JP2001315043A - 試験片の研削装置 - Google Patents

試験片の研削装置

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JP2001315043A
JP2001315043A JP2000133303A JP2000133303A JP2001315043A JP 2001315043 A JP2001315043 A JP 2001315043A JP 2000133303 A JP2000133303 A JP 2000133303A JP 2000133303 A JP2000133303 A JP 2000133303A JP 2001315043 A JP2001315043 A JP 2001315043A
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Japan
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grinding
workpiece
test piece
grindstone
rotation
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Yoshihiko Wajima
善彦 輪嶋
Mitsumoto Kawai
光幹 川合
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 残留応力が零近傍であること、表面粗度が良
いこと、および複数個を製作した場合に個体間の誤差が
小さいことに加え、その表面に負荷軸に対して平行な研
磨跡が存在するテストピースを製作することが可能な試
験片の研削装置を提供する。また、研削(あるいは研
磨)に要する時間を減少させる。 【解決手段】 研削手段を回転自在な円柱状の砥石28
から構成すると共に、前記砥石の回転中心軸30を、テ
ストピース16の回転中心軸20(負荷軸)に平行な線
とが空間内で直交する如く構成する。また、研削加工す
る際に、砥石の円筒面28aがワークピースの平行部
(中央の平坦部)16aに接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、試験片の研削装
置に関し、より詳しくは、丸棒状の被加工片(以下「ワ
ークピース」という)を研削加工して疲労試験を行うた
めの試験片(以下「テストピース」という)を製作する
ための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両や航空機用の部材は、その強度デー
タを確認する必要がある。その強度データを得るため
に、部材からJIS,ASTM(米国材料学会)などで
規定される一定形状のテストピースを製作し、材料試験
を行っている。
【0003】繰返し荷重によるテストピースの破断は通
常表面近傍から起こるため、疲労試験の精度はテストピ
ースの表面近傍の性状に大きく影響を受ける。従って、
その影響を回避するため、疲労試験を行うためのテスト
ピースは、加工の際に表面近傍に残留する応力が零ある
いは零付近であることが望ましい。
【0004】加工時の押しつけの際に負の残留応力、即
ち圧縮の残留応力が生じてしまうとテストピースの強度
が真の値よりも高くなり、テストピース材料を利用した
製品を製造したときに、設計値よりも実強度が低く、破
損に至る恐れがある。また、加工によって表面に熱を生
じ、引張りの残留応力が残留していると、テストピース
の強度が真の値よりも弱くなり、最大強度を測定すると
きの精度が低下する恐れがある。
【0005】疲労試験用のテストピースとして求められ
る他の条件として、形状的な応力の集中を防ぐという意
味から、表面の粗度が均一であることが挙げられる。ま
た、通常のテストピースは複数個製作される場合が多
く、その個体間におけるバラツキを許容範囲に止める必
要があることも言うまでもない。
【0006】これらの条件に加え、上述のような疲労試
験用テストピースにおいては、その表面に、負荷軸(ひ
ずみ軸:引張りをかける方向の軸)に対して平行な研磨
痕が形成されることが要求される。これは、テストピー
スの表面に負荷軸に対して直角な研磨痕が残存すると、
疲労試験を行った際にクラックなどが入り易くなり、試
験精度を低下させるためである。
【0007】これらの要求条件を満たすテストピースを
製作するために、従来はワークピースを研削または切削
