JP2001320979A - 施設園芸用被覆材 - Google Patents

施設園芸用被覆材

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JP2001320979A
JP2001320979A JP2000145140A JP2000145140A JP2001320979A JP 2001320979 A JP2001320979 A JP 2001320979A JP 2000145140 A JP2000145140 A JP 2000145140A JP 2000145140 A JP2000145140 A JP 2000145140A JP 2001320979 A JP2001320979 A JP 2001320979A
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thermoplastic resin
knitted fabric
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antifogging
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JP2000145140A
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Shuji Sakamoto
秀志 坂本
Toru Katsuura
徹 勝浦
Yuichi Sekiguchi
雄一 関口
Koichi Fukuda
浩一 福田
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JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
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Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、優れた防曇性を有し、換気、保
温、雨水導入による土壌管理、気温較差による作物の着
色促進と糖度向上および休眠打破等を目的として巻き上
げと巻き下ろしによる開閉作業を繰り返しても長期間防
曇性の低下が少ない施設園芸用被覆材を提供することを
目的とする。 【解決方法】 熱可塑性樹脂フィルムAの少なくとも片
面に、ネット状編織物Bが積層され、更にそのネット状
編織物B面側に防曇性塗布膜Cが形成されることを特徴
とする施設園芸用被覆材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施設園芸用ハウス
やトンネル等(以下ハウス等という)に使用する施設園
芸用被覆材に関する。詳しくは、優れた防曇性を有し、
ハウス等において前記施設園芸用被覆材の巻き上げと巻
き下ろしによる開閉作業を繰り返しても防曇性の低下が
少ない施設園芸用被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハウス等の被覆材として様々
な熱可塑性樹脂フィルムが使用されている。それらの代
表的なものとして、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチ
レンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム等
を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂フィルム
で被覆されたハウス等の内部では、地面や作物から蒸散
した水蒸気が外気で冷やされたフィルム面で結露し水滴
となって付着する。この水滴は、光を反射させてハウス
等の中へ入る日射量を減少させるだけでなく、フィルム
面から落下して作物を濡らし病虫害発生の原因にもなる
ため、速やかに取り除く必要があり、通常、ハウス等の
天面部に勾配を持たせて付着した水滴を水膜にしてフィ
ルム面に沿って流下させ、ハウス等の側面(サイド)か
ら地面に吸収させる方法が採られている。
【0003】付着した水滴を水膜にして流下させるため
に、前記熱可塑性樹脂フィルムには、古くからソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソ
