JP2001321006A - 漁礁ブロック - Google Patents
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Abstract
グを原料とした硬化体を利用しても、水生植物を着生さ
せ、繁茂させて魚介類の生育に好適な環境とすることの
可能な漁礁ブロックを提供することを目的としている。 【解決手段】海水中に沈設される魚礁ブロックであっ
て、P2O5を2〜10mass%及び金属鉄を1〜5m
ass%含有する粉粒状の溶銑予備処理スラグと高炉ス
ラグ微粉末との混合物を水で混練して硬化させてなるこ
とを特徴とする。
Description
わり、詳しくは、水生植物を着生させ、繁茂させて魚介
類の生育に好適な環境にする漁礁ブロックに関する。
(CaO/SiO2)が高く、且つ遊離CaOを多量に
含有するため、水分を吸って膨脹し易く、高炉スラグの
ような土木・建設資材としての用途には向かず、従来よ
りその処理に難儀している。そこで、かかる状況を打破
するため、近年、製鋼スラグを積極的に活用する技術の
開発が試みられるようになった。
は、製鋼スラグを含有する骨材と潜在水硬性を有するシ
リカ含有物質とポゾラン反応性を有するシリカ含有物質
のうち1種または2種を50%以上含有し、水和反応に
よって硬化する結合材とを混合して製造した水和硬化体
を開示している。また、特開平2−233539号公報
は、結合材、細骨材、粗骨材の全てを粉砕および破砕し
た鉄鋼スラグとすると共に、前記結合材に高炉スラグと
製鋼スラグとを混合した鉄鋼スラグを用いて製造したス
ラグ・ブロックを開示している。
場所を提供するブロックとしては、従来より、コンクリ
ートからなるテトラ・ポット、プレート、漁礁ブロック
等が使用されてきた。このうち、太陽光線の届き難い比
較的深場で使用される漁礁ブロックは、無筋或いは鉄筋
入りのコンクリート、または鋼鉄だけで作製されてい
る。特に、海で使用されるものは、平成8年制定の日本
土木学会標準示方書[施工編](平成8年3月発行)の
第22章に「海洋コンクリート」ととして例示され、
「その施工にあたっては、海洋汚染、生態系への影響等
が生じないよう、環境保全に十分注意しなければならな
い」と記載されている。具体的には、海洋における場所
打ちコンクリートの施工にあっては、海水の汚濁を引き
起こさないような対策を取るよう解説している。また、
予め硬化させたコンクリート・ブロックを水中に沈設し
て使用する場合には、沈設時のショックによる崩壊、水
中での使用期間に水流や波による力で崩壊しないよう、
十分な強度と耐久性を備えたり、容易に動いてしまわぬ
よう比重が大きいことが望まれる。さらに、環境保全に
も十分注意しなければならないことは言うまでもない。
鋼鉄製の場合も、沈設時のショックに耐える強度はもち
ろん、長期に渡る使用に耐えうるよう耐食性も考慮する
必要がある。
ンクリート製及び鋼鉄製のいずれであっても、水棲生物
の活動の場としては不十分であり、何よりも水棲生物の
生息に良い環境を与えることが最重要課題にされて然る
べきものと考える。
にふさわしい漁礁ブロックの開発を試みることにした
が、コンクリートを用いた漁礁ブロックが、前記スラグ
硬化体と同様な手法で製造されていることに着眼した。
なぜならば、コンクリート製漁礁に代え、製鋼スラグを
主原料とした硬化体が利用できれば、製鋼スラグに新し
い用途が開け、その大量利用になると考えたからであ
る。
るスラグの硬化体を上記した従来技術を用いて試作した
ところ、下記のような問題点が明らかとなった。
載の方法によれば、製鋼スラグとして転炉スラグを用い
ると、20℃の水中で養生した際に硬化体が崩壊し、満
足できるものにならない場合があった。そこで、この原
因を詳細に調査した結果、近年は、転炉の内張り耐火物
を保護するためにスラグ中に添加されるドロマイトやマ
グネシアクリンカ等に起因して転炉スラグ中のMgO濃
度が高くなっているが、このようなMgO濃度が高い転
炉スラグを用いると、硬化体にする際に該転炉スラグに
含まれるfree−MgOが水中養生で水和膨張し、製
造されるべき硬化体が崩壊することが判明した。
記載の方法で転炉スラグを原料としたスラグの硬化体を
製造するには、該転炉スラグを微粉砕する必要がある。
しかしながら、転炉スラグ中には、上記したようにfr
ee−MgO相が含まれているため、スラグ自体が固く
て微粉になり難く、反応性の高い微粉にまで粉砕するに
は、粉砕コストが莫大になるという問題があった。
に鑑み、コンクリート製品に代え、製鋼スラグを原料と
した硬化体を利用しても、水生植物を着生させ、繁茂さ
せて魚介類の生育に好適な環境とすることの可能な漁礁
ブロックを提供することを目的としている。
原料にした硬化体の製造についての前記問題点を検討
し、該転炉スラグに所謂「溶銑予備処理スラグ」を採用
すること、及びそれと他の物質との配合量を適正にする
ことで解決した。そして、発明者は、該硬化体に水棲生
