JP6379732B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性材料からなるカバーを有するゴルフボールに関し、更に詳述すると、熱可塑性材料により成形されたカバーの表面に、特定の処理を施すことにより優れた耐擦過傷性やスピン特性が得られるように改良されたゴルフボールに関する。
近年、ゴルフボールのカバー材料としてポリウレタン材料を用いることが注目されている。ポリウレタン材料は成形物の成形方法の観点から、熱硬化性ポリウレタン材料と熱可塑性ポリウレタン材料に大きく分けられている。前者の熱硬化性ポリウレタン材料の成形物はイソシアネート末端基を持つウレタンプレポリマーと、ポリオール、ポリアミンといった硬化剤の液状原料とを加熱混合し、これを直接金型に流し込み加熱してウレタン硬化反応を生じさせることで得ることができる。
上記のような熱硬化性ポリウレタン材料を用いたゴルフボールの提案は数多くなされており、例えば特許文献1:米国特許第5334673号明細書、特許文献2:米国特許第6117024号明細書、特許文献3:米国特許第6190268号明細書などに記載されている。熱硬化性ポリウレタン材料の成形方法については、例えば特許文献4:米国特許第5006297号明細書、特許文献5:米国特許第5733428号明細書、特許文献6:米国特許第5888437号明細書、特許文献7:米国特許第5897884号明細書、特許文献8:米国特許第5947843号明細書などに記載されている。
熱硬化性ポリウレタン材料の成形物は、加熱による可塑性がないために、原料および成形品のリサイクルを行うことはできない。また、熱硬化性ポリウレタン材料の成形物は、加熱硬化工程および冷却工程が長時間であること、原料の加熱反応性が高く不安定なため、成形時間のコントロールが非常に困難であることから、ゴルフボールカバーのような特殊な成形物(芯材の周囲に被覆する成形物)に適用した場合の生産性は効率的ではないとされる。
一方、後者の熱可塑性ポリウレタン材料の成形物は、直接原料を反応させて成形物を得るのではなく、前述の熱硬化性ポリウレタン材料とはやや異なった原料と製造法を用いることで合成された線状ポリウレタン材料が成形に用いられる。このようなポリウレタン材料は熱可塑性があり、熱可塑化したポリウレタン材料は冷却することで固まる性質を持つ。よって、このようなポリウレタン材料は射出成形機を用いた成形が可能である。熱可塑性ポリウレタン材料の射出成形は成形時間が熱硬化性ポリウレタン材料の成形時間に比べて非常に短く、また精密成形に適しているので、ゴルフボールカバーの成形法として最適である。また、熱可塑性ポリウレタン材料はリサイクルが可能であり地球環境にも優しい。特許文献9:米国特許第3395109号明細書、特許文献10:米国特許第4248432号明細書、特許文献11:米国特許第4442282号明細書などでは、熱可塑性ポリウレタン材料を用いたゴルフボールの提案がなされている。
しかしながら、従来の熱可塑性ポリウレタン材料を用いたゴルフボールカバーは、打感、コントロール性、反発性、アイアン打撃時の耐擦過傷性の全てを満足するものではなかった。
これに対し、特許文献12:特開平9−271538号公報には反発性の高い熱可塑性ポリウレタン材料を用いたゴルフボールカバーが記載されている。しかし、このゴルフボールカバーも、アイアン打撃時の耐擦過傷性の点では十分でなかった。
また、特許文献13:特開平11−178949号公報には熱可塑性ポリウレタン材料とイソシアネート化合物との反応生成物を主成分とし、アイアン打撃時の耐擦過傷性が比較的良好なゴルフボールカバーが記載されている。このカバーでは、添加剤としてブロックジイソシアネート、イソシアネート二量体といったイソシアネート化合物が熱可塑性ポリウレタン材料に添加されている。添加方法としては押出機を用いた加熱溶融混合時や射出成形時に添加することで、成形時に反応させるようにしている。
しかし、上記特開平11−178949号公報のカバーの成形においては、イソシアネート化合物の取り扱いが水分による失活のために難しく、安定した反応生成物を得ることが困難であった。また、吸湿に強いブロックイソシアネートは熱により解離した際のブロック剤の臭気が強く、カバーの成形には不向きであった。更に、イソシアネート化合物がパウダー状や溶液状である場合、熱可塑性ポリウレタン材料への添加量のコントロールが難しく、カバー物性のコントロールが困難であった。しかも、熱可塑性ポリウレタン材料とイソシアネート化合物との融点の差、溶融粘度の差から成形機内でのすべり現象が生じ、十分な混練ができないこともあった。上記公報記載の技術では、以上のことが原因でカバー材料における水分の影響や添加剤添加量のコントロールが不十分となり、その結果、耐擦過傷性の改良効果の点で十分に満足できるゴルフボールカバーを得ることはできなかった。
更に、上記特開平11−178949号公報に記載されている好ましい熱可塑性ポリウレタン材料は脂肪族イソシアネートをベースとしたものであるが、この熱可塑性ポリウレタン材料はイソシアネートとの反応性が非常に大きく反応のコントロールが困難であるために、射出成形に用いる前にゲル化を生じやすく十分な可塑性を確保できないという問題や成形中にゲル化することがあるという問題、リサイクル樹脂がゲル化のために再生不能になることがあるという問題などを有していた。そして、これらの問題のため、上記公報に記載の技術を実用化することは困難であった。
一方、特許文献14:特公昭58−2063号公報(米国特許第4347338号明細書)には、二個以上のイソシアネート基を持つ化合物をイソシアネート基と反応しない熱可塑性樹脂と混和し、得られた混和物を熱可塑性ポリウレタン材料に配合し、成形機に供して成形する熱硬化性ポリウレタン成形品の製造法が記載されている。しかし、上記公報記載の技術は、耐溶剤性と連続的な繰返し磨耗に対しての改良のみを目的としており、該公報には、上記成形材料をゴルフボールのカバー材料として使用することは示されていない。ゴルフボールのカバー材料としては、反発性、飛距離、スピン性、コントロール性、打感、耐擦過傷性、耐カット性、耐変色性といったゴルフボールに必要な種々の特性を満たす材料が要望されている。
また、特許文献15:特開2002−336378号公報には、熱可塑性ポリウレタン材料とイソシアネート混合物からなるカバー材を用いたゴルフボールが記載され、当該カバー材はリサイクル可能であり、かつ反発性が高く、しかも耐擦過傷性に優れた熱可塑性ポリウレタン材料である。このカバー材は、熱可塑性ポリウレタンの生産性の良さと熱硬化性ポリウレタン並みの物性発現の両立を達成せしめると同時にイソシアネート化合物の可塑化効果により熱可塑性ポリウレタン材料の流動性を向上させ、生産性も向上させることができるという点で優れた手法である。しかし、上記の手法では、イソシアネート混合物を成型機内に直接投入することによる焼け異物の発生や、ドライブレンドという手法を用いるために配合比率にばらつきがあり、均一性が良くなく、成形の不安定さを引き起こすという問題を生じると同時に、イソシアネート混合物中のイソシアネート化合物と、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂との組成比が決まっているため、添加したいイソシアネート化合物の量及び熱可塑性樹脂の量、更には種類を自由に選択することは困難であった。
