JP2001325746A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2001325746A
JP2001325746A JP2000141565A JP2000141565A JP2001325746A JP 2001325746 A JP2001325746 A JP 2001325746A JP 2000141565 A JP2000141565 A JP 2000141565A JP 2000141565 A JP2000141565 A JP 2000141565A JP 2001325746 A JP2001325746 A JP 2001325746A
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Japan
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organic dye
dye film
thickness
groove
recording medium
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JP2000141565A
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English (en)
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Wataru Ogawa
渉 小川
Hirotoshi Ono
浩利 大野
Kiyoshi Manaka
清 間仲
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生専用領域、記録再生領域の両方から良好
な読み出し信号を得る光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 ROM領域とRAM領域とを同心円状に
設けてあるカード形状の基板1上に、有機色素膜2と反
射膜3とを少なくとも積層してなり、ROM,RAM領
域に設けたランド上の色素膜2の膜厚d0を、(λ/
2)×(1/n1)(但し、λ:レーザビームの波長、
n1:色素膜2の屈折率)とし、ROM領域に設けたピ
ットP上の色素膜2の膜厚dpを位相差Δθがほぼπr
ad(逆相)となるような膜厚とし、RAM領域に設け
たグルーブG上の色素膜2の膜厚dを位相差Δθがほぼ
0rad(同相)となるような膜厚とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光情報記録媒体に係
り、予め情報が記録された再生専用領域であるリードオ
ンリメモリ(以下「ROM」と記す)領域と、随時又は
追加して情報の書き込み(追記記録)可能な領域である
ランダムアクセスメモリ(以下「RAM」と記す)領域
とを有する、いわゆるパーシャルROMディスク又はハ
イブリッドディスクと称されて、再生専用ディスク(R
OMディスク)との互換性を有する光情報記録媒体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】情報記録媒体として、コンパクトディス
ク(以下「CD」と記す)に代表されるように、予め記
録された幾何学的な凹凸として形成されたピットを読み
出す再生専用(ROM)の光ディスクがあり、又記録可
能な光ディスクとして、有機色素を用いて唯1回だけ記
録出来るRAMディスク(あるいは、「ライトワンスデ
ィスク」とも呼ばれる)として、CD−Rがある(例え
ば特許第2541847号公報、特公平8−27992
号公報)。
【0003】又、上記ROMとRAMの両方の領域を1
枚のディスクの中に混在させたパーシャルROM(以下
「P−ROM」と記す)あるいはハイブリッドディスク
と呼ばれるディスクも提案されている(例えば特許第2
580820号公報)。
【0004】このP−ROMは、ROM部にはピットが
設けられ、RAM部にはグルーブと呼ばれるトラッキン
グを取るための案内溝が設けてある。このROM部とR
AM部とを1枚のディスクの自由な場所に設けるように
するには、ROM部、RAM部のあるディスク全面に有
機色素を塗布する必要がある。しかし、ROMとRAM
の両方に有機色素を塗布した状態で、ROM,RAM両
方ともに良好な信号を得るためには、ROM部における
ピット深さとRAM部におけるグルーブ深さとを厳密に
制御する必要があり、完全に両立した良好な信号特性は
得られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記したように従来の
P−ROMは、ROM部,RAM部いずれからも良好な
信号特性を得ることが難しく、最適なピット及びグルー
ブ形状を得るためにどうすればよいかという課題があっ
た。
【0006】そこで本発明は、再生専用領域における最
適なピット形状及び記録再生領域におけるグルーブ形
状、これら再生専用領域、記録再生領域上を被覆する有
機色素膜の膜厚を適正に選ぶことによって、再生専用領
域、記録再生領域両方から良好な読み出し信号を得るカ
ード形状の基板を備えた光情報記録媒体を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、下記(1)〜(6)の構成を有する
光情報記録媒体を提供する。 (1) レーザビームを一面側から照射して情報の書込
み読出しを可能としかつ再生専用領域と記録再生領域と
を同心円状にそれぞれ設けてある他面を備えたカード形
状の基板上に、有機色素膜と、反射膜とを少なくとも積
層してなる光情報記録媒体において、前記再生専用領域
と前記記録再生領域とにそれぞれ設けたランド上に被着
