JP2001323086A - 耐熱性ボンディングシート - Google Patents

耐熱性ボンディングシート

Info

Publication number
JP2001323086A
JP2001323086A JP2000142072A JP2000142072A JP2001323086A JP 2001323086 A JP2001323086 A JP 2001323086A JP 2000142072 A JP2000142072 A JP 2000142072A JP 2000142072 A JP2000142072 A JP 2000142072A JP 2001323086 A JP2001323086 A JP 2001323086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
embedded image
image embedded
bonding sheet
heat
resistant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000142072A
Other languages
English (en)
Inventor
Kosuke Kataoka
片岡孝介
Hiroyuki Furuya
古谷浩行
Naoki Hase
長谷直樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2000142072A priority Critical patent/JP2001323086A/ja
Publication of JP2001323086A publication Critical patent/JP2001323086A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な機械的強度を有しつつ、特に半田耐熱
性、接着性に優れる銅張積層板に用いられる耐熱性ボン
ディングシートおよび銅張積層板の提供を目的とする。 【解決手段】 耐熱性ベースフィルムの少なくとも片面
に熱可塑性ポリイミド層を有する耐熱性ボンディングシ
ートの熱可塑性ポリイミド層表面を不活性ガスを50%
以上含有気体中でプラズマ放電処理あるいは大気中でコ
ロナ処理した後、銅箔と積層することで優れた接着性、
優れた半田耐熱性を有する銅張積層板を実現できる。本
発明の耐熱性ボンディングシートは、特にフレキシブル
銅張積層板に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベースフィルムの
少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を有するボンデ
ィングシートに関し、さらに詳しくは、耐熱性、接着
性、寸法特性に優れる耐熱性ボンディングシートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高性能化、高機能化、
小型化が急速に進んでおり、電子機器に用いられる電子
部品の小型化、軽量化の要請が高まっている。これに伴
い、電子部品の素材についても、耐熱性、機械的強度、
電気特性等の諸物性がさらに求められ、半導体素子パッ
ケージ方法やそれらを実装する配線板にも、より高密
度、高機能、かつ高性能なものが求められるようになっ
てきた。フレキシブルプリント配線板(以下FPCと呼
ぶ)に関しては、細線加工、多層形成等が行われるよう
になり、FPCに直接部品を搭載する部品実装用FP
C、両面に回路を形成した両面FPC、複数のFPCを
積層して層間を配線でつないだ多層FPCなどが出現し
てきた。
【0003】一般にFPCは柔軟で薄いベースフィルム
上に回路パターンを形成し、その表面にカバー層を施し
た構成をしており、上述のようなFPCを得るためには
その材料として用いられる絶縁接着剤や絶縁有機フィル
ムの高性能化が必要となっている。具体的には、高い耐
熱性、機械強度を有し、加工性、接着性、低吸湿性、電
気特性、寸法安定性に優れることである。
【0004】現在のところFPCの絶縁有機フィルムに
は、諸特性に優れるポリイミド樹脂かなるフィルムが広
く用いられている。絶縁接着剤には、低温加工性や作業
性に優れるエポキシ樹脂やアクリル樹脂が用いられてい
る。しかし、これらの接着剤は、特に耐熱性において充
分でないことが分かっている。詳しくは150℃以上の
温度に長時間さらされると、これら接着剤の劣化が起こ
り、種々特性に影響を与える。更にこれらの接着剤を用
いる場合、ベースフィルム上に接着剤を塗布、乾燥した
後、導体層(一般に銅箔が用いられている)と張り合わ
されるが、充分な接着を実現するために長時間の熱処理
を行わなければならない等の問題を抱えている。
【0005】特にFPCの用途拡大に伴い、耐熱性に関
する課題を解決することが急務となっている。この問題
