JP2003145537A - 発泡スチロール樹脂のリサイクル方法 - Google Patents
発泡スチロール樹脂のリサイクル方法Info
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Abstract
成形工程の加熱による分子量の低下、さらに、溶剤溶解
法における減容工程での放出ガスに同伴する気化した溶
剤の放出とそれに伴うロスを最小限にした発泡スチロー
ル樹脂のリサイクルを行うことができる。 【解決手段】発泡スチロール樹脂を減容する減容工程1
1と、減容された発泡スチロール樹脂を溶剤に溶解する
溶解工程13と、溶解された発泡スチロール樹脂を押出
成形する工程16とを含んでなる発泡スチロール樹脂の
リサイクル方法が提供される。ペレットは、発泡成形の
処理により再生発泡スチロール樹脂の成型品となる。
Description
脂のリサイクル方法に関する。より具体的には、本発明
は、発泡スチロール樹脂成型品の廃材から高品質な発泡
スチロール用再生樹脂をリサイクルする方法に関する。
の梱包材料として多量に使われるほか、建材等にも使用
されている。このような発泡スチロール樹脂の端切れや
使用済みの成型品の再生利用は、環境保全や経済性の点
から大きな課題となっている。一般に発泡スチロールの
リサイクルにおける問題点としては、以下の2点が挙げ
られる。一つ目は、発泡スチロールは嵩高いため、その
まま輸送すると輸送コストがかかることから、輸送に先
立って発泡スチロール樹脂を減容することが求められて
いる点である。二つ目は、発泡スチロール樹脂の再生過
程において混入するゴミや異物による品質低下と主とし
て処理過程における加熱によって生ずる分子量の低下に
伴う品質低下が生じる点である。これらの問題点を解決
すべく、これまで提案されている発泡スチロール樹脂の
再生方法には、大きく分けて熱溶融法と溶剤溶解法の2
種類があるが、必ずしも満足出来るものではない。
加熱溶融して、発泡により嵩高になっている廃材を減容
(容積を減ら)して、より密度の高い樹脂の塊(インゴ
ット)にし、次いで、この減容樹脂を適当な大きさに粉
砕した後に押出機に投入し、加熱しながらペレット状に
押出成形するものである。熱溶融による減容の場合、減
容後の樹脂の見掛け密度は約1.0g/cm3となる。
発泡スチロール樹脂の廃材を必要により粉砕した後に、
押出機で加熱溶融による減容からペレット化までを加熱
下で一気に行う方法もある。
出成形する段階でスクリーンを設けて異物を除去するこ
ともできるが、半固体状の樹脂を濾過するので、異物除
去の性能には限界がある。そのため、原料段階で異物の
除去を行う必要があるが、原料となる発泡スチロール樹
脂の廃材に混在する異物の除去は人手によらなければな
らないので、総じて熱溶融法では異物除去が困難であ
る。
程で局部的に高温部が生じ易く、熱分解による分子量の
低下や、雰囲気の空気や樹脂内の残存空気等に含まれる
酸素による酸化のため、樹脂の分子量の低下が生ずる。
分子量が減少すると、引っ張り強度や衝撃強度等が低下
するので、再生発泡スチロール樹脂成型品の品質が大き
く低下する。
を有機溶剤に溶解することにより減容して、次いでこの
溶液を押出機に注入後、加熱攪拌して溶剤を蒸発除去し
ながら樹脂を溶融状態にしてペレット状の押出成形品を
製造するものである。溶剤としては、塩素化炭化水素、
リモネン、THF等が使用されている。溶剤溶解法の一
例としては、特開平10−330530号公報や特開2
000−334738号公報に開示されている方法があ
る。
での濾過が可能であり、異物の除去には適している。ま
た、加熱の程度も押さえることができるので、分子量の
低下という再生品の品質劣化は少ない。これは、溶剤の
蒸発除去から押出成形までの過程において、樹脂は比較
的均一で熱移動性も良く、局部的な加熱部が少ないこと
及び酸素が存在しないこと等による。しかし、溶剤を使
用するので、発泡スチロール樹脂の再生の全工程におい
て溶剤の取り扱い設備や管理者が必要になる。特に有機
溶剤による減容化後、別の工場へ輸送して押出成形する
場合は、同時に溶剤も輸送することになるため輸送コス
トが高くなる。また、発泡スチロール樹脂は、樹脂中に
気泡として大量の気体を含んでいるが、溶解時にこの気
体が放出され、放出された気体に同伴して気化した溶剤
も系外に出ることとなる。従って、発泡スチロール樹脂
の減容工程で溶剤を用いると、大量の気体と共に溶剤も
