JP2001323005A - 活性エネルギー線硬化型組成物および該組成物からなる硬化塗膜を有する被膜形成体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物および該組成物からなる硬化塗膜を有する被膜形成体

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JP2001323005A
JP2001323005A JP2000143981A JP2000143981A JP2001323005A JP 2001323005 A JP2001323005 A JP 2001323005A JP 2000143981 A JP2000143981 A JP 2000143981A JP 2000143981 A JP2000143981 A JP 2000143981A JP 2001323005 A JP2001323005 A JP 2001323005A
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meth
acrylate
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Juichi Fujimoto
寿一 藤本
Hiroshi Fukushima
洋 福島
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工作業性に優れ、耐水性や耐湿性に優れた
硬化塗膜が得られる活性エネルギー線硬化型組成物及び
耐水性や耐湿性に優れる被膜形成体を提供する。 【解決手段】 ポリエステル(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート等のオリゴマー成分(A)
と一般式[1]で示されるジ(メタ)アクリレート成分
(B)と光重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギ
ー線硬化型組成物および該組成物からなる硬化塗膜を表
面に有する被膜形成体。 【化1】 (RはHまたはCH3 、nおよびmは2〜8のそれぞれ
異なる整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線等の活性エ
ネルギー線照射により硬化する活性エネルギー線硬化型
組成物および該組成物からなる硬化塗膜を有する被膜形
成体に関し、低粘度でありながら、硬化して得られる硬
化塗膜が耐水性や耐湿性に優れる、プラスチックや木材
のコーティングに有用な活性エネルギー線硬化型組成物
および該組成物からなる硬化塗膜を有する被膜形成体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境汚染、省エネルギー、作業環
境汚染等の問題により、希釈溶剤等を実質的には必要と
せず、塗膜を硬化させるのに要するエネルギー量も少な
い、紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化する活
性エネルギー線硬化型組成物が注目を集めている。この
ような活性エネルギー線硬化型組成物は、プラスチック
製の光ディスク、光ファイバー、シート、フィルム等の
コーティング;木工合板、床板、家具、楽器などの木工
製品のコーティング;さらにはインキや接着剤等に多く
利用されるようになってきている。
【0003】このような活性エネルギー線硬化型組成物
は、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタンアクリレート
系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステルア
クリレート系樹脂等のオリゴマー類を主成分とするた
め、そのままでは粘度が極めて高く、塗料として扱うこ
とは困難であった。一般には、このようなオリゴマー類
と、ラジカル重合性不飽和結合を有する低粘度の反応性
希釈剤とを混合することにより、活性エネルギー線硬化
型組成物の塗工操作性は高められている。
【0004】反応性希釈剤としては、例えば、トリプロ
ピレングリコールジアクリレート等のポリオキシアルキ
レン鎖含有アクリレートが、特開平4−149280号
公報、特開平7−330835号公報、特開平8−25
9644号公報に開示されている。しかしながら、これ
ら反応性希釈剤は、これを用いて得られる硬化塗膜が耐
水性や耐湿性に劣る傾向があった。そのため、希釈性能
良好で、かつ得られる硬化塗膜が耐水性等に優れる希釈
剤が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、組成物の粘度が低く、塗工時の作業性に優れ、耐水
性や耐湿性に優れた硬化塗膜を得ることができる活性エ
ネルギー線硬化型組成物および耐水性や耐湿性に優れた
被膜形成体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の活性エネルギー
線硬化型組成物は、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メ
タ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1
種のオリゴマー成分(A)と、下記一般式[1]で示さ
れるジ(メタ)アクリレート成分(B)と、光重合開始
剤(C)とを含有することを特徴とする。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、RはHまたはCH3 を表し、nお
よびmは2〜8の整数をそれぞれ表し、nおよびmはそ
れぞれ異なる整数である。) また、本発明の被膜形成体は、本発明の活性エネルギー
線硬化型組成物からなる硬化塗膜を表面に有することを
特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」は
「アクリル酸および/またはメタクリル酸」を、「(メ
タ)アクリロイル基」は「アクリロイル基および/また
はメタクリロイル基」を、「(メタ)アクリレート」は
「アクリレートおよび/またはメタクリレート」をそれ
ぞれ意味する。
【0010】本発明の活性エネルギー線硬化型組成物
は、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレート
からなる群より選ばれる少なくとも1種のオリゴマー成
分(A)と、下記一般式[1]で示されるジ(メタ)ア