物の活動に良い環境を与えるべく改良を加え、その成果
を本発明に具現化したのである。なお、溶銑予備処理と
は、溶銑の転炉製鋼において、転炉における通常の脱炭
精錬を行なう前の溶銑に、予め各種の精錬剤を添加して
脱珪、脱燐、脱硫処理をすることを言い、その際生じた
スラグを溶銑予備処理スラグと称している。
海水中に沈設される魚礁ブロックであって、P2O5を2
〜10mass%及び金属鉄を1〜5mass%含有す
る粉粒状の溶銑予備処理スラグとSiO2含有物質の微
粉末との混合物を水で混練して硬化させてなることを特
徴とする漁礁ブロックである。
18mm以下の溶銑予備処理スラグを15〜55mas
s%、SiO2含有物質の微粉末として高炉スラグ微粉
末を5〜40mass%含有したり、あるいは粒径1.
18mm以下の溶銑予備処理スラグを15〜55mas
s%、SiO2含有物質の高炉スラグ微粉末を3〜36
mass%及びフライアッシュを1.5〜30mass
%含有し、且つ高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの
合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比
で0.1〜0.75としてなることを特徴とする漁礁ブ
ロックである。
フライアッシュ及び粒径1.18mm以下の溶銑予備処
理スラグの合計含有量に対する粒径1.018mm以下
の溶銑予備処理スラグの含有量の比が質量比で0.2超
としてなることを特徴とする漁礁ブロックである。
カリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化
物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種又は2種以上を、
高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対
して0.2〜20mass%添加したり、あるいはナフ
タレンスルホン酸及び/又はポリカルボン酸を、高炉ス
ラグ微粉末、フライアッシュ及び粒径が0.1mm以下
の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対して0.1〜
2.0mass%添加するのが好ましい。
合量を増加した表面層を備えたり、あるいは硫酸鉄から
なる表面層を備えていると一層良い。
に、藻の成長に役立つ成分を含有させるようにしたの
で、水生植物の着生が良好になり、繁茂するようにな
る。その結果、魚介類の生育に好ましい環境が形成され
るばかりでなく、従来廃棄されていた溶銑予備処理スラ
グの新しい用途開発にも貢献することになる。
を交え、本発明の実施の形態を説明する。
溶銑予備処理スラグを使用することにした。その理由
は、溶銑予備処理スラグが以下に述べる特性を備えてい
るからである。 (1)溶銑予備処理では精錬剤にMgOを添加しないの
で、発生したスラグは、元来MgO濃度が低く、且つC
aO/SiO2が低い。また、若干含まれるMgOもほ
とんどCa2MgSi2O7として存在し、free−M
gO相がほとんど存在しない。従って、従来転炉スラグ
を原料として使用した場合に生じていたfree−Mg
Oの水和膨張による硬化体の割れ、粉化、変形、強度低
下等の問題を一掃できる可能性がある。 (2)溶銑予備処理スラグは、上記のようにCaO/S
iO2が低く、且つP2O 5濃度が高いので、free−
CaO濃度が低い。そのため、free−CaOによる
水和膨張性も低く、該free−CaOの水和膨張に起
因する硬化体の割れ、粉化、変形、強度低下等の問題も
一掃できる可能性がある。 (3)また、微粉が多く、反応性が高いので、それ自体
が他の配合物質である高炉スラグ微粉末やフライアッシ
ュの代替になり得る。 (4)上記したように、free−MgO相がほとんど
存在しないので、スラグ自体が柔らかく、転炉スラグに
比較してはるかに粉砕し易い。 (5)微粉の溶銑予備処理スラグの働きで、溶銑予備処
理スラグと前記した高炉スラグ微粉末やフライアッシュ
とが反応し易くなり、硬化体のより高強度化が図れる。
硬化体を試作したところ、それだけでは硬化体の強度向
上やひび割れを抑制する効果が不十分であった。そこ
で、発明者は、溶銑予備処理スラグを使用するにあたっ
て、そのうちの粒径1.18mm以下の部分が15〜5
5mass%となるように配合するようにした。つま
り、発明者は、溶銑予備処理スラグのうちで硬化反応に
寄与の大きな部分がどのようなものであるかを詳細に調
査し、その結果、粒径1.18mm以下のものが特に反
応性が良好で、得られる硬化体の強度が高くなり、しか
もひび割れの発生が著しく小さくなることを見い出し
た。そこで、本発明では、溶銑予備処理スラグに含まれ
る粒径1.18mm以下のものの含有量を、水を除く全
配合物(混合物ともいう)のうちで特に限定するように
したのである。なお、このことは、配合する溶銑予備処