更に、特許文献16:特開2002−336380号公報には、高分子ポリオールとして平均分子量1,500以上のポリエーテルポリオールを含み反発弾性率40%以上の熱可塑性ポリウレタン材料と、特定のイソシアネート混合物とを配合した材料をカバー材に用いたゴルフボールが記載されているが、上記特許文献15における場合と同様、当該カバー材を成形機内に投入することによる焼け異物の発生や、成形の不安定さ、更には、イソシアネート化合物の添加量や種類の選択が制限されるなどの不都合があった。
また、特許文献17:特許第5212599号公報には、反発性が高く、スピン性能、耐擦過傷性に優れるものであり、かつ流動性が高く、生産性が高いゴルフボールが記載されているが、用いられる熱可塑性ポリウレタン材料は特殊な樹脂混合物であり、該樹脂混合物の生産、供給及びコスト面に課題がある。また、イソシアネート基が未反応状態で残存する材料を射出成型機内及びその付帯設備に投入することになるので、イソシアネート成分の付着による焼き付き、固化等不良率を増加させる要因となり得る不都合があった。
特許文献18:特許第3494441号公報には、熱可塑性樹脂からなるカバーを有するゴルフボールのカバー表面層に改質処理を施すことにより優れた特性を有するカバーが得られる技術が提案されている。しかし、成形性に優れる熱可塑性材料でカバーを成形した後、物性を改質することができて優れた手法ではあるが、耐擦過傷性改良の程度や改質後のゴルフボール特性として改善の余地があった。特に、ポリイソシアネート化合物としてMDIを選択した場合、MDIを処理に適した溶融液状態にするためには、凝固点(約39℃)以上に保つ必要がある。また、MDIの場合、ダイマー(二量体)の生成にも注意する必要があり、即ち、ダイマーの生成は一般に温度が高くなると早くなるため、安定した生産性を保つためには緻密な温度制御が必要であり煩雑を要する。更に、ゴルフボールの一部にアイオノマー材料を使用している場合、高い温度で処理した際に変形や物性の変化を引き起こしてしまう可能性もある。
特許文献19:特許第4051374号公報には、高いメルトインデックスを持つ熱可塑性ポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合材料により製造されたゴルフボールの製造方法が記載されている。具体的には、ベース熱可塑性ポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合材料を得るステップと、このベース樹脂材料のメルトインデックスを増加させるステップ、このメルトインデックスが増加した熱可塑性ポリウレタン材料をモールド成型するステップ、次にイソシアネート溶液のような2次的硬化剤により処理されるステップが記載されている。上記技術の手法は、イソシアネート成分によりカバー材料を架橋することによって、柔らかさと感触のようなカバーの望ましい他の特徴を維持しつつ、耐損傷抵抗を与えることができる優れた手法であるが、2次的硬化剤中にカバー材料を膨潤させ得る有機溶剤を含んだ場合、処理条件によっては数ミクロンレベルでのディンプル形状の変形を引き起こし、飛び性能に悪影響を及ぼしたり、成形時に発生したカバー材界面に溶剤が入り込むことにより、外観悪化を引き起こす可能性がある。
米国特許第5334673号明細書 米国特許第6117024号明細書 米国特許第6190268号明細書 米国特許第5006297号明細書 米国特許第5733428号明細書 米国特許第5888437号明細書 米国特許第5897884号明細書 米国特許第5947843号明細書 米国特許第3395109号明細書 米国特許第4248432号明細書 米国特許第4442282号明細書 特開平9−271538号公報 特開平11−178949号公報 特公昭58−2063号公報 特開2002−336378号公報 特開2002−336380号公報 特許第5212599号公報 特許第3494441号公報 特許第4051374号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、従来のゴルフボールに比べて、より一層、優れた耐擦過傷性やスピン特性が得られ、且つ、生産性に優れたゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、コアに1層以上のカバーを被覆してなるゴルフボールにおいて、該カバーの最外層が、ポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合物の群から選ばれる熱可塑性の材料により成形されるものであり、且つ、上記カバーの表面が、有機溶剤を含まないポリイソシアネート化合物により処理されることにより、そのカバーのうち最外層を有するゴルフボールの耐擦過傷性に優れ、スピン性能が良好に得られると共に、カバーを形成する生産性も高いことを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記のゴルフボールを提供する。
1.コアに1層以上のカバーを被覆してなるゴルフボールにおいて、該カバーの最外層が、ポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合物の群から選ばれる熱可塑性材料により成形されるものであり、且つ、上記カバーの表面が、有機溶剤を含まないポリイソシアネート化合物により処理されてなり、該ポリイソシアネート化合物として、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとの混合物を用い、上記ポリイソシアネート化合物100質量%中のMDI含有量が41〜59質量%であることを特徴とするゴルフボール。
2.上記最外層の材料の樹脂硬度がショアD硬度で30〜65である上記1記載のゴルフボール。
3.上記最外層の厚さが0.3〜3.0mmである上記1又は2記載のゴルフボール。
4.上記最外層の材料のポリウレタン又はポリウレアのイソシアネート成分が、下記の群から選ばれる1種又は2種以上の混合物である上記1〜3のいずれかに記載のゴルフボール。
〈イソシアネート化合物の選択群〉
トリレン−2,6−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5−ジイソシアナトナフタレン、イソホロンジイソシアネート(異性体混合物を含む)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート及び1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンからなる群
