JP2003227394A - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置

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JP2003227394A
JP2003227394A JP2002031438A JP2002031438A JP2003227394A JP 2003227394 A JP2003227394 A JP 2003227394A JP 2002031438 A JP2002031438 A JP 2002031438A JP 2002031438 A JP2002031438 A JP 2002031438A JP 2003227394 A JP2003227394 A JP 2003227394A
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fuel
pressure
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delay time
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Kanehito Nakamura
兼仁 中村
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Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴射開始遅れ時間および噴射終了遅れ時間を
精度良く検出できるようにすることで、シングル噴射時
の噴射量の制御精度を向上する。 【解決手段】 噴射指令パルス開始時期からコモンレー
ル圧の現在値と過去値との偏差が第1所定値以上の時の
時刻を噴射開始時刻として読み込み、噴射指令パルスの
立ち上がり時刻と噴射開始時刻から噴射開始遅れ時間を
算出し、噴射指令パルス終了時期から上記の偏差が第3
所定値以下の時の時刻を噴射終了時刻として読み込み、
噴射指令パルスの立ち下がり時刻と噴射終了時刻から噴
射終了遅れ時間を算出し、噴射開始遅れ時間と噴射終了
遅れ時間から、噴射指令パルス開始時期、噴射指令パル
ス長さ(噴射指令パルス終了時期)を補正して各インジ
ェクタを駆動している。これにより、インジェクタの個
体間のばらつきや経時変化やエンジンの運転条件によら
ず、噴射時期、噴射量を精度良く制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サプライポンプ等
の燃料供給ポンプより吐出された高圧燃料を蓄圧容器内
に蓄圧すると共に、その蓄圧容器内に蓄圧された高圧燃
料を電磁式燃料噴射弁等のインジェクタを介して多気筒
ディーゼルエンジン等のエンジンの各気筒内に噴射供給
する蓄圧式燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば多気筒ディーゼルエン
ジン用の燃料噴射システムとして、エンジンの気筒内に
噴射する燃料噴射圧に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧
容器としてのコモンレールと、エンジンの各気筒毎に搭
載された電磁式燃料噴射弁よりなる複数個のインジェク
タと、燃料タンクからポンプ電磁弁を経て加圧室内に吸
入された燃料を加圧してコモンレール内に圧送(吐出)
する燃料供給ポンプとしてのサプライポンプとを備えた
蓄圧式燃料噴射システムが知られている。
【0003】このような蓄圧式燃料噴射システムの場合
には、エンジン回転数とアクセル開度とから指令噴射量
(Q)を演算し、エンジン回転数と指令噴射量(Q)と
から噴射開始時期(T)を演算し、コモンレール圧と指
令噴射量(Q)とから噴射期間(噴射指令パルス長さ:
Tq)を演算して、噴射開始時期(T)から噴射期間
(Tq)が終了するまでインジェクタの電磁弁にインジ
ェクタ駆動電流を印加して、インジェクタの噴射量制御
および噴射時期制御を実施している。なお、インジェク
タは、一般的に、電磁弁の開閉弁によりノズルニードル
の背圧を制御することで、ノズルニードルがスプリング
等の付勢力に打ち勝って開弁する構成であるため、イン
ジェクタの電磁弁への通電を開始してから所定の噴射開
始遅れ時間が経過した後に、ノズルニードルが開弁し、
また、インジェクタの電磁弁への通電を終了してから所
定の噴射終了遅れ時間が経過した後に、ノズルニードル
が閉弁する。このため、従来より、噴射開始遅れ時間お
よび噴射終了遅れ時間は、図10(a)、(b)に実線
で示したように、テストベンチで、コモンレール圧、指
令噴射量(Q)、噴射期間(Tq)特性を測定して適合
させた適合値を使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、噴射開始遅
れ時間および噴射終了遅れ時間は、図10(a)、
(b)に破線で示したように、エンジンの各気筒の1周
期中に燃料を1回だけ(メイン噴射のみ)噴射するシン
グル噴射であっても、インジェクタの個体差、インジェ
クタの経時変化、燃料噴射開始時のコモンレール圧や気
筒内圧、燃料性状(燃料の粘度や燃料温度等)によって
上記の適合値と異なる場合がある。この場合には、噴射
量および噴射時期の制御精度が低下するという問題が生
じる。
【0005】また、近年のディーゼルエンジン搭載車の
排気ガス規制値の達成のためにマルチ噴射というエンジ
ンの各気筒の1周期中に燃料を複数回に分けて(例えば
