JP4115161B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバ母材の製造方法に関し、更に詳しくは、ガラス化後の断面における屈折率分布の揺らぎ(脈理)を抑制することができる光ファイバ母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の光通信システムにおいては、伝送情報量の著しい増大に伴って、波長分割多重伝送方式が広く採用されている。この波長分割多重伝送方式における光線路である光ファイバに対しては、多重化された光信号のそれぞれの波形が乱れることを防止するために、光信号間の分散を小さくでき、かつ各光信号の波長に対する分散スロープを小さくできるという特性が必要になってくる。
【0003】
このような要求を満たすために、断面における屈折率分布が、図5〜図7で例示したようなプロファイルになっている各種の光ファイバが使用されている。これらの光ファイバは、いずれも、ある屈折率分布を有するセンターコアの周囲に、互いに屈折率が互いなる複数のガラス円環領域を形成した断面構造を有している。
【0004】
このような断面構造の光ファイバを製造する際には、まず、製造目的の光ファイバの前駆体である後述の光ファイバ母材が製造される。そして、その光ファイバ母材をガラス化したのち、それを長手方向に線引して所定線径の光ファイバにする。
上記した光ファイバ母材のセンターコアは、通常、VAD(Vapor Phase Axial Deposition)法で製造され、センターコアを所定の径に延伸したものの外周部にガラス微粒子を堆積させて母材が作成されている。その概略を、図5で示した断面構造の光ファイバの場合を例にして説明する。
【0005】
まず、全体の製造装置は、図8で示したように、反応容器2と反応ガス供給装置7を備えている。
反応容器2には、その両側から、シール部3A,3Bを介して一対のシャフト4A,4Bが挿入されていて、それらシャフトの先端にはガラスロッドである出発母材10の把持部5A,5Bがそれぞれ配設されている。そして、シャフト4A,4Bは、出発母材10を把持した状態で軸回転しかつ長手方向に往復動できるようになっている。
【0006】
反応容器2の中には、出発母材10の表面と近接してバーナ6が対向配置され、このバーナ6は、反応容器2の外部に設置された反応ガス供給装置7と接続されている。
反応ガス供給装置7は、原料である例えばSiCl4ガスの供給系7A、燃焼ガスであるO2ガスと同じく燃焼ガスであるH2ガスとシールガスである例えばArガスの供給系7B、そして各種ドーパントの供給系7Cで構成されていて、図示しない流量調節系でこれら供給系からの反応ガスの選択や流量調節が行えるようになっている。
【0007】
この装置において、まず、出発母材10の両端が把持部5A,5Bで把持・固定される。
なお、ガラスロッドである出発母材10は図5の光ファイバにおける高屈折率のセンターコアと同じ屈折率のガラスで構成されている。
ついで、出発母材10を軸回転させ、同時に長手方向に往復動させながら、反応ガス供給装置7を作動してバーナ6に反応ガスを供給する。
【0008】
具体的には、供給系7AからSi源、供給系7BからO2ガス、H2ガス、およびArガス、そして供給系7Cから屈折率を下げるドーパントである例えばF源をそれぞれ所定の流量でバーナ6に供給し、そこでこれら反応ガスを燃焼させて出発母材10の表面に吹き付ける。
反応ガスの燃焼によってドーパント成分を含むガラス微粒子が生成する。そして、このガラス微粒子は出発母材10の表面に堆積し、出発母材10の表面にはガラス微粒子からなる薄層が形成される。出発母材10を軸回転させながら往復動を反復することにより、上記した薄層は次々と積層されていき、最終的には、出発母材10の表面に、複数の上記薄層の積層体から成り、ある厚みを有する最初の堆積層8が形成される。
【0009】
