JP2001327843A - 生ゴミ処理用攪拌機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生ゴミ処理用攪拌機において、生ゴミの発酵
又は乾燥による分解処理を行いにくくする塊を砕くよう
にする。 【解決手段】 攪拌機は、投入された生ゴミを乾燥又は
発酵により分解処理して肥料又は飼料として再生させる
攪拌槽に設けられる。この攪拌槽の円弧状内周壁に沿っ
て回転するように回転軸１５に放射状に複数枚取付けら
れて、回転軸１５の縦方向に沿って複数列に配列された
回転パドル１０と、内周壁に突設されて、所属の回転パ
ドル１０を侵入させるように隙間２１を置いて縦方向に
複数列に配列された固定羽根２０とを備える。隙間２１
の幅が、分解処理させ得る最大の生ゴミ形状に対応して
設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、投入された生ゴミ
を乾燥又は発酵等で分解処理して肥料、飼料等として再
生するための攪拌槽に設けられる生ゴミ処理用攪拌機に
設けられる生ゴミ処理用攪拌機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】レストラン、病院等の厨房で発生した生
ゴミを攪拌槽において、攪拌機により攪拌・混合しつつ
乾燥により或はさらに発酵させて分解処理して肥料又は
飼料として排出させる生ゴミ処理装置は周知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この種の装置におい
て、病院等で殿粉質である例えば粥が多量に混入した生
ゴミが投入された場合、攪拌過程でその粘着性により徐
々に細かい生ゴミが付着し、攪拌機により破砕されない
粘土状の塊に成長することがある。また、長い繊維を含
む生ゴミの場合も塊を成長させ易い。このような塊は、
大きさにより内部が乾燥しにくく、したがって分解発酵
或は分解乾燥を伴わずに未処理のまま排出されることに
なる。

【０００４】一方、生ゴミ処理用攪拌機としては水平又
は垂直の回転軸に１個もしくは複数の回転パドルを取付
けた種々の形状のものが周知であるが、このような粘土
状塊に対する砕塊を配慮したものは特に存在しない。こ
の塊現象は、攪拌効率を高めるために前処理として生ゴ
ミを粉砕する破砕機もしくはディスポーザを別途に備え
た生ゴミ処理装置においても発生する問題である。

【０００５】本発明は、このような点に鑑みて、生ゴミ
の発酵又は乾燥による分解処理を行いにくくする塊を砕
くことのできる生ゴミ処理用攪拌機を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、請求項１により、投入された生ゴミを分
解処理して肥料、飼料等として再生するための攪拌槽に
設けられる生ゴミ処理用攪拌機において、攪拌槽の円弧
状内周壁に沿って回転するように回転軸に放射状に複数
枚取付けられて、回転軸の縦方向に沿って複数列に配列
された回転パドルと、内周壁に突設されて、所属の回転
パドルを侵入させるように隙間を置いて縦方向に複数列
に配列された固定羽根とを備え、隙間の幅が、分解処理
させ得る最大の生ゴミ形状に対応して設定されているこ
とを特徴とする。

【０００７】回転パドルがその回転過程で固定羽根間の
隙間に生ゴミを押し込むことにより、大きな生ゴミ或は
粘着性により大きく成長したコンポスト化された生ゴミ
の塊が、分解処理可能な大きさに砕かれる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１乃至図４を基に本発明の実施
の形態の一例による生ゴミ処理用攪拌機を説明する。１
は本発明の攪拌機１Ａを備えたキャスタ付きの生ゴミ処
理装置である。この攪拌機は、モータ３により減速器３
ａを介して回転駆動される回転軸１５に放射状に３枚取
付けられて攪拌槽２の円弧状内周壁２ａに沿って回転
し、かつ回転軸１５の縦方向Ａに沿って複数列に配列さ
れた回転パドル１０と、内周壁２ａに突設されて所属の
回転パドル１０を侵入させる隙間２１を置いて縦方向Ａ
に複数列に配列された固定羽根２０とを備えている。各
列の回転パドル１０の取付け角度は、隣の列に対して順
にずらされている。

