JP2001312770A - 自動販売機の商品収納棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄い通路幅調整板によって商品通路幅を容易
に調節することができ、簡易かつ薄型構造の自動販売機
の商品収納棚を提供すること。 【解決手段】 対向して立設された一対の側板１，１
と、高さ方向に蛇行する商品通路を形成する複数のセグ
メント３と、側板１と平行に配置され、セグメント３に
設けた係止穴３ａに係止部４ａを係止させることによっ
て商品通路を区画する通路幅調整板４とを備えた。通路
幅調整板４は、スルーピン２が挿通可能なカール部４ｃ
を備えた連結板５を可動側板６，６で相対移動可能に挟
持して形成され、上端部にスルーピン２を挿通する長穴
４ｂを備えることで、上下および左右方向に移動できる
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、自動販売機の商
品収納棚に関し、さらに詳しくは、缶飲料やペットボト
ル飲料の商品を商品収納庫内に横倒し姿勢で上下方向に
積み重ねて収納するサーペンタイン式商品ラックを備え
た自動販売機において、その商品通路幅を調節でき、１
つのラックで複数種類のサイズの商品を収納できる商品
収納棚に関する。

【０００２】

【従来の技術】サーペンタイン式商品ラックの商品通路
幅を調節する手段として、たとえば、図１２に示すもの
が知られている。ここで、図１２は、従来における自動
販売機の商品収納棚を示す正面図である。この商品収納
棚は、商品通路を形成するために立設された左右一対の
側板１０１と、この側板１０１間に水平に架け渡された
複数のスルーピン１０２に設けられ、高さ方向に蛇行し
た商品通路を形成するための湾曲形状のセグメント１０
３と、収納する商品Ｇのサイズに応じて商品通路幅を調
節するために、リンク機構１０４によって配設位置を可
変可能に形成された通路幅調整板１０５とを備えてい
る。

【０００３】また、他の従来技術として、上記のような
通路幅調整板の一部を、上下に隣接するセグメントとセ
グメントの間から商品通路外に出して、当該部分を通路
外に設けた取付金にネジ止め固定してなる自動販売機の
商品収納棚も知られている。これは、販売商品を変える
ときに前記ネジを取り外して通路幅調整板の取付位置
（ネジの締結位置）を変えることにより、通路幅を調節
するものである。

【０００４】さらに、他の従来技術として、通路幅調整
板に相当する部材を通路の上下２カ所（上部に配置した
トップトレーおよび下部に配置したベンド機構）で支持
する構造を備えた自動販売機の商品収納棚が、特開平８
−５５２７３号公報に開示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リンク
機構１０４を備えた自動販売機の商品収納棚にあって
は、構造が複雑化し、ラックの奥行き方向の厚みが増え
てしまうとともに、リンク機構１０４が配置された部分
には商品を収納できないという課題があった。

【０００６】また、通路外からネジの締結位置を変えて
通路幅を調節する上記従来技術にあっては、ネジの取り
外しおよび締結作業を迅速に行えず、通路幅の調節に手
間がかかるという課題があった。

【０００７】さらに、特開平８−５５２７３号公報に開
示された従来技術にあっては、通路幅調整板の高さ方向
における中間部分が支持されていない構造のため、商品
の当接による通路幅調整板の変形を防止するために、当
該通路幅調整板に所定の剛性を持たせるべく、その板厚
を大きくしなければならないという課題があった。

【０００８】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、薄い通路幅調整板によって商品通路幅を容易に
調節することができ、簡易かつ薄型構造の自動販売機の
商品収納棚を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明の請求項１にかかる自動販売機の商品収
納棚は、対向して立設された一対の側板と、高さ方向に
蛇行する商品通路を形成するために前記側板の間であっ
て奥行き方向の前後に対向して配設された複数のセグメ
ントと、前記側板と平行に配置され、前記セグメントの
幅方向に販売商品の寸法に応じて複数設けた係合穴のう
ちの一部の係合穴に係合させることによって前記商品通
路を区画する通路幅調整板とを備え、前記通路幅調整板
は、前記側板間に水平に架け渡されたスルーピンを挿通
した状態で水平方向および上下方向に移動可能に形成さ
れ、当該水平方向の移動によって商品通路幅を変更し、
当該上下方向の移動によって前記セグメントの係合穴と
係合させることにより当該商品通路幅の設定を確定する
ようにしたものである。

