JP2001327282A - ウイルス濃縮用粒子、該粒子を使用するウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法 - Google Patents

ウイルス濃縮用粒子、該粒子を使用するウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法

Info

Publication number
JP2001327282A
JP2001327282A JP2000150365A JP2000150365A JP2001327282A JP 2001327282 A JP2001327282 A JP 2001327282A JP 2000150365 A JP2000150365 A JP 2000150365A JP 2000150365 A JP2000150365 A JP 2000150365A JP 2001327282 A JP2001327282 A JP 2001327282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
virus
particles
concentration
concentrating
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000150365A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozo Nishida
昌三 西田
Mikio Hikata
幹雄 日方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2000150365A priority Critical patent/JP2001327282A/ja
Publication of JP2001327282A publication Critical patent/JP2001327282A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料中のウイルスを濃縮するためのウィルス
濃縮用粒子、ウイルス濃縮用試薬、ウイルス濃縮方法お
よびウイルス検査方法を得る。 【解決手段】 粒子中にアニオン性基またはその塩を有
する無機粒子からなるウイルス濃縮用粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中のウイルス
を濃縮するためのウィルス濃縮用粒子、ウイルス濃縮用
試薬、ウイルス濃縮方法およびウイルス検査方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ウイルスはヒトや動植物のさまざまな病
気の原因の一つであり、その検査・診断のためには原因
ウイルスの確認が非常に重要である。従来のウイルス検
査・診断法としては、ウイルス抗原あるいは抗ウイルス
抗体の免疫学的測定が一般的である。しかしながら、ウ
イルス感染から数週間から数ヶ月は、ウイルス量あるい
は抗ウイルス抗体量が少ないため、これらの免疫学的測
定法では検出できない場合がある。この検出不可能な期
間はウインドウ・ピリオド(空白期間)と呼ばれてお
り、このような患者が献血を行った場合、その献血液は
十分な感染性を持つことが多く、不特定多数の輸血患者
・血液製剤利用患者に危険をおよぼす可能性がある。し
たがって、ウインドウ・ピリオドをできる限り短縮する
ため、免疫学的測定限界下のウイルスを高感度に検出で
きる技術の開発が急務とされている。
【0003】近年、ポリメラーゼチェインリアクション
法(以下PCR法)に代表される、核酸増幅技術によ
り、極微量のウイルスでも検出できる可能性が開けてき
た。しかしながら、PCR法などによっても極微量のウ
イルス検出は特殊な施設と高度な技術が必要とされ、一
般的な施設で簡便に実施することはきわめて困難であ
る。そこで、これらの問題解決のため、検体中のウイル
スを濃縮する手法が用いられている。
【0004】従来のウイルス濃縮法の代表は超遠心法が