5.ボール表面処理後の表面硬度がショアD硬度で30〜70である上記1〜4のいずれかに記載のゴルフボール。
6.上記最外層の熱可塑性材料が、エーテルタイプの熱可塑性ポリウレタンである上記1〜5のいずれかに記載のゴルフボール。
7.上記カバーの表面を処理する際に用いられるポリイソシアネート化合物において、該ポリイソシアネート化合物の粘度が25℃で25〜180mPa・sである上記1〜6のいずれかに記載のゴルフボール。
8.上記表面処理後のポリイソシアネート化合物の含浸量が0.01〜1.0gである上記1〜7のいずれかに記載のゴルフボール。
9.上記表面処理前の最外層のJIS K7311に準拠した反発弾性率が35%である上記1〜8のいずれかに記載のゴルフボール。
本発明のゴルフボールは、スピン性能、耐擦過傷性に優れたものであり、その上、ゴルフボールの生産性が高いものである。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、コアに1層以上のカバーが被覆されたゴルフボールにおいて、該カバーの最外層が、ポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合物の群から選ばれる熱可塑性の材料により成形されるものであり、且つ、上記カバーの表面が、有機溶剤を含まないポリイソシアネート化合物により処理されるものである。このようなカバーを有するゴルフボールは、反発性、スピン性能、耐擦過傷性に優れたものとなる。
上記カバーは、コアを被覆する被覆層であり、単層であっても2層以上の複数層であってもよい。本発明では、カバーの各層のうち最外層が、ポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合物の群から選ばれる熱可塑性の材料により成形されるものである。この場合、ポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合物が樹脂組成物全体に占める割合は、特に制限されるものではないが、50質量%以上、好ましくは80質量%以上とすることができる。上記のポリウレタン又はポリウレアについて以下に説明する。
ポリウレタン
熱可塑性ポリウレタン材料の構造は、長鎖ポリオールである高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、ハードセグメントを構成する鎖延長剤及びポリイソシアネートからなる。ここで、原料となる高分子ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、共役ジエン重合体系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン系ポリオール、ビニル重合体系ポリオールなどを挙げることができる。ポリエステル系ポリオールとしては、具体的には、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリプロピレンアジペートグリコール、ポリブタジエンアジペートグリコール、ポリヘキサメチレンアジペートグリコール等のアジペート系ポリオールやポリカプロラクトンポリオール等のラクトン系ポリオールを採用することができる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)及びポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの長鎖ポリオールの数平均分子量は、1,000〜5,000の範囲内であることが好ましい。かかる数平均分子量を有する長鎖ポリオールを使用することにより、上記した反発性や生産性などの種々の特性に優れた熱可塑性ポリウレタン組成物からなるゴルフボールを確実に得ることができる。長鎖ポリオールの数平均分子量は、1,500〜4,000の範囲内であることがより好ましく、1,700〜3,500の範囲内であることが更に好ましい。
なお、上記の数平均分子量とは、JIS−K1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である(以下、同様。)。
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限されるものではない。本発明では、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有し、かつ分子量が2,000以下である低分子化合物を用いることができ、その中でも炭素数2〜12の脂肪族ジオールを好適に用いることができる。具体的には、1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等を挙げることができ、その中でも特に1,4−ブチレングリコールを好適に使用することができる。
ポリイソシアネートとしては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限はない。具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ダイマー酸ジイソシアネートからなる群から選択された1種又は2種以上を用いることができる。ただし、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。
なお、必須成分ではないが、熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性樹脂又はエラストマーを配合することができる。具体的には、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アイオノマー樹脂、スチレンブロックエラストマー、水添スチレンブタジエンゴム、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体又はその変性物、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体又はその変性物、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体又はその変性物、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリエチレン及びナイロン樹脂から選ばれ、その1種又は2種以上を用いることができる。特に、生産性を良好に維持しつつ、イソシアネート基との反応により、反発性や耐擦過傷性が向上することなどの理由から、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー及びポリアセタールを採用することが好適である。上記成分を配合する場合、その配合量は、カバー材の硬度の調整、反発性の改良、流動性の改良、接着性の改良などに応じて適宜選択され、特に制限されるものではないが、熱可塑性ポリウレタン成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上とすることができる。また、配合量の上限も特に制限されないが、熱可塑性ポリウレタン成分100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは75質量部以下、更に好ましくは50質量部以下とすることができる。
