JP2008079543A - 農業用遮光シート - Google Patents

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Abstract

【課題】通気性を阻害することなく遮光性に優れ、風圧に対して強度が高く、また、伸びが少なくて形状保持性に優れた農業用遮光シートを提供すること。
【解決手段】緯糸及び経糸の少なくともいずれかに意匠撚糸11を用いて編織されており、前記意匠撚糸11が、テープ状のフラットヤーンに縦方向の切れ目を多数形成したスプリットヤーンを芯糸に対して押さえ糸を巻回して固定してなる。前記意匠撚糸11は、単位長さ当たり、前記スプリットヤーンが前記芯糸よりも多く給糸されていることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、農園芸、畜産分野における農業用遮光シートに関し、詳しくは、通気性に優れ、風圧による損傷が少なく、また、伸びが少なくて形状保持性に優れた農業用遮光シートに関する。
従来、果物や花卉などの栽培において、促成栽培や防寒、防霜を目的として、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの合成樹脂シートで被覆した中で栽培するいわゆるハウス栽培が行われている。しかし、この種の合成樹脂シートを被覆したハウスは、昼間の温度上昇が大きすぎる傾向にあり、夏季においては直射日光が強いため作物に高温障害が発生し易い問題がある。
このため、夏季においては栽培作物に日覆いを掛けることが行われている。日覆いの方法としては、遮光性シートを、ハウス用フィルムの上に掛ける方法や、ハウス用枠体に直接掛ける方法等がある。
従来、遮光性シートとしては、通気性を有する寒冷紗、あるいは、モノフィラメントやフラットヤーンからなる編織物など粗目のネット状物が多く使用されている(特許文献1、2)。ネット状物は通気性が良く、特に、農業用ハウス用枠体に直接被覆すると換気性に優れ、ハウス内の温度上昇を防止する効果が大きい。
特開平10−290635号公報 実用新案登録第3107430号公報
しかしながら、このような遮光性シートでは、高度の遮光性が必要とされるときは、ネット状物の編み目を小さくする必要があり、このため、空気の流れが抑制されて換気性が犠牲になるという問題がある。
また、遮光性シートをハウス用フィルムの上に掛けたり、ハウス用枠体に直接被覆したりする場合等、屋外に張設するときは、遮光性シートが直接風を受けるために強風によって煽られる問題があり、飛ばされたり、破れたりし易い。このため、栽培作物の日覆いとして使用される遮光性シートには、遮光性と共に通気性を高くして風圧を受けない構造とすることが重要となる。
近年、軽量で安価であることからフラットヤーンを使用し、ヤーンの交点を熱融着させた平織りの遮光性シートを使用することが多くなっているが、平織りの織布は通気性が低く、風圧を受けて大きく煽られ易いという問題があった。
そこで、本発明は、通気性を阻害することなく遮光性に優れ、風圧に対して強度が高く、また、伸びが少なくて形状保持性に優れた農業用遮光シートを提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の発明によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
緯糸及び経糸の少なくともいずれかに意匠撚糸を用いて編織されており、
前記意匠撚糸が、テープ状のフラットヤーンに縦方向の切れ目を多数形成したスプリットヤーンを芯糸に対して押さえ糸を巻回して固定してなることを特徴とする農業用遮光シート。
(請求項2)
前記意匠撚糸は、単位長さ当たり、前記スプリットヤーンが前記芯糸よりも多く給糸されていることを特徴とする請求項1記載の農業用遮光シート。
(請求項3)
前記意匠撚糸は、単位長さ当たり、前記スプリットヤーンを伸長させたときの長さが、前記芯糸の長さの100〜300%であることを特徴とする請求項2記載の農業用遮光シート。
(請求項4)
前記押さえ糸のピッチは、30〜300T/mであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の農業用遮光シート。
本発明によれば、通気性を阻害することなく遮光性に優れ、風圧に対して強度が高く、また、伸びが少なくて形状保持性に優れた農業用遮光シートを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明に係る農業用遮光シートの部分平面図、図2は意匠撚糸の構造図である。
