JP2001323103A - 難燃樹脂の処理方法 - Google Patents

難燃樹脂の処理方法

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JP2001323103A
JP2001323103A JP2000146539A JP2000146539A JP2001323103A JP 2001323103 A JP2001323103 A JP 2001323103A JP 2000146539 A JP2000146539 A JP 2000146539A JP 2000146539 A JP2000146539 A JP 2000146539A JP 2001323103 A JP2001323103 A JP 2001323103A
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flame retardant
retardant
flame
solvent
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JP2000146539A
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Masaaki Suzuki
正明 鈴木
Keizo Nakajima
啓造 中島
Hiroshi Onishi
宏 大西
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン成分を含有する樹脂の処理方法にお
いては、ハロゲンを脱離する際の加熱処理のために、樹
脂自体が変色、分子量低下、架橋などの劣化してしま
う。その熱劣化等による再生樹脂の品質低下を抑制する
ための処理方法が必要である。 【解決手段】 難燃剤を含有する樹脂から難燃成分を除
去するために、高圧流体を用いて難燃樹脂を抽出する。
これによって樹脂中から難燃剤を分離することによっ
て、樹脂成分と難燃剤を回収する。この際に脱ハロゲン
を生じたり、樹脂が部分的に分解するような温度での処
理を行うことなく難燃剤を除去することができるため、
樹脂および難燃剤のそれぞれは共に劣化が少なく、再利
用に適した品質を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃剤を含有する
樹脂を再資源化する技術であり、難燃剤成分を樹脂中か
ら取り除くことで樹脂を再利用しやすくするための処理
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、資源の有効活用が望まれており、
各種素材の再資源化技術の開発が進められている。プラ
スチックなどの樹脂素材について、製品の製造工程や製
品の使用後にでる廃棄物のリサイクル利用が重要になっ
ている。そのリサイクル技術としては、樹脂の焼却によ
る燃料化やその燃焼熱の有効利用などのサーマルリサイ
クル、樹脂を油化・ガス化して原料化・燃料化するケミ
カルリサイクル、樹脂を樹脂原料のオリゴマーやモノマ
ーまで分解して再生するケミカルリサイクル、樹脂をそ
のままペレット化して再生使用するマテリアルリサイク
ルなどの可能性が広く検討されている。これらリサイク
ル技術においては、原料化・燃料化する際の処理の容易
さや再利用する際の品質の保持性などが重要となってい
る。
【0003】一般に家電製品の筐体や基板などに用いら
れている樹脂は、安全性の観点から難燃剤による難燃化
が施されている。この難燃樹脂をリサイクルして使用す
る場合には、難燃成分の存在によって原料化・燃料化す
る際に処理しにくくなったり、難燃成分またはその分解
物が混入して再生品の品質が低下したりする。
【0004】特に、難燃剤としてハロゲン系難燃剤が使
用されている際には、サーマルリサイクルやケミカルリ
サイクルにおいては熱分解時に含有するハロゲン成分が
脱離してハロゲンガスやハロゲン化水素などのハロゲン
化合物として放出したり、燃焼処理においてはダイオキ
シンなどの有害ハロゲン化合物の発生の可能性がある。
これらのハロゲン化合物は処理工程の設備の腐食を起こ
しやすくしたり、有害ハロゲン化合物を大気放出しない
ために十分な除害設備が必要になったりする。
【0005】このような容器の腐食等を防ぐために、ポ
リ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンなどのプラスチック
の分解処理の場合には、予め脱ハロゲン化する方法が検
討されている。例えば、特開平11−116729号公
報には、プラスチックを有機溶媒中で熱処理することで
脱塩化水素化して、プラスチックの分解した低沸点成分
などと共に除去する方法が開示されている。また、特開
平11−140223号公報には、プラスチックの加熱
によってハロゲンを脱離し回収してから超臨界流体で分
解させる方法が開示されている。
【0006】また、特開平11−156378号公報で
は、燃焼処理で発生するダイオキシンなどの有害ハロゲ
ン化合物の超臨界水酸化分解処理において、中和剤を混
合してハロゲンを中和する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のハロゲ
ン成分を含有する樹脂の処理方法においては、ハロゲン
を脱離するために加熱処理を行うために、その熱によっ
て樹脂自体が変色、分子量低下、架橋などの劣化を生じ
てしまう。そのために、そのように処理された樹脂は、
分解によるケミカルリサイクルの用途には適している
が、樹脂として再利用するマテリアルリサイクルに適用
するのは品質面から難しい。
【0008】また、難燃剤を含有する難燃樹脂に加熱に
よる脱ハロゲンを行った場合には、難燃剤から難燃成分
のハロゲンが抜けて変性した物質が樹脂中に残存してし
まうことがあり、やはり再生樹脂の品質が低下すること
がある。なお、この際には難燃剤は脱ハロゲン化してし
まうために、分離回収を行ったとしても再利用すること
ができない。
【0009】従って、本発明が解決しようとする第1の
課題は、難燃剤を含有してなる樹脂から難燃成分を除去
して再使用する際に、熱劣化等による再生樹脂の品質低
下を抑制するための処理方法を提供することにある。
【0010】また、本発明が解決しようとする第2の課
題は、難燃剤を分解または脱ハロゲンによる劣化をさせ
ずに回収して再利用することができる処理方法を提供す
ることにある。
【0011】また、本発明が解決しようとする第3の課
題は、難燃成分を除去した樹脂を再利用する際に、再加
工を行いやすくする処理方法を提供することにある。す
なわち、特に熱可塑性樹脂について、容易にペレット
化、粉体化などを行い易くする処理を難燃剤の除去工程
と合わせて行う処理方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の難燃樹脂の処理
方法は、上記第1および第2の課題を解決するために、
難燃剤を含有してなる樹脂から難燃成分を除去する処理
方法において、高圧流体を用いて前記樹脂から前記難燃
剤を抽出することを特徴とする。
【0013】本発明の他の難燃樹脂の処理方法は、上記
第1、第2および第3の課題を解決するために、難燃剤
を含有してなる樹脂から難燃成分を除去する処理方法に
おいて、前記樹脂が熱可塑性樹脂であり、高圧流体を用
いて前記樹脂から前記難燃剤を抽出した後に、前記樹脂
を前記高圧流体に用いた溶媒によって発泡することを特
徴とする。
【0014】なお、本発明を適用できる難燃剤として
は、添加型ハロゲン系難燃剤であるのが好ましい。
【0015】また、本発明では、高圧流体の圧力が、前
記高圧流体に用いる溶媒の臨界圧力以上、臨界圧力の3
倍以下の範囲であるのが適している。
【0016】また、本発明では、高圧流体に用いる溶媒
が二酸化炭素であるのが適している。
【0017】さらに、本発明では、高圧流体に用いる溶
媒が補助溶媒を1モル%以上20モル%未満含有してな
る場合も優れた効果がある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0019】本発明を適用することにより、熱劣化等に
よる品質低下を起こさせることなく、難燃剤を含有して
なる樹脂から難燃成分を除去して再生樹脂を得ることが
できる。さらに、難燃成分として抽出分離された難燃剤
を劣化させずに回収することができるため、再利用する
ことが可能となる。また、特に難燃樹脂の樹脂成分が熱
可塑性樹脂である場合には、樹脂を再利用する際に容易
にペレット化、粉体化などを行い易くすることができ
る。
【0020】これらの効果が得られる理由について、本
発明の具体的な実施の形態として図1、図2および図3
を用いて説明する。
【0021】(実施の形態1)図1に本発明の実施形態