そして、一旦、全体をガラス化温度まで昇温して、形成された初段の堆積層をガラス化して新たなガラスロッドにする。したがって、このガラスロッドでは、センターコアの外周に低屈折率のガラス円環領域が形成されている。
なお、ガラス微粒子を堆積させる際に、ドーパント成分を含まない、純シリカのガラス微粒子層を堆積させ、これをガラス化する際に、ガラス微粒子層内にドーパント成分を含ませることも可能である。
【0010】
ついで、上記した新たなガラスロッドを反応容器2にセットし、供給系7Cからは屈折率を上げるドーパントである例えばGeCl4を所定流量で供給してガラス微粒子を堆積させ、前記したガラス円環領域の外周にガラス微粒子の薄層が積層して成る次段の堆積層を形成する。そして、再びガラス化温度にまで昇温して前記次段の堆積層をガラス化し、高屈折率のガラス円環領域を形成して新たなガラスロッドにする。
【0011】
ついで、このガラスロッドを再び反応容器2にセットし、供給系7Cは作動させることなく、供給系7A,7Bのみを作動して、高屈折率の円環領域の外周にドーパントを含まないガラス微粒子の堆積層を形成する。そして、ガラス化温度にまで昇温してその堆積層をガラス化し、光ファイバにおけるクラッド層を形成する。
【0012】
このようにして、図5で示した屈折率分布のプロファイルを有する光ファイバ母材が製造される。
なお、上記した製造方法は、ガラス微粒子の堆積層を形成するたびにその堆積層をガラス化する方法であるが、必要とするガラス微粒子の堆積層をVAD法で一括して形成しておき、最後に全体を一括してガラス化し、その母材を出発母材としてその周囲にガラス微粒子を堆積し、更にガラス化することにより同様の屈折率分布のプロファイルを形成することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したいずれの方法で製造した光ファイバ母材の場合であっても、その断面における屈折率分布を測定すると、ガラス微粒子の堆積層内における添加ドーパントの不均一分散に基づいて、屈折率分布には揺らぎが生じて正確な屈折率分布を測定することができないという問題が生ずる。
【0014】
このような問題は、所望の屈折率分布になっているかどうかが判然としない中間製品を後工程に流すことになり、歩留り向上の点で不都合である。
なお、特開2000−169175公報には、ガラスロッドの表面に純シリカの堆積層を形成し、更にその上にドーパントを含むガラス微粒子の堆積層を形成する光ファイバ母材の製法が開示されている。
【0015】
この光ファイバ母材の場合、H2ガスの使用量が少ないので純シリカの堆積層は低密度になっている。そのため、この光ファイバ母材をガラス化したときに、出発母材であるガラスロッドと純シリカの堆積層の界面近傍にスリップ(螺旋状の欠陥)などの欠陥が発生しやすいという問題がある。そして、この欠陥は、Si源(SiCl4)を増量することにより顕著に発生し、また堆積層の厚みを厚くしたり、ガラスロッドを大径にした場合にもより顕著に発生する。
【0016】
また、ガラスロッドの最外層に例えばFがドーパントとして含まれている場合には、Geをドーパントとする堆積層をその外側に直接形成すると、ガラス化するときに、両者の界面で発泡現象が起こりやすいという問題がある。
本発明は光ファイバ母材における上記した問題を解決し、ガラス化後における屈折率分布の揺らぎが抑制され、またガラス化時にスリップなどの欠陥は発生しない光ファイバ母材の製造方法の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、純シリカまたは屈折率分布を有するガラス母材を出発母材とし、その出発母材のガラスロッドの表面にガラス微粒子の堆積層を2層以上形成して光ファイバ母材を製造する際に、
前記出発母材の表面に最初に形成する第1の堆積層のガラス微粒子は実質的にシリカのみとし、前記第1の堆積層の表面に形成する第2の堆積層のガラス微粒子は、ドーパントを含むガラス微粒子とし、かつ、前記第1の堆積層を前記第2の堆積層よりも高密度にすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法が提供される。
