JP4009054B2 - 鋼板の圧延方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被圧延材の幅方向の板厚分布(板クラウン)を高精度に制御するための鋼板の圧延方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被圧延材、例えば、鋼板の圧延において該鋼板の幅方向の板クラウンを高精度に制御することは歩留り、圧延形状、生産性において重要であり、この制御方法として、余弦関数、正弦関数、3次元以上の関数等の各種曲線のクラウンをワークロールに付与する方法や、ワークロールを軸方向に移動させる方法、ワークロールを互いにクロスさせる方法、ロールベンディングを不要する方法等がある。
【0003】
例えば特開平6−285518号公報によれば、「ロール軸心方向距離xに関する最高次の項が3次以上である多項式関数をプロフィルとする上下ワークロールを点対称に配置し、この上下ワークロールをその軸心方向で互いに逆方向へ相対移動して被圧延材3の板形状や板クラウンを制御するようにした圧延機において、前記プロフィルで表されるロール半径R(x)とロール中心からのロール軸心方向距離xとの積を前記プロフィルで表されるロールとこれに接触しているロールとの軸心方向接触域全長に渡って積分したときの積分値が0となるように、前記上下ワークロールのプロフィルを決定する」との記載がある。
【0004】
また、ワークロールの相対移動で板クラウン制御能力を確保するため、例えば特開平2000−15308号公報で提案のように、ワークロールに高次元の関数の曲線よりなるクラウンを付与する方法がある。
この技術の概要は、「上,下のバックアップロールと上,下のワークロールを有し、該上,下のワークロールに余弦関数、正弦関数、3次元以上の関数等のクラウン制御可能な関数の曲線で形成したクラウンを互いに点対称となるべく付与し、前記上,下ワークロールを互いに軸方向に相対移動ししつつ被圧延材を圧延して、該被圧延材の板クラウンを制御する圧延方法において、前記上,下ワークロールのクラウンが前記クラウン制御可能な関数と偶数次の関数を加算した関数の曲線で成形して前記被圧延材を圧延することを特徴とする圧延方法」にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来方法においては、それなりの利点を有する反面、ワークロールにおいてロール軸心方向で径差分布があると、ワークロールに接触しているバックアップロールがフラットを含む種々のの曲線を有する場合、両ロールの間に軸心方向における周速差分が生じる。
【0006】
一般に、バックアップロールの曲線はフラットでないことや、圧延の継続によって生じる摩耗の進行によりその曲線は変化することなどで、ワークロールとバックアップロール間の接触状態は一定ではなく、そのため、軸心方向における周速差も一律ではない。
かかる周速差分布があるとワークロールとバックアップロールとが相対的にクロスすることになり、それぞれのロールにスラスト力が作用する。そして、このようなスラスト力が定常的に作用すると、ロールベアリングや駆動用スピンドル等に無理な力が加わり、その結果これらの装置が破壊され易くなり、常時、高次元の関数のワークロールを用いて圧延を行うことが困難となる。
【0007】
例えば、ワークロールのクラウンが、特開平6−285518号公報で提案の関数の場合には、前記バックアップロールの曲線によらず一定のワークロール曲線を付与しており、バックアップロールの曲線の違いによって生じるワークロールとバックアップロール間の接触状態については考慮されていない。
【0008】
本発明は、上記問題を有することなく、ワークロールに付与するクラウンをバックアップロールの曲線に対応して設定することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上,下のバックアップロールと上,下ワークロールを有し、該上,下のワークロールに余弦関数、正弦関数、三次元以上の関数等のクラウン制御可能な関数の曲線で形成したクラウンを互いに点対称となるべく付与し、前記上,下ワークロールを互いに軸方向に相対移動しつつ被圧延材を圧延して、該被圧延材の板クラウンを制御する圧延方法において、前記上,下ワークロールのクラウンが前記クラウン制御可能な関数と1次元の関数を加算した関数の曲線で成形して、1次元の関数の係数をワークロールスラスト力調整関数として圧延荷重付与されたバックアップロールとワークロールの接触状態でのバックアップロール軸心とワークロールの軸心が平行となるような値を付与し、前記被圧延材を圧延することを特徴とする圧延方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上述したスラスト力を低減するために種々の検討を行い、その発生原理を考慮したとき、高次元関数で曲線が形成されているワークロールとバックアップロールとが、相対的にクロスするのを抑える必要があるとの知見を得た。
それには、圧延荷重が付与され高次元関数により形成されたワークロールとバックアップロールが接触した状態で、高次元関数により形成されたワークロール軸心とバックアップロール軸心が平行になるようにして、高次元関数により形成されたワークロールとバックアップロール間の左右周速差を0とすることが最適であるとの結論を得たものである。
【0011】
次に本発明の実施の形態を図1から図4を参照して説明する。
図1中で、1は矢印方向に移動可能に設けた下ワークロール、2は矢印方向に移動可能に設けた上ワークロール、3は下バックアップロール、4は上バックアップロールである。
この上,下ワークロール1、2のロールクラウンは下記(1)式で表される図2(a)に示す高次元関数(曲線5)と下記(2)式で表される図2(b)に示す1次元関数(曲線6)の和の曲線、即ち、(3)式で表される図2(c)に示す和関数の曲線7で与えられる。
【0012】
