JP2001315526A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2001315526A
JP2001315526A JP2000395523A JP2000395523A JP2001315526A JP 2001315526 A JP2001315526 A JP 2001315526A JP 2000395523 A JP2000395523 A JP 2000395523A JP 2000395523 A JP2000395523 A JP 2000395523A JP 2001315526 A JP2001315526 A JP 2001315526A
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vehicle
fan
air conditioner
scroll
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JP2000395523A
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Yukio Kamimura
上村  幸男
Masafumi Kawashima
誠文 川島
Koji Ito
伊藤  功治
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Denso Corp
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/24Devices purely for ventilating or where the heating or cooling is irrelevant
    • B60H1/247Disposition of several air-diffusers in a vehicle for ventilation-air circulation in a vehicle cabin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00457Ventilation unit, e.g. combined with a radiator
    • B60H1/00471The ventilator being of the radial type, i.e. with radial expulsion of the air
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/40Casings; Connections of working fluid
    • F04D29/42Casings; Connections of working fluid for radial or helico-centrifugal pumps
    • F04D29/4206Casings; Connections of working fluid for radial or helico-centrifugal pumps especially adapted for elastic fluid pumps
    • F04D29/4226Fan casings
    • F04D29/4246Fan casings comprising more than one outlet

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心式ファンを有する車両用空調装置におい
て、スクロールケーシング17のスクロール巻き角θを
小さくして空調ユニットの小型化を図りつつ、要求吹出
風量の大きい吹出開口部から大風量を吹出可能にする。 【解決手段】 スクロール巻き角θに対するファン効率
の変化が小さい後向きファン15を用いることにより、
スクロール巻き角θの小さい送風機14でも比較的高い
ファン効率を確保する。また、要求吹出風量の大きい大
風量吹出開口部23を、要求吹出風量の小さい小風量吹
出開口部25よりも、スクロールケーシング17の巻始
め部17cおよび巻終わり部17dのうち巻始め部17
c側に配置することにより、大風量吹出開口部23から
大風量を吹き出し可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遠心式ファンを備え
る車両用空調装置に関するもので、ワンボックスタイプ
のRV車(リクレイショナルビークル)等における車室
内後席側の領域を空調する後席側空調ユニットに適用し
て好適なものである。
【0002】
【従来の技術】後席側空調ユニットは、通常、車両の側
面側の外板と内板(トリム)との間に形成される狭い空
間に配設されるので、特に小型化要求が強い。また、前
席側空調ユニットにおいても、同様に小型化の要求があ
る。
【0003】一方、車両用空調装置は、短時間に車室内
の空調を行う必要から大風量が要求され、そのため、大
風量を確保しやすい遠心式ファンが多用されているが、
この遠心式ファンは、送風機におけるスクロールケーシ
ングの体格が大きく、これが空調ユニット小型化の阻害
要因の1つになっている。
【0004】そして、スクロールケーシングの小型化の
ためにはスクロール巻き角を小さくすることが有効であ
り、特開昭60−159531号公報(以下、第1従来
例という)、特開平9−145147号公報(以下、第
2従来例という)および実開昭62−83112号公報
(以下、第3従来例という)には、スクロール巻き角の
小さな遠心式ファンを用いた空調装置が記載されてい
る。ただし、第1従来例〜第3従来例に記載の空調装置
は、車両用空調装置のように吹出モードに応じて吹出開
口部が選択使用されるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、吹出モードに応じて吹出開口部が選択使用される車
両用空調装置として、スクロール巻き角を小さくした空
調ユニットを試作して検討を行った。図10はその試作
した空調ユニットの概略構成を示すもので、後向きファ
ン15を用い、かつスクロール巻き角θを210°に設