解決のために、接着剤層を有しない2層FPCや溶融流
動性に優れるポリイミド樹脂を用いたFPC等が提案さ
れている。上記の接着剤層を有しない2層FPCに関し
ては、絶縁フィルム上に直接導体層を形成する方法と導
体層に直接絶縁層を形成する方法が一般的である。絶縁
層に直接導体層を形成する方法では、蒸着法やスパッタ
リング法で導体の薄層を形成した後、メッキ法で導体の
厚層を形成する方法が用いられているが、薄層形成時に
ピンホールが発生しやすくまた絶縁層と導体層の充分な
接着力を得ることが難しい等の問題を抱えている。
【0006】一方、導体層に直接絶縁層を形成する方法
では、ポリイミド共重合体もしくはポリアミド酸共重合
体の溶液を導体層に流延塗布、乾燥し絶縁層を形成する
方法を用いているが、種々溶剤による導体層の腐食が起
こりやすい。また両面版を作製する際には2枚の片面板
を作製した後で、これら片面板を張りあわすという煩雑
な工程が必要となる等の問題を抱えている。
【0007】また、溶融流動性に優れるポリイミド樹脂
を用いたFPCに関しては、特開平2-138789号、特開平
5-179224号や特開平5-112768号で提案されている耐熱性
樹脂からなるベースフィルムの少なくとも片面に熱可塑
性ポリイミド層を有するボンディングシートを用いる
が、優れた接着性、半田耐熱性、寸法安定性等を実現す
ることが困難であった。
【0008】上記のごとく耐熱性に優れるFPCにはど
のような形態を取るにしろ問題点があるが、生産性や特
性面を考慮した場合、耐熱性樹脂からなるベースフィル
ムに熱可塑性ポリイミドを積層したボンディングシート
を用いる方法が最有利であると考えられる。ただし、こ
のケースでも、耐熱性の向上のために熱可塑性ポリイミ
ド層のガラス転移温度(Tg)を上げると、銅箔とのラミ
ネート温度も上がることになり、銅箔との接着強度が不
安定となり、FPCとしての特性が十分でない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】耐熱性樹脂からなるベ
ースフィルムに熱可塑性ポリイミドを積層したボンディ
ングシートにおける、高温でラミネートしても銅箔との
接着強度に優れ、半田耐熱性に優れるボンディングシー
トを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の新規なボ
ンディングシートおよび銅張積層板を提供するものであ
り、これにより上記課題を解決しうる。 1) 耐熱性樹脂からなるベースフィルムの少なくとも
片面に熱可塑性ポリイミド層を有するボンディングシー
トにおいて、ベースフィルムと接していない熱可塑性ポ
リイミド層表面が、不活性ガスを50%以上含有する気
体中でのプラズマ放電処理あるいは大気中でのコロナ放
電処理を施されていることを特徴とする耐熱性ボンディ
ングシート。 2)前記熱可塑性ポリイミド層が、一般式(化31)
【0011】
【化31】 (式中、 kは1以上の整数、m,nはm+nが1以上
となるそれぞれ0以上の整数である。 A,Bは4価の有機
基、X,Yは2価の有機基を示す。)で表されるポリアミ
ド酸から得られるポリイミドである1)記載の耐熱性ボ
ンディングシート。 3) 前記一般式(化31)中のA、Bが下記一般式(化
32)〜(化40)
【0012】
【化32】
【0013】
【化33】
【0014】
【化34】
【0015】
【化35】
【0016】
【化36】
【0017】
【化37】
【0018】
【化38】
【0019】
【化39】
【0020】
【化40】 に示す4価の有機基の群から選択される少なくとも2種
であることを特徴とする1)または2)に記載する耐熱
性ボンディングシート。 4)前記一般式(化31)中のX、Yが下記一般式(化
41)〜(化60)
【0021】
【化41】
【0022】
【化42】
【0023】
【化43】
【0024】
【化44】
【0025】
【化45】
【0026】
【化46】
【0027】
【化47】
【0028】
【化48】
【0029】
【化49】
【0030】
【化50】
【0031】
【化51】
【0032】
【化52】
【0033】
【化53】
【0034】
【化54】
【0035】
【化55】
【0036】
【化56】
【0037】
【化57】
【0038】
【化58】
【0039】
【化59】
【0040】
【化60】 に示す4価の有機基の群から選択される少なくとも2種
であることを特徴とする1)〜3)のいずれか一項に記
載する耐熱性ボンディングシート。 5)前記熱可塑性ポリイミド層が、酸無水物を原料とし
て得られるポリイミドであり、全酸無水物中にビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物を50mol%以上含有する
ことを特徴とする1)〜4)のいずれか一項に記載する
耐熱性ボンディングシート。 6) 前記耐熱性樹脂からなるベースフィルムが、非熱