加工した後に研磨紙を用い、手作業または治具を用いて
1本(個)毎に負荷軸方向(ワークピースの回転中心軸
方向)に研磨を行っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手作業
による研磨では残留応力が大きく残存すると共に、個体
毎の再現性を確保することが難しいなどの欠点があっ
た。図9は、前記した治具(図示せず)を用いてテスト
ピースを研磨加工する手法、所謂テープ研磨により研磨
加工したテストピース表面の拡大写真であるが、同図に
示す如く、手作業による場合は、負荷軸に対して平行な
研磨痕を形成するのが困難であった。また、手作業によ
る研磨では、1本当たり1時間程度の研磨時間が必要と
された。
【0009】他方、比較的簡単に軸方向研磨が可能な円
柱状砥石による機械式の研磨も行われているが、成功例
は見られていない。その原因として、砥石が研削加工さ
れるべき材料よりも硬いものが使用されていることや、
回転数の比や、砥石の回転方向が最適に設定されていな
いことなどが挙げられる。
【0010】さらに、テストピースを製作する際には、
ワークピースの中間部を粗削りして径小部(以下「平行
部」という)を形成すると共に、ワークピースの両端
を、疲労試験の際に保持が容易となるように径大に形成
する必要がある。この場合、平行部と径大部との境界部
分(以下「肩部」という)は、前記した各種の規格で定
められる適宜な曲率を保持しながら徐々に拡径させなけ
ればならない。このように形成されたテストピースに上
述のような疲労試験を施す場合、この肩部の表面も、前
記した条件が要求される。
【0011】上述の研削手法とは別に、円柱状の砥石を
回転させつつ、その底面でワークピースを研磨する、所
謂カップ面研磨機も提案されている。かかるカップ面研
磨機は、残留応力が少ないテストピースを製作できるな
どの長所を備えるものの、軸方向に対して平行な研磨痕
を形成することができず、また、肩部における前記した
JIS等で規定される曲率を精度良く形成することや、
平行部を平坦に研削することが困難であった。
【0012】この発明の目的は上記した不都合を解消す
ることにあり、具体的には、所要の条件を備えると共
に、表面に軸方向に対して平行な研磨痕が所望の通り形
成されるようなテストピースを製作することが可能な試
験片の研削装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1項にあっては、ワークピースを研削手
段で研削加工することにより試験片として完成させる試
験片の研削装置において、前記研削手段を回転自在な円
柱状の砥石から構成し、前記円柱状の砥石の回転中心軸
と前記ワークピースの回転中心軸に平行な線とが空間内
で直交するように前記ワークピースに接触させ、少なく
とも前記ワークピースと前記砥石とのいずれか一方を回
転させて研削あるいは研磨加工する如く構成した。
【0014】研磨手段を回転自在な円柱状の砥石から構
成すると共に、前記円柱状の砥石の回転中心軸と前記ワ
ークピースの回転中心軸に平行な線とが空間内で直交す
るように構成したので、その表面に負荷軸(回転中心
軸)に対して平行な研磨痕が形成されるようなテストピ
ースを製作することができる。
【0015】請求項2項にあっては、前記ワークピース
と前記砥石を共に回転させて研削加工する如く構成し
た。
【0016】前記ワークピースと前記砥石の外周面を共
に回転させる如く構成したので、前記した負荷軸(ワー
クピースの回転中心軸)に対して平行な研磨痕を、一層
確実に形成することができる。
【0017】請求項3項にあっては、前記円柱状の砥石
の外周面を前記ワークピースに接触させて研削加工する
如く構成した。
【0018】円柱状の砥石の外周面を前記ワークピース
に接触させる如く構成したので、請求項1項の作用に加
え、肩部の研削加工が容易になると共に、砥石とワーク
ピースとが接触する部分における砥石の磨耗が均一とな
る。
【0019】請求項4項にあっては、前記円柱状の砥石
の回転数が、前記ワークピースの回転数の100倍から
200倍の間に設定される如く構成した。
【0020】円柱状の砥石の回転数が、前記ワークピー
スの回転数の100倍から200倍の間に設定される如
く構成したので、前記した作用に加えて、上記の研磨痕
を負荷軸(ワークピースの回転中心軸)と平行に形成す
ることができる。
【0021】請求項5項にあっては、前記円柱状の砥石
を、前記ワークピースの回転中心軸に平行な方向に相対