定している。スクロールケーシング17の吹出側通路1
8には、冷却用熱交換器19を後向きファン15の外周
面に沿って湾曲配置している。冷却用熱交換器19の空
気流れ下流側には、スクロールケーシング17の巻始め
部17c側に位置する第1吹出開口部50と、スクロー
ルケーシング17の巻終わり部17d側に位置する第2
吹出開口部51とを有する。
【0006】また、冷却用熱交換器19および2つの吹
出開口部50、51は、ファン15の空気吹き出し方
向、すなわちファン15の回転軸15aと直交する方向
に位置している。
【0007】なお、遠心式ファンは、前向きファン(翼
の出口角β<90°、シロッコファン)と後向きファン
(翼の出口角β<90°、ターボファン)があり、図1
2に示すように、前向きファン(翼の出口角β<90
°、シロッコファン)はスクロール巻き角θが大きな領
域(一般的には290°〜330°程度)でのみ高いフ
ァン効率ηfが得られ、一方、後向きファン(翼の出口
角β<90°、ターボファン)はスクロール巻き角θに
対するファン効率ηfの変化が小さいという特徴を有し
ている。そして、小型化のためにスクロール巻き角θを
小さく(290°以下)した場合でも比較的高いファン
効率を確保できるように、後向きファンを用いて検討を
行った。
【0008】図11は、図10の空調ユニットによる実
験結果を示すもので、縦軸はファンの全圧、横軸は風量
であり、2つの吹出開口部50、51のうち一方の吹出
開口部を閉じて他方の吹出開口部からの吹出風量を測定
したものである。この図11から明らかなように、例え
ば全圧が300Paの場合、第1吹出開口部50からの
吹出風量Q1は約280m3/hに対し、第2吹出開口
部51からの吹出風量Q2は約230m3/hであり、
スクロール巻き角θの小さな送風機においては、吹出開
口部の位置によって吹出風量が大きく変わることが判明
した。
【0009】ところで、車両用空調装置では、フットモ
ード時にはフット吹出開口部を介して空調空気を後席乗
員の足元側へ向けて吹き出し、フェイスモード時にはフ
ェイス吹出開口部を介して空調空気を後席乗員の頭部側
へ向けて吹き出すようになっており、フットモード時よ
りもフェイスモード時により多くの吹出風量が要求され
る。
【0010】本発明は、スクロール巻き角θの小さな送
風機においては、吹出開口部の位置によって吹出風量が
大きく変わる点に着目し、吹出モードに応じて吹出開口
部が選択使用される車両用空調装置において、要求吹出
風量の大きい吹出開口部から大風量を吹出可能にするこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、送風機(14)と、複
数の吹出開口部(23、25、34、35)とを備え、
送風機(14)は遠心式ファン(15)とスクロールケ
ーシング(17)とを有する車両用空調装置において、
遠心式ファン(15)を後向きファンとし、要求吹出風
量の大きい大風量吹出開口部(23、34、35)を、
要求吹出風量の小さい小風量吹出開口部(25)より
も、スクロールケーシング(17)の巻始め部(17
c)および巻終わり部(17d)のうち巻始め部(17
c)側に配置したことを特徴とする。
【0012】これによると、スクロール巻き角に対する
ファン効率の変化が小さい後向きファンを用いることに
より、例えば請求項5に記載の発明のようにスクロール
巻き角θを180°〜290°に設定したスクロール巻
き角の小さい送風機でも、比較的高いファン効率を確保
することができる。
【0013】また、スクロール巻き角θの小さな送風機
においては吹出開口部の位置によって吹出風量が大きく
変わる点に着目して、要求吹出風量の大きい吹出開口部
を吹出風量が多くなる位置に配置することにより、要求
吹出風量の大きい吹出開口部から大風量を吹き出すこと
ができる。
【0014】従って、小巻き角化によるスクロールケー
シングの小型化、ひいては空調ユニットの小型化を図り
つつ、要求吹出風量の大きい吹出開口部からは容易に大
風量を吹き出し可能にすることができる。
【0015】請求項2に記載の発明では、空調空気の通
路は、少なくとも送風機(14)から複数の吹出開口部
(23、25、34、35)に至るまで、遠心式ファン
(15)の回転軸(15a)と直交する方向に延びてい
ることを特徴とする。
【0016】これによると、複数の吹出開口部は遠心式
ファンの回転軸と直交する方向に位置し、このような配
置の場合特に吹出開口部の位置によって吹出風量が変わ
りやすく、従って、要求吹出風量の大きい吹出開口部を
吹出風量が多くなる位置に配置することにより、要求吹
出風量の大きい吹出開口部からの吹出風量をさらに多く
することができる。
【0017】請求項3に記載の発明では、大風量吹出開
口部(23、34、35)は、巻終わり部(17d)の
接線(a)よりも、巻始め部(17c)側に配置される
ことを特徴とする。。
【0018】これにより、送風機からの空気流は大風量
吹出開口部に向かってスムーズに流れるため、大風量吹
出開口部からの吹出風量をさらに多くすることができ
る。
【0019】請求項4に記載の発明では、大風量吹出開
口部は、車室内の乗員頭部に向けて空調空気を吹き出す
フェイス用吹出開口部(23、34、35)であること
を特徴とする。
【0020】これにより、乗員の頭部に向けて冷風を吹
き出す冷房時に最大吹出風量を得ることができる。
【0021】請求項5に記載の発明では、スクロールケ
ーシング(17)のスクロール巻き角(θ)を180°
〜290°に設定したことを特徴とする。
【0022】ところで、スクロールケーシングのスクロ
ール巻き角θが大きい(例えば290°以上)場合、ス
クロールケーシングの出口面積が小さくなる。そして、
請求項6に記載の発明のように冷却用熱交換器を送風機
の空気流れ下流側に備える場合、出口面積が小さいスク
ロールケーシングの出口から冷却用熱交換器に至る間
で、通路面積が急拡大するため、通路面積急拡大による
圧損が発生する。
【0023】また、スクロール巻き角θが極めて小さい
(例えば180°以下)場合、スクロールケーシングの
出口で吹出空気が広角度に広がる。そして、請求項7に
記載の発明のように、暖房用熱交換器を冷却用熱交換器
