水孔形成材16として塩化ナ
トリウム等の粒状塩を使用した場合には、下地11の表
面に浸み出す地下水中に溶解されて消失し、より大きな
透水孔を形成させることができる。
【0021】この透水孔形成材16の最大長さ又は最大
径は、10〜70mmの範囲内であるのが好ましい。こ
の透水孔形成材16の最大長さが10mm未満の場合に
は、塗膜14に透水孔を穿設及び穿設可能に形成させ難
くなる。逆に70mmを越える場合には、被覆層13
(塗膜14)の表面が粗くなり過ぎて不具合が生じるお
それがある。
【0022】被覆剤17は、下地処理層12の表面を被
覆して塗膜14の外観を向上させるために使用される。
この被覆剤17は、下地処理主剤15と高い親和性を有
するものが使用される。さらに、形成された塗膜14が
水滴等によって容易に溶解されて消失してしまわないよ
うに、疎水性(防水性)の被覆剤を使用するのが好まし
い。この被覆剤17としては、公知の被覆剤を使用する
ことができるが、塗膜14の形成を容易に行うことがで
きることから、二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤を使
用するのが好ましい。
【0023】この二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤
は、ポリイソシアネート成分、ポリオール成分及び架橋
剤からなる主剤と、触媒と、からなる二液によって構成
され、下地処理層12の表面に被覆する際に前記二液を
混合して被覆層13を形成させることができるように構
成されたものである。さらに、前記主剤中には、ポリオ
ール成分のうち50重量%を超える量が第2級ヒドロキ
シル(OH)基含有ポリオールによって構成されるとと
もに、前記主剤中の架橋剤がジエチルトルエンジアミン
から構成されている。
【0024】前記ポリイソシアネート成分としては、公
知のポリウレタン製造のために使用されるものが使用さ
れ、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート(純MDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,
4’−ジイソシアネート(水素化MDI)等のジフェニ
ルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート、又は
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートが挙げ
られる。
【0025】前記ポリオール成分としては、物体の表面
に適用したとき機械的強度、硬化時間の調節、表面平滑
性の実現の点でプラスとなることから、50重量%を越
える量が第2級ヒドロキシル基含有ポリオールで構成さ
れるようにする。前記第2級ヒドロキシル基含有ポリオ
ールとしては、高分子ポリオール又は低分子ポリオール
が使用される。
【0026】前記高分子ポリオールとしては、例えば、
ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、
プロピレンオキサイドとブチレンオキサイドとのランダ
ムまたはブロック共重合体、プロピレンオキサイドとエ
チレンオキサイドとのランダムまたはプロピレンオキサ
イド末端ブロック共重合体、ブチレンオキサイドとエチ
レンオキサイドとのランダムまたはブチレンオキサイド
末端ブロック共重合体等が挙げられる。低分子ポリオー
ルとしては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブ
タンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、グリセリン、ジグリセリン等が挙げられる。
【0027】前記架橋剤としては、ジエチルトルエンジ
アミンが使用される。前記触媒としては、第3級アミ
ン、有機錫化合物等のビスマス系化合物が好適に使用さ
れる。その他、鎖延長剤(多価アミン等)、充填剤、着
色剤、可塑剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯
電防止剤、加水分解防止剤、防カビ剤、脱水剤、消泡剤
等を配合させることができる。
【0028】上記透水性下地処理剤及び透水性塗膜形成
方法の作用を以下に記載する。透水孔形成材16として
ガラス繊維(針状物)を配合した透水性下地処理剤を使
用して下地11の表面に塗膜14を形成させる際には、
まず、下地処理主剤15、透水孔形成材16の原料繊維
及び被覆剤17を図示しない吹付け装置の異なるタンク
内にそれぞれ収容する。前記透水孔形成材16の原料繊
維としては、例えば、直径0.1μmで長さが70mm