移動させつつ前記ワークピースに接触させて研削加工す
る如く構成した。
【0022】円柱状の砥石を、前記ワークピースの回転
中心軸に平行な方向に移動させる如く構成したので、前
記した作用に加え、負荷軸(ワークピースの回転中心
軸)と平行な研磨痕を、より一層確実に形成することが
できる。
【0023】請求項6項にあっては、前記ワークピース
は丸棒状であって、所定深さの径小部、即ち平行部を備
え、前記径小部(平行部)を研削加工してテストピース
として完成させるものであると共に、前記円柱状の砥石
を、前記ワークピースが1回転する間に、その幅方向の
距離の2倍以下の距離を移動させて研削加工する如く構
成した。
【0024】円柱状の砥石は、ワークピースが1回転す
る間、砥石幅の2倍の距離以下を移動させて、換言すれ
ば、円柱状の砥石がワークピースの平行部に接触したと
き、径大部の延長線により切り取られる切片に対応する
距離(砥石幅の2倍に相当する距離)以下を移動して研
削加工する如く構成したので、前記した作用に加え、一
層高精度で略同形状のテストピースを複数個製作するこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即してこの発明
の一つ実施の形態に係る試験片の研削装置を説明する。
【0026】図1は、この実施の形態に係る試験片の研
削装置を全体的に示す概略上面図であり、図2および図
3はその装置における、研削加工を行う部分に焦点を置
いて示す模式図である。尚、図2は図1と同様の上面図
であり、図3は図1に符号aで示す矢印の方向から見た
側面図である。
【0027】以下、図1から図3を併せて参照して説明
すると、試験片の研削装置は基台10を備える。基台1
0の上には、適宜なスライド構造(図示せず)を有する
スライドテーブル12が設置され、スライドテーブル1
2は、スライド溝14に沿って図1に示すx軸と平行な
方向に移動可能に構成される。
【0028】スライドテーブル12の上には研削加工す
べき丸棒状のワークピース16を把持固定する把持部1
8が設けられ、把持部18は、ワークピース16の一端
をチャック18aで把持して固定する。ここで、ワーク
ピース16は、丸棒が円柱状に粗削りされた後、中間に
平行部(図3に良く示す)16aおよび肩部16bを有
する形状に前処理(加工)されてなる。このようなワー
クピース16を把持部18に固定して研削加工をする。
【0029】また、ワークピース16に対して把持部1
8と対向する位置には保持部22が固定され、前記ワー
クピース16の他の一端を保持する。尚、ワークピース
16には、保持される側の端面においてワークピース1
6の回転中心軸(以下「ワークピース回転軸線」とい
う)20を中心として保持孔(図示せず)が穿設され
る。この保持孔には保持部22の回転部22aの先端
(図示せず)が挿入されて保持される。また、把持部1
8および回転部22aは、これらが把持するワークピー
ス回転軸線20を中心として回転可能に構成される。
【0030】また、基台10の上でスライドテーブル1
2の側方には砥石台24が設けられ、砥石回転軸26を
介し、例えば、ポリビニルアルコール素材からなる円柱
状の砥石28を支持する。砥石回転軸26および砥石2
8は、砥石28の回転中心軸(以下「砥石回転軸線」と
いう)30を中心に回転するように駆動される。さら
に、図2および図3に良く示すように、研削加工時に
は、砥石回転軸線30とワークピース回転軸線20に平
行な線とが空間内で直交すると共に、砥石28の外周面
28aがワークピース16の研削箇所に接触するように
配置される。尚、砥石台24は、ステー32を介して基
台10に固定された砥石台昇降部34に連結される。
【0031】上述の把持部18は適宜な減速機構(図示
せず)を介して第1のモータ36に接続されると共に、
砥石28は適宜な減速機構(図示せず)を介して第2の
モータ38に接続されて適宜な回転数(後述)で回転さ
せられる。また、基台10のスライド溝14の付近には
第3のモータ40が備え、スライドテーブル12をx軸
方向に移動させる。
【0032】また、砥石台昇降部34内には適宜なアク
チュエータ(図示せず)が配置され、砥石台24を紙面
に対して垂直方向(図3のz軸方向)に昇降させる。
【0033】前記第1から第3のモータ36,38,4
0は、マイクロコンピュータからなる電子制御ユニット
(以下「ECU」と言う)50に接続されると共に、E
CU50には図示しないキーボードなどの入力手段が接
続される。