の空気流れ下流側に備える場合、スクロールケーシング
の出口で広がった空気を集めるために、冷却用熱交換器
さらには暖房用熱交換器に至る間で通路面積が急縮小
し、通路面積急縮小による圧損が発生する。
【0024】一方、通路面積の急拡大や急縮小を避けよ
うとすると、通路長さを長くする必要があるため、空調
ケースが大型化してしまうという問題が生じる。
【0025】これに対し、スクロール巻き角θを180
°〜290°に設定した場合、スクロールケーシングの
出口面積や空気の吹出角度範囲が概ね適切な範囲に収ま
り、上記の通路面積の急拡大や急縮小による問題(圧
損、空調ケースの大型化)を改善することができる。
【0026】請求項8に記載の発明では、冷却用熱交換
器(19、30、31、32、40)は、遠心式ファン
(15)の外周面に沿って湾曲配置されていることを特
徴とする。
【0027】これによると、冷却用熱交換器の通風面積
を大きくすることができ、従って、圧損低減を図ること
ができる。しかも、冷却用熱交換器とファンとを近接さ
せて設置スペースを小さくすることができる。
【0028】なお、冷却用熱交換器は、請求項9に記載
の発明のように円弧状に形成された1つの熱交換器(1
9)で構成してもよいし、あるいは、請求項10に記載
の発明のように複数個の直方体の熱交換器(30、3
1、32)で構成してもよい。
【0029】請求項11に記載の発明では、冷却用熱交
換器(19、30、31、32、40)は、冷媒通路が
形成された多数の偏平のチューブ(19f)を有し、チ
ューブ(19f)の偏平な管壁面(19h)を対向させ
てチューブ(19f)が多数積層され、対向する管壁面
(19h)の間に空調空気が通過する主空気通路(19
d)が形成され、管壁面(19h)が遠心式ファン(1
5)の回転軸(15a)と直交する面に対して略平行に
なっていることを特徴とする。
【0030】これによると、チューブ管壁面がファンの
回転軸と直交する面に対して略平行になっているため、
管壁面間に形成される主空気通路もファンの回転軸と直
交する面に対して略平行になる。従って、ファンから吹
き出されて蒸発器に向かう空気の流れの向きと主空気通
路とが略平行になり、蒸発器内を通過するときに生じる
送風空気の圧損を少なくすることができる。
【0031】なお、本明細書では、ファンの回転中心と
スクロール巻き始め部とを結ぶ基準線から、ファンの回
転の向きのスクロール巻き終わり部までの角度をスクロ
ール巻き角θとする。
【0032】また、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0033】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は、ワンボ
ックス型のRV車に本発明を適用した第1実施形態の全
体の配置レイアウトを示す。前席側空調ユニット10
は、車室内の最前部の計器盤1の内側部に配設されて、
車室内前席側の領域を空調するものである。
【0034】前席側空調ユニット10は、内気と外気を
切替導入する内外気切替箱と遠心式のファンとを有する
送風ユニットと、空調空気から吸熱して冷媒を蒸発させ
る冷凍サイクルの蒸発器(冷却用熱交換器)、および車
両エンジンからの温水により空調空気を加熱するヒータ
コア(加熱用熱交換器)を有する空調ユニットとから構
成されている。
【0035】次に、後席側空調ユニット12は、車室内
の後席(2番目、3番目の座席)側に配設されて、後席
側の領域を空調するものであって、車両の後輪2を収容
する後輪収容部(タイヤハウス)3の後方側の位置に後
席側空調ユニット12は配設されている。より具体的に
は、車両側面部の外板と内板(トリム)との間の側面空
間に収容されている。
【0036】次に、本実施形態による後席側空調ユニッ
ト12の具体的構成について、図2〜図7に基づいて詳
しく説明する。なお、図2は後席側空調ユニット12の
車両前後方向の断面図、図3は図2のA−A断面図、図
4は図2のB矢視図、図5は図2のD矢視図、図6は図
2のファンおよびスクロールケーシングの模式的な構成
図、図7は図6のスクロールケーシングの要部の拡大構
成図である。
【0037】図2〜図5において、後席側空調ユニット
12は、樹脂材料(例えばポリプロピレン)で成形され
た空調ケース13を有しており、この空調ケース13は
複数の分割ケースを一体に締結して構成されるものであ
って、その内部に空調空気の通路を形成している。後席
側空調ユニット12(空調ケース13)の全体形状は、
外板と内板との間の側面空間に収容するために車両左右
(幅)方向の寸法が小さく、車両上下方向および車両前
後方向の寸法が大きい薄型形状にしてある。
【0038】空調ケース13において車両前方側の部位
には送風機14が配置されている。この送風機14は、
遠心式多翼ファンからなるファン15、ファン駆動用モ
ータ16、およびスクロールケーシング17から構成さ
れている。モータ16は、図示しないステーを介してス
クロールケーシング17に保持固定されている。
【0039】ファン15は、回転軸15a周りに多数枚
の翼15bを有するとともに、回転軸15a方向の一端
側から吸入した空気を径外方側(回転軸15aと直交す
る方向)に向けて吹き出す遠心式多翼ファンである。さ
らに詳細には、ファン出口角βが90°よりも大きい後
向きファン(ターボファン)であり、本実施例では、フ
ァン出口角βを約135°に設定している。なお、ファ
ン出口角βとは、図2に示すように、ブレード15bと
ファン15の外径縁との交差角度であって、ファン15
の回転向きRの前進側から測定した角度を言う。
【0040】スクロールケーシング17は、渦巻き状に
形成されて、ファン15を収納するとともに、ファン1
5から吹き出した空気の流路を形成する。このケーシン
グ17には、回転軸15a方向の一端側に向けて開口す
る空気の吸入口17aが形成され、この吸入口17aの
外縁には、ファン15に空気を導くベルマウス17bが
一体成形されている。
【0041】ここで、本実施形態のスクロールケーシン
グ17の内壁面の形状は、下記の数式1で表される対数
らせん状となっており、スクロール巻き始め部、スクロ
