JP2001315984A - インクジェット印刷装置における給紙機構用紙葉類分離部材 - Google Patents

インクジェット印刷装置における給紙機構用紙葉類分離部材

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JP2001315984A
JP2001315984A JP2000133568A JP2000133568A JP2001315984A JP 2001315984 A JP2001315984 A JP 2001315984A JP 2000133568 A JP2000133568 A JP 2000133568A JP 2000133568 A JP2000133568 A JP 2000133568A JP 2001315984 A JP2001315984 A JP 2001315984A
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thermoplastic resin
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JP2000133568A
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Toshiaki Matsuo
俊朗 松尾
Hideyuki Okuyama
英之 奥山
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間紙葉類が載置されていても、接触面に
変色を起こす恐れのないインクジェット印刷装置の給紙
機構用紙葉類分離部材を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂とゴム
成分を主成分とする組成物から形成された給紙機構にお
ける紙葉類分離シートにおいて、老化防止剤として、イ
ルガノックス1076、1010、1035、1098
からなる群から選択されるものを用い、該老化防止剤を
上記主成分100重量部に対して0.1〜5.0重量部
の割合で含有されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてインクジ
ェット印刷装置の給紙部に用いられる分離部材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】プリンター、ファクシミリ、複写機、A
TM等の事務機器の給紙機構では、トレイ等にPPC用
紙、OHP用紙等の紙葉類を蓄えておき、必要時に給紙
ローラ等によって画像形成機構に送るのが一般的であ
る。給紙ローラが、重ねられた紙葉類の束から一枚ずつ
確実に分離して画像形成機構に給紙するために、EPD
M、ウレタンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、ポリノ
ルボルネン、クロロプレンゴム等のゴムからなる分離部
材(分離シート)が使用される。
【0003】上記給紙ローラは、紙やフィルムを確実に
送るために摩擦係数の高い材料からなるが、分離部材
(分離シート)には以下の特性が要求される。 高い摩擦係数を有する給紙ローラによる擦りに耐える
ことができる、或いは、紙やフィルムの重送しないだけ
の摩擦係数を有すること;および 最後の一枚が確実に給紙されるよう給紙ローラよりも
低い摩擦係数を有すること。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のプリンター等に
おける紙葉類分離シートは、上記の課題及びが解決
するよう工夫されているが、インクジェット印刷装置に
おいてはこれらに加えて以下の特性が要求される。 分離シート上に載置された紙葉類に影響しない組成か
らなること。
【0005】即ち、インクジェット印刷装置の場合に
は、通常、印字機構の後方に給紙機構が配置されてお
り、この給紙機構に付属した紙葉類分離部材(シート)
の上に給紙する紙、フィルムの紙葉類を直接載置されて
いる。よって、分離部材中に含まれる老化防止剤等が表
面に滲み出ると、載置させた紙葉類の接触面に転写され
て黄色く汚染されることがある。そのような汚染は紙や
フィルムがインクジェット印刷機構の印字部分を通過し
画像が形成された後も消えることがなく画像形成後にお
いても、分離部材が接触していた部分では画像が他の部
分よりも汚染されていることが見受けられ、無視できな
い問題となっている。
【0006】特に、近年、通信情報機器の進歩と共に家
庭にもプリンターやファクシミリ等の印刷装置が普及し
ている。これら印刷装置はパーソナルユーザー向けで、
低価格であることが必要であるため、給紙機構を印字部
分の後方に配置したインクジュット印刷装置方式が採用
されるのが一般的である。このインクジュット印刷装置
を備えたプリンターやファクシミリが、一般の家庭や使
用頻度の高くない事務所において使用されると、給紙機
構の紙葉類分離部材の上に紙やフィルムが束ねて常置さ
れ、かつ、放置させる期間が長くなる。よって、紙葉類
分離部材から滲み出る老化防止剤によって黄色く汚染さ
れやすくなり、上記した問題の解決が強く求められてい
る。
【0007】このように、インクジェット印刷装置の給
紙機構に用いる紙葉類分離部材は上記、、の条件
を満たす必要があるが、既述のごとく、従来の分離シー
トは主として及びのみを考慮していたために、イン
クジェット式印刷機構の紙葉類分離部材としては必ずし
も適切ではなかった。
【0008】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、老化防止剤が滲み出て、紙やフィルムを黄色く汚