プレ噴射、パイロット噴射、メイン噴射、アフター噴射
等)噴射する噴射率制御が開発されている。このような
マルチ噴射を行なう場合、エンジンのTDC前後の広い
範囲で複数回に分けて燃料を噴射するため、マルチ噴射
の各々の噴射量と噴射期間特性を適合した時のエンジン
のTDC付近の気筒内圧やコモンレール圧と実際燃料噴
射を開始する時の気筒内圧やコモンレール圧とが異な
る。なお、エンジンの気筒内圧は、一般的にエンジンの
TDC付近を頂点としてエンジンのTDC前後では低い
値となる。これにより、気筒内圧やコモンレール圧の変
化を受けて噴射量と噴射期間特性が変化し、マルチ噴射
の各々の噴射量、噴射時期および噴射間隔の制御精度が
低下するという問題が生じている。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、噴射開始遅れ時間およ
び噴射終了遅れ時間を精度良く検出して、検出した噴射
開始遅れ時間および噴射終了遅れ時間に応じて燃料噴射
弁の噴射量または噴射時期を制御することにより、シン
グル噴射時の噴射量または噴射時期の制御精度を向上す
ることのできる蓄圧式燃料噴射装置を提供することにあ
る。また、検出した噴射開始遅れ時間および噴射終了遅
れ時間に応じて燃料噴射弁の噴射量、噴射時期または噴
射間隔を制御することにより、マルチ噴射の各々の噴射
量、噴射時期または噴射間隔の制御精度を向上すること
のできる蓄圧式燃料噴射装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、燃料圧検出手段によって検出される燃料圧の過
去値と現在値との燃料圧の偏差を算出し、噴射量・噴射
時期決定手段によって設定された噴射開始時期の時刻か
ら、圧力偏差算出手段によって算出される燃料圧の偏差
が所定値以上に大きくなった時刻までの経過時間を、噴
射開始遅れ時間として検出し、噴射期間決定手段によっ
て設定された噴射期間が終了した時刻から、圧力偏差算
出手段によって算出される燃料圧の偏差が所定値以下に
小さくなった時刻までの経過時間を、噴射終了遅れ時間
として検出し、噴射開始遅れ時間および噴射終了遅れ時
間を、以降の噴射量制御または噴射時期制御に反映させ
るようにしている。したがって、噴射開始遅れ時間およ
び噴射終了遅れ時間を精度良く検出して、検出した噴射
開始遅れ時間および噴射終了遅れ時間に応じて燃料噴射
弁の噴射量または噴射時期を制御することにより、シン
グル噴射時の噴射量または噴射時期の制御精度を向上す
ることができる。また、検出した噴射開始遅れ時間およ
び噴射終了遅れ時間に応じて燃料噴射弁の噴射量、噴射
時期または噴射間隔を制御することにより、マルチ噴射
の各々の噴射量、噴射時期または噴射間隔の制御精度を
向上することができる。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、噴射開始
遅れ時間とは、燃料噴射弁への通電を開始してから燃料
噴射弁の弁体が開弁するまでの開弁遅れ時間である。ま
た、噴射終了遅れ時間とは、燃料噴射弁への通電を終了
してから燃料噴射弁の弁体が閉弁するまでの閉弁遅れ時
間であることを特徴としている。
【0009】請求項3に記載の発明によれば、噴射終了
遅れ時間を検出するための燃料圧の偏差の算出は、噴射
開始遅れ時間が検出された後でなければ許可されないこ
とを特徴としている。これにより、噴射終了遅れ時間を
誤って検出することはない。例えば蓄圧式燃料噴射装置
の静的リークによる燃料圧減少時との誤検出を防止でき
る。
【0010】請求項4に記載の発明によれば、噴射量・
噴射時期制御手段の機能を含んで構成されるコンピュー
タを内蔵した電子制御ユニットに、燃料圧センサより出
力される電気信号のうち変化量の小さい信号のみをコン
ピュータに入力することが可能なローパスフィルタ、お
よび燃料圧センサより出力される電気信号のうち変化量
の大きい信号のみをコンピュータに入力することが可能
なハイパスフィルタを設けることが望ましい。これによ
り、上記の噴射開始遅れ時間および上記の噴射終了遅れ
時間の検出処理を迅速に行なうことができ、且つポンプ
制御用の演算処理を迅速に行なうことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】[実施例の構成]発明の実施の形
態を実施例に基づき図面を参照して説明する。ここで、
図1はコモンレール式燃料噴射システムの全体構成を示
した図である。
【0012】本実施例のコモンレール式燃料噴射システ
ムは、4気筒ディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エ
ンジンと言う)1の各気筒に噴射供給する燃料噴射圧に
相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器としてのコモンレ
ール2と、吸入した燃料を加圧してコモンレール2内に
圧送するサプライポンプ3と、コモンレール2内に蓄圧
された高圧燃料をエンジン1の各気筒内に噴射供給する
複数個(本例では4個)の電磁式燃料噴射弁(以下イン
ジェクタと言う)5と、サプライポンプ3および複数個
のインジェクタ5を電子制御する電子制御ユニット(以
下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
【0013】コモンレール2には、連続的に燃料噴射圧
に相当する高圧燃料が蓄圧される必要があり、そのため
にコモンレール2に蓄圧される高圧燃料は、高圧配管1
1を介してサプライポンプ3から供給されている。な
