JP2001315340A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2001315340A
JP2001315340A JP2000132765A JP2000132765A JP2001315340A JP 2001315340 A JP2001315340 A JP 2001315340A JP 2000132765 A JP2000132765 A JP 2000132765A JP 2000132765 A JP2000132765 A JP 2000132765A JP 2001315340 A JP2001315340 A JP 2001315340A
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diaphragm
layer
jet head
ink jet
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Kenichiro Hashimoto
憲一郎 橋本
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電型インクジェットヘッドにおける振動板
を精度良く作製するとともに、個別電極が形成された基
板と強固に接合できることにより、歩留まりがよく、安
価で、しかも、インク吐出安定性がよいインクジェット
ヘッドを実現する。 【解決手段】 インク液滴を吐出する単一または複数の
ノズル孔111と、該ノズル孔111のそれぞれに連通
する吐出室116と、該吐出室116の少なくとの一方
の壁を構成する振動板108と、該振動板108に変形
を生じさせる駆動手段とを備え、前記駆動手段が振動板
108を静電気力により変形させる個別電極106から
なるインクジェットヘッド200において、振動板10
8が形成された第1の基板201と個別電極106が形
成された第2の基板202との接合が少なくともB23
層103が介されてなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク液滴を吐出
し、記録媒体にインクを付着させて記録させるインクジ
ェット記録装置のインクジェットヘッドに関し、特にそ
の駆動方式として静電気力を利用するインクジェットヘ
ッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドは、記録時の騒音
がきわめて少ないこと、高速印字が可能であること、イ
ンクの自由度が高く安価な普通紙を使用できることなど
多くの利点を有する。この中でも記録の必要なときにの
みインク液滴を吐出する、いわゆる、オンデマンド方式
が、記録に不要なインク液滴の回収を必要としないた
め、現在では主流となってきている。
【0003】このオンデマンド方式のインクジェットヘ
ッドとしては、たとえば、特開平6−71882号公報
に開示されているごとく、駆動手段に静電気力を利用し
たインクジェットヘッドがある。該開示例のインクジェ
ットヘッドにおいては、2つの対向する電極間に電圧が
印加されると、静電気力により振動板がたわみ、続いて
印加電圧を切ると、たわんでいた振動板がもとに戻り、
インクを加圧してインク滴として吐出させるものであ
り、低騒音、高印字品質、長寿命および低コストである
という利点を有している。
【0004】図11は前記公報に記載されている従来の
インクジェットヘッドの一実施例を示すための分解斜視
図であり、一部断面図で示している。本インクジェット
ヘッドは3枚の基板1,2,3を重ねて接合した積層構
造から成っており、上面から接合される第3の基板3の
面に設けられたノズル孔4よりインク液滴を吐出させる
ようにしたサイドシュータタイプの例を示している。ま
た図12は、本実施例における第1の基板1の製造工程
を示す図である。
【0005】ここで、図11において、10がインクジ
ェットヘッドを示し、前述のように、1,2,3が基
板、4がノズル孔を示している。また、5は振動板、6
はインクの吐出室、7はオリフィスを形成する流体抵
抗、8は共通インク室をそれぞれ示す。また、12,1
4,25は凹部、13は細溝、21は電極、22はリー
ド部、23は端子部、24は絶縁部、31はインク供給
口、32は接続パイプ、33はチューブである。また、
図12において、65はシリコン基板、41aおよび4
1bはシリコン酸化膜、66は振動板5を構成すること
になる高濃度B(ホウ素)ドープ層、67はシリコン酸
化膜をエッチング除去した後のシリコン基板の露出部、
71はエッチング終点検出用パターン、72は貫通孔で
ある。
【0006】中間の第1の基板1は、シリコン基板であ
り、底壁を振動板5とする吐出室6を構成することにな
る凹部12と、吐出室6の後部に設けられた流体抵抗7
を構成することになる細溝13と、それぞれの吐出室6
にインクを供給するための共通インク室8を構成するこ
とになる凹部14とを有する。
【0007】振動板5は、高濃度のB(ホウ素)ドープ
層66であって、該ドープ層66は所望の振動板厚と同
じだけの厚さを有している。ドーパントがB(ホウ素)
の場合、アルカリ液による異方性エッチングにおけるエ
ッチングレートは、高濃度(約5×1019/cm3
上)の領域において、非常に小さくなる。吐出室6の底
壁を構成する振動板の形成領域を高濃度Bドープ層によ