した前記有機色素膜の膜厚を、(λ/2)×(1/n
1)(但し、λ:レーザビームの波長、n1:前記有機
色素膜の屈折率)とし、前記再生専用領域に設けたピッ
ト上に被着した前記有機色素膜の膜厚を、前記有機色素
膜をそれぞれ被着した前記ピットと前記ランドとにレー
ザビームをそれぞれ照射して得られた各反射レーザ光の
光学的位相差が、ほぼπrad(逆相)となるような膜
厚とし、前記記録再生領域に設けたグルーブ上に被着し
た前記有機色素膜の膜厚を、前記有機色素膜をそれぞれ
被着した前記グルーブと前記ランドとにレーザビームを
それぞれ照射して得られた各反射レーザ光の光学的位相
差が、ほぼ0rad(同相)となるような膜厚としたこ
とを特徴とする光情報記録媒体。 (2) 請求項1記載の光情報記録媒体であって、前記
ピット上に被着した前記有機色素膜の膜厚を、前記光学
的位相差が0.75πrad〜0.95πradとなる
ような膜厚とし、前記グルーブ上に被着した前記有機色
素膜の膜厚を、前記光学的位相差が±0.16πrad
となるような膜厚としたことを特徴とする光情報記録媒
体。 (3) 請求項1又は請求項2記載の光情報記録媒体で
あって、前記ピットの深さを、200nm〜350nm
とし、前記グルーブの深さを、100nm〜190nm
とし、前記ピット上に被着した前記有機色素膜の膜厚
を、200nm〜300nmとし、前記グルーブ上に被
着した前記有機色素膜の膜厚を、120nm〜300n
mとし、前記ランド上に被着した前記有機色素膜の膜厚
を、60nm〜150nmとしたことを特徴とする光情
報記録媒体。 (4) 請求項3記載の光情報記録媒体であって、前記
ピット上に被着した前記有機色素膜の凹みを、100n
m〜180nmとし、前記グルーブ上に被着した前記有
機色素膜の凹みを、40nm〜100nmとし、前記ピ
ット及び前記グルーブ上にそれぞれ被着した前記有機色
素膜の各膜厚は、前記ランドに被着した前記有機色素膜
の膜厚よりも厚いことを特徴とする光情報記録媒体。 (5) 請求項4記載の光情報記録媒体であって、レー
ザビームを前記基板の一面側から照射して前記記録再生
領域の前記有機色素膜に光吸収を生じさせ、前記有機色
素膜の光吸収による発熱によって前記基板の変形を生じ
させて、前記グルーブをほぼ埋設したような形状の記録
ピットを形成し、前記記録ピット上に被着した前記有機
色素膜の凹みを、30nm〜70nmとし、前記記録再
生領域に設けた前記記録ピット上に被着した前記有機色
素膜の膜厚を、前記有機色素膜をそれぞれ被着した前記
グルーブと前記記録ピットとにレーザビームをそれぞれ
照射して得られた各反射レーザ光の光学的位相差を0.
65πrad〜0.95πradとしたことを特徴とす
る光情報記録媒体。 (6) 請求項1乃至請求項5のいずれか1に記載の光
情報記録媒体であって、前記基板の前記一面上に、Si
x又はSiOx(x:正の整数)からなり、かつ屈折率
はほぼ2.1の光透過性誘電体膜を膜厚5nm〜20n
m成膜したことを特徴とする光情報記録媒体。
【0008】以下、本発明の光情報記録媒体の発明の骨
子を説明し、次に発明の具体的な実施例について説明す
る。図1は一般のハイブリットディスクの再生専用領域
及び記録再生領域における各部分の厚さを説明するため
の図、図2は本発明の光情報記録媒体の再生専用領域に
おける各部分の厚さを説明するための図、図3,図4は
それぞれ本発明の光情報記録媒体の記録再生領域におけ
る各部分の厚さを説明するための図、図5は光学的位相
差と反射との関係を示すグラフ、図6は本発明の光情報
記録媒体の再生専用領域及び記録再生領域におけるラン
ド部分の反射状態を説明するための図、図7は本発明の
光情報記録媒体の記録再生領域における記録後のグルー
ブの形状を説明するための図である。
【0009】本発明の光情報記録媒体は、後述する図2
〜図4に示すように、レーザビーム(レーザ光1G,2
G,1P,2P)を一面側(他面1aとは反対の面側)
から照射して情報の書込み読出しを可能としかつ再生専
用領域(ROM領域)と記録再生領域(RAM領域)と
を同心円状にそれぞれ設けてある他面1aを備えた(ク
レジットカード、銀行カード等の)カード形状の基板1
上に、有機色素膜(色素,有機色素)2と、反射膜3と
(図示せぬ保護層と)を少なくとも積層してなる光情報
記録媒体において、前記再生専用領域と前記記録再生領
域とにそれぞれ設けたランドL(LG,LP)上に被着
した前記有機色素膜2の膜厚d0を、(λ/2)×(1
/n1)(但し、λ:レーザビーム2G,2Pの波長
(nm)、n1:前記有機色素膜2の屈折率)とし、前記
再生専用領域に設けたピットP上に被着した前記有機色
素膜2の膜厚dpを、前記有機色素膜2をそれぞれ被着
した前記ピットPと前記ランドLPとにレーザビーム1
P,2Pをそれぞれ照射して得られた各反射レーザ光の
光学的位相差Δθが、ほぼπrad(πラジアン。逆
相)となるような膜厚とし、前記記録再生領域に設けた
グルーブG上に被着した前記有機色素膜2の膜厚dを、
前記有機色素膜2をそれぞれ被着した前記グルーブGと
前記ランドLGとにレーザビーム1G,2Gをそれぞれ
照射して得られた各反射レーザ光の光学的位相差Δθ
が、ほぼ0rad(ゼロラジアン。同相)となるような
膜厚としたことを特徴とする光情報記録媒体である。
【0010】又、本発明の光情報記録媒体は、前記した
光情報記録媒体であって、前記ピットP上に被着した前
記有機色素膜2の膜厚dpを、前記光学的位相差Δθが
0.75πrad〜0.95πrad(例えば0.75
πrad)となるような膜厚とし、前記グルーブG上に
被着した前記有機色素膜2の膜厚dを、前記光学的位相
差Δθが±0.16πrad(例えば0rad,−0.