お、コモンレール2から燃料タンク7へ燃料をリリーフ
するリリーフ配管14には、コモンレール圧が限界設定
圧を越えることがないように、圧力を逃がすためのプレ
ッシャリミッタ13が取り付けられている。
【0014】サプライポンプ3は、本発明の燃料供給ポ
ンプに相当するもので、燃料を加圧して吐出口からコモ
ンレール2へ高圧燃料を吐出する高圧供給ポンプであ
る。このサプライポンプ3は、エンジン1の出力軸とし
てのクランク軸(クランクシャフト)15の回転に伴っ
てポンプ駆動軸16が回転することで燃料タンク7内の
燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポン
プ:図示せず)と、ポンプ駆動軸16により回転駆動さ
れるカム(図示せず)と、このカムにより上死点と下死
点との間を往復運動するように駆動される1個以上のプ
ランジャ(図示せず)と、1個以上のプランジャがシリ
ンダ内を往復摺動することにより吸入された燃料を加圧
する1個以上の加圧室(プランジャ室:図示せず)と、
この加圧室内の燃料圧が所定値以上に上昇すると開弁す
る吐出弁とを有している。
【0015】また、サプライポンプ3には、ポンプ室内
の燃料温度が高温にならないように、リークポートが設
けられており、サプライポンプ3からのリーク燃料は、
燃料還流路17から燃料還流路19を経て燃料タンク7
にリターンされる。このサプライポンプ3のポンプ室か
ら加圧室への燃料流路には、その燃料流路の開口度合
(開度)を調整することで、サプライポンプ3からコモ
ンレール2への燃料の吐出量(ポンプ吐出量、ポンプ圧
送量)を変更する電磁式アクチュエータ(ポンプ吐出量
可変手段、ポンプ圧送量可変手段)としての吸入調量型
の電磁弁(SCV:以下吸入調量弁と言う)4が取り付
けられている。
【0016】吸入調量弁4は、図示しないポンプ駆動回
路を介してECU10からのポンプ駆動信号によって電
子制御されることにより、サプライポンプ3の加圧室内
に吸入される燃料の吸入量を調整する吸入量調整用電磁
弁で、各インジェクタ5からエンジン1の各気筒内へ噴
射供給する燃料噴射圧、つまりコモンレール圧を変更す
る。その吸入調量弁4は、通電が停止されると弁状態が
全開状態となるノーマリオープンタイプのポンプ流量制
御弁である。
【0017】エンジン1の各気筒毎に搭載されたインジ
ェクタ5は、コモンレール2より分岐する複数の分岐管
12の下流端に接続され、噴射孔を開閉するノズルニー
ドルを収容する燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズルの
ノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁式アクチュエ
ータ、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプ
リング等の付勢手段等により構成されている。
【0018】これらのインジェクタ5からエンジン1へ
の燃料噴射は、ノズルニードルの背圧制御室内の圧力を
制御する電磁式アクチュエータとしての噴射制御用電磁
弁(以下電磁弁と略す)への通電および通電停止(ON
/OFF)により電子制御される。つまり、各気筒のイ
ンジェクタ5の電磁弁が開弁している間、コモンレール
2に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の各気筒内に噴射
供給される。ここで、インジェクタ5からのリーク燃料
またはノズルニードルの背圧制御室からの排出燃料(リ
ターン燃料)は、燃料還流路18から燃料還流路19を
経て燃料タンク7に還流するように構成されている。
【0019】ECU10には、制御処理、演算処理を行
なうCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記
憶装置(ROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力
回路、電源回路、インジェクタ駆動回路およびポンプ駆
動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイク
ロコンピュータが設けられている。そして、各種センサ
からのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された
後にマイクロコンピュータに入力されるように構成され
ている。
【0020】ここで、本実施例の気筒判別手段は、エン
ジン1のカム軸に対応して回転するシグナルロータ(例
えばクランク軸15が2回転する間に1回転する回転
体)と、このシグナルロータの外周に設けられた各気筒
に対応した気筒歯(突起部)と、これらの気筒歯の接近
と離間によって気筒判別信号パルスを発生する気筒判別
センサ(電磁ピックアップ)31とから構成されてい
る。この気筒判別センサ31は、エンジン1のクランク
軸15の回転に伴って、#1気筒のピストンが噴射直前
の位置に達した時に幅広の基準気筒判別信号パルス
(G)を出力し、その後に、#3気筒のピストンが噴射
直前の位置に達した時に幅狭の気筒判別信号パルス
(G)を出力し、その後に、#4気筒のピストンが噴射
直前の位置に達した時に幅狭の気筒判別信号パルス
(G)を出力し、その後に、#2気筒のピストンが噴射
直前の位置に達した時に幅狭の気筒判別信号パルス
(G)を出力する。
【0021】また、本実施例の回転速度検出手段は、エ
ンジン1のクランク軸15に対応して回転するシグナル