よりも長い市販のガラス繊維が好適に使用される。
【0029】前記吹付け装置は、3個のタンクと、それ
らタンクの下端部を構成するノズルの先端部に高圧のエ
アーを供給するためのエアー供給装置とを備えている。
この吹付け装置の2個のタンクの先端部には、それぞれ
先端ほど狭まる横円筒形状に形成された噴射ノズルが設
けられ、前記エアーの圧力によって液体状の下地処理主
剤15又は被覆剤17を噴射させることができるように
なっている。
【0030】一方、残り1個のタンクの先端部は、前記
透水孔形成材16の原料繊維をノズルの先端に送るため
のロービングクロスと、そのロービングクロスの先端に
設けられたスクリューカッターとを備えたカッターノズ
ルとなっている。そして、この吹付け装置は、前記ロー
ビングクロスによってカッターノズルの先端に送られる
原料繊維を、前記スクリューカッターが所定長さに切断
して透水孔形成材16の針状物を形成させた後、その切
断された透水孔形成材16を前記エアーの圧力によって
カッターノズルの先端から噴射させることができるよう
になっている。
【0031】次に、前記吹付け装置を用いて、下地処理
主剤15及び透水孔形成材16を同時に下地11の表面
に向かって吹付ける。なお、吹付け装置の各ノズルの焦
点は、噴射された下地処理主剤15と透水孔形成材16
とが下地11の表面に到達するまでの間の空気中で混合
されるように、或いは下地11の表面で両者が混合され
るように設定されている。
【0032】このとき、吹付け装置のカッターノズルの
先端から噴射された透水孔形成材16は、吹付け装置と
下地11との間の空気中で、噴射ノズルの先端から噴射
された下地処理主剤15と結合されてその表面が被覆さ
れる。そして、透水孔形成材16aの表面を被覆してい
る下地処理主剤15は、下地11の表面に接触すること
によって、透水孔形成材16aと下地11との間の結合
を強化して透水孔形成材16aを下地11の表面に結合
させる。そして、これら結合された透水孔形成材16a
によって透水孔の一端が形成される。
【0033】さらに、図1(a)に示されるように、前
記下地処理主剤15で被覆された透水孔形成材16は、
下地11の表面に到達したときに互いに接触し、その表
面を被覆している下地処理主剤15を介して積み重なる
ようにして結合される。さらにこのとき、前記噴射ノズ
ルの先端から噴射された下地処理主剤15は、各透水孔
形成材16間の隙間を埋め、前記積み重なるようにして
結合された透水孔形成材16をより一層強力に結合させ
る。そして、この状態で下地処理主剤15を乾燥させる
ことによって下地処理層12が形成される。
【0034】次に、前記形成された下地処理層12の表
面に、前記吹付け装置の噴射ノズルから被覆剤17を噴
射塗布する。このとき、前記噴射ノズルから噴射された
被覆剤17は、下地処理層12の表面に露出している透
水孔形成材16の露出部の周囲を埋めるように下地処理
層12の表面上に塗布され、被覆層13を層状に形成さ
せる。
【0035】そして、この被覆層13を構成する被覆剤
17を乾燥させることによって塗膜14が形成される。
この塗膜14の表面には、前記被覆剤17によって埋め
られなかった透水孔形成材16bが露出した露出部が形
成されており、これら透水孔形成材16bの露出部によ
って透水孔の他端が形成される。
【0036】この形成された塗膜14の表面は、面一に
レベリング処理されていないうえ所々透水孔形成材16
bが微小に突出しているが、外見上ほとんど問題となる
ことはない。また、必要に応じて塗膜14の表面から突
出している透水孔形成材16bの露出部を削り取った
り、塗膜14の表層部分を薄く削り取ったりしてレベリ
ング処理を行ってもよい。このとき、塗膜14の表面に
は、削り取られた透水孔形成材16bの一端が露出され
て透水孔の他端が形成される。そして、この透水孔の他
端の表面には、疎水性の被覆剤17が全く被覆されてい
ないことから、透水性をより一層向上させることができ
るようになっている。
【0037】さて、上記のようにして形成された塗膜1
4は、下地11の表面に浸み出してくる地下水や空気を
透水孔を通して積極的に塗膜14の表面に排出させる。
すなわち、前記地下水や空気は、透水孔の一端を構成す
る透水孔形成材16aの表面を通って、毛細管現象等に
より下地11の表面から離間する方向へと移動する。続
いて、前記地下水や空気は、その透水孔形成材16aと
接触している透水孔の中間部を構成する透水孔形成材1
6の表面を通って、最終的に透水孔の他端を構成する透
水孔形成材16bの露出部から塗膜14の外部へと排出
される。
【0038】特に、被覆剤17によって完全には被覆さ
れ難いことから、前記透水孔形成材16bの露出部の下