【０００９】この回転パドルは、回転軸１５にその回転
面に沿って、即ち直交方向へ取付けられて放射方向へ延
びるプラウ状の側板１１と、その回転方向Ｂに先方の端
縁に直交方向に形成され、かつ回転方向Ｂに対して反対
方向へ凹状にわん曲した羽根１２とを備えている。一
方、固定羽根２０は回転羽根１２の回転経路に対応した
円弧状に形成され、互いの隙間２１は乾燥発酵又は乾燥
のみで分解可能な塊の最大形状に対応して例えば３０ｍ
ｍに設定されている。各回転羽根１２の縦方向Ａの幅
は、固定羽根２０に干渉しないように１５ｍｍ程度に設
定され、その内周壁に対して細隙を残している。回転羽
根１２は、図２に示すように、その表面を縦方向全域に
わたり、回転方向へ突出した断面山形のブレード状に形
成されている。

【００１０】攪拌槽２の底部には、縦方向Ａに沿って開
口部１７が形成されると共に、この開口部に沿って中間
位置の両側で互いに逆向きに歯形が形成されたスクリュ
コンベヤ２５が配置され、その両端部が攪拌槽２の側壁
の軸受２５ａ、２５ｂに支持されている。

【００１１】生ゴミ処理装置１には、周知のように正面
に生ゴミを投入する上方の投入口４、処理済みコンポス
トの取出し口６及び操作パネル５が設けられている。ま
た、攪拌槽２は密閉構造として構成され、ファン３１付
きの凝縮機３０を生ゴミ処理装置１に内蔵している。こ
の凝縮機には攪拌槽２から蒸気が送風機３２により吸引
され、強制空冷状態で凝縮された凝縮水はコック３３を
介して外部に排出されると共に、水分を吸収された空気
は送風機３２により攪拌槽２に再循環され、したがって
敢えて脱臭器を備えなくても臭気が外部に漏れないよう
になっている。生ゴミ処理装置１は、さらに攪拌槽２内
を分解処理に適合した温度に加温する熱源を内蔵してい
る。

【００１２】このように構成された生ゴミ処理装置及び
攪拌機１Ａの分解発酵させる場合の動作は次の通りであ
る。投入口４から生ゴミを投入し、操作パネル５の操作
により作動を開始させる。生ゴミは攪拌槽２内で回転パ
ドル１０により攪拌され、特にわん曲した回転羽根１２
にくわえられて攪拌が行われ、また固定羽根２０の端縁
に押圧される際に破砕も行われる。また、回転羽根１２
がブレード状に形成されていることにより特に固定羽根
２０内で生ゴミの切断作用も得られる。側板１１は回転
面に沿っており、後続する回転羽根１２に対する生ゴミ
の取り込み量を減少させないようにする。スクリュコン
ベヤ２５に落ちた生ゴミは、その連動回転により逆向き
の歯形で両側から中央部へ搬送され、滞留することなく
回転パドル１０で掻き上げられる。

【００１３】殿粉質或は繊維質等の生ゴミの量が多い場
合に、コンポスト化された生ゴミの付着により徐々に成
長して大きくなった塊は、回転羽根１２にくわえられ
て、固定羽根２０間の隙間２１に押し込まれ、その寸法
に対応して砕塊され、分解発酵可能な大きさになる。そ
の際、ブレード状回転羽根１２により押し込んだ生ゴミ
の切断も行われる。また、いも類、果実等が大きな塊の
ままで混入している場合でも、容易に砕かれて効率よく
分解発酵される。

【００１４】この間、密閉された攪拌槽２で生ゴミは加
温状態で乾燥されつつ発酵菌により発酵して分解され、
発生した蒸気は悪臭を放出することなく凝縮水として排
水可能となる。発酵の進行により水分レベルが所定レベ
ルに低下したのが水分センサ又は温度センサにより検知
された時点で作動が停止する。生ゴミを再度投入し、処
理済みのコンポストが所定の高さに達すると、取出し口
６から肥料或は飼料として取出す。凝縮水はコック３３
からホース等で排水される。スクリュコンベヤ２５を作
動させることにより、攪拌槽２の側部の処理済みの生ゴ
ミも取出し口６に向けて搬送される。

【００１５】攪拌槽２では、発酵菌を投入することな
く、乾燥により分解処理を行うことも可能である。この
場合も塊が内部乾燥可能な大きさに砕塊及び破砕され、
同様に所定時間内に確実に分解乾燥の処理が行われる。