また、上記ポリウレタン形成反応における活性水素原子:イソシアネート基の配合比は、上記した反発性、スピン性能、耐擦過傷性及び生産性などの種々の特性がより優れた熱可塑性ポリウレタン組成物からなるゴルフボールを得ることができるよう、好ましい範囲にて調整することができる。具体的には、上記の長鎖ポリオール、ポリイソシアネート化合物及び鎖延長剤を反応させて熱可塑性ポリウレタンを製造するに当たり、長鎖ポリオールと鎖延長剤とが有する活性水素原子1モルに対して、ポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が0.95〜1.05モルとなる割合で各成分を使用することが好ましい。
熱可塑性ポリウレタンの製造方法は特に限定されず、長鎖ポリオール、鎖延長剤及びポリイソシアネート化合物を使用して、公知のウレタン化反応を利用して、プレポリマー法、ワンショット法のいずれで製造してもよい。そのうちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶融重合により製造することが好ましい。
上述した熱可塑性ポリウレタン材料としては、市販品を好適に用いることができ、例えば、ディーアイシーバイエルポリマー社製の商品名「パンデックス」や、大日精化工業社製の商品名「レザミン」などを挙げることができる。
ポリウレア
ポリウレアは、(i)イソシアネートと(ii)アミン末端化合物との反応により生成するウレア結合を主体にした樹脂組成物である。この樹脂組成物について以下に詳述する。
(i)イソシアネート
イソシアネートは、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限はなく、上記ポリウレタン材料で説明したものと同様のものを用いることができる。
(ii)アミン末端化合物
アミン末端化合物は、分子鎖の末端にアミノ基を有する化合物であり、本発明では、以下に示す長鎖ポリアミン及び/又はアミン系硬化剤を用いることができる。
長鎖ポリアミンは、イソシアネート基と反応し得るアミノ基を分子中に2個以上有し、かつ数平均分子量が1,000〜5,000であるアミン化合物である。本発明では、より好ましい数平均分子量は1,500〜4,000であり、更に好ましくは1,900〜3,000である。この平均分子量の範囲であれば、反発性及び生産性等がより一層優れるものとなる。上記長鎖ポリアミンの具体例としては、アミン末端を持つ炭化水素、アミン末端を持つポリエーテル、アミン末端を持つポリエステル、アミン末端を持つポリカーボネート、アミン末端を持つポリカプロラクトン、及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの長鎖ポリアミンは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一方、アミン系硬化剤は、イソシアネート基と反応し得るアミノ基を分子中に2個以上有し、かつ数平均分子量が1,000未満であるアミン化合物である。本発明では、より好ましい数平均分子量は800未満であり、更に好ましくは600未満である。上記アミン系硬化剤の具体例としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン、テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン、2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン、1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン、1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン、4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンの誘導体、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン)、1,3−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン)、ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピレントリアミン、イミド−ビス−プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、イソホロンジアミン、4,4’−メチレンビス−(2−クロロアニリン)、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルチオ−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチルチオ−2,6−トルエンジアミン、4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン及びその誘導体、1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、N,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、4,4’−メチレンビス−(3−クロロ−2,6−ジエチレンアニリン)、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチルアニリン)、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、及びこれらの混合物をあげることができるが、これらに限定されない。これらのアミン系硬化剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(iii)ポリオール
ポリウレアには、必須成分ではないが、上述した(i)成分及び(ii)成分に加えて更にポリオールを配合することができる。本発明では、このポリオールとして、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限はないが、具体例として、以下に示す長鎖ポリオール及び/又はポリオール系硬化剤を例示することができる。
長鎖ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、共役ジエン重合体系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン系ポリオール、ビニル重合体系ポリオールなどを挙げることができる。これらの長鎖ポリオールは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記長鎖ポリオールの数平均分子量は、1,000〜5,000であることが好ましく、より好ましくは1,700〜3,500である。この平均分子量の範囲であれば、反発性及び生産性等がより一層優れるものとなる。