09πrad,0.154πrad)となるような膜厚
としたことを特徴とする光情報記録媒体である。
【0011】さらに、本発明の光情報記録媒体は、前記
した光情報記録媒体であって、前記ピットPの深さd1
を、200nm〜350nm(好ましくは280nm〜
320nm)とし、前記グルーブの深さd2を、100
nm〜190nm(好ましくは150nm〜170n
m。例えば190nm)とし、前記ピットP上に被着し
た前記有機色素膜2の膜厚dpを、200nm〜300
nm(好ましくは216nm。250nm)とし、前記
グルーブG上に被着した前記有機色素膜2の膜厚dを、
120nm〜300nm(有機色素膜2の光吸収を考慮
して好ましくは120nm,260nm。例えば200
nm,240nm)とし、前記ランドL(LG,LP)
上に被着した前記有機色素膜2の膜厚d0を、60nm
〜150nm(好ましくは100nm〜150nm)と
したことを特徴とする光情報記録媒体である。
【0012】さらに又、本発明の光情報記録媒体は、前
記した光情報記録媒体であって、前記ピットP上に被着
した前記有機色素膜2の凹みhpを、100nm〜18
0nm(例えば170nm)とし、前記グルーブG上に
被着した前記有機色素膜2の凹みhgを、40nm〜1
00nm(例えば60nm,90nm)とし、前記ピッ
トP及び前記グルーブG上にそれぞれ被着した前記有機
色素膜2の各膜厚dp,dは、前記ランドL,LG,L
Pに被着した前記有機色素膜2の膜厚d0よりも厚いこ
とを特徴とする光情報記録媒体である。
【0013】さらに又、本発明の光情報記録媒体は、後
述する図7に示すように、前記した光情報記録媒体であ
って、レーザビーム(レーザ光1r,2r)を前記基板
1の一面側(面1aとは反対の面側)から照射して前記
記録再生領域(RAM領域)の前記有機色素膜2に光吸
収を生じさせ、前記有機色素膜2の光吸収による発熱に
よって前記基板2の変形を生じさせて、前記グルーブG
をほぼ埋設したような形状の記録ピットRPを形成し、
前記記録ピットRP上に被着した前記有機色素膜2の凹
みhrを、30nm〜70nm(例えば40nm,70
nm)とし、前記記録再生領域に設けた前記記録ピット
RP上に被着した前記有機色素膜2の膜厚d1を、前記
有機色素膜2をそれぞれ被着した前記グルーブGと前記
記録ピットRPとにレーザビーム(レーザ光1r,2
r)をそれぞれ照射して得られた各反射レーザ光の光学
的位相差を0.65πrad〜0.95πrad(例え
ば0.697πrad)としたことを特徴とする光情報
記録媒体である。
【0014】さらに又、本発明の光情報記録媒体は、後
述する図7に示すように、前記した光情報記録媒体であ
って、前記基板1の前記一面(面1aとは反対の面側)
上に、SiNx又はSiOx(x:正の整数)からなり、
かつ屈折率はほぼ2.1の光透過性誘電体膜(透明誘電
体膜)を膜厚5nm〜20nm(例えば10nm)成膜
したことを特徴とする光情報記録媒体である。
【0015】さて、前記した記録再生領域であるRAM
領域にあるグルーブと同様のプリグルーブを有する記録
再生領域を備えた周知のCD−Rについて、従来の発明
(例えば特公平8−27992号公報)では、プリグル
ーブにおける光学的位相差(即ち基板の入射面側から再
生レーザを照射したときに光反射層によりプリグルーブ
の部分とそれ以外の部分(ランド)とで反射されたレー
ザ光の光学的位相差)ΔSが、−0.4≦ΔS≦0.3
になるように、プリグルーブの深さ及び有機色素を塗布
した後のプリグルーブの深さを設定すれば、信号記録後
はCDと同等の信号特性が得られるとしている。
【0016】結果的には、前記した設定で目的の特性が
得られるかもしれないが、光学的位相差の原理から言え
ばランドとグルーブとの光学的位相差を利用して信号を
記録しているので、ランド上に塗布した色素膜の膜厚と
グルーブ上に塗布した色素膜の膜厚との実際の膜厚差が
重要である。
【0017】一方、他の従来の発明(例えば特許第25
41847号公報)においては、トラッキング用の案内
溝部分(グルーブ)の有機材料膜の膜厚dと、案内溝以
外の部分(ランド)の有機材料膜の膜厚が(d−Δd)
となるように塗布するとした提案の方が妥当性はある。
【0018】しかしながら、前記した2つの従来の発明
のいずれにあっても、目的とする良好な信号特性を得る
ための条件としては不十分であり、目的の良好な信号特
性を得るためには、前記した適正な光学的位相差にする
とともに、ランド上に塗布された色素膜の膜厚及びグル
ーブの深さも規定する必要がある。
【0019】又、前記した再生専用領域であるROM領
域を含めたP−ROMに関する従来の発明(特許第25
80820号公報)においては、ROM領域のピットの
深さ(d1)及びその幅(w1)、RAM領域のグルー
ブの深さ(d2)、及びその幅(w2)、そして有機色
素のランドでの膜厚(d0)、グルーブにおける有機色
素自体の膜厚(d)、dとd0との膜厚差をΔd、につ
いてそれぞれの最適な値が下記に示すように具体的な値
が開示されている。d1=80〜150nm、w1=4
00〜700nm、d2=40〜90nm、w2=50
0〜1000nm、d1>d2、d0=30〜60n
m、d0=d−Δd。
【0020】その値の根拠は、下記に示すように開示さ