あげられるが、高価な機器と長時間を要し、かつ同時に
多数の検体を処理することは困難であり簡便な方法とは
言い難い。また、B型肝炎ウイルス表面抗原(HBs抗
原)がヘパリンと結合する性質から、ヘパリンセファロ
ース担体によるクロマトグラフィー法も報告されている
が、これも同時に多数の検体を処理することは困難であ
る。その他、硫酸アンモニウムやポリエチレングリコー
ル、ポリアニオンと2価イオンの組み合わせ等によりウ
イルスを沈殿させる方法があるが、混合する試薬にPC
R阻害がある等の問題からウイルスの沈殿分離後の試料
精製が必要であるという難点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のウイルス濃縮法の問題点を解決し、簡便な手段によ
り、同時に多数の検体を簡便に処理することができ、核
酸増幅検査に悪影響を及ぼさないウイルス濃縮用粒子並
びにこの粒子を使用するウイルス濃縮方法およびウイル
ス検出方法を提供することにある。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明者らは研究の結
果、上記課題を解決する手段として、次のウイルス濃縮
用粒子および濃縮方法を開発するに到った。即ち、本発
明は、第一に、粒子中にアニオン性基またはその塩を有
するウイルス濃縮用粒子を提供する。
【0007】また、本発明は、第二に、ウイルスを含有
する可能性のある試料に上記のウイルス濃縮用粒子を添
加しウイルスを前記粒子に結合させる段階、次にこうし
てウイルスが結合した前記粒子を試料から分離、収集す
る段階を含む、ウイルス濃縮方法を提供するものであ
る。
【0008】さらに、本発明は、第三に、ウイルスを含
有する可能性のある試料に上記のウイルス濃縮用粒子を
添加し、ウイルスを前記粒子に結合させる段階、次にこ
うしてウイルスが結合した前記粒子を試料から分離、収
集することによりウイルスを濃縮する段階、こうして濃
縮されたウイルスを核酸増幅検査に供する段階を含む、
ウイルス検出方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〈ウイルス濃縮用粒子〉本発明において、ウイルス濃縮
用粒子とは、血液や体液等の検体中のウイルスを吸着し
た後、分離・濃縮する粒子であり、当該粒子により分離
・濃縮されたウイルスは核酸抽出・検査・診断、特に核
酸増幅を伴う検査・診断に用いられる。本発明のウイル
ス濃縮用粒子は、水不溶性の無機材料であれば特に限定
されず、そのような材料からなる粒子と該粒子の表面に
存在するアニオン性基とから構成されている。また、分
離操作をより確実に簡便に行うために、粒子内部に磁性
体を含ませることもできる。
【0010】本発明におけるアニオン性基とはカルボキ
シル基、スルホン酸基などを挙げることができる。これ
らのアニオン性基は塩を形成した状態で存在してもよ
い。本発明において、粒子の少なくとも一部、好ましく
は粒子の表面に存在させるアニオン性基は、水や緩衝
液、血液、体液中に溶出するとPCR法などの核酸増幅
法を阻害することがあるため、粒子に化学的に結合され
ている必要がある。その存在量は、粒子1g当り平均で
1×10-10当量以上であり、代表的には1×10- 10
1×10-2当量であり、好ましくは1×10-9〜1×1
-3当量であり、より好ましくは1×10-8〜1×10
-3当量である。アニオン性基の存在量が粒子1g当り1
×10-10当量より少ないとウイルス濃縮能力が不十分
である。限定するものではないが、通常、粒径1g当り
1×10-2当量より多くのアニオン性基を導入すること
は困難なことが多い。
【0011】このような粒子としては、主体が無機物質
であればよく特に制限はしないが、例えば、シリカ、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化物粒子が
好適に用いられ、その粒子表面にスルホン基、カルボキ
シル基などのアニオン性基を導入したものが挙げられ
る。金属酸化物粒子は、粉砕法や気相法など一般的な方
