JP2001320260A - 分波器デバイス - Google Patents

分波器デバイス

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、分波器デバイスに関し、1つの
位相整合回路を2層以上の層にわたって配置することに
より、小型化かつ安定した特性の分波器デバイスを提供
することを課題とする。 【解決手段】 異なる帯域中心周波数を有する2つの弾
性表面波フィルタを用いた分波器デバイスにおいて、2
つの弾性表面波フィルタ同士の位相を整合させる位相整
合用回路が線路パターンで形成され、かつ少なくとも1
つの線路パターンが多層パッケージの複数の内層にわた
って分割して形成され、少なくとも隣接する層に形成さ
れた前記線路パターンの形状が異なっていることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、分波器デバイス
に関し、特に、弾性表面波フィルタを用いた分波器デバ
イスに関する。近年、移動体通信システムの発展に伴っ
て、携帯電話,携帯情報端末が急速に普及しており、さ
らに、小型化かつ高性能化が求められている。また、使
用周波数も、800MHz〜1GHz帯,1.5GHz
〜2.0GHz等、多岐にわたっている。
【0002】
【従来の技術】近年の携帯電話の開発では、システムの
多様化によりデュアルモード(アナログとディジタルの
併用、ディジタルのTDMA:時間分割変調方式、とC
DMA:コード分割変調方式の併用)あるいはデュアル
バンド(800MHz帯と1.9GHz帯の併用、900MHz帯と1.8GHz
帯あるいは1.5GHz帯の併用)化を行うことで端末を高機
能化することが行われている。
【0003】これに伴い、携帯電話に用いる部品(たと
えばフィルタ)も高機能化が求められている。さらに、
高機能化以外に小型且つ低コスト化の要求も当然のよう
に求められている。これらの移動体通信機器では、アン
テナを通して送受信される信号の分岐、生成を行うRF
部における部品として、アンテナ分波器が用いられてい
る。
【0004】図20に、従来から用いられている携帯電
話の高周波部の構成ブロック図を示す。マイクから入力
された音声信号100は、変調器101によって携帯電
話システムの変調方式の変調信号に変換され、さらに局
部発信器108によって所定の搬送周波数に変換された
後、その所定の送信周波数の信号のみを選択する段間フ
ィルタ102を通過し、パワーアンプ103によって所
望の信号強度にまで増幅され、アンテナ分波器105に
送られる。アンテナ分波器105は、所定の送信周波数
の信号のみをアンテナ104に送り、アンテナ104か
ら無線信号として空気中に送信する。
【0005】一方、アンテナ104で受信された信号
は、アンテナ分波器105に送られ、所定の周波数の信
号だけが選択される。選択された受信信号は、ローノイ
ズアンプ106により増幅され、段間フィルタ107を
経由した後、通話信号のみをIFフィルタにより選択し
て復調器111により音声信号100として取り出され
る。アンテナ分波器105は、アンテナ104といわゆ
る音声信号の処理回路との間に位置し、送信信号及び受
信信号を分配し、それぞれが干渉しないようにする機能
を備えたものである。
【0006】アンテナ分波器は少なくとも送信用フィル
タと受信用フィルタが必要であり、さらに、送信信号と
受信信号が干渉しないようにするための整合回路(ある
いは位相整合用回路,位相整合のための線路パターンと
もいう)を有する。
【0007】高機能端末におけるアンテナ分波器は、誘
電体あるいは少なくとも一方に誘電体を用いた弾性表面
波フィルタとの複合分波器、あるいは弾性表面波フィル
タのみで構成されたものがある。誘電体を用いた分波器
は、サイズが大きいために、携帯端末機器の小型化や薄
型化が非常に難しい。また、片方に弾性表面波分波器を
用いる場合でも誘電体デバイスのサイズが小型・薄型化
を難しくしている。
【0008】従来の弾性表面波フィルタを用いた分波器
デバイスは、プリント板上に個別のフィルタと整合回路
を搭載したモジュール型のものや多層セラミックパッケ
ージに送信及び受信用フィルタチップを搭載し整合回路
をパッケージ内に設けた一体型のものがある。これら
は、誘電体を用いた分波器に比べ体積を1/3から1/
15程度の、高さ方向だけでみると1/2から1/3程
度の小型薄型化が可能となる。この弾性表面波デバイス
を用い且つデバイスサイズを小型にすることで、誘電体
デバイスと同等のコストにすることが可能となってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】今後、更なる小型化が
要求されているが、その小型化のためには、特開平10
−126213号公報に記載したような多層セラミクス
パッケージを用いた構造を用いること、さらにはひとつ
のチップ上に2つのフィルタを形成することやワイヤ接
続を用いないフリップチップ実装技術を適用することが
必須である。いずれの場合においても、2つの弾性表面
波フィルタを搭載する気密封止可能な「分波器パッケー
ジ」と、2つのフィルタを分波器構成する場合の「整合
回路」は必要となる。
【0010】すなわち、小型且つ低コストの分波器デバ
イスを実現するには、特性の安定した分波器パッケージ
が大量に生産されることが求められる。分波器パッケー
ジを大量生産するために、セラミックスの多層シートに