ロータ(例えばクランク軸15が1回転する間に1回転
する回転体)と、このシグナルロータの外周に多数形成
されたクランク角検出用の歯(突起部)と、これらの歯
の接近と離間によってNE信号パルスを発生するクラン
ク角センサ(電磁ピックアップ)32とから構成されて
いる。このクランク角センサ32は、シグナルロータが
1回転(クランク軸15が1回転)する間に複数のNE
信号パルスを出力する。そして、ECU10は、NE信
号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回
転速度(以下エンジン回転数と言う:NE)を検出す
る。
【0022】そして、ECU10は、エンジン1の運転
条件に応じた最適なコモンレール圧を演算し、ポンプ駆
動回路を介してサプライポンプ3の吸入調量弁4を駆動
する吐出量制御手段(SCV制御手段)を有している。
すなわち、ECU10は、クランク角センサ32等の回
転速度検出手段によって検出されたエンジン回転数(N
E)およびアクセル開度センサ33によって検出された
アクセル開度(ACCP)等のエンジン運転情報から目
標コモンレール圧(Pt)を算出し、この目標コモンレ
ール圧(Pt)を達成するために、吸入調量弁4へのポ
ンプ駆動信号(駆動電流値、SCV通電値)を調整し
て、サプライポンプ3より吐出される燃料の圧送量(ポ
ンプ吐出量)を制御するように構成されている。
【0023】さらに、より好ましくは、燃料噴射量の制
御精度を向上させる目的で、コモンレール圧センサ35
によって検出されるコモンレール圧(Pc)がエンジン
運転情報によって決定される目標コモンレール圧(P
t)と略一致するように、サプライポンプ3の吸入調量
弁4へのポンプ駆動信号をフィードバック制御すること
が望ましい。なお、吸入調量弁4への駆動電流値(SC
V通電値)の制御は、デューティ(duty)制御によ
り行なうことが望ましい。すなわち、目標コモンレール
圧(Pt)に応じて単位時間当たりのポンプ駆動信号の
オン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調
整して、吸入調量弁4の弁開度を変化させるデューティ
制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能にな
る。
【0024】また、ECU10は、各気筒のインジェク
タ5の噴射期間制御・噴射時期制御を行なう噴射量・噴
射時期制御手段を有している。これは、エンジン1の運
転条件に応じた最適な目標噴射量(指令噴射量:Q)、
指令噴射時期(=噴射開始時期:T)を決定する噴射量
・噴射時期決定手段と、エンジン1の運転条件またはコ
モンレール圧(Pc)および指令噴射量(Q)に応じた
指令噴射期間(噴射指令パルス時間、噴射指令パルス
幅、噴射指令パルス長さ:Tq)を演算する噴射期間決
定手段と、インジェクタ駆動回路を介して各気筒のイン
ジェクタ5の電磁弁にパルス状のインジェクタ駆動電流
(噴射指令パルス)を印加するインジェクタ駆動手段と
から構成されている。
【0025】すなわち、ECU10は、クランク角セン
サ32等の回転速度検出手段によって検出されたエンジ
ン回転数(NE)およびアクセル開度センサ33によっ
て検出されたアクセル開度(ACCP)等のエンジン運
転情報に燃料温度センサ34によって検出された燃料温
度(THF)を加味して指令噴射量(Q)を算出し、エ
ンジン運転情報またはコモンレール圧(Pc)および指
令噴射量(Q)から算出された噴射指令パルス長さ(T
q)に応じて各気筒のインジェクタ5の電磁弁にインジ
ェクタ噴射指令パルスを印加するように構成されてい
る。これにより、エンジン1が運転される。
【0026】ここで、本実施例では、エンジン1の運転
条件を検出する運転条件検出手段として、クランク角セ
ンサ32等の回転速度検出手段およびアクセル開度セン
サ33を用いて指令噴射量(Q)、指令噴射時期
(T)、目標コモンレール圧(Pt)を演算するように
しているが、コモンレール圧センサ35によって検出さ
れるコモンレール圧(Pc)、あるいは運転条件検出手
段としてのその他のセンサ類(例えば吸入空気量セン
サ、吸気温センサ、吸気圧センサ、エンジン冷却水温セ
ンサ、噴射時期センサ等)からの検出信号(エンジン運
転情報)を加味して指令噴射量(Q)、指令噴射時期
(T)および目標コモンレール圧(Pt)を補正するよ
うにしても良い。
【0027】ここで、本実施例のコモンレール式燃料噴
射システムは、2噴射1圧送であり、サプライポンプ3
の第1のプランジャがカム上をリフトして燃料の圧送を
行なうポンプ圧送期間と#2気筒のインジェクタ5の噴
射期間とが重なっており、また、サプライポンプ3の第
2のプランジャがカム上をリフトして燃料の圧送を行な
うポンプ圧送期間と#3気筒のインジェクタ5の噴射期
間とが重なっており、また、#1気筒および#4気筒の
インジェクタ5の噴射期間はいずれのポンプ圧送期間と
も重ならないことが予め分かっている。
【0028】このため、本実施例のECU10は、ポン
プ圧送期間と噴射期間とが重複する気筒と重複しない気
筒との間で燃料噴射量がばらつくのを抑える目的で、ポ
ンプ圧送期間と噴射期間とが重複する気筒の場合には、
コモンレール圧(Pc)の変化量から噴射開始遅れ時間
および噴射終了遅れ時間を算出し、更にこれらの噴射開
始遅れ時間および噴射終了遅れ時間等から実噴射期間を
算出し、更にサプライポンプ3のポンプ圧送期間とイン
ジェクタ5の実噴射期間との重複期間(t)を算出し、