法が採用できるが、本発明で好適に用いられるのは金属
アルコキシドを応用したゾルーゲル法である。また、ア
ルコキシドのうち珪素アルコキシドはその種類も豊富で
工業的に手に入れやすいし、よく研究もなされており、
本発明の目的には最適である。例えば、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシ
シラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリ
メトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、3−クロロプロピルートリメトキシシランな
どが挙げられる。これらの中で、アミノ基やハロゲン基
を有するアルコキシドを使用すれば、粒子表面に変性可
能な官能基を導入することができ、前述のアニオン性基
を有する化合物を固定する結合基となる。アニオン性基
を有する化合物としては、分子内に複数のスルホン酸基
および/またはカルボン酸を有するポリアニオンなどが
挙げられる。また、アニオン性基を粒子表面に導入する
別の方法として、例えば、カルボキシル基は、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシランでアミノ基を導入し、つ
いて無水コハク酸と、またはカルボジイミドの存在下に
コハク酸と反応させることにより導入できる。また、ス
ルホン酸基は、アミノシラン化処理後、グルタルアルデ
ヒド処理でアルデヒド基を導入し、これに2−アミノエ
タンスルホン酸を反応させることにより導入することが
できる。本発明のウィルス濃縮用粒子は、その粒子の内
部または表面に磁性体を含有することもできる。この磁
性体は該粒子の内部のみに含有され、表面に露出してい
ないことが好ましい。本発明においては、ウイルス濃縮
用粒子に磁性体を含有させることにより、該粒子の磁気
を作用させて収集することが可能となり、遠心分離等に
よる操作が不要で検査時間を短縮させることが可能とな
るほか、検査・診断の自動化への対応も容易となる。こ
のような磁性体は、例えば四三酸化鉄(Fe34)、γ
−重三二酸化鉄(γ−Fe23)等の各種フェライト、
鉄、マンガン、コバルト、クロムなどの金属またはこれ
ら金属の合金などを用いることができる。
【0012】磁性体の含有量は、ウイルス濃縮用粒子全
体に対し10重量%以上、特に20〜99重量%であることが
好ましい。この量が少なすぎると、該ウイルス濃縮用粒
子に、良好な磁気分離性が得られず、その結果、後述す
るウイルスの分離・濃縮方法において、血液または体液
等の検体からウイルス濃縮用粒子を分離するために相当
に長い時間を要するので、高い時間的効率が得られない
ことがあり、好ましくない。
【0013】本発明において、磁性体をウィルス濃縮用
粒子に含有させるには、磁性体粒子を金属アルコキシド
またはその溶液中に分散した後、当該金属アルコキシド
を加水分解および縮合することにより、当該磁性体粒子
の表面に被膜または微粒子を形成する方法、いわゆるゾ
ル−ゲル法を利用することができる。具体的に説明する
と、先ず、磁性体粒子を金属アルコキシドまたはその溶
液に添加し、超音波分散機などによって磁性体粒子を十
分に分散させ、次いで、得られた分散液を十分に攪拌し
ながら、当該分散液に水および触媒を添加して金属アル
コキシドの加水分解反応および縮合反応を行う。
【0014】本発明のウイルス濃縮用粒子をウイルスを
含む試料液に添加するとウイルスが該粒子の表面に存在
するアニオン性基により粒子に結合する。その結果、血
漿や血清等の検体中のウイルスを高い効率で濃縮するた
め、通常、カラムクロマト法ではなくバッチ法にて使用
される。したがって、粒子の粒径は通常0.1〜150μm、
好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.1〜80μmで
ある。粒径がこの範囲内であれば粒径が均一でなくても
本発明の目的のために使用することが可能である。ま
た、本発明のウイルス濃縮用粒子の粒子形状は球状であ