地11側の表面を通って地下水や空気が排出される。そ
して、前記地下水や空気が浸み出す際の水圧や空気圧に
よる下地11表面の圧力変化を最小限に抑制させ、塗膜
14の膨出や亀裂の発生を防止して塗膜強度が高められ
る。
【0039】また、前記圧力変化が透水孔の排出能力を
超えて急激に発生した場合には、前記地下水や空気の一
部は、前記塗膜14形成時に形成された透水孔を通って
塗膜14の外部へと排出される。しかしながら、その透
水孔の排出能力を超えた量の圧力変化に対しては、以下
に記載するようにして解消される。
【0040】すなわち、前記地下水や空気は、前記透水
孔の一端を構成する透水孔形成材16aの表面又は中間
部を構成する透水孔形成材16の表面に到達したところ
で、その周囲の下地処理層12及び被覆層13を局所的
に押圧する。そして、前記地下水や空気は、透水孔形成
材16が密集していて比較的強度的に弱い下地処理層1
2及び被覆層13の一部に微小な亀裂を発生させる。そ
して、この亀裂は、塗膜14の表面に向かって延長さ
れ、その表面に新たな透水孔の他端を形成させて塗膜1
4の外部に地下水や空気を排出させる。
【0041】この作用により、前記圧力変化は比較的低
く抑えられることから、前記亀裂の拡大は最小限に抑制
される。また、次回以降同様に急激な圧力変化が発生し
た場合でも、上記塗膜14形成時に形成された透水孔の
排水能力と、前記新たに形成された透水孔(微小な亀
裂)の排水能力とを合計した排出能力によって、速やか
にその圧力変化を解消させることができる。
【0042】上記第1実施形態によって発揮される効果
について、以下に記載する。・ 第1実施形態の透水性
下地処理剤は、下地処理主剤15及び透水孔形成材16
からなり、下地11の表面に塗布し、下地11と、被覆
層13との間に下地処理層12を形成させることによっ
て、被覆層13の形成を促進させて塗膜14を形成させ
ることができるように構成されている。さらに、透水孔
形成材16により塗膜14に透水孔を穿設又は穿設可能
に形成し、透水性を付与又は付与可能に構成されてい
る。
【0043】このため、下地11の表面に浸み出す地下
水や空気を塗膜14の外部へと積極的に通過させること
ができる透水孔を容易に形成させることができることか
ら、下地11と塗膜14との間の圧力変化(水圧又は空
気圧の変化)を容易に解消させることができる。従っ
て、前記圧力変化による塗膜14の膨出や亀裂の発生を
効果的に抑制することができるうえ、下地11の表面に
対して塗膜14が剥離するのを抑制して塗膜強度を高め
ることができる。
【0044】・ 透水孔形成材16を針状物により構成
するとともに、その透水孔形成材16の最大長さを10
〜70mmとすることによって、透水孔形成材16を下
地処理層12及び被覆層13中に容易かつ確実に埋設保
持させることができるうえ、透水孔を容易かつ確実に穿
設又は穿設可能に形成させることができる。
【0045】また、この針状の透水孔形成材16は、下
地処理層12に沿って縦横に配設されるとともに、下地
処理層12と被覆層13との境界を繋ぐように配設され
ている。さらに、被覆層13に沿って縦横に配設されて
いる。このため、下地処理層12の引張強度及び引裂強
度を高めることができるうえ、塗膜14全体の強度をよ
り一層高めることができる。また、塗膜14の伸びを抑
制して塗膜強度を高めることもできる。
【0046】・ 透水孔形成材16をガラスチップ、ガ
ラス繊維、カーボンチップ、カーボン繊維、スペクトラ
チップ、中空ボール又は粒状塩によって構成することに
よって、塗膜14に容易かつ確実に透水孔を穿設又は穿
設可能に形成させることができる。
【0047】・ 第1実施形態の透水性塗膜形成方法
は、下地処理主剤15と透水孔形成材16とを同時に吹
付けながら下地11の表面に塗布して下地処理層12を
形成させた後、その下地処理層12の表面に被覆剤17
を塗布して乾燥させることによって塗膜14を形成させ
るものである。このため、水圧又は空気圧の変化による
剥離を抑制して塗膜強度を高めることができる塗膜14
を容易かつ確実に形成させることができる。 (第2実施形態)以下、第2実施形態を上記第1実施形
態と異なる点を中心に説明する。
【0048】第2実施形態の透水性塗膜形成方法は、上
記第1実施形態と同様にして下地11の表面に下地処理
層12を形成させた後、その下地処理層12の表面に、
被覆剤17と図2に模式的に示される透水孔形成材21
とを同時に吹付け、両者を吹付け途中で混合させながら
被覆層13を形成させるものである。
【0049】なお、前記透水孔形成材21としては、上
記第1実施形態と同じものを使用することができる。ま
た、前記被覆剤17と透水孔形成材21とを同時に吹付