って形成することとし、吐出室6、共通インク室8を形
成する際に、アルカリ異方性エッチングによりエッチン
グを行うと、高濃度Bドープ層66が露出した時点でエ
ッチングレートが極端に小さくなる、いわゆる、エッチ
ングストップの性質を利用することにより、振動板5、
吐出室6などを所望形状に作製することができる。ま
た、該エッチングストップの技術を利用すれば、振動板
5の厚さを精度良く作製することが可能となる。
【0008】第1の基板1の下面において、吐出室6の
底壁を構成する振動板5および共通インク室8の底壁の
形状に相当する部分に高濃度Bドープ層66を形成する
ための作製方法を図12にしたがって、次に説明する。
【0009】まず、シリコン酸化膜41a,41bを形
成したシリコン基板65の下面のシリコン酸化膜41b
の上に振動板(高濃度Bドープ層)5、共通インク室8
の底壁および電極のリード部(図示せず)の各形状に相
当するフォトレジストパターン(図示せず)を形成し、
シリコン酸化膜41bの露出部分(振動板・共通インク
室の底壁・電極のリード部に相当する部分)をフッ酸系
エッチング液にてエッチング除去した後、該フォトレジ
ストパターンを除去する(図12(B))。次いで、シ
リコン基板65の露出したシリコン部67への高濃度B
ドープを行う(図12(C))。
【0010】次いで、上面のシリコン酸化膜41aの上
に、吐出室6、共通インク室8の形状に相当するフォト
レジストパターン(図示せず)を形成し、シリコン酸化
膜41aの露出部分をフッ酸系エッチング液にてエッチ
ング除去した後、該フォトレジストパターンを除去する
(図12(D))。最後に、シリコン基板65のアルカ
リ異方性エッチングを行う。上述の如く、アルカリ液に
よる異方性エッチングにおけるエッチングレートは高濃
度Bドープ領域で大幅に低下し、エッチングストップ状
態となり、振動板5が形成される(図12(E))。
【0011】図11において、下面から接合される第2
の基板2は、従来例では、パイレックス(登録商標)ガ
ラス基板あるいはシリコン基板を用いているが、基板中
の欠陥やコストの面からシリコン基板が有利である。シ
リコン基板を用いている場合、シリコン基板2の上面に
形成した凹部25にB(ホウ素)をドープしたp型層に
よって電極21を形成している。さらに、端子部23を
除き、全面に絶縁部24を形成して、第2の基板2が完
成される。以上の工程により作製された基板1及び2
は、Si−Si直接接合法により接合され、さらに、ノ
ズル孔4を形成している第3の基板3が第1の基板1に
接合されて、インクジェットヘッド構造が構成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したごとく、特開
平6−71882号公報により開示されているインクジ
ェットヘッド10は振動板5として高濃度Bドープ層が
用いられており、振動板5の厚さを精度良く作製するこ
とが可能である。しかしながら、基板1と基板2のSi
−Si直接接合においては、両者の接合面の表面が非常
に滑らかなものが要求されるにもかかわらず、基板1の
シリコン酸化膜41bは高濃度Bドープ層を形成する際
に表面荒れが生じ、基板2との強固な接合が不可能であ
る。また、水酸化カリウムKOH水溶液等のアルカリ液
による異方性エッチングによって振動板5を形成する場
合、共通インク室8の底壁部もエッチングをストップさ
せなければならないので、該底壁部に対応する基板1の
下面にも高濃度Bドープ層が形成されなければならな
い。しかしながら、上述の通り、高濃度Bドープ層が形
成された面は表面荒れが生じる。共通インク室8に対応
する基板1の下面が、基板2と強固に接合されなければ
ならないにもかかわらず、高濃度Bドープ層の表面荒れ
のために強固な接合ができなく、歩留まりが低下した
り、吐出不良などが生じるという問題がある。
【0013】またSi−Si直接接合法は1100℃な
どと非常に高温で処理しなければ強固な接合を得ること
ができない。したがって、必然的に基板2の電極に用い
る材料が限られてしまい、特開平6−71882号公報
の例に示されるような不純物拡散による電極となってし
まう。しかし、シリコンに不純物を拡散して形成された
電極は、高温には耐えうるが、金属電極に比べると電気
抵抗が高く、駆動効率が良くない欠点が伴う。
【0014】本発明は、前記課題を鑑みてなされたもの
であり、振動板を精度良く作製し、かつ、電極が形成さ
れた基板2との強固な接合を実現し、歩留まりがよく安
価で、しかも、インク吐出安定性のよいインクジェット
ヘッドを提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、イン
ク液滴を吐出する単一または複数のノズル孔と、前記ノ
ズル孔のそれぞれに連通する吐出室と、前記吐出室の少
なくとも一方の壁を構成する振動板と、前記振動板に変
形を生じさせる駆動手段とを備え、前記駆動手段が前記
振動板を静電気力により変形させる個別電極からなるイ
ンクジェットヘッドにおいて、前記振動板が形成された
基板と前記個別電極が形成された基板との接合が少なく
ともB23層が介されてなされることを特徴としたもの
である。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記振動板のピークB(ホウ素)濃度が5×1019
/cm3以上の濃度からなることを特徴としたものであ
る。