る必要はなく、異形粒子であってもかまわない。なお球
状でない粒子の粒径としては、それぞれの粒子の最長径
と最短径との平均値をとるものとする。粒径が0.1μm未
満の場合は、血液または体液からウイルス濃縮用粒子を
分離する際の遠心分離の回転数や回転時間の増加を招
き、装置が大型になったり、高い時間的効率が得られず
好ましくない。また、粒径が150μmを越える場合は、ウ
イルスを捕獲する効率が低下し、ウイルス濃縮が十分に
行えないことがあるため好ましくない。
【0015】本発明において用いられるウィルス濃縮用
粒子は、多孔性のものであっても、非多孔性のものであ
ってもかまわない。但し、多孔性である場合にはウイル
ス粒子が粒子内部まで侵入すると粒子からのウイルス分
離が困難となる場合があるので、ウイルスと同程度以上
の孔径、例えば孔径10nm以上の孔が粒子表面から粒子内
部にまで連続して存在する多孔質体は好ましくない。
【0016】〈ウイルス濃縮方法〉次に、本発明のウイ
ルス濃縮用粒子によるウイルス濃縮方法について具体的
に説明する。本発明のウイルス濃縮用粒子は各種ウイル
スに対して濃縮能を有しており、例えばヘパドナウイル
ス(B型肝炎ウイルス等)、アデノウイルス、フラビウ
イルス(日本脳炎ウイルス等)、ヘルペスウイルス、
(単純ヘルペスウイルス、水痘−帯状疱疹ウイルス、サ
イトメガロウイルス、EBウイルス等)、ポックスウイル
ス、パルボウイルス(アデノ関連ウイルス等)、オルソ
ミクソウイルス(インフルエンザウイルス等)、ラブド
ウイルス(狂犬病ウイルス等)、レトロウイルス(後天
性免疫不全症候群ウイルス等)、C型肝炎ウイルス等の
ウイルスの濃縮が可能である。
【0017】本発明のウイルス濃縮用粒子によるウイル
ス濃縮の対象となる検体としては、血漿、血清、細胞破
砕液、尿、唾液等の各種体液、培養細胞破砕液等をあげ
ることができる。このような検体はそのまま試料として
使用されてもよいし、何らかの目的で希釈などされた状
態で試料として使用されてもよい。
【0018】本発明のウイルス濃縮用粒子の試料への添
加量は、試料に含まれているウイルス濃度にもよるが、
試料の通常0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜10重量%
である。添加量が少なすぎるウイルス濃縮用粒子に結合
できるウイルスの数が限られるため濃縮効率が悪化す
る。また、添加量が検体の30重量%を越えると、結合し
たウイルスを後段階で脱離させるのに多量の脱離液が必
要となり濃縮効率が低下する。
【0019】(多価金属化合物)本発明において、ウイ
ルス濃縮用粒子とともに多価金属化合物を試料に添加す
ることにより、ウイルスのウイルス濃縮用粒子への結合
割合をより高くすることができる場合がある。ここで多
価金属としては、例えば、Be, Mg, Sr, Ba, Ti, Zr, C
r, Mo, W, Mn,Fe, Ru, Os, Co, Rh, Ni, Pd, Pt, Cu, A
g, Au, Zn, Cd, Hg, Al, Ga, Si, Ge,Sn, Pb, P, As, S
b, Biなどを挙げることができ、多価金属化合物とはこ
れら多価金属の塩化物、水酸化物、炭酸化合物、硫酸化
合物、硝酸化合物、酢酸化合物、塩素酸化合物などのう
ち、水中で解離して2価以上のカチオンを生成する化合
物である。これらの多価金属化合物としては、塩化マグ
ネシウムなどが好ましい。多価金属化合物の使用量は、
通常、ウイルス濃縮用粒子と試料とを混合する際の反応
液中濃度が1〜100mol/Lとなる量である。
【0020】(ウィルス濃縮用試薬)本発明において、
ウィルス濃縮用試薬とは前記ウィルス濃縮用粒子と多価
金属化合物を組み合わせてなる。本発明においてウィル
ス濃縮用試薬はウィルス濃縮用粒子を水性媒体に分散し
た分散液に予め多価金属化合物を添加しておいてもよい
し、前記分散液と多価金属化合物を別個に保管してお
き、使用直前に混合する形としてもよい。
【0021】試料中のウイルスを吸着したウイルス濃縮
