JP2001317397A - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents
蓄圧式燃料噴射装置Info
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Abstract
重なった場合でも、指令噴射量と実噴射量との誤差を小
さくできること。 【解決手段】 高圧ポンプの圧送期間中にインジェクタ
の噴射が行われる場合(第2の噴射条件)は、ポンプ圧
送による圧力変化分を見込んで、噴射開始時の燃料圧
(インジェクタの見込み噴射圧)を求める必要がある。
従って、先ずインジェクタの通電開始時の燃料圧NPC
Mnとインジェクタの見込み噴射圧との差ΔPCMを算
出する。このΔPCMは、第1の噴射条件で行われる噴
射期間中の平均噴射圧と第2の噴射条件で行われる噴射
期間中の平均噴射圧との差として求めることができる。
その後、通電開始時に取り込んだ燃料圧NPCMnにΔ
PCMを加算して見込み噴射圧を算出し、この見込み噴
射圧(最終噴射圧NPCMFn)と指令噴射量QFIN と
に基づいて噴射期間TQMFを算出する。
Description
えられた高圧燃料をインジェクタからディーゼル機関に
噴射する蓄圧式燃料噴射装置に関する。
蓄圧式燃料噴射装置では、コモンレールの燃料圧を検出
し、その燃料圧に基づいてインジェクタの噴射時期及び
噴射期間(インジェクタへの通電期間)を算出してい
る。しかし、コモンレールの燃料圧は、高圧ポンプから
の燃料圧送等により変動しており、特に加速時等の過渡
時においては、検出時の燃料圧と噴射時の燃料圧とが大
きく異なるため、算出した指令噴射量とインジェクタに
よる実際の噴射量とに誤差が生じる。そこで、特願平1
1−326911号に記載された蓄圧式燃料噴射装置で
は、コモンレールの燃料圧に基づいてインジェクタの噴
射時期を算出し、その噴射時期となった時に再度コモン
レールの燃料圧を検出し、その燃料圧に基づいてインジ
ェクタの噴射期間を算出している。
出してから噴射期間を算出終了するまでには、現在市販
されている一般的な32ビットMPUを用いた場合で5
0〜200μs程度の時間を必要とする。従って、「噴
射時期となった時に燃料圧を検出する」といっても、実
際には、インジェクタから噴射が開始される時点よりあ
る程度前に燃料圧を検出する必要がある。この場合、以
下のような問題が生じる。インジェクタの燃料噴射時に
高圧ポンプから燃料圧送が行われている場合は、噴射時
期での燃料圧力がインジェクタへの通電開始時期に検出
した燃料圧より高くなるため、噴射量が増加してしま
う。つまり、燃料圧を低く検出したため、噴射期間が正
規の値よりも長くなってしまったためである。
タの噴射とが重なった場合と重ならなかった場合とで
は、インジェクタへの通電開始時期の燃料圧が同じで
も、噴射期間中の燃料圧力(平均噴射圧)が異なるた
め、高圧ポンプの燃料圧送とインジェクタの噴射とが重
なった場合の方が噴射量は増加する。本発明は、上記事
情に基づいて成されたもので、その目的は、インジェク
タの噴射と高圧ポンプの圧送とが重なった場合でも、指
令噴射量と実噴射量との誤差を小さくできる蓄圧式燃料
噴射装置を提供することにある。
ポンプが燃料の圧送を停止している間にインジェクタか
ら燃料を噴射させる第1の噴射条件と、高圧ポンプが燃
料を圧送している間にインジェクタから燃料を噴射させ
る第2の噴射条件とが設定されている蓄圧式燃料噴射装
置であって、インジェクタの作動を制御する制御手段
は、第2の噴射条件でインジェクタの作動を制御する際
に、第1の噴射条件でインジェクタから噴射が行われる
噴射期間中の圧力降下率と第2の噴射条件でインジェク
タから噴射が行われる噴射期間中の圧力降下率との変化
分を見込んで、指令噴射時期のインジェクタの見込み噴
射圧を求め、その見込み噴射圧と指令噴射量とに基づい
てインジェクタの噴射期間を算出している。
と高圧ポンプの圧送とが重なるため、噴射期間中の圧力
降下率は、第1の噴射条件で噴射が行われる時の圧力降
下率より小さくなる。従って、第1の噴射条件の時の圧
力降下率と第2の噴射条件の時の圧力降下率との変化分
