JP2001321072A - ビフィズス菌を含有する発酵乳の新規製造方法 - Google Patents
ビフィズス菌を含有する発酵乳の新規製造方法Info
- Publication number
- JP2001321072A JP2001321072A JP2000146126A JP2000146126A JP2001321072A JP 2001321072 A JP2001321072 A JP 2001321072A JP 2000146126 A JP2000146126 A JP 2000146126A JP 2000146126 A JP2000146126 A JP 2000146126A JP 2001321072 A JP2001321072 A JP 2001321072A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bulgaricus
- erythritol
- fermented milk
- bifidobacteria
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 235000015140 cultured milk Nutrition 0.000 title claims abstract description 35
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 7
- 241000186016 Bifidobacterium bifidum Species 0.000 title abstract 5
- UNXHWFMMPAWVPI-ZXZARUISSA-N erythritol Chemical compound OC[C@H](O)[C@H](O)CO UNXHWFMMPAWVPI-ZXZARUISSA-N 0.000 claims abstract description 45
- UNXHWFMMPAWVPI-UHFFFAOYSA-N Erythritol Natural products OCC(O)C(O)CO UNXHWFMMPAWVPI-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 44
- 239000004386 Erythritol Substances 0.000 claims abstract description 43
- 229940009714 erythritol Drugs 0.000 claims abstract description 43
- 235000019414 erythritol Nutrition 0.000 claims abstract description 43
- 230000004060 metabolic process Effects 0.000 claims abstract description 10
- 241000186000 Bifidobacterium Species 0.000 claims description 48
- 241000894006 Bacteria Species 0.000 claims description 32
- 230000035899 viability Effects 0.000 claims description 6
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 4
- 235000013960 Lactobacillus bulgaricus Nutrition 0.000 abstract 4
- 241000186672 Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus Species 0.000 abstract 4
- 241000194020 Streptococcus thermophilus Species 0.000 abstract 2
- 238000000855 fermentation Methods 0.000 description 17
- 230000004151 fermentation Effects 0.000 description 17
- JVTAAEKCZFNVCJ-UHFFFAOYSA-N lactic acid Chemical compound CC(O)C(O)=O JVTAAEKCZFNVCJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 16
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 11
- 230000004083 survival effect Effects 0.000 description 11
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 10
- 239000004310 lactic acid Substances 0.000 description 9
- 235000014655 lactic acid Nutrition 0.000 description 8