クリレート成分(B)と、光重合開始剤(C)とを含有
するものである。
【0011】
【化3】
【0012】(式中、RはHまたはCH3 を表し、nお
よびmは2〜8の整数をそれぞれ表し、nおよびmはそ
れぞれ異なる整数である。)
【0013】本発明に用いるポリエステル(メタ)アク
リレート、ウレタン(メタ)アクリレートおよびエポキ
シ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なく
とも1種のオリゴマー成分(A)は、本発明の活性エネ
ルギー線硬化型組成物の用途、該組成物からなる硬化塗
膜を有する被膜形成体の要求性能等を考慮して、適宜選
択すればよい。
【0014】使用可能なポリエステル(メタ)アクリレ
ートとしては、例えば、フタル酸、アジピン酸等の多塩
基酸と、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリ
コール等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸また
はその誘導体との反応で得られるポリエステル(メタ)
アクリレート類が挙げられる。
【0015】また、使用可能なウレタン(メタ)アクリ
レートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレ
ンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等
のイソシアネート化合物類と、ポリエチレングリコー
ル、プリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、
ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等
のポリオール化合物類と、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト等の水酸基を持つ(メタ)アクリレート類とを反応さ
せたウレタン(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0016】さらに、使用可能なエポキシ(メタ)アク
リレートとしては、例えば、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂等のグリシジルエーテル化合物に(メタ)ア
クリル酸またはその誘導体を反応させたエポキシ(メ
タ)アクリレート類等が挙げられる。
【0017】本発明においては、下記一般式[1]で示
されるジ(メタ)アクリレート成分(B)を前記オリゴ
マー成分(A)の反応性希釈剤として用いることによ
り、活性エネルギー線硬化型組成物の塗工作業性を良好
とすることができ、なおかつ、これから得られる硬化塗
膜の耐水性等を良好とすることができる。
【0018】
【化4】
【0019】(式中、RはHまたはCH3 を表し、nお
よびmは2〜8の整数をそれぞれ表し、nおよびmはそ
れぞれ異なる整数である。) 一般式[1]のnおよびmが2未満の整数の場合、得ら
れる硬化途膜の収縮が大きくなる傾向にあり、8を超え
る整数の場合、活性エネルギー線硬化型組成物の硬化性
が低下する傾向にある。また、nとmが等しい整数の場
合、分子構造の対称性があがるため、ジ(メタ)アクリ
レート成分(B)の粘度が高くなる傾向にあり、好まし
くない。
【0020】オリゴマー成分(A)(以下、(A)成分
と記す)とジ(メタ)アクリレート成分(B)(以下、
(B)成分と記す)との配合割合は、成分(A)と成分
(B)の合計量100質量%のうち、成分(A)の構成
比率は5〜95質量%の範囲、特に好ましくは10〜9
0質量%の範囲である。また、成分(B)の構成比率は
95〜5質量%の範囲、特に好ましくは90〜10質量
%の範囲である。成分(A)と成分(B)の合計量に対
する成分(B)の構成比率が5質量%より少ない場合に
は、活性エネルギー線硬化型組成物の粘度が高くなりす
ぎて、塗工作業性が低下する傾向にある。また、成分
(A)と成分(B)の合計量に対する成分(B)の構成
比率が95質量%を超える場合には、活性エネルギー線
硬化型組成物の硬化性が低下する傾向にある。
【0021】本発明の活性エネルギー線硬化型組成物
は、前記成分(A)と成分(B)の配合物中に、光重合
開始剤(C)を添加して用いる。光重合開始剤(C)と
しては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル
ベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエー
ト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラ
キノン、2−エチルアントラキノン;2,4−ジエチル
チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4
−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエ
トキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケ
タール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケト
ン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェ
ニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチ
ルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン
等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエ
ーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベ
ンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフ
ィンオキサイド類、メチルベンゾイルホルメート、1,
7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジ
ン等が挙げられる。
【0022】これらの光重合開始剤(C)は、単独でま
たは2種以上を併用して用いることが可能である。光重
合開始剤(C)は、成分(A)および成分(B)からな