【0017】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記個別電極と対向する前記振動板の面に
23層が存在しないことを特徴としたものである。
【0018】請求項4の発明は、インク液滴を吐出する
単一または複数のノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれ
に連通する吐出室と、前記吐出室の少なくとも一方の壁
を構成する振動板と、前記振動板に変形を生じさせる駆
動手段とを備え、前記駆動手段が前記振動板を静電気力
により変形させる個別電極からなるインクジェットヘッ
ドにおいて、前記振動板が形成された基板と前記個別電
極が形成された基板との接合がシリコンとボロンの化合
物層を酸化させて形成したBSG層が介されてなること
を特徴としたものである。
【0019】請求項5の発明は、インク液滴を吐出する
単一または複数のノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれ
に連通する吐出室と、前記吐出室の少なくとも一方の壁
を構成する振動板と、前記振動板に変形を生じさせる駆
動手段とを備え、前記駆動手段が前記振動板を静電気力
により変形させる個別電極からなるインクジェットヘッ
ドにおいて、前記振動板が形成された基板と前記個別電
極が形成された基板との接合が高濃度B(ホウ素)ドー
プ層から酸化膜にB(ホウ素)を拡散して形成したBS
G層が介されてなることを特徴としたものである。
【0020】請求項6の発明は、インク液滴を吐出する
単一または複数のノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれ
に連通する吐出室と、前記吐出室の少なくとも一方の壁
を構成する振動板と、前記振動板に変形を生じさせる駆
動手段とを備え、前記駆動手段が前記振動板を静電気力
により変形させる個別電極からなるインクジェットヘッ
ドにおいて、前記振動板が形成された基板の面のうち、
前記個別電極が形成された基板を接合した面の反対側の
面に、第3の基板を接合する場合に、前記振動板が形成
された基板と前記第3の基板との接合が少なくともB2
3層が介されてなされることを特徴としたものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の静電型インクジェ
ットヘッドの実施例を図面に従って詳細に説明する。図
1は本発明の第1の実施例によるインクジェットヘッド
の分解斜視図で、一部断面図で示している。本実施例は
インク液滴を基板の面部に設けられたノズル孔から吐出
させるサイドシュータタイプの例を示すものである。
【0022】本発明のインクジェットヘッド200は、
従来の技術で示した場合と同様に、3枚の基板201,
202,203を重ねて接合した積層構造となってい
る。
【0023】中間に位置する第1の基板201は、シリ
コン基板100からなり、底壁を振動板108とする吐
出室116を構成することになる凹部141と、凹部1
41の後部に設けられた流体抵抗117を構成すること
になる細溝142と、各吐出室116にインクを供給す
るための共通インク室118を構成することになる凹部
143とを有する。
【0024】また、本実施例においては、基板100の
下部にはB(ホウ素)ドープ層102を有し、さらに、
23層103が形成されている。また、基板100の
上部にはシリコン窒化膜101が形成されている。
【0025】第1の基板201の下面に接合される下側
の第2の基板202はシリコン基板104からなり、前
記吐出室116の底壁と対向する各々の位置に該底壁の
形状とほぼ同じ形状の電極106を有する。電極106
はリード部144および端子部145を持つ。また、基
板104の上面および下面は電極106,リード部14
4および端子部145を除き、シリコン酸化膜105に
より覆われている。
【0026】第1の基板201の上面に接合される上側
の第3の基板203は第1,第2の基板と同じくシリコ
ン基板110からなり、基板110の面部には前記吐出
室116の凹部141と連通するような位置にノズル孔
111を設け、また、前記の共通インク室118の凹部
143と連通するようにインク供給口147を設けてい
る。インク供給口147は、接続パイプ148およびチ
ューブ149を介して図示していないインクタンクに接
続される。
【0027】図2は本実施例におけるインクジェットヘ
ッドの製造工程を示す図である。図2に従って、製造工
程を以下に説明する。まず、結晶面方位(100)のp
型のシリコンウェハを両面研磨して、第1の基板100
として厚さ200μmのシリコン基板100を作製す
る。該シリコン基板100に減圧化学気相堆積法LP−
CVDによりシリコン窒化膜101を形成した後、該シ
リコン基板100の下面のシリコン窒化膜101をドラ
イエッチングにより除去する(図2(A))。次に、シ
リコン基板100の下面に固体拡散法により850℃で
1時間の条件でB(ボロン、ホウ素)を拡散し、Bドー
プ層102を形成させる。該固体拡散法において、シリ
コン基板100の下面にはドーパントとなるB23層1
03が形成される。(図2(B))。
【0028】次に、シリコン基板100の上面のシリコ
ン窒化膜101に吐出室116、流体抵抗117、共通
インク室118のパターンをフォトリソグラフ技術によ
