JP2001322892A - 単結晶材製造方法、シード基板、ダイおよび単結晶材製造装置 - Google Patents

単結晶材製造方法、シード基板、ダイおよび単結晶材製造装置

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JP2001322892A JP2000137781A JP2000137781A JP2001322892A JP 2001322892 A JP2001322892 A JP 2001322892A JP 2000137781 A JP2000137781 A JP 2000137781A JP 2000137781 A JP2000137781 A JP 2000137781A JP 2001322892 A JP2001322892 A JP 2001322892A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品の歩留まりを向上すること。 【解決手段】 エッジデファインド・フィルムフェッド
・グロース(EFG)法により単結晶材を製造する単結
晶材製造方法において、平板形状の単結晶を成長させる
液だまり304の長手方向に対して垂直な方向に結晶成
長用のシード基板130を配置して引き上げることによ
り、平板形状の単結晶材を製造する。すなわち、シード
基板130と原料の溶融液面との接触面積を小さくする
ことにより、結晶欠陥の発生確率を小さくすることがで
き、これにより、製造する単結晶材の歩留まりを向上す
ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶材製造方
法、シード基板、ダイおよび単結晶材製造装置に関し、
特に、板状の単結晶材を製造する単結晶材製造方法、シ
ード基板、ダイおよび単結晶材製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、単結晶を成長させる方法として、
チョクラルスキー(CZ)法、ヒートエクスチェンジ
(HEM)法、ベルヌイ法、エッジデファインド・フィ
ルムフェッド・グロース(EFG)法などが知られてい
る。このうち、板状の単結晶材を製造する方法としては
EFG法が唯一の方法として知られている。
【0003】図12は、従来のEFG法によりサファイ
ヤ(Al23)を成長させ単結晶板を製造する様子を示
した図である。図において、1201は単結晶成長用の
シード基板、すなわち、結晶成長させる種となる種基板
を、1202は結晶成長させたい形状を決定するダイ
を、1203はシード基板1201と同一組成の原料を
溶融するるつぼを、1204はるつぼ1203を加熱す
るヒータを、1205はシード基板1201を挟む保持
部を、1206は保持部1205を引き上げるシャフト
を示す。
【0004】図12から明らかなように、ダイ1202
には毛細管現象により溶融液を上部に導くべく微少空隙
(キャピラリ)1207が設けられている。EFG法
は、このキャピラリ1207に充たされた溶融液をシー
ド基板1201に接触させ、シャフト1206を緩やか
に引き上げ単結晶を成長させる方法である。なお、シー
ド基板下部の点線1208はシード基板1201の下辺
を示し、点線1209は結晶と溶融液の境界、すなわ
ち、結晶成長領域を示す。以降においては、ダイ120
2のうち結晶成長領域1209を形成する部分を液だま
り1210と称することとする。
【0005】図に示したように、液だまり1210部分
の溶融液面の形状は非常に細長い長方形であるので、引
き上げられた単結晶材、すなわち、得られる単結晶材は
平板形状となる。ただし、EFG法では、液だまり12
10の形状にしたがって結晶が成長するので、液だまり
1210の形状が円筒形状であれば円筒状の単結晶材が
得られ、四角形の形状であれば四角形の単結晶材が得ら
れることとなる。
【0006】また、EFG法では、シード基板と同一の
結晶の向き(結晶方位)となる様に結晶が成長する。こ
こでは説明の簡単のため、EFG法により所定の結晶方
位を持ったサファイヤ(Al23)の平板形状の単結晶
材を製造する場合について説明する。図13は、シード
基板と得られた単結晶材それぞれの結晶方位の様子を示
した図であり、同図(a)は、結晶成長前のシード基板
の斜視図を、同図(b)は、結晶成長後の単結晶材の平
面図を、同図(c)は、結晶成長後の単結晶材の側面図
を示す。図において、1301は成長した単結晶材を示
す。
【0007】図13(a)に示したように、シード基板
1201は、その基板平面がc面となるように加工され
たものである。このシード基板1201を用いて図12
に示したダイ1202により結晶成長させると、図13
(b)および(c)に示したように、シード基板120
1と同様の結晶方位をとりながら単結晶材1301が成
長する。なお、以降において基板平面とは、シード基板
1201もしくは得られた結晶材の平面のうち最も広い
平面をいうものとする。
【0008】このように、EFG法によれば、液だまり
の形状にしたがって結晶が成長し、かつ、シード基板の
結晶方位を維持しつつ結晶が成長するという利点があ
る。したがって、EFG法は、所定の結晶方位を有する
単結晶板を製造する場合に、極めて利用価値が高い結晶
製造方法である。特に、単結晶材の加工が困難であると
きに、その利用価値が一層高くなる。
【0009】例えば、青色発光素子GaNをエピタキシ
ャル成長させる基板として、c面を基板平面とするサフ
ァイヤ基板を製造する場合を考える。このときCZ法で
は、製造された円筒結晶をスライスし、次に結晶方位を
