JP2001323840A - 自動車用制御ユニット - Google Patents

自動車用制御ユニット

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JP2001323840A
JP2001323840A JP2000140191A JP2000140191A JP2001323840A JP 2001323840 A JP2001323840 A JP 2001323840A JP 2000140191 A JP2000140191 A JP 2000140191A JP 2000140191 A JP2000140191 A JP 2000140191A JP 2001323840 A JP2001323840 A JP 2001323840A
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control unit
interrupt request
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Masaaki Takahashi
正明 高橋
Kenichiro Sato
健一郎 佐藤
Koji Ito
浩司 伊藤
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Keihin Corp
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Keihin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車制御用ユニットにおける割込処理の即
応性を高めること。 【解決手段】 タスク処理Aを実行中に割り込み要求を
受けた場合に、タスクAを一時中断し、割込処理Kを実
行する。割込処理Kの中で、タスクBを起動するととも
に、タスク切替割込処理SWの割り込み要求を発生させ
る。割込処理Kが終わると、タスク切替割込処理SWが
実行されて、タスクBに切り替わる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータにお
けるタスク切替技術にかかり、特に、自動車用制御ユニ
ットのように割込処理中にタスクの起動、または切り替
えをするコンピュータ装置におけるタスク切替技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータにおける割込処理では、割
込処理の前後における処理の整合性を保証する必要があ
る。このため、通常、割込処理内で、プログラムカウン
タ、レジスタ等を一度退避し、割込処理から復帰する前
にこれらを戻す処理を行う。これにより、割込処理終了
後に、割込処理前に中断したタスクの処理を、中断した
箇所から再開することができる。
【0003】一方、中断しているタスクとは異なるタス
クを、割込処理内で起動し、割込処理が終了したあと、
これに引き続いて起動したタスクを実行させたい場合が
ある。このとき、従来の割込処理では、割込処理におい
て新たにタスクが起動されたことが検出されず、タスク
の切替が起こらない。このため、図9および図10に示
すように、割込ハンドラを設けて、本来の割込処理の前
後で所定の処理を行っている。すなわち、割り込み要求
が発生すると、割込ハンドラが割込処理の前処理とし
て、レジスタを退避し(S101)、割込状態を確認、
すなわち、どの割込処理に対する割り込み要求があった
のかを判断して(S102)、所定の割込処理を起動す
る(S103、S104)。
【0004】割込処理が終了した後に、割込ハンドラが
割込処理の後処理として、タスク起動があったかどうか
を判断する(S105)。タスク起動がなかった場合
は、レジスタを復帰させて、中断しているタスクへ戻っ
て処理を再開させる(S111)。タスク起動があった
場合(ここでは、タスクBが起動)は、レジスタを復帰
させた後、タスク切替処理を起動し、強制的にタスクA
からタスクBへ切り替えを行う(S106、S10
7)。タスク切替処理では、CPUの状態を、タスクA
が実行中の状態からタスクBが実行可能な状態へ変更す
る。タスクBが実行された後に、再びタスク切替処理が
起動されて、タスクAが実行可能な状態へ戻される(S
109、S110)。そして、割込処理のため中断され
ていたタスクAが再開される(S110)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の処理では、割込ハンドラが上で述べたような
前処理を行うので、割り込み要求があってから割込処理
が開始される時間が遅れることになる。これは、自動車
制御装置のように、割込処理の即応性が要求される処理
においては、好ましくない。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目
し、自動車制御用ユニットにおける割込処理の即応性を
高めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では以下の処理を行う。タスク処理または割
込処理の中で、タスクを起動または切り替えたい場合、
実行させたいタスクを実行可能状態にして、割り込み要
求を発生させる。この割り込み要求に対して、タスク切
替処理を行う割込処理が起動して、タスクが切り替わ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】自動車の制御では、時々刻々変化
する自動車の状態に応じて、適切な制御を行う必要があ
る。従って、変化しつづける状態を、すべてCPU(Ce
ntral Processing Unit:中央演算処理装置)が監視す
るのは困難である。そこで、各制御装置がそれぞれの受
け持つ範囲を監視して、状況の変化を割り込みという形
でCPUに知らせている。そして、各制御装置は、必要
な処理を行うため、実行中のタスクを一時中断させて、
CPU時間の割り当てを受けるようにしている。特に、
エンジンや変速装置の回転部の回転数は、常時変化して
いる。この回転の変化に追随した制御を行う必要がある
ため、これらの回転数の変化は、正確に把握することが
必要である。このため、各回転部に取り付けられたセン
サーの出力するパルスから割り込みを発生させて、必要
な処理を割り込みで行うことが一般的である。このた
め、割り込みの頻度はきわめて高くなる。この頻繁に発
生する割込処理において、新しいタスクの起動、タスク
の切替等を行うこともある。従って、本発明を自動車用
制御ユニットに適用するときわめて有効である。
【0009】以下、本発明の実施形態を、自動車用制御
ユニットについて図面を用いて説明する。
【0010】自動車制御装置1は、図1に示すように、
複数の制御ユニットの集合として構成され、各制御ユニ
ット毎にCPUと、ROM(Read Only Memory)と、RA
M(Random Access Memory)と、割込コントローラとを
少なくとも備える。ここでは、エンジン・変速機制御ユ
ニット1を例にとり説明するが、ブレーキ制御ユニット
20やサスペンション制御ユニット30等、その他の制
御ユニットにおいても、同様に適用することが可能であ
る。
【0011】エンジン・変速機制御ユニット1は、例え
ば図1に示すように、CPU11と、ROM12と、R
AM13と、割込コントローラ14と、タイマ15と、
パルス計測器16と、AD変換器17と、通信インター
フェース18とを備える。
【0012】CPU11は、プログラムに従って情報処
理を実行する。ROM12上には、オぺレーティングシ
ステム、CPU11が実行するタスクや割込処理のため
のプログラム等が記憶されている。RAM13は、各タ
スク処理や割込処理がスタックとして利用するためのス
タック領域および変数領域等を有している。
【0013】割込コントローラ14は、計時機構である
タイマ15、パルス計測器16、AD変換器17、およ
び通信インターフェース18等のハードウェアと、CP
U11で実行中のプログラムから割込入力を受け付け
て、CPU11に対する割り込みの制御を行う。割込コ
ントローラ14は、同時に複数の割り込みを受け付ける
ことができる多重レベル割り込みに対応していて、さら
に、割り込む処理の優先度に応じて割り込みレベルが設
定されている。ここでは、割り込みレベルはレベル1か
らレベル3までの3レベルとし、割り込みレベルの数字
が大きいほど、優先順位が高いことを示す。割込コント
ローラ14は、割込処理を実行中であっても、実行中の
割込処理の割り込みレベルよりも割り込みレベルの高い
割り込み要求があったときは、実行中の割込処理を中断
して、割り込みレベルの高い割込処理をCPU11に実
行させる。
【0014】タイマ15は、一定時間毎にタイマ割り込
みを発生させる。
【0015】パルス計測器16は、図示しないパルス発
生器が発生させるパルスを受け付けて、パルス数を計測
する。パルス発生器は、自動車を構成する各部の状態を
監視し、監視した状態に応じてパルス出力を発生させ
る。例えば、回転角や回転速度の制御が必要なエンジン
や変速装置等の回転部材の回転角に応じてパルスを発生
させる。さらに好ましくは、エンジンのクランクや変速
機のギヤに取りつけられ、そのクランク角やギヤ角に応
じてパルスを発生させる。そして、パルス計測器16
は、受け付けたパルスに応じて、割込コントローラ14
に所定の割込処理を要求する。
【0016】AD変換器17は、自動車を構成する各部
の状態を監視し、アナログ出力を出す図示しないセンサ
の測定値を受け付ける。例えば、エンジンの水温センサ
や変速機の油温センサ等から、それらの測定値を受け付
ける。そして、センサの測定が完了したときに、AD変
換器17は割込コントローラに所定の割込処理を要求す
る。またAD変換器17は、受け付けた測定値の種類と
値に応じて割込処理を要求してもよい。
【0017】ブレーキ制御ユニット20等、他の制御ユ
ニットからの割り込み要求は、通信インターフェース1
8を介して、割込コントローラ14に入力される。