マトリクス状に個々のパッケージデバイスを配置して焼
成し最終段階で個片にブレイクする工法がとられている
が、従来のような個々のデバイス間の捨てシロがあるよ
うなシート(図4参照)から、捨てシロ部分を取り除い
てダイレクトにデバイスを並べる細密マトリクス配置の
ようなシート(図5参照)を用いることによる生産数量
の向上を図った製造方法等に近年改良されてきている。
図4,図5において、正方形一つ一つが、分波器デバイ
スを意味している。多層シートは、たとえば、5枚のセ
ラミクスシートを重ね合わせて形成される。また、分波
器パッケージは、主として積層工程とその後に行われる
焼成工程とによって製造される。
【0011】ここで問題となってくるのが、数枚のセラ
ミクスシートを多層化する場合に発生するシートの積層
ズレの精度である。図6に従来の分波器パッケージの断
面構造を示す。
【0012】図6において、この従来の分波器パッケー
ジは、レイヤ1(L1)からレイヤ5(L5)までの5
層構造からなり、最上層のレイヤ(L1)の上に蓋5が
配置され、レイヤ4(L4)の表面上にフィルタチップ
2及び3が搭載され、フィルタチップ上の接続端子とレ
イヤ2(L2)上のボンディング端子とが、ワイヤ4で
接続される。レイヤ5(L5)の裏面には、外部回路と
の接続端子が配置されている。
【0013】また、位相整合用回路の線路パターン1
が、内層であるレイヤ3(L3)上の表面に形成されて
いる。さらに、ボンディング端子のあるレイヤ2(L
2)の層から最下層であるレイヤ5(L5)の裏面ま
で、レイヤ5(L5)の接続端子への接続経路であるサ
イドキャステレーション6が形成されている。ここで、
分波器パッケージの小型化とともにパッケージの側面の
幅厚みも狭くなってくるため、積層ズレにより内層に形
成されたパターン(例えば位相整合用線路パターン1)
がパッケージ側面を用いた接続部6(サイドキャステレ
ーション)のパターンと接触するような不具合(ショー
ト不良)が起こってくる。
【0014】これらの接触を防ぐためにサイドキャステ
レーション6を形成する層を減らすと、位置あわせ精度
がますます厳しくなる。また複数層にわたって位相整合
用の線路パターンが上下の線路パターンの位置が重なり
合うように形成されていると、設計値と特性が異なると
か、安定な特性が得られないという問題が発生してい
た。
【0015】図11から図13に、従来における位相整
合回路の線路パターンの位相回転量のシミュレーション
結果の説明図を示す。図11は、線路パターンaを一層
中に形成した場合を示しており、線路パターンaは、そ
の上層及び下層に形成されたGNDパターン(b,c)
にはさまれた構造となっている。ここで、距離L1=
0.5mm,L2=0.6mm,誘電率εr=9.5,線路
パターンのライン幅W1=0.1mm,ライン長さL0=
24mmである。
【0016】図12は、1つの整合回路を線路パターン
a1,a2として2つの層にわけて形成した場合を示し
ており、線路パターンa1,a2は紙面の上下方向すな
わち層の重なり方向に重なった位置に配置され、GND
パターンb,cにはさまれた構造となっている。ここ
で、距離L3=0.5mm,L4=0.3mm,L5=0.
3mmであり、ライン幅W1,ライン長さL0は図11と
同様である。
【0017】図13は、1つの整合回路を線路パターン
a1,a2,a3として3つの層にわけて形成した場合
を示しており、線路パターンa1,a2,a3は紙面の
上下方向に重なった位置に配置され、GNDパターン
b,cにはさまれた構造となっている。ここで、距離L
6=0.3mm,L7=0.2mm,L8=0.3mm,L9
=0.3mmであり、ライン幅W1,ライン長さL0は図
11と同様である。
【0018】図11において、1層で形成したパターン
における位相回転量は約188度であるのに対して、2
層、3層と折り返して同じ長さのパターンを形成する
と、図12,図13に示すように、回転量が132度、105
度と減少していくことがわかる。すなわち、回転量の減
少は、フィルタの周波数特性のうち、整合性が劣化して
いくことを意味する。
【0019】一方、アンテナ分波器デバイスは、数百M
Hzから数GHzの周波数帯で用いられるため、分波器
パッケージにできるだけ多くの接地端子を設けることに
より、所望の周波数特性を実現するような手法がとられ
ているため、パッケージのすべての辺の周囲に接続用端
子があることが多い。すなわち、わずかな多層シートの
積層ずれでも、ショート不良を起こす原因となる。
【0020】パターンがショートすると分波器の回路構
成が構成できないため、分波器デバイスの所望のフィル
タ特性が得られず、不良品となる。また、図12のよう
に上下の層で整合回路の線路パターンが重なっている場
合には線路パターンa1,a2間に容量結合が発生す
る。それにより、線路長が同じであるにも関わらず本来
所望の位相回転量に設計していた回転量より回転が減少
するとかまたは、信号端子間の特性に漏れ信号が発生す
ることになり、その結果分波器を構成している2つのフ
ィルタの周波数特性が劣化してしまっていた。
【0021】この発明は、以上のような事情を考慮して
なされたものであり、従来よりも小型かつフィルタ特性
の安定した高性能の分波器デバイスを安価に提供するこ
とを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明は、異なる帯域