理スラグの中に、これよりも粒度の大きい溶銑予備処理
スラグが含まれていることを妨げるものではない。粒度
の大きい溶銑予備処理スラグは、粉砕の過程で粉砕され
にくかったことを意味し、それ自体がある程度の強度を
有しているので、増量剤として、また粗粒ながらも活性
が高く結合材としての寄与があり得るからである。
8mm以下の溶銑予備処理スラグの量を限定する一方
で、これと反応するSiO2含有物質をも適正量で配合
するようにした。そのようなSiO2含有物質は、潜在
水硬性あるいはポゾラン反応性を有するものが好まし
く、具体的には高炉スラグ微粉末を単味で、あるいは高
炉スラグ微粉末とフライアッシュとの混合物が好まし
い。このフライアッシュは、高炉微粉末と同様に潜在水
硬性あるいはポゾラン反応性を有する物質であり、石炭
の燃焼によって生成する。また、フライアッシュは、そ
れ自体が極めて微粉であり、これを高炉スラグ微粉末の
代替として使用すると、溶銑予備処理スラグとの反応性
が一層向上し、硬化体のひび割れ発生の抑制と長時間養
生後の強度の向上が可能となる。なお、高炉スラグ微粉
末を単味で使用する場合、その適正含有量は、5〜40
mass%とする。なお、本発明において溶銑予備処理
スラグ及び高炉微粉末の含有量を上記のように限定した
理由は、下記の通りである。
グの含有率が15mass%未満であったり、あるいは
高炉スラグ微粉末の含有量が40mass%超えでは、
相対的にSiO2を硬化させるアルカリ金属(またはア
ルカリ土類金属)イオンの供給が不足気味となり、得ら
れる硬化体の強度が低下するからである。また、粒径
1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率が55
mass%超え、あるいは高炉スラグ微粉末の含有量が
5mass%未満では、溶銑予備処理スラグ中の水和膨
張性を有するCaO等の成分を固定するSiO2が不足
気味となるため、得られる硬化体を水中養生する過程で
硬化体の膨張や粉化が発生し、著しく硬化体の強度が低
下するからである。
微粉末として、高炉スラグ微粉末とフライアッシュとの
混合物を使用する場合には、それら混合物の適正含有量
は、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有
率を15〜55mass%、高炉スラグ微粉末の含有率
を3〜36mass%、フライアッシュの含有率を1.
5〜30mass%とする。そして、特に、高炉スラグ
微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライ
アッシュ含有量の比が質量比で0.1〜0.75とする
ことが必要である。このように限定する理由は、以下の
通りである。
理スラグの含有率の限定理由は、既に述べた理由と同じ
なので省略する。高炉スラグ微粉末を3〜36mass
%としたのは、3mass%未満では、高強度の硬化体
が得られず、36mass%超えでは、強度のそれ以上
の増加が望めず、不経済だからである。フライアッシュ
は、その含有量が1.5mass%以上で、且つ高炉ス
ラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフ
ライアッシュ含有量の比が質量比で0.1以上の場合
に、その効果が顕著である。ただし、フライアッシュ
は、常温での硬化性が高炉スラグ微粉末よりも劣る傾向
があり、フライアッシュの含有率が30mass%超え
たり、あるいは高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの
合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比
で0.75を超えると、硬化体全体としての硬化を遅ら
せることとなり、好ましくない。したがって、フライア
ッシュの含有率は、1.5〜30mass%で、且つ高
炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対す
るフライアッシュ含有量の比が質量比で0.1〜0.7
5とする。
フライアッシュ、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理
スラグの合計含有量に対する粒径1.18mm以下の溶
銑予備処理スラグの含有量の比が質量比で0.2超とす
るのが一層好ましい。このようなにすると、溶銑予備処
理スラグから供給されるアルカリ金属(あるいはアルカ
リ土類金属)イオンの量と、SiO2含有物質中の反応
性SiO2の量的バランスが一層適正となり、硬化体の
ひび割れ防止効果が高まるからである。
て、製造した硬化体の強度の向上とひび割れ発生を著し
く低減するが、さらに加えて、混合物にアルカリ金属及
び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸
塩、塩化物から選ばれた1種または2種以上を、高炉ス
ラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して
0.2〜20mass%添加したり、あるいは、ナフタ
レンスルホン酸及び/又はポリカルボン酸を、高炉スラ
グ微粉末、フライアッシュ、粒径が0.1mm以下の溶
銑予備処理スラグの合計含有量に対して0.1〜2.0
mass%添加しても良い。
の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種
または2種以上を0.2mass%以上添加することに
よって、硬化体の硬化を促進することが可能となり、養
生に要する時間を短縮できるからである。しかし、20
mass%を超えて添加しても、その効果が飽和するた
め、上限は20mass%とする。
リカルボン酸を添加すると、混合物を水と共に混練する
際の混錬性が向上する。そのため、混練に必要な水の量
を低減することができ、その結果、より高強度の硬化体
が得られるようになる。その際に、その添加量を高炉ス
ラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して
0.1mass%未満では効果に乏しく、2.0mas
s%を超えて添加しても、効果が飽和するので、0.1
〜2.0mass%に限定する。
ブロックとしてコンクリートに替ても十分な強度と耐久
性を持つ。しかし、本発明は、さらに、使用する溶銑予
備処理スラグの組成に制限を加えて、深場でも水生植物
の養成ができるようにしたことが重要なポイントであ
る。つまり、溶銑予備処理スラグのP2O5及び金属鉄の
含有率がそれぞれ2〜10mass%及び1〜5mas
s%の範囲にあることを必須とする。このようにする
と、P2O5及び金属鉄が水生植物の肥料になるのか、理
由は定かでないが、太陽光線が弱いところでも水生植物
の生育が促進される。また、この場合、P2O5と金属鉄
が共存していることが必要で、いずれか一方が欠けても
所望の効果が発揮できない。なお、それぞれの下限を、
2mass%及び1mass%としたのは、それ未満で
は、少な過ぎて上記効果が発揮できないからであり、上
限を10mass%及び5mass%としたのは、それ
を超えても効果が飽和するし、そのような溶銑予備処理
スラグは現実に存在しないからである。
して、効果のさらなる増大を図った。それは、硬化体の
表面層を内部よりフライアッシュの配合量を多くした多
層構造にしたり、あるいは表面に硫酸鉄を存在させるよ
うにしたものである。その表面層であるが、それは硬化
体の表面から5mm程度の厚みとする。5mm超えで
は、前記物質が海水と接触する機会がほとんどなく、該
表面層の形成効果が期待できないからである。また、こ
の表面層を形成させる方法については、本発明では、特
に限定しない。種々の方法が利用できるからである。た
だし、具体的には、以下のような2通りの方法が採用で
きる。その1つは、製造された硬化体の表面に前記物質
を吹き付けたり、塗布したり、あるいは液状にして含浸
させる方法である。他の1つは、硬化体の製造時に、予
め予備処理スラグ、高炉スラグ微粉末、及び/又はフラ
イアッシュ等の混合物に前記物質を適当量添加した表面
層用の混合物(前記フライアッシュに富んだ)を準備し
ておき、それを硬化体製造用の枠に予め所定厚みになる
ように流し込んでから、本来の硬化体製造用混合物を流
し込み、本体と同時に硬化させるものである。また、そ
のような特殊な混合物を準備せずに、型枠にこれらの物
質を単に敷いてから、硬化体原料の混合物を流しこんで
も良い。
ックとして、さらにコンクリート製のものに比較する
と、高比重で、アルカリ溶出による周囲の水のpH上昇
も低く生態系への影響が非常に少ないという利点もあ
る。
s%以上、金属鉄を1%以上含有する粉状の溶銑予備処
理スラグ(脱珪、脱燐、脱硫別で示した表1参照)、粒
径0.1mm以下に微粉砕した高炉スラグ微粉末、さら
に一部については、これにフライアッシュ(粒径0.1
mm以下)、Ca(OH)2、NaOH、CaSO4・2
H2O、CaCl2、NaCl、Na2SO4、ナフタレン
スルホン酸、ポリカルボン酸等を必要に応じて加え、水
で混練して混合物とした。そして、該混合物を型枠に流
し込み、大気中で養生をして硬化体を製造した。これら
混合物中の各原料の含有量、比率、混練水の添加量を表
2に一括して示す。
込み、20℃の水中養生して得られた硬化体の28日養
生後の強度、表面乾燥比重、91日養生後の強度を表3
に一括して示す。さらに、大気中で28日養生をした硬
化体の表面ひび割れ本数、大気中で28日養生をした硬
化体を海水を入れた深さ3mの水槽に沈設し、硬化体表
面から1cm離れた位置のpH及び同様に純水に沈設し
た時のpHを測定し、それらの値も表3に併せて示す。
なお、海水のpHは,該硬化体の沈設前で8.2であ
り、純水のpHは,6.8であった。
ポルトランドセメント、AE減水剤を加え、水で混練し
