JP2001319383A - 光記録媒体製造用原盤の製造方法及び製造装置、並びに、光記録媒体製造用原盤、光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体製造用原盤の製造方法及び製造装置、並びに、光記録媒体製造用原盤、光記録媒体

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JP2001319383A
JP2001319383A JP2000139151A JP2000139151A JP2001319383A JP 2001319383 A JP2001319383 A JP 2001319383A JP 2000139151 A JP2000139151 A JP 2000139151A JP 2000139151 A JP2000139151 A JP 2000139151A JP 2001319383 A JP2001319383 A JP 2001319383A
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Mitsuo Arima
光雄 有馬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グルーブやピット列等の凹凸パターンに対応
した潜像を感光層に高精度に形成する。 【解決手段】 トラックに沿って所定の凹凸パターンが
形成された光記録媒体製造用原盤の製造方法である。そ
して、支持体上に形成された感光層に対して、トラック
に沿って露光ビームを照射し、当該感光層を露光してい
くことにより、所定の凹凸パターンに対応した潜像を当
該感光層に形成する露光工程と、感光層に形成された潜
像を現像することにより、当該感光層に凹凸パターンを
形成する現像工程と、感光層に形成された凹凸パターン
を原盤に転写する転写工程とを有し、露光工程におい
て、感光層に照射される露光ビームのスポット形状を楕
円とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生専用の光ディ
スクや、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等の光記
録媒体の原盤となる記録媒体製造用原盤の製造方法及び
製造装置に関する。また、本発明は、そのような光記録
媒体の原盤となる記録媒体製造用原盤、並びに、そのよ
うな記録媒体製造用原盤を用いて作製された光記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体には、再生専用の光ディスク
や、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等の光ディス
クがある。これら光ディスクは、光学的に透明な樹脂材
料等からなるディスク基板を有し、このディスク基板上
に情報信号が記録される信号記録領域が形成されてい
る。すなわち、この信号記録領域には、トラックに沿っ
て連続的に形成された案内溝であるグルーブや、多数の
エンボスピットからなるピット列等が、トラック毎に所
定のトラックピッチにてスパイラル状又は同心円状に形
成されている。
【0003】このような光ディスクにおいて、ディスク
基板の表面に形成されるグルーブやピット列等の凹凸パ
ターンの形状は、記録媒体としての性能を左右する。し
たがって、高記録密度化を図るためには、これら凹凸パ
ターンをディスク基板に高精度に形成することが要求さ
れる。
【0004】ここで、ディスク基板を作製する際には、
先ず、支持体であるガラス原盤上に感光層となるフォト
レジストを塗布し、このフォトレジストに対してトラッ
クに沿って露光ビームを照射していくことにより、フォ
トレジストを露光する。これにより、所定の凹凸パター
ンに対応した潜像がフォトレジストに形成される。な
お、従来、このようなフォトレジストの露光には、いわ
ゆるレーザーカッティング装置が使用されており、レー
ザー光を対物レンズによってフォトレジスト上に集光し
ながら、このフォトレジストを露光するようになされて
いる。
【0005】次に、フォトレジストに形成された潜像を
現像することにより、フォトレジストに凹凸パターンを
形成する。次に、凹凸パターンが形成されたフォトレジ
スト上にNiメッキを施した後、このNiメッキを剥離
する。これにより、フォトレジストに形成されていた凹
凸パターンが転写されたNiメッキからなる光記録媒体
製造用原盤、いわゆるスタンパが作製される。
【0006】そして、このようなスタンパを型として、
例えばポリカーボネート等の光学的に透明な樹脂材料を
射出成形する。これにより、グルーブやピット列等の凹
凸パターンが形成されてなるディスク基板が作製され
る。
【0007】また、このようなディスク基板を作製する
際に使用されるレーザーカッティング装置は、例えば、
図22に示すように、所定の波長のレーザー光を出射す
るレーザー光源121と、レーザー光の強度が安定なレ
ベルとなるように、このレーザー光の強度を制御する光
強度制御部122と、ガラス原盤110に塗布されたフ
ォトレジスト111に照射されるレーザー光の強度を変
調する光強度変調部123と、レーザー光を透過光と反
射光とに分離するビームスプリッタ124と、レーザー
光のスポット径を拡大するためのビームエキスパンダ1
25と、レーザー光をフォトレジスト111上に集光さ
せる集光部126とを備えている。
【0008】レーザー光源121から出射されたレーザ
ー光は、光強度制御部122に入射し、光強度制御部1
22によってレーザー光の光強度が制御される。この光
強度制御部122は、レーザー光源121の出力の不安
定さを除去し、フォトレジスト111に照射されるレー
ザー光の光強度を安定なものとするためのものであり、
電気光学素子131と、アナライザ132と、ビームス
プリッタ133と、フォトディテクタ134と、光パワ
ー制御回路135とを有している。
【0009】そして、レーザー光源121から出射され
たレーザー光は、電気光学素子131及びアナライザ1
32を透過してビームスプリッタ133に入射し、この
ビームスプリッタ133によって透過光と反射光とに分
離される。そして、ビームスプリッタ133を透過した
レーザー光は、フォトディテクタ134に入射し、この
フォトディテクタ134によって、その光強度が検出さ
れる。フォトディテクタ134は、検出したレーザー光
の光強度のレベルを電圧レベルに変換して、光パワー制
御回路135に供給する。光パワー制御回路135は、
フォトディテクタ134からの入力と基準電圧レベルR
efとを比較して、電気光学素子131を透過してくる
レーザー光の光強度が常に一定となるように、電気光学
素子131に電圧を印加する。これにより、光強度制御
部122から出射されるレーザー光、すなわちビームス
プリッタ133によって反射されるレーザー光の光強度
は、レーザー光源121の出力が不安定であったとして
も、常に安定したレベルとなる。
【0010】そして、ビームスプリッタ133によって
反射され、光強度制御部122から出射されたレーザー
光は、光強度変調部123に入射し、光強度変調部12
3によって光強度の変調がなされる。この光強度変調部
123は、第1の凸レンズ136と、光強度変調器13
7と、第2の凸レンズ138とを有している。そして、
ビームスプリッタ133によって反射されたレーザー光
は、所定の焦点距離を有する第1の凸レンズ136によ
って集光された上で光強度変調器137に入射し、この
光強度変調器137によって、所望する露光パターンに
対応するように光強度の変調がなされる。
【0011】光強度変調器137によって光強度の変調
がなされたレーザー光は、所定の焦点距離を有する第2
の凸レンズ138に入射し、この第2の凸レンズ138
によって平行光とされた上で、ビームスプリッタ124
に入射し、このビームスプリッタ124により反射され
る。そして、ビームスプリッタ124により反射された
レーザー光は、ビームエキスパンダ125に入射する。
このビームエキスパンダ125は、レーザー光のビーム
径を拡大するためのものであり、所定の焦点距離を有す
る第3の凸レンズ139と、所定の焦点距離を有する第
4の凸レンズ140とを有している。このビームエキス
パンダ125において、第3の凸レンズ139と第4の
凸レンズ140との間隔を変化させると、レーザー光の
ビーム径の拡大率が変化する。これにより、レーザーカ
ッティング装置では、フォトレジスト111上に集光さ
れるレーザー光のスポット径を調整することができる。
【0012】ビームエキスパンダ125によりスポット
径が拡大されたレーザー光は、集光部126に入射す
る。この集光部126は、レーザー光をフォトレジスト
111上に集光するためのものであり、対物レンズ14
2を有している。そして、対物レンズ142に入射した
レーザー光は、この対物レンズ142によって集光され
てフォトレジスト111に照射される。
【0013】なお、このレーザーカッティング装置にお
いて、図示していないが、フォトレジスト111が塗布
されたガラス原盤110を保持する回転可能なターンテ
ーブルと、レーザー光の照射位置をガラス原盤110の
半径方向に移動させる移動機構とを備えている。そし
て、このレーザーカッティング装置を用いてフォトレジ
スト111を露光する際には、ターンテーブルによりフ
ォトレジスト111が塗布されたガラス原盤110を回
転させながら、移動機構によりレーザー光の照射位置を
ガラス原盤110の半径方向に一回転あたり等距離ずつ
移動させる。これにより、ガラス原盤110上のフォト
レジスト111に、グルーブやピット列等の凹凸パター
ンに対応した潜像が一定のトラックピッチでスパイラル
状又は同心円状に形成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のレーザーカッティング装置における光学系は、い
わゆる円形開口の光学系であり、感光層に照射される露
光ビームのスポット形状は、図23に示すような円形と
なる。なお、図23において、(a)は、円形開口によ
る露光ビームのスポット形状を示し、(b)は、その露
光ビームのガウシアン形状を示す。
【0015】したがって、フォーマット露光に関して
は、トラック方向と線密度方向との露光状態を同一とし