更に重複期間(t)およびコモンレール圧(Pc)に応
じて噴射指令パルス長さ(Tq)を補正するように構成
されている。
【0029】また、本実施例のECU10には、コモン
レール圧センサ35より出力される電気信号のうち変化
量の小さい信号のみをマイクロコンピュータに入力する
ことが可能なローパスフィルタ、およびコモンレール圧
センサ35より出力される電気信号のうち変化量の大き
い信号のみをコンピュータに入力することが可能なハイ
パスフィルタを設けることが望ましい。
【0030】なお、変化量の小さい信号とは、サプライ
ポンプ3の吸入調量弁4を制御するポンプ制御用の安定
した信号で、特に昇圧勾配または降圧勾配の小さいコモ
ンレール圧信号である。また、変化量(昇圧勾配)の大
きい信号とは、噴射開始遅れ時間および噴射終了遅れ時
間を検出する噴射遅れ時間検出用の高応答な信号で、特
にコモンレール圧(Pc)の昇圧勾配の大きいコモンレ
ール圧信号である。これにより、噴射開始遅れ時間およ
び噴射終了遅れ時間の検出処理を迅速に行なうことがで
き、且つポンプ制御用の演算処理を迅速に行なうことが
できる。
【0031】[実施例の制御方法]次に、本実施例のイ
ンジェクタの噴射量制御方法を図1ないし図9に基づい
て簡単に説明する。ここで、図2はインジェクタの噴射
量制御方法を示したフローチャートで、図3は噴射指令
パルス長さ補正量の算出処理方法を示したフローチャー
トで、図4はインジェクタの噴射指令パルスの立ち上が
り時刻、立ち下がり時刻の検出処理方法を示したフロー
チャートで、図5は噴射開始遅れ時間、噴射終了遅れ時
間の算出処理方法を示したフローチャートである。この
図2および図3のルーチンは、図示しないイグニッショ
ンスイッチがONとなった後に、所定のタイミング毎に
繰り返される。
【0032】エンジン1の運転中に図2のルーチンに侵
入すると(START)、NE信号パルス等のエンジン
パラメータを読み込む。特に指令噴射量(目標噴射量:
Q)および指令噴射時期(T)の算出に必要なエンジン
回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)等を読み込
む(ステップS1)。次に、エンジン回転数(NE)と
アクセル開度(ACCP)から指令噴射量(Q)を算出
する(ステップS2)。次に、エンジン回転数(NE)
と指令噴射量(Q)から指令噴射時期(T)を算出する
(ステップS3)。次に、コモンレール圧(Pc)を読
み込む(ステップS4)。
【0033】次に、指令噴射時期(T)を基本噴射指令
パルス時期に変換し、指令噴射量(Q)とコモンレール
圧(Pc)から基本噴射指令パルス長さ(パルス幅、パ
ルス時間)を算出する。なお、基本噴射指令パルス時期
をTBASEと設定しメモリに保存し、基本噴射指令パルス
長さをTqBASEと設定しメモリに保存する(ステップS
5)。次に、吸入空気量、吸気圧、大気圧、水温または
燃料温度等による基本噴射指令パルス時期および基本噴
射指令パルス長さの補正を行なう。なお、補正後の基本
噴射指令パルス時期をTcomと設定しメモリに保存
し、補正後の基本噴射指令パルス長さをTqcomと設
定しメモリに保存する(ステップS6)。
【0034】次に、後述する図3のルーチンを用いて、
ポンプ圧送期間と噴射期間との重複期間(t)を算出
し、重複期間(t)とコモンレール圧(Pc)の特性マ
ップ(図8参照)を用いて噴射指令パルス長さ補正量
(ΔTq)を算出する(ステップS7)。次に、補正後
の基本噴射指令パルス長さ(Tqcom)から噴射指令
パルス長さ補正量(ΔTq)を減算して、最終噴射指令
パルス長さ(TqFINAL)を算出する(ステップS8)。
【0035】次に、補正後の基本噴射指令パルス時期
(Tcom)を最終噴射指令パルス時期(TFINAL)に変
換し、最終噴射指令パルス時期(TFINAL)および最終噴
射指令パルス長さ(TqFINAL)を噴射量指令値(開弁指
令値、閉弁指令値)に変換し、この噴射量指令値を出力
段にセットする(ステップS9)。次に、燃料噴射する
k気筒のインジェクタ5の電磁弁に、噴射量指令値に対
応したインジェクタ噴射指令パルスを印加して、k気筒
のインジェクタ5を駆動する(ステップS10)。その
後に、リターンする。
【0036】そして、ポンプ圧送期間と噴射期間との重
複期間(t)の算出処理は、図3のルーチンに示したよ
うに、先ずサプライポンプ3の吸入調量弁4への駆動電
流値(SCV通電値)を読み込む(ステップS21)。
次に、エンジン回転数(NE)およびSCV通電値とポ
ンプ吐出量(Qp)との関係を予め実験等により求めて
作成した特性マップ(図6参照)を用いて、サプライポ
ンプ3のポンプ吐出量(Qp)を算出する。すなわち、
エンジン回転数(NE)とSCV通電値からポンプ吐出
量(Qp)を算出する(吐出量算出手段:ステップS2
2)。
【0037】次に、図7のタイミングチャートに示した
ように、ポンプ吐出量(Qp)とクランク角からポンプ
圧送期間を算出する(圧送期間算出手段:ステップS2
3)。次に、図2のステップS6で設定した補正後の基
本噴射指令パルス時期(Tcom)および補正後の基本
噴射指令パルス長さ(Tqcom)を読み込む。さら
に、後述する図4および図5のルーチンを用いて、噴射
開始遅れ時間(TDM:ΔT1)、噴射終了遅れ時間(T
DEM:ΔT2)を検出し、噴射開始遅れ時間(ΔT1)、
噴射終了遅れ時間(ΔT2)を読み込む(噴射開始遅れ時
間検出手段、噴射終了遅れ時間検出手段:ステップS2
4)。