測定し、さらにc面が基板平面となるように一枚一枚面
出し研磨をおこなう必要がある。これに対して、EFG
法では、シード基板の基板平面をc面としておけば、ス
ライス工程や結晶方位の測定工程は不要となる。
【0010】さらに、EFG法では、基板の厚さを一定
になるように結晶成長させることが可能であるので、面
出し研磨も比較的容易となる。特に、サファイヤは硬度
が高く加工が困難なので、工程数を少なくでき、面出し
工程における制御も容易となるEFG法による単結晶材
の製造方法は、非常に利用価値が高いといえる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では以下の問題点があった。まず、EFG法によっ
て平板形状の単結晶材を製造する場合は、シード基板の
下辺(溶融液に接触する接触面)で結晶欠陥が発生し、
単結晶材の品質が悪くなる場合があるという問題点があ
った。
【0012】図14は、結晶欠陥を有する単結晶材の成
長例を示した図である。図に示したように、単結晶材1
301は、下辺1208のある位置から成長した結晶欠
陥1401が存在する。このような結晶欠陥1401
は、シード基板1201の下辺1208に存在する結晶
欠陥によって生じたり、シード基板1201と溶融液と
の温度差によって生じると考えられている。
【0013】EFG法は、前述したように、シード基板
の結晶方位がそのまま反映されて結晶成長するので、こ
のような結晶欠陥1401は所定の方向に進行する。結
晶欠陥は一方向に線状に進行して結晶材端部で抜けきる
場合もある。しかしながら、c面を基板平面としてサフ
ァイヤ単結晶材を製造する場合には、図に示したように
左右に広く成長する場合もある。いずれにせよ、従来で
は、結晶欠陥により得られる単結晶材の歩留まりが低く
なる場合があるという問題点があった。
【0014】一方、結晶の成長速度には限界があるた
め、EFG法により一枚のシード基板を用いて製造する
ことのできる単結晶材の枚数には限界がある。すなわ
ち、従来のEFG法では単位シード基板当たりの単結晶
材の製造速度が低いという問題点があった。
【0015】この場合において、一つのるつぼにダイを
複数設けて、それぞれのダイから結晶成長させることに
より見かけの製造速度を向上することも可能である。し
かしながら、この場合は複数のシード基板が必要であ
り、それぞれのシード基板における成長制御をおこなう
必要があるため、得られた単結晶材の品質がばらつきや
すいという問題点が生じる。
【0016】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、製品の歩留まりを向上することを目的とする。次
に、製造速度を向上することを目的とする。さらに、品
質のばらつきを少なくすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の単結晶材製造方法は、エッジデフ
ァインド・フィルムフェッド・グロース(EFG)法に
より単結晶材を製造する単結晶材製造方法において、平
板形状の単結晶を成長させる原料溶融液面の長手方向に
対して垂直な方向に結晶成長用のシード基板を配置して
引き上げることにより、前記平板形状の単結晶材を製造
することを特徴とする。
【0018】すなわち、請求項1に係る発明によれば、
シード基板を溶融液面と垂直な位置関係として、シード
基板と溶融液面との接触面積を小さくすることができ
る。これにより、結晶欠陥の発生確率を小さくすること
が可能となり、製造する単結晶材の歩留まりを向上する
ことが可能となる。
【0019】また、請求項2に記載の単結晶材製造方法
は、請求項1に記載の単結晶材製造方法において、前記
原料溶融液面を複数設け、当該溶融液面を平行に位置さ
せて、前記シード基板一枚につき前記平板形状の単結晶
材を複数枚製造することを特徴とする。
【0020】すなわち、請求項2に係る発明によれば、
一つのシード基板に平板形状の単結晶材をぶら下げるか
たちで複数枚同時に製造することができる。これによ
り、製造速度を向上することが可能となる。また、従来
のEFG法では、一つのシード基板に対して一つの単結
晶材しか製造できなかったため、複数枚同時に製造する
際にはその数分シード基板を用意する必要があったが、
本発明によれば、一つのシード基板で複数の単結晶材が
製造でき、単結晶材の製造コストを下げることが可能と
なる。
【0021】また、請求項3に記載の単結晶材製造方法
は、請求項2に記載の単結晶材製造方法において、前記
シード基板を所定の結晶方位を有する単結晶材としたこ
とを特徴とする。すなわち、請求項3に係る発明によれ
ば、各単結晶材の結晶軸方向を所望の方向に揃えること
ができる。したがって、同一の結晶方位を持ち、品質の
ばらつきの少ない単結晶材を複数同時に製造することが
可能となる。
【0022】また、請求項4に記載の単結晶材製造方法
は、請求項1、2または3に記載の単結晶材製造方法に
おいて、結晶成長を開始させる際に、前記原料溶融液面
を形成するダイに前記シード基板を接触させて一部溶融
し、その後当該シード基板を前記原料溶融液面に接触さ
せることを特徴とする。
【0023】すなわち、請求項4に記載の発明によれ
ば、シード基板と溶融液との温度差を小さくすることが
でき、結晶欠陥の発生確率をさらに低くすることが可能
となる。したがって、製造する単結晶材の歩留まりを向
上することが可能となる。また、本発明によれば、シー
ド基板の底面、すなわち、結晶成長を開始させる辺を特
に加工する必要がなく、単結晶材の製造コストを下げる
ことが可能となる。