可塑性ポリイミドフィルムであることを特徴とする1)
〜5)のいずれか一項に記載する耐熱性ボンディングシ
ート。 7)前記耐熱性樹脂からなるベースフィルムが、あらか
じめその表面をプラズマ放電処理あるいは大気中でのコ
ロナ放電処理を施されてい1)〜6)のいずれか一項に
記載の耐熱性ボンディングシート。 8)前記熱可塑性ポリイミド層表面の水に対する接触角
が50°以下でありかつ、銅張積層板に加工したときの
銅箔との接着強度が9.8N/cm以上である1)〜7)の
いずれか一項に記載する耐熱性ボンディングシート。 9)1)〜8)のいずれか一項に記載のボンディングシ
ートの少なくとも片面に銅箔を積層した銅張積層板
【0041】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。本発明の、耐熱性樹脂からなるベースフ
ィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を有す
るボンディングシートに用いられる熱可塑ポリイミド層
(以下TPIという。)は、前駆体であるポリアミド酸共
重合体をイミド化することにより得られる。ポリアミド
酸共重合体溶液の調製方法について説明する。
【0042】ポリアミド酸共重合体は、酸二無水物とジ
アミンとを有機溶媒中で反応させることにより得られる
が、本発明においては、まず、アルゴン、窒素などの不
活性ガス雰囲気中において、一般式(化61)
【0043】
【化61】 (式中、Cは4価の有機基を示す。)で表される少なくと
も一種の酸二無水物を有機溶媒中に溶解、又は拡散させ
る。この溶液に一般式(化62)
【0044】
【化62】 (式中、Xは2価の有機基を示す。)で表される少なくと
も一種のジアミンを、固体の状態または有機溶媒溶液の
状態で添加する。さらに、前記の一般式(化61)で表
される1種又は2種以上の酸二無水物の混合物を固体の
状態または有機溶媒溶液の状態で添加し、ポリイミドの
前駆体であるポリアミド酸溶液を得る。また、この反応
において、上記添加手順とは逆に、まずジアミンの溶液
を調製し、この溶液中に固体状の酸二無水物または酸二
無水物の有機溶媒溶液を添加してもよい。反応時間は3
0分間〜3時間である。かかる反応により熱可塑性ポリ
イミドの前駆体であるポリアミド酸溶液の接着剤が調製
される。
【0045】前記ポリイミド酸は、一般式(化63)
【化63】 (式中、 kは1以上の整数、m,nはm+nが1以上
となるそれぞれ0以上の整数である。 A,Bは4価の有機
基、X,Yは2価の有機基を示す。)で表されるポリアミ
ド酸であることが好ましく、前記一般式(化63)中の
A、Bが下記一般式(化64)〜(化72)
【0046】
【化64】
【0047】
【化65】
【0048】
【化66】
【0049】
【化67】
【0050】
【化68】
【0051】
【化69】
【0052】
【化70】
【0053】
【化71】
【0054】
【化72】 に示す4価の有機基の群から選択される少なくとも2種
であることが好ましい。また、全酸無水物中にビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物を50mol%以上含有する
ことが特に好ましい。
【0055】さらに、前記一般式中のX、Yは、下記一
般式(化73)〜(化74)
【0056】
【化73】
【0057】
【化74】
【0058】
【化75】
【0059】
【化76】
【0060】
【化77】
【0061】
【化78】
【0062】
【化79】
【0063】
【化80】
【0064】
【化81】
【0065】
【化82】
【0066】
【化83】
【0067】
【化84】
【0068】
【化85】
【0069】
【化86】
【0070】
【化87】
【0071】
【化88】
【0072】
【化89】
【0073】
【化90】
【0074】
【化91】
【0075】
【化92】 に示す4価の有機基の群から選択される少なくとも2種
であることが好ましい。ポリアミド酸の合成反応に使用
される有機溶媒としては、例えばジメチルスルホキシ
ド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,
N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド等
のホルムアミド系溶媒、N,N-ジメチルアセトアミド、N,
N-ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒を挙げ
ることができる。これらを1種類のみで用いることも、
2種あるいは3種以上からなる混合溶媒も用いることも
できる。また、これらの極性溶媒とポリアミド酸の非溶
媒とからなる混合溶媒も用いることもできる。ポリアミ
ド酸の非溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソルブ
等を挙げることができる。
【0076】係るポリアミド酸共重合体及びポリイミド
共重合体の分子量は特に規制されるものではないが、耐
熱性接着剤としての強度を維持するためには、数平均分
子量が5万以上、さらには8万以上、特には10万以上
が好ましい。接着剤であるポリアミド酸共重合体(溶
液)の分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)に
より測定が可能である。
【0077】次に、この前駆体であるポリアミド酸溶液
からポリイミドを得るためには、熱的又は化学的に脱水
閉環(イミド化)する方法を用いればよい。具体的には
熱的に脱水閉環(イミド化)する方法では、上記ポリア
ミド酸の溶液を耐熱性樹脂からなるベースフィルム上に
塗布して膜状とし、有機溶媒を蒸発させ乾燥することに
より自己支持体の膜を得る。さらに有機溶媒の蒸発は1
50℃以下の温度で約5分間〜90分間行うのが好まし
い。次に、これを加熱乾燥してイミド化する。イミド化
させる際の加熱温度は150℃〜400℃の範囲が好ま
しい。特に最終の熱処理は300℃以上が好ましい。さ
らに好ましくは300〜400℃が好ましい。加熱時間
は厚みや最高温度によって異なるが、一般には最高温度
に達してから10秒〜10分の範囲が好ましい。
【0078】化学的に脱水閉環(イミド化)する方法で
は、上記ポリアミド酸溶液に化学量論以上の脱水剤と触
媒の第3級アミンとを加え、熱的に脱水する場合と同様
の方法で処理すると、熱的に脱水する場合よりも短時間
で所望のポリイミド膜が得られる。
【0079】また、触媒として使用される第3級アミン
としては、ピリジン、α-ピコリン、β-ピコリン、γ-
ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、イソ
キノリンなどが好ましい。
【0080】本発明で用いられるベースフィルムはFPC
等のベースフィルムとして使用可能なものであればいか
なるフィルムを用いてもよいが、特には耐熱性に優れた
特性を有するポリイミドフィルムが好ましく用いられ、
非熱可塑性ポリイミドフィルムが特に好ましい。具体的
には、ベースフィルムとして用いるポリイミドフィルム
は、例えば、「アピカル(登録商標;鐘淵化学工業株式
会社製)のような接着性を有しないポリイミドフィルム
を用いることができるが、その他いかなる構造のポリイ
ミドフィルムであってもよい。
【0081】本発明の耐熱性ボンディングシートにおい
ては、ベースフィルムもあらかじめプラズマ処理あるい
はコロナ放電処理等の表面処理を施されたものを用いる
ことが好ましく、これにより、さらに接着強度を向上さ
せることができる。表面処理の条件は特に制限はない
が、例えば、後述の熱可塑性ポリイミドフィルム表面を
処理する方法と同様の方法が適用できる。
【0082】本発明のボンディングシートとするには、
例えば、前記ポリアミド酸の溶液をグラビアロールなど
を用いて必要に応じ片面もしくは両面に塗布し、加熱乾
燥することで得られる。好ましくは100〜150℃で
数分間乾燥し、その後300〜400℃でさらに加熱し
てイミド化し、所望のボンディングシートを得る。
【0083】続いてプラズマ放電処理およびコロナ処理
について説明する。プラズマ処理のガス種類、ガス圧、
処理密度は特に限定されないが、ガス圧に関しては、1
3300〜1330000Paの範囲の圧力下で行うこ
とが好ましい。プラズマガスを形成するのに用いられ得
るガスは、不活性ガスを50%以上含有していることが
好ましい。さらには80%以上、特には90%以上が好
ましく、不活性ガスの具体例としては、例えば、ヘリウ
ム、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオン、ラド
ン、窒素等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以
上組み合わせて用いることができる。
【0084】また、不活性ガスと混合しうるガスとして
は、酸素、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、四塩化炭
素、クロロホルム、水素、アンモニア、カーボンテトラ
フルオライド、トリクロロフルオロエタン、トリフルオ
ロメタン等が挙げられる。
【0085】好ましい混合ガスの組み合わせは、アルゴ
ン/酸素、アルゴン/アンモニア、アルゴン/ヘリウム
/酸素、アルゴン/二酸化炭素、アルゴン/窒素/二酸
化炭素、アルゴン/ヘリウム/窒素、アルゴン/ヘリウ
ム/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム、アルゴン
/ヘリウム/アセトン、ヘリウム/アセトン、ヘリウム
/空気、アルゴン/ヘリウム/シランである。処理密度
は、100〜10000W・min/m2の範囲が好ましい。