れている。d1については、有機色素によって再生光に
与えられる位相のずれ分が補償できるような深さ。d2
については、有機色素(有機色素膜)の屈折率として、
記録前がn1(2.7)、記録後がn2(2.0)で、
n1>n2を考慮に入れて、CDのピットにおける光学
的な深さと同じ程度にすると記されている。このなかで
前記した位相差については、限定されていない。
【0021】前記した値の条件にそって、図1に示すよ
うに、ピットPの深さd1=116nm、グルーブGの
深さd2=60nm、ランドL上の有機色素記録膜の膜
厚d0=100nmのディスクを作成した。この結果、
ROM部分及びRAM部分の両方とも再生信号として
は、トラッキング信号が小さく、反射率が低く、RF信
号の振幅が小さく不十分であった。図1中、光透過性基
板である基板1上には有機色素膜2、反射膜3が順次積
層されている。基板1上にはピットP、ランドL、グル
ーブGが形成されている。ROM部分はピットP、ラン
ドL(LP)を有し、又RAM部分はグルーブG、ラン
ドL(LG)を有している。lはレーザ光(レーザビー
ム)の入射方向を示す。ここで、図1に示すように、ピ
ット深さd1=116nm、ピット幅(上部)w1=6
00nm、ランドLP上の有機色素膜2の膜厚d0=1
00nm、ピットP上の有機色素膜2の膜厚dp=15
9nm、ピットP上の有機色素膜2の凹みhp=57n
mであり、又グルーブ深さd2=60nm、グルーブ幅
(上部)w2=450nm、ランドL上の有機色素膜2
の膜厚d0=100nm、グルーブG上の有機色素膜2
の膜厚d=120nm、グルーブG上の有機色素膜2の
凹みhg=40nmである。
【0022】ここで、有機色素膜2をROM領域とRA
M領域とにそれぞれ塗布して、それぞれの領域において
信号規格を満足する為の原理を考察する。まずランドL
上の有機色素膜2の膜厚d0について考察すると、ラン
ドLはROM領域、RAM領域のどちらでも同じように
有機色素膜があることによる光の干渉作用で、大きく反
射率が低下しないような膜厚にすることが必要である。
図6に示すようにランド部分L(LG,LP)の膜厚d
0は、計算上では144nmが最良である。但し、この
値は有機色素膜2及び反射膜3の光吸収がないときの値
であり、実際には有機色素膜2及び反射膜3共に光吸収
があるので、前記計算値144nmよりもやや薄めの膜
厚d0=120nm程度が最良である。
【0023】図1に戻って、ROM領域においては、基
板1の屈折率をnsとし、この基板1に設けられている
ピットPの深さをd1とすると、基板1の面1aの反対
側の面から再生用レーザ光を照射すると、ピットPから
の反射光とこのピットの無い部分(ランドL)からの反
射光との光学的位相差Δθは、周知のようにΔθ=(4
π/λ)×d1×nsとなり(λ:再生レーザ光の波
長)、この光学的位相差Δθがπrad(逆相)の場合
には、2つの反射光の干渉効果によって戻り光量は最小
になり、変調度は最大になる(図5参照)。
【0024】しかし、こうした有機色素膜がピット上に
塗布されていない通常のCDの場合には、トラッキング
検出方法として簡単なプッシュプル法でも使えるように
することが要求されている。このプシュプル法では上記
の光学的位相差Δθがπradの場合においては、戻り
光量は最小になるから、トラッキングの誤差信号が得ら
れないので、ピットの深さは、前記したこれより浅くす
るように決められている。ピットPの深さd1で118
nm以下、位相差Δθでいうと0.95πrad以下に
する必要がある。標準的なCDの場合は、CD−Rのピ
ット深さ(116nm)よりさらに浅く、ピット深さd
1が約110nm程度なので、光学的位相差Δθは、
0.89πrad(ほぼ逆相)となる。
【0025】一方、前記した有機色素膜2が塗布されて
いるCD−RのROM領域の場合は、図2に示すよう
に、ランドLPからの反射光の位相からピットPからの
反射光の位相を引いた位相差がランドLPとピットPと
の光学的位相差Δθになる。この光学的位相差ΔθをC
Dの光学的位相差と同じ程度にするには、CD−Rのピ
ット深さd1をCDのピット深さよりも深くしないと達
成できない。
【0026】他方、CD−RのRAM領域の場合は、図
3に示すように、グルーブGで反射率が最大になるよう
にしなければいけない。そのためにはグルーブGからの
反射光の位相とグルーブGの無い部分(ランド部分L
G)からの反射光の位相との光学的位相差Δθは、Δθ
=0rad(同相)にして反射率が最大になるようにし
なければならない。そのためには、グルーブ深さd2を
適度にする必要がある。
【0027】以上の点を踏まえて、前出した従来の発明
においては信号特性が不十分であった原因を考察する
と、まずピット部分では、ピット深さd1が浅すぎるた
めに、ランドLPからの反射光の位相とピットPからの
反射光の位相との光学的位相差Δθが十分に取れない
(2つの反射レーザ光の位相が逆相にならない)ため
に、十分な反射率差が得られない為と考えられる。
【0028】又、グルーブGの形状としてグルーブ深さ
d2が60nmであると、グルーブ深さとしては浅いか
ら、有機色素膜2の膜厚dをさらに薄くしないと、有機
色素膜2のランドLGにおける膜厚d0とグルーブG上
の有機色素膜2の膜厚dsの膜厚差Δdが大きくとれな
いことになる。有機色素膜2のランドLGでの膜厚d0
