JP2001318258A - 光導波路の製造方法 - Google Patents

光導波路の製造方法

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JP2001318258A JP2000139837A JP2000139837A JP2001318258A JP 2001318258 A JP2001318258 A JP 2001318258A JP 2000139837 A JP2000139837 A JP 2000139837A JP 2000139837 A JP2000139837 A JP 2000139837A JP 2001318258 A JP2001318258 A JP 2001318258A
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拓也 小松
Kazutaka Nara
一孝 奈良
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計通りの導波路構成を有する光導波路を的
確に製造することができ、歩留まりを向上できる光導波
路の製造方法を提供する。 【解決手段】 バーナ6からガラスの原料ガスと酸素ガ
スと水素ガスを流して酸素水素火炎5中で前記原料ガス
の加水分解反応を起こし、基板11上にガラス微粒子を
堆積して光導波路形成領域を形成する。前記基板11上
に斜め向きに酸素水素火炎5を光導波路形成領域に向け
て噴射し、その光導波路形成領域に噴射された流れの排
出側には排気管1を配置し、前記光導波路形成領域に付
着せずに余剰となった余剰ガラス微粒子3を排気管1に
よって吸引排気しながら前記光導波路形成領域を形成す
る。排気管1の吸引口2側の角度を前記基板の面方向に
対して5°〜30°の範囲内の角度傾けた状態で排気管
1による吸引排気を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野に用い
られる光導波路の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信分野において、基板上に様々な光
導波路構成の導波路形成領域を形成した光導波路が用い
られている。この種の光導波路は、上記光導波路構成に
応じて光合分波等の様々な機能を有する。
【0003】光導波路の製造方法として、FHD(火炎
加水分解堆積)法を用いてガラス微粒子を基板上に堆積
して導波路形成領域を形成する方法がある。この製造方
法を適用して光導波路を製造する場合、例えば図4に示
すように、バーナ6からガラスの原料ガスと酸素ガスと
水素ガスを流して酸素水素火炎5中で前記原料ガスの加
水分解反応を起こし、まず、前記基板11上に下部クラ
ッドガラス微粒子を堆積する。
【0004】前記酸素水素火炎5は基板11上に斜め向
きに光導波路形成領域に向けて噴射されるものであり、
その光導波路形成領域に噴射された流れの排出側に、吸
引口2側を基板11の面方向に対して水平にした排気管
1を配置して、前記光導波路形成領域に付着せずに余剰
となったガラス微粒子3を排気管1によって吸引排気し
ながら前記光導波路形成領域を形成することが行なわれ
ている。
【0005】上記工程により下部クラッドガラス微粒子
の堆積が終了したら、このガラス微粒子を焼結によりガ
ラス化する。その後、コアガラス微粒子を上記と同様に
して、ガラス化された下部クラッドガラス上に堆積し、
このコアガラス微粒子を焼結によりガラス化し、その
後、フォトリソグラフィとリアクティブエッチング法に
よりコアを上記導波路構成にパターン化する。その後、
上部クラッドガラス微粒子を上記と同様にしてコアパタ
ーン上に堆積し、この上部クラッドガラス微粒子をガラ
ス化することにより光導波路形成領域を形成する。な
お、コアガラス微粒子および上部クラッドガラス微粒子
の堆積時にも、上記と同様に、余剰ガラス微粒子3の排
気が行なわれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記光導波
路形成領域を設計通り正確に形成するためには、排気管
1によって余剰ガラス微粒子3を確実に排気する必要が
あるが、上記従来の製造方法においては、排気管1によ
る排気を行なっても、常に排気しきれないガラス微粒子
3が堆積雰囲気内に存在し、余剰ガラス微粒子3の十分