農業用遮光シート1は、緯糸に意匠撚糸11を用い、それが経糸の細幅線条体12によって編織されてシート状とされている。
緯糸に使用される意匠撚糸11は、一般に異なる種類の糸を3本以上使用し、これらの給糸速度や撚数に種々の変更を加えて組み合わせることにより製造される撚糸であり、特異な形状と風合いを有している。本発明において、意匠撚糸11には、図2に示すように、スプリットヤーン11aが芯糸11bよりも多く給糸されることによって全体的に嵩高性が付与されている。このスプリットヤーン11aは、芯糸11bに押さえ糸11cを用いて固定されている。
スプリットヤーン11aとしては、テープ状のフラットヤーンに図3に示すように縦方向(長さ方向)の切れ目bを多数形成したものが使用される。
また、経糸に使用される細幅線条体12としては、テープ、ヤーン、スプリットヤーン、モノフィラメント、短繊維、長繊維、スパン糸等が用いられる。
スプリットヤーン11a、芯糸11b、押さえ糸11c及び細幅線条体12を構成する熱可塑性樹脂は、図4(A)に示すように結晶性樹脂からなる基層3のみからなるものであってもよいが、図4(B)に示すように基層3の片面に接合層4を積層することもでき、また、図4(C)に示すように接合層4を基層3の両面に積層することもできる。また、細幅線条体12としては、図4(D)(E)に示すように、シースコア構造又はサイドバイサイド構造とすることもできる。
これらの基層3を構成する熱可塑性樹脂としては、延伸効果の大きい樹脂、一般には結晶性樹脂が使用され、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オレフィン系重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ビニロン等を用いることができる。中でも、加工性と経済性から、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
接合層4は、意匠撚糸11が細幅線条体12を用いてシート状に編織された際に、意匠撚糸11中のスプリットヤーン11aと細幅線条体12とを接合して両者の間の目ずれを防止するために好ましく設けられる。この目的のため、接合層4は、基層3を構成する熱可塑性樹脂よりも融点が低く、熱融着性の優れた熱可塑性樹脂が用いられる。
具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オレフィン系重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド等を用いることができ、基層3の熱可塑性樹脂との関係で、基層3より低融点、好ましくは20℃以上融点の低い熱可塑性樹脂が選択される。中でも、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体が好ましく、特に、メタロセン触媒を用いて重合した線状低密度ポリエチレンが好ましい。
更に、スプリットヤーン11a及び細幅線条体12を形成する熱可塑性樹脂には、無機充填剤を添加することができる。無機充填剤を配合することによって、風合いや保温性、製織性を向上することができる。
無機充填剤の種類としては、熱可塑性樹脂添加剤として公知の無機充填剤を使用することができ、例えば、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ウオスラストナイト、ゼオライト、ハイドロタルサイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム等を使用することができる。
これら無機充填剤の配合量は、0.1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%である。
また、スプリットヤーン11a、芯糸11b、押さえ糸11c及び細幅線条体12の基層3あるいは接合層4として用いられる熱可塑性樹脂には、目的に応じて各種の添加剤を添加することができる。
具体的には、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイト等の有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系等の光安定剤;ベゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;含臭素有機系、メラミン系、リン酸系、リン酸エステル系、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;金属イオン系等の無機、有機抗菌剤等が挙げられる。