系外へ出てしまうため、溶剤のロスも多く、環境保全上
も好ましくない。このような気化溶剤の系外への放出は
防がなければならないが、そのための溶剤回収装置が必
要になる。このため、発泡スチロールの溶解は、現実に
はあまり小規模で行うと、設備面及び管理面から実施が
困難である。一方、発泡スチロール樹脂は嵩高であり、
輸送効率が悪いため、廃材の発生場所で溶解を行うこと
も考えられるが、この場合、規模が小さくなると同時
に、溶剤も同時に輸送しなければならないという問題点
があった。
輸送や保存のために発泡スチロール樹脂の容積を減らす
ことが一般的に求められる。使用された梱包材料や、成
型品製造時にできる端切れ等の発泡スチロール樹脂の廃
材を長距離輸送したのでは、再生のコストが高くなって
しまう。
来技術の有する問題を解消することを目的とする。
を減容する減容工程と、減容された発泡スチロール樹脂
を溶剤に溶解する溶解工程と、溶解された発泡スチロー
ル樹脂を押出成形する押出成形工程と、上記押出成形品
を用いて発泡スチロールを製造する再生工程とを含んで
なる発泡スチロール樹脂のリサイクル方法を提供する。
さらに、本発明によれば、この発泡スチロール樹脂のリ
サイクル方法において、上記減容工程が、機械的に圧縮
する工程又は200℃以下の温度で部分的に溶融する工
程のいずれかあるいは両方を含むことができる。また、
溶解工程における溶剤は、150℃以下の沸点を有する
溶剤であることが好ましく、特に、塩化メチレンが好適
である。上記溶剤が、エポキサイド又は炭素数5〜7の
不飽和炭化水素、あるいはそれらの両方をさらに含むこ
とが好ましい。
減容された発泡スチロール樹脂を運搬して、その後の溶
解工程等のいくつかの工程を別の工場にて行うことがで
きるほか、押出成形された樹脂をさらに運搬して、別の
工場において発泡スチロールの再生成型品とすることが
できる。
異物除去の困難性及び押出成形工程の加熱や酸素による
分子量の低下、さらに、溶剤溶解法における減容工程で
の放出ガスに同伴する気化した溶剤の放出とそれに伴う
ロスという従来法の問題を軽減しつつ、発泡スチロール
樹脂廃材の効率的なリサイクルを行うことができる。
明する。
る工程又は200℃以下の温度で部分的に溶融する熱減
容工程のいずれかあるいは両方を含んで行うことができ
る。機械的に圧縮減容するためには、まず、発泡スチロ
ール樹脂の廃材を粉砕して次の工程に導入できる程度の
大きさにする。その後、プレス機や押出機等により圧縮
することで、一般的な発泡スチロール樹脂の密度である
0.02g/cm3から、見掛け密度で0.2〜0.7
g/cm3、好ましくは0.2〜0.5g/cm3の程度
にまで減容する。本発明の機械的な圧縮による減容の場
合には、粉砕や圧縮の際に発生する摩擦熱等の内部的な
熱により発泡スチロール樹脂を部分的に溶融することが
できるため、減容工程においては外部からの加熱を行わ
ないので、加熱しながら行う熱溶融法のような温度上昇
は少なく分子量の低下は最小限に抑えることができる。
一般に発泡スチロール樹脂を溶融すれば、その分見掛け
密度は増大して減容の度合いも進むが、減容を進めるた
めにあまり高温度で溶融すると、分子量の低下が進んで
品質低下を招くため、本発明のように摩擦熱等の内部的
な熱のみによる機械的な圧縮減容は品質面で有利であ
る。
場合には、本発明の減容工程を熱減容によって行うこと
もできるが、その場合の大幅な分子量の低下を防止する
ために200℃以下、好ましくは180℃以下の温度で
行う。一般に、熱溶融する場合には、熱の分布が生じる
が、ここでは、熱溶融処理の平均の温度として熱溶融温
度を規定している。局所的に高温の部分が生じる場合に
は、その部分の温度を基準にして、200℃、好ましく
は180℃以下にする。本発明において熱溶融により発
泡スチロール樹脂を減容する際には、固体状の発泡スチ
ロール樹脂廃材を次の工程の処理ができる程度の大きさ
に粉砕して、スクリュー式押出機等によりスチロール樹
脂を圧縮しながら、外部から熱を加えて溶融する。熱溶
融による減容工程により、見掛け密度を0.7〜1.0
g/cm 3程度にまで高めることができる。
態又はインゴット状の樹脂塊が得られるが、溶剤を用い
ないので、処理装置の取り扱いと処理工程自体が比較的
容易であり、原料となる発泡スチロール樹脂廃材の発生
地において減容工程を行うのが容易である。
ロール樹脂を溶剤により溶解する。これは、減容工程を
行った同じ工場で行うこともできるが、減容により発泡
