JP2001325950A - 非水電解質二次電池とその負極 - Google Patents

非水電解質二次電池とその負極

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JP2001325950A
JP2001325950A JP2000141499A JP2000141499A JP2001325950A JP 2001325950 A JP2001325950 A JP 2001325950A JP 2000141499 A JP2000141499 A JP 2000141499A JP 2000141499 A JP2000141499 A JP 2000141499A JP 2001325950 A JP2001325950 A JP 2001325950A
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electrolyte secondary
powder
aqueous electrolyte
conductive fine
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JP2000141499A
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Masaki Hasegawa
正樹 長谷川
Junichi Yamaura
純一 山浦
Shuji Tsutsumi
修司 堤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水電解質二次電池用負極材料として、リチ
ウム含有複合窒化物と酸化物を混合して用いることによ
り高容量が得られるが、負極として集電不良が起こりや
すい。 【解決手段】 リチウム含有複合窒化物および酸化物の
うち少なくとも一種の粉末5において、その粒子表面の
一部または全部を導電性微粉末4で被覆することで集電
性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池用負極及びその負極を備えた非水電解質二次電池に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池の負極の活物質につい
ては種々の材料が検討され、炭素材料やアルミニウム合
金等が実用化されている。
【0003】上記の負極活物質材料の中で、炭素材料が
最も高性能を示し、広く用いられている。また、この材
料は良好な電子伝導性を有しており、電極内部の個々の
粒子での電極反応にともなう電子の授受が容易に行わ
れ、電子の授受が反応の律速となることはない。しか
し、高負荷時のエネルギー密度および出力密度を高いま
ま維持するために、メカノケミカル処理により炭素微粒
子で被覆し、表面積を増やすことが特開平11−265
716号公報で提案されている。しかし、この炭素材料
は既に理論容量(約372mAh/g)に近い容量で使
われており、さらに大幅な高エネルギー密度化をするこ
とが困難な状況である。
【0004】そこで、今後のリチウム二次電池のより一
層の高容量化を可能にする負極活物質材料として、一般
的な組成がLi3-XXNで表されるリチウム含有複合窒
化物が提案されている。
【0005】このリチウム含有複合窒化物は、リチウム
イオン(Liイオン)の挿入脱離の反応電位が、リチウ
ムに対して平均で約0.8Vと負極活物質としてはやや
高いが、炭素材料を大きく上回る高容量を有しており、
電池としての高容量化が期待できる材料である。
【0006】また、前記リチウム含有複合窒化物だけで
なく、酸化物等も負極活物質材料として多くの研究がな
されている。例えば、一般式WOXで表されるタングス
テンの酸化物、一般式SnOXで表されるスズの酸化
物、一般式SiOXで表されるシリコンの酸化物等やS
nSiO3、Ba0.9Sr0.1SnO3等の複数の金属から
なる一般式AXYOで表される複合酸化物などが低い反
応電位と高容量を有しており有望である。
【0007】ところが、これらのほとんどの酸化物材料
が高い可逆容量を示すものの、大きな不可逆容量も有す
るという問題を持ち、これが実用化を妨げてきた。この
不可逆容量とは吸蔵したLiイオンの一部が電気化学的
に不可逆な反応を起こし、以降の充放電に使えなくなる
容量を指す。これによって正極のリチウム含有複合酸化
物から充電で供給されたLiイオンがその後の放電で負
極から一部しか戻れないため、電池の容量を著しく損な
