JP2001323459A - 小径杭用鋼管部材 - Google Patents

小径杭用鋼管部材

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JP2001323459A
JP2001323459A JP2000141951A JP2000141951A JP2001323459A JP 2001323459 A JP2001323459 A JP 2001323459A JP 2000141951 A JP2000141951 A JP 2000141951A JP 2000141951 A JP2000141951 A JP 2000141951A JP 2001323459 A JP2001323459 A JP 2001323459A
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JP2000141951A
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Hiroyoshi Murata
大宜 村田
Kazuyasu Kurosaki
和保 黒崎
Yoichi Kobayashi
洋一 小林
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼管部材と周囲のセメント系材料との間での
荷重伝達性能を合理的かつ経済的に向上させ、小径杭と
しての支持力を十分に発揮させることができる小径杭用
鋼管部材を提供する。 【解決手段】 削孔内に建て込んだ外径300mm程度
以下の鋼管部材1を、グラウト材4としてのセメント系
材料により地盤中に定着させ、小径杭を形成する。鋼管
部材1と周囲のグラウト材4との接触面に、溶接ビー
ド、あるいはリングプレート、ワイヤーなどの溶接によ
り概環状あるいは概らせん状の節2を形成しておく。節
2の節高さhは1.5〜10mm、節高さhと節間隔p
の比h/pは0.06以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、外径が300m
m程度以下の径を有する鋼管部材を芯材として、ソイル
セメント、セメントミルク、セメントモルタル等のセメ
ント系材料により地盤と定着させてなる小径杭用の鋼管
部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セメント系材料により地盤に定着される
小径杭に関する発明としては、例えば特開平10−14
0584号公報や特開平10−131209号公報に記
載されたものなどがある.このようないわゆる小径合成
杭は、地中に小口径の削孔を行ない、異形鉄筋や鋼管等
の補強材を挿入し、セメント系材料により定着させたも
のであり、構造物の補修、既設構造物のアンダーピニン
グ、トンネルの補助工事等に適用されてきた。なお、施
工手順に関しては種々の方法がある。
【0003】また、高耐力マイクロパイル工法と呼ばれ
る小径合成杭工法では、セメント系材料によるグラウト
柱の中心に異形鉄筋を挿入し、その外側に高強度油井管
を配し、部分的に油井管とグラウト間での定着部を形成
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の小径杭
については、芯材となる鋼管部材自体の構造については
特に考慮されていない。すなわち、小径杭の支持力を十
分に発揮させるためには、鋼管部材とその周囲の定着グ
ラウトであるセメント系材料との間の荷重伝達を確実に
する必要があるが、鋼管部材の形態面からの考慮がなさ
れていない。
【0005】表面が平滑な一般的な鋼管部材では、小径
杭に外力(軸力)が作用した時に、地盤の破壊に先行し
て鋼管部材と周囲のグラウト間で付着切れが発生し、杭
が脆性的な破壊を起こす危険性があり、小径杭としての
支持力性能が保証されない。
【0006】本願発明は、上記課題の解決を図ったもの
であり、鋼管部材と周囲のセメント系材料との間での荷
重伝達性能を合理的かつ経済的に向上させ、小径杭とし
ての支持力を十分に発揮させることができる小径杭用鋼
管部材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る発
明は、セメント系材料により地盤と定着される小径杭用
鋼管部材であって、少なくとも前記鋼管部材と前記セメ
ント系材料との接触面に、鋼管部材外面の円周方向に、
節高さh=1.5〜10mm、節高さhと節間隔pの比
h/p≦0.06の概環状あるいは概らせん状の節が設
けられていることを特徴とするものである。
【0008】節高さh=1.5〜10mm、節高さhと
節間隔pの比h/p≦0.06という範囲は、小径杭の
実施工における出来形を考慮して、セメント系材料を対
象とした室内付着試験結果から決定したものである。
