JP2001311968A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2001311968A
JP2001311968A JP2000133837A JP2000133837A JP2001311968A JP 2001311968 A JP2001311968 A JP 2001311968A JP 2000133837 A JP2000133837 A JP 2000133837A JP 2000133837 A JP2000133837 A JP 2000133837A JP 2001311968 A JP2001311968 A JP 2001311968A
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crystal display
display device
substrate
chiral
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JP2000133837A
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English (en)
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Masako Iwamatsu
雅子 岩松
Satoshi Hisamitsu
聡史 久光
Nobuyuki Kobayashi
信幸 小林
Hideaki Ueda
秀昭 植田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カイラルネマティック液晶を用いた液晶表示
素子であって、双安定性に優れ、例えば、黒背景色を利
用してモノクロ(モノカラー)画像表示を行う場合、温
度補償範囲が大きく、良好なコントラスト、明るさ等の
特性が得られる。 【解決手段】 少なくとも一方が透光性を有し、互いに
対向配置された一対の基板間11、12に、液晶組成物
21を含む液晶層210が挟持され、少なくとも一方の
基板は、基板近傍の液晶組成物21における液晶分子の
配列状態を基板から離れた部位とは異ならせうる機能層
16(機能面)を備える。液晶組成物21は、屈折率異
方性0.2〜0.34のネマティック液晶混合物に、少
なくとも1種類のカイラル材料を添加したものであって
室温でコレステリック相を示し、相転移温度60℃以上
である誘電率異方性が正のカイラルネマティック液晶で
あり、液晶層210の選択反射光の波長域が480nm
〜700nmの全域にわたる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子(換言
すれば液晶光変調素子)に関する。特に、室温でコレス
テリック相を示す液晶を用いた二つの安定状態のスイッ
チング(双安定スイッチング)を利用した液晶表示素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ネマティック液晶にカイラル材料
を添加することにより、室温においてコレステリック相
を示すようにしたカイラルネマティック液晶を用いた液
晶表示素子が種々研究されている。
【0003】かかる液晶表示素子は、例えば、カイラル
ネマティック液晶の選択反射を利用した反射型の液晶表
示素子として用いられることがある。この反射型の液晶
表示素子には、紙や書籍等の代替を目的として、白っぽ
い色と、黒色などの背景色とを利用するモノクロ(モノ
カラー)画像表示を行うものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でのカイラルネマティック液晶を使用した反射型の液晶
表示素子では、例えば、黒色などの背景色を利用してモ
ノクロ(モノカラー)画像表示を行う場合、液晶表示素
子が単層の状態で良好なモノクロ(モノカラー)画像表
示が得られていないというのが実状であり、画像表示に
おける明るさ、コントラストや視角依存性等の特性は十
分に満足できるものではない。また、この種の液晶表示
素子では、良好な温度補償特性や温度補償範囲の拡大も
要求されている。
【0005】そこで本発明は、カイラルネマティック液
晶を用いた液晶表示素子であって、双安定性に優れると
ともに、明るく視認性に優れた画像表示ができ、例え
ば、黒色などの背景色を利用してモノクロ(モノカラ
ー)画像表示を行う場合、良好なコントラスト、明るさ
等の特性を得ることができる液晶表示素子を提供するこ
とを課題とする。
【0006】また本発明は、カイラルネマティック液晶
を用いた液晶表示素子であって、温度補償範囲が大きい
液晶表示素子を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決するため研究を重ねたところ、次のことを見出した。
【0008】すなわち、互いに対向配置された一対の基
板間に、コレステリック相を示すカイラルネマティック
液晶を含む液晶層が挟持されている液晶表示素子におい
ては、液晶の選択反射の光反射率のピークをブロードに
する(より広範囲の可視光波長域に広げる)ことで、例
えば黒色などの背景色を利用してモノクロ(モノカラ
ー)画像表示を行う場合、液晶表示素子が単層の状態で
良好なモノクロ(モノカラー)表示を行うことができ