【００１０】通路幅調整板を持ち上げ、設定すべき通路
幅に対応するセグメントの係合穴に位置するように水平
方向にスライドさせてからこれを離せば、当該通路幅調
整板が係合穴に差し込まれ、通路幅の設定が容易に完了
する。このように通路幅を設定することにより、多様化
した商品を容易に収納・販売できるとともに、通路幅調
整板の両側に商品を収納できるので、収納効率をアップ
することができる。

【００１１】また、この発明の請求項２にかかる自動販
売機の商品収納棚は、通路幅調整板は、スルーピンを挿
通するカール部を有し、当該スルーピンを挿通した状態
で水平方向の移動を可能にする連結板と、前記スルーピ
ンを挿通する長穴を有し、前記連結板に対して上下方向
に相対移動可能となるように当該連結板を挟持する可動
側板とを備えたものである。

【００１２】したがって、簡易な構造によって通路幅調
整板を薄く構成できるとともに、連結板を芯材とするこ
とによって十分な剛性を確保できる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる自動販売
機の商品収納棚の実施の形態につき図面を参照しつつ詳
細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が
限定されるものではない。

【００１４】図１は、この発明の実施の形態にかかる通
路幅調整板を示す斜視図、図２は、自動販売機の商品収
納棚を示す斜視図、図３は、前方のセグメントを取り外
した状態の自動販売機の商品収納棚を示す斜視図、図４
は、通路幅調整板を取り付けた状態を示す要部斜視図、
図５は、係止穴に係止された通路幅調整板を示す拡大斜
視図、図６は、商品案内装置を示す正面斜視図、図７
は、商品案内装置を示す背面斜視図、図８および図９
は、商品案内装置によって通路幅調整板を持ち上げる過
程を示す説明図である。

【００１５】まず、本発明の全体構成について説明す
る。図２および図３に示すように、左右一対の側板１
は、商品通路を形成するために立設されたものであり、
多数のスルーピン２が水平に架け渡されている。また、
このスルーピン２には、蛇行した商品通路を形成するた
めに湾曲状に形成された複数のセグメント３が揺動自在
に配設されている。

【００１６】このセグメント３の下端部付近には、後述
する通路幅調整板４の係止部４ａを差し込んで係止する
ための係止穴３ａが、調整すべき通路幅に対応して水平
方向に複数個設けられている。この係止穴３ａは、図４
および図５に示すように、ほぼ逆三角形状に穿設され、
上方から差し込まれる通路幅調整板４の係止部４ａの位
置決めが容易になるように形成してある。なお、セグメ
ント３の上端部付近にも同一形状の係止穴が設けられて
いるが、これはセグメント３を上下いずれの向きであっ
ても配設できるように、上下対称形状に形成したからで
ある。

【００１７】つぎに、本発明の要部たる通路幅調整板４
について説明する。通路幅調整板４は、商品通路を左右
に２分割するために設けられたものであり、たとえば、
特殊亜鉛鋼板にて形成されている。この通路幅調整板４
は、図１に示すように、上端部付近に設けられた長穴４
ｂにスルーピン２が挿通されて上下方向に移動可能に形
成されているとともに、カール部４ｃにスルーピン２が
挿通されて水平方向にも移動可能に形成されている。

【００１８】すなわち、通路幅調整板４は、カール部４
ｃを備え補強部材としても機能する連結板５を可動側板
６，６で相対移動可能に挟持し、薄く（たとえば、２ｍ
ｍ以内の厚み）形成してある。この構造によって、カー
ル部４ｃにスルーピン２が挿通された状態であっても、
通路幅調整板４（一体となった２枚の可動側板６）が上
下に移動できるようになっている。段状に形成された係
止部４ｄは、後述する商品案内装置７の受部９ａを係止
するためのものである。

【００１９】なお、上述した商品収納棚の下部には、図
示しない商品搬出装置や商品出口調整板等が配設される
ようになっている。

【００２０】また、図６および図７に示す商品案内装置
７は、自動販売機の奥に配置された上記商品収納棚にお
ける通路幅調整板４の配設位置を設定操作するととも
に、商品の収納時に当該商品を案内するためのものであ
る。なお、商品通路内に商品を最大数収納したときに、
さらにいくつかの商品を収容するための収容棚として機
能させることもできる。