スチロール樹脂の輸送効率が高まっているので、減容化
後、別の工場に輸送して、より多くの発泡スチロール樹
脂をまとめて溶剤に溶解することにより、効率的に処理
することができる。溶剤を取り扱うような特殊な管理と
取り扱い設備を要する工程は、より少ない箇所でまとめ
て行う方が効率的であるからである。
いるので、溶解に伴い系外へ放出される溶剤の量は、減
容化せずに溶剤に溶解する場合に比べて10分の1から
100分の1にまで減らすことができる。従って、排出
するガスからの溶剤の回収装置に対する負荷や溶剤の放
出に伴うロスも減らすことができる。本発明の溶解工程
においては、減容化した発泡スチロール樹脂を溶剤に投
入・攪拌することによって、溶解することができる他、
混練装置を用いたり、押出機に溶剤と適当な大きさに破
砕した発泡スチロール樹脂を入れて溶解することもでき
る。このように発泡スチロール樹脂を溶解する溶解工程
を導入にすることにより、樹脂中に含まれる異物の除去
を濾過により行うことができ、熱溶融法に比べて異物の
除去が容易となる。
しては、発泡スチロールを溶解する溶剤であればいずれ
の溶剤も使用可能であるが、例えば塩化メチレン、トリ
クロロエチレン等の塩素系の溶剤や、リモネン、THF
等を使用することができる。しかし、後続の溶剤を蒸発
除去する工程が低温で行えることを考慮すると、比較的
低沸点の溶剤、特に、沸点が150℃以下の溶剤が好ま
しく、沸点が40℃程度の塩化メチレンは溶解力にも優
れ、最も好適である。
は、更にエポキサイド又は炭素数5〜7の不飽和炭化水
素、あるいはそれらの両方を添加することにより、溶剤
の蒸発、凝縮の操作を繰り返し行っても、溶剤の品質低
下が生じにくくなる。特に、後述の押出工程は比較的高
温条件下で行なわれるため、溶剤の熱分解が生じやす
い。塩化メチレンが劣化分解すると塩化水素を発生し、
装置の腐食等の問題を起こすことがある。
点が30〜90℃であるエポキサイドが好ましい。具体
的には、例えばプロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。エポキサイ
ドは、これらの一種又は二種以上を組み合わせて添加す
ることができ、その添加量は塩化メチレンとこれらの添
加物とをあわせた溶剤全体の重量に対し、0.1〜1.
0重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%である。エ
ポキサイドの添加量が少なすぎると塩化メチレンの安定
化を保持することができず、多すぎると副生物を生成し
やすくなる場合がある。
ては、例えば2−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、
2−ヘキセン、2−ヘプテン等が挙げられる。炭素数5
〜7の不飽和炭化水素は、これらの一種又は二種以上を
組み合わせて添加することができ、その添加量は塩化メ
チレンとこれらの添加物とをあわせた溶剤全体の重量に
対し、10〜200ppm、好ましくは50〜100p
pmである。炭素数5〜7の不飽和炭化水素の添加量が
10ppm未満では塩化メチレンの分解抑制効果に寄与
せず、200ppmを超えると分解抑制効果はあまり期
待できず、経済的なデメリットが大きくなる。
熱された押出機等に発泡スチロール樹脂が溶解している
溶液をフィードしながら撹拌して溶剤を蒸発させ、引き
続き樹脂を成形してペレット状、ビーズ状、針状にする
ことにより行なわれる。この場合、溶剤を蒸発除去する
ため、外部からの熱を加えるが、樹脂の分子量が低下す
るのを防止するため、200℃以下、特に180℃以下
の温度にすることが好ましい。このように溶剤に溶解し
た発泡スチロール樹脂を用いて押出成形を行うことによ
り、熱溶融法に比べて樹脂の分子量低下が起こらず、再
生品の強度を高く維持することができる。なお、溶解さ
れた発泡スチロール樹脂を押出成形する工程において、
発泡スチロール樹脂の溶解溶液を加熱蒸発させ、その蒸
気を冷却凝縮させて回収することにより、再利用するこ
とができる。その後、この押出成形品を必要に応じて別
の工場に移動させて、発泡ガスを含浸させて発泡用スチ
ロール樹脂を再生することができる。その後、好ましく
は消費地に近い工場において、再生され発泡ガスを含浸
された押出成形品を発泡成形することにより、再生品の
発泡スチロール樹脂成型品を得ることができる。使用さ
れる発泡ガスや成型方法は、再生品でないスチロール樹
脂を用いる場合と同様である。