染することがないようにすることを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂とジエ
ン系ゴムを主成分とし架橋させることで弾性を発現する
ゴム成分100重量部に対して、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス
[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、N,N´−ヘキサン−1,6−
ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオナミドからなる群から選択
される老化防止剤が0.1〜5.0重量部の割合で含有
されていることを特徴とするインクジュット印刷装置に
おける給紙機構用紙葉類分離部材を提供している。
【0010】本発明の紙葉類分離部材に用いられる組成
物は、主成分である熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂と
ジエン系ゴムが架橋剤の存在下で架橋されていることが
好ましい。この架橋反応は常法通り実施することができ
るが、分離部材としての優れた特性が付加される動的架
橋反応によることが好ましい。「動的架橋」とは、熱可
塑性ポリマーにゴム、架橋剤、その他の各種添加剤を配
合し、混練しつつ加熱して、ゴムを架橋させる工程を意
味する。動的架橋により架橋されたゴムは微細な粒子と
して熱可塑性ポリマー中に分散する。このため、紙葉類
分離部材の表面にはゴム粒子からなる微少凹凸が存在す
るので、所定範囲の表面粗度が容易に達成される。ま
た、熱可塑性樹脂のマトリクス中にゴム粒子が分散した
状態が表面から内部にまで渡っているので、長期間の使
用によって表面が摩耗しても、常にほぼ一定の表面粗度
を維持することができ、摩擦係数の経時変化を抑えるこ
とができる。この動的架橋に適したゴム粒子は、平均粒
子直径が10μm以下、特には5μm以下であることが
好ましい。
【0011】上記のように、本発明の紙葉類分離部材の
組成物は熱可塑性樹脂単独でも良いが、上記のごとく、
熱可塑性樹脂とジエン系ゴムから動的架橋されたものが
好ましく、その場合のゴムと熱可塑性樹脂との重量比
は、分離部材の硬度、摩擦係数及び製造の容易さを考慮
して20/80以上70/30以下が好ましく、25/
75以上60/40以下がより好ましい。
【0012】本発明の紙葉類分離部材の組成物には以下
の老化防止剤から選択される1種又はそれ以上を、熱可
塑性樹脂単独、又は熱可塑性樹脂とジエン系ゴムとの合
計、100重量部に対して0.1〜5.0重量部の割合
で含有させている。オクタデシル−3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト(イルガノックス1076);ペンタエリスリトール
テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス
1010);チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト](イルガノックス1035);及びN,N´−ヘキ
サン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド(イ
ルガノックス1098)。
【0013】出発物質であるジエン系ゴムに上記以外の
老化防止剤が配合されている場合は、適当な溶媒で抽出
して除いてこれらの老化防止剤で置き換える必要があ
る。そのような置換は当業者にとって既知の方法で容易
に行うことができる。
【0014】本発明に用いられるジエン系ゴムとして
は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、
天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、
イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等
のジエン系ゴムが用いられる。該ジエン系ゴムは熱可塑
性樹脂と組み合わせることにより、ジエン系ゴムを架橋
するが熱可塑性樹脂は架橋しない架橋剤を使用すること
が可能となる。
【0015】本発明におてい特に好ましいジエン系ゴム
は、EPDMである。EPDMは主鎖が飽和炭化水素か
らなり、主鎖に二重結合を含まない。このため、高濃度
オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されて
も、分子主鎖切断が起こりにくく、耐候性に優れてい
る。従って、画像形成時にオゾンが発生する複写機等の
給紙機構に好適である。また、EPDMは、熱可塑性ポ
リマーへの分散性も比較的良好である。これらEPDM
の長所を発現させるには、EPDMと他のゴムとをブレ
ンドする場合でも、全ゴムに占めるEPDMの率を50
重量%以上、特には80重量%以上とするのが好まし
い。耐候性の観点からは全ゴム中EPDMの占める率は
高いほど好ましいので、本発明ではこの上限値は特には
規定されない。EPDMには、ゴム成分のみからなる非
油展タイプのEPDMとゴム成分とともに親展油を含む
油展タイプのEPDMとが存在するが、本発明ではいず
れのタイプのものも用いることができる。なお、油展タ
イプのEPDMを用いる場合、親展油を除いたゴム成分
が全ゴム中に占める率を50重量%以上(好ましくは8
0重量%以上)とすればよい。
【0016】本発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、ポリオレフィン系樹脂又は水素添加スチレン系熱可