- 229930006000 Sucrose Natural products 0.000 description 7
- CZMRCDWAGMRECN-UGDNZRGBSA-N Sucrose Chemical compound O[C@H]1[C@H](O)[C@@H](CO)O[C@@]1(CO)O[C@@H]1[C@H](O)[C@@H](O)[C@H](O)[C@@H](CO)O1 CZMRCDWAGMRECN-UGDNZRGBSA-N 0.000 description 7
- 239000005720 sucrose Substances 0.000 description 7
- 235000020183 skimmed milk Nutrition 0.000 description 4
- 230000000968 intestinal effect Effects 0.000 description 3
- 239000006041 probiotic Substances 0.000 description 3
- 235000018291 probiotics Nutrition 0.000 description 3
- 241000894007 species Species 0.000 description 3
- 239000007858 starting material Substances 0.000 description 3
- 241001608472 Bifidobacterium longum Species 0.000 description 2
- MHAJPDPJQMAIIY-UHFFFAOYSA-N Hydrogen peroxide Chemical compound OO MHAJPDPJQMAIIY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 241000186660 Lactobacillus Species 0.000 description 2
- 241000194017 Streptococcus Species 0.000 description 2
- 229940009291 bifidobacterium longum Drugs 0.000 description 2
- 235000009508 confectionery Nutrition 0.000 description 2
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 2
- 229940039696 lactobacillus Drugs 0.000 description 2
- 230000000529 probiotic effect Effects 0.000 description 2
- 229920001817 Agar Polymers 0.000 description 1
- 241000193830 Bacillus <bacterium> Species 0.000 description 1
- UNXHWFMMPAWVPI-QWWZWVQMSA-N D-Threitol Natural products OC[C@@H](O)[C@H](O)CO UNXHWFMMPAWVPI-QWWZWVQMSA-N 0.000 description 1
- 241000360590 Erythrites Species 0.000 description 1
- 239000002253 acid Substances 0.000 description 1
- 150000007513 acids Chemical class 0.000 description 1
- 239000008272 agar Substances 0.000 description 1
- 229940041514 candida albicans extract Drugs 0.000 description 1
- 230000008859 change Effects 0.000 description 1
- 150000001875 compounds Chemical class 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 238000012258 culturing Methods 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 239000003085 diluting agent Substances 0.000 description 1
- 230000002349 favourable effect Effects 0.000 description 1
- 239000000796 flavoring agent Substances 0.000 description 1
- 235000019634 flavors Nutrition 0.000 description 1
- 235000013305 food Nutrition 0.000 description 1
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 1