ながら、グルーブやピット列等の凹凸パターンに対応し
た潜像をフォトレジスト111に形成することになる。
すなわち、従来のレーザーカッティング装置では、円形
開口を基本としながら、レジスト厚や、露光光量、現像
及び円形光束の制御等を行うことにより、エンボスピッ
ト部のサーボ信号の変調や、アシンメトリー及びジッタ
量の制御等を行っていた。
【0016】しかしながら、このような従来の手法で
は、作製される光記録媒体の高記録密度化や、既存の光
ディスク品質の向上等を図る上で、色々な問題が生じる
こととなる。
【0017】例えば、このような円形開口を基本とした
場合、トラック方向及び線密度方向に対して2次元的に
均一な露光状態となるために、トラックピッチとエンボ
スピットの線密度の関係によっては、エンボスピット部
のサーボ信号の変調や、アシンメトリー及びジッタ量の
制御等の両立が不可能となる。
【0018】また、グルーブやピット列等に対応した凹
凸パターンを形成するフォーマット露光においては、こ
のような凹凸パターンを形成する際に、サーボ信号及び
変調信号、並びに記録再生特性等のマージン量を含めた
両立が困難となる。
【0019】また、グルーブ及び/又はランド記録のフ
ォーマット露光においては、トラックピッチの1/2よ
りも幅広となる、いわゆるワイドグルーブを形成する際
に、このワイドグルーブの幅やトラックピッチによって
は、その形状制御や、サーボ信号及び記録再生特性の制
御等を行うことが困難となる。
【0020】このような問題は、フォットレジストに照
射される露光ビームのスポット形状が円形であることに
起因しており、トラック方向及び線密度方向の露光状態
を均一とせざるを得ないことから、時間軸方向、すなわ
ち線密度方向の擬似的な多重露光により、線密度情報が
DC(0Hz)からエンボスピットの周波数領域まで制
御されたにすぎない。
【0021】また、エンボスピット部に関しては、記録
補償の技術により、フォトレジストに形成される正規の
エンボスピットに対応した潜像をトラック方向及び線密
度方向に制御しながら、サーボ信号の変調や、アシンメ
トリー及びジッタ量の制御等を行うことが考えられる。
しかしながら、このような手法を用いたとしても、線密
度方向のエンボスピットのエッジ形状や、グルーブの幅
及びそのエッジ形状等を適切に制御することは不可能で
ある。
【0022】そこで、本発明はこのような従来の事情に
鑑みて提案されたものであり、グルーブやピット列等の
凹凸パターンに対応した潜像を感光層に高精度に形成す
ることを可能とし、高密度化に対応した高品質の光記録
媒体を作製することを可能とした光記録媒体製造用原盤
の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
また、そのような光記録媒体の原盤となる記録媒体製造
用原盤、並びに、そのような記録媒体製造用原盤を用い
て作製された光記録媒体を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明に係る光記録媒体製造用原盤の製造方法は、トラック
に沿って所定の凹凸パターンが形成された光記録媒体製
造用原盤の製造方法である。そして、支持体上に形成さ
れた感光層に対して、トラックに沿って露光ビームを照
射し、当該感光層を露光していくことにより、所定の凹
凸パターンに対応した潜像を当該感光層に形成する露光
工程と、感光層に形成された潜像を現像することによ
り、当該感光層に凹凸パターンを形成する現像工程と、
感光層に形成された凹凸パターンを原盤に転写する転写
工程とを有し、露光工程において、感光層に照射される
露光ビームのスポット形状を楕円とすることを特徴とす
る。
【0024】この光記録媒体製造用原盤の製造方法で
は、感光層に照射される露光ビームのスポット形状を楕
円とすることにより、所定の凹凸パターンに対応した潜
像を感光層に高精度に形成することができる。
【0025】また、この目的を達成する本発明に係る光
記録媒体製造用原盤の製造装置は、トラックに沿って所
定の凹凸パターンが形成された光記録媒体製造用原盤を
作製する際に、支持体上に形成された感光層に対して、
トラックに沿って露光ビームを照射し、当該感光層を露
光していくことにより、所定の凹凸パターンに対応した
潜像を当該感光層に形成する光記録媒体製造用原盤の製
造装置である。そして、感光層に照射される露光ビーム
のスポット形状を楕円に変換する楕円変換光学素子を備
えることを特徴とする。
【0026】この光記録媒体製造用原盤の製造装置で
は、感光層に照射される露光ビームのスポット形状を楕
円に変換する楕円変換光学素子を備えることから、その
楕円に変換された露光ビームを感光層に照射していくこ
とにより、所定の凹凸パターンに対応した潜像を当該感
光層に高精度に形成することができる。
【0027】また、この目的を達成する本発明に係る光
記録媒体製造用原盤は、上記の製造方法により製造され
た光記録媒体製造用原盤である。
【0028】そして、この光記録媒体製造用原盤は、凹
凸パターンとして、トラックに沿って形成されたエンボ
スピットパターンを有する場合、このエンボスピットパ
ターンのうち、最短ピットパターンのトラックに対する
幅及び長さをそれぞれA及びBとしたとき、A/B>
0.6となることを特徴とする。
【0029】また、この光記録媒体製造用原盤は、凹凸
パターンとして、トラックに沿って形成されたグルーブ
パターン及びエンボスピットパターンを有する場合、こ
のグルーブパターンのトラックに対する幅をGとし、エ
ンボスピットパターンのうち、最短ピットパターンの上
記トラックに対する幅をAとしたとき、A/G>0.5
となることを特徴とする。
【0030】また、この目的を達成する本発明に係る光
記録媒体は、上記光記録媒体製造用原盤を用いて作製さ
れた光記録媒体である。
【0031】そして、この光記録媒体は、トラックに沿
って形成されたエンボスピットを有する場合、このエン
ボスピットのうち、最短ピットのトラックに対する幅及
び長さをそれぞれA及びBとしたとき、A/B>0.6
となることを特徴とする。
【0032】また、この光記録媒体は、トラックに沿っ
て形成されたグルーブ及びエンボスピットを有する場
合、このグルーブのトラックに対する幅をGとし、エン
ボスピットのうち、最短ピットのトラックに対する幅を
Aとしたとき、A/G>0.5となることを特徴とす
る。さらに、記録及び/又は再生時に照射される光の波
長をλとしたとき、A/λ>0.6,G/λ>0.8と
なることを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0034】先ず、本発明を適用した光記録媒体製造用
原盤の製造方法の一例について説明する。
【0035】この光記録媒体製造用原盤を製造する際
は、先ず、支持体として、表面を十分平坦に研磨して洗
浄した略円盤状のガラス原盤を用意する。次に、このガ
ラス原盤上に感光層を形成する。具体的には、例えば、
ガラス原盤の上に、フォトレジストを均一な膜厚となる
ように塗布する。ここで、フォトレジストの膜厚は、所
望するグルーブやピット列等の最大深さに対応した膜厚
とすることが好ましい。
【0036】次に、露光工程として、ガラス原盤上に形
成されたフォットレジストに対して、トラックに沿って
露光ビームを照射していく。また、露光ビームのフォト
レジストへの照射は、ガラス原盤を回転させるととも
に、ガラス原盤をその半径方向に所定量ずつ移動させな
がら行う。そして、このように露光ビームによってフォ
トレジストを露光することにより、グルーブやピット列
等の凹凸パターンに対応した潜像がフォトレジストに形
成されることとなる。
【0037】ところで、本手法では、感光層に照射され
る露光ビームのスポット形状を楕円とし、後述する本発
明を適用したレーザーカッティング装置を用いて、フォ
ットレジストを露光することにより、所定の凹凸パター
ンに対応した潜像をフォットレジストに高精度に形成す
ることができる。なお、このことについては、後で詳細
に説明する。
【0038】次に、露光工程で露光されたフォトレジス
トをアルカリ性現像液を用いて現像することにより、露
光された部分、すなわちフォトレジストの感光部分を除
去する。これにより、フォトレジストに形成された潜像
が現像され、このフォトレジストにグルーブやピット列
等に対応した凹凸パターンが形成される。
【0039】次に、潜像を現像することによりフォトレ
ジストに形成された凹凸パターンを原盤に転写すること
により、所定の凹凸パターンが形成された光記録媒体製
造用原盤を得る。
【0040】具体的には、フォトレジスト上に、例えば
Ni等のメッキを施し、メッキ層を形成する。その後、
このメッキ層を剥離することにより、フォトレジストに
形成されていた所定の凹凸パターンが転写された記録媒
体製造用原盤が得られる。
【0041】ところで、相変化型光ディスクや光磁気デ
ィスク等のような書き込み可能な記録媒体では、情報信
号の書き込み時に必要となるアドレス信号等を予め記録
媒体に記録しておく必要がある。そこで、書き込み可能
な記録媒体には、アドレス信号等に対応した凹凸パター
ンをディスク基板に予め形成しておくために、グルーブ
やピット列等をダブルスパイラル状に形成したものがあ
る。
【0042】すなわち、通常、再生専用光ディスクで
は、トラックが図1に示すようなシングルスパイラル構
造とされているが、相変化型光ディスクや光磁気ディス
ク等のような書き込み可能な記録媒体では、トラックを
図2に示すようなダブルスパイラル構造とされたものが
ある。
【0043】例えば、光磁気ディスクには、図3に示す
ように、グルーブ1とピット列2とがダブルスパイラル
状に形成されたものがある。すなわち、この光磁気ディ
スクでは、グループ1の間に狭まれたランドの部分にア
ドレス信号等を示すピット列2が形成され、グルーブ1
とピット列2とがダブルスパイラル状に形成される。
【0044】また、光磁気ディスクには、図4に示すよ
うに、一対のグルーブ3,4をダブルスパイラル状に形
成し、一方のグルーブ3を蛇行させることにより、グル
ーブ自体にアドレス情報を付加したものがある。なお、
以下の説明では、グルーブ3のように蛇行するように形
成されたグルーブのことをウォブリンググルーブ3と称
し、グルーブ4のように蛇行することなく形成されたグ
ルーブのことをストレートグルーブ4と称する。