の一例を示す。本発明の難燃樹脂の処理方法は、難燃剤
を含有する樹脂から難燃成分を除去するために、高圧流
体を用いて難燃樹脂を抽出する。これによって樹脂中か
ら難燃剤を分離することによって、樹脂成分と難燃剤を
回収する。これによって、それぞれの樹脂および難燃剤
は共に劣化が少なく、再利用に適した品質を得ることが
できる。
【0022】図3に本発明を実施するための処理装置の
一例を示す。難燃剤を含有する難燃樹脂1を高圧容器2
に挿入する。この容器2に定量ポンプ6と圧力調整弁3
によって溶媒の圧力を調整して注入する。この溶媒は難
燃樹脂1から難燃剤を高圧状態で抽出する。溶媒は高圧
流体では、拡散性が高くなるために樹脂の内部まで浸透
するために、難燃剤を抽出しやすくなっている。この抽
出された難燃剤を含む溶媒は、降圧されて気液分離を行
う分離容器4に送られ、気体状態の溶媒と難燃剤に分離
され、難燃剤は回収口5から取り出される。気体状態の
溶媒は冷却液化され、循環利用されている。消費される
溶媒のみボンベ7から供給が行われる。なお、抽出時の
温度調整は、熱交換器9、または高圧容器2自体の温度
調整によって行うことができる。
【0023】(実施の形態2)図2に本発明の実施形態
の他の一例を示す。難燃樹脂が熱可塑性樹脂である場合
の処理方法は、高圧流体を用いて樹脂中から難燃剤を抽
出する。これによって、樹脂および難燃剤は共に再利用
に適した品質を得ることができる。さらに、分離された
樹脂を抽出で用いた溶媒によって発泡する。この処理に
よって、樹脂は破砕したり、気泡が形成されて低密度化
して脆化したりする。この状態にすることで、樹脂を再
利用に適した形態に加工処理しやすくなる。すなわち、
樹脂強度の低下が生じるために、後処理としての再生樹
脂のペレット化、粒体化、粉体化や破砕などの2次の処
理を容易に行うことができるのである。
【0024】このような効果が得られる原因は、高圧流
体で用いた溶媒は樹脂中への拡散・浸透性が高いため、
難燃剤の抽出除去後も樹脂中に残存する。この溶媒は、
大気圧に解放してから樹脂中から徐々に放出される。こ
の際に、樹脂の固さと溶媒の放出速度を制御すること
で、樹脂を発泡させることができる。この発泡処理は、
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂共に適用できるが、特に熱
可塑性樹脂においては樹脂の固さを加温によって制御す
ることができるため好ましく用いることができる。
【0025】この発泡処理は具体的には以下のように行
われる。
【0026】(1)抽出完了後に容器中で、樹脂の軟化
する温度以上に加温した状態のまま、高圧流体を容器か
ら放出する。
【0027】(2)抽出完了後に容器から樹脂を取りだ
し、樹脂の軟化する温度以上に加温する。
【0028】(3)抽出完了後に容器から樹脂を取りだ
し、樹脂の軟化する温度以上に加温した状態で常圧以下
に減圧する。などの方法があるが、これらに限られな
い。また、樹脂の軟化する温度としては、樹脂のガラス
点温度、軟化温度、融点等である。
【0029】次に、本発明の難燃樹脂の処理方法につい
て構成を説明する。
【0030】本発明を適用できる難燃剤としては、難燃
剤がハロゲン系難燃剤、特に添加型ハロゲン系難燃剤で
あるのが好ましい。このことは、難燃剤が添加型である
ことで樹脂からの抽出回収が行いやすいためであり、熱
的に劣化しやすいハロゲン系難燃剤に適用するのが効果
がある。例えば、デカブロモジフェニル、デカブロモジ
フェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、テ
トラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ
プロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−
ビス(アリルエーテル)、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、トリブロモフェノール、テトラブロモ無水フタル
酸、ビステトラブロモフタルイミド、塩素化パラフィ
ン、塩素化ポリエチレンなどである。他の難燃剤として
は、リン系、窒素系、シリコーン系、三酸化アンチモ
ン、水酸化アルミニウム、ホウ素化合物などがあるが、
添加型であれば同様な効果が得られる。また、反応型難
燃剤であっても、反応物の分子量が低い場合などは適用