用粒子は、遠心分離あるいは自然沈降により試料より分
離される。本発明のウイルス濃縮用粒子は0.1〜150μm
の粒径範囲を持つので、小型の遠心機で十分遠心分離が
可能である。遠心分離されたウイルス濃縮用粒子は必要
に応じて、低濃度の緩衝液で洗浄した後、ウイルスの粒
子からの分離、核酸の抽出工程に移る。核酸抽出は、ウ
イルスが粒子に結合したままでも行うことができる。即
ち、例えば、分離されたウイルス濃縮用粒子に少量の緩
衝液を加え、加熱することで直接、ウイルスの核酸を抽
出することも可能である。
【0022】ウイルスを粒子から分離する方法として
は、塩溶液を作用させてポリアニオンとウイルスを解離
させる方法がある。塩溶液としては飽和濃度の臭化カリ
ウム、臭化ナトリウム、1.5M塩化ナトリウム、1mMリン
タングステン酸等を用いることができる。そこで、本発
明はその一側面として、前述したウイルス検出方法を提
供するものである。
【0023】〈ウイルス検出方法〉このウイルス検出方
法は、上記のようにしてウイルスが結合した本発明によ
る粒子を試料から分離、収集することによりウイルスを
濃縮する段階ののち、こうして濃縮されたウイルスを核
酸増幅検査に供する段階を有している。ウイルスの核酸
増幅検査(NAT; nucleic acid amplification tes
t)の方法は特に限定されず、例えば、ロシュ社のPC
R(Polymerase chain reaction)法、ジェン・プローブ
社のTMA(Transcription Mediated amplification-hy
bridization protection assay)法、アボット社のLC
R(Ligase chain reaction)法等を利用することができ
る。このウイルス濃縮方法を利用したウイルス検出法で
は、核酸増幅検査に供される検体中のウイルスが既に濃
縮されているので、元の検体又は試料に含まれているウ
イルスが極く微量であっても効率的にウイルスの検出を
行うことができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、粒子の粒径の測定および粒子表面に存在するアニオ
ン性基の存在量は次のようにして測定した値である。 ・粒径の測定:粒子粒径は光学顕微鏡、走査型電子顕微
鏡または透過型電子顕微鏡により写真撮影を行い200
個の粒子の粒径を測定し、その平均値を求めた。 ・アニオン性基の存在量:粒子ドライ約10gにイオン交
換水90g、陽イオン・陰イオン交換樹脂混合物(アンバ
ーライトMB3 オルガノ社製)30gを加え、1時間穏や
かに攪拌した。イオン交換樹脂をナイロンメッシュ(4
8メッシュ;孔眼寸法295μm)を用いて濾去した。そこ
で粒子のドライ重量約0.5gを正確に計りとり、 0.01
mol/lの水酸化ナトリウム溶液を用いて電導度滴定を行
い、アニオン性基の量を求めた。
【0025】〔実施例1〕γ-Fe2O3粒子(マグヘマイ
ト、シーアイ化成製、一次粒子の平均粒径:0.02μ
m)10gを、エタノール100gとテトラエトキシシ
ラン10gとの混合溶液に添加し、超音波分散機により
十分に分散させた。この分散液をエタノールの揮散を防
ぐ程度の密閉が可能な還流器付き反応器に仕込み、室温
で十分撹拌しながら、1.0wt% のアンモニア水溶液
20gを30分かけて添加し、さらに5時間撹拌を継続
してテトラエトキシシランの加水分解及び縮合反応を完
結させた。そして、磁石により磁性粒子と上澄みを分離
し上澄みを除去した。そこへ新たなエタノール100g
とメタクリルオキシメチルトリエトキシシラン(MOT
ES)3.0gの混合溶液を添加し、よく撹拌しなが
ら、1.0wt%のアンモニア水溶液5.0gを10分か
けて添加し、さらに5時間撹拌を継続してMOTESの
反応を完結させた。磁気分離・上澄み除去を行い、さら
にエタノール添加撹拌、磁気分離・上澄み除去を2回繰
り返した後、エタノール20.0g、メタクリル酸2.0
gおよびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.