る。
【0009】通常、コレステリック相を示す液晶は、液
晶分子のヘリカル軸が基板に対して垂直に並んだプレー
ナ配列状態でヘリカルピッチと該液晶の平均屈折率の積
に対応する波長の光を選択的に反射する。従って、選択
反射波長が例えば赤色波長域、青色波長域、緑色波長域
にあたる液晶を用いれば、それぞれ赤色、青色、緑色に
着色して見える。この液晶を、基板近傍の液晶組成物に
おける液晶分子の配列状態を該基板から離れた部位(沖
合)の液晶分子の配列状態とは異ならせうる機能を有す
る機能面を備えた一対の基板に挟持することにより、液
晶を不完全なプレーナ状態を生じ得るようにすること
で、選択反射の光反射率のピークを各ドメイン(各領
域)の反射方向によりランダムに発生させてブロードに
できる。
【0010】本発明者の研究によると、少なくとも一方
が透光性を有し、互いに対向配置された一対の基板間
に、液晶組成物を含む液晶層が挟持されている液晶表示
素子においては、前記一対の基板のうち少なくとも一方
に、前記液晶組成物に接して該基板近傍の液晶組成物に
おける液晶分子の配列状態を該基板から離れた部位の液
晶分子の配列状態とは異ならせうる機能を有する機能面
を設け、前記液晶組成物として、高屈折率(屈折率異方
性0.2〜0.34)のネマティック液晶混合物に、少
なくとも1種類のカイラル材料を添加して(或いは少な
くとも1種類のカイラル材料を添加して可視波長域に選
択反射波長を調整して)室温でコレステリック相を示す
カイラルネマティック液晶を採用し、且つ、この液晶組
成物は相転移温度(コレステリック相から等方相(アイ
ソトロピック相)への相転移温度)Tch-Iが60℃以上
で、正の誘電率異方性を示す液晶とすることで、液晶を
不完全なプレーナ状態を生じ得るようにすることがで
き、選択反射の光反射率のピークをブロードにできる。
すなわち、このときの選択反射光の波長域を480nm
〜700nmの全域にわたらせることができ、色純度の
低い(換言すれば白色度の高い)、明るく視認性の優れ
た画像表示を行うことができる。例えば、黒色などの背
景色を利用してモノクロ(モノカラー)画像表示を行う
場合、良好なコントラスト、明るさ等の特性を得ること
ができる。しかも、双安定性に優れており、温度補償範
囲が大きい。なお、カイラル材の添加量は液晶のフォー
カルコニック構造及びプレーナ構造を形成するのに有効
な量を添加する。
【0011】本発明はかかる知見に基づくものであり、
前記課題を解決するため、次の第1及び第2の液晶表示
素子を提供する。 (1)第1の液晶表示素子 少なくとも一方が透光性を有し、互いに対向配置された
一対の基板間に、液晶組成物を含む液晶層が挟持されて
いる液晶表示素子であり、前記一対の基板のうち少なく
とも一方の基板は、前記液晶組成物に接して該基板近傍
の液晶組成物における液晶分子の配列状態を該基板から
離れた部位(沖合)の液晶分子の配列状態とは異ならせ
うる機能を有する機能面を備えており、前記液晶組成物
は、屈折率異方性0.2〜0.34のネマティック液晶
混合物に、少なくとも1種類のカイラル材料を添加した
ものであって室温でコレステリック相を示し、相転移温
度60℃以上である誘電率異方性が正のカイラルネマテ
ィック液晶であり、前記液晶層の選択反射光の波長域が
480nm〜700nmの全域にわたることを特徴とす
る液晶表示素子。 (2)第2の液晶表示素子 少なくとも一方が透光性を有し、互いに対向配置された
一対の基板間に、液晶組成物を含む液晶層が挟持されて
いる液晶表示素子であり、前記一対の基板のうち少なく
とも一方の基板は、前記液晶組成物に接して該基板近傍
の液晶組成物における液晶分子の配列状態を該基板から
離れた部位(沖合)の液晶分子の配列状態とは異ならせ
うる機能を有する機能面を備えており、前記液晶組成物
は、屈折率異方性0.2〜0.34のネマティック液晶
混合物に、少なくとも1種類のカイラル材料を添加して
可視波長域に選択反射波長を調整したものであって室温
でコレステリック相を示し、相転移温度60℃以上であ
る誘電率異方性が正のカイラルネマティック液晶であ
り、前記液晶層の選択反射光の波長域が480nm〜7
00nmの全域にわたることを特徴とする液晶表示素
子。本発明に係る前記第1及び第2のタイプのいずれの
液晶表示素子においても、前記機能面は一対の基板のい
ずれか一方又はそれぞれに設けることができる。基板に
設けられた機能面は、例えば該基板近傍の液晶組成物に
おける液晶分子の配列状態を該基板から離れた部位の液
晶分子の配列状態とは異ならせうる機能を有するものと
することができる。なお、基板には通常電極(普通には
透明電極)が設けられるが、機能面は、かかる電極より
液晶組成物側に設けるとよい。
【0012】本発明に係る第1及び第2の液晶表示素子
は、コレステリック液晶の選択反射を利用した反射型の
液晶表示素子として用いることができる。この場合、例
えば、黒色などの背景色を利用してモノクロ(モノカラ
ー)画像表示が行える。
【0013】本発明に係る第1及び第2の液晶表示素子
によると、前記一対の基板のうち少なくとも一方が、前
記液晶組成物に接して該基板近傍の液晶組成物における
液晶分子の配列状態を該基板から離れた部位の液晶分子
の配列状態とは異ならせうる機能を有する機能面を備え
ており、前記液晶組成物が、屈折率異方性0.2〜0.