うというものである。この反応は特に初期のLiイオン
吸蔵時に著しく見られる。
【0008】これに対し、これらの酸化物材料を前記リ
チウム含有複合窒化物と混合して負極を構成することに
よって、構成前に含有させておいたリチウム含有複合窒
化物のLiイオンで前記酸化物の持つ不可逆容量を補う
ことができ、非常に高容量の負極としての利用が可能に
なることが見い出された。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにリチウム含有複合窒化物を酸化物と混合して活物
質として用いる場合、活物質の集電の点で課題がある。
つまり、リチウム含有複合窒化物や酸化物のような化合
物では電子伝導性が劣るため、電子の授受が電極反応の
律速となる場合がある。
【0010】そのため、良好な電極特性を得るためには
導電剤の添加が必要である。通常、電子伝導性に乏しい
材料を用いる場合、Liイオンの吸蔵放出時における活
物質と集電体との間での電子の移動は、極板中に添加し
た導電剤を介して行われる。しかし、導電剤を単に添加
・混合するのみでは活物質粒子と導電剤とは粒子同士の
接触だけであり、この接触はほぼ点接触となるため十分
な接触面積を得ることができず、電子の移動が円滑に行
われない。さらに、充放電にともなう活物質粒子の体積
変化によって、その一部が接触を保てず離れてしまい、
一層接触面積が減少することになる。また、活物質粒子
自身が、自らの体積変化に耐えられず割れてしまうこと
によって微細化が起こり、電気的に孤立してしまう粒子
もある。特にハイレート(急速充放電)特性において、
集電性の影響を大きく受けるだけでなく、サイクル特性
においても充放電にともなう活物質粒子の膨張収縮の影
響で導電剤との接触が不十分となり、集電不良が原因の
容量劣化が起こる等その影響は大きい。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明では、可逆的にリチウムイオンを吸蔵放出可
能なリチウム含有複合窒化物および酸化物の少なくとも
2種の粉末粒子からなる非水電解質二次電池用負極にお
いて、前記2種の粉末の少なくとも一種は、その粒子表
面の一部または全部を導電性微粉末で被覆されている非
水電解質二次電池用負極を用いる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の非水電解質二次電池用負
極は、リチウム含有複合窒化物および酸化物の少なくと
も2種の粉末からなり、それらの少なくとも一種は、そ
の粒子表面の一部または全部を導電性微粉末で被覆した
ものである。
【0013】これは、粉末の表面を導電性微粉末で被覆
することによって、電子の移動を容易にし、また、粉末
が微細化した場合でも電気的な孤立を起こりにくくする
ことにより、サイクル特性劣化への影響を低減させるこ
とができる。
【0014】なお、この導電性微粉末で被覆された粉末
粒子は酸化物であるのが導電性確保の上で好ましい。
【0015】本発明に用いられる導電性微粉末は電子導
電性が高ければ何でもよいが、特に炭素材料、金属材料
または導電セラミックスが適している。
【0016】例えば、炭素材料としては、天然黒鉛、人
造黒鉛などの黒鉛質炭素、アセチレンブラック、ケッチ
ェンブラック等のカーボンブラック類の非晶質炭素があ
げられる。
【0017】金属材料としてはニッケル、コバルト、
銅、マンガン、鉄、白金、金、銀、パラジウム等の金属
類などがあげられる。この中でも特に、ニッケル、コバ
ルト、銅が好ましい。
【0018】導電性セラミックスとしては周期表中4
族、5族、6族元素の窒化物、ホウ化物およびケイ化物
等があげられる。この中でも、特にTiB2、ZrB2
金属に匹敵する電子伝導性を有していて好ましい材料で
ある。
【0019】また、これらの導電性微粉末は単独で用い
てもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】また、本発明における導電性微粉末で被覆
されている粉末の被覆割合は、全表面積の20〜80%
であることが好ましい。20%以上被覆することにより
その被覆効果が大きく得られるからである。導電性微粉
末による被覆厚みは0.01μm以上から10μm以下
が好ましい。0.01μmより薄いと、電子伝導性が低
下し、一方10μmよりも厚いと、活物質粒子へのリチ
ウムイオン拡散性が低下するからである。したがって、
用いる炭素材料や金属材料等の導電性微粉末のメジアン