よれば、減容工程と溶剤溶解工程とを別々の場所におい
て行うことができるので、溶剤を用いず管理が容易な減
容工程のステーション11を原料となる発泡スチロール
樹脂廃材が発生する地点10の近くに設けることができ
る。減容工程ステーション11は、例えば、工場や、量
販店、問屋、流通拠点等廃材が発生する現場20に設置
することもでき、発泡スチロール樹脂廃材の容積を減ら
すのに必要な破砕機や押出機、加熱装置等を備える。こ
の結果、発泡スチロール樹脂廃材が発生する地点10か
ら減容工程ステーション11への輸送は距離が比較的に
短くて済む。減容されて輸送と保管に有利になった発泡
スチロール樹脂を、今度は溶剤溶解工程13を行う工場
25へと集めることができる。溶剤の管理が必要な溶剤
溶解工程は、減容された多くの発泡スチロール樹脂を集
めて処理することによりスケールメリットが出しやす
い。この溶剤溶解工程の後には液状の樹脂組成物が得ら
れるので、これを濾過して不純物を除去する等の処理1
4を容易に行うことができる。溶剤蒸発除去処理15を
経て、同一の工場25又は別の工場(図示せず)におい
て、樹脂を押出成形する(16)。その後、ペレットに
発泡ガスを含浸させる処理を同一工場25又は別の工場
30において行うことができる。こうしてできたペレッ
ト又はビーズを好ましくは消費地に近い別の工場35に
て発泡させて成形することにより、新たな成型品17と
することができる。もちろん溶剤溶解工程13から発泡
成形35までを一カ所において行うこともできる。
体的に説明するが、本発明は下記例に制限されるもので
はない。
泡スチロール樹脂成型品をおおよそ卵くらいの大きさに
破砕した後、先端の内径が2.5cmの円錐状の筒を取
り付けたスクリュー式押出機で、発泡スチロール樹脂成
型品を圧縮減容した。押出機の先端から押し出された樹
脂は、押出機内での摩擦熱で外側の一部分が融解してい
たが、大部分未容融の状態であり、圧縮減容後の樹脂の
見掛け密度は0.4g/cm3であった。これを塩化メ
チレンに溶解し、樹脂濃度が40重量%の溶液を作り、
この溶液を気化した塩化メチレンを排出するための排気
口を途中に設けたスクリュー式押出機にフィードし、押
出機外筒に設置されたヒーターで加熱して、塩化メチレ
ンを蒸発除去しながら、徐々に温度を上昇させた。溶剤
が蒸発除去され、溶融状態になった粘度の高い樹脂を押
出機先端に設けられたダイから押し出して、再生ペレッ
トを製造した。押出機の温度は、先端近くが最高で18
0℃であった。
例1と同様の押出機で、外部加熱を行ないながら180
℃の温度で発泡スチロールを融解した。先端からは、部
分的に融解した淡褐色半透明で内部に多くの気泡を含ん
だ樹脂塊(インゴット)が得られた。この樹脂塊は冷却
すると、硬化し、その見掛け密度は0.87g/cm3
であった。次いで硬化した樹脂を米粒大に破砕し、塩化
メチレンに溶解した。塩化メチレン溶液中の樹脂の濃度
は約40重量%であった。この溶液を実施例1と同様に
処理をして再生ペレットを製造した。
様、押出機に発泡スチロールをフィードし、外筒に設置
されたヒーターで加熱しながら融解し、押出機の先端に
設けられた多孔板のダイから、直径2mmのひも状に押
し出し、ペレタイザーで切断して、再生ペレットを製造
した。スチロール樹脂がほぼ完全に溶解し、気泡が残ら
ない状態にするため、押出機中で十分な加熱時間が必要
であった。再生されたペレットの密度は、約1.0g/
cm3であった。
ル樹脂成型品を適当に破砕して、塩化メチレンを溶解さ
せた。溶解の初期には、発泡スチロールは発泡ガスの泡
を放出させながら、勢いよく溶解したが、樹脂濃度が高
くなるにつれ、次第に溶解速度が低下して、最終的に
は、樹脂濃度が約40重量%の溶液が得られた。この溶
液を、実施例1と同様に処理して再生ペレットを製造し
た。
重量平均分子量をGPC法により測定した結果は次の通
りであった。
生ペレットとして要求される強度に対応する重量平均分
子量(20万〜25万)より低く、発泡スチロール樹脂
を再利用するための品質に問題があるが、圧縮減容に溶
剤溶解を組み合わせた実施例1や、熱減容に溶剤溶解を
組み合わせた実施例2では、十分に実用に耐える強度を
示す高い重量平均分子量の樹脂を得ることができた。こ
のように、減容と溶剤への溶解を組み合わせる方法は、
使用に十分に耐える、重量平均分子量の高い再生発泡ス
チロール樹脂が得られることがわかった。一方、比較例
2においては、再生ペレットの品質には問題はないが、