することができる。
【0031】本発明の樹脂成分としては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂の両者を処理することができる。熱可
塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ナイロン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体等の樹脂に適用でき、これ
らに充填剤などが添加されている場合も同様である。ま
た、熱硬化性樹脂としては、フェノール硬化樹脂、エポ
キシ硬化樹脂、不飽和ポリエステル硬化樹脂、ポリウレ
タン、尿素樹脂等が適用でき、これらに不織布、ガラス
繊維などが充填された複合材であっても同様である。
【0032】本発明の高圧流体に用いる溶媒としては、
二酸化炭素が適している。二酸化炭素は樹脂に対する浸
透性が高いため容易に樹脂内部まで拡散する。その上で
高圧流体、特に超臨界状態で用いるとさらに浸透性が向
上するために抽出効果が発揮される。また、二酸化炭素
の超臨界状態は臨界圧力、臨界温度がそれぞれ7.38
MPa、31.1℃であり、低い温度で超臨界状態とな
り、溶媒の高い拡散性が得られる。さらに、抽出の処理
温度が低いために、樹脂や難燃剤の熱的な劣化を抑える
ことに効果がある。また、抽出処理工程において、比較
的低い温度で効率的な難燃剤の除去を行うことができる
ため、処理に大きなエネルギーを必要としない。
【0033】他の溶媒としては、水、アルコール類など
も適用することができる。酸化アンチモン、水酸化アル
ミニウム等の抽出には水を用いるのがよい結果が得られ
る。
【0034】また、本発明では、高圧流体の圧力が、高
圧流体に用いる溶媒の臨界圧力の1/2倍以上、5倍以
下の範囲であるのが適している。このことは、高圧流体
の溶媒の密度がその溶媒の臨界圧力近傍で大きく増加
し、それに合わせるように溶質の溶解度が増加するた
め、本発明の好ましい抽出ができる圧力範囲として用い
ることができるのである。この圧力範囲では溶解度は、
溶媒の臨界圧力の約1/2倍から増加し、約5倍で飽和
傾向になるが、溶媒の臨界圧力以上から臨界圧力の3倍
以下が抽出効果と操作性を考えて好ましい圧力範囲とし
て用いることができる。本発明において、二酸化炭素を
溶媒として用いる場合には、約7.4MPa〜約22.
2MPaの圧力範囲で抽出を行うのが良い。
【0035】また、抽出温度としては、室温より高く2
00℃より低い領域では樹脂は炭化しないで、難燃剤か
らのハロゲンの脱離も低く、両者を良好に抽出分離回収
することができる。本発明においては、樹脂および難燃
剤のどちらも再利用できることを目的とするため、0℃
〜200℃の範囲で処理を行うのが好ましい。しかし、
200℃を越える温度においても、樹脂の再利用の目的
によってはよりふさわしい条件である場合がある。すな
わち、処理温度が200℃以上、400℃より低い領域
では樹脂は炭化しないで処理することができるが、難燃
剤からのハロゲンの脱離が生じるため、樹脂のみを再利
用する場合に適している。また、400℃以上、600
℃以下の温度領域では、樹脂からは炭化物が生成し、難
燃剤からのハロゲンの脱離を生じるので、樹脂のみを炭
化物として再利用する場合に適している。それ以上の温
度になると、炭化物の回収量も低下するため、本発明の
処理方法として好ましくない。
【0036】さらに、本発明では抽出を行う溶媒に加え
て補助溶媒を用いることができる。高圧流体に用いる溶
媒が補助溶媒を1モル%以上50モル%未満含有してい
る場合、特に好ましくは1モル%以上20モル%未満含
有してなる場合に効果がある。この補助溶媒は、少量を
溶媒に添加することで高圧流体を構成させる。この混合
した補助溶剤は、抽出する難燃剤と高圧流体との親和性
を高めて抽出効率を向上する働きを持たせるものであ
る。本発明の難燃剤の処理方法の場合には、ハロゲン系
難燃剤に適用する場合は、補助溶媒として、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ヘキサ
ン、プロパン、ブタン、シクロヘキサン、ペンタンなど
の炭化水素類、アセトンなどのケトン類、水などを好ま
しく用いることができる。なお、効率的に抽出が行われ
るのであればこれらに限らない。