ける際には、上記第1実施形態において、下地処理主剤
15と透水孔形成材16とを同時に吹付ける場合と同様
に行われる。
【0050】従って、図2に示されるように、この第2
実施形態の塗膜14は、上記第1実施形態の被覆層13
中に透水孔形成材21が混合されていることから、より
一層透水孔が穿設又は穿設可能に形成されやすくなって
いる。このため、水圧又は空気圧の変化による塗膜14
の剥離を抑制して塗膜強度をさらに高めることができ
る。 (第3実施形態)以下、第3実施形態を上記第1実施形
態と異なる点を中心に説明する。
【0051】第3実施形態の透水性塗膜形成方法は、上
記第1実施形態と同様にして下地11の表面に下地処理
層12を形成させ、その下地処理層12の表面に被覆剤
17を塗布した後、乾燥前の被覆層13の表面に、図3
に模式的に示される通水孔31、通水溝又は通水凹部を
穿設又は穿設可能に形成させるものである。そして、こ
れら通水孔31、通水溝又は通水凹部は、被覆剤17を
乾燥させることにより、被覆層13の表面から下地処理
層12の表面に向かって穿設又は穿設可能に形成され
る。
【0052】前記通水孔31は、例えば、図示しないロ
ーラーブラシを用いて穿設又は穿設可能に形成させるこ
とができる。すなわち、このローラーブラシは、横円柱
状に形成された回転軸部を備えている。前記回転軸部の
中央には、把持部と連結された回転軸が軸着されてお
り、その回転軸を中心に回転軸部が回転されるようにな
っている。加えて、前記回転軸部の外周面には、全周に
渡って所定長さのブラシ繊維が放射状に植毛されてい
る。このブラシ繊維は、乾燥前の被覆剤17が付着して
被覆層13の表面を荒らすことがないようにするため
に、フッ素樹脂によって構成されているか、或いは汎用
されているブラシ繊維の表面にフッ素樹脂がコーティン
グされているのが好ましい。
【0053】そして、前記通水孔31を形成させる場合
には、ローラーブラシの把持部を把持した状態で、ブラ
シ繊維の先端部を乾燥前の被覆層13の表面に押圧しな
がら、回転軸を被覆層13の表面に沿って移動させる。
このとき、前記ブラシ繊維は、回転軸部の回転によって
順次被覆層13の表面に当接されながら、その先端部に
よって被覆層13に点圧をかけ、被覆層13に通水孔3
1を穿設又は穿設可能に形成させる。一方、前記ブラシ
繊維の代わりに、回転軸部の外周面上にバーコート状又
は林立する柱状の凸部を突設させることによって、乾燥
前の被覆層13に線圧又は面圧をかけ、通水溝又は通水
凹部を穿設又は穿設可能に形成させることができる。
【0054】そして、これら被覆層13に穿設又は穿設
可能に形成された通水孔31、通水溝及び通水凹部の奥
部は、上記第1実施形態の透水孔の中間部と連結され得
る。これら透水孔の中間部と連結された通水孔31、通
水溝又は通水凹部は、上記第1実施形態における透水孔
形成材16aの接触部から繋がる透水孔の他端を構成す
ることから、透水孔による地下水や空気の排出能力をよ
り一層高めることができる。
【0055】従って、この第3実施形態の透水性塗膜形
成方法は、上記第1実施形態の透水性塗膜形成方法と比
較して、水圧又は空気圧の変化による塗膜14の剥離を
抑制して塗膜強度をより一層高めることができる。ま
た、塗膜14に形成された通水孔31、通水溝又は通水
凹部は、所望とする形状に容易に形成させることができ
ることから、塗膜14表面の意匠性を向上させることも
可能である。
【0056】
【実施例】以下、上記実施形態を具体化した実施例及び
比較例について説明する。 <塗膜特性試験> (比較例1)下地処理主剤15として武田薬品工業株式
会社製のタケネート526を、噴射ノズルを備えた吹付
け装置を用いて面一に形成されたコンクリート面に噴射
塗布した。続いて、被覆剤17として、日本合成化学工
業社製の無溶剤ウレタン樹脂エフレタンNの難燃グレー
ド(以下、エフレタンNと記載する)と、日本合成化学
工業社製の無溶剤ウレタン樹脂エフレタンRの難燃グレ
ード(以下、エフレタンRと記載する)とを等量ずつ混
合した二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤を、噴射ノズ
ルを備えた吹付け装置を用いて前記下地処理主剤15が
塗布された塗布面に噴射塗布して塗膜を形成させた。
【0057】次に、前記コンクリート面から、塗膜片を
丁寧に剥離させた後、その塗膜片について種々の塗膜特
性を検査した。結果を表1に示す。なお、この塗膜片の
大きさは1cm×1cm、厚さは0.5mmである。
【0058】(実施例1)下地処理主剤15としてタケ
ネート526を、噴射ノズルを備えた吹付け装置を用い
て面一に形成されたコンクリート面に噴射塗布すると同