ルビタンモノベヘネート等のソルビタン系界面活性剤、
グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテ
ート、グリセリンモノステアレート等のグリセリン系界
面活性剤等の防曇剤が配合されてきた。しかし、配合さ
れた防曇剤が時間の経過につれてフィルム表面に析出し
消費されるため、防曇効果が長期間持続しないという問
題があった。
【0004】更に、省資源・省エネルギー化および施設
園芸コストの低減の一環として被覆材の長期耐用化が求
められ、防曇性にも長期持続性が望まれるようになっ
た。防曇性を長期間持続させる方法としては、無機系コ
ロイド物質を主成分とした防曇性塗料をフィルム表面に
塗布および乾燥する方法が知られている(特公昭63−
45432号公報、特公昭63−45717号公報、特
公昭64−2158号公報)。しかし、これらの方法で
はフィルム表面の防曇塗布膜が擦れにより剥離しやすい
ため、換気のための巻き上げ作業が必要なハウス内部に
張設される内張用やトンネル用の被覆材として使用する
ことができなかった。
【0005】近年、周年栽培の要求が高まり、保温や換
気を目的として、また、土壌中の塩類を除去するために
ハウス内への雨水導入による土壌管理を目的として、施
設園芸用ハウスの外張用の被覆材についても繰り返し巻
き上げや巻き下ろしによる開閉ができるものが必要とさ
れている。更に、果樹などに見られるように昼夜の気温
較差を利用して着色を促進させたり糖度を上げる目的
で、また、ハウス内の作物の休眠打破や花芽分化促進の
目的で、繰り返し巻き上げや巻き下ろしができるものが
必要とされている。しかしながら前記防曇塗布方法で
は、防曇塗布膜が剥離して防曇性が失われるため防曇性
塗布剤の塗布方式のものは使用することができなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた防曇
性を有し、換気、保温、雨水導入による土壌管理、気温
較差による作物の着色促進と糖度向上および休眠打破等
を目的として巻き上げと巻き下ろしによる開閉作業を繰
り返しても長期間防曇性の低下が少ない施設園芸用被覆
材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、熱可塑性樹脂フィルムAの少なくとも片面
に、ネット状編織物Bが積層され、更にそのネット状編
織物B面側に防曇性塗布膜Cが形成されていることを特
徴とする施設園芸用被覆材が前記目的を達成することを
見出し、本発明を完成した。
【0008】本発明は、以下の構成を有する。 〔特許請求の範囲〕 (1)熱可塑性樹脂フィルムAの少なくとも片面に、ネ
ット状編織物Bが積層され、更にそのネット状編織物B
面側に防曇性塗布膜Cが形成されていることを特徴とす
る施設園芸用被覆材。 (2)熱可塑性樹脂フィルムAが、ポリオレフィン系樹
脂フィルムである前記(1)項記載の施設園芸用被覆
材。 (3)ネット状編織物Bが、経糸および/または緯糸に
100〜5000デシテックス(dtex)の繊度を有
する熱可塑性樹脂のモノフィラメントが用いられ、か
つ、開孔率10〜99%のネット状編織物である前記
(1)もしくは(2)項記載の施設園芸用被覆材。 (4)防曇性塗布膜Cが、無機コロイドを含有する防曇
性塗料を塗布し乾燥することにより形成されていること
を特徴とする前記(1)〜(3)項のいずれか1項記載
の施設園芸用被覆材。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を説明
する。本発明の熱可塑性樹脂フィルムAに用いられる熱
可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン
ナフタレート等のポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ア
クリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、
フッ素樹脂等が挙げられる。中でも、エチレン単独重合
体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂や、プロピレ
ン単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等
のポリプロピレン系樹脂に代表されるポリオレフィン樹