【0037】さらに、本発明では難燃剤を含有する樹脂
から難燃剤を効率的に抽出するために、予め、他処理す
る樹脂を洗浄しておいたり、破砕、粉砕しておくことも
適用できる。また、より効率的に処理するためには、熱
可塑性樹脂の軟化する温度以上の処理温度でおこなうの
も適している。特に、軟化・溶融した状態で扱うことが
できる樹脂であれば、抽出容器に連続的に難燃樹脂を供
給して、連続的に抽出処理を行い、連続的に回収するこ
ともできる。
【0038】次に、本発明の具体的な実施例について示
す。
【0039】(実施例1)サイズ3cmx3cm、厚さ
1mmの板状で、難燃剤としてデカブロモジフェニルエ
ーテルを約10重量%含有するポリスチレン樹脂5g分
を容積0.1Lの高圧抽出容器に入れて、50℃、10
MPaの超臨界状態の二酸化炭素を溶媒として用いて難
燃剤の抽出処理を行った。抽出溶媒は気液分離容器に送
られて難燃剤が回収され、高圧抽出容器に難燃剤を除去
されたポリスチレン樹脂板が残った。難燃剤の回収は、
抽出時間約5時間でほぼ完了した。
【0040】樹脂中の難燃剤は約98%抽出除去されて
おり、難燃剤は約95%が分離容器から回収された。ま
た、この回収された難燃剤は98%程度の純度であり、
分解劣化を少なく回収することができた。
【0041】(実施例2)サイズ10cmx0.5c
m、厚さ1mmの短冊状で、難燃剤としてトリブロモフ
ェノールを約10重量%含有するフェノール硬化樹脂5
g分を容積0.1Lの高圧抽出容器に入れて、80℃、
15MPaの超臨界状態の二酸化炭素を溶媒として用い
て難燃剤の抽出処理を行った。抽出溶媒は気液分離容器
に送られて難燃剤が回収され、高圧抽出容器に難燃剤を
除去されたポリスチレン樹脂板が残った。難燃剤の回収
は、抽出時間約5時間でほぼ完了した。
【0042】樹脂中の難燃剤は約95%以上抽出除去さ
れており、難燃剤は約95%が分離容器から回収され
た。また、この回収された難燃剤は98%程度の純度で
あり、分解劣化を少なく回収することができた。
【0043】処理されたフェノール硬化樹脂は、乾留炉
装置によって炭化処理されて活性炭を製造することがで
きたが、その際に排ガスからは臭素成分が非常に少なか
った。このことから、本処理方法によって乾留炉の材質
の劣化を抑制することができることが期待できる。
【0044】(実施例3)サイズ3cmx3cm、厚さ
1mmの板状で、難燃剤としてデカブロモジフェニルエ
ーテルを約10重量%含有するポリスチレン樹脂50g
分を容積1Lのオートクレーブに入れて、20℃におい
て蒸気圧約5.7MPaの液化二酸化炭素を用いて難燃
剤の抽出処理を行った。バッチ処理として、1回の抽出
時間1時間による難燃剤回収を5回繰り返した。
【0045】樹脂中の難燃剤は約95%以上抽出するこ
とができた。このとき、回収された難燃剤は99%程度
の純度であり、分解劣化が少ない状態で回収することが
できた。また、樹脂はペレット状にして再度成型に用い
ることができ、機械強度は若干の低下のみであり十分に
再利用が可能であった。
【0046】(実施例4)高圧流体として用いる抽出溶
媒に、補助溶媒としてヘキサンを5%加えたほかは実施
例1と同じにして、難燃樹脂からの難燃剤の抽出除去を
行った。実施例1と同程度の抽出回収を行うのに抽出時
間約3時間でほぼ完了することができ、補助溶媒の添加
によって難燃剤の回収効率が向上することが確認でき
た。回収された樹脂および難燃剤は実施例1とほぼ同程
度の品質であった。
【0047】(実施例5)厚さ0.2mmのシート状
で、難燃剤としてデカブロモジフェニルエーテルを約5
重量%含有するポリエチレンテレフタレート樹脂2g分
を容積0.1Lの高圧抽出容器に入れて、60℃、10
MPaの超臨界状態の二酸化炭素を溶媒として用いて難
燃剤の抽出処理を行った。抽出溶媒は気液分離容器に送
られて難燃剤が回収され、高圧抽出容器に難燃剤を除去
されたポリエチレンテレフタレートシートが残った。難
燃剤の回収は、抽出時間約5時間でほぼ完了した。
【0048】室温まで冷却した後にシートを取り出し
て、すぐに100℃に調節された加熱炉中に挿入した。
この状態で、シート樹脂に含浸していた二酸化炭素が樹
脂中で急激に気化して軟化状態の樹脂が発泡した。シー
トの気泡は数10μm以上であり、強度が低下して脆化
していた。当初のシート状では切断処理する方が容易だ
ったのに対して、この状態では粉砕することが容易にな