【0045】このような光記録媒体を作製するには、フ
ォトレジストを露光してグルーブやピット列等の凹凸パ
ターンに対応した潜像を形成する際に、2つの露光ビー
ムによりフォトレジストを露光する必要がある。すなわ
ち、図3に示したようなフォーマット露光を実現するに
は、一方の露光ビームによりグルーブ1に対応した潜像
を形成するのと同時に、他方の露光ビームによりランド
部に形成されるピット列2に対応した潜像を形成するよ
うにする必要がある。また、図4に示したようなフォー
マット露光を実現するには、一方の露光ビームによりス
トレートグルーブ3に対応した潜像を形成するのと同時
に、他方の露光ビームによりウォブリンググルーブ4に
対応した潜像を形成するようにする必要がある。
【0046】次に、上記露光工程において使用される本
発明を適用したレーザーカッティング装置の一例につい
て、図5を参照して詳細に説明する。
【0047】このレーザーカッティング装置10は、上
述したガラス原盤11の上に塗布されたフォトレジスト
12を露光して潜像を形成するためのものである。この
レーザーカッティング装置10でフォトレジスト12に
潜像を形成する際には、フォトレジスト12が塗布され
たガラス原盤11が、移動光学テーブル上に設けられた
回転駆動装置に取り付けられる。そして、このガラス原
盤11は、フォトレジスト12を露光する際に、このフ
ォトレジスト12の全面に亘って所望のパターンでの露
光がなされるように、回転駆動装置によって図中に示す
矢印の方向に回転駆動されるとともに、移動光学テーブ
ルによって平行移動される。
【0048】また、このレーザーカッティング装置10
では、上述したようなグルーブやピット列等がダブルス
パイラル状に形成されてなる光記録媒体を作製するため
に、2つの露光ビームによりフォトレジスト12を露光
することが可能とされている。
【0049】なお、ここでは、上述したウォブリンググ
ルーブ3に対応した潜像と、ストレートグルーブ4に対
応した潜像とを、それぞれの露光ビームにより形成した
場合について説明する。すなわち、このレーザーカッテ
ィング装置10では、2つの露光ビームにより、ウォブ
リンググルーブ3及びストレートグルーブ4に対応した
潜像をダブルスパイラル状に形成する。
【0050】このレーザーカッティング装置10は、レ
ーザー光を出射するレーザー光源13と、このレーザー
光源13から出射されたレーザー光の光強度を調整する
電気光学変調器(EOM:Electro Optical Modulato
r)14と、この電気光学変調器14から出射されたレ
ーザー光の光軸上に配された検光子15と、この検光子
15を透過してきたレーザー光を反射光と透過光とに分
離する第1のビームスプリッタ17と、この第1のビー
ムスプリッタ17を透過してきたレーザー光を反射光と
透過光とに分離する第2のビームスプリッタ18と、こ
の第2のビームスプリッタ18を透過してきたレーザー
光を検出するフォトディテクタ(PD:Photo Detecto
r)19と、電気光学変調器14に対して信号電界を印
加して当該電気光学変調器14から出射されるレーザー
光の光強度を調整するオートパワーコントローラ(AP
C:Auto Power Controller)20とを備えている。
【0051】このレーザーカッティング装置10におい
て、レーザー光源13から出射されたレーザー光は、先
ず、オートパワーコントローラ20により印加される信
号電界によって駆動される電気光学変調器14によっ
て、所定の光強度とされた上で検光子15に入射する。
ここで、検光子15はS偏光だけを透過する検光子であ
り、この検光子15を透過してきたレーザー光はS偏光
となる。
【0052】なお、レーザー光源13には、任意のもの
が使用可能であるが、比較的に短波長のレーザー光を出
射するものが好ましく、例えば、波長λが351nmの
レーザー光を出射するKrレーザや、波長λが442n
mのレーザー光を出射するHe−Cdレーザ等が適用可
能である。
【0053】そして、検光子15を透過してきたS偏光
のレーザー光は、先ず、第1のビームスプリッタ17に
よって反射光と透過光とに分離され、さらに、第1のビ
ームスプリッタ17を透過したレーザー光は、第2のビ
ームスプリッタ18によって反射光と透過光とに分離さ
れる。
【0054】なお、このレーザーカッティング装置10
では、第1のビームスプリッタ17によって反射された
レーザー光が第1の露光ビームとなり、第2のビームス
プリッタ18によって反射されたレーザー光が第2の露
光ビームとなる。
【0055】第2のビームスプリッタ18を透過したレ
ーザー光は、フォトディテクタ19によって、その光強
度が検出され、この光強度に応じた信号がフォトディテ
クタ19からオートパワーコントローラ20に送られ
る。そして、フォトディテクタ19から送られてきた信
号に応じて、オートパワーコントローラ20は、フォト
ディテクタ19によって検出される光強度が所定のレベ
ルにて一定となるように、電気光学変調器14に対して
印加する信号電界を調整する。これにより、電気光学変
調器14から出射するレーザー光の光強度が一定となる
ように、自動光量制御(APC:Auto Power Control)
が施され、ノイズの少ない安定したレーザー光が得られ
る。
【0056】また、このレーザーカッティング装置10
は、第1のビームスプリッタ17によって反射されたレ
ーザー光の光強度を変調する第1の変調光学系22と、
第2のビームスプリッタ18によって反射されたレーザ
ー光の光強度を変調する第2の変調光学系23と、これ
ら第1の変調光学系22及び第2の変調光学系23によ
って光強度の変調が施された各レーザー光を再合成して
フォトレジスト12上に集光する光学系24とを備えて
いる。
【0057】そして、第1のビームスプリッタ17によ
り反射された第1の露光ビームは、第1の変調光学系2
2に導かれ、第1の変調光学系22によって光強度の変
調が施される。同様に、第2のビームスプリッタ18に
より反射された第2の露光ビームは、第2の変調光学系
23に導かれ、第2の変調光学系23によって光強度の
変調が施される。
【0058】すなわち、第1の変調光学系22に入射し
た第1の露光ビームは、集光レンズ29によって集光さ
れた上で音響光学変調器30に入射し、この音響光学変
調器30によって、所望する露光パターンに対応するよ
うに光強度の変調が施される。ここで、音響光学変調器
30に使用される音響光学素子としては、例えば、酸化
テルル(TeO2)からなる音響光学素子が好適であ
る。そして、この音響光学変調器30により光強度の変
調が施された第1の露光ビームは、コリメートレンズ3
1によって平行光とされた上で、第1の変調光学系22
から出射される。
【0059】ここで、音響光学変調器30には、この音
響光学変調器30を駆動するための駆動用ドライバ32
が取り付けられている。そして、フォトレジスト12の
露光時には、所望する露光パターンに応じた信号S1が
駆動用ドライバ32に入力され、当該信号S1に応じて
駆動用ドライバ32により音響光学変調器30が駆動さ
れ、第2の露光ビームに対して光強度の変調が施され
る。
【0060】具体的には、例えば、一定の深さのウォブ
リンググルーブ3に対応したグルーブパターンの潜像を
フォトレジスト12に形成するような場合には、一定レ
ベルのDC信号が駆動用ドライバ32に入力され、DC
信号に応じて駆動用ドライバ32によって音響光学変調
器30が駆動される。これにより、所望するグルーブパ
ターンに対応するように、第1の露光ビームに対して光
強度の変調が施される。
【0061】また、第2の変調光学系23に入射した第
2の露光ビームは、集光レンズ33によって集光された
上で音響光学変調器34に入射し、この音響光学変調器
34によって、所望する露光パターンに対応するように
光強度の変調が施される。ここで、音響光学変調器34
に使用される音響光学素子としては、例えば、酸化テル
ル(TeO2)からなる音響光学素子が好適である。そ
して、音響光学変調器34によって光強度変調された第
2の露光ビームは、コリメートレンズ35によって平行
光とされるとともに、λ/2波長板36を透過すること
により偏光方向が90°回転させられた上で、第2の変
調光学系23から出射される。
【0062】ここで、音響光学変調器34には、この音
響光学変調器34を駆動するための駆動用ドライバ37
が取り付けられている。そして、フォトレジスト12の
露光時には、所望する露光パターンに応じた信号S2が
駆動用ドライバ37に入力され、この信号S2に応じて
駆動用ドライバ37によって音響光学変調器34が駆動
され、第2の露光ビームに対して光強度の変調が施され
る。
【0063】具体的には、例えば、一定の深さのストレ
ートグルーブ4に対応したグルーブパターンの潜像をフ
ォトレジスト12に形成するような場合には、一定レベ
ルのDC信号が駆動用ドライバ37に入力され、DC信
号に応じて駆動用ドライバ37によって音響光学変調器
34が駆動される。これにより、所望するグルーブパタ
ーンに対応するように、第2の露光ビームに対して光強
度変調が施される。
【0064】以上のようにして、第1の露光ビーム及び
第2の露光ビームは、それぞれ第1の変調光学系22及
び第2の変調光学系によって光強度の変調が施される。
このとき、第1の変調光学系22から出射された第1の
露光ビームは、S偏光のままであるが、第2の変調光学
系23から出射された第2の露光ビームは、λ/2波長
板36を透過することにより偏光方向が90°回転させ
られているので、P偏光となる。
【0065】そして、第1の変調光学系22から出射さ
れた第1の露光ビームは、ミラー41によって反射さ
れ、移動光学テーブル上に水平且つ平行に導かれ、偏向
光学系46に入射する。そして、第1の露光ビームは、
偏向光学系46によって光学偏向が施された上で、ミラ
ー44によって反射されて進行方向が90°曲げられた
上で偏光ビームスプリッタ45に入射する。一方、第2
の変調光学系32から出射された第2の露光ビームは、
ミラー42によって反射され、移動光学テーブル上に水
平且つ平行に導かれ、そのまま偏光ビームスプリッタ4
5に入射する。
【0066】ここで、偏向光学系46は、ウォブリング
グルーブ3のウォブリングに対応するように、第1の露