但し、a,b,c,dはワークロール胴長や板クラウン制御能力機能によって
決まる係数。
mはワークロールとバックアップロールの接触状態によって決まる係数。
Xはワークロールの軸方向の長さで、ワークロールの中心を0とする。
【0013】
(2)式の関数はワークロールスラスト力調整関数であり、係数mについては、圧延荷重が付与されワークロールとバックアップロールの接触状態においてワークロール軸心とバックアップロール軸心が平行となるような値を設定する。
【0014】
上記接触状態は、図3に示したようにワークロールとバックアップロールのモデル化を行い、圧延荷重Fを付与した状態でのワークロールとバックアップロール間のヘルツ接触によるロール扁平を有限要素法で解析し、ワークロール軸心とバックアップロール軸心の平行度θを求める。種々のmについて平行度θを求め、mを平行度θが0となるような値に決定する。
【0015】
mは、クラウン制御能力への影響度はなく、ワークロール軸心とバックアップロール軸心の平行度θのみを変更することができるので、高次元関数f1(X)によってクラウン制御能力を決定した後、1次元関数f2(X)のmの設定でスラスト力を低減できる曲線に容易に調整可能である。
【0016】
これを図示したのが図4であり、θを縦軸にとりmを横軸にとって表したもので、θ=0となすのが本発明の狙いである。即ち、θが0となるようなmの値を選択することにより、スラスト力が生じないロール曲線が容易に実現できる。
なお、このmの値を変えても元々の曲線のクラウン制御能力自体は変わることはない。これは上,下ロールがお互いに両者一緒に傾くだけなので、ギャップの間隔は変わらないためである。したがって、本発明ではクラウン制御能力を予め決め、スラスト力低減のためだけを考慮すればよい。
【0017】
【実施例】
本発明例を、表1を参照して説明する。
これは、胴長5800mm、径1200mmの上下ワークロール1、2と胴長5300mm、径2400mmのバックアップロール3、4を備えた四重逆転式で、ワークロール1、2の設備許容範囲最大相対移動量が150mmの圧延機を用いて、板厚10mm、板幅3500mm、板長60000mmの熱間圧延鋼板を圧延した実施例である。
【0018】
【表1】
【0019】
従来例(m=0.0000)では、表1に示すように、ワークロール軸心とバックアップロール軸心の平行度が0.00005degで平行でないため、ロール左右に周速差が生じ、ワークロールとバックアップロールとが相対的にクロスし、スラスト力が120ton発生していた。
このスラスト力によりロールベアリング等の設備が破損しやすい状態となっており、この対策として設備の修理を常に心掛ける必要があった。
【0020】
これに対し、本発明例(m=−0.0001)によれば、表1に示すように、ワークロール軸心とバックアップロール軸心の平行度が0.00000degと平行であるため、ロール左右に周速差が生じることがなく、そのため、ワークロールとバックアップロールとが相対的にクロスすることがなくなった。
このため、本発明によればロールにかかっていたスラスト力が低減でき、
ロールベアリングや駆動用スピンドル等に加わる余分の負荷が低下し、これら装置の摩耗が少なくなり、その結果として圧延鋼板のキャンバーの発生量を低下せしめることができた。
【0021】
例えば従来法での設計によるロールでは50mm程度のキャンバーの発生がみられたが、本発明では20mm程度までに抑えることができるため、歩留りも0.2%程度向上させることが可能となった。
また、スラスト力の作用によりロールベアリング等の破損も抑制され、ロールベアリングの交換回数も従来法に比して1/4程度まで低減できた。そのため設備保全のための費用が大幅に節減できるようになった。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、高次元関数のワークロールを使用する圧延に際して、ワークロールとバックアップロールに作用するスラスト力を低減することができ、スラスト力により損傷した設備の修理やスラスト力に耐えうるための大幅な設備改造を行うことなく、高次元関数のワークロールを用いた圧延を常時行うことが可能となる。
また、その方法はワークロールのクラウン形状の曲線である1次元関数の係数を調整することのみで対応できることから容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上,下ワークロールおよびバックアップロールを備えた圧延機の説明図
【図2】ワークロールクラウンを与える関数形の説明図。
【図3】ワークロールとバックアップロールの接触状態を解析するモデルの説明図
【図4】1次元関数の係数mとワークロール軸心とバックアップロール軸心の平行度θを示す図。
【符号の説明】
1 下ワークロール
2 上ワークロール
3 下バックアップロール
4 上バックアップロール
5 ワークロール曲線(高次元関数f1(X))
6 ワークロール曲線(1次元関数f2(X))
7 ワークロール曲線(高次元関数f1(X)と1次元関数f2(X)の和の関数f(X))
8 バックアップロールモデル
9 ワークロールモデル
Claims (1)
- 上,下のバックアップロールと、上,下ワークロールを有し、該上,下のワークロールに余弦関数、正弦関数、3次元以上の曲線で形成したクラウンを互いに点対称となるべく付与し、前記上,下ワークロールを互いに軸方向に相対移動しつつ被圧延材を圧延して、該被圧延材の板クラウンを制御する圧延方法において、前記上,下ワークロールのクラウンを前記関数と1次元の関数を加算した関数の曲線で成形して、1次元の関数の係数を圧延荷重が付与されたバックアップロールとワークロールの接触状態におけるバックアップロール軸心とワークロールの軸心が平行となるような値を付与し、前記被圧延材を圧延することを特徴とする鋼板の圧延方法。
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