- 230000036541 health Effects 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 230000002688 persistence Effects 0.000 description 1
- 238000004321 preservation Methods 0.000 description 1
- 230000003449 preventive effect Effects 0.000 description 1
- 235000020185 raw untreated milk Nutrition 0.000 description 1
- 238000003756 stirring Methods 0.000 description 1
- 238000003860 storage Methods 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
- 239000012138 yeast extract Substances 0.000 description 1
- 235000013618 yogurt Nutrition 0.000 description 1
Landscapes
- Dairy Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課 題】 ブルガリクス菌の生菌数及び代謝を制御
し、ビフィズス菌の生残性を改善したブルガリクス菌、
ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌含有の発酵乳の製造
方法の提供。 【解決手段】 ブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサ−
モフィルス菌を含有する発酵乳において、エリスリトー
ルを1〜4重量%添加することによってブルガリクス菌
の菌数及び代謝を制御し、ビフィズス菌の生残性を改善
した発酵乳の製造方法。
し、ビフィズス菌の生残性を改善したブルガリクス菌、
ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌含有の発酵乳の製造
方法の提供。 【解決手段】 ブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサ−
モフィルス菌を含有する発酵乳において、エリスリトー
ルを1〜4重量%添加することによってブルガリクス菌
の菌数及び代謝を制御し、ビフィズス菌の生残性を改善
した発酵乳の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブルガリクス菌、
ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌含有の発酵乳におい
て、エリスリトールの添加によりブルガリクス菌の生菌
数及び代謝を制御し、ビフィズス菌の生残性の改善を実
現した新規な発酵乳の製造方法である。本発明におい
て、ブルガリスク菌とは、ラクトバチルス・デルブルッ
キー・サブスピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus
delbrueckii subsp. bulgaricus) を、サ−モフィル
ス菌とはストレプトコッカス・サ−モフィルス(Strept
ococcus thermophilus) を,それぞれ意味する。
ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌含有の発酵乳におい
て、エリスリトールの添加によりブルガリクス菌の生菌
数及び代謝を制御し、ビフィズス菌の生残性の改善を実
現した新規な発酵乳の製造方法である。本発明におい
て、ブルガリスク菌とは、ラクトバチルス・デルブルッ
キー・サブスピーシズ・ブルガリクス(Lactobacillus
delbrueckii subsp. bulgaricus) を、サ−モフィル
ス菌とはストレプトコッカス・サ−モフィルス(Strept
ococcus thermophilus) を,それぞれ意味する。
【0002】
【従来の技術】近年、健康志向が高まるなか、腸内乳酸
菌を含む発酵乳は、プロバイオティクスとして、おいし
さに加えて予防医学的機能を付与される傾向にある。発
酵乳は、伝統的には乳酸菌としてブルガリクス菌及びサ
ーモフィルス菌を使用して製造されている。しかしなが
ら、上述するようにプロバイオティクスの機能を付与す
る目的で、特に腸内乳酸菌を加えて製造する発酵乳も市
場に多くみられるようになった。このような発酵乳にお
いて、特にビフィズス菌を使用した場合には、ブルガリ
クス菌の産生する過酸化水素や酸の影響で、ビフィズス
菌の生残性を維持することは極めて難しいとされてい
る。また、ショ糖等の甘味を加えた発酵乳中において
も、ビフィズス菌の生残性が低下する現象が認められて
おり、保存中にビフィズス菌の菌数が著しく低下してし
まう発酵乳は多い。
菌を含む発酵乳は、プロバイオティクスとして、おいし
さに加えて予防医学的機能を付与される傾向にある。発
酵乳は、伝統的には乳酸菌としてブルガリクス菌及びサ
ーモフィルス菌を使用して製造されている。しかしなが
ら、上述するようにプロバイオティクスの機能を付与す
る目的で、特に腸内乳酸菌を加えて製造する発酵乳も市