34のネマティック液晶混合物に、少なくとも1種類の
カイラル材料を添加したもの、或いは少なくとも1種類
のカイラル材料を添加して可視波長域に選択反射波長を
調整したものであって室温でコレステリック相を示し、
相転移温度60℃以上である誘電率異方性が正のカイラ
ルネマティック液晶であり、前記液晶層の選択反射光の
波長域が480nm〜700nmの全域にわたるので、
選択反射の光反射率のピークをブロードにすることがで
き、色純度の低い(換言すれば白色度の高い)、明るく
視認性の優れた画像表示ができる。例えば、黒色などの
背景色を利用してモノクロ(モノカラー)画像表示を行
う場合、良好なコントラスト、明るさ等の特性を得るこ
とができる。また、双安定性に優れており、温度補償範
囲が大きい。前記機能面としては、例えば、シリコン原
子又はシロキサン骨格を含有している機能面、ポリイミ
ド骨格を含有している機能面、アクリレート及びポリイ
ミド系化合物からなる機能面などを挙げることができ
る。
【0014】本発明に係る第2の液晶表示素子におい
て、可視波長域は、一般的に可視波長域と認められてい
る範囲であればよく、波長360nm〜740nm程度
を例示できる。
【0015】本発明の第2の液晶表示素子において、前
記可視波長域に調整された選択反射波長の好ましい範囲
としては、視感反射率の大きい波長域、例えば550n
m〜650nm程度、より好ましくは580nm〜62
0nm程度を挙げることができる。
【0016】本発明に係る第1及び第2の液晶表示素子
のいずれにおいても、前記カイラルネマティック液晶の
誘電率異方性の好ましい範囲としては、5〜40程度、
より好ましくは10〜30程度を例示できる。前記ネマ
ティック液晶混合物の屈折率異方性としては、例えば、
0.22〜0.32程度が望ましい。
【0017】いずれにしても、前記ネマティック液晶混
合物中に液晶性シアノビフェニル化合物と、液晶性シア
ノターフェニル化合物の少なくとも一方が30重量(w
t)%以上含有されていることが好ましい。この場合、
液晶性シアノターフェニル化合物の結晶化度制御のた
め、前記ネマティック液晶混合物において、前記液晶性
シアノビフェニル化合物の含有率が、前記液晶性シアノ
ターフェニル化合物の含有率より大きいことが望まし
い。
【0018】前記カイラルネマティック液晶組成物とし
ては、次の場合を例示できる。すなわち、 (a)前記カイラル材料の含有率が10重量(wt)%
〜45重量(wt)%である場合。 (b)複数種類のカイラル材料を含んでいる場合。 (c)屈折率異方性が0.18〜0.32である場合。 (d)相転移温度が60℃〜120℃である場合。 (e)末端にCN基をもつ構造のカイラル材料を少なく
とも一種含有している場合。 (f)色素を含有している場合。 (g)紫外線吸収剤を含有している場合。 (h)前記(a)〜(g)のうち二つ又はそれ以上を組
み合わせた場合。
【0019】いずれにしても、基板間距離の維持、強度
の向上等のために前記一対の基板間に複数の、高分子材
料主体の構造物(樹脂構造物、樹脂組成物構造物等)が
設けられていてもよい。また、前記一対の基板のうちい
ずれか一方の基板に紫外線カットフィルタを備えていて
もよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】図1は本発明に係る液晶表示素子の第1、
第4の実施形態A、Dの内部構成を概略的に示す図であ
り、図(A)にパルス電源25から該液晶表示素子に低
電圧パルスを印加した時におけるフォーカルコニック状
態(透明状態、ここでは黒色表示状態)を示し、図
(B)にパルス電源25から該液晶表示素子に高電圧パ
ルスを印加した時におけるプレーナ状態(白色表示状
態)を示す。
【0022】図2は本発明に係る液晶表示素子の第2の
実施形態Bの内部構成を概略的に示す図であり、パルス
電源25から該液晶表示素子に低電圧パルスを印加した
時におけるフォーカルコニック状態を示す図である。
【0023】また、図3は本発明に係る液晶表示素子の
第3の実施形態Cの内部構成を概略的に示す図であり、
パルス電源25から該液晶表示素子に低電圧パルスを印
加した時におけるフォーカルコニック状態を示す図であ
る。