を見込んで見込み噴射圧を求めることにより、実際の噴
射圧より高い噴射圧でインジェクタの噴射期間を算出す
ることができる。その結果、噴射期間を正規の値に近づ
けることができるので、実噴射量と指令噴射量との誤差
を小さくできる。
圧式燃料噴射装置において、制御手段は、指令噴射時期
より以前にコモンレール内の燃料圧PCを取り込み、そ
の燃料圧PCを基準として、第1の噴射条件でインジェ
クタから噴射が行われる噴射期間中の平均噴射圧と第2
の噴射条件でインジェクタから噴射が行われる噴射期間
中の平均噴射圧との圧力差ΔPCMを求め、その圧力差
ΔPCMを燃料圧PCに加算して見込み噴射圧を算出し
ている。
圧力降下率と第2の噴射条件の時の圧力降下率との変化
分は、第1の噴射条件で行われる噴射期間中の平均噴射
圧と第2の噴射条件で行われる噴射期間中の平均噴射圧
との差、つまり上記の圧力差ΔPCMと考えることがで
きる。従って、その圧力差ΔPCMをコモンレール内の
燃料圧PCに加算することで、噴射開始時(指令噴射時
期)のインジェクタの見込み噴射圧を算出することがで
きる。
圧式燃料噴射装置において、制御手段は、指令噴射量、
コモンレール内の燃料圧、及び内燃機関の回転数のうち
少なくとも1つをパラメータとし、このパラメータと圧
力差ΔPCMとの関係を予め求め、その相関を記憶した
マップを有し、このマップからパラメータに基づいて圧
力差ΔPCMを求めている。この場合、ΔPCMを計算
によって求める必要がなく、マップから求めることがで
きるので、制御手段の処理手順を簡略化でき、より短時
間でインジェクタの噴射期間を算出することが可能であ
る。
載した蓄圧式燃料噴射装置において、制御手段は、イン
ジェクタに通電してから実際に噴射が開始されるまでの
噴射遅れ時間を考慮してインジェクタへの通電開始時期
を算出し、この通電開始時期に燃料圧PCを取り込んで
いる。
載した蓄圧式燃料噴射装置において、制御手段は、噴射
期間を算出するために所定時間tを必要とし、指令噴射
時期より所定時間t以上前に燃料圧PCを取り込んでい
る。
置を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)図1は蓄圧式燃料噴射装置1の全体構成
を示す模式図である。本実施例の蓄圧式燃料噴射装置1
は、4気筒のディーゼル内燃機関(以下エンジン2と呼
ぶ)に使用されるもので、図1に示すように、燃料タン
ク3から燃料を汲み上げるフィードポンプ4と、汲み上
げられた燃料を加圧して圧送する高圧ポンプ5と、この
高圧ポンプ5より圧送された高圧燃料を蓄圧するコモン
レール6と、このコモンレール6に噴射管7を介して接
続され、エンジン2の各気筒毎に取り付けられるインジ
ェクタ8と、本システムの作動を制御する電子制御装置
(以下ECU9と呼ぶ)等より構成される。
ジン2の回転に同期して回転するカム軸10と、このカ
ム軸10の回転に伴ってシリンダ11内を往復動するプ
ランジャ12と、シリンダ11内に形成されるポンプ室
13に通じる低圧通路14と、この低圧通路14を開閉
する電磁弁15等を具備している。この高圧ポンプ5
は、プランジャ12の圧送行程の途中で電磁弁15が通
電を受けて低圧通路14を閉じると、ポンプ室13の燃
料が加圧され、その燃料圧力が逆止弁16の開弁圧より
高くなると、高圧燃料が逆止弁16を押し開いて、高圧
配管17よりコモンレール6へ圧送される。なお、この
高圧ポンプ5は、エンジン2の燃焼1行程(720°C
A)の間に360°CAの間隔で2回圧送を行う。
給される高圧燃料をエンジン2の気筒内に噴射するもの
で、噴孔を開閉するニードル(図示しない)の背圧側に
コモンレール6の燃料圧が作用する圧力制御室(図示し
ない)が設けられ、この圧力制御室と低圧側との間に電
磁弁18を具備している。この電磁弁18が閉じている
時は、圧力制御室の燃料圧を受けてニードルが噴孔を閉
じており、電磁弁18が開くと、圧力制御室の燃料が低
圧側へ流れるため、ニードルがリフトして噴孔を開くこ
とにより、燃料噴射が行われる。なお、各気筒のインジ
ェクタ8は、第1気筒−第3気筒−第4気筒−第2気筒
の順序で噴射を行う。
転数センサ19、アクセルペダルの踏込み量(アクセル