脂が加工性や経済性の観点から好ましい。更に、施設園
芸用被覆材の巻き上げ等の開閉作業の観点からは柔軟性
を有するポリエチレン系樹脂が望ましく、特に、従来の
マルチサイト触媒に変えてメタロセン触媒のようなシン
グルサイト触媒を用いる重合によるエチレン−α−オレ
フィン共重合体は、柔軟性を有し強度が優れるため好適
に用いられる。
【0010】前記熱可塑性樹脂フィルムAは、インフレ
ーション成形やTダイ成形、押出ラミネート成形、カレ
ンダー成形等の通常用いられる成形方法により成形さ
れ、前記熱可塑性樹脂は1種類だけでなく2種以上をブ
レンドして用いてもよい。また、前記熱可塑性樹脂フィ
ルムは、その断面が一層のものだけでなく、2種3層、
3種3層、3種5層、4種5層等の多層構造のものでも
よい。
【0011】熱可塑性樹脂フィルムAの目付重量は特に
限定されるものではないが、10〜500g/m2、好
ましくは30〜300g/m2程度のものが用いられ
る。目付重量が10g/m2未満では、熱可塑性樹脂フ
ィルム自体の強度や保温性が不十分となり、得られる施
設園芸用被覆材も十分な強度や保温性が得られにくい。
また、500g/m2を超える場合には、得られる施設
園芸用被覆材の剛性が高すぎて巻き上げ等の開閉作業性
が劣る。
【0012】前記熱可塑性樹脂には、通常使用される酸
化防止剤、ヒンダードアミン系耐候剤、紫外線吸収剤、
界面活性剤、防霧剤、保温剤、アンチブロッキング剤、
スリップ剤、防黴剤、顔料等を必要に応じて配合するこ
とができる。
【0013】本発明に用いられるネット状編織物Bとし
ては、モノフィラメントやマルチフィラメント、テープ
ヤーンおよびテープヤーンを解繊したスプリットヤーン
等の糸条を平織、模様織、からみ織、もじり織等の形態
に編織したものが挙げられる。ハウス等の内部への日射
量を高く維持し、防曇性塗布膜Cを形成する場合の塗料
の塗工性を良くするするためにはネット状編織物Bの経
糸と緯糸の両方にモノフィラメントを使用することが望
ましい。逆に、日射量を低減するためには、マルチフィ
ラメントやテープヤーンを解繊したスプリットヤーン等
の撚糸を使用することが望ましいが、上記の観点から経
糸と緯糸の糸条の少なくとも一方にはモノフィラメント
を使用することが望ましい。
【0014】前記糸条がモノフィラメントの場合、繊度
は100〜2500デシテックス(以下dtexとい
う)、好ましくは150〜1800dtex、更に好ま
しくは250〜1500dtexであることが望まし
い。繊度が100dtex未満の場合には後述のネット
状編織物の強度や剛性が不足し、2000dtexを超
える場合にはネット状編織物の剛性が高くなり巻き上げ
と巻き下ろしによる開閉作業がし難い傾向がある。ま
た、前記糸条がマルチフィラメントの場合、繊度3〜1
5dtexの単糸が撚り合わされた総繊度1000〜1
0000dtexのマルチフィラメントが好適に用いら
れる。総繊度が1000未満の場合には、織成する際に
作業性が低下し、10000dtexを超える場合には
得られた被覆材の光線透過率が低下したり、柔軟性の低
下により巻き上げと巻き下ろしによる開閉作業がし難い
傾向がある。
【0015】前記糸条がモノフィラメントもしくはマル
チフィラメントの場合、前記ネット状編織物Bは、モノ
フィラメントもしくはマルチフィラメントを、織り密度
3〜40本/25mmで編織したものが好ましい。織り
密度が3本/25mm未満では、糸条により防曇性塗布
膜を保護する効果が少なくなる。織り密度が40本/2
5mmを超える場合には、防曇性塗布膜Cを形成する際
の塗料の塗工性が低下し、また、ハウス等の内部への日
射量が低下する。
【0016】前記糸条が熱可塑性樹脂を原料とする場
合、用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されるものでは
ないが、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン
樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、プロピレン単独重合体樹脂、プロピ
レン−αオレフィン共重合体樹脂等のポリオレフィン系
樹脂を初めとして、ナイロン6、ナイロン66等のポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等