ポリオール系硬化剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限されるものではない。本発明では、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有し、かつ分子量が1000未満である低分子化合物を用いることができ、その中でも炭素数2〜12の脂肪族ジオールを好適に用いることができる。具体的には、1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等を挙げることができ、その中でも特に1,4−ブチレングリコールを好適に使用することができる。また、上記ポリオール系硬化剤の、好ましい数平均分子量は800未満であり、より好ましくは600未満である。
上記ポリウレアには、必要に応じて、更に種々の添加剤を配合することができ、例えば、顔料、無機充填剤、分散剤、酸化防止剤,耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤等を適宜配合することができる。
上記ポリウレアの製造方法については、公知の方法を採用し得、プレポリマー法、ワンショット法等の公知の方法を適宜選択すればよい。
上記ポリウレタン及びポリウレアを用いてカバーを成形する方法としては、例えば、射出成形機に上述の材料を供給し、コアの周囲に射出する方法を採用することができる。この場合、成形温度は、配合等によって異なるが、通常150〜270℃の範囲である。
カバー表面の処理
次に、本発明のゴルフボールにおいては、上記により成形されたカバー最外層の表面が有機溶剤を含まないポリイソシアネート化合物により処理されてなることを特徴とする。この表面処理方法について以下に説明する。
上記の処理方法は、有機溶剤を含まないポリイソシアネート化合物を用いるものである。ここで、上記ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はないが、以下の選択群から選ばれる。
〈ポリイソシアネート化合物の選択群〉
トリレン−2,6−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5−ジイソシアナトナフタレン、イソホロンジイソシアネート(異性体混合物を含む)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、及びこれらの誘導体、並びに上記イソシアネート化合物から形成されるプレポリマーからなる群
上記ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネートを使用することが好適であり、特に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(モノメリック(ピュア)MDI)とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)が好適に用いられる。芳香族系ポリイソシアネートを本発明に用いる場合、熱可塑性樹脂中の反応性基との反応性に富むため、本発明の効果を良好に得ることができる。更に、ポリメリックMDIは、イソシアネート基の数がモノメリックMDIよりも多いため、架橋形成による耐擦過傷性改良効果が大きくなり、また、常温で液体状であるため、取り扱い性に優れる点から好適に採用される。但し、ポリメリックMDIは、一般的には暗褐色の外観を有しており、被処理材であるカバー材料の着色汚染が懸念される。この着色は、ポリメリックMDIを有機溶剤に溶解した溶液状態で処理した際に顕著に表れるため、本発明では、この着色の懸念からも有機溶剤を含まない状態での使用が好適である。
なお、本発明においてポリメリックMDIによる着色低減方法として、例えば、特許第4114198号や特許第4247735号等に記載される事前処理を好適に採用し得る。上記の特許記載のような手法を採択しても良いが、これに限定されるものではない。このような事前処理を行い、処理後に適切な洗浄を行えば、着色汚染は殆ど発生しないものである。
上記のポリイソシアネート化合物の処理方法としては、浸漬法、塗装法(スプレー法)、熱や圧力を掛けた浸透法、滴下法などを好適に採用することができ、特に、浸漬法又は塗装法が工程管理や生産性の観点から好ましい。浸漬法による処理時間については、1分〜180分とすることが好適であり、より好ましくは10〜120分、更に好ましくは20〜90分である。上記の処理時間が短すぎると、十分な架橋効果が得られ難くなり、長すぎると、過剰なポリイソシアネート化合物によりカバー表面の変色が大きくなる可能性がある。また処理時間が長くなることで、生産のリードタイムが長くなる為生産性の観点からあまり好ましくない。上記の処理時の温度については、生産性の観点から安定した溶融液体状態を保ち、また、反応性を安定に保てるような温度領域に制御することが好適であり、具体的には、10〜60℃であることが好ましく、より好ましくは15〜50℃、さらに好ましくは20〜45℃である。処理温度が低すぎる場合、カバー材への浸透・拡散又は表層界面部での反応性が十分でなくなり、所望の物性が得られない場合がある。処理温度が高過ぎる場合、カバー材への浸透・拡散又は表層界面部での反応性が高くなり、過剰なポリイソシアネート化合物によってカバー表面の変色が大きくなる可能性がある。また、ディンプル形状を含む外観の変化やゴルフボールの一部にアイオノマー系材料が使用されている場合には、物性変化を引き起こす可能性がある。上記の好適な範囲の処理時間及び処理温度で処理を行うことにより、生産性を損なうことなく、十分な架橋効果を得、所望の物性を得ることができる。
また、反応性を制御し、より耐擦過傷性に優れ、スピン性能に優れたゴルフボールを得るためには、ポリイソシアネート化合物の処理剤又は被処理材であるカバー材料に、触媒やイソシアネート基と反応性を有する官能基を2個又は3個以上含む化合物を予め含有しておくことができる。上記の化合物の含有の方法については、ポリイソシアネート化合物の処理剤の溶融液体処理剤中に分散状態で混合する方法や、被処理材(カバー材)である熱可塑性樹脂中に単軸又は二軸押出機等の混練機を用いて混合することもでき、或いは、射出成型機に各成分をドライブレンド状態で投入しても良い。この場合、投入の際には、化合物単体で投入しても良いし、予め適当なベース材料を用いてマスターバッチの状態にしておいても良い。