光ビームに対して光学偏向を施すためのものである。す
なわち、第1の変調光学系22から出射され偏向光学系
46に入射した第1の露光ビームは、ウェッジプリズム
47を介して音響光学偏向器(AOD:Acousto Optica
l Deflector)48に入射し、この音響光学偏向器48
によって、所望する露光パターンに対応するように光学
偏向が施される。ここで、音響光学偏向器48に使用さ
れる音響光学素子としては、例えば、酸化テルル(Te
2)からなる音響光学素子が好適である。そして、音
響光学偏向器48によって光学偏向が施された第1の露
光ビームは、ウェッジプリズム49を介して偏向光学系
46から出射される。
【0067】ここで、音響光学偏向器48には、この音
響光学偏向器48を駆動するための駆動用ドライバ50
が取り付けられており、この駆動用ドライバ50には、
電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscilla
tor)51からの高周波信号が、アドレス情報を含む制
御信号S3によりFM変調されて供給される。そして、
フォトレジスト12の露光時には、所望する露光パター
ンに応じた信号が、電圧制御発振器51から駆動用ドラ
イバ50に入力され、当該信号に応じて駆動用ドライバ
50によって音響光学偏向器48が駆動され、これによ
り、第1の露光ビームに対して光学偏向が施される。
【0068】具体的には、例えば、周波数84.672
kHzにてグルーブをウォブリングさせることにより、
グルーブにアドレス情報を付加するような場合には、例
えば中心周波数が224MHzの高周波信号を周波数8
4.672kHzの制御信号にてFM変調した信号を、
電圧制御発振器51から駆動用ドライバ50に供給す
る。そして、この信号に応じて、駆動用ドライバ50に
よって音響光学偏向器48を駆動し、当該音響光学偏向
器48の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、これに
より、周波数84.672kHzのウォブリングに対応
するように、第1の露光ビームに対して光学偏向を施
す。
【0069】そして、このような偏向光学系46によっ
て、ウォブリンググルーブ3のウォブリングに対応する
ように光学偏向が施された第1の露光ビームは、上述し
たように、ミラー44によって反射されて進行方向が9
0°曲げられた上で偏光ビームスプリッタ45に入射す
る。
【0070】ここで、偏光ビームスプリッタ45は、S
偏光を反射し、P偏光を透過するようになされている。
そして、第1の変調光学系22から出射され偏向光学系
46によって光学偏向が施された第1の露光ビームは、
S偏光であり、また、第2の変調光学系23から出射さ
れた第2の露光ビームは、P偏光である。したがって、
第1の露光ビームは、この偏光ビームスプリッタ45に
よって反射され、第2の露光ビームは当該偏光ビームス
プリッタ45を透過する。これにより、第1の変調光学
系22から出射され偏向光学系46によって光学偏向が
施された第1の露光ビームと、第2の変調光学系23か
ら出射された第2の露光ビームとは、進行方向が同一方
向となるように再合成される。
【0071】そして、進行方向が同一方向となるように
再合成されて偏光ビームスプリッタ45から出射した第
1の露光ビーム及び第2の露光ビームは、拡大レンズ5
2によって所定のビーム径とされた上でミラー53によ
って反射されて対物レンズ54へと導かれ、当該対物レ
ンズ54によってフォトレジスト12上に集光される。
これにより、フォトレジスト12が露光され、フォトレ
ジスト12に潜像が形成されることとなる。このとき、
フォトレジスト12が塗布されているガラス原盤11
は、上述したように、フォトレジスト12の全面に亘っ
て所望のパターンでの露光がなされるように、回転駆動
装置によって図2中に示す矢印の方向に回転駆動される
とともに、移動光学テーブルによって平行に移動操作さ
れる。その結果、第1の露光ビーム及び第2の露光ビー
ムの照射軌跡に応じた潜像が、フォトレジスト12の全
面に亘って形成されることとなる。
【0072】なお、露光ビームをフォトレジスト12の
上に集光するための対物レンズ54は、より微細なグル
ーブパターンを形成できるようにするために、開口数N
Aが大きい方が好ましい。
【0073】また、このように第1及び第2の露光ビー
ムをフォトレジスト12に照射する際は、必要に応じ
て、拡大レンズ52によって第1の露光ビーム及び第2
の露光ビームのビーム径を変化させ、対物レンズ54に
対する有効開口数を調整する。これにより、フォトレジ
スト12の表面に集光される第1の露光ビーム及び第2
の露光ビームのスポット径を変化させることができる。
【0074】ところで、偏光ビームスプリッタ45に入
射した第1の露光ビームは、この偏光ビームスプリッタ
45の反射面にて、第2の露光ビームと合成される。こ
こで、偏光ビームスプリッタ45は、その反射面が、こ
の反射面で合成されて出射されるレーザー光の進行方向
に対して適度な反射角をなすように配置されている。
【0075】具体的には、偏光ビームスプリッタ54の
反射面の反射角は、ガラス原盤11の半径方向におい
て、第1の露光ビームに対応するスポットと第2の露光
ビームに対応するスポットとの間隔が、トラックピッチ
に対応するように設定しておく。これにより、第1の露
光ビームによりウォブリンググルーブ3に対応する部分
を露光し、同時に、第2の露光ビームによりストレート
グルーブ4に対応する部分を露光することが可能とな
る。
【0076】以上のようなレーザーカッティング装置1
0は、ウォブリンググルーブ3に対応した潜像を形成す
るための第1の露光ビームに対応した光学系と、ストレ
ートグルーブ4に対応した潜像を形成するための第2の
露光ビームに対応した光学系とを備えているので、この
レーザーカッティング装置10だけで、ウォブリンググ
ルーブ3に対応した潜像と、ストレートグルーブ4に対
応した潜像とをまとめて形成することができる。しか
も、このレーザーカッティング装置10では、第1の露
光ビームと第2の露光ビームとを合成するための偏向ビ
ームスプリッタ45の向きを調整することにより、第1
の露光ビームの照射位置と第2の露光ビームの照射位置
とを容易に調整することができる。
【0077】また、これとは別に、レーザーカッティン
グ装置10は、対物レンズ54の焦点制御を行うための
補助光学系60を備えている。すなわち、He−Neレ
ーザー等のレーザー光源61から出射したレーザー光
を、ハーフミラー62及びミラー53を介して対物レン
ズ54に導いた後に、この対物レンズ54を通してフォ
トレジスト12の表面に斜めに集光させる。そして、こ
のフォトレジスト12からの戻り光をミラー53及びハ
ーフミラー62を介してフォトディテクタ(PD:Phot
o Detector)63に受光させ、ガラス原盤11の焦点方
向の変動をフォトディテクタ63上の戻り光の位置変化
に変えて検出する。これにより、レーザーカッティング
装置10では、対物レンズ54とガラス原盤11との距
離を一定に保つような制御が行われる。
【0078】ところで、このレーザーカッティング装置
10は、フォトレジスト12に照射される第1及び第2
の露光ビームのスポット形状を楕円に変換するための楕
円変換光学素子を備えている。なお、以下の説明では、
第1及び第2の露光ビームのことをまとめて露光ビーム
と称する。
【0079】この楕円変換光学素子としては、図6に示
すように、平行光束で入射する露光ビームを集光光束と
して出射しながら、その出射される露光ビームの光スポ
ットを楕円に変換する第1の楕円変換光学素子70があ
る。
【0080】この第1の楕円変換光学素子70は、図7
に示すように、第1のレンズ71と第2のレンズ72と
からなる2群のレンズにより構成されている。この第1
のレンズ71と第2のレンズ72とは、互いに直交する
シリンドリカル面を有しており、これら2群のレンズを
通過した露光ビームを楕円集光するようになされてい
る。
【0081】例えば、このような第1のレンズ71及び
第2のレンズ72の組合せからなる第1の楕円変換光学
素子71の具体的な一例を図8に示す。なお、ここで
は、露光ビームが入射する側から順に、第1面71a及
び第2面71bを有する第1のレンズ71、並びに、第
3面72a及び第4面72bを有する第2のレンズ72
とする。また、第1のレンズ71及び第2のレンズ72
は、共に屈折率が1.51680、アッペ数が64.1
7、レンズの中心厚が4.00mmである。
【0082】そして、第1のレンズ71及び第2のレン
ズ72は、楕円に変換された光スポットの長径方向Xに
おいて、第1面71aを曲率半径が無限大となる平面、
第2面71bを曲率半径が45.913mmとなる凹
面、第3面72aを曲率半径が45.913mmとなる
凸面、第4面72bを曲率半径が137.472mmと
なる凹面とする。
【0083】このとき、第1のレンズ71の長径方向X
における焦点距離fx1は、fx1<0となり、第2の
レンズ72の長径方向Xにおける焦点距離fx2は、f
x2>0となる。すなわち、楕円に変換された光スポッ
トの長径方向Xにおいて、第1のレンズ71は負のパワ
ーをもち、第2のレンズは正のパワーをもつこととな
る。
【0084】また、第1のレンズ71及び第2のレンズ
72は、楕円に変換された光スポットの短径方向Yにお
いて、第1面71aを曲率半径が24.483mmとな
る凸面、第2面71bを曲率半径が45.913mmと
なる凹面、第3面を曲率半径が無限大となる平面、第4
面を曲率半径が137.472mmとなる凹面とする。
【0085】このとき、第1のレンズ71の短径方向Y
における焦点距離fy1は、fy1>0となり、第2の
レンズ72の短径方向Yにおける焦点距離fx2は、f
y2<0となる。すなわち、楕円に変換された光スポッ
トの短径方向Yにおいて、第1のレンズ71は正のパワ
ーをもち、第2のレンズは負のパワーをもつこととな
る。
【0086】そして、この第1の楕円変換光学素子70
では、互いに直交する長径方向X及び短径方向Yの焦点
距離が、それぞれ60mm及び120mmと異なったも
のとなり、且つ、この第1の楕円変換光学素子70から
出射される露光ビームが、同一の焦点位置にて集光され
る。
【0087】これにより、第1の楕円変換光学素子70