【0009】すなわち、鋼管部材に付与する節の高さと
間隔に上記の制約を設け、小径杭の各種適用先での芯材
としての付着力(荷重伝達力)を適切に確保するととも
に、付着力の過剰設計に起因する悪影響やコスト増を抑
制することを可能としたものである。
【0010】鋼管部材外面の節の形成方法としては、溶
接ビードを円周方向に概環状あるいは概らせん状に設け
る方法、リングプレートあるいはワイヤーを溶接する方
法などが適すると考えられる。これらは、節を容易かつ
迅速に製造できる方法であり、節の製造上、工数増加に
よりコストが大きく増加する心配がない。
【0011】なお、溶接ビードの場合など、各位置での
節高さに多少のバラツキが生じる場合における節高さh
は、円周方向の平均値などで考えればよい。
【0012】請求項2は、請求項1に係る小径杭用鋼管
部材において、前記鋼管部材の母材が引張強さ588N
/mm2 以上の機械構造用高張力鋼管である場合であ
る。
【0013】すなわち、機械構造用高張力鋼管を用い、
小径杭の高耐力・高支持力化に適応させるものである。
【0014】現在、小径杭の周囲のセメント系材料によ
るグラウトを拡径し、通常の場所打ち杭相当の支持力を
期待できる高支持力型の小径杭が開発検討されている。
これに適応する鋼管部材は、鋼管と周囲のグラウト間の
付着力が確保されていることは勿論、軸力作用時に小径
杭の破壊に先行して鋼管部材が破壊(降伏)しないこと
が要求される。
【0015】この場合、STK400等の低強度の鋼管
部材では作用外力に抵抗するためには、その本数を多く
して、1本当りの作用荷重を小さくする必要が生じるた
め、材料費および施工費がかさむことになる。逆に、鋼
管部材として高い強度を有するものを用いれば、少ない
本数で効率的な施工が可能となる。
【0016】また、溶接により節を付与する場合や杭頭
部を溶接接合する場合等には、溶接時の入熱による鋼管
部材の強度や靱性が低下する恐れがある。小径杭の鋼管
部材として高強度の油井管を用いた例が見られるが、こ
の鋼管は溶接による強度低下が考慮されていないもので
あり、このような条件下で供用された上記鋼管部材の強
度は保証されない。
【0017】この点にも鑑み、鋼管部材に高強度(高張
力)鋼管を用いる場合には、溶接時の強度保持が確認さ
れている機械構造用の高張力鋼管を用いものとした。
【0018】請求項3は、請求項1または2に係る小径
杭用鋼管部材が、該鋼管部材の外径以上の外径を有する
円筒状の継手部材によって、複数連結されている場合で
ある。
【0019】すなわち、上記構造を有する鋼管部材の連
結形態に関するもので、既設基礎の耐震補強等、空頭制
約下での小径杭の適用に対応するものである。このよう
な場合、鋼管部材は空頭距離から決まる長さに切断し、
これら複数の鋼管を継手部材により連結しながら打設す
る必要が生じる。
【0020】そこで、請求項3として、検査に時間を要
する溶接継手に比べ、急速施工を行うことができる非溶
接タイプの円筒状の継手部材を用いることとした。
【0021】継手部材の径・肉厚は軸力や曲げに対する
継手部の強度や材料コスト等、要求性能に応じて変える
ことができるため、耐荷力およびコスト上、合理的なも
のとすることが可能である。また、継手部材の径の上限
値として、その外径を鋼管部材が挿入される削孔径より
も小さくすれば、鋼管部材を地盤中に建込む際、継手部
材の外周が削孔壁に接触して施工に支障をきたすといっ
た問題が生じない。
【0022】継手部材の間隔は、大きすぎると空頭制約
下での施工が不可能であること、小さすぎると材料およ
び施工コストがかさむことを考慮して決めればよい。
【0023】請求項4は、請求項3に係る小径杭用鋼管
部材において、前記継手部材外面の円周方向に、節高さ
h’と鋼管部材に対する継手部材の出幅wの和h’+w
=1.5〜10mmの概環状あるいは概らせん状の節が
設けられている場合である。
【0024】鋼管部材の節間隔が大きい場合は継手部材
を避けて節を所定の間隔で付与できるが、節間隔が小さ
い場合、節間隔を保持するためには継手部材外面にも節
を付与する必要が生じる。
【0025】この場合、節が付与された継手部材近傍の
付着性能は、節自体の高さh’と鋼管部材に対する継手
部材の出幅wの和により評価されるが、請求項1に記載
の節高さhの範囲内では概ね凸部の高さに比例して付着
力が向上することが確認されているため、継手部材の出
幅wと節高さh’の和が、その範囲内に収まるように節
を付与すればよい。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、請求項1に係る小径杭用
鋼管部材の一実施形態を示したもので、(a)は全体図と
しての鉛直断面図、(b) はその要部の拡大図である。
【0027】本実施形態においては、外径φ=165.