上記のポリイソシアネート化合物により処理した後、ボール表面に過剰なポリイソシアネート化合物が残存しているとロゴマークの転写不良や塗装の剥離などの悪影響を与えやすくなり、更に経時による変色の発生などの外観不良に繋がる可能性があるため、適切な有機溶剤等で洗浄することが好ましい。特にポリメリックMDIを使用する場合、該化合物は暗褐色の液状物であるため、十分に洗浄をしないと外観不良に繋がってしまう。この際、使用される有機溶剤については、ポリイソシアネート化合物を溶解し、且つ、カバー材成分であるポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合物を溶解しない適切な有機溶剤を適宜選択すれば良い。この有機溶剤としては、エステル系、ケトン系などの有機溶剤やベンゼン、ジオキサン、四塩化炭素等のポリイソシアネート化合物を溶解させる溶剤を使用することが好ましい。特に、上記有機溶剤として、アセトンや酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等を単独または混合状態で好適に用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。上記有機溶剤による洗浄方法については一般的な手法を用いれば良く、例えば、浸漬、搖動、超音波、(マイクロ・ナノ)バブル、液中噴流、シャワー等の手法が用いられる。上記の洗浄時間については、120秒以内とすることが好ましく、より好ましくは60秒以内、さらに好ましくは30秒以内で洗浄を完了させることが望ましい。洗浄時間が長くなり洗浄し過ぎると、ポリイソシアネート化合物の残存による外観不良の発生は抑えられるが、処理を施したポリイソシアネート化合物を除去することになってしまい、これにより架橋の進行が十分に至らなくなる場合や、有機溶剤がカバー材に浸透・膨潤することにより、成形時にカバー中に発生した残留応力の緩和による形状変化や成形時に生成した樹脂界面へのダメージ又は低分子成分の溶解等が発生する可能性があるため、適切な処理時間で行うことが好ましい。また、溶剤によるディンプル形状の変化や射出成型時のサポート(保持)ピン痕部の膨潤により、適正な飛び性能が得られなくなり、飛距離に悪影響を及ぼす可能性がある。
なお、上記のポリイソシアネート化合物による表面処理の事前処理として、乾燥処理を行うこともできる。即ち、ポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合物を有する熱可塑性の材料により成形されたカバーの処理に際し、カバー材に含有される水分を除去し、処理後の物性安定化や処理溶液の長寿命化のため、必要に応じて、事前に乾燥処理等を実施することが好適であるが、必ずしもその限りではない。乾燥処理としては、温風乾燥、真空乾燥等の一般的な手法を用いれば良い。これらの表面処理の事前処理については、特にアイオノマー系材料をその一部に含有するゴルフボールの場合、変形や物性変化を引き起こさない範囲での処理を施すことが望ましい。この事前処理において、温風乾燥を施す場合、特に制限はないが、温度は15〜60℃、好ましくは20〜55℃、時間は好ましくは10〜180分、より好ましくは15〜120分、更に好ましくは30〜60分の条件で設定することが好適である。乾燥条件は、カバー材中の含有水分量との相関において適宜選定しても良く、カバー材中の含有水分量が5,000ppm以下となるように調整することが好適であり、より好ましくは3,500ppm以下、さらに好ましくは2,500ppm以下、最も好ましくは1,000ppm以下となるように調整することである。
上記のポリイソシアネート化合物による表面処理の後は、ポリウレタン、ポリウレアの熱可塑性材料とポリイソシアネート化合物との架橋反応を効果的に進行させ、物性・品質の向上や安定化、また、生産タクトの管理・短縮のために適切なキュア工程を設けることが好ましい。但し、イソシアネートは室温でも反応が進行するため、必ずしもキュア工程を設ける必要はない。キュア工程を設ける場合、その手法は、熱や圧力、触媒の存在下、架橋反応を進行させる手法を適宜選択することができる。具体的には、15〜150℃、24時間以内、好ましくは20〜100℃、12時間以内、更に好ましくは30〜70℃、6時間以内の適切な温度及び時間による加熱処理を行うことが好適である。
上記のポリイソシアネート化合物による表面処理後のポリウレタン、ポリウレアの熱可塑性材料とポリイソシアネート化合物との架橋反応の進行度合いについては適切な手法により確認することができる。例えば、ATR法FT−IRを用いてキュア後のボール表面を測定することは有効である。この場合、イソシアネート基由来のピークやNHCO基由来のピークを観察することにより架橋反応の進行を確認することができる。或いは、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等の溶剤にカバー材を浸漬し、溶解分の重量を確認する手法によって架橋の進行度合いを確認することができる。更には、カバーの断面方向に微小硬さを測定することも有効な手段である。カバーの断面方向の硬度変化を微小硬さ(マイクロハードネス)で確認することにより、処理領域の定性・定量化が出来るため、有効な手段である。
上記表面処理後のポリイソシアネート化合物の含浸量は、ゴルフボール全体の重量及び所望の物性に合わせて適宜調整することができる。上記の含浸量は、重量変化換算にて、好ましくは0.01〜1.0gの範囲内の変化、より好ましくは0.03〜0.8gの範囲内の変化、更に好ましくは0.05〜0.75gの範囲内の変化である。この重量変化量が少ない場合、イソシアネート成分の含浸が十分ではなく、適切な物性改善効果が得られない場合がある。重量変化が大きすぎる場合には、ゴルフボールのルール適合範囲内での重量制御やディンプル変化を含めて各種制御が難しくなる場合がある。ポリイソシアネート化合物による含浸深さについては、所望の物性が得られるように、プロセス条件を適宜選択しても良い。本手法による改質効果は、表面からの侵入・拡散という原理上、物性傾斜をつけやすい。ある厚みを持ったカバー層内で物性傾斜を持たせることで、疑似的に多層カバー層を設けることと同義になり、従来にないカバー特性を発現させ得ることが可能となる。また、有機溶剤の有無によりポリイソシアネート化合物の含浸状況が変化し得る。有機溶剤を用いた場合、より深い方向まで物性変化が及び易く、有機溶剤を用いない場合、より界面近傍に近い位置での物性変化を与えやすい。有機溶剤を用いない手法で処理を施した場合、カバー外層の表層近傍の物性とカバー内部の物性との間に差をつけることが容易となり、ゴルフボールの設計自由度を大きく変えることができる利点がある。
上記カバーの最外層を成形する方法としては、例えば、射出成形機に上述の樹脂配合物を供給し、コアの周囲に溶融した樹脂配合物を射出することによりカバーのうち最外層を成形することができる。この場合、成形温度としては熱可塑性ポリウレタン等の種類によって異なるが、通常150〜270℃の範囲である。
本発明のゴルフボールを構成する1層以上のカバーにおいて、上記表面処理後のボール表面硬度としては、デュロメータD型硬度で、好ましくは30〜70、より好ましくは38〜65である。カバーの最外層の硬度が低すぎると、ドライバー打撃時のスピン量が多くなり飛距離が低下する場合がある。また、カバーの最外層の硬度が高すぎると、フィーリングが悪くなると共にウレタン素材の反発性能、耐久性能に劣る場合がある。