【００１６】尚、回転パドル１０の構造は前述の形状で
なく種々考えられ、例えば隙間２１に対応する直径の丸
棒或はブレード部を有する単純な棒構造にすることによ
り、回転時に生ゴミを取り込む量は低減するとしても同
様に砕塊作用は得られる。この場合、隙間２１への押し
込み部材は、回転羽根１２に代えて先方の棒部分とな
る。スクリュコンベヤの歯形は、生ゴミ処理装置１の側
部に取出し口を設けることを前提に全領域で同一方向の
通常形状にすることもできる。固定羽根２０の円弧形状
の範囲は、その内周面への生ゴミの擦り付け作用及び切
断作用を増加させるように、９０°以上に広くしても良
く、場合により逆に狭くすることも考えられる。

【００１７】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、生ゴミ自体の
塊もしくはそのコンポスト化された塊が、強制的に発酵
又は乾燥により分解処理可能な大きさに砕かれることに
より、分解処理が効率よく行われる。大きな生ゴミ或は
粘着質或は繊維質の生ゴミが多量に投入されても分解作
用が得られずに未処理のままで取出されるのが回避され
る。

【００１８】請求項２の発明によれば、側板及びわん曲
した羽根により、固定羽根に効率よく生ゴミを供給する
ことができる。また、固定羽根の内周面との擦り付けに
よる破砕作用も得られる。請求項３の発明によれば、回
転羽根がブレード状に形成されることにより、攪拌過程
で生ゴミの切断作用も有効に惹起される。請求項４の発
明によれば、回転軸に沿ってパドルが多数配列されてい
てもその配列方向中の特定場所の取出し口から処理物を
取出すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態による生ゴミ処理用攪拌機
の要部斜視図である。

【図２】同攪拌機の回転羽根の部分斜視図である。

【図３】同攪拌機を採用した生ゴミ処理装置の一部を断
面図にした正面図である。

【図４】同攪拌機を採用した生ゴミ処理装置の一部破断
した側面図である。

【符号の説明】

１Ａ 攪拌機 ２ 攪拌槽 ６ 取出し口 １０ 回転パドル １１ 側板 １２ 回転羽根 １５ 回転軸 ２０ 固定羽根 ２１ 隙間 ２５ スクリュコンベヤ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4D004 AA03 AC01 BA04 CA04 CA19 CA42 CB04 CB12 CB13 CB26 CB28 CB31 DA01 DA02 DA06 DA09 DA13 4G037 AA13 EA03 4G078 AA13 AB20 BA01 CA01 CA05 CA12 DA01 DC10 EA08

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 投入された生ゴミを分解処理して肥料、
   飼料等として再生するための攪拌槽に設けられる生ゴミ
   処理用攪拌機において、 攪拌槽の円弧状内周壁に沿って回転するように回転軸に
   放射状に複数枚取付けられて、前記回転軸の縦方向に沿
   って複数列に配列された回転パドルと、前記内周壁に突
   設されて、所属の前記回転パドルを侵入させるように隙
   間を置いて前記縦方向に複数列に配列された固定羽根と
   を備え、 前記隙間の幅が、分解処理させ得る最大の生ゴミ形状に
   対応して設定されていることを特徴とする生ゴミ処理用
   攪拌機。
2. 【請求項２】 回転パドルが、回転軸に直交方向へ取付
   けられた側板と、その回転方向に先方の端縁に直交方向
   に設けられ、かつ前記回転方向に対して反対方向に凹状
   にわん曲した回転羽根とを備えると共に、固定羽根が、
   前記回転羽根の回転経路に対応した円弧状に形成されて
   いることを特徴とする請求項１記載の生ゴミ処理用攪拌
   機。
3. 【請求項３】 回転羽根が、その表面を回転方向へ突出
   させたブレード状に形成されていることを特徴とする請
   求項１又は請求項２記載の生ゴミ処理用攪拌機。
4. 【請求項４】 攪拌槽の底部に縦方向に沿って開口部を
   形成すると共に、この開口部に生ゴミを縦方向へ取出し
   口に向けて搬送するスクリュコンベヤが付設されたこと
   を特徴とする請求項１乃至請求項３のうちいずれか記載
   の生ゴミ処理用攪拌機。