中心周波数を有する2つの弾性表面波フィルタを用いた
分波器デバイスにおいて、2つの弾性表面波フィルタ同
士の位相を整合させる位相整合用回路が線路パターンで
形成され、かつ少なくとも1つの線路パターンが多層パ
ッケージの複数の内層にわたって分割して形成され、少
なくとも隣接する層に形成された前記線路パターンの形
状が異なっていることを特徴とする分波器デバイスを提
供するものである。これによれば、小型かつ安定した特
性の分波器デバイスを提供することができる。
【0023】また、前記位相整合用回路が、隣接する2
つの内層にわたって形成され、かつ一方の内層に形成さ
れた位相整合用回路のパターン形状が直線状パターンで
あって、他方の内層に形成された位相整合用回路のパタ
ーン形状がスネーク状パターンとなるようにしてもよ
い。
【0024】ここで、前記スネーク状パターンの対称中
心線と、前記直線状パターンの幅方向中心線とが、層の
重なり方向において異なるようにしてもよい。
【0025】さらに、前記位相整合用回路が、隣接する
2つの内層にわたって形成され、かつその2つの層に形
成された位相整合用回路のパターン形状がどちらも直線
状パターンであり、かつ、その2つの直線状パターンの
形成位置が、層の重なり方向において異なるようにして
もよい。ここで、隣接する2つの内層にわたって形成さ
れるパターンを、どちらもスネーク状パターンとしても
よい。
【0026】また、前記最上層に形成された第1の回路
パターンと最下層に形成された第2の回路パターンと
が、他のすべての回路パターンとは接続されないビアを
通して接続されるような構成を備えてもよい。
【0027】さらに、最下層に外部接続端子を有する層
を備え、前記位相整合回路が形成された層よりも下の層
の外部側面に、前記外部接続端子に接続される接続ライ
ンを設けるようにしてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発
明が限定されるものではない。図1に、この発明で対象
とする分波器の構成の概略ブロック図を示す。この分波
器は、2つのSAWフィルタ2(F1)、3(F2)と
1つの整合回路1とからなり、アンテナに接続される共
通端子T0と、外部端子に接続される入出力端子T1,
T2とを備える。
【0029】ここでフィルタF1,F2は、小型化、要
求される性能の観点から弾性表面波共振器を組み合わせ
た弾性表面波フィルタ(以下、SAWフィルタという)
を用いる。整合回路1は、2つのSAWフィルタの互い
の干渉を低減して、所望のフィルタ特性を得るために共
通端子T0とSAWフィルタとの間に設けられる。整合
回路1は、共通端子T0とフィルタF1の間、及び共通
端子T0とフィルタF2の間にそれぞれ設けてもよい
が、特に小型化の観点からは共通端子T0とどちらか一
方のフィルタとの間に1つだけ設けることが好ましい。
以下の説明では、共通端子T0とフィルタF1の間に設
けるものとする。
【0030】また、整合回路1は、一般に、タングステ
ンや銅を主成分とする材料で作成され、一定の長さを有
する細長い線路で形成される。この整合回路1は、幅
0.1〜0.2mm程度で線路長は数十mm程度である
が、要求されるSAWフィルタの中心周波数との関係
で、その線路長は特定される。
【0031】図2に、この発明の分波器に用いられる2
つのSAWフィルタF1,F2の周波数特性のグラフを
示す。ここで、SAWフィルタF1,F2は、互いに異
なる帯域中心周波数(F1<F2)を有しているが、た
とえば、SAWフィルタF1の帯域中心周波数を836
MHz、SAWフィルタF2の帯域中心周波数を881
MHzとするものを作ることができる。
【0032】図3に、この発明のSAWフィルタを搭載
した分波器パッケージの一実施例の概略断面図を示す。
また、この実施例では分波器パッケージは5つの層から
なる多層構造を備えている。多層構造の層の数は5層に
限られるものではないが、少ない方が低背化の点で有利
である。
【0033】最上層L1(レイヤ1)の上には、内部の
フィルタを保護する蓋5が配置される。蓋は、Auメッ
キあるいはNiメッキ等の金属材料、またはパッケージ
と同じセラミック材料で作られる。
【0034】レイヤ1(L1)は、上記蓋5をのせるた
めのパッケージの枠であり、ガラスセラミックあるいは
アルミナセラミクス等の材料で作られる。レイヤ(L
2)及びレイヤ3(L3)は、キャビティ層と呼ばれる
層であり、レイヤ2とレイヤ3の合計高さはフィルタF
1とほぼ同じである。
【0035】レイヤ2(L2)の表面は、SAWフィル
タ上の端子と外部との接続を形成する層であり、いわゆ
るボンディング端子層を形成している。このボンディン
グ端子層の表面に設けられた端子(図1の入出力端子T
1,T2に相当)と、SAWフィルタ上の端子とは、ワ
イヤ4により接続される。レイヤ2(L2)はガラスあ
るいはアルミナセラミック等の材料で作成され、その表
面の端子及び配線パターンはタングステン、Cu、Ag
等の導体材料の表面をAuメッキ処理して作成される。
またワイヤ4はAl−Si等の材料を用いればよい。
【0036】レイヤ3(L3)及びレイヤ4(L4)
は、その表面に整合回路1のパターンを形成した整合層
であり、ガラスあるいはアルミナセラミック等の材料で
作成される。
【0037】図3において、整合回路1は符号1a,1
b,1c,1dで示された部分であり、レイヤ3(L
