JP2001325947A - リチウム二次電池用正極、その製造方法およびそれを用いて構成されたリチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池用正極、その製造方法およびそれを用いて構成されたリチウム二次電池Info
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Abstract
チウム二次電池用正極を提供し、また、そのような正極
を簡便かつ低コストな手段によって製造する方法を提供
し、さらに、その正極を用いてリチウム二次電池を構成
することでサイクル特性の良好なリチウム二次電池を提
供する。 【解決手段】 リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物
質とし、該リチウム遷移金属複合酸化物を結着剤にて結
着して形成されたリチウム二次電池用正極を、形成後、
酸素および水分を含む気体中に保存する。そのような正
極を用いてリチウム二次電池を構成する。繰り返される
充放電によっても容量の低下が少なくまた内部抵抗の増
加の小さく、つまり、サイクル特性の良好なリチウム二
次電池となる。
Description
脱離現象を利用したリチウム二次電池に関し、特にサイ
クル特性に優れたリチウム二次電池に関する。
エネルギー密度の高い二次電池が必要とされ、通信機
器、情報関連機器の分野では、リチウム二次電池が広く
普及するに至っている。また、資源問題、環境問題か
ら、自動車の分野でも電気自動車に対する要望が高ま
り、電気自動車用電源等の大容量用途の二次電池として
も、このリチウム二次電池の利用が検討されている。二
次電池は、一般に、繰り返される充放電によってもその
容量が劣化しない等といった良好なサイクル特性が求め
られており、リチウム二次電池においては、高価な二次
電池であることから、特にその要望が強い。
吸蔵・脱離可能な正極活物質および負極活物質をそれぞ
れ含む正極および負極と、非水電解液と、その正極と負
極とを離隔しその非水電解液を保持可能なセパレータと
を備えて構成されている。このような構成のリチウム二
次電池において、サイクル劣化を生じる原因にはそれぞ
れの構成要素に起因する種々のものが存在する。例え
ば、正極活物質または負極活物質自体の結晶構造の変化
によるもの、正極または負極の構造の変化による電極内
部抵抗の増加によるもの、非水電解液の劣化によるもの
等である。
減少させるために、例えば、正極活物質または負極活物
質の結晶性の向上、結晶構造の安定化、正極または負極
の電気伝導を確保するための導電材の種類あるいはその
存在状態の適正化、非水電解液を構成する有機溶媒ある
いは電解質物質の選択等、いろいろな観点から数多くの
手段が検討されている。
10−334919に示すように、構成要素の一つであ
る負極を、炭酸ガスと酸素ガスとの混合ガス中に晒すこ
とにより、予めリチウムイオン導電性の被膜を負極表面
に形成し、この被膜の作用によってリチウム二次電池の
充放電効率、サイクル特性を改善するという技術も存在
する。
二次電池の劣化機構について、電極表面における反応、
詳しくは電極を構成する活物質表面における反応に関す
る研究の結果、負極のみならず、正極の表面、詳しくは
正極活物質表面においても、電池反応にともなっていろ
いろな副反応が生じると考えるに至った。このような正
極表面における副反応は、電池反応を阻害する被膜を正
極表面に生成するものであり、この被膜が繰り返される
充放電に伴って成長し、電池反応に寄与するリチウムの
失活、電池の内部抵抗の上昇等の現象を引き起こし、リ
チウム二次電池の容量劣化の大きな原因となるものと考
えられる。そして本発明者は、幾多の実験を経て、リチ
ウム遷移金属複合酸化物を正極活物質とする正極におい
て、正極形成後に、ある種の処理を施すことにより、電
池反応に伴う正極表面での副反応を抑制することができ
るとの知見を得た。
のであり、電池反応に伴う表面の副反応を抑制し得るリ
チウム二次電池用正極を提供することを課題とし、ま
た、そのような正極を簡便かつ低コストな手段によって
製造する方法を提供することを課題とし、さらに、その
正極を用いてリチウム二次電池を構成することでサイク
ル特性の良好なリチウム二次電池を提供することを課題
とする。
池用正極は、リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質
とし、該リチウム遷移金属複合酸化物を結着剤にて結着
して形成されたリチウム二次電池用正極であって、形成
後、酸素および水分を含む気体中に保存されたことを特
徴とする。また、本発明のリチウム二次電池用正極の製