は、上記のように最良値は120nmで、それより薄く
するとランドLGからの反射光量が小さくなり好ましく
ない。又有機色素膜2のランドLGでの膜厚d0を60
nm以下にすると記録感度が悪くなりさらに好ましくな
い。前記した膜厚差Δdが大きく取れないと光学的位相
差Δθが大きくなりすぎて、Δθ=0rad(同相)に
して反射率が最大になるようにできないので、反射率が
低い低特性になってしまったと考えられる。
【0029】上記した有機色素膜2をROM領域及びR
AM領域にそれぞれ塗布して、各領域に好適な再生信号
を得る為の原理の考察をもとにして、図1に示したRO
M領域における光学的位相差Δθを計算すると、Δθ=
0.12πradと小さい。この位相差Δθを大きくす
るには、ランドL上の有機色素膜2の膜厚d0を最適に
するとともに、ピットP上の有機色素膜2のへこみ(凹
部)hpの厚さを大きくすれば良いことがわかる。この
hpを大きくするにはピットPの深さを深くしなくては
いけない。
【0030】又、図1に示したRAM領域における光学
的位相差Δθを計算すると、Δθ=0.209πrad
と大きい。そこで、この位相差Δθをもっと0radに
近づけるには、グルーブGの深さd1をさらに深くし、
有機色素膜2のランドLGにおける膜厚d0とグルーブ
G上の有機色素膜2の膜厚dsの膜厚差Δdをさらに大
きくすることが必要である。そのためには、グルーブG
の深さd2を従来よりも深くするとともにピットPの深
さd1よりも浅いものとしたディスクにすればよい事が
わかる。
【0031】次に、本発明の光情報記録媒体の具体的な
実施例について、[実施例1]〜[実施例5]の順に説
明する。
【0032】[実施例1]図2に示すように、ピットP
の深さd1は従来のピット深さよりも深くして、d1=
280nmとする。又グルーブGの形状は図3に示すに
逆台形状にして、グルーブ深さd2はピット深さd1よ
りも浅いが従来のグルーブ深さ(d2=60nm)より
も深くして、d2=160nmとする。こうして信号特
性を測定した結果、ROM領域及びRAM領域のどちら
からも十分な信号特性が得られた。電子顕微鏡(SE
M)、原子間力顕微鏡(AFM)等で、ピットP形状及
びグルーブG形状を調べた結果、図2に示すように、ピ
ット深さd1=280nm、ピット幅(上部)w1a=
600nm、ピット幅(下部)w1b=400nm、ラ
ンドLP上の有機色素膜2の膜厚d0=140nm、ピ
ットP上の有機色素膜2の膜厚dp=250nm、ピッ
トP上の有機色素膜2の凹みhp=170nmであり、
又図3に示すように、グルーブ深さd2=160nm、
グルーブ幅(上部)w2a=630nm、グルーブ幅
(下部)w2b=410nm、ランドLP上の有機色素
膜2の膜厚d0=140nm、グルーブG上の有機色素
膜2の膜厚d=240nm、グルーブG上の有機色素膜
2の凹みhg=90nmであった。それぞれの光学的位
相差Δθを計算した結果、ピットP(ROM領域)にお
ける位相差Δθは、Δθ=0.75πradと前記した
逆相状態に一段と近づき、又グルーブG(RAM領域)
における位相差Δθは、Δθ=−0.09πradと前
記した同相状態に一段と近づいた。
【0033】因みに、図2において、光透過性の基板1
の屈折率ns=1.58、記録前の有機色素膜2の屈折
率n1=2.7、ピットP上に塗布された有機色素膜2
の膜厚dp=d0+Δdpなので、Δdp=110n
m、再生用のレーザ光1P,2Pの波長λ=780nm
とすると、ピットPの底面Plを基準面にして、ランド
LPとピットPの光学的位相差Δθは、 レーザ光1Pの位相:Ap=2(2π/λ)dp・n1 レーザ光2Pの位相:Bp=2(2π/λ)dl・ns
+2(2π/λ)d0・n1 となり、ランドLPよりビットPの有機色素膜2の膜厚
dpがΔdpだけ厚くなるので、有機色素膜2の部分だ
け位相が遅れる結果、光学的位相差Δθは、Δθ=Bp
−Apとなる。 Δθ=(4π/λ・dl・ns+4π/λ・d0・n
1)−(4π/λ・dp・n1) =(4π/λ)(dl・ns+d0・n1−dp・n
1) =(4π/λ){dl・ns+n1(d0−dp)} =(4π/λ)(dl・ns−n1・Δdp) よって、上記ビットPの形状で計算すると、光学的位相
差Δθは、Δθ=0.75πradとなる。
【0034】又、図3において、記録前の有機色素膜2
の屈折率n1=2.7、記録後の有機色素膜2の屈折率
n2=2.0、光透過性の基板1の屈折率ns=1.5
8、グルーブG上に塗布された有機色素膜2の膜厚d=
d0+Δdなので、Δd=100nm、記録再生レーザ
光1G,2Gの波長λ=780nmとすると、グルーブ
Gの底面Glを基準面にして、ランドLGとグルーブG
の光学的位相差Δθは、 レーザ光1Gの位相:A=2(2π/λ)d・n1 レーザ光2Gの位相:B=2(2π/λ)d2・ns+
2(2π/λ)d0・n1 となり、ランドLGよりグルーブGの有機色素膜2の膜
厚dがΔdだけ厚くなるので、有機色素膜2の部分だけ
位相が遅れる結果、光学的位相差Δθは、Δθ=B−A
となる。 Δθ=(4π/λ・d2・ns+4π/λ・d0・n
1)−(4π/λ・d・n1) =(4π/λ)(d2・ns+d0・n1−d・n1) =(4π/λ){d2・ns+n1(d0−d)} =(4π/λ)(d2・ns−n1・Δd) よって上記グルーブGの形状で計算すると、光学的位相