場に多くみられるようになった。このような発酵乳にお
いて、特にビフィズス菌を使用した場合には、ブルガリ
クス菌の産生する過酸化水素や酸の影響で、ビフィズス
菌の生残性を維持することは極めて難しいとされてい
る。また、ショ糖等の甘味を加えた発酵乳中において
も、ビフィズス菌の生残性が低下する現象が認められて
おり、保存中にビフィズス菌の菌数が著しく低下してし
まう発酵乳は多い。
【0003】ブルガリクス菌、ビフィズス菌、サ−モフ
ィルス菌を使用した発酵乳の甘味成分としてエリスリト
−ルを使用するものも幾つか知られているが、エリスリ
トールの乳酸菌に及ぼす影響にかかる報告を見てみる
と、特開平6-253734号公報には、ビフィズス菌を飲食品
中に単独で使用した場合にエリスリト−ルの添加によっ
てビフィズス菌の生残性を改善することが記載されてい
る。また、特公平7-79616 号公報には、メソ・エリスリ
ト−ルを発酵乳に加えることによって、スターター乳酸
菌として加えたブルガリクス菌とサ−モフィルス菌によ
る過剰な発酵にともなう酸味の抑制を図ることが記載さ
れている。
ィルス菌を使用した発酵乳の甘味成分としてエリスリト
−ルを使用するものも幾つか知られているが、エリスリ
トールの乳酸菌に及ぼす影響にかかる報告を見てみる
と、特開平6-253734号公報には、ビフィズス菌を飲食品
中に単独で使用した場合にエリスリト−ルの添加によっ
てビフィズス菌の生残性を改善することが記載されてい
る。また、特公平7-79616 号公報には、メソ・エリスリ
ト−ルを発酵乳に加えることによって、スターター乳酸
菌として加えたブルガリクス菌とサ−モフィルス菌によ
る過剰な発酵にともなう酸味の抑制を図ることが記載さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ブルガリク
ス菌、ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌をスタ−タ−
乳酸菌とした発酵乳において、ブルガリクス菌による好
ましいヨーグルトの風味を保持した上で、かつ適度な甘
味を満たしながら、プロバイオティクスとしての腸内乳
酸菌、特にビフィズス菌の生残性を維持する発酵乳の製
造方法を提供することを課題とするものである。本発明
では、ブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサ−モフィル
ス菌をスタ−タ−乳酸菌とした発酵乳にエリスリトール
を添加して、ブルガリクス菌の生菌数及び代謝を抑制す
ることによってビフィズス菌の生残性を維持しようとす
るものであるのに対して、特開平6-253734号公報では、
ビフィズス菌を単独使用したときのエリスリト−ルによ
るビフィズス菌の生残性の改善であって、使用の態様が
異なっている。また、特公平7-79616 号公報では、エリ
スリトールのブルガリクス菌の生育を抑制する効果につ
いて触れられているが、本発明におけるようなブルガリ
クス菌、ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌の併用につ
いては全く触れられておらず、またエリスリトールの添
加量が5重量%以上である上に、エリスリト−ルを発酵
直後又は冷却後に添加するものであって、1〜4重量%
のエリスリトールを発酵前にブルガリクス菌、ビフィズ
ス菌及びサ−モフィルス菌を含有する発酵乳ミックスに
添加する本発明とは明らかに相違している。
ス菌、ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌をスタ−タ−
乳酸菌とした発酵乳において、ブルガリクス菌による好
ましいヨーグルトの風味を保持した上で、かつ適度な甘
味を満たしながら、プロバイオティクスとしての腸内乳
酸菌、特にビフィズス菌の生残性を維持する発酵乳の製
造方法を提供することを課題とするものである。本発明
では、ブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサ−モフィル
ス菌をスタ−タ−乳酸菌とした発酵乳にエリスリトール
を添加して、ブルガリクス菌の生菌数及び代謝を抑制す
ることによってビフィズス菌の生残性を維持しようとす
るものであるのに対して、特開平6-253734号公報では、
ビフィズス菌を単独使用したときのエリスリト−ルによ
るビフィズス菌の生残性の改善であって、使用の態様が
異なっている。また、特公平7-79616 号公報では、エリ
スリトールのブルガリクス菌の生育を抑制する効果につ
いて触れられているが、本発明におけるようなブルガリ
クス菌、ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌の併用につ
いては全く触れられておらず、またエリスリトールの添
加量が5重量%以上である上に、エリスリト−ルを発酵
直後又は冷却後に添加するものであって、1〜4重量%
のエリスリトールを発酵前にブルガリクス菌、ビフィズ
ス菌及びサ−モフィルス菌を含有する発酵乳ミックスに
添加する本発明とは明らかに相違している。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブルガリクス
菌、ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌を併用した発酵