る配合物100質量部に対して、好ましくは0.01〜
15質量部の範囲、特に好ましくは0.1〜10質量部
の範囲で添加される。光重合開始剤(C)の添加量が
0.01質量部より少ない場合には、活性エネルギー線
硬化型組成物の光硬化性が極端に低下し、実質的に工業
生産に適さない。また、15質量部を超える場合には、
照射光量が少ない場合に、硬化塗膜に臭気が残る傾向に
ある。
【0023】さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型
組成物には、必要に応じて、エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエ
タノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、
4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミ
ノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン
等の公知の光増感剤を添加してもよい。
【0024】本発明の活性エネルギー線硬化型組成物に
は、必要に応じて、成分(B)以外のラジカル重合可能
なエチレン性不飽和結合を有する化合物を配合すること
ができる。その具体例としては、例えば、N−ビニルホ
ルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2
−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸
ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニル
エーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル
類; アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシ
メチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミ
ド、アクリロイルモルホリン、メチレンビスアクリルア
ミド等のアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アク
リル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)
アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブ
チル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フ
ェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカ
ン、(メタ)アクリル酸アリル、
【0025】(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、
(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸
フェニル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、
ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メ
タ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)ア
クリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリ
ル酸ポリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸
1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸
1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6
−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノ
ナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリ
コール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸
プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピ
レングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレン
グリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレング
リコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコ
ール、ジ(メタ)アクリル酸ポリテトラメチレングリコ
ール、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸
エステル、エトキシレーテッドトリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシレーテッ
ドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エス
テル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、エ
トキシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリル酸エ
ステル、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル
酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
ル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸
エステル類等が挙げられる。
【0026】これらは、単独でまたは2種以上を併用し
て用いることができる。これらのうち、硬化性の点で、
(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物を使用
することが好ましく、(メタ)アクリロイル基を3個以