【００２１】この商品案内装置７は、奥行き方向に向か
って下方に傾斜するように前記側板１に設置されるトッ
プトレイ８と、このトップトレイ８の幅を前述した通路
幅と同一サイズに区画するために、当該トップトレイ８
上に着脱自在に立設されたトップガイド９とを備えてい
る。トップトレイ８に設けられた係合穴８ａは、トップ
ガイド９の係合爪９ｅを係合させるために、設定すべき
通路幅に対応して複数穿設されている。トップトレイ８
のカール部８ｂには、トップガイド９のカール部９ｂが
回動自在にはめ込まれている。

【００２２】すなわち、トップガイド９をこのカール部
９ｂを回動中心としてトップトレイ８に対して回動させ
ることにより、受け部９ａを持ち上げ、これと係止部４
ｄで係合した通路幅調整板４を持ち上げることができる
ようになっている。また、通路幅調整板４を持ち上げた
状態で、トップガイド９を左右いずれかにスライドさせ
た後、係合爪９ｅを係合穴８ａに係合させることで、通
路幅調整板４の位置を設定することができるようになっ
ている。

【００２３】また、トップガイド９は、ガイド板９ｃ，
９ｆを凹部９ｇにて溶接し、かつ、折り返し部９ｈをそ
の内方に形成してある。このようにトップガイド９の両
面に凸部をなくすことで、商品の案内・収納時に怪我を
防止できるとともに、商品の姿勢を乱したり、傷にした
りすることを防止できるように構成してある。係合片８
ｃ，８ｄは、前述した側板１の適宜位置に設けられたス
ルーピン２に係合させるためのものである。

【００２４】つぎに通路幅調整板４の位置決め動作につ
いて説明する。商品収納棚が自動販売機の前側に配置さ
れ、通路幅調整板４の上部を把持できる場合には、当該
部分を把持して持ち上げ、設定すべき通路幅に対応する
セグメント３の係止穴３ａに通路幅調整板４の係止部４
ａが位置するように水平方向にスライドさせ、把持して
いた通路幅調整板４を離せば、当該各係止部４ａが係止
穴３ａに順次差し込まれ、通路幅の設定が完了する。

【００２５】一方、商品収納棚が自動販売機の奥側に配
置され、通路幅調整板４の上部を把持できない場合に
は、上記動作を商品案内装置７のトップガイド９で行
う。すなわち、図８および図９に示すように、トップガ
イド９をカール部９ｂを回動中心としてトップトレイ８
に対して回動させることにより、受け部９ａを持ち上
げ、これと係止部４ｄで係合した通路幅調整板４を持ち
上げる。そして、通路幅調整板４を持ち上げた状態で、
トップガイド９を左右いずれかにスライドさせた後、係
合爪９ｅを係合穴８ａに係合させることで、各係止部４
ａが係止穴３ａに差し込まれ、通路幅の設定が完了す
る。

【００２６】なお、上述した手順にて、通路幅調整板４
で商品通路を２等分することによって、当該通路幅調整
板４の両側にいわゆるハーフサイズの商品を収納できる
が、通路幅調整板４を側板１に当接するように最端部に
位置させることで、いわゆるロングサイズの商品を収納
することもできる。

【００２７】以上のように、この実施の形態にかかる自
動販売機の商品収納棚によれば、薄い通路幅調整板４に
よって商品通路幅を容易に調節することができるので、
多様化したサイズの商品販売に対応でき、簡易かつ薄型
構造の商品収納棚を提供できる。

【００２８】また、簡易な構造によって通路幅調整板４
を薄く構成できるとともに、連結板５を芯材とすること
によって十分な剛性を確保できる。さらに、通路幅調整
板４の両側に商品を収納できるので、収納効率をアップ
することができる。

【００２９】なお、上記実施の形態においては、通路幅
調整板４に長穴４ｂを設けるものとして説明したが、こ
れに限定されず、たとえば、図１０および図１１に示す
ように、くの字状の穴４ｅを設けてもよい。

【００３０】このように形成することにより、商品の太
さの違いによって商品案内装置７の配設位置を変更した
場合であっても、受部９ａと係止部４ｄとの確実な係合
を担保できるとともに、通路幅調整板４の持ち上げ移動
量のばらつきを防止することができる。ここで、図１０
および図１１は、商品案内装置によって通路幅調整板を
持ち上げる過程を示す説明図である。

【００３１】また、係止部４ａの突出量を加減すること
により、係止部４ａの係止穴３ａに対する差込代を、通
路幅調整板４の上方から下方に向かって順次小さく形成
してもよい。