【0038】次に、ステップS24で読み込んだ噴射開
始遅れ時間(ΔT1)と補正後の基本噴射指令パルス時期
(Tcom)から、インジェクタ5の噴射開始時期を算
出する(噴射開始時期算出手段)。続いて、ステップS
24で読み込んだ噴射終了遅れ時間(ΔT2)と補正後の
基本噴射指令パルス時期(Tcom)と補正後の基本噴
射指令パルス長さ(Tqcom)から、インジェクタ5
の噴射終了時期を算出する(噴射終了時期算出手段)。
続いて、算出した噴射開始時期と噴射終了時期から実噴
射期間を算出する(実噴射期間算出手段:ステップS2
5)。次に、ステップS23で算出したポンプ圧送期間
とステップS25で算出した実噴射期間との重複期間
(t)を算出する(重複期間算出手段:ステップS2
6)。次に、コモンレール圧(Pc)および重複期間
(t)と噴射指令パルス長さ補正量(ΔTq)との関係
を予め実験等により求めて作成した特性マップ(図8参
照)を用いて噴射指令パルス長さ補正量(ΔTq)を算
出する(噴射期間補正手段:ステップS27)。その後
に、図3のルーチンを抜ける。
【0039】次に、インジェクタの噴射指令パルスの立
ち上がり時刻、立ち下がり時刻の検出処理を、図4のル
ーチンに示す。図9のタイミングチャートに示したよう
に、k気筒のインジェクタ5の噴射指令パルスの立ち上
がり時刻(T1)、および噴射指令パルスの立ち下がり時
刻(T2)を読み込み、メモリに記憶保持する(ステップ
S30)。その後に、図4のルーチンを抜ける。
【0040】次に、噴射開始遅れ時間、噴射終了遅れ時
間の算出処理を、図5のルーチンに示す。なお、図5の
ルーチンは、イグニッションスイッチがONとなった後
に、所定のタイミング(例えば0.5〜1.0msec
または6°CA)毎に実行される。
【0041】先ず、コモンレール圧センサ35から出力
されるセンサ信号を取り込んで、今回のコモンレール圧
値(現在値:Pci)を読み込む(ステップS31)。
次に、所定時間または所定クランク角前に読み込んでメ
モリに記憶保持しておいた過去(例えば前回)のコモン
レール圧値(過去値:Pci-1)を読み込む。続いて、
今回のコモンレール圧値(現在値:Pci)と過去(例
えば前回)のコモンレール圧値(過去値:Pci-1)と
の偏差(ΔPc)を算出する(ステップS32)。
【0042】次に、ステップS32で算出した偏差(Δ
Pc)が第1所定値以上に大きいか否かを判定する。す
なわち、コモンレール圧(Pc)が第1所定値以上(前
回よりも今回の方が)降圧しているか否かを判定する
(ステップS33)。この判定結果がYESの場合に
は、コモンレール圧(Pc)が第1所定値以上の勾配で
降圧開始される時刻、すなわち、k気筒のインジェクタ
5の噴射開始時刻(ノズルニードルの実際の開弁時刻:
T3)であると判断し、現在の時刻が噴射開始時刻(T3)
であるとメモリに記憶保持する(ステップS34)。
【0043】次に、図9のタイミングチャートおよび下
記の数1の演算式に示したように、噴射開始遅れ時間
(ΔT1)を算出する(ステップS35)。
【数1】 但し、T1 は図4のルーチンのステップS30で読み込
んだ噴射指令パルスの立ち上がり時刻で、T3 は上記の
ステップS34で読み込んだ噴射開始時刻である。
【0044】次に、噴射開始遅れ時間(ΔT1)を検出
した際にセットされる噴射開始遅れ時間検出用フラグK
を立てる(ステップS36)。その後に、今回のコモン
レール圧値(現在値:Pci)を、過去(例えば前回)
のコモンレール圧値(過去値:Pci-1)としてメモリ
に記憶保持した後に、図5のルーチンを抜ける。
【0045】また、ステップS33の判定結果がNOの
場合には、噴射開始遅れ時間検出用フラグKがセットさ
れているか否かを判定する(ステップS37)。この判
定結果がNOの場合には、今回のコモンレール圧値(現
在値:Pci)を、過去(例えば前回)のコモンレール
圧値(過去値:Pci-1)としてメモリに記憶保持した
後に、図5のルーチンを抜ける。
【0046】また、ステップS37の判定結果がYES
の場合には、ステップS32で算出した偏差(ΔPc)
が上記の第1所定値よりも小さい値である第3所定値以
下であるか否かを判定する(ステップS38)。この判
定結果がNOの場合には、今回のコモンレール圧値(現
在値:Pci)を、過去(例えば前回)のコモンレール
圧値(過去値:Pci-1)としてメモリに記憶保持した
後に、図5のルーチンを抜ける。なお、第3所定値は、
インジェクタ静リークによる圧力降下との区別のための
値である。
【0047】また、ステップS38の判定結果がYES
の場合には、噴射開始遅れ時間の算出を行なった後に、
コモンレール圧(Pc)の降圧勾配が第3所定値以下と
なる時刻、すなわち、k気筒のインジェクタ5の噴射終
了時刻(ノズルニードルの実際の閉弁時刻:T4)である
とメモリに記憶保持する(ステップS39)。
【0048】次に、図9のタイミングチャートおよび下
記の数2の演算式に示したように、噴射終了遅れ時間
(ΔT2)を算出する(ステップS40)。その後に、今
回のコモンレール圧値(現在値:Pci)を、過去(例
えば前回)のコモンレール圧値(過去値:Pci-1)と
してメモリに記憶保持した後に、図5のルーチンを抜け
る。
【数2】 但し、T2 は図4のルーチンのステップS30で読み込
んだ噴射指令パルスの立ち下がり時刻で、T4 は上記の
ステップS39で読み込んだ噴射終了時刻である。
【0049】ここで、1噴射1圧送や2噴射2圧送等の
同期噴射の場合では、ポンプ圧送終了位相によっては、