上有する化合物を使用することがより好ましい。
【0027】本発明の活性エネルギー線硬化型組成物に
は、その他、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電
防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、
重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング
剤等、公知の添加剤を用途に応じて適宜添加することが
できる。
【0028】本発明の被膜形成体は、本発明の活性エネ
ルギー線硬化型組成物を被塗物に塗布した後、活性エネ
ルギー線硬化型組成物を硬化させることによって、被塗
物の表面に硬化塗膜を形成させたものである。被塗物と
しては、光ディスク、レンズ、光ファイバー、シート、
フィルム、紙、ガラス、金属、木材、複合材料等が挙げ
られるが、特に限定されるものではない。
【0029】本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の
被塗物への塗工方法としては、バーコーター法、カーテ
ンフローコーター法、ロールコーター法、スピンコータ
ー法、ディッピング法等、公知の方法を適用可能であ
る。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、
塗料として限定されるものではなく、例えば、注型重合
用組成物やポッティング用組成物として用いることも可
能である。
【0030】本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の
硬化時に使用する光の種類としては、電子線、紫外線、
可視光線等の活性エネルギー線が使用可能である。中で
も、装置コストや生産性の観点から紫外線を利用するこ
とが好ましい。また、光源としては、超高圧水銀ラン
プ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ラン
プ、メタルハライドランプ、高周波誘導水銀ランプ等が
適している。なお、本発明の活性エネルギー線硬化型組
成物の硬化時の雰囲気は、空気、窒素、あるいはアルゴ
ン等の不活性ガス中のいずれでもよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に示す。
【0032】(実施例1)成分(A)として、ビスフェ
ノールA型エポキシジアクリレート20質量部、成分
(B)として、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロ
パンジオールジアクリレート40質量部、光重合開始剤
(C)として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン5質量部およびその他架橋剤成分として、トリメ
チロールプロパントリアクリレート40質量部を混合し
て、組成物1を得た。組成物1の25℃における粘度を
測定したところ、200mPa・sであった。
【0033】次に、帝人化成(株)製パンライトAD9
000TGを射出成型して得た光ディスク(コンパクト
ディスクテスト信号を有する直径12cm、板厚1.2
mm)に、スパッタリング装置(バルザース(株)製、
CDI−900)により、アルミニウムを膜厚50nm
でスパッタリングし、信号記録面にアルミニウム反射膜
を有する光ディスクを得た。この反射膜上に組成物1を
スピンコーターを用いて、平均膜厚6μmとなるように
塗装し、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯(80W/c
m)により、積算光量300mJ/cm2 のエネルギー
量で硬化させて、保護コーティング層を有する光ディス
クを得た。
【0034】得られた光ディスクの保護コーティング面
外観は良好であり、光ディスクエラーカウンタ(シバソ
ク(株)製DX610A)を用い、全トラックのC1エ
ラー平均値を測定したところ、5frames/sec
であった。また、この光ディスクの耐湿性を評価するた
めに、得られた光ディスクを85℃、95%RHの恒温
恒湿槽に500時間放置した。取り出し後、再度、C1
エラー平均値を測定したところ、6frames/se
cであり、ほとんど信号の劣化は見られず良好な耐湿性
を示した。
【0035】(比較例1)成分(A)として、ビスフェ
ノールA型エポキシジアクリレート20質量部、成分
(B)の代わりとして、トリプロピレングリコールジア
クリレート40質量部、光重合開始剤(C)として、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5質量部お
よびその他架橋剤成分として、トリメチロールプロパン
トリアクリレート40質量部を混合して、組成物2を得
た。組成物2の25℃における粘度を測定したところ、
200mPa・sであった。
【0036】実施例1と同様にして光ディスク基材の反
射膜を有する面に、組成物2を、塗布、硬化させて保護
コーティング層を有する光ディスクを得た。得られた光
ディスクの保護コーティング面外観は良好であり、実施
例1と同様に、全トラックのC1エラー平均値を測定し
たところ、5frames/secであった。また、こ
の光ディスクについて、実施例1同様の耐湿試験を実施
した後、再度、C1エラー平均値を測定したところ、1
00frames/secであり、信号特性の劣化が認
められた。すなわち、硬化塗膜が耐湿性に劣るため、硬
化塗膜を通して水分が侵入し、アルミ反射膜が腐食する
ことが判明した。
【0037】(実施例2)成分(A)として、三菱レイ
ヨン(株)製ウレタンアクリレートUK−6074 5
0質量部、成分(B)として、2−ブチル−2−エチル
−1,3−プロパンジオールジアクリレート50質量部
および光重合開始剤(C)として、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン4質量部を混合して、組成物
3を得た。組成物3の25℃における粘度を測定したと
ころ、400mPa・sであった。
【0038】得られた組成物3を、東洋紡社製ポリエス
テルフィルムA−4100にバーコータ#3にて塗装
し、ランプ高さ20cmの高圧水銀灯(120W/c
m)により、積算光量300mJ/cm2 のエネルギー
量で硬化させて、ハードコート処理フィルムを得た。得
られたフィルムの外観は良好であり、JIS K−54
00記載の方法で鉛筆硬度を測定したところ、2Hであ