2mm、管厚t=7.1mmのサイズの低強度の鋼管部
材1(STK400程度)の外面に、h/p=0.00
5(平均節高さh=2.5mm、節間隔p=500m
m)で節2が鋼管部材1の管軸方向全長にわたり付与さ
れている。
【0028】図2は、請求項2に係る小径杭用鋼管部材
の一実施形態を示したもので、(a)は全体図としての鉛
直断面図、(b) はその要部の拡大図である。
【0029】本実施形態においては、外径φ=165.
2mm、管厚t=7.1mmのサイズの機械構造用高張
力鋼管を母材とした鋼管部材3の外面に、h/p=0.
027(平均節高さh=4mm、節間隔p=150m
m)で節2が、鋼管部材3の管軸方向3全長にわたり付
与されている。
【0030】これらの図1、図2の実施形態における節
仕様(節高さh、節間隔p)は、図3を用いて設定し
た。図3は、節仕様を変えた棒鋼を対象とした付着試験
から見出した、平均節高さhと節間隔p、周囲グラウト
(セメント系材料)の設計圧縮強度fc および棒鋼の付
着強度τ0.2%(付着応力曲線における見かけの降伏付近
の付着応力)の関係を整理したものである。
【0031】この付着試験を通じて、セメント系材料を
周囲グラウトとした場合であっても、鋼材の付着強度τ
0.2%がその表面に付与する節の高さhと節の間隔pに密
接に関係することが確認できた。
【0032】上記の知見に加えて、節の高さhは、小さ
すぎると製造が困難となり、逆に大きすぎると削孔内面
に節が接触し施工不具合を生じること、コストが増加す
ること、および節近傍のグラウトの局部的な破壊を助長
する点を考慮し、本願発明では節の高さh=1.5〜1
0mmとした。なお、節の幅(管軸方向)については、
大きすぎると加工費がかさむことから、3.0〜30m
m程度とすればよい。
【0033】図1、図2の実施形態における節仕様は、
小径杭への想定(設計)外力、セメント材料による周囲
グラウト4の設計圧縮強度から、図3を用いて小径杭が
地盤から決まる極限支持力に達する前に、鋼管部材1,
3と周囲グラウト4との付着が切れないような鋼管部材
の付着強度を推定し、これを満足する節高さhと節間隔
pを設定したものである。
【0034】以上による試算から、鋼管部材の節仕様に
ついて、平均節高さh=1.5〜10mm、かつh/p
≦0.06であれば、いたずらに節数を増やしてコスト
をかけることなく、小径杭用鋼管部材1,3としての付
着力を適切に確保できることがわかった。また、鋼管部
材のサイズについては、概ね外径φ=300mm以下と
すればよい。
【0035】ところで、図2は、鋼管部材の母材に機械
構造用高張力鋼管部材3を使用したケースである。ここ
での小径杭は、周囲グラウト4が拡径されている高支持
力型の小径杭を想定しているが、その他の形態の小径杭
にも勿論適用できる。
【0036】鋼管部材の母材に機械構造用高張力鋼管部
材3を用いた場合、鋼管部材3と周囲グラウト4間の付
着力を確保できることは勿論、低強度(STK400)
の鋼管部材1に比べ、地盤からの極限支持力に達する前
に小径杭用鋼管部材が降伏する可能性を小さくできるこ
とから、小径杭としての支持力性能を十分に発揮でき
る。
【0037】さらに、小径杭1本当りの支持力を確実に
得ることができるため、低強度の鋼管部材1より小径杭
の本数を減少することができ、経済的となる。
【0038】また、機械構造用高張力鋼管部材3は溶接
性に優れた材料であり、節を溶接により設ける場合の母
材強度の低下等の悪影響を回避することができる。機械
構造用高張力鋼管部材3の強度としては、引張強さ60
0Mpa級や800Mpa級等の機械構造用高張力鋼管
を用いればよい。
【0039】なお、図1、図2は鋼管部材1,3の管軸
方向全長にわたり節2が付与されたケースを示したが、
鋼管部材1,3と周囲グラウト4との接触面にのみ節を
付与してもよい。また、節の付与形態は、図1、図2の
ように円周方向に連続的に環状に付与する他、断続的に
付与してもよいし、管軸方向に連続的または断続的にら
せん状に付与してもよい。
【0040】図4は、請求項3に係る小径杭用鋼管部材
の一実施形態を示したもので、外径φ=114.3m
m、管厚t=8.6mmのサイズの低強度の鋼管部材
(STK400程度)を対象に、h/p=0.008
(平均節高さh=4mm,節間隔p=500mm)の節
仕様を有する上下の鋼管部材1,1が、外径d’が鋼管
部材1の外径d以上であり、かつ削孔径Dよりも小さい
継手部材5を介して連結されている。図では2本の鋼管