【0024】また、請求項5に記載の単結晶材製造方法
は、請求項1〜4の何れか一つに記載の単結晶材製造方
法において、結晶成長を開始させた初期の段階におい
て、ネックを形成するように結晶成長させることを特徴
とする。
【0025】すなわち、請求項5に係る発明によれば、
シード基板もしくは製造する平板形状の単結晶材の厚さ
程度の径を有する細首(ネック)を製造初期の段階で形
成することにより、結晶欠陥があった場合であっても、
その進行方向によっては、これを短時間にかつ原料の無
駄を最小限に抑制しつつ除去することができる。これに
より、製造する単結晶材の歩留まりを向上することが可
能となる。
【0026】また、請求項6に記載の単結晶材製造方法
は、請求項1〜5の何れか一つに記載の単結晶材製造方
法において、結晶成長を開始させた初期の段階におい
て、前記原料溶融液を降温して結晶の幅を広げることを
特徴とする。すなわち、請求項6に係る発明によれば、
ネックを形成した後もしくは結晶成長開始直後から溶融
液面の長手方向へ結晶成長させることができ、平板形状
の単結晶材の幅を広げることが可能となる。したがっ
て、溶融液面の長手方向のダイの端まで使用して幅広の
単結晶板を製造することができ、単結晶材の歩留まりを
向上することが可能となる。
【0027】また、請求項7に記載の単結晶材製造方法
は、請求項1〜6の何れか一つに記載の単結晶材製造方
法において、前記シード基板および前記原料がAl23
であることを特徴とする。すなわち、請求項7に係る発
明によれば、硬度が高く加工の難しいサファイヤ板を、
所望の結晶方位および板厚みを持たせて成長させること
が可能となる。特に、サファイヤのc面を基板平面とす
る際の歩留まりを向上することが可能となる。
【0028】また、請求項8に記載のシード基板は、E
FG法において使用する単結晶成長用のシード基板であ
って、結晶成長を開始させる一辺に、単結晶を成長させ
るための複数の原料溶融液面に接触させる凹凸形状部分
を設けたことを特徴とする。すなわち、請求項8に係る
発明によれば、まず凸部が溶融液に接触し、単結晶材を
引き上げ成長させる場合も、凸部が最後まで溶融液に接
触しているので、結晶成長の開始点が定まりにくい平坦
な辺である場合と異なり、凸部から結晶成長を開始させ
ることができる。
【0029】したがって、結晶成長の開始の際の制御が
容易で、結晶成長の開始時における安定性が向上し、単
結晶材の歩留まりを向上することが可能となる。また、
ネックを形成する際の制御も容易となり、この点からも
単結晶材の歩留まりを向上することが可能となる。ここ
で凹凸とは、具体的にはダイ上部に形成される溶融液面
の間隔に従うが、その形状としては、例えば、波形、鋸
形、櫛歯形が挙げられる。また、溶融液面に速やかにシ
ード基板を到達させ、かつ、引き上げ開始も速やかにお
こなうことができ、これにより、製造速度を向上するこ
とが可能となる。
【0030】また、請求項9に記載のシード基板は、請
求項8に記載のシード基板において、端部に切り欠き部
もしくは内部に切り欠き穴を設けたことを特徴とする。
すなわち、請求項9に係る発明によれば、切り欠き部も
しくは切り欠き穴をシード基板を引き上げる際の掛かり
として、シード基板を保持する保持部とシード基板との
接触面積を小さくすることができる。これにより、保持
部とシード基板との熱膨張や熱収縮の相違による歪みを
低減することができ、シード基板の破損確率を低減する
ことが可能となる。これにより、単結晶材の歩留まりを
向上することが可能となる。
【0031】また、請求項10に記載のシード基板は、
請求項8または9に記載のシード基板において、前記シ
ード基板を単結晶材としたことを特徴とする。すなわ
ち、請求項10に係る発明によれば、各単結晶材の結晶
軸方向をそれぞれ揃えることができる。したがって、同
一の結晶方位を持ち品質のばらつきの少ない単結晶材を
複数同時に製造することが可能となる。
【0032】また、請求項11に記載の記載のダイは、
EFG法において使用するダイであって、平板形状の単
結晶を成長させるための原料溶融液面を形成する液だま
り部を複数設け、かつ、前記原料溶融液面それぞれの長
手方向が相互に平行となるように当該複数の液だまり部
を形成したことを特徴とする。
【0033】すなわち、請求項11に係る発明によれ
ば、平板形状の単結晶材を複数枚同時に製造することが
でき、製造速度を向上することが可能となる。また、溶
融液面長手方向が平行に揃っているので、シード基板を
溶融液面に接触させる際の位置出しが容易になり、単結
晶材の歩留まりを向上することが可能となる。特に、単
結晶のシード基板を液だまりに垂直に配置する場合にあ
っては、さらに、品質のばらつきの少ない単結晶材を複
数同時に製造することが可能となる。
【0034】また、請求項12に記載のダイは、請求項
11に記載のダイにおいて、前記液だまり部に切り欠き
部をそれぞれ設け、当該切り欠き部を結ぶ線が直線であ
り、当該直線が当該液だまり部の長手方向に垂直である
ことを特徴とする。
【0035】すなわち、請求項12に係る発明によれ
ば、切り欠き部がガイドとなり、シード基板の位置決め
を容易におこなうことができる。したがって、製造され
た平板形状の単結晶材の品質のばらつきを各バッチ間で
も少なくすることが可能となる。
【0036】また、請求項13に記載の単結晶材製造装
置は、EFG法によりシード基板を引き上げて単結晶材
を製造する単結晶材製造装置において、平板形状の単結
晶を成長させるための原料溶融液面を形成する液だまり
部を複数設け、かつ、前記原料溶融液面それぞれの長手