は、平行光束で入射する露光ビームを集光光束として出
射しながら、その出射される露光ビームの光スポットを
楕円に変換することができる。
【0088】なお、この場合、第1のレンズの第1面7
1a及び第2のレンズの第3面がシリンドリカル面とな
る。また、楕円変換された露光ビームの光スポットの楕
円率は、互いに直交する長径方向X及び短径方向Yの焦
点距離が、それぞれ60mm及び120mmとなること
から、0.5となる。また、第1のレンズ71及び第2
のレンズ72の焦点位置は、それぞれ27.00mm及
び75.045mmとなり、この第1の楕円変換光学素
子70から出射された露光ビームは同一の焦点位置にて
集光することから、これら第1のレンズ71と第2のレ
ンズ72との光学的な距離dは、48.045mmとな
る。
【0089】また、この第1の楕円変換光学素子70か
ら出射された露光ビームに発生する球面収差について測
定した特性図を図9に示す。なお、図9において、
(a)は、長径方向Xの球面収差について測定した特性
図であり、(b)は、短径方向Yの球面収差について測
定した特性図である。また、縦軸は、球面収差の発生量
を示し、横軸は、露光ビームのスポット中心から端部へ
と向かう方向を示す。
【0090】以上のように構成される第1の楕円変換光
学素子70は、図5示すレーザーカッティング装置10
において、例えば、集光レンズ29,33又は拡大レン
ズ52と置換される。すなわち、この第1の楕円変換光
学素子70は、露光ビームが平行光束で入射され、且
つ、集光光束で出射されるような位置に配置される。
【0091】例えば、レーザーカッティング装置10に
おいて、集光レンズ29,33と置換された場合には、
この第1の楕円変換光学素子70に対して、ビームスプ
リッタ17,18から露光ビームが平行光束で入射す
る。そして、第1の楕円変換光学素子70は、この平行
光束で入射した露光ビームを集光光束として出射し、そ
の出射される露光ビームの光スポットを楕円に変換す
る。そして、この第1の楕円変換光学素子70から出射
された露光ビームは、音響光学変調器30,34上に楕
円集光され、最終的に対物レンズ54を通してフォトレ
ジスト12上に楕円集光される。
【0092】また、拡大レンズ52と置換された場合に
は、この第1の楕円変換光学素子70に対して、偏向ビ
ームスプリッタ45から露光ビームが平行光束で入射す
る。そして、第1の楕円変換光学素子70は、この平行
光束で入射した露光ビームを集光光束で出射し、その出
射される露光ビームの光スポットを楕円に変換する。そ
して、この第1の楕円変換光学素子70から出射された
露光ビームは、その焦点位置が対物レンズ54の露光ビ
ームに対する前段側の集光点と一致するように楕円集光
され、最終的に対物レンズ54を通してフォトレジスト
12上に楕円集光される。
【0093】これにより、レーザーカッティング装置1
0では、楕円集光された露光ビームがフォトレジスト1
2に照射され、このフォットレジスト12を露光してい
くことにより、所定の凹凸パターンに対応した潜像をフ
ォトレジスト12上に形成する。
【0094】また、楕円変換光学素子としては、図10
に示すように、発散光束で入射する露光ビームを平行光
束として出射しながら、その露光ビームの光スポットを
楕円に変換する第2の楕円変換光学素子73がある。
【0095】この第2の楕円変換光学素子73は、図1
1に示すように、第1のレンズ74と第2のレンズ75
とからなる2群のレンズにより構成されている。この第
1のレンズ74と第2のレンズ75とは、互いに直交す
るシリンドリカル面を有しており、これら2群のレンズ
を通過した露光ビームを楕円平行光束とするようになさ
れている。
【0096】例えば、このような第1のレンズ74及び
第2のレンズ75の組合せからなる第2の楕円変換光学
素子73の具体的な一例を図12に示す。なお、ここで
は、露光ビームが入射する側から順に、第1面74a及
び第2面74bを有する第1のレンズ74、並びに、第
3面75a及び第4面75bを有する第2のレンズ75
とする。また、第1のレンズ74及び第2のレンズ75
は、共に屈折率が1.51680、アッペ数が64.1
7、レンズの中心厚が4.00mmである。
【0097】そして、第1のレンズ74及び第2のレン
ズ75は、楕円に変換された光スポットの長径方向Xに
おいて、第1面74aを曲率半径が−137.472m
mとなる凹面、第2面74bを曲率半径が無限大となる
平面、第3面75aを曲率半径が−45.913mmと
なる凹面、第4面75bを曲率半径が−24.483m
mとなる凸面とする。
【0098】このとき、第1のレンズ71の長径方向X
における焦点距離fx1は、fx1<0となり、第2の
レンズ72の長径方向Xにおける焦点距離fx2は、f
x2>0となる。すなわち、楕円に変換された光スポッ
トの長径方向Xにおいて、第1のレンズ71は負のパワ
ーをもち、第2のレンズは正のパワーをもつこととな
る。
【0099】また、第1のレンズ74及び第2のレンズ
75は、楕円に変換された光スポットの短径方向Yにお
いて、第1面74aを曲率半径が−137.472mm
となる凹面、第2面74bを曲率半径が−21.012
mmとなる凸面、第3面75aを曲率半径が−45.9
13mmとなる凹面、第4面75bを曲率半径が無限大
となる平面とする。
【0100】このとき、第1のレンズ71の短径方向Y
における焦点距離fy1は、fy1>0となり、第2の
レンズ72の短径方向Yにおける焦点距離fx2は、f
y2<0となる。すなわち、楕円に変換された光スポッ
トの短径方向Yにおいて、第1のレンズ74は正のパワ
ーをもち、第2のレンズ75は負のパワーをもつことと
なる。
【0101】そして、この第2の楕円変換光学素子73
では、互いに直交する長径方向X及び短径方向Yの焦点
距離が、それぞれ−120mm及び−60mmと異なっ
たものとなり、且つ、この第2の楕円変換光学素子73
の露光ビームに対する前段側の焦点位置が同一なものと
なる。すなわち、第2の楕円変換光学素子73は、上述
した第1の楕円変換光学素子70を露光ビームの入射方
向に対して逆向きとした構成とされる。
【0102】これにより、第2の楕円変換光学素子73
は、発散光束で入射する露光ビームを平行光束として出
射しながら、その露光ビームの光スポットを楕円に変換
することができる。
【0103】なお、この場合、第1のレンズ74の第2
面74b及び第2のレンズ75の第4面がシリンドリカ
ル面となる。また、楕円変換された露光ビームの光スポ
ットの楕円率は、互いに直交するX方向及びY方向の焦
点距離が、それぞれ−120mm及び−60mmとなる
ことから、0.5となる。また、第1のレンズ74及び
第2のレンズ75の焦点位置は、それぞれ−75.04
5mm及び−27.00mmとなり、この第2の楕円変
換光学素子70の露光ビームに対する前段側の焦点位置
が同一なものとなることから、これら第1のレンズ71
と第2のレンズ72との光学的な距離dは、48.04
5mmとなる。
【0104】なお、この第2の楕円変換光学素子73か
ら出射された露光ビームに発生する球面収差について
は、図9に示すように、上述した第1の楕円変換光学素
子70の球面収差について測定した特性図において、長
径方向Xと短径方向Yとを入れ替えたものとなることか
ら、その図示を省略する。
【0105】以上のように構成される第2の楕円変換光
学素子73は、図5示すレーザーカッティング装置10
において、例えば、コリメートレンズ31,35と置換
される。すなわち、この第2の楕円変換光学素子73
は、露光ビームが発散光束で入射され、且つ、平行光束
で出射されるような位置に配置される。
【0106】例えば、レーザーカッティング装置10に
おいて、コリメートレンズ31,35と置換された場合
には、第2の楕円変換光学素子73の露光ビームに対す
る前段側の焦点位置にて露光ビームが集光レンズ29,
33により集光され、発散しながら当該第2の楕円変換
光学素子73に入射する。そして、この第2の楕円変換
光学素子73は、発散光束で入射した露光ビームを平行
光束として出射し、その出射される露光ビームの光スポ
ットを楕円に変換する。そして、この第2の楕円変換光
学素子70から出射された露光ビームは、拡大レンズ5
2により楕円集光されるとともに、最終的に対物レンズ
54を通してフォトレジスト12上に楕円集光される。
【0107】これにより、このレーザーカッティング装
置10では、楕円集光された露光ビームがフォトレジス
ト12に照射され、このフォトレジスト12を露光して
いくことにより、所定の凹凸パターンに対応した潜像を
フォトレジスト12上に形成する。
【0108】また、楕円変換光学素子としては、図13
に示すように、平行光束で入射する露光ビームを平行光
束のまま出射しながら、その露光ビームの光スポットを
楕円に変換する第3の楕円変換光学素子76がある。
【0109】この第3の楕円変換光学素子76は、図1
4に示すように、第1のレンズ77と第2のレンズ78
とからなる2群のレンズにより構成されている。この第
1のレンズ77と第2のレンズ78とは、互いに直交す
るシリンドリカル面を有しており、これら2群のレンズ
を通過した露光ビームを楕円平行光束とするようになさ
れている。
【0110】例えば、このような第1のレンズ77及び
第2のレンズ78の組合せからなる第3の楕円変換光学
素子76の具体的な一例を図15に示す。なお、ここで
は、露光ビームが入射する側から順に、第1面77a及
び第2面77bを有する第1のレンズ77、並びに、第
3面78a及び第4面78bを有する第2のレンズ78
とする。また、第1のレンズ77及び第2のレンズ78
は、共に屈折率が1.51680、アッペ数が64.1
7、レンズの中心厚が4.00mmである。
【0111】そして、第1のレンズ77及び第2のレン
ズ78は、楕円に変換された光スポットの長径方向Xに
おいて、第1面77aを曲率半径が無限大となる平面、
第2面77bを曲率半径が20.487mmとなる凹
面、第3面78aを曲率半径が28.198mmとなる
凸面、第4面78bを曲率半径が146.200mmと
なる凹面とする。
【0112】また、第1のレンズ77及び第2のレンズ
78は、楕円に変換された光スポットの短径方向Yにお
いて、第1面77aを曲率半径が19.570mmとな