乳において、ブルガリクス菌の菌数及び代謝の制御によ
りビフィズス菌の生残性が改善されることを特徴とす
る。すなわち、本発明は、ブルガリクス菌、ビフィズス
菌及びサ−モフィルス菌を含有する発酵乳において、1
〜4重量%のエリスリトールを予め発酵乳ミックスに添
加することによって、ブルガリクス菌の生菌数及び代謝
を制御し、ビフィズス菌の生残性を改善する発酵乳の製
造方法である。なお、本発明では、ビフィズス菌とし
て、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum)を例示したが、この菌種に限らずほとんど全て
のビフィズス菌について使用可能である。
菌、ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌を併用した発酵
乳において、ブルガリクス菌の菌数及び代謝の制御によ
りビフィズス菌の生残性が改善されることを特徴とす
る。すなわち、本発明は、ブルガリクス菌、ビフィズス
菌及びサ−モフィルス菌を含有する発酵乳において、1
〜4重量%のエリスリトールを予め発酵乳ミックスに添
加することによって、ブルガリクス菌の生菌数及び代謝
を制御し、ビフィズス菌の生残性を改善する発酵乳の製
造方法である。なお、本発明では、ビフィズス菌とし
て、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum)を例示したが、この菌種に限らずほとんど全て
のビフィズス菌について使用可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、ブルガリクス菌、ビ
フィズス菌及びサ−モフィルス菌を併用した発酵乳にお
いて、ブルガリクス菌の生菌数及び代謝の制御によりビ
フィズス菌の生残性が改善された発酵乳を得るために、
エリスリトールを発酵乳ミックスに添加するものである
が、上記発酵乳ミックスに添加するエリスリト−ルの量
は、1〜4重量%の範囲内が適当である。エリスリト−
ルの添加量が1重量%未満であると、ブルガリクス菌の
生菌数及び代謝を制御し、ビフィズス菌の生残性を改善
するという所期の効果は発揮できない。また、エリスリ
ト−ルの添加量が1重量%以上であると、添加量に応じ
てビフィズス菌の生残性の改善効果が向上するが、4重
量%以上ではその効果が頭打ちの状態になるので、エリ
スリト−ルの添加量は、上記1〜4重量%の範囲内が効
率的、経済的である。また、ショ糖などの他の甘味成分
を適宜併用することができる。さらに、本発明における
ブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌を
併用した発酵乳における発酵条件は、通常の発酵乳の発
酵条件で良いが、エリスリト−ルの添加時期は、発酵前
の方が、発酵後よりビフィズス菌の生残性が高いので、
効果的である。以下、実施例を挙げて本発明を説明す
る。なお、以下の実施例における生菌数の測定は、嫌気
性用希釈液(光岡:臨床検査、第18巻、第1163頁、1974
年) に試料1gをとり、段階的に希釈した後、平板培地
(BL寒天培地、日水製薬社製)に塗抹し、アネロパッ
ク (三菱ガス化学社製) を用いて37℃で約72時間嫌気培
養した。そして、出現したコロニー数を計測し、試料1
g当りの生菌数とした。
フィズス菌及びサ−モフィルス菌を併用した発酵乳にお
いて、ブルガリクス菌の生菌数及び代謝の制御によりビ
フィズス菌の生残性が改善された発酵乳を得るために、
エリスリトールを発酵乳ミックスに添加するものである
が、上記発酵乳ミックスに添加するエリスリト−ルの量
は、1〜4重量%の範囲内が適当である。エリスリト−
ルの添加量が1重量%未満であると、ブルガリクス菌の
生菌数及び代謝を制御し、ビフィズス菌の生残性を改善
するという所期の効果は発揮できない。また、エリスリ
ト−ルの添加量が1重量%以上であると、添加量に応じ
てビフィズス菌の生残性の改善効果が向上するが、4重
量%以上ではその効果が頭打ちの状態になるので、エリ
スリト−ルの添加量は、上記1〜4重量%の範囲内が効
率的、経済的である。また、ショ糖などの他の甘味成分
を適宜併用することができる。さらに、本発明における
ブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサ−モフィルス菌を
併用した発酵乳における発酵条件は、通常の発酵乳の発
酵条件で良いが、エリスリト−ルの添加時期は、発酵前
の方が、発酵後よりビフィズス菌の生残性が高いので、
効果的である。以下、実施例を挙げて本発明を説明す
る。なお、以下の実施例における生菌数の測定は、嫌気
性用希釈液(光岡:臨床検査、第18巻、第1163頁、1974
年) に試料1gをとり、段階的に希釈した後、平板培地
(BL寒天培地、日水製薬社製)に塗抹し、アネロパッ
ク (三菱ガス化学社製) を用いて37℃で約72時間嫌気培
養した。そして、出現したコロニー数を計測し、試料1
g当りの生菌数とした。
【0007】
【実施例1】ショ糖(4重量%)のみ、ショ糖(3重量%)
とエリスリトール(1重量%) の混合、及びエリスリトー
ル(4重量%) のみでそれぞれ甘味を付与した10重量%還
元脱脂乳を90℃で10分間加熱殺菌した後、ブルガリクス
菌とサーモフィルス菌を接種、37℃で乳酸酸度0.75にな
るまで培養した。得られた培養物中のブルガリクス菌の