更に好ましくは、300〜7000W・min/m2の範囲が
好ましい。上記範囲を大きく逸脱すると所望の効果が得
られない傾向にある。
【0086】コロナ処理のガス種類、ガス圧、処理密度
は特に限定されない。一般的には、大気中で行われる。
処理密度は、100〜10000W・min/m2の範囲が好
ましい。更に好ましくは、300〜7000W・min/m2
の範囲が好ましい。上記範囲を大きく逸脱すると所望の
効果が得られない傾向にある。
【0087】このようにして得られたボンディングシー
トの片側または両側に銅箔を重ねて熱圧着することによ
り、銅張積層板が得られる。
【0088】本発明においては、その熱可塑性ポリイミ
ド層の表面の水に対する接触角が50℃以下でありか
つ、前記ボンディングシートと銅箔を張り合わせて銅張
積層板に加工したときの銅箔との接着強度が9.8N/cm
以上である耐熱性ボンディングシートを得ることができ
る。また、40℃/90%/96時間吸湿処理後の半田
浴ディップ試験(280℃ 10秒間)を行った場合に
も、銅箔部分の外観異常が発生しない半田耐熱性に優れ
た銅張積層板を得ることができる。
【0089】以上、本発明に係る耐熱性ボンディングシ
ートの実施の形態について説明したが、本発明はこれに
よって限定されるものではなく、本発明はその趣旨を逸
脱しない範囲で当業者の知識に基づき、種々なる改良、
変更、修正を加えた様態で実施しうるものである。以下
の実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例によって限定されるものでもない。
【0090】
【実施例】(実施例1)室温で窒素置換をした3000
mlの三口のセパラブルフラスコに369.6gの2,2‘ビ
ス〔4‐(4‐アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン
(以下、BAPPという。)、2125.2gのジメチルホ
ルムアミド(以下、DMFという。)を採り、スターラー
を用いて撹拌することにより充分に溶解させた。15分
間攪拌の後、257.2gの-ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、BPDAという)を粉体で投入し反応さ
せた。60分間の撹拌の後、さらに7.0gのBPDAを1
00gのDMFに添加したスラリーを、フラスコ内の溶液の
粘度に注意しながら徐々に投入し、その後1時間撹拌し
ながら放置した。その後、3000gのDMFを投入し1時
間攪拌しポリアミド酸溶液を得た。次に、このポリアミ
ド酸溶液を大気中で240W・min/m2の密度でコロナ放
電処理の施されたベースフィルム12.5NPI(鐘淵
化学社製)の両面上にTPIの最終厚みが片面6.5μm
になるように塗布し、100℃で6分間加熱した後、3
90℃で2分間加熱し、ボンディングシートを得た。そ
の後このボンディングシートのTPI層表面 に表1に示す
プラズマ処理あるいは表2に示すコロナ放電処理を施し
た。プラズマ処理時のガスは、Ar/He/N2 とし、それら
の比率は6:4:0.5とした。また、コロナ放電処理
は大気中で行った。得られたボンディングシートのTPI
面に18μm厚の圧延銅箔を重ね、その上に25μm厚
ポリイミドフィルムを離型フィルムとして配設して、ダ
ブルベルトプレス機(DBP)にてラミネートし銅張積
層板を得た。ラミネート温度は340℃、圧力70kg
f/cm、ラミネート時間約1分間であった。得られた
銅張積層板について、JIS C6481に従い接着強度(N
/cm)、およびJIS6471に従い半田耐熱性を測定
した。また、ボンディングシートのTPI層表面の水に対
する接触角は協和界面科学(株)製 CA−DT・A型
にて測定した。その結果を表1、2に示す。
【0091】半田耐熱性は、吸湿(40℃、90%R
H、96時間)後に280℃・10秒間半田浴に浸せき
し、外観上の不具合の発生有無で判定を行った。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】 (実施例2)実施例1と同様の手順でポリアミド酸を
得、プラズマ処理( Ar:He:N2=8:2:0.2、1390W/min/m
2)を施された17HP(鐘淵化学社製)ベースのボン
ディングシート(TPI層の最終厚みは片面4μm)を作製
した後、ボンディングシートのTPI層表面に表3に示す
条件でプラズマ処理あるいは表4に示すコロナ放電処理
を施した後、DBPを用いて銅張積層板を作製し特性を
評価した。ラミネート温度、圧力、ラミネート時間は実
施例1と同様であった。その結果を表3、4に示す。
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】 (実施例3)室温で窒素置換をした2000mlの三口の
セパラブルフラスコに219.6gのBAPPと1282.