塑性エラストマーが好ましく、これらを混合して用いて
もよい。ポリオレフィン系樹脂は分子鎖が飽和状態であ
るので、動的架橋に際して架橋されることがなく、動的
架橋後のエラストマー組成物が可塑性を発現する。さら
に、ポリオレフィン系樹脂は一般的に安価で入手が容易
であるので、これを用いることにより紙葉類分離部材の
製造コストを抑えることができる。用いられるポリオレ
フィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレ
ン−ビニルアセテート樹脂、エチレン−メタクリル酸樹
脂、アイオノマー樹脂等が挙げられる。また、所謂メタ
ロセン触媒を用いて重合されたポリエチレン又はポリプ
ロピレンを用いることもできる。これらのポリオレフィ
ン系樹脂は、単独で用いてもよいが、2種以上混合して
用いてもよい。
【0017】水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー
は、ポリスチレン末端ブロックとエラストマー中間ブロ
ックとからなるブロック共重合体を主成分としているも
ので、中間ブロックが水素添加されることによって二重
結合が消滅しており、動的架橋に際して架橋されること
がなく、動的架橋後のエラストマー組成物が可塑性を発
現する。用いられる水素添加スチレン系熱可塑性エラス
トマーとしては、例えばスチレン−エチレン−スチレン
共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン
共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン
−スチレン(SEBS)共重合体等が挙げられる。ま
た、これらの水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー
にあらかじめオレフィン系樹脂、オイル等を配合してコ
ンパウンドとして上市されているものも、好適に用いる
ことができる。
【0018】本発明では、上記熱可塑性樹脂中に上記ジ
エン系ゴム粒子が分散し、ハロゲン化付加縮合型樹脂に
よって架橋されていること、あるいは、付加縮合型樹脂
によって架橋され、架橋活性剤としてハロゲン供与物質
が用いられていることが好ましい。
【0019】即ち、本発明では、ゴム粒子が架橋剤によ
って架橋され、該架橋剤として樹脂架橋剤が好適に用い
られる。該樹脂架橋剤は加熱等によってゴムに架橋反応
を起させる合成樹脂であり、樹脂架橋剤を用いることに
よって、硫黄と加硫促進剤とを併用した場合に生ずるブ
ルームの問題が解消され、しかも紙葉類分離シートの摩
擦係数低下を防止することができる。
【0020】樹脂架橋剤としては、付加縮合型樹脂が好
適に用いられる。付加縮合型樹脂としては、例えばフェ
ノール樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、トリア
ジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル
・メラミン樹脂等が挙げられ、特にフェノール樹脂が好
適である。フェノール樹脂はフェノール類とアルデヒド
類との付加反応及び縮合反応の2段階反応で得られるも
のであり、この2成分が均一に共重合した重合体であ
る。このため、分子量、反応性等が均一であり、紙葉類
分離シートの物性を一定化させることができる。フェノ
ール樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェ
ノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフ
ェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
フルフラール等のアルデヒド類との反応により合成され
る各種フェノール樹脂が挙げられる。特に、ベンゼンの
オルト位又はパラ位にアルキル基が結合したアルキルフ
ェノールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得られ
るアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、ゴム
との相溶性に優れるとともに、反応性に富んでいて架橋
反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。アルキ
ルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のアルキル基は、
通常、炭素数が1から10のアルキル基であり、具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が
挙げられる。また、硫化−p−第三ブチルフェノールと
アルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノー
ル樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も樹脂
架橋剤として使用可能である。樹脂架橋剤の配合量は、
ゴム100重量部に対して1重量部以上20重量部以下
が好ましく、8重量部以上15重量部以下が特に好まし
い。
【0021】本発明において、動的架橋は、塩素、臭
素、フッ素、ヨウ素等のハロゲンの存在下に行われるの
が好ましい。これにより動的架橋時の反応性が高めら
れ、架橋が効率的となる。前述のEPDMは主鎖に二重
結合を有さないので、架橋反応を起こしにくい。従っ