差Δθは、Δθ=−0.09πradとなる。
【0035】[実施例2]グルーブ深さd2を[実施例
1]のグルーブ深さd2=160nmよりさらに深くし
て、図4に示すグルーブGの形状を作成し信号特性を観
察した結果、[実施例1]よりはやや劣るがRF信号振
幅として、規格を満足するものが得られた。図4に示す
ように、グルーブ深さd2=190nm、グルーブ幅
(上部)w2a=550nm、グルーブ幅(下部)w2
b=300nm、ランドLP上の有機色素膜2の膜厚d
0=140nm、グルーブG上の有機色素膜2の膜厚d
=240nm、グルーブG上の有機色素膜2の凹みhg
=90nmであった。グルーブ形状としては、グルーブ
深さd2が190nm、グルーブG上に塗布された有機
色素膜2上の凹みhgが90nm、ランドLG上に塗布
された有機色素膜の厚みd0が140nmであった。こ
の場合のランドLGとグルーブGとの各光学的位相差位
相差Δθを計算すると、Δθ=0.154πradであ
った。
【0036】以上の結果を表1、表2にまとめた。表1
はROM領域のピットPとランドLPとの光学的位相差
Δθを示す。又、表2はRAM領域のグルーブGとラン
ドLGsの光学的位相差Δθを示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1、表2の結果から、光学的位相差Δθ
としては、ROM領域でのピットPとランドLPでのレ
ーザの反射光の光学的位相差Δθは、Δθ=0.75π
rad〜0.95πradである。又RAM領域でのグ
ルーブGとランドLGでのレーザの反射光の光学的位相
差Δθは、Δθ=±0.16πradにすると良い事が
わかる。
【0040】又、光学的位相差Δθの適正な値をさらに
得るための形状としては、ピットの深さd1が200n
m以上350nm以下(好ましくは280nm〜320
nm)、グルーブの深さd2が100nm以上190n
m以下(好ましくは150nm〜170nm)であり、
かつピットの深さd1より浅くする。又ピットP上に塗
布された有機色素膜2の膜厚dpは200nm〜300
nm{位相差Δθがほぼπrad(逆相)にするための
光学的膜厚は、λ/4かその奇数倍がよいので、好まし
くは216nm}、又グルーブG上に塗布された有機色
素膜2の厚みdは120nm〜300nm{位相差Δθ
がほぼ0rad(同相)にするための光学的膜厚は、λ
/2かその偶数倍がよいので、有機色素膜2の光吸収を
考慮して好ましくは120nm又は260nm}、又ラ
ンドL(LG,LP)上の有機色素膜2の厚みd0が6
0nm以上で好ましくは100〜150nmにする。又
ピットP上の有機色素膜2上の凹みhpは100nm以
上、グルーブG上の有機色素膜2上の凹みhgは40n
m以上であり、さらにピットP及びグルーブG上の有機
色素膜2の厚みhg,hpは、ランドL(LG,LP)
上の有機色素膜2の厚みd0より厚くすれば良いことが
わかる。
【0041】上記の[実施例1]、[実施例2]では、
レーザ波長λが780nmについて記述しているが、た
とえばDVD−R(デジタル・バーサタイル(多用途)
・ディスク−ライトワンス)のパーシャルROMの場合
は、レーザ波長λを650nmに置き換えて、前記した
光学的位相差Δθになるように、ピットP及びグルーブ
Gの形状とランドL(LG,LP)の有機色素膜2の厚
みd0を規定すれば、それぞれ良好な信号特性をもった
DVDのパーシャルROMを作ることが出来るのは明白
である。即ち、ROM領域に設けたピットPに被着した
有機色素膜2の膜厚dpを、有機色素膜2をそれぞれ被
着したピットPとランドLPとにレーザビーム1P,2
Pをそれぞれ照射して得られた各反射レーザ光の光学的
位相差Δθが、ほぼπrad(逆相)となるような膜厚
とし、かつRAM領域に設けたグルーブGに被着した有
機色素膜2の膜厚dを、有機色素膜2をそれぞれ被着し
たグルーブGとランドLGとにレーザビーム1G,2G
をそれぞれ照射して得られた各反射レーザ光の光学的位
相差Δθが、ほぼ0rad(同相)となるような膜厚と
したこと、又、ピットPに被着した有機色素膜2の膜厚
dpを、光学的位相差Δθが0.75πrad〜0.9
5πradとなるような膜厚とし、かつグルーブGに被
着した有機色素膜2の膜厚dを、光学的位相差Δθが±
0.15πradとなるような膜厚と規定すれば、それ
ぞれ良好な信号特性をもったDVDのパーシャルROM
を作ることが出来るのは明白である。
【0042】[実施例3]グルーブGの形状として、逆
台形状にするかV溝にするかで特性が変化するかを調べ
た結果、グルーブGの形状による特性変化はなく、あく
までも前記した規定を満たすように作成すれば良好な特
性が得られることがわかった。
【0043】[実施例4][実施例1]のRAM領域に
記録した部分をSEM及びAFM等で、グルーブGの形
状を調べた結果、図7に示すように、記録した部分は記
録レーザ光1rをグルーブG上に照射することによっ
て、グルーブG上に塗布された有機色素膜2の光吸収が
生じ、この熱によって、照射部分付近の基板1が微小変
形する結果、当該グルーブGがほぼ埋められるようにグ
ルーブGが浅くなった形で記録ピットRPが形成され
る。この記録ピットRPの形状寸法は、図7(a),