生菌数を保存0、7及び14日目の3時点において計測
し、結果を図1に示した。なお、ショ糖のみの培養物と
比較すると、エリスリトールを添加した培養物の方が、
ブルガリクス菌の生菌数が抑制されており、さらにエリ
スリトールの添加量についてみると、1重量%添加のも
のより4重量%添加の培養物の方が、より抑制されてい
た。
とエリスリトール(1重量%) の混合、及びエリスリトー
ル(4重量%) のみでそれぞれ甘味を付与した10重量%還
元脱脂乳を90℃で10分間加熱殺菌した後、ブルガリクス
菌とサーモフィルス菌を接種、37℃で乳酸酸度0.75にな
るまで培養した。得られた培養物中のブルガリクス菌の
生菌数を保存0、7及び14日目の3時点において計測
し、結果を図1に示した。なお、ショ糖のみの培養物と
比較すると、エリスリトールを添加した培養物の方が、
ブルガリクス菌の生菌数が抑制されており、さらにエリ
スリトールの添加量についてみると、1重量%添加のも
のより4重量%添加の培養物の方が、より抑制されてい
た。
【0008】
【実施例2】ショ糖4重量%又はエリスリトール4重量
%によって、それぞれ甘味を付与した10重量%還元脱脂
乳を90℃で10分間加熱殺菌し、ブルガリクス菌、ビフィ
ズス菌及びサーモフィルス菌を接種したもの (三種混合
培養) 並びにビフィズス菌及びサーモフィルス菌を接種
したもの (二種混合培養)を、37℃で乳酸酸度0.75にな
るまで培養した。得られたそれぞれの培養物のビフィズ
ス菌及びブルガリクス菌の生菌数を経時的に計測し、結
果を図2及び図3に示した。なお、図2は、ショ糖で甘
味を付与したものであり、図3は、エリスリト−ルで甘
味を付与したものである。図2によれば、二種混合培養
のビフィズス菌の生菌数と比べると、三種混合培養のビ
フィズス菌の生菌数の方が顕著に低下していることがわ
かる。これはブルガリクス菌がビフィズス菌の生残性に
関与していることを示すものである。一方、図3によれ
ば、ブルガリクス菌の生菌数は図2の場合と比べ、約ワ
ンオーダー低く抑制されていることがわかる。また、そ
の結果として、ビフィズス菌の生菌数は低めであるが、
高い生菌数を維持していることがわかる。
%によって、それぞれ甘味を付与した10重量%還元脱脂
乳を90℃で10分間加熱殺菌し、ブルガリクス菌、ビフィ
ズス菌及びサーモフィルス菌を接種したもの (三種混合
培養) 並びにビフィズス菌及びサーモフィルス菌を接種
したもの (二種混合培養)を、37℃で乳酸酸度0.75にな
るまで培養した。得られたそれぞれの培養物のビフィズ
ス菌及びブルガリクス菌の生菌数を経時的に計測し、結
果を図2及び図3に示した。なお、図2は、ショ糖で甘
味を付与したものであり、図3は、エリスリト−ルで甘
味を付与したものである。図2によれば、二種混合培養
のビフィズス菌の生菌数と比べると、三種混合培養のビ
フィズス菌の生菌数の方が顕著に低下していることがわ
かる。これはブルガリクス菌がビフィズス菌の生残性に
関与していることを示すものである。一方、図3によれ
ば、ブルガリクス菌の生菌数は図2の場合と比べ、約ワ
ンオーダー低く抑制されていることがわかる。また、そ
の結果として、ビフィズス菌の生菌数は低めであるが、
高い生菌数を維持していることがわかる。
【0009】
【実施例3】ブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサーモ
フィルス菌を0.5 重量%の酵母エキスを添加した10重量
%還元脱脂乳 (95℃で30分間加熱殺菌) にそれぞれ接種
した後、37℃で16時間培養してバルクスターターを調製
した。一方、生乳に 2重量%の脱脂乳を添加したもの
と、これにエリスリトール 4重量%を添加したものを90
℃で10分間加熱殺菌して発酵乳ミックスを調製した。各
発酵乳ミックスにブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサ
ーモフィルス菌のバルクスターターを接種した後、37℃
で乳酸酸度0.75になるまで培養した。得られた発酵乳の
うち、エリスリトールを添加していないものには 4重量
%のエリスリトールを発酵後添加し、撹拌した後、10℃
にて保存した。エリスリトールを予め添加した発酵乳に
ついても、撹拌した後、同じく10℃にて保存した。ブル
ガリクス菌及びビフィズス菌の生菌数を保存0 、7及び
14日目の3時点において計測し、結果を図4に示した。
ブルガリクス菌の生菌数は、エリスリトールを発酵後に
添加するより、発酵前に添加した方が抑制できることが
わかった。また、ビフィズス菌の生菌数は、エリスリト
ールを発酵後に添加するより、発酵前に添加した方が維
持されていた。これにより、エリスリトールの添加時期
は、発酵前の方が発酵後よりも効果のあることが明らか
になった。
フィルス菌を0.5 重量%の酵母エキスを添加した10重量
%還元脱脂乳 (95℃で30分間加熱殺菌) にそれぞれ接種
した後、37℃で16時間培養してバルクスターターを調製
した。一方、生乳に 2重量%の脱脂乳を添加したもの
と、これにエリスリトール 4重量%を添加したものを90
℃で10分間加熱殺菌して発酵乳ミックスを調製した。各
発酵乳ミックスにブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサ
ーモフィルス菌のバルクスターターを接種した後、37℃
で乳酸酸度0.75になるまで培養した。得られた発酵乳の
うち、エリスリトールを添加していないものには 4重量
%のエリスリトールを発酵後添加し、撹拌した後、10℃
にて保存した。エリスリトールを予め添加した発酵乳に
ついても、撹拌した後、同じく10℃にて保存した。ブル
ガリクス菌及びビフィズス菌の生菌数を保存0 、7及び
14日目の3時点において計測し、結果を図4に示した。
ブルガリクス菌の生菌数は、エリスリトールを発酵後に
添加するより、発酵前に添加した方が抑制できることが
わかった。また、ビフィズス菌の生菌数は、エリスリト
ールを発酵後に添加するより、発酵前に添加した方が維
持されていた。これにより、エリスリトールの添加時期
は、発酵前の方が発酵後よりも効果のあることが明らか
になった。
【0010】
【発明の効果】上述したように、ブルガリクス菌、ビフ
ィズス菌及びサーモフィルス菌を含有する本発明の発酵
乳においては、1〜4重量%のエリスリト−ルの添加に
よって、ビフィズス菌の生残性に関与するブルガリクス
菌の生菌数は、エリスリトールを無添加のものに比べて
約ワンオーダー低く抑制される。また、エリスリトール
を発酵前に添加したものの方がビフィズス菌の生残性が
高く、エリスリトールの添加時期は発酵前の方が、発酵
後よりも効果が顕著である。
ィズス菌及びサーモフィルス菌を含有する本発明の発酵
乳においては、1〜4重量%のエリスリト−ルの添加に
よって、ビフィズス菌の生残性に関与するブルガリクス
菌の生菌数は、エリスリトールを無添加のものに比べて
約ワンオーダー低く抑制される。また、エリスリトール
を発酵前に添加したものの方がビフィズス菌の生残性が
高く、エリスリトールの添加時期は発酵前の方が、発酵
後よりも効果が顕著である。
【図1】エリスリトールの添加量に伴うブルガリクス菌
の生菌数の経時的変化。
の生菌数の経時的変化。
【図2】ブルガリクス菌のビフィズス菌への影響(エリ
スリトール無添加)。
スリトール無添加)。
【図3】ブルガリクス菌のビフィズス菌への影響(エリ
スリト−ル添加)。
スリト−ル添加)。
【図4】エリスリトールの添加時期のブルガリクス菌及
びビフィズス菌への影響。
びビフィズス菌への影響。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B001 AC02 AC06 AC31 BC01 BC14 EC05 EC99
Claims (3)
- 【請求項1】 ブルガリクス菌、ビフィズス菌及びサ−
モフィルス菌含有の発酵乳において、エリスリトールを
添加することによってブルガリクス菌の生菌数及び代謝
を制御することを特徴とする発酵乳の製造方法。 - 【請求項2】 ブルガリクス菌の生菌数及び代謝の制御
によってビフィズス菌の生残性を改善することを特徴と
する請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 エリスリトールを1〜4重量%添加する
ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000146126A JP2001321072A (ja) | 2000-05-18 | 2000-05-18 | ビフィズス菌を含有する発酵乳の新規製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000146126A JP2001321072A (ja) | 2000-05-18 | 2000-05-18 | ビフィズス菌を含有する発酵乳の新規製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001321072A true JP2001321072A (ja) | 2001-11-20 |
Family
ID=18652533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000146126A Pending JP2001321072A (ja) | 2000-05-18 | 2000-05-18 | ビフィズス菌を含有する発酵乳の新規製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001321072A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007013501A1 (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-01 | Nikken Fine Chemicals Co., Ltd. | 成長促進剤及び延命剤 |
WO2013135778A1 (en) | 2012-03-13 | 2013-09-19 | Danone Gmbh | Process for making sweetened fermented dairy products comprising erythritol |
CN105053228A (zh) * | 2015-09-07 | 2015-11-18 | 内蒙古农业大学 | 一种无糖发酵红豆乳及其制备方法 |
