JP2019023276A - 窯業系無機基材の目止め方法および窯業系無機基材化粧板の製造方法 - Google Patents

窯業系無機基材の目止め方法および窯業系無機基材化粧板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窯業系無機基材の表面凹部分に対して、フラットな平面が得られる、上塗り塗装剤との密着性が良好な目止め方法であり、およびそれを用いた窯業系無機基材化粧板の製造方法を得る。【解決手段】エポキシアクリレート(A)と、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と、光重合開始剤(C)と、充填剤(D)とを含有する組成物で、粘度が35〜180Pa・sの第1の組成物を塗布した上に、粘度が5〜30Pa・sの第2の組成物を塗布する、粘度の異なる2種類の目止め用樹脂組成物を用いた窯業系無機基材の目止め方法、およびそれを用いた窯業系無機基材化粧板の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、窯業系無機基材の表面凹部分に対して、フラットな平面が得られる目止め方法と、該方法を用いた窯業系無機基材化粧板の製造方法に関する。
一般に窯業系無機質基材は、不燃性や断熱性に優れた建築材料として幅広く用いられている。その中で例えば珪酸カルシウム板は、珪酸質原料と石灰質原料からなる主原料に補強繊維を加えて板状に成形した基材で、比較的比重が軽く加工性に優れ、石膏ボードと比較して耐水性にも優れることから、内壁や外壁の仕上げ下地材として広く使用されている。そしてその表面の仕上げ方法としては、例えば塗装仕上げの場合は、シーラーを塗布後に表面の凹部を目止め材で埋めて表面研磨を行い、中塗り塗装〜上塗り塗装が行われる。この工程で、目止め材として過去には不飽和ポリエステル樹脂およびスチレンモノマーを配合した塗料が使用されていた
その後環境保護の観点からスチレンモノマーの使用削減が求められ、アクリル系の反応性希釈剤への置き換えが進められたが、反応性希釈剤の珪酸カルシウム板への浸透が大きく、塗工作業性で問題が起こる場合があった。こうした問題に対し、基材への反応性希釈剤の浸透を抑制し、塗工環境を改善できる配合として、不飽和ポリエステル樹脂とエポキシ(メタ)アクリレート及び又はウレタンアクリレート、顔料、光開始剤およびアクリル系モノマーからなる紫外線硬化型目止め塗料組成物が提案されている(特許文献1)。しかしながら、表面の凹形状が大きい場合は、目止め剤を塗布して表面切削を行っても平滑性が不充分であるため、上塗り塗装剤を塗布した仕上がり外観でしばしば問題が発生するという課題があった。
特開2003−238844
本発明の課題は、珪酸カルシウム板をはじめとする窯業系無機質基材の表面凹部分に対して、フラットな平面が得られる、上塗り塗装剤との密着性が良好な目止め方法であり、該方法を用いた窯業系無機基材化粧板の製造方法を得る事にある。
請求項1の発明は、エポキシアクリレート(A)と、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と、光重合開始剤(C)と、充填剤(D)とを含有する組成物で、粘度が35〜180Pa・sの第1の目止め用樹脂組成物を塗布した上に、粘度が5〜30Pa・sの第2の目止め用樹脂組成物を塗布し、当該第2の目止め用樹脂組成物の(C)の配合量がラジカル重合成分100重量部に対し1.5−7重量部である、窯業系無機基材の目止め方法を提供する。
また請求項2の発明は、前記多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)が、2官能(メタ)アクリレートモノマー(B1)と3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー(B2)を含む、請求項1記載の窯業系無機基材の目止め方法を提供する。
また請求項3の発明は、前記第2の目止め用樹脂組成物のTI値が、3.0以下であることを特徴とする、請求項1または2いずれか記載の窯業系無機基材の目止め方法を提供する。
また請求項4の発明は、前記窯業系無機基材が珪酸カルシウム板である、請求項1〜3いずれか記載の窯業系無機基材の目止め方法を提供する。
また請求項5の発明は、窯業系無機基材上にシーラーを塗布後、その上に請求項1または2いずれか記載の第1の目止め剤組成物を塗布して硬化後、更にその上に請求項1〜3いずれか記載の第2の目止め剤組成物を塗布して硬化させ、その後に表面切削を行い、その上から上塗り塗装剤を塗布して紫外線硬化することを特徴とする、窯業系無機基材化粧板の製造方法を提供する。
また請求項6の発明は、前記窯業系無機基材が珪酸カルシウム板である、請求項4記載の窯業系無機基材化粧板の製造方法を提供する。
本発明の目止め方法は、珪酸カルシウム板をはじめとする窯業系無機質基材の表面凹部分に埋め込み表面切削をした際に、切削性に優れフラットな平面が得られ、更に上塗り塗装剤との密着性に優れるため、窯業系無機基材化粧板の製造方法として有用である。