(b)に示すように、グルーブ幅(上部)w2a=91
2nm、グルーブ幅(下部)w2b=630nm、グル
ーブ深さd3=100nm、ランドLGの有機色素膜2
の膜厚d0=140nm、グルーブG上に塗布された有
機色素膜2の膜厚d1=200nm、グルーブG上の有
機色素膜2の凹みhr=40nmであった。
【0044】これらの結果から、記録されたグルーブG
部分(記録ピットRP)の位相とランドLG部分の位相
との光学的位相差Δθを計算する、図7に示すように、
Δθ=0.697πradであった。この光学的位相差
Δθで規格の反射率がほぼ得られたので、この結果と表
1に示したことから、グルーブGの記録部分の光学的位
相差Δθとしては、Δθ=0.65πrad〜0.95
πradで有ればよいことがわかる。又この光学的位相
差Δθを得るためには、グルーブG上の有機色素膜2の
凹みhrの制御が重要であり、凹み量として、70nm
とする。
【0045】図7(a),(b)においては、記録前の
有機色素膜2の屈折率n1=2.7、記録後の有機色素
膜2の屈折率n2=2.0、基板1の屈折率ns=1.
58、レーザ光1r,2rの波長λ=780nm、dr
=d0+Δdr、Δd=100nmとすると、グルーブ
Gに記録ピットRPを形成すると、この記録部分ではグ
ルーブGが浅くなる(深さd3)。その浅くなったグル
ーブGの底面Gllを基準面にして、ランドLGとグル
ーブGの光学的位相差Δθは、 レーザ光1rの位相:Ar=2(2π/λ)dr・n2 レーザ光2rの位相:Br=2(2π/λ)d3・ns
+2(2π/λ)d0・n1 となり、ランドLGより記録ピットRP形成部分の有機
色素膜2の膜厚drがΔdrだけ厚くなるので、有機色
素膜2の部分だけ位相が遅れる結果、光学的位相差Δθ
は、Δθ=Br−Arとなる。 Δθ=(4π/λ・d3・ns+(4π/λ)d0・n
1−(4π/λ)dr・n2) =(4π/λ)(d3・ns+d0・n1−dr・n
2) よって上記グルーブGの形状で光学的位相差Δθを計算
すると、Δθ=0.697πradとなる。
【0046】前記した位相差の計算式に代入すると、位
相差は調度1πになるので、これより凹み量は少なくし
なければいけないことがわかる。好ましくは50nmの
凹みが良いと思われる。
【0047】[実施例5][実施例1]のディスクの耐
湿性を向上するために、透明基板1におけるピットPが
設けられている面とは反対の面側(通常ミラー面と呼
ぶ)に、スパッタで成膜したSiNx又はSiOx(x:
正の整数)等の屈折率2.1前後の透明な誘電体膜を膜
厚5nm以上成膜すると、表3に示すようにディスクの
吸水率が少なくなり耐湿性が向上する。膜厚は好ましく
は10nmの厚さで成膜すると良いと思われる。
【0048】
【表3】
【0049】SiNxの成膜条件としては、圧力0.6
Pa、Ar流量20sccm、N2流量12sccm、
DC電力250W(0.5A−500V)の条件で反応
性スパッタ方法で成膜した。
【0050】上述したように、本発明は、ROM領域と
RAM領域が同一基板上に混在してなるカード形状のP
−ROMにおいて、ランドL,LG,LPの有機色素膜
厚d0及びピットPの有機色素膜厚dp及びグルーブG
の有機色素膜厚dをそれぞれ最適化するとともに、RO
M領域とRAM領域でのレーザ光の位相差をそれぞれ規
定することにより、ROM領域もRAM領域ともに良好
な信号特性が得られることによって、ROM領域とRA
M領域を1枚のディスクの自由な場所に設けることが可
能となるという効果がある。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、再生専
用領域における最適なピット形状及び記録再生領域にお
けるグルーブ形状、これら再生専用領域、記録再生領域
上を被覆する有機色素膜の膜厚を適正に選ぶことによっ
て、再生専用領域、記録再生領域両方から良好な読み出
し信号を得る光情報記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般のハイブリットディスクの再生専用領域
及び記録再生領域における各部分の厚さを説明するため
の図である。
【図2】 本発明の光情報記録媒体の再生専用領域にお
ける各部分の厚さを説明するための図である。
【図3】 本発明の光情報記録媒体の記録再生領域にお
ける各部分の厚さを説明するための図である。
【図4】 本発明の光情報記録媒体の記録再生領域にお
ける各部分の厚さを説明するための図である。
【図5】 光学的位相差と反射との関係を示すグラフで
ある。
【図6】 本発明の光情報記録媒体の再生専用領域及び
記録再生領域におけるランド部分の反射状態を説明する
ための図である。
【図7】 本発明の光情報記録媒体の記録再生領域にお
ける記録後のグルーブの形状を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 1a 面 1G,2G,1P,2P,1r,2r レーザ光(レー