方向が相互に平行となるように当該複数の液だまり部を
形成したダイと、前記ダイを前記引き上げ方向と平行な
方向を軸として回転する回転手段と、前記回転手段を制
御して前記シード基板とダイの位置関係を調整する回転
制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0037】すなわち、請求項13に係る発明によれ
ば、平板形状の単結晶材を複数枚同時に製造する際のシ
ード基板とダイとの位置決めを精度よくおこなうことが
でき、これにより、単結晶材の歩留まりを向上すること
が可能となる。
【0038】また、請求項14に記載の単結晶材製造装
置は、EFG法によりシード基板を引き上げて単結晶材
を製造する単結晶材製造装置において、平板形状の単結
晶を成長させるための原料溶融液面を形成する液だまり
部を複数設け、かつ、前記原料溶融液面それぞれの長手
方向が相互に平行となるように当該複数の液だまり部を
形成したダイと、前記シード基板を前記引き上げ方向と
平行な方向を軸として回転する回転手段と、前記回転手
段を制御して前記シード基板とダイの位置関係を調整す
る回転制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0039】すなわち、請求項14に係る発明によれ
ば、平板形状の単結晶材を複数枚同時に製造する際のシ
ード基板とダイとの位置決めを精度よくおこなうことが
でき、これにより、単結晶材の歩留まりを向上すること
が可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら詳細に説明する。ここでは、EFG法に
よりサファイヤのシード基板一枚を用いて、得られる平
板がc面となっている板状単結晶材を複数枚同時に製造
する場合を説明する。図1は、EFG法により、平板形
状の単結晶材を複数枚同時に製造する単結晶材製造装置
の概略構成図である。図において、単結晶材製造装置1
00は、板状単結晶材を育成する育成容器101と、育
成した単結晶材を引き上げる引き上げ容器102とから
構成される。
【0041】育成容器101は、原料であるサファイヤ
(Al23)を溶融するモリブデン製のるつぼ111
と、るつぼ111を鉛直方向を軸として回転させるるつ
ぼ駆動部112と、るつぼ111を加熱するヒータ11
3と、ヒータ113を通電する電極114と、るつぼ1
11内に設置されサファイヤを引き上げる際の溶融液面
の形状を決定するモリブデン製のダイ115と、これら
を取り囲む断熱材116を有する。
【0042】また、育成容器101は、るつぼ111や
ヒータ113やダイ115の酸化消耗を防止するために
育成容器101内をアルゴン雰囲気とする雰囲気ガス導
入口117および育成容器101内を排気する排気口1
18を有する。
【0043】引き上げ容器102は、シード基板130
を保持するシャフト121と、シャフト121をるつぼ
111へ向けて昇降し、また昇降方向を軸としてシャフ
ト121を回転するシャフト駆動部122と、育成容器
101と引き上げ容器とを仕切るゲートバルブ123
と、シード基板130を入出する基板入出口124と、
から構成される。なお、図示は省略するが、単結晶材製
造装置100には、るつぼ駆動部112およびシャフト
駆動部122の回転を制御する制御部が備わっている。
【0044】なお、図において140は、シード基板1
30から成長した複数の平板形状の単結晶材を示す。シ
ード基板130と単結晶材140とは90°の角度をな
しているので、図では板状単結晶材140の側面を便宜
上線で示している。
【0045】次に、単結晶材140の製造の流れを概説
する。図2は、単結晶材140の製造の流れの一例を示
したフローチャートである。まず、造粒されたサファイ
ヤ原料粉末(99.99%酸化アルミニウム)をダイ1
15が設置されたるつぼに所定量充填する(ステップS
201)。続いて、育成容器101内をアルゴンガスで
置換し酸素濃度を4ppm以下とする(ステップS20
2)。これは、前述したようにるつぼ111やヒータ1
13もしくはダイ115を酸化消耗させないためにおこ
なう。
【0046】続いてヒータ113で加熱してるつぼ11
1を所定の温度とする(ステップS203)。サファイ
ヤの融点は2050℃であるので、所定の温度を例えば
2100℃に設定する。しばらくすると、サファイヤが
溶融する。このとき、溶融液の一部はダイ115のキャ
ピラリを通りダイ115の表面に達する。
【0047】ここで、ダイ115の形状について説明す
る。図3はダイ115の外観図であり、同図(a)は平
面図、同図(b)は正面図、同図(c)は側面図を示
す。ダイ115はモリブデン製であり、多数のしきり板
301を有する。しきり板301は同一の平板形状を有
し、微少間隙(キャピラリ)303を形成するように平
行に配置されている。
【0048】しきり板301の上部は斜面302となっ
ており、斜面302は向かい合わせに配置され、キャピ
ラリ303を通ってきた溶融液の液だまり304を形成
する。EFG法では、液だまり304で形成される溶融
液面の形状にしたがって結晶が成長する。図に示したダ
イ115では、溶融液面の形状は非常に細長い長方形と
なるので平板形状の単結晶材140を製造することが可
能となる。
【0049】ステップS203を経てサファイヤが溶融
した後、シード基板130を溶融液面の長手方向に垂直
な角度に保持しつつ降下させ溶融液面に接触させる(ス
テップS204)。シード基板130は、予め基板入出
口124からを引き上げ容器102内に導入しておく。