【0034】図1装置は、その入力手段からECU50
に入力された指令に基づいて、ワークピース16および
砥石28の回転数が制御される。また、砥石台昇降部3
4内に配置されたアクチュエータも、同様にECUに接
続されて砥石台24の昇降が制御される。
【0035】図1装置を用いたテストピースの製作工程
を説明すると、先ず、前述したように、丸棒が円柱状に
粗削りされた後、中間に平行部(図3に良く示す)16
aおよび肩部16bを有する形状に前処理(加工)する
ことによりワークピース16を製作し、それを把持部1
8および回転部22aの間に固定する。
【0036】次いで、前記砥石台昇降部34の位置を調
節して砥石28の外周面28aをワークピース16の平
行部16aに接触させると共に、図1のx軸方向にスラ
イドテーブル12を移動させる。即ち、ワークピース回
転軸線20に平行な方向に相対移動させつつ砥石28を
回転させ研削加工を行う。
【0037】尚、外周面28aを接触させて研削加工す
ると、そのワークピース16の平行部16aとの接触部
分が溝状に摩耗するが、平行部16aの形状に倣って摩
耗するため、加工形状の精度には影響がない。
【0038】次いで、テストピースを研削加工する際の
研削条件(以下「パラメータ」という)について説明す
る。この実施の形態にあっては、各パラメータは以下の
ように設定した。
【0039】先ず、砥石28の使用周速について説明す
る。この実施の形態において、砥石28として前述のよ
うにポリビニルアルコール製の砥石を用いる。砥石28
の回転数N〔rpm〕と周速〔m/min〕とは、図4
に示すような関係にある。従って、肩部16bの形状
(曲率)に合わせて直径32から50〔mm〕の市販の
砥石を選択すると共に、その回転数N〔rpm〕の最大
値が1000から20000〔rpm〕で可変となるよ
うに設定した。
【0040】発明者が知見した限り、砥石28とワーク
ピース16の回転数の比として、砥石28の回転数N
〔rpm〕をワークピース16の回転数n〔rpm〕の
100倍から200倍とするのが適当であった。これ
は、ワークピース16の回転数に対して砥石28の回転
数が低下(100倍以下)すると、ワークピース回転軸
線20(負荷軸方向)に平行な研磨痕を形成することが
できないためである。
【0041】以上から、ワークピース16の回転数n
〔rpm〕を適宜設定する。尚、前記回転数n〔rp
m〕は、50から1000〔rpm〕程度の範囲で可変
であることが望ましい。
【0042】また、発明者が知見したところ、砥石28
は前記ワークピース16が1回転する間に、x軸方向に
おいて図5にLで示す距離(砥石幅)の2倍以下の距離
を移動する必要があった。これは、その間に砥石28が
2L以下の距離を移動しないと、研削部分にネジ状の凸
部が形成されてしまうからである。
【0043】尚、図5に良く示すような平行部16aお
よび肩部16bに砥石28が接触した際に、研削加工前
の丸棒状のワークピース16と干渉する距離(ワークピ
ースに対する砥石の切込量)dは、干渉角度(砥石28
の中心軸から平行部16aへの法線と加工前の丸棒状の
ワークピースと干渉し始める部分のなす角度)θを用い
て、次のように表される。 d=R(1−cosθ),ただし、Rは砥石の半径 また、砥石幅Lは、次のように表される。 L=2Rsinθ 以上から、d=20〔μm〕,R=25〔mm〕の際の
砥石幅Lは、以下の如く求められる。 L=25sin{cos-1(1−0.020/25)} =0.9998〔mm〕 従って、ワークピース16が1回転(rev)する際の
砥石28の送り(速度)f(=2L)は、次のよう求め
られる。 f≒2〔mm/rev〕
【0044】次いで、ワークピース16表面の面粗度に
ついて説明する。
【0045】一般的に、被加工物(ワークピース)が1
回転する間に、半径Rの砥石を送り(速度)fで移動さ
せた場合の表面の凹凸の高さ(表面粗度)の理論的な最
大高さRmaxは、以下のように表される。 Rmax=f2 /8R 従って、上述のパラメータで研削加工を行って、仕上げ
時の表面粗度を0.8〔μm〕以下にするための送り
(速度)fは次のように求められる。 f≦0.4〔mm/rev〕
【0046】尚、送り(速度)fは砥石幅Lに対して、
0.75(粗研磨)から0.12(仕上げ研磨)以下が
望ましいが、この場合の一本当りの研削加工時間は、例
えば研削長が19〔mm〕の平行部16aを研磨する場
合、以下のようになる。 粗研磨:移動速度750μm/回転で、25回転=7.