【0024】なお、図1から図3の液晶表示素子A〜D
において、同じ構成、作用を有する箇所については同じ
参照符号を付してある。また、液晶表示素子A〜Dは、
いずれもメモリ性を有しており、パルス電圧の印加をや
めた後も着色状態であった領域は着色状態が、散乱状態
であった領域は散乱状態が保持される。
【0025】図1から図3に示す液晶表示素子A〜D
は、一対の基板11、12と液晶組成物21を含む液晶
層210を有している。一対の基板11、12のうち少
なくとも一方の基板、ここでは両方の基板11、12
は、透光性を有している。これらの基板11、12は所
定距離を離して互いに対向しており、その間に液晶21
が挟まれている。液晶21は室温でコレステリック相を
示す液晶組成物であり、その材料や組み合わせについて
は後述する。
【0026】液晶21は、これら両基板11、12に同
時的に接触するように挟持されている。すなわち、液晶
表示素子A〜Dを含め、本発明の液晶表示素子は、例え
ば網目状の高分子マトリックスに液晶が分散されてな
る、いわゆる高分子分散型液晶表示素子や、液晶を微小
な樹脂のカプセルに封入したものを用いた液晶表示素子
のように、液晶が両基板と同時的に接触するのを妨げる
ような高分子体が存在するものとは異なる液晶表示素子
である。例えば、柱状の樹脂構造物を設けて液晶が両基
板に同時的に接触できるようにした液晶表示素子や、基
板間に樹脂構造物が存在しない液晶表示素子である。
【0027】基板11、12は、既述のとおり、いずれ
も透光性を有しているが、基板11、12を含め、本発
明の液晶表示素子に用いることができる一対の基板は、
少なくとも一方が透光性を有していることが必要であ
る。透光性を有する基板としては、ガラス基板を例示で
きる。このガラス基板以外に、例えば、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレー
ト等のフレキシブル基板等が使用可能である。
【0028】図1から図3に示す液晶表示素子A〜Dを
含め、本発明の液晶表示素子には電極を設けることがで
きる。電極としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxi
de)に代表される透明導電性膜、アルミニウム、シリコ
ン等の金属電極、或いはアモルファスシリコン、BSO
(Bismuth Silicon Oxide )等の光導電性膜が使用可能
である。
【0029】図1から図3の液晶表示素子A〜Dにおい
ては、透明基板11、12の表面にそれぞれ間隔おいて
平行に並んだ複数の帯状の透明電極13、14が形成さ
れており、両基板11、12は、透明電極13、14の
向きが互いに直角方向となるように対向させてあり、透
明電極13、14が重なり合う領域が表示画素となる。
【0030】電極をこのように形成するには、例えば、
基板上にITO膜をスパッタリング法等で形成した後、
フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。さら
に、各画素に対応するスイッチング素子として複数のT
FTを用いてもよい。なお、本明細書においては、液晶
によって光変調が行われる領域、すなわち画像表示がな
される領域を表示領域と呼ぶ。その周囲は光変調が行わ
れない表示領域外となる。
【0031】図1から図3に示す液晶表示素子A〜Dを
含め、本発明の液晶表示素子では一対の基板のうち少な
くとも一方は、液晶組成物に接して該基板近傍の液晶組
成物における液晶分子の配列状態を該基板から離れた部
位(沖合)の液晶分子の配列状態とは異ならせうる機能
を有する機能層(機能面を提供する機能層)を備えてい
る。なお、絶縁性能・ガスバリア性能を向上させるため
に、透明電極上に有機及び(又は)無機材料からなる絶
縁性薄膜が形成されていてもよい。
【0032】図1から図3の液晶表示素子A〜Dでは、
電極13が形成された基板11上に絶縁性薄膜15がコ
ーティングされており、その上に機能層16が設けられ
ている。電極14が形成された基板12上に機能層16
が設けられている。
【0033】絶縁性薄膜を構成する材料としては、例え
ば、アクリル系やエポキシ系、ウレタン系等の樹脂材料
は勿論のこと、配向膜に用いられるポリイミドやシリコ