の熱可塑性樹脂が挙げられる。中でも、前記糸条の原料
となる熱可塑性樹脂が、前記熱可塑性樹脂フィルムAに
用いられる熱可塑性樹脂と相溶性を有すると、前記熱可
塑性樹脂フィルムAとネット状編織物Bとの積層が容易
であり、被覆材使用後のリサイクルもし易く好ましい。
【0017】熱可塑性樹脂を原料とする場合の糸条とし
ては、単一の熱可塑性樹脂から構成されるレギュラー繊
維と、低融点の熱可塑性樹脂と高融点の熱可塑性樹脂か
ら構成され低融点の熱可塑性樹脂が表面に位置する鞘芯
型、並列型もしくは海島型の断面形状を有する複合繊維
が挙げられる。ネット状編織物Bが前記複合繊維を用い
て糸条の交点を熱接着したネット状編織物であると、熱
可塑性樹脂フィルムAとネット状編織物Bを積層する時
に目ずれしにくく目合いを一定に保持することができ
る。
【0018】前記ネット状編織物Bは、開孔率が10〜
99%であることが好ましく、より好ましくは20%〜
95%である。前記開孔率が10%未満の場合、防曇性
塗布膜Cを形成する際の塗料の塗工性が低下し、99%
を超える場合には、ネット状編織物Bによる熱可塑性樹
脂フィルムA面に形成された防曇性塗布膜Cを保護する
効果が少なくなる。なお、開孔率とは、ネット状編織物
全面積に対する開孔部の面積の割合を示し、前記糸条の
形状、密度、繊度および織り密度により決まる。
【0019】糸条の原料として用いられる熱可塑性樹脂
には、前記熱可塑性樹脂に通常使用される酸化防止剤、
ヒンダードアミン系耐候剤、紫外線吸収剤、界面活性
剤、防霧剤、保温剤、アンチブロッキング剤、スリップ
剤、防黴剤、顔料等を必要に応じて配合することができ
る。
【0020】前記熱可塑性樹脂フィルムAとネット状編
織物Bとを積層する方法としては、ネット状編織物Bと
熱可塑性樹脂フィルムAとを押出ラミネート、ウェット
ラミネート、ドライラミネート等の手法でラミネートす
る方法、熱可塑性樹脂フィルムAとネット状編織物Bを
熱融着する方法等が挙げられる。
【0021】本発明において熱可塑性樹脂フィルムAと
ネット状編織物Bの積層面に形成される防曇性塗布膜C
は、施設園芸用被覆材に防曇性を付与するものであれば
限定されるものではなく、コロイダルシリカやコロイダ
ルアルミナに代表される無機コロイドを利用した無機コ
ロイド系防曇性塗布剤を塗布及び乾燥したもの(特公昭
54−22230号公報、特公昭63−45432号公
報、特公昭60−44149号公報、特公昭63−45
717号公報、特公平02−18357号公報)、親水
性ポリマーを利用した親水性ポリマー系防曇性塗布剤を
塗布及び乾燥したもの(特公昭50−6437号公報、
特開平03−197511号公報、特開平03−221
566号公報)、親水性を示す重合性単量体を含む塗布
剤を塗布し、電子線や紫外線などの放射線により硬化さ
せたもの(特開昭63−251401号公報、特開平0
2−38431号公報、特開平03−275705号公
報、特開平06−145274号公報)等が挙げられ
る。中でも無機コロイドを含有する防曇性塗料(以下、
無機コロイド系防曇性塗料という)は防曇性や耐候性等
の持続性の観点から好適に用いることができる。
【0022】本発明において防曇性塗布膜C形成のため
好適に用いられる前記無機コロイド系防曇性塗料は、溶
媒中に無機コロイド物質と親水性有機化合物および/も
しくは疎水性有機化合物が分散した塗料である。この無
機コロイド系防曇性塗料は、これらの成分の他に、必要
に応じて消泡剤、造膜助剤、増粘剤、紫外線吸収剤、フ
ッ素系界面活性剤、顔料、顔料分散剤等の慣用の添加剤
を添加することができる。
【0023】前記無機コロイド系防曇性塗料の溶媒とし
ては、水、メチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エ
チレングリコール、キシレンなどが挙げられる。これら
の溶媒は防曇性塗料が塗布された後の乾燥工程で除去さ
れ、防曇性塗布膜Cが施設園芸用被覆材表面に形成され
る。
【0024】前記無機コロイド系物質は、溶媒中に、無
機化合物がコロイド状に分散する性質を有する無機粒子
である。具体的には、コロイダルシリカ、コロイダルア
ルミナ、コロイド状のFe(OH)2 、コロイド状のS
n(OH)4、コロイド状のTiO2 、コロイド状のB
aSO4およびコロイド状のリチウムシリケートなどが