部材1,1を連結しているが、同様に複数本、継ぎ足し
て行くことができる。
【0041】図5は、請求項4に係る小径杭用鋼管部材
の一実施形態を示したもので、(a)は全体図としての鉛
直断面図、(b) はその要部の拡大図である。
【0042】本実施形態では、外径φ=114.3m
m、管厚t=8.6mmのサイズの高強度の鋼管部材
(例えば、800Mpa級機械構造用高張力鋼管)を対
象に、1h/p=0.021(平均節高さh=2.5m
m,節間隔p=120mm)の節仕様を有する上下の鋼
管部材3,3が、外径d’が鋼管部材3の外径d以上で
あり、かつ削孔径Dよりも小さい継手部材5’を介して
連結されている。図では2本の鋼管部材3,3を連結し
ているが、同様に複数本、継ぎ足して行くことができ
る。
【0043】継手部材5’の設置間隔は施工区間の空間
的制限や材料および施工コストを考慮して決定する。例
えば、既設橋脚基礎の耐震補強に増し杭として小径杭を
用いる場合や、山岳部での狭隘地区での道路拡幅工事等
で大きな打設能力を有する施工機械を使用できない場合
は、空頭高さや機械の打設能力を考慮しつつ、材料およ
び施工費がかさまない範囲で継手部材5’の間隔を決め
ればよい。
【0044】上記以外の特に施工制約のない場合は、打
設機械の能力を考慮し、極力コストがかからないよう継
手部材5’の間隔を決めればよい。
【0045】また、継手部材5’の表面状態に関し、図
4のように比較的節間隔pが大きい場合には、継手部材
を回避して節2を所定の間隔で付与することができる
が、図5のように節間隔pが小さい場合は、節間隔pを
維持する際に継手部材を回避することができなくなる。
この場合は、図5に示すように、節間隔pを維持できる
よう継手部材5’の外表面にも節2’を付与すればよ
い。
【0046】継手部材5’の外表面に付与する節2’の
高さh’は、上下の鋼管部材3,3に対する継手部材
5’の出幅wと節の高さh’の和が、設計上の節高さ
h、すなわち1.5〜10mmとなるようにすればよ
い。継手部材の出幅w自体が設計上の節高さh以上であ
れば、特に継手部材5’に節2’を付与する必要はない
が、安全のため節2’を設けてもよい。
【0047】図6は、請求項3または4に係る発明にお
ける継手部材の構造例を示したものである。
【0048】図6(a) は、鋼管の内面に雌ねじを加工し
た継手部材5を示し、連結する上下の鋼管部材1の端部
に加工した雄ねじを螺合し、両者を連結できるようにし
ている。また、図6(b) の継手部材5は、上下の鋼管部
材1の一方に内面に雌ねじを加工した鋼管5aを溶接
し、他方に外面に雄ねじを加工した鋼管5bを溶接し、
互いに螺合できるようにしたものである。
【0049】この他、継手部材の構造としては、ボルト
を介して連結する継手部材等が考えられる。
【0050】これらの継手部材5の外径は鋼管部材1の
外径以上で、かつ削孔径以下であることが望ましく、そ
の材質、強度、継手の長さは継手部に要求される耐荷力
やコスト等に応じて選択すればよい。
【0051】図7(a) 〜(c) は、それぞれ本願発明にお
ける節の形成方法および形態を示したものである。
【0052】図7(a) は、外径φ=216.3mm、管
厚t=11mmのサイズの鋼管部材1の外面に、h/p
=0.0125(平均節高さh=3mm、節間隔p=2
40mm)で溶接ビードによる節2aが環状に設けられ
た場合の例である。
【0053】溶接ビード2aは、その盛り高さが本発明
の節高さhとなるよう、予め溶接速度等の管理を実施し
ておくことが望ましい。
【0054】図7(b) は、その内径が鋼管部材1の外径
と同じであるリングプレート2bを溶接して節を形成し
た場合の例である。リングプレート2bは、既製品の鋼
管などから本願発明で規定する節の高さを満足するよう
に予め切断したものなどを用いることができる。リング
プレート2bの材質については、鋼製のものを適用すれ
ばよく、特に材質、強度は限定されないが、材料費を下
げるためには低強度ものを用いることが望ましい。
【0055】図7(c) は、鋼管部材1にワイヤー2cを
溶接して節を形成した場合の例である。ワイヤー2c
は、既製品から本願発明で規定する節の高さを満足する
ような幅(直径)を有するものを選択し、対象とする鋼
管部材1の外周に巻き付けた際に余分な部分が生じない
長さに予め切断しておく。
【0056】なお、以上の説明では各種材料による節を
円周方向に連続的に環状に付与した例を示したが、円周
方向に断続的に環状に付与してもよいし、管軸方向に連