る凸面、第2面77bを曲率半径が20.487mmと
なる凹面、第3面を曲率半径が無限大となる平面、第4
面を曲率半径が146.200mmとなる凹面とする。
【0113】これにより、第3の楕円変換光学素子76
は、平行光束で入射する露光ビームを平行光束のまま出
射しながら、その出射される露光ビームの光スポットを
楕円に変換することができる。
【0114】そして、この第3の楕円変換光学素子76
から出射された露光ビームは、例えば図14に示すよう
な結像レンズ79により楕円集光される。
【0115】この結像レンズ79は、2枚のレンズより
構成された組合せレンズであり、この結像レンズ79と
第3の楕円変換光学素子76を含む光学系では、第1の
レンズ77の長径方向Xにおける焦点距離fx1が、f
x1<0となり、第2のレンズ78の長径方向Xにおけ
る焦点距離fx2が、fx2>0となる。すなわち、楕
円に変換された光スポットの長径方向Xにおいて、第1
のレンズ77は負のパワーをもち、第2のレンズ78は
正のパワーをもつこととなる。
【0116】また、この結像レンズ79と第3の楕円変
換光学素子76を含む光学系では、第1のレンズ77の
短径方向Yにおける焦点距離fy1が、fy1>0とな
り、第2のレンズ78の短径方向Yにおける焦点距離f
x2が、fy2<0となる。すなわち、楕円に変換され
た光スポットの短径方向Yにおいて、第1のレンズ77
は正のパワーをもち、第2のレンズ78は負のパワーを
もつこととなる。
【0117】この場合、互いに直交する長径方向X及び
短径方向Yの焦点距離は、それぞれ60mm及び120
mmと異なったものとなり、且つ、この光学系から出射
される露光ビームが、同一の焦点位置にて集光されるこ
とになる。なお、結像レンズの焦点距離は、100mm
である。
【0118】これにより、この光学系では、平行光束で
入射する露光ビームを集光光束として出射しながら、そ
の出射される露光ビームの光スポットを楕円に変換する
ことができる。
【0119】なお、この場合、第1のレンズ77の第1
面77a及び第2のレンズ78の第3面78aがシリン
ドリカル面となる。また、楕円変換された露光ビームの
楕円率は、互いに直交する長径方向X及び短径方向Yの
焦点距離が、それぞれ60mm及び120mmとなるこ
とから、0.5となる。また、第1のレンズ77及び第
2のレンズ78の焦点位置は、それぞれ27.00mm
及び97.30mmとなり、上記結像レンズ79を含む
光学系から出射された露光ビームは同一の焦点位置にて
集光することから、これら第1のレンズ71と第2のレ
ンズ72との光学的な距離dは、70.30mmとな
る。
【0120】また、この第3の楕円変換光学素子76か
ら出射された露光ビームに発生する球面収差について測
定した特性図を図16に示す。なお、図16において、
(a)は、長径方向Xの球面収差について測定した特性
図であり、(b)は、短径方向Yの球面収差について測
定した特性図である。また、縦軸は、球面収差の発生量
を示し、横軸は、露光ビームのスポット中心から端部へ
と向かう方向を示す。
【0121】以上のように構成される第3の楕円変換光
学素子76は、図5に示すレーザーカッティング装置1
0において、例えば、P1,P2,P3の何れかの位置
に配置される。すなわち、この第1の楕円変換光学素子
70は、露光ビームが平行光束で入射され、且つ、平行
光束で出射されるような位置に配置される。
【0122】例えば、レーザーカッティング装置10に
おいて、P1の位置に配置された場合には、この第3の
楕円変換光学素子76に対して、第1の変調光学系22
及び第2の変調光学系23から露光ビームが平行光束で
入射する。そして、この第3の楕円変換光学素子76
は、平行光束で入射した露光ビームを平行光束のまま出
射し、その出射される露光ビームの光スポットを楕円に
変換する。そして、この第3の楕円変換光学素子76か
ら出射された露光ビームは、ミラー41,42に入射
し、最終的に対物レンズ54を通してフォトレジスト1
2上に楕円集光される。
【0123】また、P2の位置に配置された場合には、
この第3の楕円変換光学素子76に対して、偏向光学系
46及びミラー42から露光ビームが平行光束で入射す
る。そして、第3の楕円変換光学素子76は、この平行
光束で入射した露光ビームを平行光束のまま出射し、そ
の出射される露光ビームの光スポットを楕円に変換す
る。そして、この第3の楕円変換光学素子76から出射
された露光ビームは、ミラー44及び偏向ビームスプリ
ッタ45に入射し、最終的に対物レンズ54を通してフ
ォトレジスト12上に楕円集光される。
【0124】また、P3の位置に配置された場合には、
この第3の楕円変換光学素子76に対して、偏向ビーム
スプリッタ45から露光ビームが平行光束で入射する。
そして、第3の楕円変換光学素子76は、この平行光束
で入射した露光ビームを平行光束のまま出射し、その出
射される露光ビームの光スポットを楕円に変換する。そ
して、この第3の楕円変換光学素子76から出射された
露光ビームは、拡大レンズ52により、その焦点位置が
対物レンズ54の露光ビームに対する前段側の集光点と
一致するように楕円集光され、最終的に対物レンズ54
を通してフォトレジスト12上に楕円集光される。
【0125】これにより、このレーザーカッティング装
置10では、楕円集光された露光ビームがフォトレジス
ト12に照射され、このフォットレジスト12を露光し
ていくことにより、所定の凹凸パターンに対応した潜像
をフォトレジスト12上に形成する。
【0126】なお、楕円変換光学素子としては、発散光
束で入射する露光ビームを集光光束として出射しなが
ら、その露光ビームの光スポットを楕円に変換するもの
もある。
【0127】このように、これら楕円変換光学素子は、
互いに直交するシリンドリカル面を有する第1のレンズ
と第2のレンズとの2群のレンズにより構成される。そ
して、第1のレンズは、長径方向Xにおいて負のパワー
をもち、短径方向Yにおいて正のパワーをもつこととな
る。一方、第2のレンズは、長径方向Xにおいて正のパ
ワーをもち、短径方向にYおいて負のパワーをもつこと
となる。
【0128】これにより、楕円変換光学素子では、長径
方向Xにおける焦点距離の短縮がなされ、短径方向Yに
おける焦点距離の延長がなされることから、図5に示す
レーザーカッティング装置10において、フォトレジス
ト12に照射される露光ビームのスポット形状を、当該
X方向に拡大するとともに、当該Y方向に縮小する図1
7及び図18にような楕円とすることができる。なお、
図17は、この楕円変換された露光ビームのスポット形
状を模式的に示す図であり、図18は、この楕円変換さ
れた露光ビームのガウシアン形状を立体的に示す図であ
る。
【0129】ここで、第1のレンズと第2のレンズとの
光学的な距離dは、15mm以上とすることが好まし
い。これにより、楕円変換光学素子から出射された露光
ビームに発生する球面収差を良好なものとすることがで
きる。
【0130】なお、フォトレジスト12に照射される露
光ビームのスポットの楕円率は、1/3以上とすること
が好ましい。
【0131】以上のように、フォトレジスト12に照射
される露光ビームのスポット形状を楕円とすることによ
り、上述したトラック方向に沿って形成されるグルーブ
やピット列等の凹凸パターンに対応した潜像を、例えば
図19に示すように、トラック方向にワイド化し、且
つ、線方向に高密度化しながら、フォトレジスト12上
に高精度に形成することができる。
【0132】このような手法により作製された光記録媒
体製造用原盤では、エンボスピット部のサーボ信号の変
調や、アシンメトリー及びジッタ量の制御等の両立が可
能な光記録媒体を作製することができる。
【0133】また、グルーブやピット列等に対応した凹
凸パターンを形成するフォーマット露光においては、こ
のような凹凸パターンを形成する上で、サーボ信号及び
変調信号、並びに記録再生特性等のマージン量を含めた
両立が可能となる。
【0134】また、グルーブ及び/又はランド記録のフ
ォーマット露光においては、トラックピッチの1/2よ
りも幅広となる、いわゆるワイドグルーブを形成する場
合に、その形状制御や、サーボ信号及び記録再生特性の
制御を行うことが可能となる。
【0135】このように、本手法によれば、線密度方向
のエンボスピットのエッジ形状や、グルーブの幅及びそ
のエッジ形状等を適切に制御することができる。具体的
には、エンボスピット部の歪み補正や、エンボスピット
のフォーマット露光時に発生するトラック方向及び線密
度方向の変形等を補正することができる。
【0136】次に、上記光記録媒体製造用原盤を用いて
作製された光記録媒体について説明する。
【0137】この光記録媒体を作製する際は、先ず、上
記光記録媒体製造用原盤を型として、例えばポリカーボ
ネート等の光学的に透明な樹脂材料等を射出成形するこ
とにより光記録媒体用基板(ディスク基板)を作製す
る。このとき、作製される記録媒体用基板には、情報信
号が記録される信号記録領域に、光記録媒体製造用原盤
に形成されているグルーブやピット列等の凹凸パターン
が転写されることになる。
【0138】なお、この光記録媒体用基板を作製する方
法は、射出成形以外の方法を用いてもよく、例えば、加
熱して軟化させた樹脂材料に上記光記録媒体製造用原盤
原盤を押し付けることにより凹凸パターンを転写する、
いわゆる熱転写方法を用いてもよい。また、上記光記録
媒体製造用原盤上にフォトポリマーを塗布し、紫外線を
照射してフォトポリマーを硬化させた後に、このフォト
ポリマーを剥離することで凹凸パターンが転写された光
記録媒体用基板を作製する、いわゆる2P法を用いても
よい。
【0139】そして、光記録媒体は、以上のように作製
された光記録媒体用基板上に、情報信号の記録再生に必
要な記録層を形成し、この記録層上に紫外線硬化樹脂等
からなる保護層を形成することにより作製される。この
ように作製される光記録媒体としては、具体的には、光
学的に記録及び/又は再生がなされる光ディスクが挙げ
られる。以下、このような光ディスクについて、更に詳
細に説明する。
【0140】図20に示すように、光ディスク100
は、上述した手法により製造された光記録媒体用基板で
あるディスク基板101を有し、このディスク基板10
1上に記録層102及び保護層103が順次積層されて
なる。