挙げられる。中でも塗工性及び塗布膜の透光性の観点か
らコロイダルシリカおよびコロイダルアルミナが好適に
用いられる。
【0025】前記無機コロイド物質は、単独で、あるい
は2種以上組み合わせて溶媒中に添加して用いられ、無
機コロイド系防曇性塗料に対し、0.1〜5重量%の割
合で添加される。0.1重量%未満の場合には、防曇性
が不十分であり、5重量%を越える場合には無機コロイ
ド系防曇性塗料の塗工性が低下したり、塗布膜の透明性
が低下する。
【0026】無機コロイド系防曇性塗料の溶媒中に分散
している無機コロイド物質粒子の平均粒径は、通常5〜
200nmのものが用いられる。5nm未満の場合は、
防曇性塗料としての塗工性が劣り、200nmを越える
場合には形成される防曇性塗布膜の透明性が劣る。
【0027】前記親水性有機化合物としては、アニオン
系、カチオン系、ノニオン系等の各種界面活性剤、水酸
基含有ビニル単量体成分と酸基含有ビニル単量体成分と
からなる共重合体またはその部分もしくは完全中和物、
スルホン酸基含有ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0028】アニオン系界面活性剤の例としては、特に
限定されないが、具体的には、カプリル酸ナトリウム、
カプリル酸カリウム、デカン酸ナトリウム、カプロン酸
ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、オレイン酸カリ
ウム、ステアリン酸ナトリウム、ベヘン酸カリウム、ス
テアリン酸テトラメチルアンモニウム等の炭素原子数6
〜24のアルキル鎖を有するカルボン酸の金属塩または
アンモニウム塩;オクチルスルホン酸ナトリウム、ドデ
シルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウ
ム等の炭素原子数6〜24のアルキル鎖を有するスルホ
ン酸の金属塩またはアンモニウム塩;炭素原子数6〜2
4のアルキル鎖を有するリン酸エステルの金属塩または
アンモニウム塩;炭素原子数6〜24のアルキル鎖を有
するホウ酸エステルの金属塩またはアンモニウム塩;パ
ーフルオロデカン酸ナトリウム、パーフルオロオクチル
スルホン酸ナトリウム等のフッ素系アニオン性界面活性
剤;ポリジメチルシロキサン基とカルボン酸金属塩等に
陰イオン性基を有するシリコン系アニオン性界面活性剤
などが挙げられる。これらの中では、特に炭素原子数6
〜10のアルキル鎖を有するカルボン酸のアルカリ金属
塩が好ましい。
【0029】カチオン系界面活性剤としては、特に限定
されないが、具体的には、アルキルトリメチルアンモニ
ウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキル
ジメチルエチルアンモニウム塩等の炭素原子数12〜1
8のアルキル鎖を有するアンモニウム塩;ステアロオキ
シメチルピリジニウム塩、脂肪酸トリエタノールアミ
ン、脂肪酸トリエタノールアミンギ酸塩等のエステル結
合を有するアンモニウム塩;ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、N-アルキルプロピレンアミン、N-アルキルポ
リエチレンポリアミン等の炭素原子数12〜18のアル
キル鎖を有するアミン誘導体などが挙げられる。
【0030】ノニオン系界面活性剤としては、特に限定
されないが、具体的には、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポ
リオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノ脂肪酸エステル等の炭素原子数7〜
18のアルキル鎖を有するポリオキシエチレン系化合
物;エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪
酸エステル等の炭素原子数9〜17のアルキル鎖を有す
る多価アルコール系化合物などが挙げられる。
【0031】前記の水酸基含有ビニル単量体成分と酸基
含有ビニル単量体成分とからなる共重合体としては、具
体的には、ビニルアルコール単位と(メタ)アクリル酸
単位を有する重合体、ビニルアルコール誘導体単位と
(メタ)アクリル酸単位を有する重合体、ヒドロキシア
クリレート単位と(メタ)アクリル酸単位を有する重合
体などが挙げられる。また、その共重合体の部分もしく