時に、透水孔形成材16の原料繊維としてのガラス繊維
を、カッターノズルを備えた吹付け装置を用いて前記コ
ンクリート面に噴射塗布した。なお、前記各ノズルの焦
点は、噴射された下地処理主剤15と透水孔形成材16
とが空気中で充分に混合されるように設定されている。
また、カッターノズルから噴射された透水孔形成材16
のサイズは、直径0.1μm、長さ30mmであった。
【0059】続いて、被覆剤17として、エフレタンN
とエフレタンRとを等量ずつ混合した二液型無溶剤ウレ
タン系樹脂被覆剤を、噴射ノズルを備えた吹付け装置を
用いて前記下地処理主剤15及び透水孔形成材16が塗
布された下地処理層12の表面に噴射塗布して被覆層1
3を形成させ、塗膜14を形成させた。
【0060】次に、前記コンクリート面から、塗膜片を
丁寧に剥離させた後、その塗膜片について種々の塗膜特
性を検査した。結果を表1に示す。なお、この塗膜片の
大きさは1cm×1cm、厚さは0.5mmである。
【0061】
【表1】 表1の結果より、実施例1の塗膜片は、比較例1の塗膜
片と比較して、引張強度及び引裂強度が著しく高められ
たことが確認された。また、実施例1及び比較例1の各
ステップにおける硬化特性には、ほとんど差異は認めら
れなかった。
【0062】<引裂限界試験>上記実施例1及び比較例
1の塗膜片を用いて、以下に記載する引裂限界試験を行
った。すなわち、実施例1及び比較例1の塗膜片をそれ
ぞれ2枚重ね合わせた試験片の上端部を天井から吊り下
げるとともに、各試験片の下端部に1kgの重りを吊り
下げた状態で、各試験片の伸び(mm)を適時測定し
た。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】 表2の結果より、実施例1の試験片は、比較例1の試験
片と比較して、引裂限界が著しく向上したことが確認さ
れた。
【0064】<透水性塗膜剥離試験>20cm×20c
m×2cmのコンクリート板の全面(表裏面及び前後左
右の側面)に、上記実施例1及び比較例1と同様の方法
により塗膜を形成させた。これら各コンクリート板の上
面に円筒体の下端部を密着して載置した後、その円筒体
内に水を注入した。続いて、各円筒体内に収容された水
の上面に円形板を載置させるとともに、その円形板の上
面に10kgの重りを載せた状態で、各コンクリート板
の表面に塗布された塗膜の様子を適時観察した。なお、
前記円形板の周縁は、円筒体の内周面と密着されてお
り、円形板及び重りが水中に沈むことはないように形成
されている。結果を表3に示す。
【0065】
【表3】 表3の結果より、実施例1の塗膜14は、比較例1の塗
膜と比較して、塗膜14の膨出が全く起こらず、塗膜1
4の剥離が極めて引き起こされ難い性質を有しているこ
とが確認された。
【0066】なお、上記各実施形態は、次のように変更
して具体化することも可能である。・ 図4(a)及び
(b)に模式的に示されるように、球状又は楕円球状等
の粒状に形成された透水孔形成材41を使用して下地処
理層12を構成すること。或いは、前記透水孔形成材4
1を使用して下地処理層12及び被覆層13を構成する
こと。このように構成した場合、下地11と塗膜14と
の間に圧力変化が生じたときには、透水孔形成材41の
周囲に位置する下地処理層12及び被覆層13に、容易
に微小な亀裂を生じさせることができることから、その
亀裂によって透水孔を容易に形成させることができる。
【0067】・ 透水孔形成材16,21,41として
シリカゲル等の吸水変色剤を使用し、被覆剤17として
透明又は半透明の防水性被覆剤を使用するとともに、被
覆剤17により透水孔形成材16,21,41の表面を
完全に被覆するように、すなわち透水孔を穿設可能に形
成させること。なお、前記吸水変色剤は、水を吸収する
か、又は水と接触することによって変色する性質を有す
る物質である。さらに、この吸水変色剤としては、蛍光
を発するように変色したり(蛍光性)、暗闇で光って見
えるように変色したり(夜光性)、或いは塗膜14の色
に対して目立つ色彩に変色するものであるのが好まし
い。
【0068】このように構成した場合、防水性の被覆剤
17によって、外部の湿気と透水孔形成材16,21,
41とを遮断するように構成されていることから、下地
11表面から浸み出す地下水によってのみ透水孔形成材
16,21,41が所定色に変色される。このため、形
成された塗膜14における地下水の浸み出し場所を非常
に容易に特定することができることから、下地11及び
塗膜14の検査を容易に行うことができる。さらに、透
水孔形成材16,21,41によって塗膜14に透水孔
が穿設可能に形成されていることから、水圧又は空気圧