発泡ガスに同伴して気化する溶剤の系外への放出が見ら
れた。
る溶剤である塩化メチレンに、添加剤としてプロピレン
オキサイドを0.5重量%、2−ペンテンを0.01重
量%添加した以外は、実施例1と同様に行った。その
際、スクリュー式押出機で蒸発除去された溶剤蒸気を冷
却凝縮し、その中に存在する塩化水素の濃度を測定し
た。なお、対照として塩化メチレンのみの場合も同様に
行った。その結果、塩化メチレンのみの場合の塩化水素
濃度が0.012重量%であるのに対して、プロピレン
オキサイド及び2−ペンテンを添加した場合の塩化水素
濃度は0.0003重量%であった。このことから、添
加剤を加えることにより、塩化メチレンの劣化分解を防
ぐことができることがわかった。
異物除去の困難性及び押出成形工程の加熱による分子量
の低下、さらに、溶剤に溶解して減容する工程での放出
ガスに同伴する気化した溶剤の放出とそれに伴うロスと
いう問題を軽減しつつ、発泡スチロール樹脂廃材の効率
的なリサイクルを行うことができる。本発明はまた、発
泡スチロールを溶解する溶剤に好ましく用いられる塩化
メチレンに添加剤を加えることで、溶剤の熱による劣化
分解を防止し、再利用を促進することができる。溶剤を
再利用することで、リサイクル方法全体としてのコスト
を抑え、経済的なリサイクルが可能になる。
場所において行うことができるので、溶剤を用いず管理
が容易な減容工程のステーションを原料となる発泡スチ
ロール樹脂廃材が発生する地点の近くに設けることがで
きる。減容工程ステーションからは、減容されて輸送に
有利になった発泡スチロール樹脂を、溶剤を含まない形
態で溶剤による溶解工程を行う工場へと集めることがで
きる。溶剤の管理が必要な溶解工程は、多量の発泡スチ
ロール樹脂を集めて処理することによりスケールメリッ
トが出しやすい。従って、発泡スチロール樹脂廃材のリ
サイクル処理の効率が大幅に向上する。
を実施するための工程の流れとリサイクルシステムを示
すダイアグラムである。
Claims (9)
- 【請求項1】 発泡スチロール樹脂を減容する減容工程
と、 減容された発泡スチロール樹脂を溶剤に溶解する溶解工
程と、 溶解された発泡スチロール樹脂を押出成形する工程とを
含んでなる発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。 - 【請求項2】 上記押出成形品を用いて発泡スチロール
を製造する再生工程をさらに含む請求項1に記載の発泡
スチロール樹脂のリサイクル方法。 - 【請求項3】 上記減容工程が、機械的に圧縮する工程
又は200℃以下の温度で部分的に溶融する工程のいず
れかあるいは両方を含むことを特徴とする請求項1又は
2に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。 - 【請求項4】 上記溶解工程における溶剤が、150℃
以下の沸点を有する溶剤であることを特徴とする請求項
1から3のいずれか一に記載の発泡スチロール樹脂のリ
サイクル方法。 - 【請求項5】 上記溶解工程における溶剤が、塩化メチ
レンであることを特徴とする請求項1から4のいずれか
一に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。 - 【請求項6】 上記溶剤が、エポキサイド又は炭素数5
〜7の不飽和炭化水素、あるいはそれらの両方をさらに
含むことを特徴とする講求項5に記載の発泡スチロール
樹脂のリサイクル方法。 - 【請求項7】 減容された発泡スチロール樹脂を、減容
工程の後の溶解工程を別の場所にて行うために運搬する
第1運搬工程を含む請求項1から6のいずれか一に記載
の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。 - 【請求項8】 発泡スチロールを製造するために、押出
成形工程の後に押出成形品を別の場所に運搬する第2運
搬工程を含む請求項1から7のいずれか一に記載の発泡
スチロール樹脂のリサイクル方法。 - 【請求項9】 上記第2運搬工程の後、上記再生工程の
前に、発泡ガスを上記押出成形品に含侵させる含浸工程
と、さらに運搬を行う第3運搬工程を含むことを特徴と
する請求項8に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル
方法。
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