本発明の目止め方法で用いる第1および第2の目止め用樹脂組成物の構成は、両者共にエポキシアクリレート(A)と、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と、光重合開始剤(C)と、充填剤(D)を含有する。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含する。
本発明に使用されるエポキシアクリレート(A)は、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と共に反応して樹脂硬化皮膜を形成する主要成分であり、多官能エポキシ樹脂などとアクリル酸を反応させ製造する強靭性や耐熱性に優れるオリゴマーである。多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型またはその水添化物、ビスフェノールF型またはその水添化物、ネオペンチルグリコール-エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオール−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂などがあるが、硬度や凝集力の点でビスフェノールA型タイプが好ましい。また官能基数は、反応性と硬化収縮のバランスが良い2官能が好ましい。
第1の目止め用樹脂組成物での全固形組成分に対する(A)の配合量は、20重量%〜35重量%が好ましく、25重量%〜33重量%が更に好ましい。20重量%以上とすることで充分な凝集力を確保することができ、35重量%以下とすることで作業性に適した粘度を確保できる。第2の目止め用樹脂組成物での全固形組成分に対する(A)の配合量は、5重量%〜30重量%が好ましく、6重量%〜25重量%が更に好ましい。5重量%以上とする事で適度な凝集力を確保でき、30重量%以下とすることで良好な切削性を確保できる。
本発明に使用される多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)は、高粘度の(A)を希釈する反応性希釈剤であると同時に、(A)と反応して硬化皮膜を形成する主要成分である。硬化物の凝集力を向上させるため、反応物の構造が網目構造となる多官能であり、特に無機質基材がアルカリ性となる場合には、白華防止の観点から3官能以上のモノマーを含むことが望ましい。
第1の目止め用樹脂組成物での全固形組成分に対する(B)の配合量は、8重量%〜20重量%が好ましく、10重量%〜18重量%が更に好ましい。8重量%以上とすることで作業性に適した粘度を確保することができ、20重量%以下とすることで基材への浸透量をコントロールできる。第2の目止め用樹脂組成物での全固形組成分に対する(B)の配合量は、20重量%〜40重量%が好ましく、25重量%〜35重量%が更に好ましい。20重量%以上とすることで塗布面をフラットにしやすくなり、40重量%以下とすることで良好な切削性を確保できる。
2官能(メタ)アクリレート(B1)としては、例えばトリエチレングルコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、3−メチル−1.5ペンタンジオールジアクリレート、1.4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、4.6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1.9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1.10−デカンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートがあり、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。これらの中では(A)との相溶性および低粘度である点でトリプロピレングリコールジアクリレートが好ましい。
3官能(メタ)アクリレート(B2)として、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートがある。更に4官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等があり、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。これらの中では(A)との相溶性が良好である点でトリメチロールプロパントリアクリレートが好ましい。
本発明に使用される光重合開始剤(C)は、紫外線や電子線などの照射でラジカルを生じ、そのラジカルが重合反応のきっかけとなるもので、汎用の光重合開始剤で良い。具体的には2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