特に、スプリットヤーン11a、芯糸11b、押さえ糸11c及び細幅線条体12を構成する樹脂としてポリオレフィンが使用されたときは、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系重合体を配合することが好ましい。
上記の充填剤あるいは添加剤は、適宜組み合わせて、材料組成物を調製するいずれかの工程で配合される。添加剤の配合は、従来公知の二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の混練装置を用いて所定割合に混合して、これを溶融混練して調製してもよいし、高濃度のいわゆるマスターバッチを作製し、これを希釈して使用するようにしてもよい。
スプリットヤーン11a及び細幅線条体12に積層体が使用される場合、その成形材料となる積層フィルムを成形する手段としては、予め基層3となるフィルムと接合層4となるフィルムを形成してドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、基層3となるフィルムの表面に接合層4となる熱可塑性樹脂をコーティングする方法、予め形成した基層3となるフィルムに接合層4を押出しラミネートする方法あるいは多層共押出し法によって積層フィルムとして押出し成形する等の公知の手段から適宜選択して用いればよい。中でも、成形の容易さやコスト面並びに製品の各層間の接着性及び光透過性の点では、多層共押出し法によって基層3と接合層4の積層体を一段で得る方法が好ましい。
また、延伸する方法としては、基層3となるフィルムを一軸方向に延伸した後、接合層4となる熱可塑性樹脂を積層し、これをテープ状にスリットしてもよく、あるいは、基層3と接合層4とが積層された積層フィルムをスリットする前又はスリットした後、一軸方向に延伸することよって得ることもできる。
なお、遮光性をより高めるため、特にスプリットヤーン11aには遮光性を付与することが好ましく、アルミニウム粉末、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の光反射性粉末、あるいは、カーボンブラック等の光吸収性粉末を添加することが好ましい。また、無機充填剤を添加して比較的低温で大きく延伸することによって糸内にボイドを生じさせる方法も有効である。
延伸方法としては、熱ロールによる延伸、熱板による延伸、熱風炉内でロールによって延伸する方法等によって行うことができる。延伸倍率は3〜12倍、好ましくは5〜10倍程度が好ましい。
スプリットヤーン11aの太さとしては、テープ状のフラットヤーンの状態で、一般に75〜5000デシテックス(dt)、糸幅が1.0〜50mm、好ましくは3.0〜30mmの範囲とされる。スプリットヤーンは、かかるテープ状のフラットヤーンに縦方向に多数の小さな切れ目を入れることによって形成することができる。スプリットヤーンとすることによって、柔軟性、嵩高性が高められる。
細幅線条体12の太さとしては、10〜5000デシテックスの範囲が好ましく、フラットヤーンであれば糸幅が0.5〜30mm、好ましくは1.0〜20mm、厚さが10〜150μm、好ましくは20〜100μmの範囲である。モノフィラメントであれば、繊維径が0.1〜1.5mm、好ましくは0.2〜1mmの範囲とされ、マルチフィラメントを使用するときは、単繊維の太さは0.05〜50デシテックス、単繊維が収束されたマルチフィラメントの太さとしては、10〜5000デシテックス、好ましくは100〜3000デシテックスとされる。
スプリットヤーン11aは予め捲縮処理されてもよく、捲縮処理によってより嵩高とされ、遮光性をより向上させることができる。捲縮方法としては公知の方法を広く採用することができ、例えば、強い撚りをかけてボビンに巻き取り、これをオートクレーブ内で熱処理した後解撚する加熱熱固定法、ローラー間の中央部にスピンドルを設けて回転させることによって、その上下に逆方向の撚りをかけ、熱処理した後に引き出すようにした仮撚り法、引き出された糸を熱セットするモディファイド法、高温円筒体に押し込んで捲縮させる押し込み法等を採用することができる。
また、図5に示すように、スプリットヤーン11aを形成する熱可塑性樹脂に対して、融点等の特性が異なる熱可塑性樹脂5を片面に張り合わせた複合線条体を用い、これを熱処理する方法を採用することもでき、効率的で好ましい方法である。なお、複合線条体を形成する材料は、同質の熱可塑性樹脂であっても延伸率の異なる線条体を張り合わせることによって目的を達することができる。