【0018】以上説明したような構成を有する自動車制
御装置を用いて、行われる各処理について、以下に説明
する。
【0019】本実施形態では、図2に示すように、CP
U11で動作するオぺレーティングシステム40と、当
該オぺレーティングシステム40上で動作するアプリケ
ーション50とを有する。
【0020】オぺレーティングシステム40は、アプリ
ケーション50からのサービス要求を受け付けるための
システムコール41を備えている。各アプリケーション
は、このシステムコール41を利用して、オぺレーティ
ングシステム40からのさまざまなサービスの提供を受
ける。ここで、システムコール41には、タスク起動シ
ステムコール43と、タスク切替システムコール44
と、タスク終了システムコール45とを少なくとも含
む。
【0021】タスク起動システムコール43では、新た
なタスクを起動するための処理を行う。例えば、新たに
起動したいタスクのステータスを実行可能状態として、
CPU時間の割り当てを待つ状態にする。すなわち、新
たなタスクを実行可能状態として、図示しないレディキ
ューに登録する。レディキューとは、処理実行権の割り
当てを待っている実行可能状態のタスクを登録しておく
キューである。このとき、好ましくは、上述の割り込み
レベルのように、各タスク処理の優先度に応じて優先度
レベルを定めてもよい。この優先度レベルは動的に変更
できるものであってもよいし、変更できないものであっ
てもよい。また、レディーキューは、優先度レベルごと
に複数のキューを備えるように構成してもよい。
【0022】さらに、タスク起動システムコール43
は、タスク切替の必要性を判断する。すなわち、実行可
能状態にした新たなタスクと、割込処理により中断して
いるタスクの優先度レベルを比較する。そして、新たに
実行可能状態にしたタスクの方が優先度レベルが高い場
合、タスク切替の割り込み要求を割込コントローラ14
に対して発生させる。ここで、タスク切替割り込み要求
の割り込みレベルは、最も優先度の低い「1」とする。
一方、新たに実行可能状態にしたタスクの方が優先度レ
ベルが低いか、または優先度レベルが同じ場合は、タス
ク切替の割り込み要求は発生させない。
【0023】タスク切替システムコール44は、実行中
のタスクから他のタスクへタスクを切り替えるための処
理を行う。例えば、タスク起動システムコール43と同
様に、実行させたいタスクのステータスを実行可能状態
として、レディキューに登録する。優先度レベルの設
定、および、タスク切替の割り込み要求を発生させるか
どうかについてもまた、タスク起動システムコール43
と同様である。
【0024】タスク終了システムコール45は、実行中
のタスクを終了させて、実行可能状態にあって、かつ、
その中で最も優先度が高いタスクへ処理実行権を移すた
めの処理を行う。例えば、タスク切替の割り込み要求を
割込コントローラ14に対して発生させる。なお、ここ
でも割り込み要求の割り込みレベルは、最も優先度の低
い「1」とする。
【0025】アプリケーション50には、予め定められ
た処理を行うタスク処理群51と、予め定めた処理を割
込処理として実行する割込処理群52とがある。タスク
処理群51の各タスクにはステータスがある。ステータ
スには、現在処理を実行中である実行状態と、処理の実
行ができる実行可能状態と、処理を実行することができ
ない実行不可状態とを、少なくとも有する。タスク処理
および割込処理のいずれでも、タスク起動システムコー
ル43、タスク切替システムコール44、および、タス
ク終了システムコール45を利用することができる。
【0026】タスク処理群51には、好ましくは、エン
ジンの回転と同期しない制御を行うための処理を行うタ
スクと、エンジンの回転を制御するための処理を行うタ
スクと、を含む。例えば、同期しないタスクには、エン
ジンの回転と同期が不要な処理、またはエンジンの回転
に影響を受けないパラメータの演算等を行うタスクがあ
りる。これらは、好ましくは、タイマ割り込みのよう
に、一定周期で発生する割込要求によって起動される。
エンジン制御のタスクには、エンジンの点火時期、燃料
の噴射量、または噴射時期の演算処理のうち、少なくと
も一つを行う点火演算タスク等のエンジンの回転を制御
するためのタスク等がある。その他に、自動車の姿勢制
御に関するタスク、トランスミッション制御に関するタ
スク等がある。
【0027】割込処理群52には、好ましくは、一定間
隔で処理を行う定期割込処理と、エンジンの状態に応じ
た制御のための割込処理とを含む。例えば、定期割込処
理が、一定間隔で割り込み要求を受けて起動され、一定
周期でタスクを起動し、または、時間の管理を行う割込
処理等がある。エンジンの状態に応じた制御を行う割り
込み処理は、エンジンの回転角に応じて、制御が必要な
パラメータの演算処理等を行うエンジン回転角割込処理
等がある。その他に、自動車の姿勢制御に関する割込処
理、トランスミッション制御に関する割込処理およびタ
イマー割込処理等がある。