第1の目止め用樹脂組成物でのラジカル重合性成分100重量部に対する(C)の配合量は、6〜12重量部が好ましく、8〜10重量部が更に好ましい。6重量部以上とすることで充分な皮膜の硬化を確保でき、12重量部以下とすることでコストの上昇を抑えることができる。第2の目止め用樹脂組成物でのラジカル重合性成分に対する(C)の配合量は、1.5〜7重量部であり、2〜6.5重量部が好ましい。1.5重量部未満の場合は硬化性が不充分で強度が弱く、7重量部超の場合は硬化性が進みすぎ切削性が低下する。
本発明に使用される充填剤(D)は、基材凹部への目止め効果の主体となるものであり、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク、カオリンクレー、マイカ、シリカ、珪藻土、ガラスビーズ、有機微粒子などの公知の充填材をあげることができる。これらの中では樹脂との分散性、硬化後の切削性、コストなどの点から炭酸カルシウム及びタルクが好ましい。特に第2の目止め樹脂組成物では、硬度が低いタルクを併用することで切削性を向上させることができる。
充填剤(D)の粒径は平均粒径0.1μm〜50μmが例示されるが、基材の凹面への埋め込み性および樹脂切削性の点で0.5μm〜20μmが好ましく、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。特に第1の目止め用樹脂組成物では、基材凹への埋め込み性が良好な平均粒径1.5μm〜5μmの炭酸カルシウムを使用することが好ましい。また第2の目止め用樹脂組成物では、平均粒径1.5μm〜5μmの炭酸カルシウムに、平均粒径0.5μm〜1.5μmの炭酸カルシウムを併用または平均粒径10μm〜20μmのタルクを併用することにより、切削性が向上し更にフラットな仕上げ面を得ることが期待でき、特にタルクの併用はその効果が大きい。なお平均粒径の測定法はレーザー回折式粒度分布測定器で測定できる。
第1の目止め用樹脂組成物での全固形組成分に対する(D)の配合量は、40重量%〜60重量%が好ましく、45重量%〜55重量%が更に好ましい。40重量%以上とすることでフラットな仕上がり面を確保でき、60重量%以下とすることで適度な表面硬度を確保できる。また第2の目止め用樹脂組成物での全固形組成分に対する(D)の配合量は、32重量%〜65重量%が好ましく、35重量%〜63重量%が更に好ましい。32重量%以上とすることで基材凹部への充分な目止め性を確保することができ、65重量%以下とすることで良好な切削性により平滑面を確保できる。
第2の目止め用樹脂組成物において、平均粒径1.5μm〜5μmの炭酸カルシウムに、平均粒径0.5μm〜1.5μmの炭酸カルシウムを併用する場合の(D)全体に対する割合は、60重量%以下が好ましい。60重量%以下とすることで、フラットな仕上がり面を維持しながら、良好な切削性を確保することができる。また平均粒径10μm〜20μmのタルクを併用する場合の(D)全体に対する割合は、50重量%以下が好ましく、45重量%以下が更に好ましい。50重量%以下とすることで、良好な切削性を維持しながら、充分な表面硬度を確保できる。
更に第2の目止め用樹脂組成物においては、TI値を3.0以下とすることが好ましく、2.5以下とすることが更に好ましい。3.0以下とすることで、サンディング性が向上し表面の凹凸感が無くなるため、トップコート塗料を塗布した後の外観が格段に向上する。
本発明の粘着剤組成物には性能を損なわない範囲で、必要によりポリオール等の粘度調整剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、難燃剤、重合禁止剤等の各種添加剤が含まれていても良い。粘度調整剤のポリオールは、硬化皮膜を硬くすることなく組成物の粘度を上げることが可能である。
第1の目止め用樹脂組成物は窯業系無機基材に塗布されたシーラーの上に塗布される目止め剤で、粘度は35〜180Pa・sである。35Pa・s未満では反応性希釈剤の基材への吸い込み量が多くなりすぎ、180Pa・s超では基材凹部への埋め込み性が低下する。第2の目止め用樹脂組成物は第1の組成物の上に塗布される目止め剤で、粘度は5〜30Pa・sである。5Pa・s未満では液たれ等で作業性が低下し、30Pa・s超では塗布面の平滑性が低下する。粘度が比較的高い第1の目止め用樹脂組成物を塗布することで基材への反応性希釈剤の浸み込みを押さえで基材凹部への目止めを行い、更に粘度が低い第2の目止め用樹脂組成物を塗布することで表面を平滑にできるため、上塗り塗装剤を塗布しても優れた仕上がり外観を得ることが可能となる。なお第1の目止め用樹脂組成物粘度はBH型粘度計を用い、No.7ローターで25±1℃、回転数20rpmで測定し、第2の目止め樹脂組成物粘度はBM型粘度計を用い、No.4ローターで25±1℃、回転数12rpmで測定する。