て混合物とした(表4参照)。該混合物を型枠に流し込
み、発明例1と同様に養生しコンクリートの硬化体を得
た。そして、これについても上記と同様の評価を行な
い、その結果を表5に示す。
魚礁ブロックは、コンクリート製のものに遜色しない強
度やひび割れ特性を有していることが明らかである。
化体を、太陽光線の入射を弱めた暗室に設けた深さ3m
の海水槽に沈設し、水生植物の代表としての藻の成長を
確認した。なお、その場合の硬化体は、下記の5種類で
ある。また、海水のpHは、8.2とした。 ・表2のNo.1による硬化体(記号イ), ・表2のNo.1の硬化体の表面に、No.4のフライ
アッシュ含有量の多い混合物を塗布したもの(記号
ロ)、 ・表2のNo.1による硬化体の表面に硫酸鉄を含浸さ
せたもの(記号ハ)、 ・表4のコンクリートによる硬化体(記号ニ)、 ・表2のNo.1と配合は同じであるが、溶銑予備処理
スラグのP2O5を1.6mass%、金属鉄を0.8m
ass%としたもの(記号ホ) 沈設後の藻の成長状況を図1に示すが、本発明に係る漁
礁ブロックは、太陽光線の弱いところでも、藻の成長が
確認でき、魚貝類の生育に好ましい環境を与える効果が
あると期待できる。
的深い海中でも、水生植物を着生、繁茂させて魚介類の
生育に好適な環境とすることに優れた漁礁ブロックが、
製鋼スラグを主原料にして提供できる。従って、本発明
は、資源の再利用、環境の向上等に寄与することも期待
できる。
験結果を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 海水中に沈設される魚礁ブロックであっ
て、 P2O5を2〜10mass%及び金属鉄を1〜5mas
s%含有する粉粒状の溶銑予備処理スラグとSiO2含
有物質の微粉末との混合物を水で混練して硬化させてな
ることを特徴とする漁礁ブロック。 - 【請求項2】 前記混合物が、粒径1.18mm以下の
溶銑予備処理スラグを15〜55mass%、高炉スラ
グ微粉末を5〜40mass%含有してなることを特徴
とする請求項1記載の漁礁ブロック。 - 【請求項3】 前記混合物が、粒径1.18mm以下の
溶銑予備処理スラグを15〜55mass%、高炉スラ
グ微粉末を3〜36mass%及びフライアッシュを
1.5〜30mass%含有し、且つ高炉スラグ微粉末
及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシ
ュ含有量の比が質量比で0.1〜0.75としてなるこ
とを特徴とする請求項1記載の漁礁ブロック。 - 【請求項4】 前記高炉スラグ微粉末、フライアッシュ
及び粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの合計
含有量に対する粒径1.18mm以下の溶銑予備処理ス
ラグの含有量の比が質量比で0.2超としてなることを
特徴とする請求項3記載の漁礁ブロック。 - 【請求項5】 さらに、アルカリ金属及び/又はアルカ
リ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選
ばれた1種又は2種以上を、高炉スラグ微粉末及びフラ
イアッシュの合計含有量に対して0.2〜20mass
%添加してなることを特徴とする請求項3又は4記載の
漁礁ブロック。 - 【請求項6】 さらに、ナフタレンスルホン酸及び/又
はポリカルボン酸を、高炉スラグ微粉末、フライアッシ
ュ及び粒径が0.1mm以下の溶銑予備処理スラグの合
計含有量に対して0.1〜2.0mass%添加してな
ることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の漁
礁ブロック。 - 【請求項7】 前記硬化体に、さらにフライアッシュ配
合量を増加した表面層を備えたことを特徴とする請求項
1〜6のいずれかに記載の漁礁ブロック。 - 【請求項8】 前記硬化体に、さらに硫酸鉄からなる表
面層を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか
に記載の漁礁ブロック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143259A JP4399955B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 漁礁ブロック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143259A JP4399955B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 漁礁ブロック |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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