【0018】
その場合、前記第1の堆積層の厚みをt1、前記第2の堆積層の厚みをt2としたとき、t1とt2の間では、次式:
100×t1/(t1+t2)≧5 …(1)
で示される関係を成立させることが好ましい。
また、例えば前記した第2の堆積層のように、ドーパントを含むガラス微粒子で形成された堆積層の表面に、再度、ガラス微粒子が実質的にシリカのみから成る堆積層を形成することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明方法で製造された光ファイバ母材の1例Aを図1に示す。
この光ファイバ母材Aは、ガラスロッドである出発母材10の表面に、まず、シリカの微粒子のみから成り、ドーパントを含まない第1の堆積層1Aが形成され、この第1の堆積層1Aの表面に所定のドーパントを含むガラス微粒子からなる第2の堆積層1Bが形成されている。そして、第1の堆積層1Aの方が第2の堆積層1Bよりも高密度になっている。
【0020】
なお、第2の堆積層1Bの形成時に添加するドーパントとしては、第2の堆積層1Bを高屈折率化する場合にはGe,Alのいずれか1種を好適例としてあげることができ、第2の堆積層1Bを低屈折率化する場合には、B,F,Pのいずれか1種を好適例としてあげることができる。
この層構造は、図8で示した製造装置を用いて形成される。
【0021】
なお、第1の堆積層1A、第2の堆積層1Bは、いずれも、所定の反応ガスの燃焼反応で生成するガラス微粒子の薄層の所望層数が積層されて成る積層体であって、本発明では、この積層体の全体の厚みをもって、堆積層1層の厚みとする。
図1で示した層構造において、第1の堆積層1Aは、シリカの微粒子のみで形成されているので、そこではドーパントの不均一分散は全く起こっていない。したがって、この光ファイバ母材をガラス化したときに、その断面における屈折率分布の揺らぎの発生が確実に防止される。
【0022】
また、この第1の堆積層1Aを形成することにより、光ファイバ母材のガラス化時には、第2の堆積層1B中のドーパントがこの第1の堆積層1Aまで拡散してくるので、所望する屈折率分布を容易に実現することができる。
更には、出発母材10の最外層に例えばFが多量に含まれている場合でも、この第1の堆積層1Aを形成することにより、ガラス化時に、ガラスロッドと第2の堆積層1Bとの間での発泡現象を抑制することができる。
【0023】
また、この第1の堆積層1Aは第2の堆積層1Bよりも高密度になっている。第1の堆積層1Aを高密度にすることにより、出発母材10との密着力が大きくなり、光ファイバ母材Aをガラス化したとき、出発母材10との界面にスリップなどの欠陥は生じなくなる。
なお、この第1の堆積層1Aの表面に形成される第2の堆積層1Bの密度は、0.1〜0.4g/cm3の範囲内に設定することが好ましい。この密度を0.1g/cm3より低密度にすると、反応ガスの燃焼反応終了後の冷却過程で、形成された第2の堆積層1Bにクラックが発生するようになり、また0.4g/cm3より高密度にすると、ガラス化後における屈折率分布の揺らぎが大きくなって正確な屈折率分布を測定することができなくなるからである。
【0024】
第1の堆積層1Aを高密度化するためには、例えば、図8の製造装置における供給系7BからのH2ガス量を増量して燃焼反応時の火力を高めるなどの運転条件を適宜に選定すればよい。
また、光ファイバ母材Aの製造時において、第1の堆積層1Aと第2の堆積層1Bの厚みに関しては、(1)式を満足するような厚みとなるように、各堆積層を形成することが好ましい。
【0025】
すなわち、第1の堆積層1Aの厚み(t1)は、第1の堆積層1Aと第2の堆積層1Bとの合計厚みに対し、5%以上の値の厚みにすることが好ましい。
この関係が満たされていない場合、すなわち、第1の堆積層1Aの厚みが薄すぎる場合は、第2の堆積層1Bとの密度差が大きくなり、光ファイバ母材Aをガラス化するときに、出発母材10と第2の堆積層1Bとの間に欠陥が発生するようになるからである。