ール巻き終わり部、およびスクロール巻き角θについ
て、図6、図7を参照して説明する。
【0042】
【数1】r=r0・eθxtanα0 ただし、rはある巻き角θx(ラジアン)のところにお
けるファン15の回転中心からスクロールケーシング1
7の内壁面までの距離、r0はファン15の回転中心か
らノーズ部17cにおけるスクロールケーシング17の
内壁面までの距離、α0はスクロール拡がり角であり、
少なくとも巻き角θxが0°〜90°のところはスクロ
ール形状として定義される形状とみなせる。
【0043】このスクロール拡がり角α0は下記の数式
2で定義され、ファン15からの吹き出し空気の流出速
度C0のファン径方向成分COmと、流出速度C0のフ
ァン周方向成分COuとから求められる。
【0044】
【数2】α0=tan-1C0m/COu そして、スクロールケーシング17のスクロール巻き始
め部は、スクロールケーシング17の内壁面においてフ
ァン15の外径と最も接近する部分であり、本実施形態
ではノーズ部17cがスクロール巻き始め部となる。
【0045】また、スクロール巻き終わり部は、ファン
15の回転中心からスクロールケーシング17の内壁面
までの距離が、下記の数式3で求めた距離Rの範囲を初
めて外れる位置であり、本実施形態では図2中の符号1
7dの部位がスクロール巻き終わり部である。
【0046】
【数3】R=r0・eθxtanα0×0.9〜r0・eθ
xtanα0×1.1 そして、ファン15の回転中心とスクロール巻き始め部
とを結ぶ基準線から、ファン15の回転向きRのスクロ
ール巻き終わり部17dまでの角度がスクロール巻き角
θであり、本実施形態ではスクロール巻き角θを210
°としている。
【0047】空調ケース13内において、スクロールケ
ーシング17の出口(スクロール巻き角θの範囲外の部
分)側に吹出側通路18が形成され、この吹出側通路1
8に蒸発器(冷却用熱交換器)19が配設されている。
この蒸発器19は、前席側空調ユニット10の冷凍サイ
クルから分岐され図示しない温度式膨張弁(減圧手段)
で減圧された冷媒を蒸発させて空気を冷却するものであ
る。
【0048】図2、図5に示すように、蒸発器19は、
チュ−ブ19fとフィン19gにて構成されて冷媒と空
気との熱交換を行う熱交換部19aを備えている。この
熱交換部19aは、熱伝導性および耐食性に優れたアル
ミニウム等の金属の薄板よりなり内部に冷媒の通路が形
成された断面形状が偏平のチュ−ブ19fを積層し、こ
の積層した多数のチュ−ブ19fの間に空気と冷媒との
熱伝達を促進するためのコルゲート状のフィン19gを
配置して構成されている。
【0049】チューブ19fは、チューブ19f内での
冷媒流れ方向(チューブ長手方向)の形状が円弧状に湾
曲したものになっている。また、チューブ19fは、そ
の偏平な平面である管壁面19hが、ファン15の回転
軸15aと直交する面に対して略平行になっている。
【0050】チューブ19fが多数積層されることによ
り、蒸発器19の熱交換部19aはチューブ19fによ
り多数の空間に区画されている。このチューブ19fに
より区画された、管壁面19h相互の間の空間にて、主
空気通路19dが形成されている。また、フィン19g
は主空気通路19dに配置され、チューブ19fの管壁
面19hにろう付けにより接合されている。なお、フィ
ン19gの折り重ねられた板面には熱交換効率を促進さ
せるための周知のルーバ(図示せず)が斜めに切り起こ
されており、このルーバによりフィン19gの板面と板
面との間は通風可能になっている。
【0051】そして、チューブ19fの長手方向の両端
側(図2の上、下端側)に、多数のチューブ19fへの
冷媒の分配、および多数のチューブ19fからの冷媒の
集合を行うタンク部19b、19cを配置し、例えば車
両上方側の第1タンク部19bより冷媒が流入し、車両
下方側の第2タンク部19cでチューブ19f内の冷媒
の流れをUターンさせ、車両上方側のタンク部19bよ
り蒸発器19外へ冷媒を流出させるようになっている。
【0052】第1タンク部19bには、図示しない膨張
弁で減圧された気液2相冷媒が流入する冷媒入口(図示
せず)およびチューブ19fで蒸発したガス冷媒が流出
する冷媒出口(図示せず)が設けられている。
【0053】なお、蒸発器19が空調ケース13内に組
み込まれた状態では、図2に示すようにタンク部19
b、19cは車両上下方向に位置して配設され、蒸発器
19の全体形状は、車両側面から見た場合は図2のよう
に円弧状に湾曲しており、車両左右方向には直線状に延
びている。
【0054】そして、ファン15と蒸発器19とを略同
心状に配置して、円弧状の熱交換部19aがファン15
の外周面に概略沿うようにしている。また、熱交換部1
9aは吹出側通路18に配置され、ファン15の吹出空
気が熱交換部19aに流入するようになっており、第1
タンク部19bはノーズ部17cの近傍に位置し、第2
タンク部19cはスクロール巻き終わり部17dの近傍
に位置している。
【0055】空調ケース13内において、蒸発器19よ
りも空気流れ下流側(車両後方側)に、ヒータコア(加
熱用熱交換器)20が配設されている。このヒータコア
20は、図示しない車両エンジンからの温水により空気
を加熱するものであって、温水が流れる偏平形状のチュ
ーブとコルゲート状の伝熱フィンとを交互に積層してな
る熱交換部20aと、この熱交換部20aの両端に配置
されたタンク部20b、20cとからなり、全体形状は
薄型直方体である。そして、一方のタンク部20bの位
置に対し、他方のタンク部20cは車両後方側で、かつ
車両上方側に位置しており、従って、ヒータコア20は
車両前後方向に傾けて設置されている。ここで、車両エ
ンジンからの温水は、例えば車両下方側のタンク部20
bに流入し、熱交換部20aのチューブ内を通過して、
車両上方側のタンク部20cに流入するようになってい
る。
【0056】空調ケース13内において、ヒータコア2
0の上方側にはヒータコア20をバイパスする冷風通路
21が設けられ、ヒータコア20の空気流れ上流側(車
両前方側)に、エアミックスドア22が配設されてい
る。このエアミックスドア22は、冷風通路21を通過