りパターン形成する(図2(C))。続いて、電極10
6を形成したシリコン基板104からなる第2の基板2
02とパターンのアライメントをして直接接合する(図
2(D))。該直接接合においては、シリコン基板10
0の下面のB23層103とシリコン基板104の上面
に形成されているシリコン酸化膜105とが接合される
ことになる。接合条件として、減圧中にて450℃加熱
で30分の条件で行った結果、強固な接合が得られるこ
とを確認した。すなわち、シリコン基板100の下面に
は、前述のように、Bドープ層102の形成時のドーパ
ントとなるB23層103が形成されており、このB2
3層103は低融点であり、450℃程度の低い温度
においても、シリコン熱酸化膜105に対して強固な接
合が可能となる。
【0029】ここで、図3を用いて、第2の基板202
の製造工程を説明する。まず、両面研磨したシリコン基
板104に熱酸化処理を施し、シリコン基板104の両
面にシリコン熱酸化膜105を形成する(図3
(A))。次に、上面のシリコン酸化膜105上にフォ
トリソグラフ技術により振動板108の形状に対応する
個別電極106形状、リード部144の形状および端子
部145の形状のフォトレジストパターンを形成し、フ
ッ酸系エッチング液によりフォトレジストパターンの開
口部のシリコン酸化膜をエッチングした後、フォトレジ
ストパターンを除去する(図3(B))。次に、エッチ
ングを施した個所すなわち振動板108に対向するそれ
ぞれの位置に振動板108の形状と類似した形状で金属
電極材料をスパッタして、個別電極106を形成し、さ
らに、リード部144および端子部145もスパッタに
より形成して、シリコン基板104を用いた第2の基板
202が完成する(図4(C))。金属電極材料として
は、Au,Al,Ni,Pt,Crなどを一層あるいは
多層にしたものを用いることができる。
【0030】図2(E)に戻って、第1の基板201の
異方性エッチング工程を説明する。水酸化カリウムKO
H水溶液25wt%、80℃中の条件にて、シリコン基
板100の異方性エッチングを行う。振動板108の厚
みが3μmになったところで、異方性エッチングを停止
させた結果、3μm厚の振動板108と金属電極106
とからなる静電型アクチュエータ部が完成する(図2
(E))。なお、異方性エッチングを行う際、封止治具
107にて第2の基板202をKOH水溶液によるエッ
チングから保護している。ただし、第2の基板202の
該エッチング保護方法は封止治具107に限るものでは
なく、第2の基板202に耐エッチング膜、たとえば、
シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などを成膜しておいて
もよい。
【0031】最後に、ノズル111孔を形成した基板1
10からなる第3の基板203を第1の基板201のシ
リコン窒化膜101上に接合することによって、インク
ジェットヘッドが完成する(図2(F))。
【0032】本実施例では、シリコン基板100からな
る第1の基板201と、シリコン基板104からなる第
2の基板202との強固な接合が450℃程度の低温で
行えるため、第2の基板202の電極材料として金属を
用いることができ、電極の電気抵抗を小さくできる。し
たがって、振動板108の駆動効率を向上させ、駆動周
波数を高くすることが可能となる。
【0033】しかしながら、両面研磨したとしても、も
ともとのシリコン基板100の厚さにむらがあるため
に、3μm厚の振動板108を精度良く作製することは
難しい。この解決策としては、p型シリコン基板100
の下面にn型シリコン層をエピタキシャル成長やインプ
ラ、拡散などの手法により形成させて、pn界面を有す
るシリコン基板を作製し、該シリコン基板を電気化学的
な異方性エッチングによってpn界面でエッチングスト
ップさせる方法、あるいは、SOI(Silicon OnInsula
tor)基板を用いて、酸化膜でエッチングをストップさ
せる方法などを使用することによって、振動板108の
厚さを精度良く作製させることが可能になる。
【0034】また、B23層103を形成してから、第
2の基板202との接合までに半日程度の時間が経過す
ると、接合強度が低下する傾向が見られた。前記の時間
が経過している場合、接合した基板201,202を7
00℃〜1100℃で本焼することによって強固な接合
が得られた。ただし、第2の基板202の個別電極材料
には高耐熱性金属を用いる必要がある。あるいは、シリ
コン基板104にP,BあるいはSbなどの不純物をイ
ンプラなどにより、打ち込み、抵抗を下げた拡散層電極
を形成するなどの方法を用いる必要がある。
【0035】本発明では、第2の基板202を構成する
基板104の接合表面がシリコン熱酸化膜としている
が、これに限るものではない。シリコン基板、シリコン
窒化膜あるいはガラスの接合表面を用いても、450℃
程度の低温で、第1の基板201との強固な接合が可能
であった。
【0036】次に、本発明にかかる第2の実施例を図4
に基づいて説明する。前述の第1の実施例においては、
850℃、1時間の条件で第1の基板201であるシリ
コン基板100の下面にB(ホウ素)を拡散したが、本
実施例では、1150℃、2時間の条件でB(ホウ素)
を拡散した。該条件で拡散を行った結果、ピーク値が2
×1020/cm3、深さ3μmでも1×1020/cm3