【0026】
本発明方法で製造した別の光ファイバ母材の例Bを図2に示す。
この光ファイバ母材Bは、光ファイバ母材Aの最外層に位置する第2の堆積層1Bの表面に、再度、シリカの微粒子のみから成る堆積層1Cを形成したものである。
この堆積層1Cを形成することにより、例えば第2の堆積層1BのドーパントがGe成分のように易揮発性である場合、光ファイバ母材Bをガラス化するときに、前記ドーパントの揮発を防止することができる。
【0027】
また、ドーパント濃度が高い第2の堆積層1Bは、一般に、シリカに比べて熱膨張率が大きいので、当該第2の堆積層1Bを形成したのち、その冷却過程で第2の堆積層1Bにクラックのはいることがある。しかし、この第2の堆積層1Bの表面に、シリカの微粒子から成り、熱膨張率が小さい堆積層1Cを形成すると、第2の堆積層1Bのクラック発生を有効に防止することができる。
【0028】
更に、この堆積層1Cを第2の堆積層1Bよりも高密度化すると、光ファイバ母材Bをガラス化したときに、第2の堆積層1Bのドーパントの揮発を防止することができて有効である。
この堆積層1Cの密度は、第2の堆積層1Bの密度との関係で変化するが、概ね、0.2〜0.6g/cm3の範囲に設定することが好ましい。0.2g/cm3より低密度の場合は、第2の堆積層1Bのドーパントの揮発防止効果が低下し、また0.6g/cm3より高密度の場合は、ガラス化時に水分が充分に除去されず、光伝搬時の損失が大きくなるからである。
【0029】
なお、図2において、この堆積層1Cは第2の堆積層1Bの表面に直接形成されているが、堆積層1Cの形成態様はこれに限定されるものではなく、要は、ドーパントを含む堆積層の外側に形成すればよい。
【0030】
【実施例】
実施例1、比較例1,2
直径12mm、長さ500mmのガラスロッドを図8で示した製造装置にセットした。
ついで、表1で示した条件で第1の堆積層、第2の堆積層を順次形成して図1で示した光ファイバ母材Aを3本製造した。
【0031】
【表1】
【0032】
これらの光ファイバ母材をガラスした。
実施例1の場合は、ガラスロッドとの界面にはスリップなどの欠陥は発生しなかった。また断面における屈折率分布の揺らぎも認められず、屈折率分布を測定することができた。
比較例1の場合は、ガラスロッドとの界面にはスリップが発生して不良品となった。
比較例2の場合は、ガラスロッドとの界面にスリップなどの欠陥の発生は認められなかったが、断面における屈折率分布の揺らぎは激しく屈折率分布を正確に測定することはできず、また界面に発泡がみられた。
【0033】
実施例2
実施例1の条件において、第1の堆積層の厚み(t1)のみを変化させて光ファイバ母材Aを製造し、それらをガラス化して欠陥の有無を調べた。
その結果を、100×t1/(t1+t2)と欠陥の発生率(%)との関係として図3に示した。
図3から明らかなように、100×t1/(t1+t2)の値が5%より小さくなると、ガラス化時に、ガラスロッドとの界面に欠陥が多く発生してくる。
【0034】
実施例3
実施例1の条件において、第2の堆積層の密度のみを変化させて光ファイバ母材Aを製造し、それらをガラス化した。密度を0.1g/cm3より小さくすると、第2の堆積層の冷却過程でクラックが発生して不良品になった。また、密度を0.4g/cm3より高密度にすると、ガラス化後に、屈折率分布の揺らぎが大きくなり、屈折率分布を正確に測定することができなかった。
【0035】
比較例3
GeCl4の流量を0.4SLMにしたことを除いては実施例1と同じ条件で光ファイバ母材Aを製造した。しかし、第2の堆積層を形成したのちの冷却過程でクラックが発生し、不良品になった。
【0036】
実施例4
実施例1の条件で光ファイバ母材Aを製造し、続けて、第2の堆積層の表面に、実施例1における第1の堆積層の形成時と同じ条件で厚みが2mmであるシリカのみの堆積層を形成して光ファイバ母材Bを製造した。堆積層にクラックは発生しなかった。