な排気が行なわれなかった。
【0007】そのため、排気しきれなかった余剰ガラス
微粒子3が堆積雰囲気中に舞って基板11上に付着し、
基板11面内での下部クラッド、コア、上部クラッドの
それぞれの膜厚の均一性が損なわれ、例えば100mm
φの基板11上に形成した光導波路形成領域の膜厚分布
のばらつき幅が平均で1.6μm程度にもなるといった
問題があった。なお、膜厚分布のばらつき幅は、膜厚分
布の(最大膜厚−最小膜厚)として定義される。
【0008】また、一般に、基板11上には複数の導波
路構成を有する導波路形成領域を上記のようにして形成
し、その後、それぞれの導波路構成に分けて1つ1つの
光導波路とすることが行なわれるが、上記このように膜
厚の均一性が損なわれると、基板11上に形成される導
波路構成の膜厚がその配設位置によって異なり、それに
より、製造される各光導波路(各光導波路チップ)の寸
法誤差が生じてしまう。
【0009】特に、導波路構成を形成するコア部分の膜
厚分布のばらつきは、光導波路の等価屈折率を変化させ
ることになり、導波路構成の特性を変えて光導波路の特
性を設計値と異なるものとしてしまうおそれがあった。
【0010】また、基板11上では、余剰ガラス微粒子
3を核として結晶や非結晶が形成されるため、これらの
結晶や非結晶が欠陥となり、光導波路の損失増加の原因
となっていた。
【0011】さらに、長時間堆積作業を行なうと、図4
に示したように、排気管1の吸引口2付近に余剰ガラス
微粒子3が積もってしまい、それにより排気が妨げられ
たり、積もった余剰ガラス微粒子3が堆積中の膜(下部
クラッド、コア、上部クラッドの少なくとも1つの堆積
膜)上に落ちて、光導波路の製造不良を引き起こすこと
もあった。
【0012】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、設計通りの導波路
構成を有する光導波路を的確に製造することができ、歩
留まりを向上できる光導波路の製造方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、本発明は、バーナから
ガラスの原料ガスと酸素ガスと水素ガスを流して酸素水
素火炎中で前記原料ガスの加水分解反応を起こし、基板
上にガラス微粒子を堆積して光導波路形成領域を形成す
る光導波路の製造方法であって、前記基板上に斜め向き
に前記酸素水素火炎を光導波路形成領域に向けて噴射
し、その光導波路形成領域に噴射された流れの排出側に
は排気管を配置し、前記光導波路形成領域に付着せずに
余剰となったガラス微粒子を排気管によって吸引排気し
ながら前記光導波路形成領域を形成する構成とし、前記
排気管の吸引口側の角度を前記基板の面方向に対して5
°〜30°の範囲内の角度傾けた状態で前記排気管によ
る吸引排気を行なう構成をもって課題を解決する手段と
している。
【0014】本発明者は、火炎加水分解堆積法を用いて
光導波路を製造する際に、上記余剰ガラス微粒子の排気
の問題を解決することにより、設計通りの導波路構成を
有する光導波路を的確に製造することができ、歩留まり
を向上できると考えた。
【0015】そして、余剰ガラス微粒子の排気の問題を
解決するために、まず、図4に示したように、基板11
上に斜め向きに酸素水素火炎5を光導波路形成領域に向
けて噴射し、その光導波路形成領域に噴射された流れの
排出側に、基板11に対して水平に配置した排気管1に
よって余剰ガラス微粒子3を吸引排気しながら前記光導
波路形成領域を形成する従来の光導波路の製造方法にお
いて、排気管1付近における余剰ガラス微粒子3の流れ
を注意深く観察した。
【0016】その結果、従来の光導波路の製造方法にお
いては、大部分の余剰ガラス微粒子は排気管内に流れる
ものの、排気管1の外へ流れる余剰ガラス微粒子3の流
れもあることを見出した。
【0017】また、排気管1の吸引口2付近での余剰ガ
ラス微粒子3の積もり方を観察すると、吸引口2にぶつ
かった余剰ガラス微粒子3が次々と成長するような形で
排気管1の吸引口2側に積もり、この積もった余剰ガラ
ス微粒子3が最終的には堆積中の膜の上に落下すること
も見出した。
【0018】そこで、設計通りの導波路構成を有する光
導波路を的確に製造し、歩留まりを向上させるために
は、余剰ガラス微粒子の流れを完全に排気管内に導く