ある高濃度Bドープ層109が得られた。高濃度Bドー
プ層109の形成の際、前記の第1の実施例の場合と同
様に、シリコン基板100の下面にはB23層103が
形成される(図4(B))。続いて、前述の第1の実施
例の場合と同様の工程により、シリコン基板100の上
面に形成されているシリコン窒化膜101に吐出室11
6,流体抵抗117,共通インク室118のパターンを
パターン形成した後(図4(C))、シリコン基板10
4からなる第2の基板202と直接接合する(図4
(D))。該直接接合においても、シリコン基板100
の下面のB23層103とシリコン基板104の上面の
シリコン酸化膜105とが接合されるものであり、前述
の第1の実施例の場合と同様に、低温での接合が可能で
ある。
【0037】次に、水酸化カリウムKOH水溶液10w
t%、80℃中の条件にて、シリコン基板100の異方
性エッチングを行った。第2の実施例では、シリコン基
板100の下面へのB(ホウ素)の拡散は1150℃、
2時間の条件で行っているので、シリコン基板100の
下部には高濃度Bドープ層109が形成されている。周
知のように、5×1019/cm3以上の高濃度Bドープ
層においては、EDPやKOHなどのアルカリエッチン
グ液によるエッチングレートが極端に低下する。シリコ
ン基板100のエッチングが進み、シリコン基板100
の下面から3μmの位置から形成されている高濃度Bド
ープ層109に達すると、10wt%の水酸化カリウム
KOH水溶液においては、エッチングレートが極端に低
下し、いわゆるエッチングストップとなる(図4
(E))。この結果、シリコン基板100の下面から3
μmの高濃度Bドープ層109が残ることになり、吐出
室116の底壁部においては、厚さ3μmの均一な厚み
を有する振動板108を形成することができた。以降
は、前述の第1の実施例と同じ工程により、インクジェ
ットヘッドが完成する。
【0038】すなわち、本実施例では、高濃度Bドープ
層109によるエッチングストップ技術を用いることに
より、振動板108を均一の厚さ3μmで精度良く作製
することができ、また、B23層103とシリコン酸化
膜105とを介してシリコン基板100とシリコン基板
104とは強固に接合することが可能であるので、ばら
つきが少なく、歩留まりが高く、かつ、信頼性の高いイ
ンクジェットヘッドの実現が可能である。
【0039】また、塗付拡散源たとえば東京応化工業3
M−23、6MK−37、MMK−40などによって形
成したB23層103においても、接合が可能であり、
かつ、塗布拡散によっても、高濃度Bドープ層109の
形成は可能であり、振動板の厚さを精度良く作製でき
た。
【0040】次に、本発明にかかる第3の実施例を図5
に基づいて説明する。インクジェットプリンタの印字速
度を高速にする場合、ノズル孔の数を増やす方法と、イ
ンク吐出の駆動周波数を上げる方法とがある。本発明に
かかる前述の第1および第2の実施例に示すインクジェ
ットヘッドにおいては、インク吐出の駆動周波数を高く
して、高速の印字速度を実現する場合、振動板108と
電極106との間に介在するB23層103に残留する
電荷の影響がでてくる場合がある。この場合、図5のご
とき構成とすることにより、解決することができる。す
なわち、B23層103上にフォトリソグラフ技術によ
り振動板108の形状に相当するフォトレジストパター
ンを形成し、フォトレジストパターンの開口部にあるB
23層をフッ酸系エッチング液により除去した後、フォ
トレジストパターンを除去する(図5(A))。
【0041】続いて、前述の第1および第2の実施例の
場合と同様に、シリコン基板104からなる第2の基板
202と直接接合する(図5(B))。なお、B23
はパターニング工程を経ているため、直接接合における
接合強度が小さく場合がある。この場合、接合直前にフ
ッ酸を用いてライトエッチングすることにより、強固な
接合が得られるようになる。以降は、前述の各実施例と
同じ工程により、インクジェットヘッドが完成する。
【0042】本実施例では、振動板108と個別電極1
06との間にB23層が存在しないので、残留電荷の問
題がなく、インクジェットヘッドの高周波駆動が可能と
なる。なお、必要に応じて、個別電極106の上にプラ
ズマCVD酸化膜などのパシベーション膜を設けても良
い。
【0043】次に、本発明にかかる第4の実施例を図6
に基づいて説明する。前述の第2の実施例において示し
た場合と同様に、シリコン基板100の下部に高濃度B
ドープ層109を、また、シリコン基板100の下面に
23層103を形成する(図6(A))。さらに、シ
リコン基板100の下面に形成されているB23層10
3をフッ酸系エッチング液により除去する(図6
(B))。なお、高濃度Bドープ層109を形成したと
き、高濃度Bドープ層109とB23層103との界面
には極く薄いSiB4層112が形成されている。ま
た、SiB4層112はフッ酸系エッチング液ではエッ
チングされないので、B23層103を除去した後で
も、図6(B)に示すように、シリコン基板100の下
面に極く薄く残っている。次に、800℃、30分の条
件で水蒸気酸化を施すと、SiB4層112は酸化さ
れ、Bが含まれた酸化層(BSG層)113が形成され
る(図6(C))。
【0044】以降は、前述の各実施例の場合と同様に、
シリコン基板100からなる第1の基板201とシリコ
ン基板104からなる第2の基板202とを接合する