は完全中和物としては、具体的には、前記の重合体酸基
のメチルエステル、エチルエステル等の重合体などが挙
げられる。
【0032】前記親水性有機化合物の含有量は、その種
類により異なるが、前記無機コロイド系防曇性塗料に対
して0.05〜10重量%の範囲が好ましく、より好ま
しくは0.1〜5重量%である。0.05重量%未満で
あると十分な濡れ効果が得られず、10重量%を超える
と無機コロイド系防曇剤塗料の粘度が高くなって作業性
が低下し、塗布面が不均一になりやすい。
【0033】前記疎水性有機化合物は、基材フィルム及
びネット状編織物との密着性向上及び耐水性向上を目的
として必要に応じ添加され、特開平9−111227に
開示されているような疎水性アクリル系樹脂が例示でき
る。
【0034】熱可塑性樹脂フィルムA及びネット状編織
物Bに対する無機コロイド系防曇性塗料の接着性が不充
分な場合は、前記フィルムやネット状編織物の表面を予
めアルコール又は水で洗浄したり、プラズマ放電処理や
コロナ放電処理を施したり、他の塗料あるいはプライマ
ーを下塗りする等の前処理を施してもよい。このうち、
表面処理効果、コスト等の面でコロナ放電処理が好まし
い。
【0035】前記無機コロイド系防曇性塗料は、熱可塑
性樹脂フィルムAとネット状編織物Bが積層された積層
物のネット積層面側の表面(積層面)にディップコート
法、スプレーコート法、はけ塗り等の公知の方法で塗布
される。無機コロイド系防曇性塗料の乾燥方法は、自然
乾燥、加熱乾燥のいずれを用いてもよいが、乾燥効率の
面から加熱乾燥法が好適に用いられる。無機コロイド系
防曇性塗料の塗布量は乾燥後で0.02〜1.0g/m
2の範囲が好ましい。0.02g/m2未満であると防曇
持続性が低下する。また、1.0g/m2 を超える場合
には、塗布むらが生じたり、乾燥時間を長く必要とす
る。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定される
ものではない。
【0037】なお、実施例および比較例における施設園
芸用被覆材のそれぞれの特性は、下記評価方法により実
施した。 1)開閉作業による長期防曇性評価 肩部に換気用自動巻き上げ装置を有する施設園芸用ハウ
スに施設園芸用被覆材サンプルを張設し、巻き上げと巻
き下しによる開閉作業を実施し、防曇性の変化を評価し
た。 試験圃場;熊本県水俣市 試験期間;1999年10月18日から2000年2
月17日まで実施。 開閉作業 9時から16時まで1時間毎に巻き上げが、9時50分
から16時50分まで1時間毎に巻き下ろしができるよ
うにタイマーをセットし、一日当たり8回の開閉作業を
実施した。
【0038】実施例1〜3 密度(JIS K7112−1980「プラスチックの
密度と比重の測定方法」6.1A法(水中置換法による
測定方法)により測定、以下単に密度という)が0.9
60g/cm3、メルトフローレート(JIS K 7
210−1976「熱可塑性プラスチックの流れ試験方
法」表1の条件4(試験温度190℃、試験荷重21.
18N)により測定、以下MFRという)が1.0g/
10分の高密度ポリエチレンに、ヒンダードアミン系耐
候剤0.1重量%、紫外線吸収剤0.05重量%、フェ
ノール系安定剤0.1重量%、リン系安定剤0.1重量
%を配合した組成物から溶融紡糸された500dtex
のモノフィラメントを織り密度3、5、10本/25m
mで平織りし、開孔率がそれぞれ94、90、81%、
目付重量がそれぞれ12、20、40g/m2のネット
状編織物を得た。
【0039】次に、90mmφ押出機を有する押出ラミ
ネート装置を用い、シングルサイト触媒より重合された
密度が0.910g/cm3、MFRが3.5g/10
分直鎖状低密度ポリエチレンに、ハイドロタルサイト類
化合物(協和化学工業(株)製、商品名DHT4A)を
5重量%、ヒンダードアミン系耐候剤0.1重量%、紫
外線吸収剤0.05重量%、フェノール系安定剤0.1
重量%、リン系安定剤0.1重量%を配合した組成物を
押出温度220℃にて溶融・混練した後にフィルム状に
押し出し、前記ネット状編織物と融着・積層させ、目付
重量82、90、110g/m2、幅2mの積層物を得
た。
【0040】得られた積層物のネット面側にコロナ処理
を施して、コロイダルシリカ1.5重量%,コロイダル
アルミナ2.5重量%、水溶性セルロースエステル3.