またガラス化後における屈折率分布は測定可能であった。そして、屈折率分布において屈折率の裾は狭くなっていて、第2の堆積層のドーパントの揮発は抑制されていることが確認できた。
【0037】
実施例5
実施例4において、最外層のシリカのみの堆積層の密度を変化させて光ファイバ母材Bを製造した。高密度化するにつれて、ガラス化後における屈折率の裾は狭くなっていき、第2の堆積層のドーパントの揮発は抑制されていた。
また、ガラス化後に、波長1.38μmの光で損失を測定した。その結果を堆積層の密度との関係として図4に示した。
図4から明らかなように、シリカのみの堆積層の密度が0.6g/cm3より高密度になると、1.38μm損失が急激に大きくなっている。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明方法によれば、ガラス化後に屈折率分布の揺らぎがなく、屈折率分布を正確に測定することができ、またガラス化時にガラスロッドとの界面に欠陥を発生することのない光ファイバ母材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で製造した光ファイバ母材の1例Aを示す部分断面図である。
【図2】本発明方法で製造した光ファイバ母材の他の例Bを示す部分断面図である。
【図3】ガラス化時における第1の堆積層とガラスロッドとの界面不良の発生率と、第1の堆積層の厚みとの関係を示すグラフである。
【図4】ガラス化後における1.38μm損失と、最外層のシリカのみの堆積層の密度との関係を示すグラフである。
【図5】光ファイバの断面における屈折率分布のプロファイルの1例を示す説明図である。
【図6】光ファイバの断面における屈折率分布のプロファイルの別の例を示す説明図である。
【図7】光ファイバの断面における屈折率分布のプロファイルの更に別の例を示す説明図である。
【図8】出発母材にガラス微粒子を堆積させる、光ファイバ母材の製造装置例を示す概略図である。
【符号の説明】
10 出発母材
1A 第1の堆積層
1B 第2の堆積層
1C シリカのみの堆積層
2 反応容器
3A,3B シール部
4A,4B シャフト
5A,5B 把持部
6 バーナ
7 反応ガス供給装置
7A,7B,7C 反応ガスの供給系
8 ガラス微粒子の堆積層
Claims (6)
- 純シリカまたは屈折率分布を有するガラス母材を出発母材とし、その出発母材のガラスロッドの表面にガラス微粒子の堆積層を2層以上形成して光ファイバ母材を製造する際に、
前記出発母材の表面に最初に形成する第1の堆積層のガラス微粒子は実質的にシリカのみとし、前記第1の堆積層の表面に形成する第2の堆積層のガラス微粒子はドーパントを含むガラス微粒子とし、かつ、前記第1の堆積層を前記第2の堆積層よりも高密度にすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。 - 前記ドーパントが、Ge,Al,B,FおよびPの群から選ばれるいずれか1種である請求項1の光ファイバ母材の製造方法。
- 前記第1の堆積層の厚みをt1、前記第2の堆積層の厚みをt2としたとき、t1とt2の間では、次式:
100×t1/(t1+t2)≧5
で示される関係を成立させる請求項1または2の光ファイバ母材の製造方法。 - 前記第2の堆積層の密度を0.1〜0.4g/cm3にする請求項1〜3のいずれかの光ファイバ母材の製造方法。
- ドーパントを含むガラス微粒子で形成された堆積層の表面に、再度、ガラス微粒子が実質的にシリカのみから成る堆積層を形成する請求項1〜4のいずれかの光ファイバ母材の製造方法。
- ガラス微粒子が実質的にシリカのみから成る前記堆積層の密度を、ドーパントを含むガラス微粒子から成る前記堆積層の密度よりも高密度にする請求項5の光ファイバ母材の製造方法。
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