する風量と、ヒータコア20を通過する風量との割合を
調節して、吹出空気の温度を調整する。このドア22は
回転軸22aを中心にして、図2中実線で示す最大冷房
位置から一点鎖線で示す最大暖房位置の間を回動する板
ドアからなる。
【0057】空調ケース13において、車両後方側の上
面部で、かつ、冷風通路21の上方側に、後席側乗員の
頭部に向けて空気を吹き出すためのフェイス用吹出開口
部23が形成されている。そして、このフェイス用吹出
開口部23は、回転軸24aを中心にして回動する板状
のフェイスドア(吹出モード切替ドア)24によって開
閉されるようになっている。
【0058】また、空調ケース13において、車両後方
側の下面部で、かつ、ヒータコア20の下方側に、後席
側乗員の足元に向けて空気を吹き出すためのフット用吹
出開口部25が形成されている。そして、このフット用
吹出開口部25は、回転軸26aを中心にして回動する
板状のフットドア(吹出モード切替ドア)26によって
開閉されるようになっている。
【0059】フェイスドア24およびフットドア26の
図2の実線位置は、フェイス用吹出開口部23を全開
し、かつ、フット用吹出開口部25を全閉するフェイス
モード位置であり、また、フェイスドア24およびフッ
トドア26の図2の一点鎖線位置はフェイス用吹出開口
部23を全閉し、かつ、フット用吹出開口部25を全開
するフットモード位置である。更に、フェイスドア24
およびフットドア26を図2の実線位置と一点鎖線位置
の中間位置に操作すると、フェイス用吹出開口部23と
フット用吹出開口部25の両方を同時に開口するバイレ
ベルモードを設定できる。
【0060】フェイス用吹出開口部23には、図1、2
に示すフェイスダクト4の一端(下端部)が連結されて
おり、このフェイスダクト4の他端側は天井部まで立ち
上がっている。そして、天井部には車両左右(幅)方向
に延びる天井吹出ダクト部5を形成し、この天井吹出ダ
クト部5に、後席側乗員の頭部に向けて車両後方側へ空
気を吹き出す複数のフェイス吹出口6が形成されてい
る。
【0061】また、フット用吹出開口部25には、フッ
トダクト7の一端(上端部)が連結されており、このフ
ットダクト7は、図1に示すように空調ケース13の底
面部から車両前方側へ延びている。そして、フットダク
ト7の先端部に、車両床面上で車両左右(幅)方向に延
びる足元吹出ダクト部8を形成し、この足元吹出ダクト
部8に後席側の乗員足元に向けて空気を吹き出す複数の
フット吹出口9が形成されている。なお、フット吹出口
9は、空気を車両前後の両方向へ吹き出す。
【0062】ここで、空調ケース13の内部に形成され
た空調空気の通路は、スクロールケーシング17の出口
からフェイス用吹出開口部23およびフット用吹出開口
部25に至るまで、ファン15の回転軸15aと直交す
る方向に延びている。従って、蒸発器、19ヒータコ
ア、20フェイス用吹出開口部23およびフット用吹出
開口部25は、ファン15の回転軸15aと直交する方
向、すなわちファン15の空気吹き出し方向に位置して
いる。
【0063】また、2つの吹出開口部23、25の位置
関係は、次のようになっている。まず、フェイス用吹出
開口部23およびフット用吹出開口部25は、ファン1
5の回転方向にずらして配置されている。具体的には、
フェイス用吹出開口部23は、フット用吹出開口部25
よりも、スクロールケーシング17のノーズ部(巻始め
部)17cおよび巻終わり部17dのうち、ノーズ部1
7c側に位置している。一方、フット用吹出開口部25
はフェイス用吹出開口部23よりもスクロールケーシン
グ17の巻終わり部17d側に位置している。
【0064】また、巻終わり部17dの接線aを基準に
すると、フェイス用吹出開口部23は巻終わり部17d
の接線aよりもノーズ部17c側に位置し、フット用吹
出開口部25は巻終わり部17dの接線aよりも反ノー
ズ部17c側に位置している。
【0065】次に、上記構成において本実施形態の作動
を説明する。後席側空調ユニット12において、送風機
14のモータ16に通電してファン15を作動させる
と、吸入口17aから吸入された車室内空気(内気)が
径外方側に向けて吹き出される。
【0066】ファン15から吹き出された空気のうち、
スクロール巻き角θの範囲に吹き出された空気は、スク
ロールケーシング17によって整流されて吹出側通路1
8に吹き出される。そして、その空気流bは巻終わり部
17dの接線aよりも若干ノーズ部17c側に向かって
旋回しつつ流れ、従って、主に蒸発器19の下方から中
央の領域に向かって流れる。また、ファン15から吹き
出された空気のうち、スクロールケーシング17の出口
部に直接吹き出された空気流cは、蒸発器19の上方の
領域に向かって流れる。
【0067】ファン15から吹き出されたそれらの空気
は蒸発器19を通過して冷却され、冷風となる。エアミ
ックスドア22の中間開度領域では、一部の冷風が冷風
通路21を通過し、残りの冷風がヒータコア20を通過
して温風となる。そして、エアミックスドア22により
冷風と温風の風量割合を調節して、車室内への吹出空気
の温度を調整する。
【0068】フェイスドア24およびフットドア26を
図2の実線位置に操作すると、フェイス用吹出開口部2
3が開口され、フット用吹出開口部25が閉塞されるの
で、フェイスモードが設定される。すると、フェイス用
吹出開口部23からフェイスダクト4を通ってフェイス
吹出口6のみから空調風を後席乗員の頭部側へ向けて吹
き出す。なお、フェイスモードにおいて、最大冷房時
(クールダウン時等)には、エアミックスドア22は図
2の実線位置に操作されてヒータコア20側の通路を閉
じ、蒸発器19を通過した冷風は全て冷風通路21を通
過する。
【0069】次に、フェイスドア24およびフットドア
26を図2の実線位置から反時計方向に回動して図2の
一点鎖線位置に移動させると、フット用吹出開口部25
が開口され、フェイス用吹出開口部23が閉塞されるの
で、フットモードが設定される。すると、フット用吹出
開口部25からフットダクト7を通ってフット吹出口9
のみから空調風を後席乗員の足元側へ向けて吹き出す。
なお、フットモードにおいて、最大暖房時には、エアミ