ここではまず、シード基板130の形状について説明
し、次にシード基板130とダイ115との位置関係に
ついて説明する。
【0050】シード基板130は、シャフト121の下
部の基板保持具(図示せず)との接触面積が大きいと、
熱膨張率の差による応力のため変形し、場合によっては
破損する。反対に熱膨張率の差によりシード基板の固定
がゆるむ場合もある。したがって、シード基板130と
基板保持具との接触面積は小さい方が好ましい。また、
シード基板130を基板保持具に確実に固定できる基板
形状である必要がある。
【0051】図4は、シード基板130の基板形状の一
例を示した図である。このうち、同図(a)および
(b)は、シード基板130の上部に切り欠き部401
を設けたものである。この形状を利用して、例えば、端
部2カ所の切り欠き部401の下側からU字形の保持具
を差し込んで、接触面積を小さくしつつ確実にシード基
板130を保持することが可能となる。
【0052】また、図4(c)に示したように、シード
基板130内部に切り欠き穴402を設けてもよい。こ
の形状を利用して、例えば、端部2カ所の切り欠き穴4
02に係止爪を差し込んで、接触面積を小さくしつつ確
実にシード基板130を保持することが可能となる。
【0053】シード基板130としきり板301との位
置関係は垂直とする。図5は、シード基板としきり板3
01との位置関係を示した図である。シード基板130
をしきり板301と交叉させることにより、溶融液との
接触面積を小さくすることが可能となる。このような位
置関係とすることにより、シード基板130の接触部分
が溶融液となじみ、結晶欠陥が生じにくくなる。
【0054】なお、図に示したように、シード基板13
0としては、c軸が水平であり基板平面に沿ったものを
用いる。換言すると、シード基板130としては、c軸
がしきり板301と垂直となるものを用いる。これは、
製造する平板形状の単結晶材140の平面をc面とする
ためである。
【0055】ステップS204においては、シード基板
130を溶融液面に接触させる際に、シード基板130
の下部をしきり板301の上部に接触させて溶融しても
よい。図6は、シード基板130の一部を溶融する様子
を示した図である。このようにシード基板130の一部
を溶融することにより、速やかに温度差をなくすことが
でき、結晶欠陥の発生確率をさらに低下することが可能
となる。
【0056】ステップS204に続いて、シード基板1
30の引き上げを開始しネックを育成する(ステップS
205)。以降ではこの工程をネッキング工程と称す
る。図7はネックが成長する様子を示した説明図であ
る。ネック701は、シード基板130の厚さもしくは
液だまり304の幅程度の径を有する細首の形状を有す
る結晶部分であり、結晶欠陥を除去するために形成す
る。ネック701はその径の3倍程度の長さ育成する。
この程度結晶成長させると、結晶欠陥が発生した場合で
あっても、その欠陥は除去される。
【0057】ネッキング工程を経ることにより、結晶欠
陥のない板状単結晶材140を製造することが可能とな
る。なお、本発明の製造方法によれば、シード基板と溶
融液面とを平行に接触させる場合と比較して、結晶欠陥
が除去されるまでに必要な原料が少なくてすむので、製
造コストを下げることも可能となる。また、結晶欠陥が
抜けきるまでの時間も短くてすむので製造速度も向上す
る。
【0058】なお、ネッキング工程を容易にするため、
シード基板130の下辺に凹凸を設けてもよい。図8
は、シード基板130の下辺の形状を例示した図であ
り、同図(a)は櫛歯形状である場合を、同図(b)で
は鋸型形状である場合を示したものである。
【0059】この凹凸の間隔は、しきり板301の間隔
に合わせ、凸部分を液だまり304の中心に合わせる。
凸部分を設けることにより、凸部分を結晶成長の開始点
とすることができ、ネックが容易に形成できる。なお、
凹凸の形状は図に示したものには限定されず、例えば波
形の凹凸形状であってもよい。
【0060】次に、ステップS205におけるネッキン
グ工程を経た後、ヒータ113を制御してるつぼ111
の温度を降下させる(ステップS206)。以降におい
て、この工程をスプレーディング工程と称することとす
る。スプレーディング工程を経ることにより、結晶がし
きり板301の端まで広がって、面積の広い板状単結晶
材140が得られる。図9は、スプレーディング工程に
より、単結晶材140の幅が広がる様子を示した図であ
る。幅の広い単結晶材140が得られることにより、製
品の歩留まりが向上することとなる。
【0061】スプレーディング工程により、しきり板3
01の端まで結晶成長させた後、所定の速度で所定の長
さまで引き上げを続行し、板状単結晶材140を得る
(ステップS207)。この後、得られた単結晶材14
0を放冷し、ゲートバルブ123を空け、引き上げ容器
102側に移動して、基板入出口124から取り出す
(ステップS208)。得られた板状単結晶材140の
外観を図10に示した。
【0062】図10から明らかなように、以上説明した
ような単結晶材製造装置100、シード基板130、ダ
イ115を用いることにより、一枚のシード基板130
から複数枚の板状単結晶材140を同時に製造すること
ができる。また、シード基板130は単結晶材であり、
c軸が基板平面に垂直な水平方向を向いている。したが
って、得られた板状単結晶材140は全て基板平面がc
面となっている。すなわち、得られる板状単結晶材14
0は、結晶方位の観点から見ても、品質のばらつきの少
ない結晶となる。
【0063】なお、EFG法では、シード基板の結晶方