の変化によって透水孔を容易に形成させることができ、
塗膜14の剥離を抑制して塗膜強度を高めることができ
る。
【0069】・ 下地処理主剤15に透水孔形成材1
6,21,41を含有させずに下地処理層12を構成す
るとともに、被覆主剤としての被覆剤17に透水孔形成
材16,21,41を含有させて被覆層13を構成させ
ること。このように構成した場合でも、透水孔形成材1
6,21,41の周囲に微小な亀裂からなる透水孔を容
易に穿設可能に形成させることができることから、水圧
又は空気圧の変化による塗膜14の剥離を抑制して塗膜
強度を高めることができる。
【0070】・ 透水孔形成材16,21,41を含有
させずに塗膜14を構成するとともに、塗膜14に通水
孔31、通水溝又は通水凹部を穿設又は穿設可能に設け
ること。このように構成した場合でも、前記通水孔3
1、通水溝又は通水凹部の奥部に微小な亀裂からなる透
水孔を容易に穿設可能に形成させることができることか
ら、水圧又は空気圧の変化による塗膜14の剥離を抑制
して塗膜強度を高めることができる。
【0071】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 (1) 前記被覆剤が、ポリイソシアネート成分、ポリ
オール成分及び架橋剤からなる主剤と、触媒と、からな
る二液によって構成されるとともに、前記主剤中のポリ
オール成分のうち50重量%を超える量が第2級ヒドロ
キシル基含有ポリオールで構成されており、かつ前記主
剤中の架橋剤がジエチルトルエンジアミンから構成され
た二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤であることを特徴
とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の透水性
塗膜形成方法。
【0072】(2) 前記形成された塗膜の表面に露出
した透水孔形成材を削り取ることを特徴とする請求項5
から請求項7及び前記(1)のいずれかに記載の透水性
塗膜形成方法。
【0073】(3) 被覆主剤及び透水孔形成材からな
り、下地の表面に形成された下地処理層の表面に塗布す
ることによって被覆層を形成し、下地処理層と被覆層と
よりなる塗膜を形成させるための透水性被覆剤であっ
て、前記透水孔形成材により塗膜に透水孔を穿設又は穿
設可能に形成し、透水性を付与又は付与可能に構成する
ことを特徴とする透水性被覆剤。
【0074】(4) 下地処理主剤と前記(3)に記載
の透水性被覆剤とを用いて、下地の表面に塗膜を形成さ
せるための透水性塗膜形成方法であって、前記下地処理
主剤を下地の表面に塗布して下地処理層を形成させた
後、その下地処理層の表面に、前記被覆主剤及び透水孔
形成材を同時に吹付けながら塗布して乾燥させ、塗膜を
形成させることを特徴とする透水性塗膜形成方法。
【0075】(5) 下地処理主剤と被覆主剤とを用い
て、下地の表面に塗膜を形成させるための透水性塗膜形
成方法であって、前記下地処理主剤を下地の表面に塗布
して下地処理層を形成させた後、その下地処理層の表面
に被覆主剤を塗布し、その被覆主剤の乾燥前にその塗布
面に点圧、線圧又は面圧をかけることにより、前記塗膜
に通水孔、通水溝又は通水凹部を穿設又は穿設可能に形
成させた後、被覆主剤を乾燥させて塗膜を形成させるこ
とを特徴とする透水性塗膜形成方法。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
透水性下地処理剤によれば、水圧又は空気圧の変化によ
る塗膜の剥離を抑制して塗膜強度を高めることができ
る。
【0077】請求項2に記載の発明の透水性下地処理剤
によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、塗膜
に透水孔形成材を容易に埋設保持させることができるう
え、透水孔を容易に穿設又は穿設可能に形成させること
ができる。
【0078】請求項3に記載の発明の透水性下地処理剤
によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に
加えて、透水孔をさらに容易に穿設又は穿設可能に形成
させることができる。
【0079】請求項4に記載の発明の透水性下地処理剤
によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に
加えて、透水孔が形成された場所を容易に推定すること
ができる。
【0080】請求項5から請求項7に記載の発明の透水
性塗膜形成方法によれば、水圧又は空気圧の変化による
剥離を抑制して塗膜強度を高めることができる塗膜を容