本発明の塗料組成物を珪酸カルシウム板などの窯業系無機質基材に塗布する前には、目止め剤との密着性向上、基材への反応性希釈剤の吸い込みを低減する目的で、シーラーを塗布することが好ましい。シーラー塗料は特に指定はなく、水系、溶剤系、無溶剤系いずれでも良い。水系および溶剤系は塗布後に乾燥させる必要があり、生産性の面では無溶剤系のプライマーが好適である。シーラー層の塗布量は乾燥塗膜で15〜100g/mが好ましい。
本発明の塗料組成物を珪酸カルシウム板などの窯業系無機質基材に塗布する塗布方法としては、ロールコート、バーコート、ブレードコートなど公知の塗工方法でよい。特にロールコート法では、ナチュラルリバースロールコーター、ナチュラルロールコーター、リバースロールコーターなどがあるが、本組成物の塗布には塗工表面の平滑化の点でナチュラルリバースロールコーターが好ましく、また第2の目止め用樹脂の塗布方法も同様である。第1の目止め用樹脂組成物の塗布量は65〜85g/m2が好ましく、第2の目止め用樹脂組成物の塗布量も同様に65〜85g/m2が好ましい。第1および第2の目止め用樹脂組成物の塗布量の各下限以上とすることで基材凹部の目止めを行うことができ、各上限以下とすることで上塗りの化粧面と基材との密着性確保し、また不燃性を維持できる。
本発明の目止め塗料組成物を塗布後、紫外線硬化させる場合は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ等の公知の光源を使用できる。第1の目止め用樹脂組成物の積算光量として30〜200mJ/cmが好ましく、この範囲に保つことで硬化が進みすぎることなく第2の目止め組成物と良好な密着性を確保できる。第2の目止め用樹脂組成物の積算光量としては250〜700mJ/cmが好ましく、この範囲に保つことで適度な硬化性と良好な切削性を両立できる。
本発明の塗料組成物を紫外線硬化後には、表面の平滑性を向上させるためベルトサンダー等により切削処理を行う事が好ましい。ベルトサンダーの荒さとしては♯120〜♯400が好ましく、♯200〜♯300が更に好ましい。また異なる荒さのベルトサンダーを荒いものから細かいものへ順番に複数連結してサンディングすることで、表面の仕上がりを更に平滑化できる。
上記切削処理後、仕上げ加工としてトップコートを行う。トップコート塗料は特に指定はなく紫外線硬化型、熱硬化型いずれでも良いが、生産性の面では紫外線硬化型が好適である。トップコートをすることで、表面の保護だけでなく、着色剤を添加することにより装飾性を付与することも可能である。またトップコートは、様々な表面特性を付与するため複数回塗布することも可能であり、こうした方法により窯業系無機機材化粧板を製造することができる。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。なお表記が無い場合は、室温は25℃相対湿度65%の条件下で測定を行った。
目止め用樹脂組成物の調整
(A)としてAgysin1010(商品名:DSM-AGI社製、ビスフェノールA型エポキシジアクリレート)を、(B1)としてAPG-200(商品名:新中村化学社製、トリプロピレングリコールジアクリレート)を、(B2)としてTMP-A(商品名:共栄社製、トリメチロールプロパントリアクリレート)を、(C)としてIrgacure184(商品名:BASFジャパン社製)を、(D)として重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、平均粒径3μm)およびホワイトンSB(商品名:白石カルシウム社製、平均粒径1.8μm)およびナノックス23(商品名:丸尾カルシウム社製、平均粒径0.9〜1.5μm)およびタルクRS515(商品名:富士タルク工業社製、平均粒径15μm:メディアン径D50)を、ポリオールとしてHSポリオール2000(商品名:豊国製油社製、ポリエステルポリオール)用い、表1および表2記載の配合にて遮光ビンに入れ均一になるまで撹拌脱泡し、実施例1〜13および比較例1〜2の目止め用樹脂組成物を調整した。
表1 第1の目止め樹脂組成物
表2 第2の目止め樹脂組成物

切削性評価基材の作成
ヒシタイカ(商品名:アイカテック建材社製、厚さ6mm珪酸カルシウム板)上にシーラーとしてウレタン樹脂を45g/m2塗布し24時間室温放置後、バーコーターを用い第1の目止め樹脂組成物を70〜80g/m塗布し、アイグラフィック社製の露光装置アイミニグランテージECS−151Uを用い、高圧水銀灯光源で出力110mW/cm2、積算光量60mJ/cm2で紫外線照射して硬化させ、その上から第2の目止め樹脂組成物を70〜80g/m塗布し、同じく高圧水銀灯光源により出力380mW/cm2、積算光量440mJ/cm2で紫外線照射して硬化させた。
無機基材化粧板の作成