径は、1μm以下が好ましい。さらに好ましくは0.1
μm以下である。導電セラミックスでは、粒径を0.1
μm以下にするのは難しいため、粒径は0.1〜1μm
が好ましい。
【0021】また、活物質粒子への導電性微粉末の被覆
方法としては、圧縮磨砕式微粉砕機を用い、活物質粒子
と導電性微粉末の間に主に圧縮力、磨砕力よりなる機械
的エネルギーを作用させて、粉末表面に導電性微粉末を
被覆する方式が好ましい。この手法の具体的な装置とし
ては、ハイブリダイゼーション装置(奈良機械製作所
製)、メカノフュージョン装置(ホソカワミクロン
製)、シータコンポーザ装置(徳寿工作所製)などが用
いられる。
【0022】この手法を用いた場合には、圧縮力、磨砕
力よりなる機械的エネルギーが作用し、摩擦熱などによ
って一時的に極めて高いエネルギー状態になった粒子表
面へ導電性微粉末を被覆させるため、特に金属粉末を導
電性材料に用いた際には、活物質粒子との結合を極めて
強固にすることができる。
【0023】なお、その他の被覆方法として、CVD法
による有機物の熱分解物被覆法、プラズマ法をもちいた
活物質粒子表面への被覆層の形成法、または活物質粒子
を有機物で被覆後に700〜1400℃で炭化焼成する
方法などを用いてもよい。
【0024】また、リチウム含有複合窒化物は式Li
3-X-YXN(式中MはCo,Ni,Cuから選ばれる少
なくとも一種の遷移元素、XおよびYは各々0.1≦X
≦0.8、0≦Y≦2−Xの範囲で示される実数)の組
成のものが高容量を有しており、好ましい。ここで、X
<0.1では容量が極端に低下し、X>0.8では単一
相が得られない。また、Y>2−Xではリチウム二次電
池の負極としての電位が1.5V以上となり、電池電圧
が低下することになって好ましくない。
【0025】また酸化物は、周期表中2、12、13、
14族元素からなる酸化物を用いることで、リチウム含
有複合窒化物と組み合わせた時の全体の容量と不可逆容
量のバランスが取れて、より好ましい特性が得られる。
【0026】さらに、本発明は上記の構成からなる負極
を、公知の非水電解質およびLiイオンの吸蔵放出可能
な正極と共に非水電解質二次電池に使用することで、高
容量かつサイクル特性に優れた電池を提供することが可
能となる。
【0027】電池の形状はコイン型、ボタン型、シート
型、積層型、円筒型、偏平型、角型などいずれにも適用
できる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0029】(実施例1)実施例1として、酸化物の一
つにSnSiO3を用い、各種導電性微粉末で粒子表面
を被覆した場合について説明する。
【0030】先ず、SnSiO3粉末表面への導電性微
粉末の被覆を、圧縮磨砕式微粉砕機の一つであるメカノ
フュージョン装置を用いて行った。
【0031】図1に用いた圧縮磨砕式微粉砕機の概略構
造図を、また、図2に同粉砕器内において各粒子間に作
用する圧縮および摩砕の模式状態を示す。この装置によ
る被覆機構を簡単に説明すると、図1において円筒形の
ケース(1)は固定軸(3)を中心として高速回転し、
これにより発生する遠心力によってSnSiO3粉末
(母粒子)と導電性微粉末(子粒子)の混合物は、ケー
ス(1)の内壁に押しつけられる。同時に、このケース
(1)内壁上に押しつけられた混合物に、固定軸(3)
に固定された作用片(2)の加圧力が作用する。この
時、図2にしめすように母粒子(5)と母粒子(5)、
また母粒子(5)と子粒子(4)のそれぞれの間に圧縮
力、磨砕力が働く。これにより、個々の母粒子表面が凹
凸化し、さらに母粒子表面に子粒子が被覆される。この
とき、子粒子が金属の場合、圧延により被覆される。ま
た、炭素材料の時は、結晶質の場合、劈開で引き延ばさ
れて張り付き、非晶質の場合、2次粒子が押し延ばされ
て(1次粒子は変形しない)、被覆される。セラッミク
スの場合は、母粒子内に食い込むことにより複合化す
る。
【0032】同時にかきとり片(6)によるケース内壁
からの混合物のかきとりと撹拌混合により、効率よく処
理を行うことができる。
【0033】この被覆処理を施した粒子断面の模式図を
図3(A)に、その部分拡大図を(B)に示す。これら
の図において、母粒子(5)の表面は子粒子(4)で薄
く被覆されている。
【0034】以上に示した被覆処理法によりSnSiO
3粒子の表面上を導電性微粉末で被覆した材料を調製し
た。ここで、処理条件は平均粒径10μmのSnSiO
