JP2001323613A - 樋水返し具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、屋根の交差軒先角部に取り付け、
屋根の谷部に集まった雨水が樋にスムーズに流れ込むよ
うに形成した樋水返し具に関するものである。 【構成】 屋根の交差軒先角部の樋上に形成する樋水返
し具Ａにおいて、アール形状に屈曲した伝水導入面１
と、伝水導入面１の上端を下方に垂下した雨水導入面３
とからなり、雨水導入面３には雨水導入孔４が形成され
ている樋水返し具Ａである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、屋根の交差軒先角部に
取り付け、屋根の谷部に集まった雨水が樋にスムーズに
流れ込むように形成した樋水返し具に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来は、図１０（ａ）、（ｂ）に示すよ
うに、降雨により二点鎖線矢印で示すように屋根の谷部
に集まった雨水が、一般部に比べて多いために、点線矢
印で示すように軒樋Ｄに流れ込まずに下の屋根や地面に
直接落ちてしまうことがあった。このため、図１１
（ａ）、（ｂ）に示すように、軒樋Ｄに樋水返し具Ａを
形成するものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図１１
（ａ）、（ｂ）に示すような樋水返し具Ａでは、外部に
露出するために美観性に劣るものであった。また、積雪
時に破損する危険性があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するため、屋根の交差軒先角部の樋上に形成する
樋水返し具において、アール形状に屈曲した伝水導入面
と、該伝水導入面の上端を下方に垂下した雨水導入面と
からなり、雨水導入面には雨水導入孔が形成されている
樋水返し具を提案するものである。

【０００５】

【実施例】以下に、図面を用いて本発明に係る樋水返し
具について詳細に説明する。図１（ａ）、（ｂ）、図２
（ａ）、（ｂ）は屋根の交差軒先角部である谷部に樋水
返し具Ａを使用した一例を示す説明図であり、樋水返し
具Ａ、屋根材Ｂ、谷樋Ｃ、軒樋Ｄ、軒樋取付具Ｅよりな
るものである。また、αは屋根下地、βは固定具、Ｒは
雨水である。

【０００６】樋水返し具Ａは図３（ａ）に示すように、
Ｒ状に屈曲した伝水導入面１と、伝水導入面１の下端を
内側方に突出した水切り面２と、伝水道入面１の上端を
下方に垂下した雨水導入面３と、雨水導入面を切り欠い
て形成した雨水導入孔４と、雨水導入面３の先端を外側
方に突出した突出面５と、該突出面５の先端角部を上方
に突出した固定面６とから形成したものである。素材と
してはカラー鋼板の他、各種金属材料、合成樹脂材料を
用いるもので、押出、ロールフォーミング、折曲げ、プ
レス加工、等の成形方法により形成するものである。ま
た、図４、図５は樋水返し具Ａ施工前の状態を示す説明
図である。なお、角度Ｓ＝９０度である。

【０００７】樋水返し具Ａは、屋根の交差軒先角部であ
る谷部の軒樋Ｃ部分に形成し、谷部に集まった雨水Ｒを
屋根の交差軒先角部から図１０（ａ）、（ｂ）に示すよ
うに飛び出さないように形成するものである。

【０００８】伝水導入面１は、図２（ａ）に示すよう
に、谷部を流下し、次第に増量した雨水Ｒをアール状の
形状に沿って流下させ、軒樋Ｃ内に落水させるものであ
る。

【０００９】水切り面２は雨水Ｒの落水を助長するもの
であり、固定面３は屋根下地αに樋水返し具Ａを固定す
るための部分である。

【００１０】雨水導入面３には雨水導入孔４を形成し、
雨水Ｒが図２（ａ）に示すように雨水導入面３を越えな
いように内部に流下させるものである。

【００１１】また、図２（ｂ）に示すように伝水導入面
１は万が一に雨水導入面３を越えてきた雨水Ｒは伝水導
入面１のアールに沿って流下し、水切り面２を介して軒
樋Ｄに流下するものである。

【００１２】さらに素材としてプラスチック等を使用し
た場合は、帯電防止剤等親水性を向上する材料を練り込
んだものであれば、同様な効果が得られる。なお、特に
親水性塗料あるいは親水性フィルム等の親水性材料を伝
水導入面１に形成した場合には、その特徴として、図３
（ｂ）に示すように、親水性が高いと、接触面と水滴
（雨水Ｒ）の接触角θが小となり、図３（ｃ）に示すよ
うに接触角θが大きくなると撥水性が高くなる。なお、
親水性と言われる範囲は０度≦θ≦６０度である。ま
た、接触角θが小さくなれば水の体積が同じでも接触
面との接触面積が大きくなる。斜面を水が流れる場
合、接触面積が大きいほど抵抗が大きくなり、流速が遅
くなる。そのために、軒先より雨水Ｒが飛び出しにく
い。等である。

【００１３】次に、本発明に係る樋水返し具の施工例に
ついて簡単に説明する。いま図４、図５に示すような谷
部に、図３（ａ）に示すような樋水返し具Ａを形成する
とする。図１（ｂ）に示すように、固定具βにより屋根
下地αに固定面３を固定する。この場合には、谷部の両
方屋根下地αの面に固定面３が固定できるようにする。
以上で完了である。

【００１４】以上説明したのは本発明に係る樋水返し具
の一実施例にすぎず、図６（ａ）〜（ｌ）、図７
（ａ）、（ｂ）、図８（ａ）、（ｂ）、図９（ａ）〜
（ｈ）に示すように樋水返し具Ａを形成することができ
る。また、７は網であり、金属製、合成樹脂製、金網を
樹脂でコーティングしたもの、等である。

【００１５】

【発明の効果】上述したように本発明に係る樋水返し具
によれば、雪等による軒樋の破損を防止して耐久性を
向上する。積雪地域でも樋水返し具が使用できる。
樋水返し具にあって、コアンダ効果、ティーポット効果
が有効に機能する形状と親水性向上材料を採用すること
で、上記効果を持続して発揮することができる。谷部
より雨水が飛び出さず、スムーズに軒樋内に流れ込む。
外部から見えず、美観性がよい。等の特徴、効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る樋水返し具の施工状態を示す説明
図である。

【図２】本発明に係る樋水返し具の施工状態を示す説明
図である。

【図３】本発明に係る樋水返し具を示す説明図である。

【図４】本発明に係る樋水返し具を施工する前の状態を
示す説明図である。

【図５】本発明に係る樋水返し具を施工する前の状態を
示す説明図である。

【図６】樋水返し具のその他の例を示す説明図である。

【図７】樋水返し具のその他の例を示す説明図である。

【図８】樋水返し具のその他の例を示す説明図である。

【図９】樋水返し具のその他の例を示す斜視図である。

【図１０】従来の状態を示す説明図である。

【図１１】従来の状態を示す説明図である。

【符号の説明】

Ａ 樋水返し具 Ｂ 屋根材 Ｃ 谷樋 Ｄ 軒樋 Ｅ 軒樋取付具 Ｒ 雨水 α 屋根下地 β 固定具 １ 伝水導入面 ２ 水切り面 ３ 雨水導入面 ４ 雨水導入孔 ５ 突出面 ６ 固定面 ７ 網

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋根の交差軒先角部の樋上に形成する樋
   水返し具において、アール形状に屈曲した伝水導入面
   と、該伝水導入面の上端を下方に垂下した雨水導入面と
   からなり、雨水導入面には雨水導入孔が形成されている
   ことを特徴とする樋水返し具。