ックスドア22は図2の実線位置から図2の一点鎖線位
置に操作されて冷風通路21を閉じ、蒸発器19を通過
した冷風は全てヒータコア20を通過する。
【0070】次に、フェイスドア24およびフットドア
26を図2の実線位置と一点鎖線位置の中間位置に操作
すると、フェイス用吹出開口部23とフット用吹出開口
部25の両方が同時に略半開状態に開口されてバイレベ
ルモードが設定される。すると、フェイス用吹出開口部
23およびフット用吹出開口部25から、両ダクト4、
7を経由して、両吹出口6、9から同時に空調風を吹き
出すことができる。
【0071】次に、上記第1実施形態の特徴について説
明する。
【0072】ところで、スクロール巻き角θが大きい
(例えば310°程度)場合、スクロールケーシング1
7の出口面積が小さくなり、スクロールケーシング17
の出口から蒸発器19に至る間の吹出側通路18の面積
が急拡大するため、通路面積急拡大による圧損が発生す
る。また、スクロール巻き角θが極めて小さい(例えば
180°以下)場合、スクロールケーシング17の出口
で吹出空気が広角度に広がり、スクロールケーシング1
7の出口から蒸発器19さらにはヒータコア20に至る
間で吹出側通路18の面積が急縮小するため、通路面積
急縮小による圧損が発生する。一方、通路面積の急拡大
や急縮小を避けようとすると、通路長さを長くする必要
があるため、空調ケース13が大型化してしまうという
問題が生じる。
【0073】これに対し、本実施形態のようにスクロー
ル巻き角θを210°程度に設定した場合、スクロール
ケーシング17の出口面積や空気の吹出角度範囲が適切
な範囲に収まり、上記の通路面積の急拡大や急縮小によ
る問題(圧損、空調ケース13の大型化)が発生しな
い。
【0074】また、蒸発器19を円弧状に湾曲させたこ
とにより蒸発器19の通風面積を大きくすることがで
き、これにより、圧損低減を図ることができる。しか
も、円弧状に湾曲させた蒸発器19をファン15の外周
面に概略沿うようにして配置しているため、蒸発器19
とファン15とを近接させて、蒸発器19およびファン
15の設置スペースを小さくすることができる。
【0075】また、図12に示すように、前向きファン
はスクロール巻き角θが290°以下ではファン効率が
著しく低下するが、本実施形態ではスクロール巻き角θ
によるファン効率の変化が少ない後向きファンを用いる
ことにより、スクロール巻き角θの小さい送風機14で
も比較的高いファン効率を確保することができる。
【0076】そして、車両用空調装置において多用され
るスクロール巻き角θが310°程度でかつ前向きファ
ンを使用する送風機と比較して、本実施形態ではファン
効率の低下はあるものの、上記のような圧損低減効果に
よりファン効率の低下分を補って、スクロール巻き角θ
が310°程度でかつ前向きファンを使用する送風機と
同等以上の風量を確保することができる。
【0077】また、図11に示すように、スクロール巻
き角θの小さな送風機においては吹出開口部の位置によ
って吹出風量が大きく変わることが明らかになったが、
本実施形態では、フェイス用吹出開口部23を、フット
用吹出開口部25よりも、スクロールケーシング17の
ノーズ部17cおよび巻終わり部17dのうちノーズ部
17c側に位置させたことにより、フェイスモード時の
フェイス用吹出開口部23からの吹出風量を、フットモ
ード時のフット用吹出開口部25からの吹出風量より
も、多くすることができる。
【0078】また、フェイス用吹出開口部23を、各空
気流b、cの流れ方向、すなわち巻終わり部17dの接
線aよりもノーズ部17c側に位置させているため、各
空気流b、cはフェイス用吹出開口部23に向かってス
ムーズに流れ、従って、フェイスモード時のフェイス用
吹出開口部23からの吹出風量がさらに多くなる。
【0079】また、ファン15から吹き出されて蒸発器
19に向かう空気は、ファン15の回転軸15aと直交
する面と平行に流れる。一方、チューブ19fの管壁面
19hを、ファン15の回転軸15aと直交する面に対
して略平行にしているため、管壁面19h間に形成され
る主空気通路19dも、ファン15の回転軸15aと直
交する面に対して略平行になっている。従って、ファン
15から吹き出されて蒸発器19に向かう空気の流れの
向きと主空気通路19dとが略平行になり、蒸発器19
内を通過するときに生じる送風空気の圧損を少なくする
ことができる。
【0080】また、チューブ19fの長手方向(冷媒流
れ方向)が概略車両上下方向になるようにして、タンク
部19b、19cが車両上下方向に配置されるようにし
ているため、後席側空調ユニット12の車両左右方向寸
法を小さくすることができ、本ユニット12のように車
両左右方向寸法が小さい空間に配置される場合に有利で
ある。
【0081】また、円弧状に湾曲した蒸発器19は、直
方体の蒸発器を製造後、曲げ加工して製造することがで
きるため、円弧状に湾曲した蒸発器19と直方体の蒸発
器の製造設備を共用することができ、設備費の低減を図
ることができる。
【0082】上記のように、本実施形態によれば、スク
ロール巻き角θを小さくした場合の問題(ファン効率の
低下、最大吹出風量不足)を解消することができるた
め、空調ユニットの小型化を図りつつ、最大冷房時の風
量を確保することができる。
【0083】(第2実施形態)次に、図8に示す第2実
施形態について説明する。なお、上記の第1実施形態と
同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、それらの
部分についての説明は省略する。
【0084】上記の第1実施形態では、円弧状に湾曲し
た1つの蒸発器19をファン15の外周面に概略沿うよ
うに配置したが、本実施形態では、3つに分割した直方
体の蒸発器30〜32をファン15の外周面に概略沿う
ように湾曲配置している。これによっても、第1実施形
態と同様に、圧損を低減し、設置スペースを小さくする
ことができるとともに、直方体であるために、第1実施
形態の蒸発器19よりも製造が容易である。なお、第1
〜第3蒸発器30〜32は、それぞれの蒸発器が、熱交
換部30a、31a、32aと、冷媒入口側タンク部3