開度)を検出するアクセル開度センサ20、コモンレー
ル6内の燃料圧を検出する燃料圧センサ21、及び冷却
水温、吸気温、吸気圧等を検出する各種センサ22から
の信号を入力し、これらの信号に基づいて高圧ポンプ5
の吐出量、インジェクタ8の噴射時期及び噴射量を演算
し、その演算結果に従って電磁弁15及び電磁弁18に
対する制御信号を出力する。
間に高圧ポンプ5を2回駆動し、その高圧ポンプ5の圧
送期間中にインジェクタ8の噴射が重なる場合と重なら
ない場合とが生じる。本実施例では、高圧ポンプ5の圧
送期間中に第1気筒と第4気筒に対するインジェクタ8
の噴射が行われ、高圧ポンプ5の圧送停止期間中に第2
気筒と第3気筒に対するインジェクタ8の噴射が行われ
るものとする。また、以下の説明では、高圧ポンプ5の
圧送停止期間中に噴射が行われる場合を第1の噴射条
件、高圧ポンプ5の圧送期間中に噴射が行われる場合を
第2の噴射条件と呼ぶ。
ECU9の処理手順を図3と図4に示すフローチャート
及び図5〜図7に基づいて説明する。 Step100 …回転数センサ19の検出信号に基づいて回転
数NEを取り込み、アクセル開度センサ20の検出信号
に基づいてアクセル開度Accp を取り込む。 Step110 …回転数NEとアクセル開度Accp に基づき、
噴射量算出用の特性マップ(図示しない)を用いて指令
噴射量QFIN を算出する。 Step120 …回転数NEと指令噴射量QFIN に基づき、噴
射時期算出用の特性マップ(図示しない)を用いて指令
噴射時期TFIN を算出する。
サ21の検出信号に基づいてコモンレール6の燃料圧N
PCnを取り込む(図5参照)。なお、添字のnは、今
回の処理で検出した分を示している。 Step140 …Step130 で取り込んだ燃料圧NPCnから下
記式に基づいて見込み圧NPCFを算出する。ここで、
NPCn-1 は、前回のStep130 で取り込んだ燃料圧であ
り、NPCMn-1 は、前回のStep230 (後述する)で取
り込んだインジェクタ通電開始時の燃料圧である。
圧力差ΔPCが、定常走行時または過渡時に係わらず、
今回の処理時でも略同様に生じるので、この圧力差ΔP
Cを加味した見込み圧NPCFを算出して、今回の噴射
時の誤差を低減している。
PCFに基づいて、噴射遅れ時間TDMを図6に示す特
性マップから算出する。この噴射遅れ時間TDMは、図
5に示すように、インジェクタ8の電磁弁18に通電を
開始してから実際に燃料が噴射されるまでの時間であ
る。インジェクタ8は、供給される燃料圧の作用を受け
てニードルがリフトして開弁する構成であるので、燃料
圧に応じて噴射遅れ時間が異なる。特性マップは、燃料
圧と噴射遅れ時間との関係を予め実験等により求めて作
成すると良い。
期TFIN とStep150 で算出した噴射遅れ時間TDMとに
基づいて、インジェクタ通電開始時期を算出する。この
インジェクタ通電開始時期は、図5に示すように、NE
パルスによって検出される制御上の基準位置からインジ
ェクタ通電開始直前までの噴射時期パルス数CNECA
MFと、このパルスからインジェクタ通電開始までの余
り時間TTMFとから成る。 Z←(A−TFIN )/X TTMF←(Z/X)×TDM CNECAMF←(A−TFIN −Z)/X
処理を行う。 TTMF←TTMF+Y CNECAMF←CNECAMF−1 ここで、「CNECAMF」は整数であり、「Z」は余
りである。「A」は制御上の基準位置から上死点TDC
までの角度であり、「X」は回転数センサ19から出力
される1パルスに相当する角度である。「Y」はその時
の回転速度で角度Xだけ回転するのに要する時間であ
る。
PCFとに基づいて、図7に示す特性マップから仮噴射
期間TQMFを算出する。 Step180 …気筒判別カウンタCCYLN により気筒判定を行
う。なお、カウンタCCYLN は、180°CA毎に「0」
〜「3」の間でカウントアップされ、720°CAで
「0」に戻る。この判定で、カウンタ値が「0」または
「2」の場合、つまり第1気筒または第4気筒の場合は
Step190 へ進み、カウンタ値が「1」または「3」の場
合、つまり第2気筒または第3気筒の場合はStep200 へ
進む。