ヒシタイカ(商品名:アイカテック建材社製、厚さ6mm珪酸カルシウム板)上にシーラーを上記と同条件で塗布し24時間室温放置後、ナチュラルリバースロールコーターを用い第1の目止め樹脂組成物を70〜80g/m塗布し、高圧水銀灯光源を用い出力110mW/cm、積算光量60mJ/cmで紫外線照射して硬化させ、その上からナチュラルリバースロールコーターを用い第2の目止め樹脂組成物を70〜80g/m塗布し、同じく高圧水銀灯光源により出力380mW/cm2、積算光量440mJ/cm2で紫外線照射して硬化し24時間室温放置した。その後#220と♯280のベルトサンダーを用いサンディング処理行い、その上からトップコートとしてアクリル樹脂を塗装した。
評価方法は以下の通りとした。なお第2の目止め用樹脂組成物を評価する場合の下地としては、実施例3に記載した第1の目止め用樹脂組成物を用いた。
粘度:第1の目止め樹脂組成物はトキメック社製のBH型粘度計DVH-B-4−2を用い、No.7ローターで25±1℃、回転数20rpmで測定した。第2の目止め樹脂組成物は東機産業製のBM型粘度計TVB−10を用い、No.4ローターで25±1℃、回転数12rpmで測定した。
TI値:上記BH型粘度計DVH-B-4−2を用い、No.5ローターで25±1℃、回転数20rpmで測定した粘度をaとし、回転数2rpmで測定した粘度をbとして、TI値=b/aにて算出した。
外観:前記無機基材化粧板の仕上がり外観について、表面平滑性と目止め効果について目視で評価し、フラットな仕上がり感を○、更に仕上がりが優れたものを◎、凹凸のある仕上がり感を×とした。
塗工性:前記無機基材化粧板を用い、目止め樹脂組成物をナチュラルリバースロールコーターで塗布する際の塗布量調節の容易さと塗布面の仕上がりの面から塗工適正について評価し、適正塗布量での塗布が可能な場合を○、塗布量調節が困難で適正塗布量での塗布が出来ない場合を×とした。
硬度:東洋精機製作所製の鉛筆引っかき塗膜硬さ試験機を用い、JIS5600−5−4に準拠して測定した。試験片としては前記切削性評価基材を用いた。
切削性:前記切削性評価基材を用い、第2の目止め用樹脂組成物の切削性について#320の研磨紙で切削した際の仕上がりを目視で確認することで評価した。均一に切削された仕上がりを○、均一に切削され仕上がりが優れたものを◎、不均一な仕上がりを×とした。
評価結果を表2に示す。
表3 第1の目止め樹脂組成物

表4 第2の目止め樹脂組成物
実施例の目止め用樹脂組成物を塗布した各評価結果はいずれも良好であった。特にタルクを配合することで切削性が更に向上し、またTI値を3.0以下にすることで仕上がり外観が更に向上した。
一方、(C)が下限を下回った比較例1は硬化せず、上限を超えた比較例2は切削性が劣り、いずれも本願発明に適さないものであった。
本発明の目止め方法は、珪酸カルシウム板をはじめとする窯業系無機質基材の表面凹部分に埋め込み表面切削をした際に、切削性に優れフラットな平面が得られ、更に上塗り塗装剤との密着性に優れるため、窯業系無機基材の目止め方法および窯業系無機基材化粧板の製造方法として有用である。




Claims (6)

  1. エポキシアクリレート(A)と、多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)と、光重合開始剤(C)と、充填剤(D)とを含有する組成物で、粘度が35〜180Pa・sの第1の目止め用樹脂組成物を塗布した上に、粘度が5〜30Pa・sの第2の目止め用樹脂組成物を塗布し、当該第2の目止め用樹脂組成物の(C)の配合量がラジカル重合成分100重量部に対し1.5−7重量部である、窯業系無機基材の目止め方法。
  2. 前記多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)が、2官能(メタ)アクリレートモノマー(B1)と3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー(B2)を含む、請求項1記載の窯業系無機基材の目止め方法。
  3. 前記第2の目止め用樹脂組成物のTI値が、3.0以下であることを特徴とする、請求項1または2いずれか記載の窯業系無機基材の目止め方法。
  4. 前記窯業系無機基材が珪酸カルシウム板である、請求項1〜3いずれか記載の窯業系無機基材の目止め方法。
  5. 窯業系無機基材上にシーラーを塗布後、その上に請求項1または2いずれか記載の第1の目止め剤組成物を塗布して硬化後、更にその上に請求項1〜3いずれか記載の第2の目止め剤組成物を塗布して硬化させ、その後に表面切削を行い、その上から上塗り塗装剤を塗布して紫外線硬化することを特徴とする、窯業系無機基材化粧板の製造方法。
  6. 前記窯業系無機基材が珪酸カルシウム板である、請求項5記載の窯業系無機基材化粧板の製造方法。

JP2018019436A 2017-02-07 2018-02-06 窯業系無機基材の目止め方法および窯業系無機基材化粧板の製造方法 Active JP7133933B2 (ja)

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