0b、31b、32bと、冷媒出口側タンク部30c、
31c、32cとを有する。
【0085】また、上記の第1実施形態では、エアミッ
クスドア22により冷風と温風の風量割合を調節して吹
出空気の温度を調整するようにしたが、本実施形態で
は、ヒータコア20へ温水を循環する温水配管の途中に
配置した温水流量調整弁33により、温水通路の開度を
可変してヒータコア20への温水流量を調整することに
より、ヒータコア20での空気加熱量を調整して、吹出
空気の温度を調整するようにしている。ヒータコア20
は略垂直に設置され、車両エンジンからの温水は車両下
方側のタンク部20bに流入し、熱交換部20aのチュ
ーブ内を通過して、車両上方側のタンク部20cに流入
するようになっている。
【0086】さらに、本実施形態では、2つのフェイス
用吹出開口部34、35を設けている。ヒータコア20
よりも空気流れ下流側に位置する第1フェイス用吹出開
口部34は、第1フェイスドア(吹出モード切替ドア)
36にて開閉される。一方、第2フェイス用吹出開口部
35は、第1〜第3蒸発器30〜32よりも空気流れ下
流側で、かつヒータコア20と並列に配置され、ヒータ
コア20をバイパスして冷風をフェイスダクト4側に流
すようになっている。この第2フェイス用吹出開口部3
5を開閉する第2フェイスドア(吹出モード切替ドア)
37は、フェイスモード時に第2フェイス用吹出開口部
35を全開する。
【0087】そして、フェイスモード時には、第1、第
2フェイスドア36、37およびフットドア26は図8
の実線位置に操作され、蒸発器19を通過した冷風は2
つのフェイス用吹出開口部34、35を通過し、後席乗
員の頭部側へ向けて吹き出される。
【0088】ここで、本実施形態では、2つのフェイス
用吹出開口部34、35を巻終わり部17dの接線aよ
りもノーズ部17c側に位置させているため、フェイス
モード時の両フェイス用吹出開口部34、35からの吹
出風量を、フットモード時のフット用吹出開口部25か
らの吹出風量よりも多くすることができる。
【0089】(第3実施形態)次に、図9に示す第3実
施形態について説明する。なお、上記の第1または第2
実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付
し、それらの部分についての説明は省略する。
【0090】本実施形態では、1つの直方体の蒸発器4
0を用い、スクロールケーシング17の出口側の吹出側
通路18にこの蒸発器40を配設している。また、この
蒸発器40は、車両上方側の冷媒入口側タンク部40b
が車両下方側の冷媒出口側タンク部40cよりも車両前
方側に位置するように、傾斜配置されている。なお、4
0aは熱交換部である。
【0091】また、本実施形態では、第2実施形態と同
様に、温水流量調整弁33によりヒータコア20への温
水流量を調整して吹出空気の温度を調整するようにして
いる。
【0092】さらに、本実施形態では、フェイス用吹出
開口部23およびフット用吹出開口部25が、共に、ヒ
ータコア20の空気流れ下流側に配置されている。従っ
て、いずれの吹出モードにおいても、ファン15からの
吹出空気は、蒸発器40およびヒータコア20を通過し
た後、各吹出開口部23、25に至る。
【0093】また、本実施形態ではスクロール巻き角θ
を180°に近い値(ただし、θ>180°)に設定し
たことも関連して、フェイス用吹出開口部23およびフ
ット用吹出開口部25は、共に、巻終わり部17dの接
線aよりもノーズ部17c側に位置している。ただし、
フェイス用吹出開口部23はフット用吹出開口部25よ
りもスクロールケーシング17のノーズ部(巻始め部)
17c側に位置しているため、フェイスモード時のフェ
イス用吹出開口部23からの吹出風量を、フットモード
時のフット用吹出開口部25からの吹出風量よりも多く
することができる。
【0094】(他の実施形態)上記の第1〜第3実施形
態は、いずれも後席側空調ユニット12に関するもので
あるが、本発明は前席側空調ユニット10にも適用する
ことができる。
【0095】上記第1実施形態では、フィン19gの折
り重ねられた板面に斜めに切り起こされるルーバのフィ
ン19gの板面に対する角度(以下、ルーバ角度とい
う)を特に規定しなかったが、ファン15からフェイス
用吹出開口部23へ向かう主流の方向に対して略平行と
なるようにルーバを切り起こしてもよい。これによる
と、フェイス用吹出開口部23へ向かって空気がスムー
ズに流れやすくなり、圧損が小さくなる。
【0096】また、フェイス側の要求吹出風量とフット
側の要求吹出風量との差があまり大きくない場合には、
フット用吹出開口部25へ向かう主流に対して略平行と
なるようにルーバを切り起こしてもよい。
【0097】また、蒸発器19の位置によって、例え
ば、蒸発器19においてフェイス用吹出開口部23に近
い側とフット用吹出開口部25に近い側とで、ルーバ角
度を変えてもよい。
【0098】また、上記第1実施形態ではフィン19g
を備える積層型の蒸発器19を示したが、フィン19g
を備えないタイプの積層型蒸発器(フィンレス蒸発器)
を用いることができる。
【0099】また、プレートフィンタイプの蒸発器(ア
ルミニウム等の薄板にルーバを切り起こし、これに冷媒
が流れる例えばアルミニウム製のパイプを多数貫通させ
て接合したタイプ)を用いることもできる。
【0100】また、フェイス側の風量をより増やすため
に、あるいはフェイス側の要求吹出風量とフット側の要
求吹出風量との差があまり大きくない場合には風速分布
を改良してフット側の風量を増やすために、スクロール
ケーシング17から蒸発器19にかけての領域(具体的
には吹出側通路18)に、ファン15から蒸発器19に
向かう空気の流れ方向を変えるためのエアガイドを設け
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の車両搭載状態を示す車
両全体の概略透視図である。
【図2】図1の後席側空調ユニットの概要を示す車両前
後方向の断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB矢視図である。