【0028】割込処理では、割込処理の前後で処理の連
続性を保証するために、プログラムカウンタ、CPU1
1のレジスタ等を退避する前処理と、これらを復帰させ
る後処理と、当該割込処理で行うべき処理が記述されて
いるユーザ定義処理とを含む。ユーザ定義処理において
は、タスク起動システムコール43、タスク切替システ
ムコール44、タスク終了システムコール45を呼ぶこ
とが可能である。
【0029】例えば、図3には、ユーザ定義処理の中で
タスク起動システムコール43を呼んでいる割込処理K
の処理フローを示している。すなわち、前処理におい
て、プログラムカウンタおよびCPU11が使用してい
るレジスタを割込処理のスタック領域に退避する(S3
1)。その後、ユーザ定義処理を実行する(S32)。
このユーザ定義処理の中では、タスク起動システムコー
ル43が呼ばれて、この処理が実行される。すなわち、
指定されたタスクのステータスを実行可能状態に変更す
る(S35)。割り込みにより実行が一時中断されてい
るタスクの優先度と、実行可能状態にしたタスクの優先
度を比較して(S36)、後者の方が優先度が高けれ
ば、タスク切替の割り込み要求を発生させる(S3
7)。ユーザ定義処理が終了すると、後処理を行って、
プログラムカウンタおよびレジスタの内容を復帰する
(S33)。
【0030】また、割込処理群52には、タスクの切替
処理を行うタスク切替割込処理SWが含まれている。タ
スク切替割込処理SWは、実行中のタスクから、レディ
キューに登録されている実行可能状態のタスクのうち、
最も優先度レベルの高いものへのタスク切り替えを、割
込処理において行うものである。ただし、実行中のタス
クと実行可能状態のタスクの優先度レベルを比較して、
実行中のタスクの方が高い場合は、タスク切り替えを行
わないようにしてもよい。タスク切替割込処理SWの処
理手順について、タスクAからタスクBへ切り替える場
合を例にとり、図4および図5を用いて説明する。図4
はタスク切替割込処理SWの処理フローを示し、図5
は、そのときの、スタック領域60、70の様子につい
て示している。
【0031】図5(a)では、タスクAが実行中であ
り、タスクBが実行可能状態であるときの様子を示す。
タスクAのスタック領域60には、タスクAがデータを
格納している使用中の領域61がある。このとき、スタ
ックポインタSPは、次にデータを格納すべき領域のア
ドレスを指している。
【0032】タスク切替割込処理SWでは、実行中のタ
スクのCPU状態を示す情報を、スタックポインタが指
す領域SPに、順次退避する(S41)。具体的には、
例えば、PSW(Program Status Word)、PC、レジ
スタ等を、タスクAのスタック領域60に退避する。図
5(b)には、退避後のスタック領域の様子が示されて
いる。
【0033】スタックポインタSPを切り替える前のス
タックポインタの値は、オぺレーティングシステムが管
理するSP記憶部(TaskSP)65に退避する。S
P記憶部65、75は、各スタック領域ごとに確保され
ている。スタックポインタ切替前の値をSP記憶部6
5、75へ退避しておくことにより、タスクAを再開す
るときにスタックポインタの値を復帰させることができ
る。タスクBのスタック領域については、SP記憶部7
5から、次にデータを格納すべき領域のアドレスを取得
して、スタックポインタSPにセットする。
【0034】これにより、タスクAの領域を指している
スタックポインタSPを、タスクBの領域を指すように
切り替えることができる(S42)。
【0035】そして、タスクBのスタック領域70に記
憶されているPSW、PC、レジスタ等をCPU11に
設定する(S43)。上記処理により、タスクの切り替
えを行うことができる。図5(c)には、タスクが切り
替えられたときのスタック領域の様子が示されている。
【0036】このときに、併せて、タスクAを実行可能
状態に変更して、レディキューに最も優先度レベルの高
いタスクとして登録しておく。
【0037】次に、図6および図7を用いて、上で説明
したタスク処理および割込処理を用いたタスク切替処理
について説明する。
【0038】図6は、タスク切替処理のタインミングチ
ャートを示し、図7はフローチャートを示す。
【0039】タスクAが実行されている。このとき、割
込コントローラ14が、割込処理Kの割り込み要求を受
け付ける(S71)。
【0040】ここで、割込コントローラ14は、CPU
11が実行しているタスクAの処理を一時中断させて割
込処理Kの処理を実行させる(図中(1)、S72)。す
なわち、割込処理Kでは、上述のように、プログラムカ
ウンタ、レジスタ等をスタックに保存して、ユーザ定義
処理を実行する。このユーザ定義処理には、タスクBを
起動するためのタスク起動システムコール43を呼ぶ処
理が含まれる(図中(2))。タスク起動システムコール
43では、上述のように、タスクBを実行可能状態にし
てレディキューに登録するとともに、タスク切替割込処
理の割り込み要求を発生させる。ここで発生させたタス