こと、排気管内に導いた余剰ガラス微粒子が排気管内
で積もるとしても、できるだけ排気管の内部に入って積
もるようにし、堆積中の膜上には落下しないようにする
こと、の2点が重要であると考えた。
【0019】そして、上記のような現象を抑制するため
に、排気管の吸引口側を従来のように基板面に対して水
平にするのではなく斜めに傾けることにより、余剰ガラ
ス微粒子の流れを変えることを考え、以下の検討を行な
った。
【0020】まず、図2の(a)に示すように、排気管
1の吸引口2側を基板11の面に対して2°程度傾けた
場合、排気管1の外へ出て行く余剰ガラス微粒子3の流
れは減るものの、余剰ガラス微粒子3が積もる位置は排
気管1の吸引口2に近い側であった。
【0021】また、同図の(b)に示すように、排気管
1の吸引口2側を基板11の面に対して18°程度傾け
た場合、排気管1の外へ出て行く余剰ガラス微粒子3の
流れは無くなり、かつ、余剰ガラス微粒子3が積もる位
置は排気管1の吸引口2側でなく、排気管1の内側であ
った。
【0022】さらに、同図の(c)に示すように、排気
管1の吸引口2側を基板11の面に対して55°程度傾
けた場合、排気管1によって余剰ガラス微粒子3を殆ど
排気しなくなった。そのため、余剰ガラス微粒子3が積
もる量も減った。
【0023】そこで、排気管1の吸引口2側を基板11
の面に対して0°〜90°の範囲内で角度を変えて傾
け、この角度に対応する光導波路形成領域の膜厚分布の
ばらつき幅、欠陥の数の関係を検討した。なお、この検
討に用いた基板11は100mmφのウエハとし、上記
膜厚分布は反射スペクトル式膜厚分布計により測定し、
上記欠陥数はウエハエリアで確認できる目視による欠陥
数を求めた。
【0024】その結果、図3に示す結果が得られ、上記
膜厚分布のばらつき幅が同図の特性線aに示すようにな
り、上記欠陥数が同図の特性線bに示すようになり、膜
厚分布のばらつき幅が少なく欠陥数も少ない双方の条件
を満たすためには、排気管1の吸引口2側を基板11の
面に対して5°〜30°に傾けて排気管1による吸引排
気を行なえばよいことが分かった。
【0025】上記構成の本発明は、上記検討に基づき、
基板上に付着せずに余剰となったガラス微粒子の吸引排
気を行なう排気管の吸引口側を前記基板の面方向に対し
て5°〜30°の範囲内の角度傾けた状態で排気管によ
って前記ガラス微粒子を排気しながら前記導波路形成領
域を形成するものであるから、余剰ガラス微粒子の流れ
を完全に排気管内に導き、かつ、排気管内に導いた余剰
ガラス微粒子が排気管内で積もるとしても、この積もっ
た余剰ガラス微粒子が堆積中の膜上には落下しないよう
にすることが可能となる。
【0026】したがって、本発明は、設計通りの導波路
構成を有する光導波路を的確に製造することができ、歩
留まりを向上することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。図1には、本発明に係る光導波路の
製造方法の一実施形態例におけるガラス微粒子の堆積工
程図が示されている。
【0028】本実施形態例の光導波路の製造方法は、従
来の光導波路の製造方法とほぼ同様の方法であり、本実
施形態例が従来例と異なる特徴的なことは、基板11上
に付着せずに余剰となったガラス微粒子3の排気を行な
う排気管1の吸引口2側を前記基板11の面方向に対し
て5°〜30°の範囲内の角度傾けた状態で、排気管1
によって余剰ガラス微粒子3を排気しながら前記導波路
形成領域11を形成することである。なお、基板11は
シリコン基板とした。
【0029】本実施形態例の第1具体例として、余剰ガ
ラス微粒子3の排気時に用いる排気管1の吸引口2側の
角度を10°とし、第2具体例としてこの角度を15°
とし、各具体例において、余剰ガラス微粒子3の排気状
況の観察を行なった。また、排気管1内に積もる余剰ガ
ラス微粒子3の位置、堆積される膜厚分布のばらつき
幅、欠陥数をそれぞれ求めた。
【0030】その結果、第1、第2具体例のいずれも、
堆積中に余剰ガラス微粒子3が舞うことを抑制できた。
また、表1に示すように、排気管1内に積もる余剰ガラ
ス微粒子3の位置も、従来例においては排気管1の吸引
口2(排気管入り口)であったものを各具体例において
は排気管1の内側にすることができ、欠陥数も従来例に
比べて格段に低減できたことにより、歩留まりを大幅に