が、本実施例においては、酸化層113を介して接合す
ることになる。その他は、前述の各実施例と同じ工程に
よりインクジェットヘッドが完成する。
【0045】前記酸化層113は低融点であるので、前
述の各実施例の場合と同様に、低い温度領域において強
固な接合が可能である。また、高濃度Bドープ層109
作製時に形成されるB23層103よりも、酸化層11
3は駆動時における残留電荷が少ないので、インクジェ
ットヘッドの高周波駆動が可能である。また、B23
103よりも膜厚の制御性がよい。
【0046】次に、本発明にかかる第5の実施例を図7
に基づいて説明する。図7(A)乃至(C)はそれぞれ
図6(A)乃至(C)と全く同じ工程である。次いで、
シリコン基板100の下面に形成されている酸化層11
3をフッ酸系エッチング液により除去する(図8
(D))。この場合、前述の第4の実施例において記載
したように、SiB4層は酸化されて酸化層113とな
ってしまっているので、フッ酸系エッチング液により除
去され、シリコン基板100のシリコン表面が露出す
る。
【0047】次に、さらに、900℃〜1000℃、3
0分の条件で水蒸気酸化を施すと、シリコン基板100
の下表面に酸化層(BSG層)114が形成される(図
7(E))。このとき、高濃度Bドープ層109からB
(ホウ素)が酸化層114側に拡散される温度で酸化し
ているので、酸化層114にはB(ホウ素)が多く含ま
れて、低融点となっている。
【0048】したがって、前述の各実施例の場合と同様
な方法により強固な接合が可能となる。また、本実施例
において形成された酸化層114も駆動時における残留
電荷が少ないので、インクジェットヘッドの高周波駆動
が可能である。また、酸化層114の厚さは水蒸気酸化
の温度と時間をパラメータとして高精度に制御でき、か
つ、層全面の厚さの均一性も達成できるので、ばらつき
の少ないインクジェットヘッドが作製できる。
【0049】なお、第4および第5の各実施例におい
て、酸化層を形成する方法として、水蒸気酸化を例とし
て示しているが、ドライ酸化法を用いることも可能であ
る。
【0050】次に、本発明にかかる第6の実施例を図8
に基づいて説明する。本実施例は第1の基板201の上
面に接合して、吐出室116等を形成する第3の基板2
03の製造方法に関するものである。すなわち、図8
(A)に示すように、両面研磨した結晶面方位(10
0)のシリコン基板115の下面に固体拡散法により8
50℃で1時間の条件でB(ホウ素)を拡散し、Bドー
プ層121およびB23層122を形成する。
【0051】一方、第1の基板201を構成するシリコ
ン基板100に対して、たとえば、前述の第2,第4ま
たは第5の実施例における場合と同様の方法を用いて、
下部に高濃度Bドープ層109を形成した後、吐出室1
16、液体抵抗溝120、ノズル溝119および共通イ
ンク室118を形成し、さらに、シリコン基板104か
らなる第2の基板202を直接接合する。なお、本実施
例においては、ノズル溝119が第1の基板201の端
部に設けられるエッジシュータタイプのインクジェット
ヘッドを構成できるように、上述のごとく、ノズル溝1
19の細溝も形成されている。
【0052】次に、下面にB23層122が形成された
シリコン基板115からなる第3の基板203を、シリ
コン基板100からなる第1の基板201の上面にB2
3層122を介して接合し、インクジェットヘッドを
完成させる(図8(B))。なお、接合条件は前述の各
実施例に示した場合と同様に450℃、30分の条件で
ある。
【0053】また、図8(B)は吐出室116の長手方
向からみた断面図を示すものであり、第1の基板201
を構成するシリコン基板100の端部にノズル溝119
が形成されており、インク液滴がノズル溝119から噴
射される、いわゆる、エッジシュータタイプのインクジ
ェットヘッドを構成している。
【0054】本実施例のインクジェットヘッドにインク
を封入して吐出室116等のインク液リークチェックを
行ったところ、インクジェットヘッドとして十分な封止
ができていることがわかった。また、B23層122は
樹脂接着剤などに比べ剛性が高く、インク噴射時の吐出
エネルギーのロスを少なくできるので、インクの吐出速
度を速くすることが可能であり、印字品質を向上させる
ことができる。
【0055】また、本発明にかかる第7の実施例を図
9,図10に基づいて説明する。本実施例は吐出室11
6、共通インク室118を構成することになる各凹部お
よび流体抵抗溝120、ノズル孔119を構成すること
になる細溝を前記の第3の基板203の下部に形成する
ものである。まず、電極106を形成したシリコン基板
104からなる基板202の上面に、シリコン基板12
3を接合する(図9(A))。次に、シリコン基板12
3を厚さ3μmまでエッチングし、振動板108を得る
(図9(B))。次に、個別電極106取り出し部をド
ライエッチングで開口する(図9(C))。
【0056】次に、前記の第3の基板203に相当する
基板の製造工程を図10にしたがって説明する。まず、
シリコン基板124にシリコン窒化膜125を形成した
後、シリコン基板124の下面のシリコン窒化膜125
に、吐出室116、共通インク室118、ノズル溝11
9、流体抵抗溝120などのパターンを形成し(図10
(A))、水酸化カリウムKOH水溶液によって窒化膜