【００３２】このように形成することにより、通路幅調
整板４を持ち上げた状態からこれを離すと、上部に位置
する係止部４ａが係止穴３ａに順次差し込まれるのにし
たがって、下部に位置する係止部４ａの位置が係止穴３
ａにさらに円滑に誘導され、差し込まれるようになるこ
とが期待できる。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
自動販売機の商品収納棚（請求項１）によれば、対向し
て立設された一対の側板と、高さ方向に蛇行する商品通
路を形成するために前記側板の間であって奥行き方向の
前後に対向して配設された複数のセグメントと、前記側
板と平行に配置され、前記セグメントの幅方向に販売商
品の寸法に応じて複数設けた係合穴のうちの一部の係合
穴に係合させることによって前記商品通路を区画する通
路幅調整板とを備え、前記通路幅調整板は、前記側板間
に水平に架け渡されたスルーピンを挿通した状態で水平
方向および上下方向に移動可能に形成され、当該水平方
向の移動によって商品通路幅を変更し、当該上下方向の
移動によって前記セグメントの係合穴と係合させること
により当該商品通路幅の設定を確定するようにしたの
で、通路幅の設定を容易に行うことができ、多様化した
商品を容易に収納・販売できる。また、通路幅調整板の
両側に商品を収納できるので、収納効率をアップするこ
とができる。

【００３４】また、この発明にかかる自動販売機の商品
収納棚（請求項２）によれば、通路幅調整板は、スルー
ピンを挿通するカール部を有し、当該スルーピンを挿通
した状態で水平方向の移動を可能にする連結板と、前記
スルーピンを挿通する長穴を有し、前記連結板に対して
上下方向に相対移動可能となるように当該連結板を挟持
する可動側板とを備えたので、簡易な構造によって通路
幅調整板を薄く構成できるとともに、連結板を芯材とす
ることによって十分な剛性を確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態にかかる通路幅調整板を
示す斜視図である。

【図２】自動販売機の商品収納棚を示す斜視図である。

【図３】前方のセグメントを取り外した状態の自動販売
機の商品収納棚を示す斜視図である。

【図４】通路幅調整板を取り付けた状態を示す要部斜視
図である。

【図５】係止穴に係止された通路幅調整板を示す拡大斜
視図である。

【図６】商品案内装置を示す正面斜視図である。

【図７】商品案内装置を示す背面斜視図である。

【図８】商品案内装置によって通路幅調整板を持ち上げ
る過程を示す説明図である。

【図９】商品案内装置によって通路幅調整板を持ち上げ
る過程を示す説明図である。

【図１０】商品案内装置によって通路幅調整板を持ち上
げる過程を示す説明図である。

【図１１】商品案内装置によって通路幅調整板を持ち上
げる過程を示す説明図である。

【図１２】従来における自動販売機の商品収納棚を示す
正面図である。

【符号の説明】

１ 側板 ２ スルーピン ３ セグメント ３ａ 係止穴 ４ 通路幅調整板 ４ａ、４ｄ 係止部 ４ｂ 長穴 ４ｃ カール部 ５ 連結板 ６ 可動側板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向して立設された一対の側板と、 高さ方向に蛇行する商品通路を形成するために前記側板
   の間であって奥行き方向の前後に対向して配設された複
   数のセグメントと、 前記側板と平行に配置され、前記セグメントの幅方向に
   販売商品の寸法に応じて複数設けた係合穴のうちの一部
   の係合穴に係合させることによって前記商品通路を区画
   する通路幅調整板とを備え、 前記通路幅調整板は、前記側板間に水平に架け渡された
   スルーピンを挿通した状態で水平方向および上下方向に
   移動可能に形成され、当該水平方向の移動によって商品
   通路幅を変更し、当該上下方向の移動によって前記セグ
   メントの係合穴と係合させることにより当該商品通路幅
   の設定を確定するようにしたことを特徴とする自動販売
   機の商品収納棚。
2. 【請求項２】 通路幅調整板は、スルーピンを挿通する
   カール部を有し、当該スルーピンを挿通した状態で水平
   方向の移動を可能にする連結板と、 前記スルーピンを挿通する長穴を有し、前記連結板に対
   して上下方向に相対移動可能となるように当該連結板を
   挟持する可動側板と、 を備えたことを特徴とする請求項１に記載の自動販売機
   の商品収納棚。