JP2001314903A - 鋼板の圧延方法 - Google Patents
鋼板の圧延方法Info
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Abstract
クラウン)を高精度に制御するための鋼板の圧延方法を
提供する。 【解決手段】 上,下のバックアップロールと、上,下
ワークロールを有し、該上,下のワークロールに余弦関
数、正弦関数、3次元以上の曲線で形成したクラウンを
互いに点対称となるべく付与し、前記上,下ワークロー
ルを互いに軸方向に相対移動しつつ被圧延材を圧延し
て、該被圧延材の板クラウンを制御する圧延方法におい
て、前記上,下ワークロールのクラウンを前記関数と1
次元の関数を加算した関数の曲線で成形して、1次元の
関数の係数を圧延荷重が付与されたバックアップロール
とワークロールの接触状態におけるバックアップロール
軸心とワークロールの軸心が平行となるような値を付与
し、前記被圧延材を圧延することを特徴とする鋼板の圧
延方法。
Description
の板厚分布(板クラウン)を高精度に制御するための鋼
板の圧延方法に関するものである。
該鋼板の幅方向の板クラウンを高精度に制御することは
歩留り、圧延形状、生産性において重要であり、この制
御方法として、余弦関数、正弦関数、3次元以上の関数
等の各種曲線のクラウンをワークロールに付与する方法
や、ワークロールを軸方向に移動させる方法、ワークロ
ールを互いにクロスさせる方法、ロールベンディングを
不要する方法等がある。
れば、「ロール軸心方向距離xに関する最高次の項が3
次以上である多項式関数をプロフィルとする上下ワーク
ロールを点対称に配置し、この上下ワークロールをその
軸心方向で互いに逆方向へ相対移動して被圧延材3の板
形状や板クラウンを制御するようにした圧延機におい
て、前記プロフィルで表されるロール半径R(x)とロ
ール中心からのロール軸心方向距離xとの積を前記プロ
フィルで表されるロールとこれに接触しているロールと
の軸心方向接触域全長に渡って積分したときの積分値が
0となるように、前記上下ワークロールのプロフィルを
決定する」との記載がある。
ン制御能力を確保するため、例えば特開平2000−1
5308号公報で提案のように、ワークロールに高次元
の関数の曲線よりなるクラウンを付与する方法がある。
この技術の概要は、「上,下のバックアップロールと
上,下のワークロールを有し、該上,下のワークロール
に余弦関数、正弦関数、3次元以上の関数等のクラウン
制御可能な関数の曲線で形成したクラウンを互いに点対
称となるべく付与し、前記上,下ワークロールを互いに
軸方向に相対移動ししつつ被圧延材を圧延して、該被圧
延材の板クラウンを制御する圧延方法において、前記
上,下ワークロールのクラウンが前記クラウン制御可能
な関数と偶数次の関数を加算した関数の曲線で成形して
前記被圧延材を圧延することを特徴とする圧延方法」に
ある。
それなりの利点を有する反面、ワークロールにおいてロ
ール軸心方向で径差分布があると、ワークロールに接触
しているバックアップロールがフラットを含む種々のの
曲線を有する場合、両ロールの間に軸心方向における周
速差分が生じる。
ットでないことや、圧延の継続によって生じる摩耗の進
行によりその曲線は変化することなどで、ワークロール
とバックアップロール間の接触状態は一定ではなく、そ
のため、軸心方向における周速差も一律ではない。かか
る周速差分布があるとワークロールとバックアップロー
ルとが相対的にクロスすることになり、それぞれのロー
ルにスラスト力が作用する。そして、このようなスラス
ト力が定常的に作用すると、ロールベアリングや駆動用
スピンドル等に無理な力が加わり、その結果これらの装
置が破壊され易くなり、常時、高次元の関数のワークロ
ールを用いて圧延を行うことが困難となる。
平6−285518号公報で提案の関数の場合には、前
記バックアップロールの曲線によらず一定のワークロー
ル曲線を付与しており、バックアップロールの曲線の違
いによって生じるワークロールとバックアップロール間
の接触状態については考慮されていない。
ークロールに付与するクラウンをバックアップロールの
曲線に対応して設定することを課題とするものである。
クアップロールと上,下ワークロールを有し、該上,下
のワークロールに余弦関数、正弦関数、三次元以上の関
数等のクラウン制御可能な関数の曲線で形成したクラウ
ンを互いに点対称となるべく付与し、前記上,下ワーク
ロールを互いに軸方向に相対移動しつつ被圧延材を圧延
して、該被圧延材の板クラウンを制御する圧延方法にお
いて、前記上,下ワークロールのクラウンが前記クラウ
ン制御可能な関数と1次元の関数を加算した関数の曲線
で成形して、1次元の関数の係数をワークロールスラス
ト力調整関数として圧延荷重付与されたバックアップロ
ールとワークロールの接触状態でのバックアップロール
軸心とワークロールの軸心が平行となるような値を付与
し、前記被圧延材を圧延することを特徴とする圧延方法
である。
力を低減するために種々の検討を行い、その発生原理を
考慮したとき、高次元関数で曲線が形成されているワー
クロールとバックアップロールとが、相対的にクロスす
るのを抑える必要があるとの知見を得た。それには、圧
延荷重が付与され高次元関数により形成されたワークロ
ールとバックアップロールが接触した状態で、高次元関
数により形成されたワークロール軸心とバックアップロ
ール軸心が平行になるようにして、高次元関数により形
成されたワークロールとバックアップロール間の左右周
速差を0とすることが最適であるとの結論を得たもので
ある。
参照して説明する。図1中で、1は矢印方向に移動可能
に設けた下ワークロール、2は矢印方向に移動可能に設
けた上ワークロール、3は下バックアップロール、4は
上バックアップロールである。この上,下ワークロール
1、2のロールクラウンは下記(1)式で表される図2
(a)に示す高次元関数(曲線5)と下記(2)式で表
される図2(b)に示す1次元関数(曲線6)の和の曲
線、即ち、(3)式で表される図2(c)に示す和関数
の曲線7で与えられる。
制御能力機能によって決まる係数。mはワークロールと
バックアップロールの接触状態によって決まる係数。X
はワークロールの軸方向の長さで、ワークロールの中心
を0とする。
調整関数であり、係数mについては、圧延荷重が付与さ
れワークロールとバックアップロールの接触状態におい