は、図5に示すように、高圧ポンプ5の圧送期間中にイ
ンジェクタ8の噴射が行われる(第2の噴射条件)た
め、ポンプ圧送による圧力変化分を見込んで、噴射開始
時の燃料圧(インジェクタ8の見込み噴射圧)を求める
必要がある。従って、先ずインジェクタ8の通電開始時
の燃料圧とインジェクタ8の見込み噴射圧との差ΔPC
Mを算出する。このΔPCMは、下記の圧力変化を表す
基本式に基づいて求めることができる。 ΔPC=(Δq/V)×E………………………… Δq:高圧容器内に出入りした量 V:高圧容積 E:体積弾性係数(ヤング率)
と重なる場合との平均噴射圧の差であるから、Δqは下
記のように求めることができる。 a)噴射が圧送と重ならない場合の変化量をΔq1 とす
ると、 Δq1 =0−(噴射量/2)+リーク量 b)噴射が圧送と重なる場合の変化量をΔq2 とする
と、 Δq2 =ポンプ圧送量−(噴射量/2)+リーク量 となる。 Δq=Δq2 −Δq1 であるから、Δq=ポンプ圧送量
(Qd)となる。
A点)から後のポンプ圧送量をQa、噴射期間の中央
(図5のB点)から後のポンプ圧送量をQbとすると、
ΔPCMに影響するポンプ圧送量Qdは、Qd=Qa−
Qbで求めることができる。以上をまとめて基本式に
適用すると、ΔPCMは次式によって算出することが
できる。 ΔPCM=(Qd/V)×E……………………… この式で、Vはコモンレール6と噴射管7を含む容積
で固定値であり、E(軽油の体積弾性係数)は取り込ん
だ燃料圧NPCnで求めることができる。ΔPCMを算
出した後、次のStep200 へ進む。
数センサ19からの信号に基づいて判断する。基準位置
でない時(判定結果NO)は、基準位置になるまで待機
し、基準位置となった時(判定結果YES)は、次のSt
ep210 へ進む。 Step210 …回転数センサ19から出力されるパルス数を
カウントする。 Step220 …カウントしたパルス数が、Step160 で求めた
噴射時期パルス数CNECAMFと一致したか否かを判
断する。噴射時期パルス数CNECAMFと一致してい
ない時(判定結果NO)は、噴射時期パルス数CNEC
AMFと一致するまで待機し、噴射時期パルス数CNE
CAMFと一致した時(判定結果YES)は、次のStep
230 へ進む。
MFが経過したか否かを判断する。余り時間TTMFが
経過していない時(判定結果NO)は、余り時間TTM
Fが経過するまで待機し、余り時間TTMFが経過した
時(判定結果YES)は、次のStep240 へ進む。 Step240 …インジェクタ8(電磁弁18)に通電を開始
する。これにより、通電を受けてから噴射遅れ時間TD
Mが経過した時点でインジェクタ8のニードルがリフト
して噴射を開始する。
コモンレール6内の燃料圧(NPCMn)を取り込む。 Step260 …取り込んだ燃料圧NPCMnとStep130 で取
り込んだ燃料圧NPCnとの差の絶対値が所定値α以上
か否かを判定する。この判定結果がNOの場合、つまり
絶対対が所定値αより小さい時は、インジェクタ8の通
電開始時に取り込んだ燃料圧NPCMnがノイズ等の影
響を受けることなく、正常に取り込まれたものと判断し
て、次のStep270 へ進む。一方、判定結果がYESの場
合、つまり絶対値が所定値α以上の場合は、インジェク
タ8の通電開始時に取り込んだ燃料圧NPCMnがノイ
ズ等の影響を受けた異常な値であると判断して、Step31
0へ進む。
気筒判定を行う。この判定で、カウンタ値が「0」また
は「2」の場合、つまり第1気筒または第4気筒の場合
はStep290 へ進み、カウンタ値が「1」または「3」の
場合、つまり第2気筒または第3気筒の場合はStep280
へ進む。 Step280 …第2気筒または第3気筒の場合は、高圧ポン
プ5の圧送停止期間中にインジェクタ8の噴射が行われ
る(第1の噴射条件)ため、Step250 で取り込んだイン
ジェクタ通電開始時の燃料圧NPCMnを最終噴射圧N
PCMFnとして設定し、Step300 へ進む。
は、高圧ポンプ5の圧送期間中にインジェクタ8の噴射
が行われる(第2の噴射条件)ため、Step250 で取り込
んだ通電開始時の燃料圧NPCMnにStep190 で算出し