8gのDMFgを採りスターラーを用いて撹拌することによ
り充分に溶解させた。15分間の撹拌の後、141.6
gのBPDAと15.4gの3,3'4,4'‐エチレングリコール
ジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(以下、TMEG
という。)を粉体で投入した。30分間攪拌の後、さら
に6gのTMEGを100gのDMFに溶かした溶液をフラスコ
内の溶液の粘度に注意しながら徐々に投入し、その後1
時間撹拌しながら放置した。その後、2000gのDMFを
投入し1時間撹拌することでポリアミド酸溶液を得た。
次に、このポリアミド酸溶液を用いて実施例2と同様に
して、17HPベ−スのボンディングシートを得た。その後
このボンディングシートのTPI層表面に表5に示すプラ
ズマ処理あるいは表6に示すコロナ放電処理を施した。
プラズマ処理時のガスは、Ar/He/N2とした。また、コロ
ナ放電処理は大気中で行った。得られたボンディングシ
ートを用いDBPにて銅張積層板を得、特性を評価し
た。ラミネート温度は340℃、圧力は70kgf/cm、ラ
ミネート時間は約30秒であった。その結果を表5、6
に示す。
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】 (比較例1、2)ボンディングシートのTPI層表面にプ
ラズマ処理あるいはコロナ処理の施されていないボンデ
ィングシートを用い、実施例1と同様にDBPを用いて
銅張積層板を作製し特性を評価した。その結果を表7に
示す。
【0098】
【表7】
【0099】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るボンディン
グシートは、特に銅箔とのピール強度、半田耐熱性に優
れる銅張積層板を実現でき、FPCやリジット‐フレック
ス基板材料、COL及びLOCパッケージ、MCM等の新規高密
度実装材料用途に好適であり、その他用途は特に限定さ
れない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 C08J 7/04 F C09J 7/02 C09J 7/02 Z H05K 1/03 610 H05K 1/03 610N // C08L 79:08 C08L 79:08 A Fターム(参考) 4F006 AA39 AB38 BA01 CA08 DA04 EA03 4F073 AA01 BA31 BB01 CA01 CA21 CA63 CA65 4F100 AB17D AB33D AK01A AK46C AK49B AT00A BA03 BA06 BA07 BA10D EJ55B EJ55C EJ60B EJ60C EJ61B EJ61C GB43 JB16B JB16C JJ03 JJ03A JK06 4J004 AA11 AB05 CA06 CC02 FA05 4J043 PA04 PA06 PC015 PC065 QB26 QB31 RA34 SA06 SB03 TA14 TA22 TB03 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA151 UB011 UB021 UB061 UB062 UB111 UB121 UB122 UB152 UB162 UB281 UB301 UB302 ZB50

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性樹脂からなるベースフィルムの少
    なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を有するボンディ
    ングシートにおいて、ベースフィルムと接していない熱
    可塑性ポリイミド層表面が、不活性ガスを50%以上含
    有する気体中でのプラズマ放電処理あるいは大気中での
    コロナ放電処理を施されていることを特徴とする耐熱性
    ボンディングシート。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性ポリイミド層が、一般式
    (化1) 【化1】 (式中、 kは1以上の整数、m,nはm+nが1以上
    となるそれぞれ0以上の整数である。 A,Bは4価の有機
    基、X,Yは2価の有機基を示す。)で表されるポリアミ
    ド酸から得られるポリイミドである請求項1記載の耐熱
    性ボンディングシート。
  3. 【請求項3】 前記一般式(化1)中のA、Bが下記一般
    式(化2)〜(化10) 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 に示す4価の有機基の群から選択される少なくとも2種
    であることを特徴とする請求項1または2に記載する耐
    熱性ボンディングシート。
  4. 【請求項4】前記一般式(化1)中のX、Yが下記一般
    式(化11)〜(化30) 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 【化17】 【化18】 【化19】 【化20】 【化21】 【化22】 【化23】 【化24】 【化25】 【化26】 【化27】 【化28】 【化29】 【化30】 に示す4価の有機基の群から選択される少なくとも2種
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に
    記載する耐熱性ボンディングシート。
  5. 【請求項5】前記熱可塑性ポリイミド層が、酸無水物を
    原料として得られるポリイミドであり、全酸無水物中に
    ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50mol%以上
    含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項