なお、上記表面処理前の最外層の反発弾性としては、特に制限はないが、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは45%以上である。カバーの最外層の反発弾性率が低すぎると、ゴルフボールの飛距離が大幅に低下する場合がある。また、カバーのうち最外層の反発弾性率が高すぎると100ヤード以内のコントロールを必要とするショットやパッティングで初速度が高くなりすぎ、ゴルファーのフィーリングに合わないことがある。なお、本発明において反発弾性率とは、JIS K7311に準拠した反発弾性率をいう。
本発明のゴルフボールに使用されるコアについては特に制限はなく、例えばツーピースボール用ソリッドコア、複数の加硫ゴム層を持つソリッドコア、複数の樹脂層を持つソリッドコア、糸ゴム層を有する糸巻きコアといった種々のコアが使用可能である。コアの外径、重量、硬度、材質等についても制限はない。
また、本発明のゴルフボールにおいて、カバーが2層以上の場合、即ち、最外層の内側に中間層を含む構成とする場合、かかる中間層の硬度、材質、厚み等にも特に制限はない。中間層と最外層と間の密着性改良のため、必要に応じてプライマー層を設けることや密着性又は接着性を改良するための一般的な技術を適用することができる。
なお、上記カバーの最外層の厚さは0.1〜5.0mmの範囲とすることができ、好ましくは0.3〜3.0mmであり、より好ましくは0.5〜2.0mmである。カバーを2層以上の多層構造に形成する場合は、中間層の厚さは、特に制限されるものではないが、0.1〜5.0mmの範囲とすることができ、好ましくは0.3〜3.0mmであり、より好ましくは0.5〜2.0mmである。
本発明のゴルフボールは、ゴルフ規則に従った直径および重さに形成されることが好ましく、通常、直径42.67mm以上、重さ45.93g以下に形成されるが、直径は42.67〜42.9mmであることが好ましい。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜21、比較例1〜8〕
下記表1に示す配合によりコア組成物を調整した後、155℃,15分間の加硫条件により加硫成形することによりソリッドコアを作成した。
Figure 0006379732
上記コア材料の詳細は下記のとおりである。なお、表中の数字は質量部を示す。
「ポリブタジエン I」:JSR社製、商品名「BR01」
「ポリブタジエン II」:JSR社製、商品名「BR51」
「アクリル酸亜鉛」:日本蒸留工業社製
「硫酸バリウム」:堺化学工業株式会社「沈降性硫酸バリウム100」
「酸化亜鉛」:堺化学工業社製
「老化防止剤」:2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)」商品名「ノクラックNS−6」(大内新興化学工業社製)
「過酸化物 I」:1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカとの混合物:商品名「パーヘキサC−40」(日油社製)
「過酸化物 II」:ジクミルパーオキサイド:商品名「パークミルD」(日油社製)
カバー(包囲層、中間層及び最外層)の形成
次に、上記で得たコアの周囲に、下記の表2に示す配合により、カバーの各層(包囲層、中間層及びカバー)を射出成形法により順次成形した各実施例、比較例のマルチピースソリッドゴルフボールを作成した。この際、各実施例、比較例のカバー表面には、特に図示してはいないが、共通する所定のディンプルを形成した。
Figure 0006379732
上記表中に記載した材料の商品名は以下の通りである。
「HPF1000」:デュポン社製のアイオノマー
「ハイミラン」:三井デュポンポリケミカル社製のアイオノマー
「ニュクレルAN4319」及び「ニュクレルAN4221C」:三井デュポンポリケミカル社製の“ニュクレル”
「ステアリン酸マグネシウム」:商品名「マグネシウムステアレートG」日油社製
「酸化マグネシウム」: 協和化学工業社製「キョーワマグMF150」
「T8283」:エーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン、JIS−A型硬度83、反発弾性率55%、ディーアイシーバイエルポリマー社製の商品名「パンデックスT8283」
「T8290」:エーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン、JIS−A型硬度93、反発弾性率52%、ディーアイシーバイエルポリマー社製の商品名「パンデックスT8290」
「T8295」:エーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン、JIS−A型硬度97、反発弾性率44%、ディーアイシーバイエルポリマー社製の商品名「パンデックスT8295」
「T8260」:エーテルタイプ熱可塑性ポリウレタン、デュロメータD型硬度56、反発弾性率46%、ディーアイシーバイエルポリマー社製の商品名「パンデックスT8260」
「ハイトレル4001」:ポリエーテルエステルエラストマー、東レデュポン社製、デュロメータD型硬度40、反発弾性率63%(測定法BS903)
「ポリエチレンワックス」: 商品名「サンワックス161P」(三洋化成社製)
「モンタンワックス」:商品名「リコワックスE」(クラリアント・ジャパン社製)
「イソシアネート化合物」:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
* なお、上記の材料の反発弾性について、ウレタン系材料についてはJIS−K7311に準拠した反発弾性を測定したものであり、ポリエーテルエステルエラストマーについては、BS903に準拠した反発弾性を測定したものである。
次に、各実施例、比較例のカバー表面において、下記表3に示すイソシアネート化合物を選択し、各実施例、比較例ごとに表面処理を行った。この表面処理は、下記表4〜6に示すように、
(1)事前加温、
(2)イソシアネート化合物による浸漬処理、
(3)洗浄、及び
(4)キュア
の各工程を順次実施した。
Figure 0006379732
上記表中のイソシアネート化合物の説明は、以下のとおりである。
「m−MDI」・・・ モノメリックMDI、住化バイエルウレタン株式会社製の商品名「スミジュール44S」
「44V20L」・・・ ポリメリックMDI、住化バイエルウレタン株式会社製の商品名「スミジュールp−MDI 44V20L」(中粘度タイプ)
「44V10」・・・ ポリメリックMDI、住化バイエルウレタン株式会社製の商品名「スミジュールp−MDI 44V10」(低粘度タイプ)
「J243」・・・ ポリメリックMDI、住化バイエルウレタン株式会社製の商品名「SBUイソシアネートJ243」(極低粘度タイプ)