造方法は、上記本発明のリチウム二次電池用正極の製造
方法であって、正極活物質となるリチウム遷移金属複合
酸化物を結着剤にて結着して正極を形成する形成工程
と、該形成工程後、該正極を酸素および水分を含む気体
中に保存する正極保存工程とを含んでなることを特徴と
する。さらに、本発明のリチウム二次電池は、上記本発
明のリチウム二次電池用正極を用いて構成したリチウム
二次電池であることを特徴とする。
正極、その製造方法およびそれを用いて構成されたリチ
ウム二次電池の特徴は、正極における酸素および水分を
含む気体中への保存という処理である。この保存処理の
作用は、現在のところ明らかにはできていないが、以下
のように推察される。
ウム遷移金属複合酸化物を正極活物質とし、このリチウ
ム遷移金属複合酸化物を結着剤で結着して形成される。
このような正極において、形成後、酸素および水分を含
む気体中に保存することにより、正極表面、詳しくは正
極活物質表面に、水酸化物等の被膜が形成されると考え
られる。
であるが、この被膜は、電池反応を阻害するものではな
く、かつ、その電池反応に伴って生じる副反応を抑制し
うるものと考えられる。つまり、このように生成された
被膜は、副反応によって生じる被膜の生成を抑制するも
のであると考えられ、それによる正極表面のにおける電
気抵抗の増加、電池反応に寄与するリチウムの失活とい
った現象が抑制される。具体的には、上記気体中に保存
した正極を用いたリチウム二次電池では、このような処
理を施していない正極を用いたリチウム二次電池に比
べ、繰り返される充放電によっても電池の内部抵抗の上
昇が抑制されるとともに放電容量の減少割合が小さくな
っている。
正極は、サイクル特性の良好なリチウム二次電池を構成
することのできる優秀な正極となり、またその正極を用
いて構成したリチウム二次電池はサイクル特性の良好な
リチウム二次電池となる。そして、本発明のリチウム二
次電池用正極の製造方法は、所定の気体中に保存すると
いった極めて簡便な方法であり、良好なサイクル特性の
有する正極を低コストに製造できる方法となる。
ウム二次電池用正極、その製造方法およびそれを用いて
構成されたリチウム二次電池の実施形態について、正極
の基本構成および保存処理の方法、リチウム二次電池の
構成の順に詳しく述べる。
本発明のリチウム二次電池用正極の基本構成は、リチウ
ム遷移金属複合酸化物を正極活物質とし、該リチウム遷
移金属複合酸化物を結着剤にて結着して形成されるもの
である。つまり、これは、一般的なリチウム二次電池の
基本的構成であり、本発明のリチウム二次電池用正極
は、既に公知の正極に対して後に詳述する保存処理を施
して作製することができる。なお、リチウム遷移金属複
合酸化物は電子伝導性が低いことから、導電材を混合し
て結着して形成されることが通常であり、本発明のリチ
ウム二次電池用正極も、その構成に従えばよい。
るものとして、基本組成をLiCoO2とする層状岩塩
構造リチウムコバルト複合酸化物、基本組成をLiNi
O2とする層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物、
基本組成をLiMn2O4するスピネル構造リチウムマン
ガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物の粉状
体を用いることができる。また、上記祖成中、Li、遷
移金属の一部を他の元素で置換したものをも用いること
もできる。
めのものであり、例えば、カーボンブラック、アセチレ
ンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種又は2種以
上を混合したものを用いることができる。結着剤は、活
物質粒子を繋ぎ止める役割を果たすもので、例えば、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フ
ッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチ
レン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
なるリチウム遷移金属複合酸化物を結着剤にて結着す
る。より詳しく説明すれば、上記正極活物質に上記導電
材および上記結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペー
スト状の正極合材としたものを、アルミニウム等の金属
箔製の集電体表面に塗布乾燥することで、正極合材層有
するように形成することができる。また、必要に応じて
電極密度を高めるべくその正極合材層を圧縮してもよ