EP1903881B1 (fr) * | 2005-07-13 | 2017-06-07 | Compagnie Gervais Danone | PROCÉDÉ de PRÉPARATION DE PRODUITS ALIMENTAIRES FERMENTES CONTENANT DES SOUCHES PROBIOTIQUES |
-
2000
- 2000-05-18 JP JP2000146126A patent/JP2001321072A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1903881B1 (fr) * | 2005-07-13 | 2017-06-07 | Compagnie Gervais Danone | PROCÉDÉ de PRÉPARATION DE PRODUITS ALIMENTAIRES FERMENTES CONTENANT DES SOUCHES PROBIOTIQUES |
WO2007013501A1 (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-01 | Nikken Fine Chemicals Co., Ltd. | 成長促進剤及び延命剤 |
JPWO2007013501A1 (ja) * | 2005-07-27 | 2009-02-12 | 物産フードサイエンス株式会社 | 成長促進剤及び延命剤 |
WO2013135778A1 (en) | 2012-03-13 | 2013-09-19 | Danone Gmbh | Process for making sweetened fermented dairy products comprising erythritol |
CN105053228A (zh) * | 2015-09-07 | 2015-11-18 | 内蒙古农业大学 | 一种无糖发酵红豆乳及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2975148B2 (ja) | 発酵乳及びその製造法 | |
JP4862053B2 (ja) | 新規乳酸菌 | |
MX2008010184A (es) | Metodo para producir leche fermentada usando novedosa bacteria de acido lactico. | |
WO2019206754A1 (en) | Composition and process for producing a fermented milk product comprising application of a lactose-deficient s. thermophilus strain, a lactose-deficient l. bulgaricus strain and a probioti _/ strain | |
JP5774517B2 (ja) | ビフィドバクテリウム属細菌含有発酵食品の製造方法 | |
JPH0153035B2 (ja) | ||
KR100500875B1 (ko) | 비피더스균 발효유 및 그의 제조법 | |
JP5505909B2 (ja) | 乳酸菌の培養方法および発酵乳の製造方法 | |
JP2932283B2 (ja) | ビフィズス菌を含有する醗酵乳の製造方法 | |
JP2001321072A (ja) | ビフィズス菌を含有する発酵乳の新規製造方法 | |
JP2012105577A (ja) | ホエイ発酵飲料の製造方法 | |
JP4794592B2 (ja) | 新規乳酸菌 | |
WO2020170776A1 (ja) | 乳酸菌及び/又はビフィドバクテリウム属細菌培養物の製造方法 | |
JP2589553B2 (ja) | 発酵乳の製造方法 | |
JP4794593B2 (ja) | 新規乳酸菌を用いた発酵乳の製造方法 | |
JP5660629B2 (ja) | 乳酸菌の培養法および発酵乳の製造法 | |
JPS6394938A (ja) | ビフイズス菌醗酵乳の製造法 | |
JP4286160B2 (ja) | 山羊乳醗酵乳及びその製造方法 | |
JP7089818B1 (ja) | 乳酸菌スターター及びそれを用いて得られる発酵乳 | |
JP3876236B2 (ja) | 新規ストレプトコッカス・サーモフィルス菌およびそれを用いた製造後の過発酵を抑えたヨーグルトの製造方法 | |
JP3184572B2 (ja) | ラクトバチルスに属する乳酸菌菌株の分離培養用培地、同菌株の乳培地への訓化方法及び同菌株を使用した発酵乳又は乳酸菌飲料の製造方法 | |
JP2020167971A (ja) | 発酵乳並びに発酵乳の製造方法 | |
JP2020137471A (ja) | 発酵乳 | |
JP2021073936A (ja) | 発酵乳の製造方法、発酵乳、発酵乳製品、および発酵乳の香味の増強方法 | |
JP2019062803A (ja) | 新規乳酸菌及び新規乳酸菌を含む組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070309 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080108 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080513 |