3)とレイヤ4(L4)の2層にわたって形成される
が、電気的に接続された1本の線路パターンである。こ
こで、レイヤ3(L3)に形成された整合回路部分1a
と1bとは、その層内では所定のパターン形状に引きま
わされ、同様に整合回路部1cと1dとはレイヤ4(L
4)の層内では所定のパターン形状に引きまわされる。
【0038】また、レイヤ3(L3)に形成された整合
回路の一端と、レイヤ4(L4)に形成された整合回路
の一端とは、レイヤ3(L3)の層内を貫くビア(図示
していない)によって、電気的に接続される。また、レ
イヤ3(L3)及びレイヤ4(L4)のそれぞれの整合
回路の線路パターンは、フィルタチップを搭載する中央
に設けられた空洞のまわりに形成される。
【0039】レイヤ4(L4)は、その表面にフィルタ
F1,F2を実装する層(いわゆるダイヤタッチ層)で
もある。レイヤ4(L4)のフィルタを実装する表面に
は、GNDパターン9が形成される。SAWフィルタ
は、このGNDパターン9の上に導電性のペースト等を
用いて接着される。
【0040】レイヤ5(L5)は最下層であるが、その
レイヤ4(L4)と接する表面には、シールド用のGN
Dパターン8が形成される。また、レイヤ5(L5)の
裏面には、外部信号端子7(T0,T1,T2)が配置さ
れる。
【0041】さらに、図3に示すように、ボンディング
端子のない層であって、整合回路パターンの形成されて
いる層以下の層(レイヤ3(L3)、レイヤ4(L
4)、レイヤ5(L5))の側壁に、レイヤ5(L5)
裏面に設けられた外部信号端子との接続ライン(以下、
この接続ラインをサイドキャステレーションという)を
設ける。
【0042】このように、サイドキャステレーションを
レイヤ3,4及び5の3つの層のみに設けることによ
り、レイヤ2からレイヤ5の4つの層にわたってサイド
キャステレーションを設けた場合よりも、各層ごとの多
層シートの位置合わせは難しくなるかもしれないが、各
層の積層ずれに対するショート不良を低減させることが
可能となる。すなわち、製造時の歩留まりを向上させる
ことができる。
【0043】また、この発明において、2層(レイヤ3
とレイヤ4)にわたって形成された整合回路のそれぞれ
の層の線路パターンは、紙面の垂直方向、すなわち層の
重なり方向に見て、完全に重なり合うような位置に配置
されないように形成することを特徴とする。
【0044】整合回路の2つの線路パターンが大部分に
おいて重なりあっている場合(図12参照)には、前記
したように安定した特性が得られない。要求される設計
仕様等によって許容できる重なり量(重なった領域の面
積)は異なるため、重なり量の所定値は定めることはで
きないが、少なくとも2つの線路パターンのうち30%
程度以上は重ならない配置とすることが好ましい。すな
わち、重なり合う領域の面積ができるだけ少なくなるよ
うな配置が好ましい。
【0045】たとえば、各層の整合回路の線路パターン
が直線状のパターンである場合には、各直線状のパター
ンの幅方向の中心線の位置が、層の重なり方向に見て所
定の距離以上異ならせるように、各層の整合回路の線路
パターンを形成する。ただし、各層の整合回路の線路パ
ターンの配置がすべての位置において重なり合わないよ
うにすることは通常困難であるので、一部分で重なり合
う部分あるいは交差する部分があってもよい。
【0046】また、一方の層の整合回路のパターンが直
線状のパターンであって、他方の層の整合回路のパター
ンがスネーク状のパターンとしてもよい。スネーク状パ
ターンとは、少なくとも直線状のパターンでないことを
意味し、局所的に見れば直線パターンであっても全体的
に見れば曲線的なパターンとなっていればよい。たとえ
ば、スネーク状パターンとしては、のこぎり波的パター
ン,正弦波的パターン,半波整流的パターン等が考えら
れる。
【0047】このように一方が直線状パターン、他方が
スネーク状パターンの場合は、層の重なり方向に見て交
差する部分が複数個できるが、その他の部分では重なら
ない配置となる。特に、スネーク状パターンが正弦波パ
ターンのように対称的パターンで作られる場合には、ス
ネーク状パターンの対称中心線と、直線状パターンの幅
方向中心線とが、層の重なり方向において異なる位置と
なるようにしてもよい。
【0048】また、2層(レイヤ3,レイヤ4)の整合
回路の線路パターンのどちらもスネーク状パターンとし
てもよい。この場合も、2つのパターンが重ならないよ
うに配置する必要があり、2つのスネーク状パターン
が、層の重なり方向に見て、重なる部分の領域面積がで
きるだけ少なくなるように両パターンの設計時に考慮す
る必要がある。
【0049】たとえば、曲線の周期を異ならせるとか、
または2つのパターンの層の重なり方向の位置を一定距
離だけずらすようにすればよい。2層にわたって形成さ
れた整合回路の線路パターンを上記のように配置するこ
とにより、従来よりもフィルタ設計時の周波数特性値に
より近く安定したフィルタ特性を得ることができる。フ
ィルタ特性については後述する。
【0050】以上のように、この発明の分波器パッケー
ジは5つの層からなる多層構造を有しているが、その外
形サイズは、800MHz帯の分波器の場合は5(横)
×5(縦)×1.3(高さ)mm程度とすることができ
る。また、1.9GHz帯の分波器の場合は、3.8
(横)×3.8(縦)×1.3(高さ)mm程度とするこ