意匠撚糸11において、かかるスプリットヤーン11aが固定される芯糸11bとしては、延伸効果の大きい樹脂、一般には結晶性樹脂が使用され、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−オレフィン系重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ビニロン等を用いることができる。中でも、加工性と経済性から、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
芯材11bを形成する樹脂中には、スプリットヤーン11aと同様に各種の充填剤、添加剤を配合することができる。
この芯糸11bには、専らモノフィラメントが使用されるが、一軸方向に延伸処理され、長さ方向の伸びが抑えられている。上述したように、スプリットヤーン11aは芯糸11bより多く給糸されているが、芯糸11bが長さ方向の伸びを規制するように働くため、意匠撚糸11自体の長さ方向の伸びが抑えられ、遮光シート1の形状保持性が高められる。このため、遮光シート1が風圧を受けること等によってスプリットヤーン11aが伸びてシートの目が大きくなり、遮光性が低下してしまうような不具合は生じなくなる。
芯糸11bの太さは、50〜5000デシテックス、好ましくは100〜1000デシテックスの範囲とされる。
意匠撚糸11は、芯糸11bにスプリットヤーン11aを給糸し、押さえ糸11cによってその周囲を螺旋状に巻回することによって両者を固定して形成される。
意匠撚糸11を製造する際、スプリットヤーン11aが嵩高い状態で芯糸11bに固定されるように、芯糸11bに対するスプリットヤーン11aの給糸量を多くする。これにより製造される意匠撚糸11は、単位長さ当たり、スプリットヤーン11aを伸長させたときの長さが、芯糸11bの長さの100〜300%となることが好ましい。100%より小さいと意匠撚糸11の嵩高性が不足して遮光シート1の遮光性が低くなり、また、300%より大きいと嵩高になりすぎて遮光シート1の通気性が低下するようになる。
スプリットヤーン11aを芯糸11bに固定するために使用される押さえ糸11cは特に限定されず、天然繊維、合成繊維のいずれを用いて形成された糸であってもよい。押さえ糸11cは、収束されたスプリットヤーン11aと芯糸11bとの周囲を螺旋状に巻回することによって両者を固定し、意匠撚糸11とする。
これにより、意匠撚糸11には、押さえ糸11cが巻回されることによって、図2に示すように、長さ方向に亘ってスプリットヤーン11aからなる多数のコブaが形成され、このコブaによって意匠撚糸11全体として嵩高性が付与される。また、コブaは多数の切れ目bが形成されたスプリットヤーンからなり、このコブa中の多数の切れ目bが開いた状態となっており、このコブa中の開いた切れ目bの存在によって意匠撚糸11自体で通気性を有している。
このようなコブaが嵩高性の付与及び意匠撚糸11自体の通気性の付与に効果的に機能するため、図2に示す押さえ糸11cの撚り数は30〜300T/mとすることが好ましい。30T/mより小さくなると、スプリットヤーン11aの芯糸11bに対する固定が不十分となってスプリットヤーン11aが固定しづらくなり、300T/mを超えるようになると、スプリットヤーン11aによって形成されるコブaが小さくなって意匠撚糸11全体の嵩高性が不足しがちになる。また、より好ましくは50〜200T/mとすることである。
かかる意匠撚糸11の製造には、通常のカバーリング撚糸機、特殊意匠撚糸機等を用いることができる。
並列した意匠撚糸11を編成するための細幅線条体12には、スプリットヤーン11aと同様の熱可塑性樹脂を、テープ、ヤーン、スプリットヤーン、モノフィラメント、短繊維、長繊維、スパン糸等として用いることができる。太さは10〜5000デシテックスの範囲が好ましく、フラットヤーンであれば糸幅が0.5〜30mm、好ましくは1.0〜20mm、厚さが10〜150μm、好ましくは20〜100μmの範囲が好ましい。モノフィラメントであれば繊維径が0.1〜1.5mm、好ましくは0.2〜1mmの範囲とされる。マルチフィラメントを使用するときは、単繊維の太さは0.05〜50デシテックス、単繊維が収束されたマルチフィラメントの太さとしては、10〜5000デシテックス、好ましくは100〜3000デシテックスとされる。
得られた意匠撚糸11及び細幅線条体12は、図1に示すように、緯糸として並列した意匠撚糸11に、経糸として細幅線条体12を編織して遮光シート1とされる。編織の具体的方法としては、平織り、絡み織り、メリヤス編み等とすることができる。