    に記載する耐熱性ボンディングシート。
  6. 【請求項6】 前記耐熱性樹脂からなるベースフィルム
    が、非熱可塑性ポリイミドフィルムであることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか一項に記載する耐熱性ボン
    ディングシート。
  7. 【請求項7】前記耐熱性樹脂からなるベースフィルム
    が、あらかじめその表面をプラズマ放電処理あるいは大
    気中でのコロナ放電処理を施されている請求項1〜6の
    いずれか一項に記載の耐熱性ボンディングシート。
  8. 【請求項8】前記熱可塑性ポリイミド層表面の水に対す
    る接触角が50°以下でありかつ、銅張積層板に加工し
    たときの銅箔との接着強度が9.8N/cm以上である請求
    項1〜7のいずれか一項に記載する耐熱性ボンディング
    シート。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか一項に記載のボン
    ディングシートの少なくとも片面に銅箔を積層した銅張
    積層板
JP2000142072A 2000-05-15 2000-05-15 耐熱性ボンディングシート Pending JP2001323086A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000142072A JP2001323086A (ja) 2000-05-15 2000-05-15 耐熱性ボンディングシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000142072A JP2001323086A (ja) 2000-05-15 2000-05-15 耐熱性ボンディングシート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001323086A true JP2001323086A (ja) 2001-11-20

Family

ID=18649103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000142072A Pending JP2001323086A (ja) 2000-05-15 2000-05-15 耐熱性ボンディングシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001323086A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004050352A1 (ja) * 2002-12-05 2004-06-17 Kaneka Corporation 積層体、プリント配線板およびそれらの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004050352A1 (ja) * 2002-12-05 2004-06-17 Kaneka Corporation 積層体、プリント配線板およびそれらの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7285321B2 (en) Multilayer substrates having at least two dissimilar polyimide layers, useful for electronics-type applications, and compositions relating thereto
JP4540964B2 (ja) 低温ポリイミド接着剤組成物
KR100326655B1 (ko) 카바레이필름또는fpc제작용베이스필름에사용되는폴리이미드적층체및그적층체의제조방법
JP2001072781A (ja) ポリイミドフィルムおよびそれを用いた電気・電子機器用基板
JP2002316386A (ja) 銅張積層体およびその製造方法
JP4373433B2 (ja) 両面金属積層板及びその製造方法
JPH08224843A (ja) 多層芳香族ポリイミドフィルム
JP2008188843A (ja) ポリイミド前駆体溶液の多層膜、多層ポリイミドフィルム、片面金属張積層板、および多層ポリイミドフィルムの製造方法
JP2001315256A (ja) フレキシブル金属箔張積層板
JP2002322276A (ja) 新規な熱可塑性ポリイミド樹脂
JP3805546B2 (ja) 耐熱性ボンディングシートの製造方法
JP4630121B2 (ja) 積層体及びプリント配線板
JP2000289165A (ja) 耐熱性ボンディングシート
JP2002363284A (ja) 新規な熱可塑性ポリイミド樹脂
JP3531082B2 (ja) フレキシブル銅張積層板
JP2002114848A (ja) 新規な熱可塑性ポリイミド樹脂およびフレキシブル金属箔張積層体。
JP3356584B2 (ja) フレキシブル銅張積層板
JP4647386B2 (ja) めっき用材料の製造方法および、無電解めっき皮膜の形成方法
JP2001323086A (ja) 耐熱性ボンディングシート
JP2006183132A (ja) 溶液、めっき用材料及びプリント配線板
JP2001139807A (ja) 耐熱性ボンディングシートの製造方法
JP4866589B2 (ja) めっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液及びこれらを用いてなるプリント配線板
JP2004285103A (ja) 熱可塑性ポリイミド及びそれを含有する接着剤
JPH08199124A (ja) ボンディングシート
JP2001260272A (ja) フレキシブル金属箔張積層板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081209