ク切替割り込み要求の割り込みレベルは「1」なので、
これにより、割込処理Kに対してさらに割り込みが発生
することはない。ここで、タスクBは最も優先順位の高
いタスクと仮定する。
【0041】割込処理Kが終了すると、プログラムカウ
ンタ、レジスタ等を復帰させて、プログラムカウンタは
タスクAの処理を中断した時点に戻る(図中(3))。こ
の時点で、タスク切替割り込みの割り込み要求があるの
で、割込コントローラは、タスク切替割込処理SWにC
PU時間を割り当てる(図中(4))。タスク切替割込処
理SWにおいては、上述のように、タスクAから、実行
可能状態のタスクで最も優先度レベルの高いタスクB
へ、タスク切り替えを行う(S73)。なお、ここで
は、タスクBの方がタスクAよりも優先度レベルは高い
ものとする。タスク切替割込処理SWを終了すると、戻
り先のプログラムカウンタはタスクBとなっているの
で、タスクBが実行される(図中(5)、S74)。タス
クBでは、処理の最後にタスク終了システムコール45
を呼ぶ。この結果、タスク切り替えの割り込みが再び発
生し、タスク切替割込処理SWが行われる(図中(6)、
S75)。ここでは、先ほどのタスク切替処理とは逆
に、タスクBからタスクAへの切り替えが行われる。
【0042】割込処理が終了すると、戻り先のプログラ
ムカウンタはタスクAとなっているので、図中(1)にお
いて中断された箇所から、タスクAの処理が再開される
(図中(7)、S76)。
【0043】これにより、従来の技術において必要であ
った割込ハンドラによる前処理が不要になる。このた
め、割り込み発生から、直ちに割込処理を行えるように
なり、割込処理の即応性が向上する。これは、本発明の
好適な実施形態である自動車制御装置においては、極め
て重要でなことである。すなわち、自動車制御におい
て、特に、エンジン制御では、エンジンの回転角に応じ
た制御が必要になる。エンジンが高回転になれば、十数
マイクロ秒程度で制御する必要がある。また、既に述べ
たように、自動車制御コンピュータにおいては、エンジ
ンや変速装置の回転部の回転数に応じた処理は、通常、
割込処理で行われるので、割り込みの発生する頻度は、
一般的なコンピュータと比較すると極めて高い。このた
め、割込処理のオーバーヘッドをなくすことは、制御の
精度向上に直接影響する。
【0044】さらに、従来の割込ハンドラでの処理は、
ハードウェア、とくに、プロセッサの構成に大きく依存
する。このため、あるプロセッサ用に設計、開発された
割込ハンドラを、他のプロセッサに移植することは困難
である。従って、タスク切替処理を上記実施形態のよう
に行えば、他のプロセッサへの移植性も向上する。
【0045】上記の割込処理手順を、自動車用制御ユニ
ットに適用した場合の具体例を図8に示す。図8(a)
は、エンジンの回転角センサ91から出力されるエンジ
ン回転角に応じたパルスである。図8(b)は、回転角
センサ91のパルスが発生させる割り込み要求により起
動されるエンジン回転角割込処理92である。図8
(c)は、内蔵タイマー93の起動周期を表したもので
ある。図8(d)は、タイマー93が発生させる割り込
み要求により起動されるタイマー割込処理94である。
図8(e)は、点火演算タスク95であり、エンジン回
転角割込処理92において起動される。つまり、エンジ
ン回転角割込処理92の中で、点火演算タスク95を起
動するためのタスク起動システムコール43が呼ばれ
る。図8(f)および(g)は、それぞれ定周期タスク
96、97であり、(f)の定周期タスク96が短周期
のもの、(g)の定周期タスク97が長周期のものであ
る。定周期タスク96は、タイマ割込処理94において
起動される。つまり、タイマ起動割込処理94の中で、
定周期タスク96を起動するためのタスク起動システム
コール43が呼ばれる。また、定周期タスク97は、定
周期タスク96において起動される。つまり、タイマ起
動割込処理96の中で、定周期タスク97を起動するた
めのタスク起動システムコール43が呼ばれる。
【0046】図8において、各割込処理および各タスク
は、上段にあるほど優先度が高いことを示す。また、図
中の矢印はタスク起動の流れを示す。なお、図8におい
ては、タスク切替割込処理SWは省略している。
【0047】図中(11)において、エンジン回転角センサ
91のパルスによって、割り込み要求が発生して、エン
ジン回転角割込処理92が実行される。エンジン回転各
割込処理92中で、点火演算タスク95が実行可能状態
になるので、この割込処理が終了すると、タスク切替割
込処理SWが点火演算タスク95にタスクを切り替える
(図中(12))。点火演算タスク95実行中に、内蔵タイ
マ93が発生させる割り込みによって、実行中のタスク
95が一時中断されて、タイマ割込処理94が行われる
(図中(13))。このタイマ割込処理94の中で、タスク
起動システムコール43が呼ばれ、定周期タスク96が
実行可能状態になる。ここで、定周期タスク96は、点
火演算タスク95よりも優先度が低い。従って、タスク