3粒子180gと導電性微粉末20gを投入し、回転速
度を1800rpm、処理時間を20分間とした。ま
た、ケース(1)の内壁と固定軸に固定された作用片
(2)とが最も接近する距離は2mmに設定した。ま
た、導電性微粉末として、平均粒径0.1μmの天然黒
鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラッ
ク、ニッケル粉末、コバルト粉末及び銅粉末と、平均粒
径1μmのTiB2粉末およびZrB2粉末をそれぞれ用
いた。
【0035】なお、被覆面積については、走査型電子顕
微鏡(SEM)および電子式プローブによる精密分析
(EPMA)を併用して、いずれの場合においても全表
面積の約50%であることを観察確認した。
【0036】次に、図4に示すコイン型試験セルを作成
して、充放電容量等の電気化学的特性を評価した。
【0037】試験極(12)は、本発明における各種導
電性微粉末を被覆したSnSiO3粉末とリチウム含有
複合窒化物粉末を混合した材料粉末、導電剤としての人
造黒鉛(KS6)及び結着剤としてのポリ4フッ化エチ
レンを所定比で混合した合剤をケース(11)内に設置
した集電体(13)上に一体成型した。成型した試験極
(12)は80℃で十分に減圧乾燥した。以上の様にし
て作成した試験極を用いてコイン電池を作成した、先
ず、ケース(11)内に成型した試験極(12)上にセ
パレータとしての多孔質ポリエチレンシート(10)を
設置し、電解液としてエチレンカーボネートとジエチル
カーボネートの1:1の混合溶媒に1Mの濃度でLiP
6を溶解した溶液をケース内に充填した。このケース
に、対極としてのリチウム箔(8)を封口板(7)内に
設置した集電体(9)に圧着したものを重ねた後、プレ
ス封口機を用いかしめ封口してコイン型電池(15)を
作製した。このコイン型電池(15)はガスケット(1
4)により密閉されている。
【0038】なお、リチウム含有複合窒化物にはLi
2.5Co0.5Nの組成の材料を用い、Li2.5Co0.5Nと
SnSiO3の混合比率を3:2とした。試験極の組成
は混合負極材料粉末と導電剤および結着剤の混合比率は
重量比で100:20:5とした。また、試験極中の混
合負極材料粉末重量を25mgとなるように調整した。
試験極は、直径13mmの円盤状である。対極としての
リチウム箔はその容量に対して十分に過剰な量としてあ
る。これらの試験極で、天然黒鉛を用いた場合を負極
A、人造黒鉛の場合を負極B、アセチレンブラックの場
合を負極C、ケッチェンブラックの場合を負極D、ニッ
ケル粉末の場合を負極E、コバルト粉末の場合を負極
F、銅粉末の場合を負極G、TiB2粉末の場合を負極
H、ZrB2粉末の場合を負極Iとする。
【0039】従来例1として導電性微粉末で何ら被覆し
ないSnSiO3粉末とリチウム含有複合窒化物を用い
た場合について、上記の方法と同様にしてセルを作成し
た。
【0040】試験セルの充放電は、充放電ともに電流密
度0.5mA/cm2および2.0mA/cm2の定電流
で、0Vから1.5Vの電圧範囲で行った。特性比較は
0.5mA/cm2での容量に対する2.0mA/cm2
での容量維持率(ハイレート特性)、および50サイク
ル目の容量維持率(サイクル特性)の比較で行った。
【0041】表1に各々の負極材料を用いたセルの特性
を示す。
【0042】
【表1】
【0043】いずれの導電性微粉末で被覆した場合で
も、被覆を行わない従来例1に対して初期容量、ハイレ
ート特性およびサイクル特性で向上しており、特にハイ
レート特性において著しい特性改善が見られる。初期容
量においても改善が見られるのは、導電性微粉末での被
覆により、粒子相互間の集電が良くなり利用率が向上し
たためであると考えられる。
【0044】(実施例2)実施例2として、導電性微粉
末に平均粒径0.1μmの人造黒鉛を用いて各種被覆面
積でSnSiO3粒子表面を被覆した場合について説明
する。
【0045】表面被覆、電極作成および評価セル作成
は、実施例1と同様の方法で行った。ただし、メカノフ
ュージョン法で被覆を行う際の条件(主に処理時間)を
変えることによって被覆面積の制御を行った。被覆面積
は全表面積の15%、20%、30%、50%、80
%、100%とした。
【0046】その後、実施例1と同じ条件で電気化学的
特性を評価した。
【0047】表2にそれぞれのセルの特性を示す。
【0048】
【表2】
【0049】被覆面積が15%では被覆のない従来例と