とができ、いずれの場合もそのサイズを従来の分波器パ
ッケージの10〜35%程度とすることができる。
【0051】図7に、この発明の分波器パッケージの層
のうち、整合回路1が形成されるレイヤ3(L3)及び
レイヤ4(L4)の表面のパターン図の一実施例を示
す。図7(a)は、レイヤ4(L4)の表面を上方から見
た平面図であり、図7(b)はレイヤ3(L3)の表面を
上方から見た平面図である。図7(b)において、中央部
分の四角形状の部分は空洞となっている。また図7(a)
において、中央部分の四角形状の部分には、SAWフィ
ルタが搭載される。
【0052】図7(a)及び(b)の符号11は1本の整合回
路の線路パターンであり、ビアを介して接続されてい
る。図7(b)において、整合回路の一端が11aと11
dであり、図7(b)の11bと図7(a)の11b′とがビ
アを通して接続され、さらに図7(a)の11c′と図7
(b)の11cとがビアを通して接続されている。
【0053】また、図7(a)のレイヤ4(L4)の線路
パターンは、図の上下方向においてスネーク状のパター
ンとなっているのに対し、図7(b)のレイヤ3(L3)
の線路パターンは図の上下方向において直線状のパター
ンとなっている。整合回路11の一端11a及び11d
はパッケージのサイドキャステレーションを通してそれ
ぞれレイヤ5(L5)の裏面に配置されたアンテナへの
共通端子T0及び外部接続端子T1に接続される。
【0054】図7(c)は、図7(a),(b)に示したレイヤ3
及びレイヤ4のパターンを含むこの発明の分波器パッケ
ージの断面図である。図7(c)では、整合回路11の
線路パターンの層の重なり方向の位置について、レイヤ
4のスネーク状パターンの部分が、レイヤ3の直線状パ
ターンよりも外側に配置されている状態を示している。
【0055】ここで、直線状パターンの線幅をW(≒
0.1mm)とすると、直線状パターンの幅方向中心線の
位置と、スネーク状パターンの対称中心線の位置との距
離をnとすると、n≧2.2W程度とすることが好まし
い。
【0056】図8にこの発明の分波器パッケージの一実
施例における各層の構成パターンの平面図を示す。各層
のパッケージ材料には、高誘電率(ε=9.5)ガラス
セラミックを用い、レイヤ1(L1)からレイヤ5(L
5)までの5層の構造とする。
【0057】図8(a)から(e)は、レイヤ1(L1)から
レイヤ5(L5)までの各層の表面上のパターンを示し
ている。図8(f)は、レイヤ5(L5)の裏面上のパタ
ーンを示している。図8(a)に示すレイヤ1(L1)に
おいて、中央部の四角形部分は空洞であり、その周辺に
はGNDパターンが形成されている。
【0058】図8(b)に示すレイヤ2(L2)には、フ
ィルタF1とのワイヤボンディングのためのパッドとG
ND端子が形成され、これらの端子と図8(f)のレイヤ
5(L5)裏面の端子とをサイドキャストレーションを
介して接続するためのパターンが形成されている。中央
部分の四角形内部は空洞である。レイヤ2(L2)での
サイドキャストレーションは、図8(b)のパッケージ外
周の紙面の上片と下辺に形成された半円の切り欠き部分
である。
【0059】図8(c)に示すレイヤ3(L3)には、整
合回路12が形成されている。整合回路12の一端12
aは、ビアパターンによりボンディングパッド12dに
接続され、符号12bはビアを通して下層であるレイヤ
4(L4)の符号12b′と接続されている。ここで、
整合回路12の線路パターンは線幅を約0.1mmとす
る。中央部分の四角形内部は空洞である。
【0060】図8(d)に示すレイヤ4(L4)には、整
合回路12が形成されているが、符号12b′が前記し
たレイヤ3(L3)の整合回路12のパターンと接続さ
れた端部であり、符号12cが整合回路12の一端であ
る。ここで一端12cは、ビアを介してボンディング端
子12eに接続される。
【0061】図8(c)及び(d)からわかるように、整合回
路12は、2層にわたり、その一端12aから他の一端
12cまでの長さを有する1本の線路パターンである。
レイヤ4(L4)の中央部の四角形はGNDパターンで
あり、この四角形領域の上にSAWフィルタが搭載され
る。
【0062】図8(e)は、レイヤ5(L5)の表面のパ
ターンを示しているが、ほぼ全面にわたりGNDパター
ンが形成されている。このGNDパターンはパッケージ
周囲の上辺と下辺のサイドキャストレーションを通して
前記したレイヤ2(L2)のGND端子と接続されてい
る。
【0063】また、レイヤ5(L5)の表面と裏面のパ
ターンを接続するためのサイドキャストレーションが、
パッケージ周囲の左辺と右辺に形成されている。図8
(e)の右辺に形成されたサイドキャストレーションはG
NDパターンに接続されている。
【0064】図8(f)はレイヤ5(L5)裏面のパタ
ーンであるが、分波器パッケージ外部の素子等との接続
のための端子(GND,共通端子T0,外部入出力端子
T1,T2)が配置されている。
【0065】また、図8(a)から図8(e)において、パッ
ケージの左下部分に設けられた符号13a〜13eは、
これら5つの層の位置合わせをするためのビアである。
このビアは、分波器としてのパターンとは接続されてい
ない独立したパターンである。位置合わせが正常であれ
ば、レイヤ1の符号13aとレイヤ5の符号13eまで
が電気的に導通する。
【0066】レイヤ1(L1)からレイヤ5(L5)ま