ザビーム) 2 色素,有機色素(有機色素膜) 3 反射膜 d,d0,dp 膜厚 d1,d2 深さ hg,hp,hr 凹み L,LG,LP ランド n1 屈折率 P ピット RP 記録ピット λ 波長 Δθ 光学的位相差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 563 G11B 7/24 563E 572 572E Fターム(参考) 5D029 JB09 JB35 JB36 JB48 LA14 LA16 LB02 LB07 LC21 WB17 WC01 WD11 WD22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを一面側から照射して情報
    の書込み読出しを可能としかつ再生専用領域と記録再生
    領域とを同心円状にそれぞれ設けてある他面を備えたカ
    ード形状の基板上に、有機色素膜と、反射膜とを少なく
    とも積層してなる光情報記録媒体において、 前記再生専用領域と前記記録再生領域とにそれぞれ設け
    たランド上に被着した前記有機色素膜の膜厚を、(λ/
    2)×(1/n1)(但し、λ:レーザビームの波長、
    n1:前記有機色素膜の屈折率)とし、 前記再生専用領域に設けたピット上に被着した前記有機
    色素膜の膜厚を、前記有機色素膜をそれぞれ被着した前
    記ピットと前記ランドとにレーザビームをそれぞれ照射
    して得られた各反射レーザ光の光学的位相差が、ほぼπ
    rad(逆相)となるような膜厚とし、 前記記録再生領域に設けたグルーブ上に被着した前記有
    機色素膜の膜厚を、前記有機色素膜をそれぞれ被着した
    前記グルーブと前記ランドとにレーザビームをそれぞれ
    照射して得られた各反射レーザ光の光学的位相差が、ほ
    ぼ0rad(同相)となるような膜厚としたことを特徴
    とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光情報記録媒体であっ
    て、 前記ピット上に被着した前記有機色素膜の膜厚を、前記
    光学的位相差が0.75πrad〜0.95πradと
    なるような膜厚とし、 前記グルーブ上に被着した前記有機色素膜の膜厚を、前
    記光学的位相差が±0.16πradとなるような膜厚
    としたことを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の光情報記録
    媒体であって、 前記ピットの深さを、200nm〜350nmとし、 前記グルーブの深さを、100nm〜190nmとし、 前記ピット上に被着した前記有機色素膜の膜厚を、20
    0nm〜300nmとし、 前記グルーブ上に被着した前記有機色素膜の膜厚を、1
    20nm〜300nmとし、 前記ランド上に被着した前記有機色素膜の膜厚を、60
    nm〜150nmとしたことを特徴とする光情報記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光情報記録媒体であっ
    て、 前記ピット上に被着した前記有機色素膜の凹みを、10
    0nm〜180nmとし、 前記グルーブ上に被着した前記有機色素膜の凹みを、4
    0nm〜100nmとし、 前記ピット及び前記グルーブ上にそれぞれ被着した前記
    有機色素膜の各膜厚は、前記ランド上に被着した前記有
    機色素膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする光情報記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の光情報記録媒体であっ
    て、 レーザビームを前記基板の一面側から照射して前記記録
    再生領域の前記有機色素膜に光吸収を生じさせ、前記有
    機色素膜の光吸収による発熱によって前記基板の変形を
    生じさせて、前記グルーブをほぼ埋設したような形状の
    記録ピットを形成し、前記記録ピット上に被着した前記
    有機色素膜の凹みを、30nm〜70nmとし、 前記記録再生領域に設けた前記記録ピット上に被着した
    前記有機色素膜の膜厚を、前記有機色素膜をそれぞれ被
    着した前記グルーブと前記記録ピットとにレーザビーム
    をそれぞれ照射して得られた各反射レーザ光の光学的位
    相差を0.65πrad〜0.95πradとしたこと
    を特徴とする光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1に記
    載の光情報記録媒体であって、 前記基板の前記一面上に、SiNx又はSiOx(x:正
    の整数)からなり、かつ屈折率はほぼ2.1の光透過性
    誘電体膜を膜厚5nm〜20nm成膜したことを特徴と
    する光情報記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003208734A (ja) * 2002-01-11 2003-07-25 Fuji Photo Film Co Ltd 光情報記録媒体
US7903535B2 (en) 2004-10-04 2011-03-08 Taiyo Yuden Co., Ltd. Optical information recording medium and manufacturing method of the same

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