位と同様の結晶方位をとりながら結晶成長するので、シ
ード基板130と、しきり板301を含めたダイ115
とは精密に位置取りする必要がある。したがって、図1
に示したように単結晶材製造装置100は、ダイ115
を設置するるつぼ111を回転する駆動部112および
その回転を制御する制御部(図示せず)が設けられてい
る。また、シャフト121に関してもシャフト121を
回転するシャフト駆動部およびその回転を制御する制御
部(図示せず)が設けられている。これにより、各バッ
チ間における、製造品質のばらつきも低減することが可
能となる。
【0064】シード基板130とダイ115との精密な
位置取りについては、斜面302の一部を切り欠いたダ
イ115を使用することによってもおこなうこともでき
る。図11は、ダイ115に切り欠き部を設けた例を示
した図である。図11から明らかなように、ダイ115
の斜面302の中央にV字形の切り欠き部1101がそ
れぞれ設けられている。
【0065】切り欠き部1101は、一直線に並びしき
り板301と直交するように形成されている。このよう
な切り欠き部1101を設けることにより、ステップS
204における位置取りが容易となり、各バッチ間の製
品品質のばらつきも低減する。
【0066】なお、以上の説明ではシード基板一枚から
平板形状の単結晶材を複数枚製造する場合について説明
したが、平板形状に限ることなく、例えば、所定の曲率
を持った曲板状の単結晶材を複数枚製造することも可能
である。図15は、所定の曲率を持った曲板状の単結晶
材が得られた様子を示す説明図である。このうち同図
(a)は斜視図を、同図(b)は底面図をそれぞれ示
す。
【0067】図から明らかなように、単結晶材140
は、頂部分がc面となり、所定の曲率を持った曲板状の
単結晶材である。このような単結晶材140を得るに
は、ダイ115のしきり板を、図15(b)に示した様
な原料液面を形成するような形状とすればよい。
【0068】本実施の形態で説明した単結晶材製造方法
によれば、得られる板状単結晶材の歩留まりを向上させ
ることが可能となり、製造速度も向上させることも可能
となる。さらに、同一バッチの単結晶材の品質のみなら
ず、異なるバッチ間の品質のばらつきも低減することが
可能となる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の単結晶材
製造方法(請求項1)は、エッジデファインド・フィル
ムフェッド・グロース(EFG)法により単結晶材を製
造する単結晶材製造方法において、平板形状の単結晶を
成長させる原料溶融液面の長手方向に対して垂直な方向
に結晶成長用のシード基板を配置して引き上げ前記平板
形状の単結晶材を製造するので、シード基板と溶融液面
との接触面積を小さくして結晶欠陥の発生確率を小さく
することができ、これにより、製造する単結晶材の歩留
まりを向上することが可能となる。
【0070】また、本発明の単結晶材製造方法(請求項
2)は、請求項1に記載の単結晶材製造方法において、
前記原料溶融液面を複数設け、当該溶融液面を平行に位
置させて、前記シード基板一枚につき前記平板形状の単
結晶材を複数枚製造するので、一つのシード基板に平板
形状の単結晶材をぶら下げるかたちで複数枚同時に製造
することができ、これにより、製造速度を向上すること
が可能となる。また、従来のEFG法では、一つのシー
ド基板に対して一つの単結晶材しか製造できなかったた
め、複数枚同時に製造する際にはその数分シード基板を
用意する必要があったが、本発明によれば、一つのシー
ド基板で複数の単結晶材が製造でき、単結晶材の製造コ
ストを下げることが可能となる。
【0071】また、本発明の単結晶材製造方法(請求項
3)は、請求項2に記載の単結晶材製造方法において、
前記シード基板を所定の結晶方位を有する単結晶材とし
たので、各単結晶材の結晶軸方向を所望の方向に揃える
ことができ、これにより、同一の結晶方位を持ち、品質
のばらつきの少ない単結晶材を複数同時に製造すること
が可能となる。
【0072】また、本発明の単結晶材製造方法(請求項
4)は、請求項1、2または3に記載の単結晶材製造方
法において、結晶成長を開始させる際に、前記原料溶融
液面を形成するダイに前記シード基板を接触させて一部
溶融し、その後当該シード基板を前記原料溶融液面に接
触させるので、シード基板と溶融液との温度差を小さく
して結晶欠陥の発生確率をさらに低くすることができ、
これにより、製造する単結晶材の歩留まりを向上するこ
とが可能となる。
【0073】また、本発明の単結晶材製造方法(請求項
5)は、請求項1〜4の何れか一つに記載の単結晶材製
造方法において、結晶成長を開始させた初期の段階にお
いて、ネックを形成するように結晶成長させるので、結
晶欠陥が生じた場合であっても、その進行方向によって
は、これを短時間にかつ原料の無駄を最小限に抑制しつ
つ除去することができ、これにより、製造する単結晶材
の歩留まりを向上することが可能となる。
【0074】また、本発明の単結晶材製造方法(請求項
6)は、請求項1〜5の何れか一つに記載の単結晶材製
造方法において、結晶成長を開始させた初期の段階にお
いて、前記原料溶融液を降温して結晶の幅を広げるの
で、平板形状の単結晶材の幅を広げて、幅広の単結晶板
を製造することができ、これにより、製品の歩留まりを
向上することが可能となる。
【0075】また、本発明の単結晶材製造方法(請求項
7)は、請求項1〜6の何れか一つに記載の単結晶材製
造方法において、前記シード基板および前記原料が硬度
の高く加工の難しいサファイヤ板である場合に、所望の