での5つの層を所定の位置に重ね合わせる積層工程にお
いて、パッケージの焼成前に、このビアを形成し、検査
ツールを用いてこのビアの導通を確認する。もしレイヤ
1からレイヤ5までの導通がなければ、位置がずれてい
ることになるので、焼成前にずれの修正が可能である。
【0067】各層の位置の修正は、たとえば、このビア
内に、微小なピンを挿入することにより可能である。こ
のように焼成前の積層工程の段階で位置ずれを修正する
ことができるので、分波器パッケージの歩留りを向上さ
せることができる。以上の実施例では、整合回路が2層
にわたって形成される場合を示したが、3層以上にわた
って形成されるようにしてもよい。
【0068】次に、この分波器パッケージを用いて、実
際に分波器を構成した場合のフィルタ特性等について説
明する。ここでは中央部にフィルタチップを搭載したア
ンテナ分波器の特性を考える。搭載するフィルタチップ
は、1ポート弾性表面波共振等を梯子型に接続したいわ
ゆるラダー型SAWフィルタを用いる。図10に、ラダ
ー型SAWフィルタ(F1,F2)を用いた場合の分波
器の概略回路図を示す。
【0069】このSAWフィルタは、基板材料としてL
iTaO3(たとえば方位:42Yrot−X伝播)を
用い、電極材料としてアルミニウムを主成分とする合金
(Al−Cu,Al−Mg)及びその多層膜(Al−C
u/Cu/Al−Cu,Al/Cu/Al,Al/Mg
/Al、Al−Mg/Mg/Al−Mgのうちいずれ
か)を用いる。このフィルタチップを図8(d)のパッケ
ージのレイヤ4(L4)上に搭載し、パッケージのレイ
ヤ2(L2)の端子とフィルタチップ上の所定の端子と
をAl−Siワイヤによって接続する。
【0070】1.9GHz帯の分波器を形成する場合に
は、SAW共振器の電極周期は約1.95〜2.18μ
mとし、規格化膜厚は約9%とする。また、位相整合回
路12の線路長は、約10mmとし、図8(c)と(d)に示す
ように直線状パターンとスネーク状パターンとする。こ
のとき、PCSシステム用のSAWフィルタでは、送受
信フィルタの帯域幅は60MHzであり、損失は送信フ
ィルタで約2.0dB,受信フィルタで約4.0dB,
阻止域減衰量は送信フィルタで約30dB,受信フィル
タで約40dBとなる。
【0071】880MHz帯の分波器を形成する場合
は、SAW共振器の電極周期は約4.3〜4.8μmと
し、規格化膜厚は約9%とする。また、位相整合回路1
2の線路長は約24mmとし、図8(c)と(d)に示すように
直線状パターンとスネーク状パターンとする。このと
き、AMPSシステム用のSAWフィルタでは、送受信
フィルタの帯域幅は25MHzであり、損失は送信フィ
ルタで約1.2dB,受信フィルタで約3.0dB,阻
止域減衰量は送信フィルタで約40dB,受信フィルタ
で約50dBとなる。
【0072】図9に、この発明の位相整合回路の線路パ
ターンのずれについての説明図を示す。図9は、分波器
パッケージの一部分の断面図を示したものであり、レイ
ヤ3の表面に形成された線路パターン21の線幅をw
1,レイヤ4の表面に形成された線路パターン22の線
幅をw2とする。
【0073】また、両線路パターン21,22の左右に
示した部分(符号23,24と符号25,26の部分)
は、パッケージの焼成後にできる線路パターンのにじみ
量を示している。さらに、w0は、にじみ量(符号2
4,25)を考慮した両パターン間の距離を示してい
る。にじみ量は、線路パターン21について0.1w
1,線路パターン22について0.1w2程度である。
ここで、実施例として、w1=w2=0.1mmとし、w
0=1.2×w1+0.1w=1.3w=0.13mmと
したものを作成した。
【0074】この発明の実施例では、前記した図8等に
示すように、整合回路が2層にわたって形成されるもの
を示したが、分波器のフィルタ特性を説明するために、
整合回路が1層中に形成された場合と2層又は3層にわ
たって形成された場合の特性を比較するシミュレーショ
ンを行った。
【0075】図15に、整合回路を形成する層の数と位
相回転量との関係を示すグラフを示す。ここで位相回転
量とは、スミスチャート上において、整合回路を挿入し
たことによる整合性の改善度を示す量であり、回転の角
度(deg)によって表わされる。一般に対象とするフ
ィルタの中心周波数等のパラメータによって好ましい回
転角度が異なるため、回転の角度の大小だけで、改善の
良否を議論することができないが、図15においては、
回転量が大きいほど整合性の特性が良く、回転量が小さ
いほど整合性が悪いと言える。
【0076】図15において、白丸印は、整合回路が直
線状のパターンの場合の理論値であり、黒丸印は分波器
を構成したときの実測値である。また2層にわたって整
合回路を形成したときは、両パターンとも直線状であ
り、かつ幅方向の中心位置は同じとする。ここで、1層
の場合において、分波器を構成した場合の回転量は18
0度から130度へと減少し、整合性はかなり悪くなる
ことがわかる。また、2層の場合は、整合性が若干悪く
なるが、3層の場合は若干改良していることがわかる。
【0077】また、図15の2層の場合において、三角
印は、2つの線路パターンの形状を直線状とスネーク状
とした場合の位相回転量を示しているが、両方の線路パ
ターンとも直線状の場合に比べて、回転量が150度程
度まで上昇するので整合性がより改善されていることが