【0141】この光ディスク100は、情報信号が記録
される領域である信号記録領域を有しており、この信号
記録領域に、上述したような図5に示すグルーブ1とピ
ット列2とがダブルスパイラル状に形成され、或いは、
図6に示すウォブリンググルーブ3とストレートグルー
ブ4とがダブルスパイラル状に形成されている。
【0142】なお、光ディスク100では、例えば、デ
ィスク基板101の一方の面をグルーブやピット列等が
形成される信号記録面とし、他方の面を読み取り面とす
る。すなわち、光ディスク100から信号を再生する際
は、グルーブやピット列等が形成されていない側を読み
取り面とし、この読み取り面の側からレーザー光を照射
することになる。
【0143】光ディスク100では、例えば、グルーブ
の間の部分であるランドを記録エリアとし、グルーブを
トラッキング用光反射エリアとする。このような方式
は、ランド記録方式と呼ばれている。また、例えば、グ
ルーブを記録エリアとし、グルーブの間の部分であるラ
ンドをトラッキング用光反射エリアとしてもよい。この
ような方式は、グルーブ記録方式と呼ばれている。ま
た、例えば、グルーブとランドの両方を記録エリアとし
てもよい。このような方式は、ランド・グルーブ記録方
式と呼ばれている。ランド・グルーブ記録方式では、記
録密度をランド記録やグルーブ記録の約2倍にまで増大
することが可能となる。
【0144】また、光ディスク100は、グルーブが形
成されずに、情報信号を示すピット列だけが予め形成さ
れてなる再生専用光ディスクであってもよい。この場合
は、信号記録面に形成されたピット列をトラッキング用
回折格子としても用いる。すなわち、再生専用光ディス
クでは、情報信号を示すピット列からの回折光に基づい
てトラッキング制御を行う。ただし、再生専用光ディス
クにおいても、グルーブやランドを形成して、グルーブ
やランドをトラッキング用光反射エリアとすることも可
能である。
【0145】そして、光ディスク100において、ディ
スク基板101の信号記録面上には、記録及び/又は再
生に必要な記録層102が形成される。具体的には、光
ディスク100が相変化型光ディスクである場合、相変
化記録膜及び反射膜等からなる記録層102が形成され
る。また、光ディスク100が光磁気ディスクである場
合、垂直磁気記録膜及び反射膜等からなる記録層102
が形成される。また、光ディスク100が情報信号を示
すピット列が予め形成されてなる再生専用光ディスクで
ある場合、反射膜等からなる記録層102が形成され
る。また、光ディスク100には、これらの記録層10
2上に、紫外線硬化樹脂等からなる保護層103が形成
される。
【0146】このような光ディスク100から情報信号
を再生するときは、この光ディスク100を回転させな
がら、光学ピックアップからのレーザー光を光ディスク
100に対して読み取り面側から照射し、その反射光を
検出する。具体的には、この光ディスク100が相変化
型光ディスクである場合や、情報信号を示すピット列が
予め形成されてなる再生専用光ディスクである場合に
は、反射光の強度変化を検出することにより、情報信号
を再生する。また、光ディスク100が光磁気ディスク
である場合、反射光のカー回転角の変化を検出すること
により、情報信号を再生する。
【0147】一方、光ディスク100に情報信号を記録
するときは、この光ディスク100を回転させながら、
光学ピックアップからのレーザー光を光ディスク100
に対して読み取り面側から照射する。具体的には、この
光ディスク100が相変化型光ディスクの場合、記録す
べき情報信号に対応させて強度変調を施したレーザー光
を照射する。これにより、レーザー光が照射された領域
に、情報信号が記録される。また、この光ディスク10
0が光磁気ディスクの場合、情報信号を記録しようとす
る領域にレーザー光を照射するとともに、レーザー光が
照射されている領域に磁界を印加する。このとき、記録
すべき情報信号に対応させてレーザー光又は磁界に対し
て強度変調を施す。これにより、磁界が印加されるとと
もにレーザー光が照射された領域に、情報信号が記録さ
れる。
【0148】ところで、この光ディスク100は、上記
光記録媒体製造用原盤を用いて作製されたものであり、
図21に示すようなピット列2を形成するエンボスピッ
トのうち、最短ピットのトラックに対する幅及び長さ
を、それぞれA及びBとしたとき、A/B>0.6とな
ることを特徴としている。
【0149】これにより、光ディスク100では、エン
ボスピットの形状がトラック方向及び線密度方向におい
て良好なものとなり、エンボスピット部のサーボ信号の
変調や、アシンメトリー、クロストーク及びジッタ量等
を高次元で両立させることができる。
【0150】また、この光ディスク100は、図21に
示すように、グルーブのトラックに対する幅をGとした
とき、A/G>0.5となることを特徴としている。
【0151】これにより、光ディスク100では、エン
ボスピット及びグルーブの形状が、幅方向において良好
なものとなる。
【0152】さらに、記録及び/又は再生時に照射され
るレーザー光の波長をλとしたとき、A/λ>0.6,
G/λ>0.8となることを特徴としている。
【0153】これにより、光ディスク100では、エン
ボスピット及びグルーブの絶対量が、幅方向において良
好なものとなる。
【0154】したがって、この光ディスク100は、グ
ルーブやピット列等のサーボ信号及び変調信号、並びに
記録再生特性等を高次元で両立させることができ、さら
に、トラックピッチの1/2よりも幅広となる、いわゆ
るワイドグルーブを有する場合であっても、サーボ特性
及び記録再生特性等が良好なものとなる。
【0155】なお、特に、本発明を用いて好適な光記録
媒体としては、14×130MO、12×130WOR
M、20×90MO、DVR、μDisk、MD200
0(MDの高品質バージョン)等を挙げることができ
る。
【0156】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、感光層に照射される露光ビームのスポット形状を
楕円とすることにより、所定の凹凸パターンに対応した
潜像を感光層に高精度に形成することができる。したが
って、本発明によれば、より高記録密度化を図った光記
録媒体に対応した記録媒体製造用原盤を製造することが
可能となる。また、そのような記録媒体製造用原盤を製
造することにより、より高記録密度化を図った光記録媒
体を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シングルスパイラル構造を示す図である。
【図2】ダブルスパイラル構造を示す図である。
【図3】グルーブとピット列とがダブルスパイラル状に
形成された状態を示す図である。
【図4】ウォブリンググルーブとストレートグルーブと
がダブルスパイラル状に形成された状態を示す図であ
る。
【図5】本発明を適用したレーザーカッティング装置の
一構成例を示す図である。
【図6】第1の楕円変換光学素子の構成を示す図であ
る。
【図7】第1の楕円変換光学素子の内部構造を3次元的
に示す図である。
【図8】第1の楕円変換光学素子における第1のレンズ
及び第2のレンズの構成を示す図である。
【図9】第1の楕円変換光学素子から出射された露光ビ
ームに発生する球面収差について測定した特性図であ
り、(a)は、長径方向Xの球面収差について測定した
特性図であり、(b)は、短径方向Yの球面収差につい
て測定した特性図である。
【図10】第2の楕円変換光学素子の構成を示す図であ
る。
【図11】第2の楕円変換光学素子の内部構造を3次元
的に示す図である。
【図12】第2の楕円変換光学素子における第1のレン
ズ及び第2のレンズの構成を示す図である。
【図13】第3の楕円変換光学素子の構成を示す図であ
る。
【図14】第3の楕円変換光学素子の内部構造を3次元
的に示す図である。
【図15】第3の楕円変換光学素子における第1のレン
ズ及び第2のレンズの構成を示す図である。
【図16】第3の楕円変換光学素子から出射された露光
ビームに発生する球面収差について測定した特性図であ
り、(a)は、長径方向Xの球面収差について測定した
特性図であり、(b)は、短径方向Yの球面収差につい
て測定した特性図である。
【図17】楕円変換された露光ビームのスポット形状を
模式的に示す図である。
【図18】楕円変換された露光ビームのガウシアン形状
を立体的に示す図である。
【図19】楕円変換された露光ビームにより形成された
グルーブやピット列等の凹凸パターンに対応した潜像を
示す図である。
【図20】本発明を適用した光ディスクの一構成例を示
す図である。
【図21】同光ディスクのエンボスピット及びグルーブ
の形状を示す図である。
【図22】従来のレーザーカッティング装置の一構成例
を示す図である。
【図23】(a)は、円形開口による露光ビームのスポ
ット形状を示す図であり、(b)は、円形開口による露
光ビームのガウシアン形状を示す図である。
【符号の説明】
1 グルーブ、2 ピット列、3 ウォブリンググルー
ブ、4 ストレートグルーブ、10 レーザーカッティ
ング装置、12 フォトレジスト、70 第1の楕円変
換光学素子、73 第2の楕円変換光学素子、76 第
3の楕円変換光学素子、100 光ディスク、101
ディスク基板、102 記録層、103保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 561 G11B 7/24 561S 563 563A Fターム(参考) 2H097 AB07 BA06 BB01 BB03 CA17 JA03 LA20 5D029 WA05 WA20 WA29 WC05 WC09 WC10 WD10 5D119 BB09 EB04 EC40 HA08 HA36 JA44 JA45 JB01 5D121 BB01 BB21 BB28

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラックに沿って所定の凹凸パターンが
    形成された光記録媒体製造用原盤の製造方法であって、 支持体上に形成された感光層に対して、トラックに沿っ
    て露光ビームを照射し、当該感光層を露光していくこと
    により、所定の凹凸パターンに対応した潜像を当該感光