05gを添加してよく撹拌し、エタノールを還流させな
がらウオーターバスにより温度を75℃に上昇させ、7
時間その温度に保って反応させた。その後、未反応のメ
タクリル酸や粒子表面にグラフトしていないポリメタク
リル酸や開始剤残渣を除去するために、50g程度のエ
タノールを添加して撹拌、磁気分離、上清除去の洗浄を
3回行い、さらに、1回50〜100g程度の蒸留水を
使用して添加、撹拌、磁気分離、上清除去のプロセスを
3回繰り返した。最後に、生理食塩水を添加して固形分
濃度5.0%に調製した。前述の方法により粒径および
アニオン性基の結合量を測定した結果を表1に示す。
【0026】〔実施例2〕実施例1において、MOTE
Sを反応させ、エタノール洗浄を2回繰り返した後、エ
タノール/蒸留水=15g/5gの混合溶媒にスチレンス
ルフォン酸ソーダ(NaSS)2.0gおよびAIBN
0.10gを溶解した溶液を添加してよく撹拌しなが
ら、エタノールを還流させながらウオーターバスにて7
5℃に昇温し、そのまま7時間反応させた。その後、磁
気分離・上清除去、エタノール/蒸留水=45g/15g
の混合溶媒を添加・撹拌し、磁気分離・上清除去を2回
繰り返し、溶媒を蒸留水に換えて2回繰り返した。最後
に生理食塩水を加えて固形分濃度5.0%に調製した。
前述の測定法により粒径およびアニオン性基の結合量を
測定した結果を表1に示す。 〔実施例3〕実施例1の粒子分散液10gに塩化マグネ
シウム10mgを添加溶解した分散液を実施例3とす
る。 〔実施例4〕実施例2の粒子分散液10gに塩化マグネ
シウム10mgを添加溶解した分散液を実施例4とす
る。
【0027】〔実施例5〕 (1)HBV陽性血漿100μlおよびHBV陰性血漿
4.9mlを混合し、合計量5mlの試料Aを調製し
た。 (2)実施例1,2,3および4で調製した粒子分散液
それぞれにつき下記の処理及び測定を行った。上記試料
Aに、粒子分散液を100μlそれぞれ添加し、室温で
10分間回転撹拌しウィルスの粒子への吸着を行った。
次に、磁気スタンドにセットして粒子と上清を分離、上
清を除去した。そこへTris-HCl緩衝液(pH 7.4)を添加
し、DNAExtractor Kit(和光純薬社製)を使用して核酸
を抽出した。得られた抽出物をNested-PCR法にかけ、3
5回の1st-PCR, 25回の 2nd-PCRの増幅過程によりD
NAを増幅した。PCRのプライマー配列は、Hiroaki Oka
moto; Igakunoayumi, 162(9), 544 - 549に従った。得
られた1st-PCR, 2nd-PCRそれぞれの増幅後の液を3%ア
ガロースを用いて電気泳動を行い、エチジュムプロマイ
ド染色によりDNAを可視化してポラロイド(登録商
標)写真に撮影した。得られた目的DNAの量をバンド
の蛍光強度から、ー、+、++、+++の4段階で判定
した。その結果を表1に示した。また、上記(1)の過
程で試料Aを作ったときと同じHBV陽性血漿100μ
lを試料BおよびHBV陰性血漿100μlを試料Cと
して、上記と同様に、DNA Extractor Kitにより核酸を
抽出し、PCR反応を行って、電気泳動により判定し
た。その結果も表1に示している。表1
【0028】
【発明の効果】本発明のウイルス濃縮用粒子を用いるこ
とにより、簡便な手段により、同時に多数の検体を簡便
に濃縮処理することのでき、しかも得られた濃縮ウイル
スを含む試料は核酸増幅の処理に悪影響を及ぼさない。
この粒子を利用するウイルス濃縮方法は、極く微量のウ
イルスを含む検体からウイルスを効率良く短時間で濃縮
することができ、またウイルス検出方法はより高精度で
ウイルスを検出することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にアニオン性基またはその塩を有す
    る無機粒子からなるウイルス濃縮用粒子。
  2. 【請求項2】 粒子が磁性体を含むことを特徴とする請
    求項1記載のウィルス濃縮用粒子。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2記載のウィルス
    濃縮用粒子と多価金属化合物とからなるウィルス濃縮用
    試薬
  4. 【請求項4】 ウイルスを含有する可能性のある試料に
    請求項1および請求項2に記載のウイルス濃縮用粒子を
    添加し、ウイルスを前記粒子に結合させる段階、次にこ
    うしてウイルスが結合した前記粒子を試料から分離、収
    集する段階を含む、ウイルス濃縮方法。
  5. 【請求項5】 ウィルス濃縮用粒子の代わりに請求項3
    記載のウィルス濃縮用試薬を用いた請求項4記載のウィ
    ルス濃縮方法。
  6. 【請求項6】 ウイルスを含有する可能性のある試料に
    請求項1および請求項2に記載のウイルス濃縮用粒子を
    添加し、ウイルスを前記粒子に結合させる段階、次にこ
    うしてウイルスが結合した前記粒子を試料から分離、収
    集することによりウイルスを濃縮する段階、こうして濃
    縮されたウイルスを核酸増幅検査に供する段階を含む、
    ウイルス検出方法。
  7. 【請求項7】 ウィルス濃縮用粒子の代わりに請求項3
    記載のウィルス濃縮用試薬を用いた請求項6記載のウィ
    ルス検出方法。