【図5】図2のファンおよびスクロールケーシングの模
式的な構成図である。
【図6】図5のスクロールケーシングの要部の拡大構成
図である。
【図7】図2のD矢視図である。
【図8】第2実施形態による後席側空調ユニットの概要
を示す車両左右方向の断面図である。
【図9】第3実施形態による後席側空調ユニットの概要
を示す車両左右方向の断面図である。
【図10】本発明者らが小型化検討のために試作した空
調ユニットの概略構成を示す断面図である。
【図11】図6の空調ユニットによる実験結果を示すも
ので、ファンの全圧と2つの吹出開口部からの吹出風量
との関係を示す図である。
【図12】ファン効率とスクロール巻き角との関係を示
す図である。
【符号の説明】
13…空調ケース、14…送風機、15…遠心式ファ
ン、17…スクロールケーシング、17c…巻始め部、
17d…巻終わり部、23、34、35…フェイス用吹
出開口部(大風量吹出開口部)、25…フット用吹出開
口部(小風量吹出開口部)、24、26、36、37…
吹出モード切替ドア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 功治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3H034 AA02 AA18 BB02 BB06 BB20 CC01 CC03 DD08 DD12 DD26 EE12 EE18 3L011 BF00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調空気の通路を形成する空調ケース
    (13)と、 前記通路に空調空気を送風する送風機(14)と、 前記空調ケース(13)に形成され、車室内の異なる部
    位に空調空気を吹き出す複数の吹出開口部(23、2
    5、34、35)と、 前記複数の吹出開口部(23、25、34、35)を開
    閉して吹出モードを切り替える吹出モード切替ドア(2
    4、26、36、37)とを備え、 前記送風機(14)は、遠心式ファン(15)と、この
    遠心式ファン(15)を内蔵するスクロールケーシング
    (17)とを有する車両用空調装置において、 前記遠心式ファン(15)を後向きファンとし、 前記複数の吹出開口部(23、25、34、35)のう
    ち要求吹出風量の大きい大風量吹出開口部(23、3
    4、35)を、要求吹出風量の小さい小風量吹出開口部
    (25)よりも、前記スクロールケーシング(17)の
    巻始め部(17c)および巻終わり部(17d)のうち
    前記巻始め部(17c)側に配置したことを特徴とする
    車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記通路は、少なくとも前記送風機(1
    4)から前記複数の吹出開口部(23、25、34、3
    5)に至るまで、前記遠心式ファン(15)の回転軸
    (15a)と直交する方向に延びていることを特徴とす
    る請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記大風量吹出開口部(23、34、3
    5)は、前記巻終わり部(17d)の接線(a)より
    も、前記巻始め部(17c)側に配置されていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記大風量吹出開口部は、車室内の乗員
    頭部に向けて空調空気を吹き出すフェイス用吹出開口部
    (23、34、35)であることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記スクロールケーシング(17)のス
    クロール巻き角(θ)を180°〜290°に設定した
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記
    載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 空調空気を冷却する冷却用熱交換器(1
    9、30、31、32、40)を、前記送風機(14)
    の空気流れ下流側に備えることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 空調空気を加熱する暖房用熱交換器(2
    0)を、前記冷却用熱交換器(19、30、31、3
    2、40)の空気流れ下流側に備えることを特徴とする
    請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 【請求項8】 前記冷却用熱交換器(19、30、3
    1、32、40)は、前記遠心式ファン(15)の外周
    面に沿って湾曲配置されていることを特徴とする請求項
    6または7に記載の車両用空調装置。
  9. 【請求項9】 前記冷却用熱交換器は、円弧状に形成さ
    れた1つの熱交換器(19)で構成されていることを特
    徴とする請求項8に記載の車両用空調装置。
  10. 【請求項10】 前記冷却用熱交換器は、複数個の直方
    体の熱交換器(30、31、32)で構成されているこ
    とを特徴とする請求項8に記載の車両用空調装置。
  11. 【請求項11】 前記冷却用熱交換器(19、30、3
    1、32、40)は、冷媒通路が形成された多数の偏平
    のチューブ(19f)を有し、前記チューブ(19f)
    の偏平な管壁面(19h)を対向させて前記チューブ
    (19f)が多数積層され、対向する前記管壁面(19
    h)の間に前記空調空気が通過する主空気通路(19
    d)が形成され、前記管壁面(19h)が前記遠心式フ
    ァン(15)の回転軸(15a)と直交する面に対して
    略平行になっていることを特徴とする請求項6ないし1
    0のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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