    層に形成する露光工程と、 上記感光層に形成された潜像を現像することにより、当
    該感光層に凹凸パターンを形成する現像工程と、 上記感光層に形成された凹凸パターンを原盤に転写する
    転写工程とを有し、 上記露光工程において、上記感光層に照射される露光ビ
    ームのスポット形状を楕円とすることを特徴とする光記
    録媒体製造用原盤の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記露光工程において、上記感光層に照
    射される露光ビームのスポットの楕円率を1/3以上と
    することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体製造用
    原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記露光工程において、上記凹凸パター
    ンに対応した潜像として、トラックに沿って形成される
    グルーブに対応した潜像を上記感光層に形成することを
    特徴とする請求項1記載の光記録媒体製造用原盤の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 上記露光工程において、上記グルーブの
    少なくとも一部が蛇行するように、上記露光ビームの偏
    向動作及び強度変調を行うことを特徴とする請求項3記
    載の光記録媒体製造用原盤の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記露光工程において、上記凹凸パター
    ンに対応した潜像として、トラックに沿って形成される
    エンボスピットに対応した潜像を上記感光層に形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体製造用原盤
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 トラックに沿って所定の凹凸パターンが
    形成された光記録媒体製造用原盤を作製する際に、支持
    体上に形成された感光層に対して、トラックに沿って露
    光ビームを照射し、当該感光層を露光していくことによ
    り、所定の凹凸パターンに対応した潜像を当該感光層に
    形成する光記録媒体製造用原盤の製造装置であって、 上記感光層に照射される露光ビームのスポット形状を楕
    円に変換する楕円変換光学素子を備えることを特徴とす
    る光記録媒体製造用原盤の製造装置。
  7. 【請求項7】 上記楕円変換光学素子は、少なくとも2
    群のレンズにより構成されており、このうち少なくとも
    1面のシリンドリカル面を有するレンズを備えることを
    特徴とする請求項6記載の光記録媒体製造用原盤の製造
    装置。
  8. 【請求項8】 上記楕円変換光学素子は、互いに直交す
    るシリンドリカル面を有する2群のレンズにより構成さ
    れていることを特徴とする請求項7記載の光記録媒体製
    造用原盤の製造装置。
  9. 【請求項9】 上記楕円変換光学素子は、楕円に変換さ
    れたスポットの長径方向において、上記2群のレンズの
    うち、上記露光ビームが入射する側のレンズの焦点距離
    をf1xとし、上記露光ビームが出射する側のレンズの
    焦点距離をf2xとしたとき、f1x<0,f2x>0
    となることを特徴とする請求項8記載の光記録媒体製造
    用原盤の製造装置。
  10. 【請求項10】 上記楕円変換光学素子は、楕円に変換
    されたスポットの短径方向において、上記2群のレンズ
    のうち、上記露光ビームが入射する側のレンズの焦点距
    離をf1yとし、上記露光ビームが出射する側のレンズ
    の焦点距離をf2yとしたとき、f1y>0,f2y<
    0となることを特徴とする請求項8記載の光記録媒体製
    造用原盤の製造装置。
  11. 【請求項11】 上記楕円変換光学素子は、上記2群の
    レンズの光学的な距離が15mm以上となることを特徴
    とする請求項8記載の光記録媒体製造用原盤の製造装
    置。
  12. 【請求項12】 上記楕円変換光学素子は、上記感光層
    に照射される露光ビームのスポットの楕円率が1/3以
    上となることを特徴とする請求項6記載の光記録媒体製
    造用原盤の製造装置。
  13. 【請求項13】 上記凹凸パターンに対応した潜像とし
    て、トラックに沿って形成されるグルーブに対応した潜
    像を上記感光層に形成することを特徴とする請求項6記
    載の光記録媒体製造用原盤の製造装置。
  14. 【請求項14】 上記グルーブの少なくとも一部が蛇行
    するように上記露光ビームの偏向動作及び強度変調を行
    うことを特徴とする請求項13記載の光記録媒体製造用
    原盤の製造装置。
  15. 【請求項15】 上記凹凸パターンに対応した潜像とし
    て、トラックに沿って形成されるエンボスピットに対応
    した潜像を上記感光層に形成することを特徴とする請求
    項6記載の記録媒体製造用原盤の製造装置。
  16. 【請求項16】 トラックに沿って所定の凹凸パターン
    が形成された光記録媒体製造用原盤であって、 支持体上に形成された感光層に対して、トラックに沿っ
    て露光ビームを照射し、当該感光層を露光していくこと
    により、所定の凹凸パターンに対応した潜像を当該感光
    層に形成するとともに、上記感光層に照射される露光ビ
    ームのスポットの形状を楕円とし、上記凹凸パターンに
    対応した潜像を当該感光層に形成する露光工程と、 上記感光層に形成された潜像を現像することにより、当
    該感光層に凹凸パターンを形成する現像工程と、 上記感光層に形成された凹凸パターンを原盤に転写する
    転写工程とを経ることにより作製されてなることを特徴
    とする光記録媒体製造用原盤。
  17. 【請求項17】 上記凹凸パターンとして、トラックに
    沿って形成されたグルーブパターンを有することを特徴
    とする請求項16記載の光記録媒体製造用原盤。
  18. 【請求項18】 上記グルーブパターンの少なくとも一
    部が蛇行していることを特徴とする請求項17記載の光
    記録媒体製造用原盤。
  19. 【請求項19】 上記凹凸パターンとして、トラックに
    沿って形成されたエンボスピットパターンを有すること
    を特徴とする請求項16記載の光記録媒体製造用原盤。
  20. 【請求項20】 上記エンボスピットパターンのうち、
    最短ピットパターンの上記トラックに対する幅及び長さ
    をそれぞれA及びBとしたとき、A/B>0.6となる
    ことを特徴とする請求項19記載の光記録媒体製造用原
    盤。
  21. 【請求項21】 上記凹凸パターンとして、トラックに
    沿って形成されたグルーブパターン及びエンボスピット
    パターンを有することを特徴とする請求項16記載の光
    記録媒体製造用原盤。
  22. 【請求項22】 上記グルーブパターンの上記トラック
    に対する幅をGとし、上記エンボスピットパターンのう
    ち、最短ピットパターンの上記トラックに対する幅をA
    としたとき、A/G>0.5となることを特徴とする請
    求項21記載の光記録媒体製造用原盤。
  23. 【請求項23】 トラックに沿って所定の凹凸パターン
    が形成された光記録媒体製造用原盤を用いて作製された
    光記録媒体であって、 上記光記録媒体製造用原盤は、 支持体上に形成された感光層に対して、トラックに沿っ
    て露光ビームを照射し、当該感光層を露光していくこと
    により、所定の凹凸パターンに対応した潜像を当該感光
    層に形成するとともに、上記感光層に照射される露光ビ
    ームのスポットの形状を楕円とし、上記凹凸パターンに
    対応した潜像を当該感光層に形成する露光工程と、 上記感光層に形成された潜像を現像することにより、当
    該感光層に凹凸パターンを形成する現像工程と、 上記感光層に形成された凹凸パターンを原盤に転写する
    転写工程とを経ることにより作製されてなることを特徴
    とする光記録媒体。
  24. 【請求項24】 トラックに沿って形成されたグルーブ
    を有することを特徴とする請求項23記載の光記録媒
    体。
  25. 【請求項25】 上記グルーブの少なくとも一部が蛇行
    していることを特徴とする請求項24記載の光記録媒
    体。
  26. 【請求項26】 トラックに沿って形成されたエンボス
    ピットを有することを特徴とする請求項23記載の光記
    録媒体。
  27. 【請求項27】 上記エンボスピットのうち、最短ピッ
    トの上記トラックに対する幅及び長さをそれぞれA及び
    Bとしたとき、A/B>0.6となることを特徴とする
    請求項26記載の光記録媒体。
  28. 【請求項28】 トラックに沿って形成されたグルーブ
    及びエンボスピットを有することを特徴とする請求項2
    3記載の光記録媒体。
  29. 【請求項29】 上記グルーブの上記トラックに対する
    幅をGとし、上記エンボスピットのうち、最短ピットの
    上記トラックに対する幅をAとしたとき、A/G>0.
    5となることを特徴とする請求項28記載の光記録媒
    体。
  30. 【請求項30】 上記グルーブの上記トラックに対する
    幅をGとし、上記エンボスピットのうち、最短ピットの
    上記トラックに対する幅をAとし、記録及び/又は再生
    時に照射される光の波長をλとしたとき、A/λ>0.
    6,G/λ>0.8となることを特徴とする請求項28
    記載の光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011512607A (ja) * 2008-02-13 2011-04-21 トムソン ライセンシング 光記憶媒体並びに各データを読み取るためのマスタリング方法及び装置

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