サプライポンプ3のポンプ圧送期間とk気筒のインジェ
クタ5の噴射期間とが重複する時と重複しない時がラン
ダムに生じる可能性がある。また、2噴射1圧送や6噴
射4圧送等の非同期噴射の場合では、サプライポンプ3
のポンプ圧送期間とk気筒のインジェクタ5の噴射期間
とが重複する気筒と重複しない気筒とに分かれる。
【0050】そこで、本実施例のコモンレール式燃料噴
射システムは、コモンレール圧(Pc)の現在値と過去
値との偏差(ΔPc)が第1所定値以上の時の時刻を噴
射開始遅れ時間(TDM:ΔT1)として読み込み、上記
の偏差(ΔPc)が第3所定値以下の時の時刻を噴射終
了遅れ時間(TDEM:ΔT2)として読み込み、読み込
んだ噴射開始遅れ時間(ΔT1)と噴射終了遅れ時間(Δ
T2)よりインジェクタ5の実噴射期間を算出し、サプラ
イポンプ3のポンプ圧送期間とk気筒のインジェクタ5
の実噴射期間とから重複期間(t)を算出し、この算出
した重複期間(t)およびコモンレール圧(Pc)に対
応した噴射指令パルス長さ補正量(ΔTq)を算出し、
このΔTqを加味した噴射指令パルス長さ(噴射期間)
のインジェクタ噴射指令パルスを特定気筒(例えばk気
筒)のインジェクタ5の電磁弁に印加して、特定気筒の
インジェクタ5を駆動するようにしている。
【0051】したがって、エンジン1の特定気筒におい
て、ポンプ圧送期間と実噴射期間とが重複する場合と重
複しない場合とで、エンジン1の特定気筒内に噴射され
る実際の燃料噴射量のばらつきが小さくなる。また、エ
ンジン1の気筒間の燃料噴射量のばらつきも小さくなる
ため、エンジン1の気筒間の爆発力にばらつきが生じる
可能性が少なくなるので、エンジン振動の発生やエミッ
ションの悪化を抑えることができる。以上のように、噴
射開始遅れ時間(TDM:ΔT1)および噴射終了遅れ時
間(TDEM:ΔT2)を精度良く検出して、検出した噴
射開始遅れ時間(TDM:ΔT1)および噴射終了遅れ時
間(TDEM:ΔT2)に応じてインジェクタ5の噴射指
令パルス長さを制御することにより、シングル噴射時の
噴射量の制御精度を向上することができる。
【0052】[変形例]本実施例では、サプライポンプ
3より吐出される燃料圧、すなわち、燃料噴射圧に相当
するコモンレール圧を、コモンレール2に配設したコモ
ンレール圧センサ35によって検出したが、サプライポ
ンプ3より吐出される燃料圧を、サプライポンプ3の加
圧室から各気筒のインジェクタ5内の燃料通路までの高
圧燃料配管系内の燃料圧を検出する燃料圧センサによっ
て検出しても良い。
【0053】本実施例では、ポンプ圧送期間と噴射期間
とが重複する気筒のインジェクタ5の電磁弁への噴射指
令パルス長さ(指令噴射期間)を、ポンプ圧送期間と噴
射期間とが重複しない気筒のインジェクタ5の電磁弁へ
の噴射指令パルス長さ(指令噴射期間)よりも短くなる
ように補正したが、インジェクタ5の電磁弁への通電
は、インジェクタ5の開弁時から第1所定時間が経過す
るまでは、高い電流値である第1駆動電流値にてインジ
ェクタ5の電磁弁への通電を行ない、上記の第1所定時
間経過後からインジェクタ5を閉弁させるまでの第2所
定時間の間は、第1駆動電流値よりも低い電流値である
第2駆動電流値にてインジェクタ5の電磁弁への通電を
行なうようにしているので、上記の第1所定時間または
上記の第2所定時間のいずれか一方のみの時間が短くな
るように補正しても良い。
【0054】ここで、本実施例では、検出した噴射開始
遅れ時間(TDM:ΔT1)および噴射終了遅れ時間(T
DEM:ΔT2)を、以降の噴射量制御、特に噴射期間の
補正制御に反映させるようにしているが、検出した噴射
開始遅れ時間(TDM:ΔT1)および噴射終了遅れ時間
(TDEM:ΔT2)を、噴射時期制御に反映させるよう
にしても良い。例えば噴射開始時期を噴射開始遅れ時間
(TDM:ΔT1)に応じて進角または遅角したり、噴射
終了時期を噴射終了遅れ時間(TDEM:ΔT2)に応じ
て進角または遅角したりしても良い。これにより、シン
グル噴射時の噴射量および噴射開始時期の制御精度を向
上することができる。また、検出した噴射開始遅れ時間
(TDM:ΔT1)および噴射終了遅れ時間(TDEM:
ΔT2)を、以降のマルチ噴射の各々の噴射量制御、噴射
時期制御または噴射間隔制御に反映させるようにしても
良い。この場合には、マルチ噴射の各々の噴射量、噴射
開始時期または直前噴射と今回噴射との噴射間隔(イン
ターバル)の制御精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射システムの全体構成を
示した概略図である(実施例)。
【図2】インジェクタの噴射量制御方法を示したフロー
チャートである(実施例)。
【図3】噴射指令パルス長さ補正量の算出処理を示した
フローチャートである(実施例)。
【図4】インジェクタの噴射指令パルスの立ち上がり時
刻、立ち下がり時刻の検出処理方法を示したフローチャ
ートである(実施例)。
【図5】噴射開始遅れ時間、噴射終了遅れ時間の算出処
理方法を示したフローチャートである(実施例)。
【図6】SCV通電値およびエンジン回転数とポンプ吐
出量との関係を示した特性図である(実施例)。
【図7】サプライポンプのカムプロフィール、インジェ
クタの噴射指令パルス、燃料噴射率の推移を示したタイ
ミングチャートである(実施例)。
【図8】重複期間およびコモンレール圧と噴射指令パル
ス長さ補正量との関係を示した特性図である(実施
例)。
【図9】インジェクタの噴射指令パルス、燃料噴射率、