パターン開口部を異方性エッチングする(図10
(B))。次に、エッチングマスクとなっていたシリコ
ン窒化膜125を除去し、シリコン基板124だけにす
る(図10(C))。次に、シリコン基板124の下面
に前述の第6の実施例と同様の手法によりB23層12
2およびBドープ層121を形成する(図10
(D))。ここで、図10(C)においてエッチングマ
スクとなっていたシリコン窒化膜125を除去したが、
該シリコン窒化膜125を除去ぜずに、B23層122
を形成しても良い。ただし、この場合、シリコン窒化膜
125が存在している個所にはBドープ層121が形成
されないことになる。
【0057】最後に、図9(C)で作成された構造体と
図10(D)の構造体とを前述の各実施例に示した場合
と同様の手法により接合することによって、インクジェ
ットヘッドが完成する(図9(D))。
【0058】また、前述の各実施例においては、結晶面
方位(100)のシリコン基板を例としてあげたが、結
晶面方位(110)のシリコン基板を用いることもでき
る。結晶面方位(110)のシリコン基板では、(11
1)結晶面が(110)結晶面の基板表面と<211>
方向で垂直に交わっており、すなわち、アルカリ液を用
いた異方性エッチングにより基板表面に対して垂直な壁
構造を形成することができる。このことを利用してノズ
ル、吐出室などからなるインクジェット構成単位を多数
配置する場合のピッチ間隔を狭めて、ノズルの高密度化
を実現することができる。
【0059】
【発明の効果】(1)請求項1の作用効果 請求項1のインクジェットヘッドにおいては、振動板を
構成する基板と個別電極が形成される基板との接合が少
なくともB23層が介されてなされるので、450℃程
度の低温で双方の基板の強固な接合が可能である。した
がって、個別電極材料として金属を用いることができ、
個別電極の電気抵抗を小さくできるので、振動板の駆動
効率を向上させ、駆動周波数を高くすることができる。
【0060】(2)請求項2の作用効果 請求項2のインクジェットヘッドにおいては、振動板の
B(ボロン、ホウ素)ピーク濃度が5×1019/cm3
以上であるので、高濃度Bドープ層に基づくエッチング
ストップ技術を用いることにより、振動板を均一の厚さ
で精度良く作製できる。また、B23層を介することに
より、基板100と基板104とは強固な接合が可能で
あるので、ばらつきが少なく、歩留まりが高く、かつ、
信頼性の高いインクジェットヘッドの実現が可能であ
る。
【0061】(3)請求項3の作用効果 請求項3のインクジェットヘッドにおいては、個別電極
と対向する振動板の面にはB23層がないので、残留電
荷の問題がなく、インクジェットヘッドの高周波駆動が
可能となる。
【0062】(4)請求項4の作用効果 請求項4のインクジェットヘッドにおいては、BSG層
はSiB4層を酸化して形成されるので、高濃度Bドー
プ層作製時に形成されるB23層よりも駆動時における
残留電荷が少なく、インクジェットヘッドの高周波駆動
が可能である。
【0063】(5)請求項5の作用効果 請求項5のインクジェットヘッドにおいては、BSG層
が高濃度Bドープ層から酸化膜にB(ホウ素)を拡散し
て形成されるので、該BSG層は駆動時における残留電
荷が少なく、インクジェットヘッドの高周波駆動が可能
である。また、前記BSG層の厚さは水蒸気酸化の温度
と時間をパラメータとして高精度に制御でき、かつ、層
全面の厚さの均一性も達成できるので、ばらつきの少な
いインクジェットヘッドが作製できる。
【0064】(6)請求項6の作用効果 請求項6のインクジェットヘッドにおいては、振動板が
形成された基板と第3の基板との接合が少なくともB2
3層が介されてなされるので、強固な接合が可能であ
る。したがって、インク噴射時の吐出エネルギーのロス
が少なく、吐出速度を速くすることが可能であり、印字
品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるインクジェットヘッドの第1
の実施例を示す分解斜視図である。
【図2】 本発明にかかる第1の実施例における製造工
程図である。
【図3】 本発明にかかる第1の実施例における第2の
基板の製造工程図である。
【図4】 本発明にかかる第2の実施例における第1お
よび第2の基板の製造工程図である。
【図5】 本発明にかかる第3の実施例における第1お
よび第2の基板の製造工程図である。
【図6】 本発明にかかる第4の実施例における第1の
基板の製造工程図である。
【図7】 本発明にかかる第5の実施例における第1の
基板の製造工程図である。
【図8】 本発明にかかる第6の実施例を示す第3の基
板の製造工程と該第3の基板を用いたインクジェットヘ
ッドの断面図である。
【図9】 本発明にかかる第7の実施例における製造工
程図である。
【図10】 本発明にかかる第7の実施例における上側
の基板の製造工程図である。
【図11】 従来のインクジェットヘッドの一実施例を
示す分解斜視図である。
【図12】 従来のインクジェットヘッドの一実施例に
おける第1の基板の製造工程図である。
【符号の説明】
1…第1の基板、2…第2の基板、3…第3の基板、4
…ノズル孔、5…振動板、6…吐出室、7…流体抵抗、
8…共通インク室、10…インクジェットヘッド、1
2,14,25…凹部、13…細溝、21…電極、22
…リード部、23…端子部、24…絶縁部、31…イン