比較して若干の特性向上は見られるものの不十分であ
る。これに対して、20%以上では大幅な特性改善が見
られ、50%被覆の場合に最も優れた特性が得られてい
る。従って、SnSiO3粒子に対する導電性微粉末被
覆は全表面積の20%以上を被覆することで十分な特性
改善を得ることができる。
【0050】なお、ハイレート特性については50%被
覆で最も効果が高く、100%被覆での特性を上回って
いる。これは、導電性微粉末による被覆で電子的な集電
が確保され、良好なハイレート特性を示すが、粒子表面
の80%を超える面積を導電性微粉末で被覆した場合、
むしろ活物質粉末と電解液との間でのリチウムイオンの
移動が妨げられる方向に作用してしまうためと考えられ
る。特に、本実施例の人造黒鉛微粉末では、母粒子の表
面に沿って配向した状態での被覆が起こりやすく、Li
イオンの移動が阻害される影響が出やすいと考えられ
る。
【0051】(実施例3)実施例3として、酸化物母粒
子にBa0.9Sr0.1SnO3を用い、各種導電性微粉末
でこの粒子表面を被覆した場合について説明する。
【0052】先ず、Ba0.9Sr0.1SnO3粉末の粒子
表面への導電性微粉末の被覆を、実施例1と同様の圧縮
磨砕式微粉砕機を用いて行った。
【0053】ここで、処理時間を15分間とした以外
は、実施例1と同様の処理条件とした。また、導電性微
粉末として、実施例1と同じ天然黒鉛、人造黒鉛、アセ
チレンブラック、ケッチェンブラック、ニッケル粉末、
コバルト粉末、銅粉末、TiB 2粉末、ZrB2粉末をそ
れぞれ用いた。
【0054】なお、被覆面積については、SEM、EP
MAを用いて、いずれの場合においても全表面積の約5
0%であることを観察確認した。
【0055】次に、実施例1と同様の方法でコイン型試
験セルを作製して、充放電容量等の電気化学的特性を評
価した。ここで、天然黒鉛を用いた場合を負極J、人造
黒鉛の場合を負極K、アセチレンブラックの場合を負極
L、ケッチェンブラックの場合を負極M、ニッケル粉末
の場合を負極N、コバルト粉末の場合を負極O、銅粉末
の場合を負極P、TiB2粉末の場合を負極Q、ZrB2
粉末の場合を負極Rとする。
【0056】なお、リチウム含有複合窒化物にはLi
2.5Co0.5Nの組成の材料を用い、Li2.5Co0.5Nと
Ba0.9Sr0.1SnO3の混合比率を1:1.2とし
た。
【0057】その後は、実施例1と同様の方法でコイン
型試験セルを作成した。
【0058】さらに、従来例2として導電性微粉末で被
覆しないBa0.9Sr0.1SnO3粉末とリチウム含有複
合窒化物を用いた場合について、上記の方法と同様にし
てセルを作成した。
【0059】その後、実施例1と同じ条件で電気化学的
特性を評価した。
【0060】表3に各々の負極材料を用いたセルの特性
を示す。
【0061】
【表3】
【0062】いずれの導電性微粉末で被覆した場合で
も、被覆を行わない従来例2に対して初期容量、ハイレ
ート特性およびサイクル特性のいずれにおいても向上し
た。
【0063】特にハイレート特性において著しい特性改
善が見られる。初期容量においても改善が見られるの
は、導電性微粉末の被覆により粒子相互間の集電が良く
なり、活物質利用率が向上したためであると考えられ
る。
【0064】以上、実施例としてSnSiO3、Ba0.9
Sr0.1SnO3およびリチウム含有複合窒化物を用い、
SnSiO3粒子またはBa0.9Sr0.1SnO3粒子の表
面を導電性微粉末で被覆した場合について述べた。導電
性微粉末で被覆する対象活物質は、導電性の低い酸化物
が好ましいが、リチウム含有複合窒化物についても、あ
るいは両者ともに導電性微粉末で被覆することによっ
て、負極全体としての導電性を高めるという効果が得ら
れる。また、対象酸化物は、SnSiO3に限らず、前
記酸化物、複合酸化物などのLiイオンを可逆的に吸蔵
放出できる材料を用いた場合にはほぼ同様の効果が得ら
れる。
【0065】また、本実施例での試験セルの負極の対極
としてLi金属を用いたが、一般にリチウム二次電池の
正極材料として用いられている材料であれば同様の効果
が得られる。
【0066】さらには、本実施例ではポリ4フッ化エチ
レンを結着剤とした成型極板を用いたが、有機溶媒等を
用いて調製した合剤スラリーを塗布することで作製され
るシート状塗布電極においても同様の効果が得られる。
【0067】なお、電池形状はコイン型電池以外の円筒
型電池やポリマー電解質を用いた積層型電池での試験に