い。正極活物質、導電材、結着剤を分散させる溶剤とし
ては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用い
ることができる。なお、上記のように形成された正極
は、シート状であり、作製する電池の形状、大きさに応
じ、適切な大きさに裁断等して、リチウム二次電池の組
付けに供することができる。
素および水分を含む気体中に保存する正極保存工程に供
され、保存処理が行われる。酸素および水分を含む気体
であることは、正極表面、詳しくは正極活物質となるリ
チウム遷移金属複合酸化物表面に上述した被膜を生成さ
せるために必須である。
なければ特に限定するものではないが、具体的には、大
気であることが望ましい。大気は酸素および水分を含み
かつ製造プロセス上特別な配慮を必要としないことか
ら、大気中で保存させる場合は、極めて低コストな保存
処理が行える。大気中にて保存処理を行う場合、その大
気は相対湿度が10%以上あることが望ましい。
よって異なるものとなるが、常温環境下において大気中
に保存する場合は、1ヶ月以上保存することによってそ
の効果が期待できる。これは、後に示す実験により明ら
かになっている。保存時間は長いほどその効果が顕著に
なり、6ヶ月程度とすれば極めて良好なサイクル特性を
得ることができる正極となることが確認されている。し
たがって、常温環境下において大気中に保存する場合
は、保存時間を1ヶ月以上とすることが望ましく、さら
により良好なサイクル特性を得るためには6ヶ月程度保
存することが望ましい。
水分が多いほど、被膜の生成が促進されることが期待で
きることから、高温多湿という人工的な環境下におい
て、本保存工程を行うことにより、より短時間に保存工
程を終了させることが可能である。
ウム二次電池は、上記保存処理を施した正極を用いて構
成される。その構成は、一般のリチウム二次電池と異な
るものではなく、既に公知のリチウム二次電池の構成に
従えばよい。例えば、上記正極とリチウムを吸蔵・脱離
可能な負極と、非水電解液と、その正極と負極とを離隔
し非水電解液を保持可能なセパレータとを備えて電池系
を構成することができる。
用いることができる。また、デンドライトの析出の危険
性を回避すべく、正極同様、リチウムイオンを吸蔵・離
脱できる負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶剤を加
えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔製の集
電体の表面に塗布乾燥することで負極合材層を形成させ
て作製することが望ましい。この場合、正極同様、必要
に応じて電極密度を高めるべくその負極合材層を圧縮し
てもよい。
黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成
体、コークス等の炭素物質の粉状体を用いることができ
る。負極結着剤としては、正極同様、ポリフッ化ビニリ
デン等の含フッ素樹脂等を、これら活物質および結着剤
を分散させる溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン
等の有機溶剤を用いることができる。
させるが、正極と負極との間には、正極と負極とを分離
し電解液を保持する機能を果たすセパレータを挟装す
る。セパレータには、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の薄い微多孔膜を用いることができる。
チウム塩を溶解させたもので、有機溶媒としては、非プ
ロトン性有機溶媒、例えばエチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロ
ラクトン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン
等の1種またはこれらの2種以上の混合溶媒を用いるこ
とができる。また、溶解させる電解質としては、Li
I、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiP
F6、LiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を用いるこ
とができる。
いう構成に代えて、ポリエチレンオキシド等の高分子量
ポリマーとLiClO4やLiN(CF3SO2)2等のリ
チウム塩を使用した高分子固体電解質を用いることもで
き、また、上記非水電解液をポリアクリロトリル等の固
体高分子マトリクスにトラップさせたゲル電解質を用い
ることもできる。
る本発明のリチウム二次電池であるが、その形状は円筒