ク供給口、32…接続パイプ、33…チューブ、41
a,41b…シリコン酸化膜、65…シリコン基板、6
6…高濃度Bドープ層、67…シリコン基板露出部、7
1…エッチング終点検出用パターン、72…貫通孔、1
00,104,110,115…シリコン基板、101
…シリコン窒化膜、102…Bドープ層、103…B2
3層、105…シリコン酸化膜、106…個別電極、
107…封止治具、108…振動板、109…高濃度B
ドープ層、111…ノズル孔、112…SiB4層、1
13,114…BSG層、116…吐出室、117…流
体抵抗、118…共通インク室、119…ノズル溝、1
20…流体抵抗溝、121…Bドープ層、122…B2
3層、123,124…シリコン基板、125…シリ
コン窒化膜、141,143…凹部、142…細溝、1
44…リード部、145…端子部、147…インク供給
口、148…接続パイプ、149…チューブ、200…
インクジェットヘッド、201…第1の基板、202…
第2の基板、203…第3の基板。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク液滴を吐出する単一または複数の
    ノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室
    と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板
    と、前記振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備え、
    前記駆動手段が前記振動板を静電気力により変形させる
    個別電極からなるインクジェットヘッドにおいて、前記
    振動板が形成された基板と前記個別電極が形成された基
    板との接合が少なくともB23層が介されてなされるこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記振動板のピークB(ホウ素)濃度が5×
    1019/cm3以上の濃度からなることを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のインクジェッ
    トヘッドにおいて、前記個別電極と対向する前記振動板
    の面にB23層が存在しないことを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  4. 【請求項4】 インク液滴を吐出する単一または複数の
    ノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室
    と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板
    と、前記振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備え、
    前記駆動手段が前記振動板を静電気力により変形させる
    個別電極からなるインクジェットヘッドにおいて、前記
    振動板が形成された基板と前記個別電極が形成された基
    板との接合がシリコンとボロンの化合物層を酸化させて
    形成したBSG層が介されてなることを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 インク液滴を吐出する単一または複数の
    ノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室
    と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板
    と、前記振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備え、
    前記駆動手段が前記振動板を静電気力により変形させる
    個別電極からなるインクジェットヘッドにおいて、前記
    振動板が形成された基板と前記個別電極が形成された基
    板との接合が高濃度B(ホウ素)ドープ層から酸化膜に
    B(ホウ素)を拡散して形成したBSG層が介されてな
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 インク液滴を吐出する単一または複数の
    ノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室
    と、前記吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板
    と、前記振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備え、
    前記駆動手段が前記振動板を静電気力により変形させる
    個別電極からなるインクジェットヘッドにおいて、前記
    振動板が形成された基板の面のうち、前記個別電極が形
    成された基板を接合した面の反対側の面に、第3の基板
    を接合する場合に、前記振動板が形成された基板と前記
    第3の基板との接合が少なくともB23層が介されてな
    されることを特徴とするインクジェットヘッド。
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