向上できた。
【0031】
【表1】
【0032】本実施形態例は、図3に示したような、排
気管1の吸引口2側の角度に対応する光導波路形成領域
の膜厚分布ばらつき幅、欠陥の数の関係の検討検討に基
づき、上記排気管11の吸引口2側を基板11の面方向
に対して5°〜30°の範囲内の角度傾けた状態でガラ
ス微粒子3を排気しながら前記導波路形成領域を形成す
るものであるから、上記各具体例1、2に示したよう
に、余剰ガラス微粒子3の流れを完全に排気管1内に導
き、かつ、排気管1内に導いた余剰ガラス微粒子3が排
気管1の内側に積もって、この余剰ガラス微粒子3が堆
積中の膜上には落下しないようにすることができる。
【0033】したがって、本実施形態例によれば、火炎
加水分解堆積法を用いて設計通りの導波路構成を有する
光導波路を的確に製造することができ、その歩留まりを
向上することができる。
【0034】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上
記実施形態例では、製造する光導波路の基板11をシリ
コンにより形成したが、光導波路の基板11の材料は特
に限定されるものではなく適宜設定されるものである。
また、同様に、製造する光導波路の光導波路形成領域に
適用される材料も特に限定されるものではなく適宜設定
されるものである。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、基板上に付着せずに余
剰となったガラス微粒子の吸引排気を行なう排気管の吸
引口側を前記基板の面方向に対して5°〜30°の範囲
内の角度傾けた状態で排気管によって前記ガラス微粒子
を排気しながら前記導波路形成領域を形成するものであ
るから、余剰ガラス微粒子の流れを完全に排気管内に導
き、かつ、排気管内に導いた余剰ガラス微粒子が排気管
内で積もっても、この積もった余剰ガラス微粒子が堆積
中の膜上には落下しないようにすることができる。した
がって、本発明によれば、設計通りの導波路構成を有す
る光導波路を的確に製造することができ、歩留まりを向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光導波路の製造方法の一実施形態
例における一工程図である。
【図2】火炎加水分解堆積法を用いて光導波路を製造す
るときに余剰ガラス微粒子を吸引排気する排気管の吸引
口側角度を変えたときの、余剰ガラス微粒子の流れ及び
排気管内への積もり状況をそれぞれ示す説明図である。
【図3】火炎加水分解堆積法を用いて光導波路を製造す
るときに余剰ガラス微粒子を吸引排気する排気管の吸引
口側角度を変えたときの、光導波路形成領域膜厚分布の
ばらつき幅と光導波路の欠陥数を示すグラフである。
【図4】従来の光導波路の製造方法の一工程を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 排気管 2 吸引口 3 余剰ガラス微粒子 5 酸素水素火炎 11 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏原 一久 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2H047 PA01 QA04 TA41

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナからガラスの原料ガスと酸素ガス
    と水素ガスを流して酸素水素火炎中で前記原料ガスの加
    水分解反応を起こし、基板上にガラス微粒子を堆積して
    光導波路形成領域を形成する光導波路の製造方法であっ
    て、前記基板上に斜め向きに前記酸素水素火炎を光導波
    路形成領域に向けて噴射し、その光導波路形成領域に噴
    射された流れの排出側には排気管を配置し、前記光導波
    路形成領域に付着せずに余剰となったガラス微粒子を排
    気管によって吸引排気しながら前記光導波路形成領域を
    形成する構成とし、前記排気管の吸引口側の角度を前記
    基板の面方向に対して5°〜30°の範囲内の角度傾け
    た状態で前記排気管による吸引排気を行なうことを特徴
    とする光導波路の製造方法。
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