スプリットヤーン11a、芯糸11b、押さえ糸11c及び細幅線条体12に、接合層4を有する積層体を使用した場合は、意匠撚糸11と細幅線条体12との交差点を熱融着することにより接合することにより、両者の目ずれを防止するようにしてもよい。
細幅線条体12は、意匠撚糸11に対して2mm以上、好ましくは5mm以上100mm以下、更に好ましくは10mm以上100mm以下の間隔をおいて編織される。これにより意匠撚糸11のスプリットヤーン11aの嵩高性を阻害することなくシート状とすることができ、遮光性の優れたシートとすることができる。
遮光シート1の質量は20〜300g/m2であることが好ましい。20g/m2未満であると、耐久性や強度に劣るようになり、300g/m2を超えると、展張する作業者に負担が大きく、また、内張りカーテン資材として使用する場合は、被覆するためのワイヤー等への負担も大きくなる。
遮光シート1には、必要に応じて表面を親水化する処理を行うことができる。親水化処理によって、結露によって生じた水滴が作物の上に落ちることを防ぐことができる。親水化処理は、火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理等の物理的処理、界面活性剤等を熱可塑性樹脂中に添加し、樹脂表面にブリードアウトさせる方法や親水性樹脂をコーティングする方法等の化学的処理を利用することができる。親水化処理は、編織する前のスプリットヤーン11a及び細幅線条体12に対して行うことができ、また、編織した後のシートに対して行うこともできる。
かかる遮光シート1は、作物の日覆、あるいは、図6に示すように、ハウス2の外側に張設してハウス用シートとして使用することができる。
なお、以上説明した態様では、緯糸に意匠撚糸11、経糸に細幅線条体12を使用したが、緯糸に細幅線条体12、経糸に意匠撚糸11を使用してもよい。また、緯糸及び経糸の両方に、意匠撚糸11を用いて遮光シート1を編織してもよい。
以下、本発明の効果を実施例により例証する。
(実施例1)
[意匠撚糸]
黒色に着色した繊度1000dt、糸幅6mmの高密度ポリエチレンフラットヤーンを、針刃ロールによって縦方向の切れ目を多数形成してスプリットヤーンとした。
得られたスプリットヤーンを、高密度ポリエチレンモノフィラメント560dtを芯糸とし、黒色ポリエステルマルチフィラメント55dtを押さえ糸として、押さえ糸の撚り数を200T/m、スプリットヤーンを伸長させた際の長さが芯糸の長さの130%となるように給糸して意匠撚糸を作成した。
[遮光シート]
ポリエステルマルチフィラメント560dtを6本/インチの打込み本数で独立編みした経糸に、上記意匠撚糸を12本/インチの打込み本数でヨコ挿入した編布を遮光シートとした。
(実施例2)
意匠撚糸を24本/インチの打込み本数でヨコ挿入した以外は、実施例1と同様にして遮光シートを得た。
(比較例1)
市販のラッセル編み黒色遮光シートを用いた。
<評価>
得られた各遮光シートについて、以下の測定法により各項目を測定した。その結果を表1に示す。
・遮光率:JIS L1055 カーテンの遮光性試験 方法A法に準拠
・通気性:JIS L1018 ニット生地試験方法による
Figure 2008079543
本発明に係る農業用遮光シートの部分平面図 本発明に係る意匠撚糸の構造図 本発明に係るスプリットヤーンの構造図 本発明に使用される糸の断面図 本発明に使用される糸の他の例を示す断面図 本発明に係る農業用遮光シートの使用例を示す斜視図
符号の説明
1:農業用遮光シート
11:意匠撚糸
11a:スプリットヤーン
11b:芯糸
11c:押さえ糸
12:細幅線条体
2:ハウス
3:基層
4:接合層
5:熱可塑性樹脂
a:コブ
b:切れ目

Claims (4)

  1. 緯糸及び経糸の少なくともいずれかに意匠撚糸を用いて編織されており、
    前記意匠撚糸が、テープ状のフラットヤーンに縦方向の切れ目を多数形成したスプリットヤーンを芯糸に対して押さえ糸を巻回して固定してなることを特徴とする農業用遮光シート。
  2. 前記意匠撚糸は、単位長さ当たり、前記スプリットヤーンが前記芯糸よりも多く給糸されていることを特徴とする請求項1記載の農業用遮光シート。
  3. 前記意匠撚糸は、単位長さ当たり、前記スプリットヤーンを伸長させたときの長さが、前記芯糸の長さの100〜300%であることを特徴とする請求項2記載の農業用遮光シート。
  4. 前記押さえ糸の撚り数は、30〜300T/mであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の農業用遮光シート。
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