て、特にこのEPDMが用いられる動的架橋において、
ハロゲンの存在が重要である。動的架橋時にハロゲンを
存在させるには、ハロゲン化された樹脂架橋剤を用いる
か、エラストマー組成物中にハロゲン供与性物質を配合
すればよい。
【0022】ハロゲン化された樹脂架橋剤としては、上
記の付加縮合型樹脂がハロゲン化されたもの、即ち、ハ
ロゲン化付加縮合型樹脂が好適に用いられる。なかで
も、フェノール樹脂のアルデヒドユニットに少なくとも
一個のハロゲン原子が結合したハロゲン化フェノール樹
脂、特にはハロゲン化アルキルフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れるとともに、反応性
に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので
好ましい。
【0023】ハロゲン供与性物質は、ハロゲン化金属で
あってもハロゲン化樹脂であってもよい。ハロゲン化金
属としては、例えば塩化第二スズ等の塩化スズ、塩化第
二鉄等の塩化鉄、塩化第二銅等の塩化銅等が挙げられ
る。また、ハロゲン化樹脂としては、例えば塩素化ポリ
エチレン等が挙げられる。これらのハロゲン供与性物質
は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。
【0024】本発明の紙葉類分離部材に用いられる組成
物には、さらにオイル、可塑剤等の軟化剤が配合されて
もよい。これにより、紙葉類分離部材を低硬度とするこ
とができる。配合されるオイルとしては、例えばパラフ
ィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル等の
鉱物油や、α−オレフィンのオリゴマー、ブテンのオリ
ゴマー、エチレンとα−オレフィンとのオリゴマー等の
炭化水素系オリゴマーである合成油等が挙げられる。特
に、ポリオレフィン系樹脂との相溶性に優れるという理
由より、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマ
ーが好ましい。また、配合される可塑剤としては、ジオ
クチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルセ
パケート、ジオクチルアジペート等が挙げられる。な
お、油展タイプのEPDMでは親展油が軟化剤として作
用するので、他の軟化剤が配合される必要は特にはな
い。もちろん、油展タイプのEPDMにさらに軟化剤が
添加されてもよい。
【0025】軟化剤としてオイルが用いられる場合、そ
の配合量は、ゴム100重量部に対して1重量部以上2
00重量部以下が好ましく、50重量部以上100重量
部以下が特に好ましい。また、軟化剤として可塑剤が用
いられる場合、その配合量は、ゴム100重量部に対し
て1重量部以上20重量部以下が好ましく、1重量部以
上10重量部以下が特に好ましい。軟化剤の配合量が上
記範囲未満であると、加工性が悪くなって生産性が低下
してしまうことがある。逆に、軟化剤の配合量が上記範
囲を越えると、紙葉類分離シートの耐久性が低下し、ま
た摩擦係数が大きくなりすぎることがある。なお、油展
タイプのEPDMを用いる場合、油展された親展油をも
含めたオイルの量を、上記範囲内とすればよい。
【0026】本発明の紙葉類分離部材に用いられる組成
物には、必要に応じて充填剤が添加されてもよい。充填
剤の添加によって、紙葉類分離部材の機械的強度が向上
する。添加される充填剤としては、例えばシリカ、カー
ボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、二塩
基性亜リン酸塩、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等
が挙げられる。これら充填剤の組成物に占める比率は、
10重量%以下が好ましい。充填剤の比率が上記範囲を
越えると、紙葉類分離部材の柔軟性が低下してしまうこ
とがある。
【0027】また、本発明の紙葉類分離部材に用いられ
る組成物に、必要に応じてワックス、着色剤、架橋助剤
等を添加してもよい。
【0028】本発明の紙葉類分離部材に用いられる組成
物の混練は、例えばオープンロール、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、単軸押出機、二軸押出機等の既知の混練
機にて行うことができる。混練後の組成物に押出成形、
射出成形、圧縮成形等の既知の成形手段が施され、紙葉
類分離部材が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかか
る紙葉類分離シートが用いられた給紙機構が示された模
式的断面図である。この給紙機構は、給紙ローラ2とト
レイ4とを備えている。トレイ4は、その上面の給紙ロ
ーラ2寄りに紙葉類分離シート6を備えている。トレイ
4上面には、多数枚の紙葉類8が重ねられて蓄えられて
いる。トレイ4の給紙ローラ2寄りは、その下面に当接
するバネ(図示せず)によって上方に押し上げられ、給
紙ローラ2に向かって押しつけられている。トレイ4の
紙葉類分離シート6と給紙ローラ2との間には、紙葉類
8の先端部分10が挟まれている。この給紙ローラ2か
らさらに前方には画像形成部(図示せず)が設けられて
おり、給紙ローラ2が矢印方向に回転するにつれて、一
枚ずつ画像形成部に送付される仕組みになっている。
【0030】上記紙葉類分離シート6は、熱可塑性樹
脂、又は熱可塑性樹脂とジエン系ゴムを主成分とし架橋
させることで弾性を発現するゴム成分100重量部に対
して、下記の列挙した群から選択した老化防止剤を0.