おいても同様の結果が得られている。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明の導電性微粉末で
被覆することにより導電性を改善した負極材料を用いれ
ば、初期容量、ハイレート特性およびサイクル特性のい
ずれにおいても向上した、優れた特性を有する非水電解
質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた圧縮摩砕式微粉砕機の
概略構造図
【図2】同微粉砕機内における圧縮および摩砕の模式状
態図
【図3】(A)本発明の被覆処理を施した粉末の断面の
模式図 (B)同部分拡大模式図
【図4】本発明の実施例で用いた評価用試験セルの断面
【符号の説明】
1 ケース 2 作用片 3 固定軸 4 子粒子 5 母粒子 6 かきとり片 7 封口板 8 リチウム箔 9 集電体 10 セパレータ 11 ケース 12 試験極 13 集電体 14 ガスケット 15 コイン型電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 修司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ05 AK11 AL01 AL03 AM03 AM05 AM07 BJ03 CJ08 CJ22 DJ08 DJ16 EJ01 EJ04 EJ08 HJ02 HJ07 5H050 AA02 AA07 BA17 CA17 CB01 CB03 DA03 DA10 EA02 EA03 EA04 EA05 EA08 EA09 EA10 EA14 FA17 FA18 FA19 FA20 GA10 GA22 HA02 HA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可逆的にリチウムイオンを吸蔵放出可能な
    リチウム含有複合窒化物および酸化物の少なくとも2種
    の粉末からなる非水電解質二次電池用負極において、前
    記2種の粉末のうち少なくとも一種は、その粒子表面の
    一部または全部が導電性微粉末で被覆されている非水電
    解質二次電池用負極。
  2. 【請求項2】導電性微粉末で被覆された粉末は酸化物で
    ある請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極。
  3. 【請求項3】導電性微粉末が炭素材料である請求項1ま
    たは2に記載の非水電解質二次電池用負極。
  4. 【請求項4】導電性微粉末が、コバルト、ニッケル及び
    銅からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属材料で
    ある請求項1または2記載の非水電解質二次電池用負
    極。
  5. 【請求項5】導電性微粉末が導電性セラミックスである
    請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用負極。
  6. 【請求項6】導電性セラミックスが、周期表中4族、5
    族、6族元素の窒化物、ホウ化物およびケイ化物からな
    る群より選ばれる少なくとも一種である請求項5に記載
    の非水電解質二次電池用負極。
  7. 【請求項7】可逆的にリチウムイオンの吸蔵放出可能な
    粉末は、その全表面積の20%〜80%が導電性微粉末
    で被覆されている請求項1または2に記載の非水電解質
    二次電池用負極。
  8. 【請求項8】負極材料が酸化物の少なくとも一種と、一
    般式Li3-X-YXN(なお、式中MはCo,Ni,Cu
    から選ばれる少なくとも一種の遷移元素であり、0.1
    ≦X≦0.8、0≦Y≦2−X)で表されるリチウム含
    有複合窒化物の粉末との混合物からなり、前記酸化物粉
    末の表面が導電性微粉末で覆われている請求項1記載の
    非水電解質二次電池用負極。
  9. 【請求項9】可逆的にリチウムイオンを吸蔵放出可能な
    酸化物が、構成元素として周期表中2、12、13、1
    4族元素からなる酸化物である請求項8に記載の非水電
    解質二次電池用負極。
  10. 【請求項10】非水電解質、リチウムイオンの吸蔵放出
    可能な正極と、請求項1または8に記載の負極を備えた
    非水電解質二次電池。
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