り、ミルによって容易に粉状の樹脂として再利用に供す
ることができた。
【0049】
【発明の効果】本発明の難燃樹脂の処理方法は、難燃剤
を含有してなる樹脂から難燃成分を除去する処理方法に
おいて、高圧流体を用いて樹脂から難燃剤を抽出するこ
とによって、以下のような優れた効果が得られることが
明らかになった。
【0050】(1)樹脂成分および難燃剤共に劣化が少
なく、品質低下のない状態で回収することができ、良好
な再資源化による再利用ができる処理を提供できる。
【0051】(2)熱可塑性樹脂においては、抽出処理
に引き続いて、抽出に用いた溶媒で発泡して脆化させる
ことによって、ペレット状、粉状など再加工をしやすく
し、再利用する際に取り扱いやすいようにすることがで
きる。
【0052】(3)熱硬化性樹脂においては、通常リサ
イクルしにくいものを難燃剤を除くことでマテリアルリ
サイクルしやすくできる。例えば、熱硬化性樹脂をマテ
リアルリサイクルとして炭化物利用する際などは、炭化
処理工程において脱ハロゲンによるハロゲン化水素など
の発生がない処理を行うことができるようになる。その
ために、耐ハロゲンの特別な材質を用いなくても処理装
置の材質に安価な汎用材を用いることができるし、排ガ
ス処理装置の投資の負荷も低減することができる。
【0053】(4)難燃樹脂の処理装置の材質として
は、難燃成分を脱ハロゲン化することなく難燃剤のまま
処理することができるため、高圧容器や配管などにステ
ンレス鋼などの汎用の材質を用いることができ、耐ハロ
ゲンの特別の高価な材質を用いる必要がない。
【0054】(5)樹脂を高炉の鉄鉱石の還元剤やコー
クス炉原料として使用する場合にも、予め難燃剤を除い
ておくことによってハロゲン化水素などの発生による配
管の劣化などの恐れがない状態で、資源利用できる。
【0055】以上のように、本発明は工業的に価値の大
なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の難燃樹脂の処理方法における手順の一
実施形態を示す図
【図2】本発明の難燃樹脂の処理方法における手順の他
の一実施形態を示す図
【図3】本発明の難燃樹脂の処理方法における処理装置
の一例を示す図
【符号の説明】
1 難燃樹脂 2 高圧抽出容器 3 圧力調整弁 4 分離容器 5 難燃剤回収口 6 定量ポンプ 7 溶媒供給ボンベ 8 熱交換器 9 熱交換器 10 熱交換器 11 熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D056 AB01 AB11 AB20 AC06 AC22 AC24 AC27 BA16 CA13 CA17 CA18 CA20 CA21 CA22 CA31 DA02 DA03 4F301 AA12 AA15 AA16 AA22 AA24 AA25 AA26 AA27 AA29 AB01 CA09 CA12 CA13 CA14 CA32 CA41 CA64 CA73

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】難燃剤を含有してなる樹脂から難燃成分を
    除去する処理方法において、高圧流体を用いて前記樹脂
    から前記難燃剤を抽出することを特徴とする難燃樹脂の
    処理方法。
  2. 【請求項2】難燃剤を含有してなる樹脂から難燃成分を
    除去する処理方法において、前記樹脂が熱可塑性樹脂で
    あり、高圧流体を用いて前記樹脂から前記難燃剤を抽出
    した後に、前記樹脂を前記高圧流体に用いた溶媒によっ
    て発泡することを特徴とする難燃樹脂の処理方法。
  3. 【請求項3】難燃剤が添加型ハロゲン系難燃剤である請
    求項1および2記載の難燃樹脂の処理方法。
  4. 【請求項4】高圧流体の圧力が、前記高圧流体に用いる
    溶媒の臨界圧力以上、臨界圧力の3倍以下の範囲である
    請求項1および2記載の難燃樹脂の処理方法。
  5. 【請求項5】高圧流体に用いる溶媒が二酸化炭素である
    請求項1および2記載の難燃樹脂の処理方法。
  6. 【請求項6】高圧流体に用いる溶媒が補助溶媒を1モル
    %以上20モル%未満含有してなる請求項1および2記
    載の難燃樹脂の処理方法。
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