型、積層型、コイン型等、種々のものとすることができ
る。いずれの形状を採る場合であっても、上記構成要素
を電池ケースに収納し、正極集電体および負極集電体か
ら外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を集電
用リード等を用いて接続し、電池ケースを密閉して電池
系を外部と離隔し、リチウム二次電池が完成される。
電池用正極、その製造方法およびそれを用いて構成され
たリチウム二次電池の実施形態について説明したが、上
述した実施形態は一実施形態にすぎず、本発明のリチウ
ム二次電池用正極、その製造方法およびそれを用いて構
成されたリチウム二次電池は、上記実施形態を始めとし
て、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した
種々の形態で実施することができる。
池用正極を形成し、それに保存処理を行い、そしてその
正極を用いてリチウム二次電池を作製し、そのリチウム
二次電池に対して充放電サイクル試験を行うことで、本
発明のリチウム二次電池用正極および本発明のリチウム
二次電池の優秀性について確認した。これらについて、
以下に説明する。
リチウム二次電池〉正極は、組成式LiNi0.7Co0.2
Al0.1O2で表される層状岩塩構造リチウムニッケル複
合酸化物を正極活物質とした。まず、このリチウムニッ
ケル複合酸化物の85重量部に、導電材としてカーボン
ブラックを10重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリ
デンを5重量部混合し、溶剤として適量のN−メチル−
2−ピロリドンを添加してペースト状の正極合材を調整
した。次いで、この正極合材を厚さ20μmのアルミニ
ウム箔製集電体の両面に塗布し、乾燥させ、ロールプレ
スにて密度を高めて、正極合材層の厚さが片面あたり4
0μmととなるシート状の正極を形成した。なお、シー
ト状の正極は、その面積が54mm×450mmのもの
とした。
処理を施した。保存処理の条件は、相対湿度50%、温
度20〜25℃に管理した大気中に、1ヶ月間または6
ヶ月間保存するものとした。1ヶ月間の保存処理を施し
た正極を実施例1の正極とし、6ヶ月間の保存処理を施
した正極を実施例2の正極とした。また、保存処理を施
さない正極をも作製し、これを比較例の正極とした。
用いたリチウム二次電池を作製した。これらの正極に対
向させる負極は、人造黒鉛を負極活物質とした。まず、
この人造黒鉛の95重量部に、結着剤としてポリフッ化
ビニリデンを5重量部混合し、正極同様、溶剤として適
量のN−メチル−2−ピロリドンを添加してペースト状
の負極合材を調整した。次いで、正極同様、この負極合
材を厚さ10μmの銅箔製集電体の両面に塗布し、乾燥
させ、ロールプレスにて密度を高めて、負極合材層の厚
さが片面あたり50μmととなるシート状の負極を作製
した。なお、シート状の負極は、その面積が56mm×
500mmのものとした。ちなみに、正極容量に対する
負極容量の比は1.2となるように設定した。
m、幅58mmのポリエチレンセパレータを挟装して捲
回し、ロール状の電極体を形成し、次いで、この電極体
を、非水電解液とともに18650型電池ケースに挿設
し、リチウム二次電池を完成させるものとした。用いた
非水電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボ
ネートとを体積比1:1で混合した混合溶媒に、LiP
F6を1Mの濃度で溶解させたものを使用した。
を実施例1のリチウム二次電池とし、同様に、実施例2
の正極を用いたものを実施例2のリチウム二次電池と、
比較例の正極を用いたものを比較例のリチウム二次電池
とした。
比較例のリチウム二次電池に対して、充放電サイクル試
験を行った。充放電サイクル試験の条件は、リチウム電
池の実使用温度の上限と目される60℃の高温環境下、
972mAの定電流で充電終止電圧4.1Vまで充電
後、972mAの定電流で放電終止電圧3.0Vまで放
電を行うものを1サイクルとし、このサイクルを500
サイクルまで行うものとした。
クルにおける放電容量を測定し、1サイクル目の放電容
量に対する各サイクルの放電容量の百分率を算出しこれ
を各サイクルの容量維持率とした。また、各サイクルに
おける電池の内部抵抗(直流抵抗)をも測定した。ちな
みに内部抵抗は、各サイクルの平均充電圧および平均放
電電圧を測定し、[(充電平均電圧−放電平均電圧)/
(充放電電流密度×正極面積×2)]という式を用いて
計算で求めた。
ル試験の結果として、実施例および比較例のそれぞれの
リチウム二次電池の各サイクルにおける容量維持率を図