わかる。以上の考察によれば、整合回路の線路パターン
を1層中に形成するよりも、2層にわたって形成しかつ
そのパターン形状を異ならせた方が、分波器の特性は改
善されることがわかる。
【0078】また、図15において、3層にわたって線
路パターンを形成した場合、三角印は3つの線路パター
ンのうち中央の線路パターンの中心位置を他の線路パタ
ーンの中心位置に対して200μmずらした場合を示し
ている。
【0079】図14に、3層にわたって線路パターンを
形成し、かつ中央の線路パターンの中心位置を異ならせ
た場合の位相回転量のシミュレーション結果の説明図を
示す。ここで図14の符号L10が線路パターンのずら
し量であり、L10=200μmとする。
【0080】図13に示したように、3つの線路パター
ンの位置をそろえた場合の位相回転量は105度程度で
あったのに対し、図14に示したように、中央の線路パ
ターンをずらしたものでは、位相回転量は121度程度
となった。また、位置のずらし量L10を100μmと
したときには、位相回転量は111度程度であった。こ
こで、3層の場合は、中心位置をそろえた場合に比べ
て、中心位置をずらした方が位相回転量が若干増加する
ため、整合性が改善されると言える。
【0081】図16及び図17に、図7に示したこの発
明の分波器パッケージにおけるスミスチャートとデバイ
ス通過特性のグラフを示す。ここで、整合回路は2層
(レイヤ3,レイヤ4)にわたって形成され、かつ線路
パターンは一方が直線状のものであり、他方がスネーク
状のものである。
【0082】図16(a)において、位相回転量は約22
0度である。また、図16(b)は800MHz帯の分波
器のフィルタ特性(デバイス通過特性)であり、図17
は1.9GHz帯の分波器のフィルタ特性であるが、図
16(b),図17どちらのグラフにおいても、図19
(b)と比較して相手側フィルタの通過帯域の減衰量が
増加している点が改善されていると言える。
【0083】図18に、従来において整合回路を1層で
形成した場合のスミスチャートを示す。この場合の位相
回転量は約180度であり、図16(a)に比べて40度
ほど回転量が少ないため、整合性が悪いと言える。
【0084】図19に、整合回路を2層にわたって形成
し、2つの線路パターンを直線状パターンで、かつその
幅方向の中心位置を同一とした場合(すなわち層の重な
り方向に重なっている場合)のスミスチャートとデバイ
ス通過特性(800MHz帯)のグラフを示す。
【0085】図19(a)のスミスチャートにおいて、位
相回転量は140度程度であり、図16(a)に比べて回
転量は80度少ない。また、図19と図16(b)のデバ
イス通過特性を比較しても、図16(b)の方が、相手側
フィルタの通過帯域における減衰量が改善されているこ
とがわかる。
【0086】以上より、図16から図19に示した3つ
のフィルタ特性のグラフの比較によれば、整合回路を2
層にわたって形成し、かつ2つの線路パターンの位置を
図7のように異ならせた分波器パッケージの方が、1層
のもの、及び2層かつ2つの線路パターンの位置を層の
重なり方向に重ならせたものよりも、安定した特性が得
られることがわかる。
【0087】また、800MHz帯の分波器において、
整合回路の線路長は約24mm必要であるが、整合回路を
1層で形成した場合には、分波器パッケージでは約7×
5×1.3mm程度の大きさが必要であったが、図8のよ
うに整合回路を2層にわたって形成した場合には、5×
5×1.3mm程度の大きさとすることができ、分波器パ
ッケージを小型化できる。
【0088】また、従来用いられいた分波器パッケージ
のサイドキャステレーションは、レイヤ2(L2)から
レイヤ5(L5)までの各層の周辺に形成されていた
が、図7及び図8に示すように、ワイヤボンディング層
(レイヤ2)のパターンに関係しないサイドキャステレ
ーションを、整合回路の線路パターンが形成されている
層(レイヤ3及びレイヤ4)よりも下の層であるレイヤ
5(L5)に形成している。すなわち、整合回路の線路
パターンが形成された層にサイドキャステレーションが
ないので、レイヤ3及びレイヤ4の線路パターンの形状
及び配置の余裕度をより大きくとることができ、かつ積
層時のショート不良も軽減できる。
【0089】さらに、図8に示すような他のパターンと
は独立したパターンであるビア(13a〜13e)を設
けているので、すべての層を積層した後であって焼成す
る前に、位置ずれの有無の確認が容易にでき、かつ位置
ずれが検出された際に焼成前に位置修正を行うことがで
きるので、歩留りを向上させることができる。
【0090】
【発明の効果】この発明によれば、小型化かつ安定した
フィルタ特性を持つ分波器パッケージを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の分波器の構成の概略ブロック図であ
る。
【図2】この発明の分波器に用いられる2つのSAWフ
ィルタの周波数特性のグラフである。
【図3】この発明のSAWフィルタを搭載した分波器パ
ッケージの一実施例の概略断面図である。
【図4】従来における分波器パッケージの多層シートの
説明図である。
【図5】従来における分波器パッケージの細密配置の多
層シートの説明図である。
【図6】従来の分波器パッケージの断面構造の説明図で
ある。
【図7】この発明の整合回路が作成される層のパターン
の実施例の説明図である。