1〜5.0重量部の割合で含有させている。オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート(イルガノックス107
6);ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート](イルガノックス1010);チオジエチレ
ンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート](イルガノックス10
35);及びN,N´−ヘキサン−1,6−ジイルビス
[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオナミド(イルガノックス1098)
【0031】(実施例)上記紙葉類分離シート6の製造
の1例を以下に示す。ゴム成分として市販の親展油が油
展されたEPDM(住友化学社の商品名「670F」ポ
リマー/オイル=50/50)を用いる。まず、このE
PDM100gをアセトン抽出でソックスレー抽出機で
4日間抽出し、オイル文と老化防止剤BHTを除去す
る。
【0032】次いで、EPDMゴム100重量部に対
し、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノッ
クス1076)からなる老化防止剤を0.1重量部を添
加してゴム成分を調製する。
【0033】得られたゴム成分50重量%を二軸押出機
(モリヤマ社の「2TR−75」)を用いて押し出し、
直径4mm、長さ4mmの大きさにペレット化する。こ
のペレット120重量部(ゴム成分60重量部)と、熱
可塑性ポリマーとしてのポリプロピレン(日本ポリケム
社の商品名「ノバテックPP MG05BS」)40重
量部とをタンブラーにて混合し、二軸押出機(アイベッ
ク社の「HTM38」)に投入する。別の投入口より樹
脂架橋剤としての臭素化アルキルフェノール・ホルムア
ルデヒド樹脂(田岡化学社の商品名「タッキロール25
0−3」)4.8重量部を投入し、180℃で混練して
リボン状(幅30mm、厚み3mm)に押し出す。これ
を冷却後、厚みが半分となるようにスライスし、幅10
mm、長さ80mmの長方形に裁断して、紙葉類分離シ
ートを得る。
【0034】(試験例)本発明の紙葉類分離シートの紙
葉類汚染防止効果を評価するために以下の試験を実施し
た。試験には上記実施例と同様の、老化防止剤イルガノ
ックス1076を添加したEPDM670Fを用い、同
じ熱可塑性樹脂、樹脂架橋剤を用いて同様の方法で、紙
葉類分離シートのサンプル片(実施例1)を作成した。
また、上記イルガノックス1076に代えて、イルガノ
ックス1010を用いたサンプル片(実施例2)を作成
した。
【0035】さらに、比較のために、EPDM670F
の老化防止剤BHTを置換しないサンプル片(比較例
1)と、老化防止剤BHTをNocrac6C(大内新興化学
製)で置換したサンプル片(比較例2)を作成した。
【0036】得られた実施例1、2、比較例1、2のサ
ンプル片約5gを、表面にシリカが填料として用いられ
ている市販の紙(Canon製 HR101)上におき、サンプル全
体を覆うカバーをかけ一定期間放置した(最長30日
間)。その間、観察時には、カバーを取り外し、日光や
蛍光灯の光に曝して上記紙の表面の変化(着色程度)を
測定した。この着色程度の測定は、Trilac‐KCS 16/37
Spectrometerを用いて測定した。
【0037】上記試験紙として表面にシリカが填料とし
て用いられている紙を用いているのは、シリカはゴム中
に含まれる老化防止剤がゴム中から滲み出て蒸散して出
てきたものを吸着するために、変色の度合いが明確に識
別できるためである。また、試験紙としたCanon製 HR10
1やEpson製の特殊光沢フィルムでは、シリカを填料とし
て用いることで紙やフィルムの白さを向上させ、インク
ジェット印刷装置による画像形成を容易に綺麗にできる
効果があるため、ユーザーは上記紙やフィルムに対する
期待度が高く、黄変等には敏感である。
【0038】測定結果を下記の表1に示す。測定によ
り、20日後に変色(黄色化)していないことが確認で
きた場合は、老化防止剤による汚染なし(○)と判定し
た。20日後の黄色変化の場合は(×)とした。
【0039】
【表1】
【0040】表1における結果は、Nocrac6cを用いる
と1日目から紙やフィルムに茶色の添加剤が滲み出てお
り、この着色は日光や蛍光灯に曝さなくても認められ
た。また、BHTを用いた場合でも、黄色化が認められ
た。一方、本発明のイルガノックス1076や1010
を配合したサンプル片では全く着色が認められなかっ
た。とりわけイルガノックス1076を用いたサンプル
片にゴムに練り込んで暗所に放置し、30日後に、日光