1に示し、また、各サイクルにおける電池内部抵抗を図
2に示す。
ない正極を用いた比較例のリチウム二次電池に対して、
1ヶ月の保存処理を施した正極を用いた実施例1のリチ
ウム二次電池は、容量維持率が向上していることが確認
できる。さらに、6ヶ月の保存処理を施した実施例2の
リチウム二次電池では、より容量維持率の高いリチウム
二次電池であることが確認できる。ちなみに、500サ
イクル後の容量維持率は、比較例のリチウム二次電池が
88%、実施例2のリチウム二次電池が89%であり、
比較例のリチウム二次電池に至っては、94%と高い値
を示した。
明らかなように、保存処理を施した正極を用いたリチウ
ム二次電池は、比較例のリチウム二次電池と比較して、
内部抵抗の変化が小さいことが確認できる。また、より
長い持間の保存処理を行った正極を用いた実施例2のリ
チウム二次電池は、より内部抵抗の増加の少ないリチウ
ム二次電池であることが確認できる。ちなみに、500
サイクル後の内部抵抗増加率は、比較例のリチウム二次
電池が約50%であるのに対し、実施例1のリチウム二
次電池では約30%、実施例2のリチウム二次電池では
約15%であり、いずれも良好な値を示した。
を含む気体中で保存処理を施した正極を用いた本発明の
リチウム二次電池は、容量維持率が高く、かつ、電池内
部抵抗の上昇が小さいことから、サイクル特性、特に高
温使用時におけるサイクル特性に優れたリチウム二次電
池であることが確認できる。
成後、酸素および水分を含む気体中に保存する保存処理
を施したものであり、このように作製された本発明のリ
チウム二次電池用正極は、繰り返される充放電によって
も容量の低下が少なくまた内部抵抗の増加の小さな正極
となる。本発明のリチウム二次電池は、その正極を用い
て構成したリチウム二次電池であり、したがって、本発
明のリチウム二次電池はサイクル特性に優れたリチウム
二次電池となる。
製造方法は、所定の気体中に保存するといった極めて簡
便な方法であり、良好なサイクル特性の有する正極を低
コストに製造できる方法となる。
た正極を用いた実施例のリチウム二次電池および保存処
理を施していない正極を用いた比較例のリチウム二次電
池の各サイクルの容量維持率を示す。
た正極を用いた実施例のリチウム二次電池および保存処
理を施していない正極を用いた比較例のリチウム二次電
池の各サイクルの内部抵抗を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物
質とし、該リチウム遷移金属複合酸化物を結着剤にて結
着して形成されたリチウム二次電池用正極であって、 形成後、酸素および水分を含む気体中に保存されたこと
を特徴とするリチウム二次電池用正極。 - 【請求項2】 正極活物質となるリチウム遷移金属複合
酸化物を結着剤にて結着して正極を形成する形成工程
と、 該形成工程後、該正極を酸素および水分を含む気体中に
保存する正極保存工程とを含んでなるリチウム二次電池
用正極の製造方法。 - 【請求項3】 リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物
質とし、該リチウム遷移金属複合酸化物を結着剤にて結
着して形成され、形成後、酸素および水分を含む気体中
に保存された正極を用いて構成されたリチウム二次電
池。
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---|---|---|---|
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11185731A (ja) * | 1997-02-05 | 1999-07-09 | Sumitomo Chem Co Ltd | リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池 |
WO1999056331A1 (en) * | 1998-04-30 | 1999-11-04 | Massachusetts Institute Of Technology | Intercalation compounds and electrodes for batteries |
JP2000058125A (ja) * | 1998-07-31 | 2000-02-25 | Japan Storage Battery Co Ltd | 非水電解質電池 |
-
2000
- 2000-05-16 JP JP2000143785A patent/JP2001325947A/ja active Pending
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