0重量%、フッ素系界面活性剤0.1重量%からなる無
機コロイド系防曇性塗料をスプレーコーティングにより
塗布・乾燥し2m幅の施設園芸用被覆材を得た。塗布量
(目付重量)は乾燥後で0.05g/m2であった。更
に、4枚の前記施設園芸用被覆材を幅方向に並べ、シン
グルサイト触媒により重合された密度が0.908g/
cm3、MFRが1.0g/10分の直鎖状低密度ポリ
エチレンに、ヒンダードアミン系耐候剤0.3重量%を
配合した組成物よりなる幅50mm、厚さ0.1mmの
テープを、前記施設園芸用被覆材の防曇性塗布膜の形成
されていない面に当てて熱融着し、幅8mのハウス張設
試験用施設園芸用被覆材サンプルとした。評価結果を表
1に示す。
【0041】比較例1 ネット状編織物を用いない他は実施例1と同様に実施し
た。評価結果を表1に示す。
【0042】表1に示すように実施例1〜4は、形成さ
れた防曇性塗布膜がネット状編織物により保護され、巻
き上げと巻き下ろしによる開閉作業を繰り返し実施して
も防曇性の低下が認められない。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の施設園芸用被覆材は、熱可塑性
樹脂膜Aの少なくとも片面に、ネット状編織物Bが積層
され、更にその積層面に防曇性塗布膜Cが形成されるこ
とにより、防曇性塗布膜Cをネット状編織物Bが保護
し、これまで防曇性塗布膜を形成させた施設園芸用被覆
材では不可能であった換気、保温、雨水導入による土壌
管理、気温較差による作物の着色促進と糖度向上および
休眠打破等を目的として巻き上げと巻き下ろしによる開
閉作業を頻繁に行なうことが可能となった。これにより
従来の防曇性塗布膜を形成させた施設園芸用被覆材が使
用できなかった施設園芸用ハウスの内張りや巻き上げ用
外張り、更には、施設園芸用トンネルの被覆材として数
年間、繰り返し使用することが可能となり、省資源、省
エネルギー及び施設園芸農家の被覆資材コスト低減に大
きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、施設園芸用ハウスの一例を示す。
【図2】図2は、本発明の施設園芸用被覆材断面図の一
例を示す。
【符号の説明】
1・・・・・・施設園芸用ハウスの天面肩部の巻き上げ換気部 2・・・・・・施設園芸用ハウスの側面(サイド)部の巻き上
げ換気部。 3・・・・・・熱可塑性樹脂フィルムA 4・・・・・・ネット状編織物Bを構成する糸条 5・・・・・・防曇性塗布膜C
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:00 C08L 23:00 (72)発明者 関口 雄一 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社加工品開発研究所内 (72)発明者 福田 浩一 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社加工品開発研究所内 Fターム(参考) 2B024 DA03 DB01 DB04 DB07 2B029 EB03 EB08 EB12 EC02 EC09 EC17 EC19 RA03 4F006 AA12 AB03 AB54 AB69 AB74 AB76 BA10 CA06 DA04 EA03 4F100 AA01C AK01A AK01B AK03A BA03 BA10A BA10C CA10C CC00C DG04B DG12B DG13B DJ00B EC03 EC18 EH17 EH46C EJ86C GB01 JB16A JB16B JL07C YY00B 4H020 AA01 AB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルムAの少なくとも片面
    に、ネット状編織物Bが積層され、更にそのネット状編
    織物B面側に防曇性塗布膜Cが形成されていることを特
    徴とする施設園芸用被覆材。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂フィルムAが、ポリオレフィ
    ン系樹脂フィルムである請求項1記載の施設園芸用被覆
    材。
  3. 【請求項3】ネット状編織物Bが、経糸および/または
    緯糸に100〜5000デシテックス(dtex)の繊
    度を有する熱可塑性樹脂のモノフィラメントが用いら
    れ、かつ、開孔率10〜99%のネット状編織物である
    請求項1もしくは2記載の施設園芸用被覆材。
  4. 【請求項4】防曇性塗布膜Cが、無機コロイドを含有す
    る防曇性塗料を塗布し乾燥することにより形成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の
    施設園芸用被覆材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008079543A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Diatex Co Ltd 農業用遮光シート
KR100918950B1 (ko) 2007-10-30 2009-09-25 주식회사 한스물산 강도가 보강된 하우스랩용 필름
JP2010029158A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Mkv Dream Co Ltd ハウスサイド用二重膜フィルム
CN107488381A (zh) * 2017-08-17 2017-12-19 青岛雨虹篷布制品有限公司 防沾水涂层和无滴水篷布及其制备工艺

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