や蛍光灯に曝しても黄変現象は全く認められなかった。
【0041】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、紙葉類分離部材を形成する組成物中に含まれ
る老化防止剤として、従来用いられているBHT等の老
化防止剤にかえてイルガノックス1076、1010等
を用いているため、老化防止剤が表面に滲み出てること
がない。よって、インクジェット式印刷装置の紙葉類分
離材上に直接に載置した紙やフィルムが変色することが
ないので、安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる紙葉類分離シー
トが用いられた給紙機構が示された模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
2 給紙ローラ 4 トレイ 6 紙葉類分離シート 8 紙葉類 10 先端部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/20 C08K 5/20 C08L 21/00 C08L 21/00 23/02 23/02 23/16 23/16 23/28 23/28 53/00 53/00 61/06 61/06 61/26 61/26 Fターム(参考) 2C059 BB12 3F343 FA02 FB02 JA01 JD08 JD37 4F070 AA04 AA12 AA15 AA16 AB09 AB16 AC18 AC37 AC47 AC86 AE08 GA06 GB08 4J002 AC01X AC03X AC06X AC07X AC08X BB03W BB06W BB07W BB08W BB12W BB15X BB23W BB24Z BP03W CC04Y CC05Y CC07Y CC17Y CC18Y DD077 EJ066 EP026 FD010 FD020 FD036 FD14Z FD157

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂とジエ
    ン系ゴムを主成分とし架橋させることで弾性を発現する
    ゴム成分100重量部に対して、 オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
    ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリ
    トールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
    4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエ
    チレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
    ドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N´−ヘキ
    サン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−
    ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミドから
    なる群から選択される老化防止剤が0.1〜5.0重量
    部の割合で含有されていることを特徴とするインクジュ
    ット印刷装置における給紙機構用紙葉類分離部材。
  2. 【請求項2】 上記ジエン系ゴムはEPDMを主体と
    し、架橋させた部分を有する請求項1記載のインクジェ
    ット印刷装置における給紙機構用紙葉類分離部材。
  3. 【請求項3】 上記熱可塑性樹脂として、熱可塑性エラ
    ストマー組成物を用いている請求項1または請求項2に
    記載のインクジェット印刷装置における給紙機構用紙葉
    類分離部材。
  4. 【請求項4】 上記熱可塑性樹脂中に上記ジエン系ゴム
    粒子が分散し、ハロゲン化付加縮合型樹脂によって架橋
    されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載
    のインクジェット印刷装置に置ける給紙機構用紙葉類分
    離部材。
  5. 【請求項5】 上記熱可塑性樹脂中に上記ジエン系ゴム
    粒子が分散し、付加縮合型樹脂によって架橋され、架橋
    活性剤としてハロゲン供与物質が用いられている請求項
    1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット
    印刷装置における給紙機構用紙葉類分離部材。
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