続的あるいは断続的にらせん状に付与してもよい。
【0057】
【発明の効果】本願の請求項1に係る発明によれば、外
周面に概環状あるいは概らせん状に設けた所定の寸法関
係を有する節によりグラウト材としてのセメント系材料
との付着力を確保し、小径杭の支持力を十分に発揮させ
ることができる。
【0058】特に、請求項1で規定した範囲とすること
で、鋼管部材と周囲のセメント系材料との間での荷重伝
達性能を合理的かつ経済的に向上させつつ、付着力の過
剰設計に起因する悪影響やコスト増を抑制することがで
きる。
【0059】また、このような節は、溶接ビード、鋼管
部材へのリングプレートあるいはワイヤーの溶接などに
より、容易かつ迅速に取り付けることができ、安価に製
造することができる。
【0060】請求項2に係る発明は、鋼管部材の母材に
機械構造用高張力鋼管を用いるものであるが、単に小径
杭の支持力を向上させるだけでなく、少ない本数で効率
約な施工が可能となり、また溶接性の面でも有利であ
る。
【0061】請求項3に係る発明は、小径杭に用いられ
る複数の鋼管部材を継手部材によって連結するものであ
り、空頭制限などに容易に対処することができる。
【0062】請求項4は、さらに請求項3における継手
部材の外面にも所定の寸法関係を有する概環状あるいは
概らせん状の節を設けたものであり、節間隔が小さい場
合などにおいて、連結される鋼管部材間での節間隔を維
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係る小径杭用鋼管部材の一実施形
態を示したもので、(a) は全体図としての鉛直断面図、
(b) はその要部の拡大図である。
【図2】 請求項2に係る小径杭用鋼管部材の一実施形
態を示したもので、(a) は全体図としての鉛直断面図、
(b) はその要部の拡大図である。
【図3】 鋼管部材に設けた節の高さと付着強度に関す
る試験結果をまとめたグラフである。
【図4】 請求項3に係る小径杭用鋼管部材の一実施形
態を示す鉛直断面図である。
【図5】 請求項4に係る小径杭用鋼管部材の一実施形
態を示したもので、(a) は全体図としての鉛直断面図、
(b) はその要部の拡大図である。
【図6】 (a) 、(b) は、それぞれ請求項3または4に
係る発明における継手部材の構造例を示す鉛直断面図で
ある。
【図7】 (a) 〜(c) は、それぞれ本願発明における節
の形成方法および形態を示す正面図である。
【符号の説明】
h,h’…節高さ、p…節間隔、w…出幅、D…削孔
径、d…鋼管部材外径、d’…継手部材外径、1…鋼管
部材、2,2’…節、2a…溶接ビード、2b…リング
プレート、2c…ワイヤー、3…鋼管(機械構造用高張
力鋼管)、4…グラウト材、5,5’…継手部材
フロントページの続き (72)発明者 小林 洋一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 2D041 AA03 BA03 BA12 CA03 CA05 DA13 DB02 DB12 DB13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント系材料により地盤と定着される
    小径杭用鋼管部材であって、少なくとも前記鋼管部材と
    前記セメント系材料との接触面に、鋼管部材外面の円周
    方向に、節高さh=1.5〜10mm、節高さhと節間
    隔pの比h/p≦0.06の概環状あるいは概らせん状
    の節が設けられていることを特徴とする小径杭用鋼管部
    材。
  2. 【請求項2】 前記鋼管部材の母材が引張強さ588N
    /mm2 以上の機械構造用高張力鋼管であることを特徴
    とする請求項1記載の小径杭用鋼管部材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の小径杭用鋼管部
    材が、該鋼管部材の外径以上の外径を有する円筒状の継
    手部材によって、複数連結されていることを特徴とする
    小径杭用鋼管部材。
  4. 【請求項4】 前記継手部材外面の円周方向に、節高さ
    h’と鋼管部材に対する継手部材の出幅wの和h’+w
    =1.5〜10mmの概環状あるいは概らせん状の節が
    設けられていることを特徴とする請求項3記載の小径杭
    用鋼管部材。
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