結晶方位および板厚みをもったサファイヤ結晶平板を製
造することが可能となる。特に、サファイヤのc面を基
板平面とする際の歩留まりを向上することが可能とな
る。
【0076】また、本発明のシード基板(請求項8)
は、EFG法において使用する単結晶成長用のシード基
板であって、結晶成長を開始させる一辺に、単結晶を成
長させるための複数の原料溶融液面に接触させる凹凸形
状部分を設けたので、結晶成長の開始点が定まりにくい
平坦な辺である場合と異なり、結晶成長の開始時におけ
る安定性を向上させることができ、これにより、単結晶
材の歩留まりを向上することが可能となる。また、ネッ
クを形成する際の制御も容易となり、この点からも単結
晶材の歩留まりを向上することが可能となる。
【0077】また、本発明のシード基板(請求項9)
は、請求項8に記載のシード基板において、端部に切り
欠き部もしくは内部に切り欠き穴を設けたので、シード
基板を保持する保持部とシード基板との接触面積を小さ
くして熱応力歪みを低減することができ、これにより、
単結晶材の歩留まりを向上することが可能となる。
【0078】また、本発明のシード基板(請求項10)
は、請求項8または9に記載のシード基板において、前
記シード基板を単結晶材としたので、単結晶材の結晶軸
の方向をそれぞれ揃えることができ、これにより、品質
のばらつきの少ない単結晶材を複数同時に製造すること
が可能となる。
【0079】また、本発明のダイ(請求項11)は、E
FG法において使用するダイであって、平板形状の単結
晶を成長させるための原料溶融液面を形成する液だまり
部を複数設け、かつ、前記原料溶融液面それぞれの長手
方向が相互に平行となるように当該複数の液だまり部を
形成したので、平板形状の単結晶材を複数枚同時に製造
することができ、製造速度を向上することが可能とな
る。また、溶融液面長手方向が平行に揃っているので、
シード基板を溶融液面に接触させる際の位置出しが容易
になり、単結晶材の歩留まりを向上することが可能とな
る。
【0080】また、本発明のダイ(請求項12)は、請
求項11に記載のダイにおいて、前記液だまり部に切り
欠き部をそれぞれ設け、当該切り欠き部を結ぶ線が直線
であり、当該直線が当該液だまり部の長手方向に垂直で
あるので、切り欠き部がガイドとしてシード基板の位置
決めを容易におこなうことができ、これにより、製造さ
れた平板形状の単結晶材の品質のばらつきを各バッチ間
でも少なくすることが可能となる。
【0081】また、本発明の単結晶材製造装置(請求項
13)は、EFG法によりシード基板を引き上げて単結
晶材を製造する単結晶材製造装置において、ダイには平
板形状の単結晶を成長させるための原料溶融液面を形成
する液だまり部を複数設け、かつ、前記原料溶融液面そ
れぞれの長手方向が相互に平行となるように当該複数の
液だまり部を形成し、回転手段が前記ダイを前記引き上
げ方向と平行な方向を軸として回転し、回転制御手段が
前記回転手段を制御して前記シード基板とダイの位置関
係を調整するので、シード基板とダイとの位置決めを精
度よくおこなうことができ、これにより、単結晶材の歩
留まりを向上することが可能となる。
【0082】また、本発明の単結晶材製造装置(請求項
14)は、EFG法によりシード基板を引き上げて単結
晶材を製造する単結晶材製造装置において、ダイには平
板形状の単結晶を成長させるための原料溶融液面を形成
する液だまり部を複数設け、かつ、前記原料溶融液面そ
れぞれの長手方向が相互に平行となるように当該複数の
液だまり部を形成し、回転手段が前記シード基板を前記
引き上げ方向と平行な方向を軸として回転し、回転制御
手段が前記回転手段を制御して前記シード基板とダイの
位置関係を調整するので、シード基板とダイとの位置決
めを精度よくおこなうことができ、これにより、単結晶
材の歩留まりを向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】EFG法により、平板形状の単結晶材を複数枚
同時に製造する単結晶材製造装置の概略構成図である。
【図2】本実施の形態における単結晶材の製造の流れの
一例を示したフローチャートである。
【図3】本実施の形態におけるダイの外観を示した図で
ある。
【図4】本実施の形態におけるシード基板の基板形状の
一例を示した図である。
【図5】本実施の形態におけるシード基板としきり板と
の位置関係を示した図である。
【図6】本実施の形態におけるシード基板の一部を溶融
する様子を示した図である。
【図7】本実施の形態におけるネックが成長する様子を
示した説明図である。
【図8】本実施の形態におけるシード基板の下辺の形状
を例示した図である。
【図9】本実施の形態におけるスプレーディング工程に
より、単結晶材の幅が広がる様子を示した図である。
【図10】本実施の形態で示した製造方法により得られ
た板状単結晶材の外観を示した図である。
【図11】ダイに切り欠き部を設けた例を示した図であ
る。
【図12】従来のEFG法によりサファイヤ(Al
23)単結晶を成長させ単結晶板を製造する様子を示し
た図である。
【図13】シード基板と得られた単結晶材それぞれの結
晶方位の様子を示した図である。
【図14】結晶欠陥を有する単結晶材の成長例を示した
図である。
【図15】所定の曲率を持った曲板状の単結晶材が得ら
れた様子を示す説明図である。
【符号の説明】