起動システムコール43は、タスク切替の割り込み要求
はしない。このため、タイマ割込処理94の割込処理が
終了してもタスクは切り替わらない。点火演算タスク9
5が終了すると、この時点で割り込みが入り、タスク切
替割込処理SWが実行されて、定周期演算タスク96に
タスクが切り替わる(図中(14))。
【0048】図中(15)では、定周期タスク96実行中
に、エンジン回転各割込処理92の割り込み要求が起こ
り、エンジン回転角割込処理92が割込処理を行う。こ
の割込処理92中で、タスク起動システムコール43が
呼ばれ、再び点火演算タスク95が実行可能状態にな
る。ここで、点火演算タスク95は、定周期タスク96
よりもよりも優先度レベルが高い。従って、タスク起動
システムコール43は、タスク切替の割り込み要求を発
生する。割込処理92終了後、割り込みが入り、タスク
切替割込処理SWが実行させて、タスク切替が起こる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、自動車制御用ユニット
における割込処理の即応性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施形態における自動車制御装
置の構成を示す説明図である。
【図2】本発明にかかる実施形態におけるオぺレーティ
ングシステムとアプリケーションに割り当てられた処理
の説明図である。
【図3】本発明にかかるの実施形態における割込処理K
の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明にかかる実施形態におけるタスク切替割
込処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる実施形態におけるタスク切替処
理におけるスタック領域の説明図である。
【図6】本発明にかかる実施形態におけるタスク切り替
えのタイミングチャートである。
【図7】本発明にかかる実施形態におけるタスク切り替
え手順のフローチャートである。
【図8】本発明を自動車制御用ユニットに適用した場合
のタスク切り替えのタイミングチャートである。
【図9】従来技術におけるタスク切り替えのタイミング
チャートである。
【図10】従来技術におけるタスク切り替え手順のフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1…自動車制御装置、10…エンジン・変速機制御ユニ
ット、11…CPU、12…ROM、13…RAM、1
4…割込コントローラ、40…オぺレーティングシステ
ム、50…アプリケーション、60…タスクAのスタッ
ク領域、70…タスクBのスタック領域。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 浩司 栃木県塩谷郡高根沢町宝積寺字サギノヤ東 2021番地8 株式会社ケーヒン栃木開発セ ンター内 Fターム(参考) 3G084 BA13 BA15 BA17 DA05 EA07 EB05 EB10 EC02 FA38 9A001 BB01 DD07 KK54

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められたタスク処理を実行する複
    数のタスク処理手段と、 少なくとも、タスク処理の実行が可能な実行可能状態と
    実行が可能でない実行不可状態とを含む、前記各タスク
    処理手段の状態を変更するタスク状態変更手段と、 割り込み要求に対応付けられた、予め定められた処理を
    割込処理として実行する複数の割込処理手段と、 前記いずれかのタスク処理手段が、タスク処理を実行中
    に割り込み要求を受けた場合には、当該実行中の処理を
    一時中断させ、当該割り込み要求に対応付けられた割込
    処理手段に割込処理を行わせるための切り換え処理を行
    う割込コントローラと、を備えた自動車用制御ユニット
    であって、 前記複数の割込処理手段には、 一のタスク処理手段から、実行可能状態の他のタスク処
    理手段へ処理を切り替えるタスク切り換え処理を実行す
    るためのタスク切替割込処理手段と、 処理の実行が一時中断しているタスク処理手段とは異な
    る、他のタスク処理手段を実行可能状態にするように前
    記タスク状態変更手段へ指示し、かつ、前記タスク切替
    割込処理に対応する割り込み要求を発生させる処理を含
    むタスク起動割込処理手段と、を含むことを特徴とする
    自動車用制御ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車用制御ユニットに
    おいて、 前記タスク起動割込処理手段の処理が終了した後、 当該タスク起動割込処理手段が発生させた前記割り込み
    要求に基づいて、前記タスク切替割込処理手段がタスク
    切替処理を実行し、前記他のタスク処理手段が実行され