った。また、得られたフィルムを60℃の温水に10日
間浸漬したあと、取り出してみたところ、外観に変化は
なく、上記同様に鉛筆硬度を測定したところ、2Hであ
り、初期と変化無く良好であった。
【0039】(比較例2)成分(A)として、三菱レイ
ヨン(株)製ウレタンアクリレートUK−6074 5
0質量部、成分(B)の代わりとして、トリプロピレン
グリコールジアクリレート50質量部および光重合開始
剤(C)として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン4質量部を混合して、組成物4を得た。組成物
4の25℃における粘度を測定したところ、400mP
a・sであった。
【0040】得られた組成物3を、実施例2と同様にし
てポリエステルフィルム上に塗装、硬化し、ハードコー
ト処理フィルムを得た。得られたフィルムの外観は良好
であり、JIS K−5400記載の方法で鉛筆硬度を
測定したところ、2Hであった。また、得られたフィル
ムを60℃の温水に10日間浸漬したあと、取り出して
みたところ、外観に濁りが発生していた。上記同様に鉛
筆硬度を測定したところ、HBであり、硬度が低下して
いた。これらのことから、組成物4を硬化させて得た塗
膜は耐水性に劣ることが判明した。
【0041】(実施例3)成分(A)として、三菱レイ
ヨン(株)製ポリエステルアクリレートUK−4003
を 60質量部、成分(B)として、2−ブチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート40
質量部および光重合開始剤(C)として、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン4質量部を混合して、
組成物5を得た。組成物5の25℃における粘度を測定
したところ、400mPa・sであった。
【0042】得られた組成物5を、柾目ナラ材ツキ板合
板上にバーコータ#60にて塗装し、80W/cmの高
圧水銀灯1本、ランプ高さ15cm、積算光量150m
J/cm2 のエネルギー量で硬化させて、塗装面外観を
観察したところ、良好であった。得られた表面硬化合板
の塗装していない面をエポキシ樹脂で封止し、60℃の
温水に10日間浸漬した後、塗装面外観を観察すると、
初期と変化無く、良好であった。
【0043】(比較例3)成分(A)として、三菱レイ
ヨン(株)製ポリエステルアクリレートUK−4003
を 60質量部、成分(B)の代わりとして、トリプロ
ピレングリコールジアクリレートを40質量部および光
重合開始剤(C)として、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン4質量部を混合して、組成物6を得
た。組成物6の25℃における粘度を測定したところ、
400mPa・sであった。
【0044】得られた組成物6を、柾目ナラ材ツキ板合
板上にバーコータ#60にて塗装し、80W/cmの高
圧水銀灯1本、ランプ高さ15cm、積算光量150m
J/cm2 のエネルギー量で硬化させて、塗装面外観を
観察したところ、良好であった。得られた表面硬化合板
の塗装していない面をエポキシ樹脂で封止し、60℃の
温水に10日間浸漬した後、塗装面外観を観察すると、
白化しており、外観不良であった。このことから、組成
物6を硬化させて得た塗膜では耐水性に劣ることが判明
した。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の活性エネ
ルギー線硬化型組成物は、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレートおよびエポキシ
(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくと
も1種のオリゴマー成分(A)と、上記一般式[1]で
示されるジ(メタ)アクリレート成分(B)と、光重合
開始剤(C)とを含有するので、組成物の粘度が低く、
塗工時の作業性に優れ、耐水性や耐湿性に優れた硬化塗
膜を得ることができる。このような活性エネルギー線硬
化型組成物は、プラスチックや木工塗料用のコーティン
グ組成物として工業上非常に有益なものである。また、
本発明の被膜形成体は、本発明の活性エネルギー線硬化
型組成物からなる硬化塗膜を表面に有するので、耐水性
や耐湿性に優れる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 QA13 QB14 QB16 QB20 QB22 QB24 SA05 SA06 SA22 SA24 SA25 SA32 SA52 SA63 SA64 SA84 UA01 VA01 WA02 4J027 AB10 AE02 AE03 AG03 AG04 AG23 AG27 BA19 CB10 CC05 CD08 4J038 FA122 FA251 FA261 FA281 KA03 KA12 MA15 NA04 NA23 PA17 PB03 PB08 PB11 PC02 PC03 PC08 PC10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル(メタ)アクリレート、ウ
    レタン(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)ア
    クリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種のオ
    リゴマー成分(A)と、 下記一般式[1]で示されるジ(メタ)アクリレート成
    分(B)と、 光重合開始剤(C)とを含有することを特徴とする活性
    エネルギー線硬化型組成物。 【化1】 (式中、RはHまたはCH3 を表し、nおよびmは2〜
    8の整数をそれぞれ表し、nおよびmはそれぞれ異なる
    整数である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の活性エネルギー線硬化型
    組成物からなる硬化塗膜を表面に有することを特徴とす
    る被膜形成体。
JP2000143981A 2000-05-16 2000-05-16 活性エネルギー線硬化型組成物および該組成物からなる硬化塗膜を有する被膜形成体 Withdrawn JP2001323005A (ja)

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