た平均噴射圧差ΔPCMを加算して見込み噴射圧を算出
し、この見込み噴射圧を最終噴射圧NPCMFnとして
設定し、Step300 へ進む。 Step300 …Step280 またはStep290 で設定した最終噴射
圧NPCMFnとStep110 で算出した指令噴射量QFIN
とに基づいて、図7に示す特性マップから噴射期間TQ
MFを再度算出し、Step320 へ進む。
TQMFをそのまま噴射期間として採用し、次のStep32
0 へ進む。 Step320 …噴射期間TQMFが経過したか否かを判断す
る。噴射期間TQMFが経過していない時(判定結果N
O)は、噴射期間TQMFが経過するまで待機し、噴射
期間TQMFが経過した時(判定結果YES)は、次の
Step330 へ進む。 Step330 …インジェクタ8(電磁弁18)への通電を終
了する。これにより、インジェクタ8のニードルが圧力
制御室の燃料圧を受けて閉弁方向に移動し、噴孔に通じ
る燃料通路を遮断して噴射を終了する。
噴射条件において、第1の噴射条件で噴射が行われる噴
射期間中の圧力降下率と第2の噴射条件で噴射が行われ
る噴射期間中の圧力降下率との変化分(ΔPCM)を見
込んで、指令噴射時期TFIN (噴射開始時)のインジェ
クタ8の見込み噴射圧を求め、その見込み噴射圧と指令
噴射量QFIN とに基づいてインジェクタ8の噴射期間T
QMFを算出している。この場合、実際の噴射圧より高
い噴射圧でインジェクタ8の噴射期間TQMFを算出す
ることができ、噴射期間TQMFを略正規の値に一致さ
せることができるので、実噴射量と指令噴射量QFIN と
の誤差を小さくできる。
噴射条件で噴射が行われる際に、ΔPCMを計算によっ
て求めているが、ECU9の計算負荷を軽減するため
に、ΔPCMをマップから求めることもできる。その一
例を図8〜図10に基づいて説明する。図8はECUの
処理手順を示すフローチャートである。 Step400 …図9に示すマップから指令噴射量QFIN と見
込み圧NPCFとに基づいて、所定回転数NB1 での圧
力変化量(ΔPCMBAS)を求める。ここで、図9に
示すマップは、QFIN とNPCFとΔPCMBASとの
相関を示すもので、三者の関係を予め実験等により求め
て作成したものである。
ジン回転に同期して駆動されるため、エンジン回転数が
高い時はポンプ送油率も高く、エンジン回転数が低い時
はポンプ送油率も低くなる。しかし、図9のマップから
求めた圧力変化量ΔPCMBASは、エンジン回転数を
パラメータとして含んでいないため、エンジン回転数に
よる補正を行う必要がある。そこで、図10に示すマッ
プからエンジン回転数NEに基づいて補正係数KNEP
CMを求める。 Step420 …Step400 で求めたΔPCMBASにStep410
で求めたKNEPCMを掛け算してΔPCMを算出す
る。
求める必要がないので、Step250 で通電開始時の燃料圧
NPCMnを取り込んだ後にΔPCMを求めることも可
能である。この場合、図9のマップで使用されるパラメ
ータは見込み圧NPCFではなく、Step250 で取り込ん
だ通電開始時の燃料圧NPCMnを使用することができ
る。また、図9のマップは、QFIN とNPCFとΔPC
MBASとの関係を表しているが、指令噴射量、コモン
レール内の燃料圧、エンジン回転数のうち少なくとも1
つをパラメータとし、このパラメータとΔPCMとの関
係を予め求めてマップを作成し、その他のパラメータを
補正係数として使用することもできる。
性マップから噴射期間TQMFを算出しているが、最終
噴射圧NPCMFnが同じであっても、高圧ポンプ5の
圧送とインジェクタ8の噴射とが重なった時は、特性マ
ップ自体が変化する。従って、高圧ポンプ5の圧送とイ
ンジェクタ8の噴射とが重なる時と重ならない時とで特
性マップを切り替えても良い。例えば、第1実施例で説
明した4気筒エンジン2では、圧送と噴射が重なる時と
重ならない時が交互に発生するので、噴射毎に2つの特
性マップを交互に切り替えて噴射期間TQMFを算出す
れば良い。
通電開始時に燃料圧NPCMnを取り込み(Step250
)、その燃料圧NPCMnにΔPCMを加算して見込
み噴射圧を求めている(第2の噴射条件の場合)が、E