JP2000150365A 2000-05-22 2000-05-22 ウイルス濃縮用粒子、該粒子を使用するウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法 Pending JP2001327282A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000150365A JP2001327282A (ja) 2000-05-22 2000-05-22 ウイルス濃縮用粒子、該粒子を使用するウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000150365A JP2001327282A (ja) 2000-05-22 2000-05-22 ウイルス濃縮用粒子、該粒子を使用するウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001327282A true JP2001327282A (ja) 2001-11-27

Family

ID=18656089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000150365A Pending JP2001327282A (ja) 2000-05-22 2000-05-22 ウイルス濃縮用粒子、該粒子を使用するウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001327282A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006059655A1 (ja) * 2004-11-30 2006-06-08 Universal Bio Research Co., Ltd. 微生物又は細胞の分離方法
JP2015195756A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 Dic株式会社 精製ウイルス液の製造方法およびウイルス検出方法
WO2017013732A1 (ja) * 2015-07-21 2017-01-26 Dic株式会社 精製ウイルス液の製造方法およびウイルス検出方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006059655A1 (ja) * 2004-11-30 2006-06-08 Universal Bio Research Co., Ltd. 微生物又は細胞の分離方法
JP2015195756A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 Dic株式会社 精製ウイルス液の製造方法およびウイルス検出方法
WO2017013732A1 (ja) * 2015-07-21 2017-01-26 Dic株式会社 精製ウイルス液の製造方法およびウイルス検出方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07507458A (ja) 単核細胞からの核酸の調製
WO2005111620A1 (ja) B型肝炎ウィルスの検出方法
JP2002165591A (ja) 磁性粒子およびその使用方法
US6958372B2 (en) Magnetic, silanised polyvinylalcohol-based carrier materials
JP5026251B2 (ja) 検出対象の検出方法及び定量方法
DE60031826T2 (de) Trennung von Viren und Nachweis von Viren
JP2001190273A (ja) ウイルス濃縮用粒子、該粒子を使用するウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法
JPH07108230B2 (ja) 単純ヘルペスウイルス抗原の抽出または測定のための抽出組成物、抽出方法および診断試験キット
JP2001327282A (ja) ウイルス濃縮用粒子、該粒子を使用するウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法
JP4684434B2 (ja) ウイルス濃縮用粒子、ウィルス濃縮用試薬、ウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法
JP4370690B2 (ja) ウイルス濃縮用粒子、ウィルス濃縮用試薬、ウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法
JP2002045176A (ja) ウイルス濃縮方法
JP2005083905A (ja) 磁性粒子
JP4161167B2 (ja) ウイルス濃縮方法、ウイルス検出方法およびウイルス濃縮用試薬
JP2002010782A (ja) ウイルス濃縮材料
JP4058623B2 (ja) ウイルス検出方法
JP4852807B2 (ja) ウイルス検出方法
JP2002238565A (ja) ウイルス核酸増幅方法
JP2002078485A (ja) ウイルス濃縮用材料およびウイルス濃縮方法
JP2003277455A (ja) ポリマー粒子の製造方法、ポリマー粒子および生理活性物質担体
JP2002116120A (ja) 標的物質の検出方法
JP2004286749A (ja) アッセイサンプルを調製するための方法
JP2001258551A (ja) ウイルス濃縮用粒子、該粒子を使用するウイルス濃縮用試薬、ウイルス濃縮方法およびウイルス検出方法
JP2002000258A (ja) 血清肝炎ウィルス吸着材および血清肝炎ウィルスの分離方法
JP2009178141A (ja) ウイルスの検出方法