コモンレール圧の推移を示したタイミングチャートであ
る(実施例)。
【図10】(a)は経時変化またはエンジンの運転条件
による噴射開始遅れ時間の変化を示した特性図で、
(b)は経時変化またはエンジンの運転条件による噴射
終了遅れ時間の変化を示した特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 コモンレール(蓄圧容器) 3 サプライポンプ(燃料供給ポンプ) 4 吸入調量弁(ポンプ吐出量可変手段、ポンプ圧送量
可変手段) 5 インジェクタ(電磁式燃料噴射弁) 10 ECU(噴射量・噴射時期決定手段、噴射期間決
定手段、噴射量・噴射時期制御手段) 31 気筒判別センサ(気筒判別手段、運転条件検出手
段) 32 クランク角センサ(回転速度検出手段、運転条件
検出手段) 33 アクセル開度センサ(運転条件検出手段) 34 燃料温度センサ(運転条件検出手段) 35 コモンレール圧センサ(燃料圧検出手段、燃料圧
センサ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)燃料噴射圧に相当する高圧燃料を蓄
    圧する蓄圧容器と、 (b)エンジンにより駆動されて、吸入した燃料を加圧
    して前記蓄圧容器内に圧送する燃料供給ポンプと、 (c)前記エンジンの各気筒毎に搭載されて、前記エン
    ジンの各気筒内に、前記蓄圧容器内に蓄圧された高圧燃
    料を噴射供給する燃料噴射弁と、 (d)燃料噴射圧に相当する燃料圧を検出する燃料圧検
    出手段と、 (e)前記エンジンの運転条件に応じた指令噴射量およ
    び噴射開始時期を算出する噴射量・噴射時期決定手段
    と、 (f)前記噴射量・噴射時期決定手段によって設定され
    た指令噴射量と前記燃料圧検出手段によって検出される
    燃料圧に応じた前記燃料噴射弁の噴射期間を算出する噴
    射期間決定手段と、 (g)前記噴射量・噴射時期決定手段によって設定され
    た噴射開始時期から、前記噴射期間決定手段によって設
    定された噴射期間が終了するまで前記燃料噴射弁に噴射
    弁駆動信号を出力して、噴射量制御および噴射時期制御
    を行なう噴射量・噴射時期制御手段とを備え、 前記噴射量・噴射時期制御手段は、 前記燃料圧検出手段によって検出される燃料圧の過去値
    と現在値との燃料圧の偏差を算出する圧力偏差算出手
    段、 前記噴射量・噴射時期決定手段によって設定された噴射
    開始時期の時刻から、前記圧力偏差算出手段によって算
    出される燃料圧の偏差が所定値以上に大きくなった時刻
    までの経過時間を、噴射開始遅れ時間として検出する噴
    射開始遅れ検出手段、 および前記噴射期間決定手段によって設定された噴射期
    間が終了した時刻から、前記圧力偏差算出手段によって
    算出される燃料圧の偏差が所定値以下に小さくなった時
    刻までの経過時間を、噴射終了遅れ時間として検出する
    噴射終了遅れ検出手段を有し、 前記噴射開始遅れ時間および前記噴射終了遅れ時間を、
    以降の噴射量制御または噴射時期制御に反映させること
    を特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置にお
    いて、 前記噴射開始遅れ時間とは、前記燃料噴射弁への通電を
    開始してから前記燃料噴射弁の弁体が開弁するまでの開
    弁遅れ時間であり、 前記噴射終了遅れ時間とは、前記燃料噴射弁への通電を
    終了してから前記燃料噴射弁の弁体が閉弁するまでの閉
    弁遅れ時間であることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の蓄圧式燃
    料噴射装置において、 前記噴射終了遅れ時間を検出するための前記燃料圧の偏
    差の算出は、前記噴射開始遅れ時間が検出された後でな
    ければ許可されないことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のうちいずれかに
    記載の蓄圧式燃料噴射装置において、 前記燃料圧検出手段は、燃料圧に応じた電気信号を出力
    する燃料圧センサであり、 前記噴射量・噴射時期制御手段の機能を含んで構成され
    るコンピュータを内蔵した電子制御ユニットを備え、 前記電子制御ユニットは、前記燃料圧センサより出力さ
    れる電気信号のうち変化量の小さい信号のみを前記コン
    ピュータに入力することが可能なローパスフィルタ、お
    よび前記燃料圧センサより出力される電気信号のうち変
    化量の大きい信号のみを前記コンピュータに入力するこ
    とが可能なハイパスフィルタを有することを特徴とする
    蓄圧式燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008280911A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Denso Corp コモンレール式燃料噴射システム
JP2011236856A (ja) * 2010-05-12 2011-11-24 Denso Corp 燃料噴射制御装置
CN111102093A (zh) * 2019-12-13 2020-05-05 潍柴动力股份有限公司 提高天然气发动机喷射量控制精度的方法及系统

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