CU9が噴射期間TQMFを算出するために所定時間t
を必要とする場合、指令噴射時期より所定時間t以上前
であれば、通電開始時以外でも一定時間前または一定角
度前に燃料圧PCを取り込んでも良い。
ある。
フローチャートである。
フローチャートである。
ートである。
である。
ある。
すフローチャートである。
圧の関係を示すマップである。
めのマップである。
手段) 19 回転数センサ(運転状態検出手段) 20 アクセル開度センサ(運転状態検出手段) 21 燃料圧センサ(燃料圧検出手段)
Claims (5)
- 【請求項1】燃料を加圧して圧送する高圧ポンプと、 この高圧ポンプより圧送された高圧燃料を蓄圧するコモ
ンレールと、 通電を受けて開弁し、その開弁期間中に前記コモンレー
ルより供給される高圧燃料を内燃機関の気筒内に噴射す
るインジェクタと、 前記コモンレール内の燃料圧を検出する燃料圧検出手段
と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
と、 前記内燃機関の運転状態から前記インジェクタの指令噴
射量を算出する噴射量算出手段と、 前記内燃機関の回転数と前記指令噴射量とに基づいて前
記インジェクタの指令噴射時期を算出する噴射時期算出
手段と、 前記インジェクタの作動を制御する制御手段とを備え、 前記高圧ポンプが燃料の圧送を停止している間に前記イ
ンジェクタから燃料を噴射させる第1の噴射条件と、前
記高圧ポンプが燃料を圧送している間に前記インジェク
タから燃料を噴射させる第2の噴射条件とが設定されて
いる蓄圧式燃料噴射装置であって、 前記制御手段は、 前記第2の噴射条件で前記インジェクタの作動を制御す
る際に、 前記第1の噴射条件で前記インジェクタから噴射が行わ
れる噴射期間中の圧力降下率と前記第2の噴射条件で前
記インジェクタから噴射が行われる噴射期間中の圧力降
下率との変化分を見込んで、前記指令噴射時期の前記イ
ンジェクタの見込み噴射圧を求め、その見込み噴射圧と
前記指令噴射量とに基づいて前記インジェクタの噴射期
間を算出することを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 【請求項2】請求項1に記載した蓄圧式燃料噴射装置に
おいて、 前記制御手段は、 前記指令噴射時期より以前に前記コモンレール内の燃料
圧PCを取り込み、 その燃料圧PCを基準として、前記第1の噴射条件で前
記インジェクタから噴射が行われる噴射期間中の平均噴
射圧と前記第2の噴射条件で前記インジェクタから噴射
が行われる噴射期間中の平均噴射圧との圧力差ΔPCM
を求め、 その圧力差ΔPCMを前記燃料圧PCに加算して前記見
込み噴射圧を算出することを特徴とする蓄圧式燃料噴射
装置。 - 【請求項3】請求項2に記載した蓄圧式燃料噴射装置に
おいて、 前記制御手段は、 前記指令噴射量、前記コモンレール内の燃料圧、及び前
記内燃機関の回転数のうち少なくとも1つをパラメータ
とし、このパラメータと前記圧力差ΔPCMとの関係を
予め求め、その相関を記憶したマップを有し、このマッ
プから前記パラメータに基づいて前記圧力差ΔPCMを
求めることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 【請求項4】請求項2または3に記載した蓄圧式燃料噴
射装置において、 前記制御手段は、 前記インジェクタに通電してから実際に噴射が開始され
るまでの噴射遅れ時間を考慮して前記インジェクタへの
通電開始時期を算出し、この通電開始時期に前記燃料圧
PCを取り込むことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。 - 【請求項5】請求項2または3に記載した蓄圧式燃料噴
射装置において、 前記制御手段は、 前記噴射期間を算出するために所定時間tを必要とし、 前記指令噴射時期より前記所定時間t以上前に前記燃料
圧PCを取り込むことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装
置。
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