てワークロール軸心とバックアップロール軸心が平行と
なるような値を設定する。
クロールとバックアップロールのモデル化を行い、圧延
荷重Fを付与した状態でのワークロールとバックアップ
ロール間のヘルツ接触によるロール扁平を有限要素法で
解析し、ワークロール軸心とバックアップロール軸心の
平行度θを求める。種々のmについて平行度θを求め、
mを平行度θが0となるような値に決定する。
く、ワークロール軸心とバックアップロール軸心の平行
度θのみを変更することができるので、高次元関数f1
(X)によってクラウン制御能力を決定した後、1次元
関数f2(X)のmの設定でスラスト力を低減できる曲
線に容易に調整可能である。
にとりmを横軸にとって表したもので、θ=0となすの
が本発明の狙いである。即ち、θが0となるようなmの
値を選択することにより、スラスト力が生じないロール
曲線が容易に実現できる。なお、このmの値を変えても
元々の曲線のクラウン制御能力自体は変わることはな
い。これは上,下ロールがお互いに両者一緒に傾くだけ
なので、ギャップの間隔は変わらないためである。した
がって、本発明ではクラウン制御能力を予め決め、スラ
スト力低減のためだけを考慮すればよい。
は、胴長5800mm、径1200mmの上下ワークロ
ール1、2と胴長5300mm、径2400mmのバッ
クアップロール3、4を備えた四重逆転式で、ワークロ
ール1、2の設備許容範囲最大相対移動量が150mm
の圧延機を用いて、板厚10mm、板幅3500mm、
板長60000mmの熱間圧延鋼板を圧延した実施例で
ある。
示すように、ワークロール軸心とバックアップロール軸
心の平行度が0.00005degで平行でないため、
ロール左右に周速差が生じ、ワークロールとバックアッ
プロールとが相対的にクロスし、スラスト力が120t
on発生していた。このスラスト力によりロールベアリ
ング等の設備が破損しやすい状態となっており、この対
策として設備の修理を常に心掛ける必要があった。
1)によれば、表1に示すように、ワークロール軸心と
バックアップロール軸心の平行度が0.00000de
gと平行であるため、ロール左右に周速差が生じること
がなく、そのため、ワークロールとバックアップロール
とが相対的にクロスすることがなくなった。このため、
本発明によればロールにかかっていたスラスト力が低減
でき、ロールベアリングや駆動用スピンドル等に加わる
余分の負荷が低下し、これら装置の摩耗が少なくなり、
その結果として圧延鋼板のキャンバーの発生量を低下せ
しめることができた。
0mm程度のキャンバーの発生がみられたが、本発明で
は20mm程度までに抑えることができるため、歩留り
も0.2%程度向上させることが可能となった。また、
スラスト力の作用によりロールベアリング等の破損も抑
制され、ロールベアリングの交換回数も従来法に比して
1/4程度まで低減できた。そのため設備保全のための
費用が大幅に節減できるようになった。
高次元関数のワークロールを使用する圧延に際して、ワ
ークロールとバックアップロールに作用するスラスト力
を低減することができ、スラスト力により損傷した設備
の修理やスラスト力に耐えうるための大幅な設備改造を
行うことなく、高次元関数のワークロールを用いた圧延
を常時行うことが可能となる。また、その方法はワーク
ロールのクラウン形状の曲線である1次元関数の係数を
調整することのみで対応できることから容易に実現でき
る。
を備えた圧延機の説明図
図。
を解析するモデルの説明図
クアップロール軸心の平行度θを示す図。
関数f2(X)の和の関数f(X)) 8 バックアップロールモデル 9 ワークロールモデル
Claims (1)
- 【請求項1】 上,下のバックアップロールと、上,下
ワークロールを有し、該上,下のワークロールに余弦関
数、正弦関数、3次元以上の曲線で形成したクラウンを
互いに点対称となるべく付与し、前記上,下ワークロー
ルを互いに軸方向に相対移動しつつ被圧延材を圧延し
て、該被圧延材の板クラウンを制御する圧延方法におい
て、前記上,下ワークロールのクラウンを前記関数と1
次元の関数を加算した関数の曲線で成形して、1次元の
関数の係数を圧延荷重が付与されたバックアップロール
とワークロールの接触状態におけるバックアップロール
軸心とワークロールの軸心が平行となるような値を付与
し、前記被圧延材を圧延することを特徴とする鋼板の圧
延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000129630A JP4009054B2 (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 鋼板の圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000129630A JP4009054B2 (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 鋼板の圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001314903A true JP2001314903A (ja) | 2001-11-13 |
JP4009054B2 JP4009054B2 (ja) | 2007-11-14 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP4009054B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011025319A (ja) * | 2010-11-09 | 2011-02-10 | Jfe Steel Corp | 圧延方法 |
-
2000
- 2000-04-28 JP JP2000129630A patent/JP4009054B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2011025319A (ja) * | 2010-11-09 | 2011-02-10 | Jfe Steel Corp | 圧延方法 |
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JP4009054B2 (ja) | 2007-11-14 |
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