100 単結晶材製造装置 101 育成容器 102 引き上げ容器 111 るつぼ 112 るつぼ駆動部 113 ヒータ 115 ダイ 116 断熱材 121 シャフト 122 シャフト駆動部 130 シード基板 140 板状単結晶材 301 しきり板 302 斜面 303 キャピラリ 304 液だまり 401 切り欠き部 402 切り欠き穴 701 ネック 1101 切り欠き部 1201 シード基板 1202 ダイ 1205 保持部 1207 キャピラリ 1209 結晶成長領域 1301 単結晶材 1401 結晶欠陥
フロントページの続き (72)発明者 古滝 敏郎 東京都足立区新田3丁目8番22号 並木精 密宝石株式会社内 (72)発明者 矢口 洋一 東京都足立区新田3丁目8番22号 並木精 密宝石株式会社内 (72)発明者 砂川 和彦 東京都足立区新田3丁目8番22号 並木精 密宝石株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BB01 CF03 ED01 EG30 HA12 PK05 PK07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッジデファインド・フィルムフェッド
    ・グロース(EFG)法により単結晶材を製造する単結
    晶材製造方法において、 平板形状の単結晶を成長させる原料溶融液面の長手方向
    に対して垂直な方向に結晶成長用のシード基板を配置し
    て引き上げることにより、前記平板形状の単結晶材を製
    造することを特徴とする単結晶材製造方法。
  2. 【請求項2】 前記原料溶融液面を複数設け、当該溶融
    液面を平行に位置させて、前記シード基板一枚につき前
    記平板形状の単結晶材を複数枚製造することを特徴とす
    る請求項1に記載の単結晶材製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シード基板を所定の結晶方位を有す
    る単結晶材としたことを特徴とする請求項2に記載の単
    結晶材製造方法。
  4. 【請求項4】 結晶成長を開始させる際に、前記原料溶
    融液面を形成するダイに前記シード基板を接触させて一
    部溶融し、その後当該シード基板を前記原料溶融液面に
    接触させることを特徴とする請求項1、2または3に記
    載の単結晶材製造方法。
  5. 【請求項5】 結晶成長を開始させた初期の段階におい
    て、ネックを形成するように結晶成長させることを特徴
    とする請求項1〜4の何れか一つに記載の単結晶材製造
    方法。
  6. 【請求項6】 結晶成長を開始させた初期の段階におい
    て、前記原料溶融液を降温して結晶の幅を広げることを
    特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の単結晶材
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シード基板および前記原料がAl2
    3であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つ
    に記載の単結晶材製造方法。
  8. 【請求項8】 EFG法において使用する単結晶成長用
    のシード基板であって、結晶成長を開始させる一辺に、
    単結晶を成長させるための複数の原料溶融液面に接触さ
    せる凹凸形状部分を設けたことを特徴とするシード基
    板。
  9. 【請求項9】 端部に切り欠き部もしくは内部に切り欠
    き穴を設けたことを特徴とする請求項8に記載のシード
    基板。
  10. 【請求項10】 前記シード基板を単結晶材としたこと
    を特徴とする請求項8または9に記載のシード基板。
  11. 【請求項11】 EFG法において使用するダイであっ
    て、平板形状の単結晶を成長させるための原料溶融液面
    を形成する液だまり部を複数設け、かつ、前記原料溶融
    液面それぞれの長手方向が相互に平行となるように当該
    複数の液だまり部を形成したことを特徴とするダイ。
  12. 【請求項12】 前記液だまり部に切り欠き部をそれぞ
    れ設け、当該切り欠き部を結ぶ線が直線であり、かつ、
    当該直線が当該液だまり部の長手方向に垂直であること
    を特徴とする請求項11に記載のダイ。
  13. 【請求項13】 EFG法によりシード基板を引き上げ
    て単結晶材を製造する単結晶材製造装置において、 平板形状の単結晶を成長させるための原料溶融液面を形
    成する液だまり部を複数設け、かつ、前記原料溶融液面
    それぞれの長手方向が相互に平行となるように当該複数
    の液だまり部を形成したダイと、 前記ダイを前記引き上げ方向と平行な方向を軸として回
    転する回転手段と、 前記回転手段を制御して前記シード基板とダイの位置関
    係を調整する回転制御手段と、 を備えたことを特徴とする単結晶材製造装置。
  14. 【請求項14】 EFG法によりシード基板を引き上げ
    て単結晶材を製造する単結晶材製造装置において、 平板形状の単結晶を成長させるための原料溶融液面を形
    成する液だまり部を複数設け、かつ、前記原料溶融液面
    それぞれの長手方向が相互に平行となるように当該複数
    の液だまり部を形成したダイと、 前記シード基板を前記引き上げ方向と平行な方向を軸と
    して回転する回転手段と、 前記回転手段を制御して前記シード基板とダイの位置関
    係を調整する回転制御手段と、 を備えたことを特徴とする単結晶材製造装置。
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