易に形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は第1実施形態の下地処理層を模式的
に示す断面図、(b)は第1実施形態の塗膜を模式的に
示す断面図。
【図2】 第2実施形態の塗膜を模式的に示す断面図。
【図3】 第3実施形態の塗膜を模式的に示す断面図。
【図4】 (a)及び(b)はいずれも、実施形態以外
の塗膜を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
11…下地、12…下地処理層、13…被覆層、14…
塗膜、15…下地処理主剤、16,16a,16b…透
水孔形成材、17…被覆剤、21…透水孔形成材、31
…通水孔、41…透水孔形成材としての粒状物。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 175/04 175/04 201/00 201/00 E21D 11/00 E21D 11/00 Z (72)発明者 秋田 晴夫 静岡県焼津市小浜1403番地 株式会社エコ テック内 Fターム(参考) 2D055 LA01 4D075 AA01 AA84 AE03 CA37 DA06 DB12 DC05 EC03 EC22 EC53 4J038 DB001 DG001 HA026 HA486 KA08 KA19 KA20 KA21 NA11 NA12 PB05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地処理主剤及び透水孔形成材からな
    り、下地の表面に塗布し、下地と、その上に被覆剤を塗
    布することによって形成される被覆層との間に下地処理
    層を形成することにより、被覆層の形成を促進させて下
    地処理層と被覆層とよりなる塗膜を形成するための透水
    性下地処理剤であって、 前記透水孔形成材により塗膜に透水孔を穿設又は穿設可
    能に形成し、透水性を付与又は付与可能に構成すること
    を特徴とする透水性下地処理剤。
  2. 【請求項2】 前記透水孔形成材を粒状物又は針状物に
    より構成するとともに、その透水孔形成材の最大長さを
    10〜70mmとすることを特徴とする請求項1に記載
    の透水性下地処理剤。
  3. 【請求項3】 前記透水孔形成材は、ガラスチップ、ガ
    ラス繊維、カーボンチップ、カーボン繊維、スペクトラ
    チップ、中空ボール又は粒状塩からなることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の透水性下地処理剤。
  4. 【請求項4】 前記透水孔形成材を吸水変色剤により構
    成し、前記被覆剤を透明又は半透明の防水性の被覆剤に
    よって構成するとともに、 前記吸水変色剤により塗膜に透水孔を穿設可能に形成
    し、透水性を付与可能に構成することを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の透水性下地処理剤。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の透水性下地処理剤と被覆剤とを用いて、下地の表面に
    塗膜を形成させるための透水性塗膜形成方法であって、 前記下地処理主剤及び透水孔形成材を同時に吹付けなが
    ら下地の表面に塗布して下地処理層を形成させた後、そ
    の下地処理層の表面に前記被覆剤を塗布して乾燥させ、
    塗膜を形成させることを特徴とする透水性塗膜形成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記被覆剤を塗布する際に、透水孔形成
    材を同時に吹付けて塗布することを特徴とする請求項5
    に記載の透水性塗膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記被覆剤の乾燥前にその塗布面に点
    圧、線圧又は面圧をかけることにより、前記塗膜に通水
    孔、通水溝又は通水凹部を穿設又は穿設可能に形成させ
    ることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の透水
    性塗膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008223336A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Tokyo Electric Power Co Inc:The 地下構造物用止水材

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