5〔sec〕 仕上研磨:移動速度120μm/回転で、160回転=
48〔sec〕 このように、前記した手作業による研磨に要する時間
(1時間程度)に比し、大幅な研磨時間の短縮を行うこ
とができた。
【0047】図6は、各種の手法で研磨されて完成され
たテストピースについてX線による残留応力の測定結果
を示すグラフ図であるが、この図から上述のパラメータ
で研磨した場合、従来技術に係る研削手法と比し、表面
近傍の残留応力が零あるいは零付近に抑えることができ
た。
【0048】また、仕上げの精度は図7に示すようにな
り、従来技術に係る研削手法に比して工作精度を向上さ
せることができた。尚、図6および図7において、「円
柱面研磨」が図1装置による研磨である。
【0049】さらに、図8(a)(b)の表面の拡大写
真に示すように、大略軸方向の研磨痕を形成することが
できた。尚、図8(a)は#600の砥石を、図8
(b)は#2000の砥石を使用した場合を示す。
【0050】この実施の形態に係る試験片の研削装置
は、上述のように構成したことにより、テストピースの
表面近傍の残留応力を零あるいは零付近に止めることが
でき、表面粗度が良く、および形状精度を確保すること
ができた。それに加え、表面に負荷軸(ワークピースの
回転中心軸)に対して平行な研磨痕が形成されるような
テストピースを製作することができた。
【0051】また、円柱面を接触させて研削加工するの
で、テストピースにおける肩部の研削加工が容易になる
と共に、砥石の磨耗が均一となる。よって、同形状のテ
ストピースを複数個製作するときの製作バラツキを許容
範囲内に抑えることができる。
【0052】上記の如く、この実施の形態においては、
ワークピース16を研削手段で研削加工することにより
試験片(テストピース)として完成させる試験片の研削
装置において、前記研削手段を回転自在な円柱状の砥石
28から構成し、前記円柱状の砥石の回転中心軸(砥石
回転軸線30)と前記ワークピースの回転中心軸(ワー
クピース回転軸線20)に平行な線とが空間内で直交す
るように前記ワークピースに接触させ、少なくとも前記
ワークピースと前記砥石とのいずれか一方を回転させて
研削あるいは研磨加工する如く構成した。
【0053】また、前記ワークピースと前記砥石を共に
回転させて研削加工する如く構成した。
【0054】また、前記円柱状の砥石の外周面28aを
前記ワークピースに接触させて研削加工する如く構成し
た。
【0055】また、前記円柱状の砥石の回転数Nが、前
記ワークピースの回転数nの100倍から200倍の間
に設定される如く構成した。
【0056】また、前記円柱状の砥石を、前記ワークピ
ースの回転中心軸に平行な方向に相対移動させつつ前記
ワークピースに接触させて研削加工する如く構成した。
【0057】また、前記ワークピースは丸棒状であって
所定深さdの径小部(平行部16a)を備え、前記径小
部を研削加工して試験片として完成させるものであると
共に、前記円柱状の砥石を、前記ワークピースが1回転
する間に、その幅方向の距離Lの2倍以下の距離を移動
させて研削加工する如く構成した。
【0058】この実施の形態にあっては、中間に平行部
を有する円筒状のワークピースを研削加工したが、この
形状に限らず、図1装置を用いて多角形状など多種の形
状のワークピースの研削加工に応用することができる。
【0059】この実施の形態にあっては、ワークピース
回転軸線20を中心とした保持孔を保持部側のみに穿設
するように構成したが、把持部側に穿設しても良い。ま
た、保持部側および把持部側の両方に穿設しても良い。
【0060】
【発明の効果】請求項1項にあっては、研磨手段を回転
自在な円柱状の砥石から構成すると共に、前記円柱状の
砥石の回転中心軸と前記ワークピースの回転中心軸に平
行な線とが空間内で直交するように前記ワークピースに
接触させるように構成したので、その表面に負荷軸(ワ
ークピースの回転中心軸)に対して平行な研磨痕が形成
されるようなテストピースを製作することができる。
【0061】請求項2項にあっては、前記ワークピース
と前記砥石を共に回転させる如く構成したので、前記し
た負荷軸(ワークピースの回転中心軸)に対して平行な
研磨痕を、一層確実に形成することができる。
【0062】請求項3項にあっては、円柱状の砥石の外
周面を前記ワークピースに接触させる如く構成したの
で、請求項1項の作用に加え、テストピースにおける肩
部の研削加工が容易になると共に、砥石とワークピース
とが接触する部分における砥石の磨耗が均一となる。
【0063】請求項4項にあっては、円柱状の砥石の回
転数が、前記ワークピースの回転数の100倍から20
0倍の間に設定される如く構成したので、前記した作用
に加えて、上記の研磨痕を負荷軸(ワークピースの回転
中心軸)と平行に形成することができる。
【0064】請求項5項にあっては、円柱状の砥石を、
前記ワークピースの回転中心軸に平行な方向に移動させ