なお、カバー(包囲層、中間層、及び最外層)の材料硬度については、各樹脂材料を厚さ2mmのシート状に成形し、23℃で2週間保存後、厚さ6mm以上になるように重ねて、ASTM D2240−95規格に準拠したタイプDデュロメータを用いて測定した。
上記の表面処理を行ったゴルフボールについて、下記の方法により評価した。結果は表4、5(実施例)及び表6(比較例)に示した。
たわみ量(mm)
ゴルフボールを硬板の上に置き、23±1℃の温度で、10mm/minの速度で圧縮し、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)を負荷したときまでのボールのたわみ量(mm)を測定した。
初速度(m/s)
初速は、R&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。サンプルとしてのボールは23±1℃の温度で3時間以上温度調節し、室温23±2℃の部屋でテストされた。10個のサンプルを各々2回打撃して、6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。
表面硬度(ショアD硬度)
ボールの表面に対してASTM D2240−95規格に準拠したタイプDデュロメータの針を垂直になるように押し当てて測定した。なお、ボール表面においてディンプルが形成されない陸部における測定値である。
上記の硬度は、23±1℃に温調した後の測定値である。
飛び性能
ゴルフ打撃ロボットにドライバー(W#1)を取り付けて、ヘッドスピード45m/sで打撃した時のスピン量、キャリー及びトータル飛距離を測定した。クラブはブリヂストンスポーツ社製「TourStage X−Drive 707(2012モデル)」(ロフト9.5°)を使用した。
アプローチスピン性能
ゴルフ打撃ロボットにサンドウェッジ(SW)を取り付けて、ヘッドスピード20m/sで打撃した時のスピン量を測定した。クラブはブリヂストン社製「TourStage X−WEDGE」(ロフト56°)を使用した。
耐擦過傷性
ボールを23℃に保温するとともに、スウィングロボットマシンを用い、クラブはピッチングウェッジを使用して、ヘッドスピード33m/sで各ボールを各5球ずつ打撃し、打撃傷を以下の基準で目視にて評価し、その平均値を算出した。
5点:傷がついていないか、ほとんど傷が目立たない。
4点:やや傷が見られるものの、ほとんど気にならない。
3点:表面がやや毛羽立っている。
2点:表面が毛羽立ったり、ディンプルが欠けたりしている。
1点:ディンプルが完全に削り取られてしまっている。
外観
ボール外観(表面)が特に問題が無い状態ものを良好(○)とし、射出成型時のサポート(保持)ピン跡部の膨潤等の外観不良が発生しているもの、或いはボール色調が悪化しているものを不良(×)と評価した。
生産性
ゴルフボール成型品1000個について、焼け異物等の不良率を確認した。
不良率が2.5%より低いものを「○」、2.5%以上のものを「×」と評価した。
Figure 0006379732
Figure 0006379732
Figure 0006379732
表4〜6の結果より、各比較例は実施例に比べて以下の欠点を有する。
比較例1、3、4、7は、表面処理を実施していない場合の例である。これらの比較例においては、ゴルフボールの構造や最外層カバー材料の選定を試みたにも拘わらず、いずれも耐擦過傷性の面で課題があった。
比較例2、5、6は、イソシアネート化合物として、m−MDIや「44V20L」の25wt%アセトン溶液で表面処理を施した例である。その結果、耐擦過傷性の面において、m−MDI/アセトン溶液の処理品では、明確な改善効果が確認できなかった。また、「44V20L」/アセトン溶液の処理品では、改善効果が確認できたが、いずれのサンプルも有機溶剤を含んだ処理液を用いて表面処理を行ったため、ボール外観の面において、サポートピン痕部の膨潤等の悪影響が確認された。
比較例8は、最外層材料に、表2の樹脂配合(8)の組成物を選定したものであり、その結果、耐擦過傷性や外観面等において優れた性能が確認できたが、該最外層カバー材料中にイソシアネート化合物を含有していることにより、成型時に発生した焼け異物等による不良率が高いものであった。

Claims (9)

  1. コアに1層以上のカバーを被覆してなるゴルフボールにおいて、該カバーの最外層が、ポリウレタン、ポリウレア及びこれらの混合物の群から選ばれる熱可塑性材料により成形されるものであり、且つ、上記カバーの表面が、有機溶剤を含まないポリイソシアネート化合物により処理されてなり、該ポリイソシアネート化合物として、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートとの混合物を用い、上記ポリイソシアネート化合物100質量%中のMDI含有量が41〜59質量%であることを特徴とするゴルフボール。
  2. 上記最外層の材料の樹脂硬度がショアD硬度で30〜65である請求項記載のゴルフボール。
  3. 上記最外層の厚さが0.3〜3.0mmである請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. 上記最外層の材料のポリウレタン又はポリウレアのイソシアネート成分が、下記の群から選ばれる1種又は2種以上の混合物である請求項1〜のいずれか1項記載のゴルフボール。
    〈イソシアネート化合物の選択群〉
    トリレン−2,6−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,5−ジイソシアナトナフタレン、イソホロンジイソシアネート(異性体混合物を含む)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート及び1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンからなる群
  5. ボール表面処理後の表面硬度がショアD硬度で30〜70である請求項1〜のいずれか1項記載のゴルフボール。
  6. 上記最外層の熱可塑性材料が、エーテルタイプの熱可塑性ポリウレタンである請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
  7. 上記カバーの表面を処理する際に用いられるポリイソシアネート化合物において、該ポリイソシアネート化合物の粘度が25℃で25〜180mPa・sである請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール。
  8. 上記表面処理後のポリイソシアネート化合物の含浸量が0.01〜1.0gである請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール。
  9. 上記表面処理前の最外層のJIS K7311に準拠した反発弾性率が35%である請求項1〜8のいずれか1項記載のゴルフボール。
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