【図8】この発明の分波器パッケージの一実施例におけ
る各層の構成パターンの平面図である。
【図9】この発明の位相整合回路の線路パターンのずれ
の説明図である。
【図10】この発明のラダー型SAWフィルタを用いた
場合の分波器の概略回路図である。
【図11】従来における位相整合回路の位相回転量のシ
ミュレーション結果の説明図である。
【図12】従来における位相整合回路の位相回転量のシ
ミュレーション結果の説明図である。
【図13】従来における位相整合回路の位相回転量のシ
ミュレーション結果の説明図である。
【図14】この発明の整合回路を3層にわたって形成し
た場合の、位相回転量のシミュレーション結果の説明図
である。
【図15】整合回路を形成する層の数と、位相回転量と
の関係のグラフである。
【図16】この発明の整合回路を2層にわたって形成し
た場合のスミスチャートとデバイス通過特性のグラフで
ある。
【図17】この発明の整合回路を2層にわたって形成し
た場合のデバイス通過特性のグラフである。
【図18】従来における整合回路を1層で形成した場合
のスミスチャートである。
【図19】従来における整合回路を2層にわたって形成
し、層方向に重なるように配置した場合のスミスチャー
トとデバイス通過特性のグラフである。
【図20】従来から用いられている携帯電話の高周波部
の構成ブロック図である。
【符号の説明】
1 整合回路 2 SAWフィルタ 3 SAWフィルタ 4 ワイヤ 5 蓋 6 サイドキャステレーション 7 外部信号端子 8 GNDパターン 9 GNDパターン 11 整合回路の線路パターン 12 整合回路 13a ビア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 良夫 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 平沢 暢朗 長野県須坂市大字小山460番地 富士通メ ディアデバイス株式会社内 (72)発明者 福島 英訓 長野県須坂市大字小山460番地 富士通メ ディアデバイス株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA29 BB15 JJ01 KK02 KK10 LL07 5K011 BA03 DA02 EA02 JA01 KA00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる帯域中心周波数を有する2つの弾
    性表面波フィルタを用いた分波器デバイスにおいて、2
    つの弾性表面波フィルタ同士の位相を整合させる位相整
    合用回路が線路パターンで形成され、かつ少なくとも1
    つの線路パターンが多層パッケージの複数の内層にわた
    って分割して形成され、少なくとも隣接する層に形成さ
    れた前記線路パターンの形状が異なっていることを特徴
    とする分波器デバイス。
  2. 【請求項2】 前記一方の内層に形成された位相整合用
    回路のパターン形状が直線状パターンであって、他方の
    内層に形成された位相整合用回路のパターン形状がスネ
    ーク状パターンであることを特徴とする請求項1の分波
    器デバイス。
  3. 【請求項3】 前記スネーク状パターンの対称中心線
    と、前記直線状パターンの幅方向中心線とが、層の重な
    り方向において異なっていることを特徴とする請求項2
    の分波器デバイス。
  4. 【請求項4】 前記2つの位相整合用回路のパターン形
    状がいずれも直線状パターンであり、かつ、この2つの
    直線状パターンの形成位置が、層の重なり方向において
    異なっていることを特徴とする請求項1の分波器デバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 前記位相整合用回路のパターン形状がい
    ずれもスネーク状パターンであり、かつこれらのスネー
    ク状パターンの形成位置が、層の重なり方向において異
    なっていることを特徴とする請求項1の分波器デバイ
    ス。
  6. 【請求項6】 前記最上層に形成された第1の回路パタ
    ーンと最下層に形成された第2の回路パターンとが、他
    のすべての回路パターンとは接続されないビアを通して
    接続されることを特徴とする請求項1から5のいずれか
    に記載した分波器デバイス。
  7. 【請求項7】 前記位相整合用回路が形成された層の上
    に弾性表面波フィルタと接続するためのボンディング端
    子が設けられたボンディング層を備え、最下層に外部接
    続端子を有する層を備え、前記ボンディング端子と対応
    する外部接続端子とが、ボンディング層と最下層との間
    に位置する内層の外部側面を通して接続されることを特
    徴とする請求項1から6のいずれかに記載した分波器デ
    バイス。
  8. 【請求項8】 最下層に外部接続端子を有する層を備
    え、前記位相整合回路が形成された層よりも下の層の外
    部側面に、前記外部接続端子に接続される接続ラインを
    設けたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記
    載した分波器デバイス。
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