る如く構成したので、前記した作用に加え、一層確実に
上記の研磨痕を、ワークピースの回転中心軸と平行に形
成することができる。
【0065】請求項6項にあっては、円柱状の砥石は、
ワークピースが1回転する間、砥石幅の2倍の距離以下
を移動させて、換言すれば、円柱状の砥石がワークピー
スの平行部に接触したとき、径大部の延長線により切り
取られる切片に対応する距離(砥石幅の2倍に相当する
距離)以下を移動して研削加工する如く構成したので、
前記した作用に加え、一層高精度で略同形状のテストピ
ースを複数個製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この実施の形態に係る試験片の研削装
置を全体的に示す概略上面図である。
【図2】図1装置における、研削加工を行う部分に焦点
を置いて拡大して示す模式図である。
【図3】図1装置における、研削加工を行う部分に焦点
を置いて拡大して示す、図2と同様な模式図である。
【図4】図1装置における、砥石の選択パラメータにつ
いて説明する、砥石回転数と砥石周速との関係を示す説
明図である。
【図5】図1装置における、砥石のx軸方向の移動速度
を説明するために、それらの位置関係を示す説明図であ
る。
【図6】図1装置によって製作されるテストピースの表
面近傍におけるX線により残留応力を示す実測図であ
る。
【図7】図1装置よって製作されるテストピースの形状
精度を説明するための実測図である。
【図8】図1装置における、テストピース表面の研削跡
を示す拡大写真である。
【図9】従来技術に係る、研磨(テープ研磨)による、
テストピース表面の研磨痕を示す説明図拡大写真であ
る。
【符号の説明】
16 ワークピース 16a 平行部(径小部) 16b 肩部 20 ワークピースの回転中心軸(ワークピース回転
軸線) 28 砥石 28a 外周面 30 砥石の回転中心軸(砥石回転軸線) d 所定深さ(ワークピースに対する砥石の切込
量) L 砥石幅 n ワークピースの回転数 N 砥石の回転数

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークピースを研削手段で研削加工する
    ことにより試験片として完成させる試験片の研削装置に
    おいて、前記研削手段を回転自在な円柱状の砥石から構
    成し、前記円柱状の砥石の回転中心軸と前記ワークピー
    スの回転中心軸に平行な線とが空間内で直交するように
    前記ワークピースに接触させ、少なくとも前記ワークピ
    ースと前記砥石とのいずれか一方を回転させて研削ある
    いは研磨加工することを特徴とする試験片の研削装置。
  2. 【請求項2】 前記ワークピースと前記砥石を共に回転
    させて研削加工することを特徴とする請求項1項記載の
    試験片の研削装置。
  3. 【請求項3】 前記円柱状の砥石の外周面を前記ワーク
    ピースに接触させて研削加工することを特徴とする請求
    項1項または2項記載の試験片の研削装置。
  4. 【請求項4】 前記円柱状の砥石の回転数が、前記ワー
    クピースの回転数の100倍から200倍の間に設定さ
    れることを特徴とする請求項1項から3項のいずれかに
    記載の試験片の研削装置。
  5. 【請求項5】 前記円柱状の砥石を、前記ワークピース
    の回転中心軸に平行な方向に相対移動させつつ前記ワー
    クピースに接触させて研削加工することを特徴とする請
    求項1項から4項のいずれかに記載の試験片の研削装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ワークピースは丸棒状であって、所
    定深さの径小部を備え、前記径小部を研削加工して試験
    片として完成させるものであると共に、前記円柱状の砥
    石を、前記ワークピースが1回転する間に、その幅方向
    の距離の2倍以下の距離を移動させて研削加工すること
    を特徴とする請求項5項記載の試験片の研削装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100909429B1 (ko) 2008-01-04 2009-07-28 재단법인 한국화학시험연구원 플라스틱 시험편 가공장치
CN107234508A (zh) * 2017-07-21 2017-10-10 贵州大学 一种用于圆柱漏斗形疲劳试样自动研磨及抛光装置
JP2019048355A (ja) * 2017-09-11 2019-03-28 新日鐵住金株式会社 棒状試験片の表面研磨装置および表面研磨方法
CN113927466A (zh) * 2021-10-29 2022-01-14 上海航空材料结构检测股份有限公司 一种磨头轴向抛光装置

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