    ることを特徴とする自動車用制御ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれか一項に記載
    した自動車用制御ユニットにおいて、 前記割込処理要求は、割込処理の優先度を示す、複数レ
    ベルからなる割り込みレベルのうちの一つと対応付けら
    れていて、 前記タスク切替割込処理に対応する割り込み要求は、最
    も優先度の低い割り込みレベルと対応づけられているこ
    とを特徴とする自動車用制御ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のうちのいずれか一項に
    記載した自動車用制御ユニットにおいて、 自動車の状態を監視する監視手段と、 前記監視手段による監視結果に基づいて、割り込み要求
    を発行する割り込み要求発行手段と、をさらに備えるこ
    とを特徴とする自動車用制御ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した自動車用制御ユニッ
    トであって、 前記監視手段は、回転角または回転速度の制御が必要な
    回転部材の回転角に応じてパルスを発生させるパルス発
    生器であり、 前記割り込み要求発行手段は、前記パルス発生器からパ
    ルスを受け付け、受け付けたパルスに応じて、割り込み
    要求を発生させるパルス計測器であることを特徴とする
    自動車用制御ユニット。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載した自動車用制御ユニッ
    トであって、 前記監視装置は、 自動車の状態を測定し、測定値をアナログで出力するセ
    ンサであり、 前記割り込み要求発行手段は、 前記センサから測定値を受け付けて、当該センサの測定
    が完了したときに、割り込み要求を発生させるAD変換
    器であることを特徴とする自動車用制御ユニット。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載した自動車用制御ユニッ
    トであって、 前記割り込み要求発行手段は、 タイマであることを特徴とする自動車用制御ユニット。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載した自動車用制御ユニッ
    トであって、 他の自動車用制御ユニットと通信するための通信インタ
    フェースを、さらに備え、 前記割り込み要求発行手段は、 前記通信インターフェースに対して割り込み要求を発行
    し、 前記割込コントローラは、 前記通信インターフェースからの割り込み要求を受け付
    けることを特徴とする自動車用制御ユニット。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載した自動車用制御ユニッ
    トであって、 前記複数のタスク処理手段には、 エンジンの回転を制御するためのエンジン回転制御タス
    ク処理手段と、エンジンの回転とは同期しない制御のた
    めの処理を行う非同期タスク処理手段とを含み、 前記監視手段は、 エンジンの回転角に応じてパルスを発生させるパルス発
    生器を含み、 前記割り込み要求発行手段は、 タイマと、前記パルス発生器からパルスを受け付け、受
    け付けたパルス数を計測し、計測結果に応じて割り込み
    要求を発生させるパルス計測器と、を含み、 前記パルス計測器が発生させた割り込み要求と対応付け
    られたタスク起動割込処理手段は、 前記エンジン回転制御タスク処理手段を実行可能状態に
    するように前記タスク状態変更手段へ指示し、 前記タイマが発生させた割り込み要求と対応付けられた
    タスク起動割込処理は、 前記非同期タスク処理手段を実行可能状態にするように
    前記タスク状態変更手段へ指示することを特徴とする自
    動車用制御ユニット。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の自動車用制御ユニット
    であって、 前記エンジン回転制御タスク処理手段は、 エンジンの点火時期、燃料の噴射量、または、燃料噴射
    時期のうちの少なくともいずれか一つを算出するための
    演算を行うことを特徴とする自動車用制御ユニット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009282987A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Korea Advanced Inst Of Sci Technol 割込みスケジューリング方法
JP2016070256A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 株式会社小野測器 噴射量計測装置及び方法

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