ーン系等の樹脂材料も使用可能である。なお、絶縁性薄
膜として、前記の樹脂材料の中に色素を混合して形成さ
れたカラーフィルタ等も使用可能である。
【0034】機能層を構成する材料としては、例えば、
通常配向膜材料として用いられるものが使用可能であ
る。特にシランカップリング剤やポリシロキサン等のシ
ロキサン構造やシリコン原子をもつ化合物を含有するも
のを使用すると、さらに良好な特性を得ることができ
る。
【0035】また、機能層を構成する材料において、側
鎖にコレステロール骨格、アダマンチル骨格、多環骨
格、デンドリマー骨格(スターバースト型化合物)、又
は炭素数3以上のアルキル基などを含んでいると、液晶
組成物においてさらに良好な分子配列状態を得ることが
できる。この場合、側鎖の置換率は、主鎖を形成する炭
素・窒素に結合できる総数に対する側鎖の置換率とし
て、例えば1%以上50%未満が望ましい。
【0036】前記化合物の化学構造式を(D1)〜(D
5)に示す。
【0037】
【化1】
【0038】なお、機能層は両基板のそれぞれに形成さ
れていてもよいし、いずれか一方のみに形成されていて
もよい。本例の液晶表示素子A〜Dでは、既述のとおり
両基板11、12にそれぞれ形成されている。
【0039】図1から図3に示す液晶表示素子A〜Dの
液晶組成物21だけでなく、本発明の液晶表示素子の液
晶組成物は、屈折率異方性が0.2〜0.34(望まし
くは0.22〜0.32)のネマティック液晶混合物
に、少なくとも1種類のカイラル材料を添加したもので
あって室温でコレステリック相を示し、相転移温度が6
0℃以上である誘電率異方性が正のカイラルネマティッ
ク液晶組成物である。さらに、色素を添加してもよい。
【0040】ネマティック液晶混合物は、機能層による
液晶分子の配列状態を効果的に形成するため、末端に極
性基をもつ液晶化合物の比率が高いことが望ましい。極
性基がCN基であればなおよい。
【0041】また、本発明者の研究によると、本発明の
液晶表示素子により良好な素子特性を実現するために
は、高屈折率異方性をもつ液晶組成物を使用するとよ
い。そのためには、高屈折率異方性のネマティック液晶
混合物を使用し、且つ、あまり屈折率異方性を低下させ
ないカイラル材を使用すればよい。しかし、カイラル材
料の選択の幅はネマティック液晶混合物の選択の幅と比
べて非常にせまいため、ネマティック液晶混合物は、屈
折率異方性が例えば0.2〜0.34程度の屈折率異方
性の高い材料を選択することが望ましい。さらに望まし
くは、屈折率異方性が0.22〜0.32程度を例示で
きる。
【0042】高屈折率異方性を実現し、且つ、安定性向
上のために、ネマティック液晶混合物中に液晶性シアノ
ビフェニル化合物と、液晶性シアノターフェニル化合物
が含有されていることが望ましい。さらに、少なくとも
一方が30wt%以上含有されていることが好ましい。
液晶性シアノターフェニル化合物は、粘性をあげてしま
うので温度補償範囲の拡大に必要な範囲にとどめ、液晶
性シアノビフェニル化合物の含有量より少ないことが望
ましい。
【0043】ここで、使用可能な液晶性シアノビフェニ
ル化合物の一般構造式(A)及び使用可能な液晶性シア
ノターフェニル化合物の一般構造式(B)を以下に示
す。また、液晶性シアノビフェニル化合物及び液晶性シ
アノターフェニル化合物の例として、具体的な化学構造
式をいくつか挙げる。なお、使用可能な化合物はここに
示すものに限定されるものではない。 (A)液晶性シアノビフェニル化合物の一般構造式
【0044】
【化2】
【0045】(液晶性シアノビフェニル化合物の具体
例)
【0046】
【化3】
【0047】(B)液晶性シアノターフェニル化合物の
一般構造式
【0048】
【化4】
【0049】(液晶性シアノターフェニル化合物の具体
例)
【0050】
【化5】
【0051】添加するカイラル材料としては、例えば、
ビフェニル化合物、ターフェニル化合物、エステル化合
物、ピリミジン化合物、アゾキシ化合物などでネマティ
ック液晶分子に層状のヘリカル構造(液晶分子の螺旋構
造に沿って液晶分子が360°回転した分子構造)を有
するものを使用できる。化合物の末端基に光学活性基を
有する市販のカイラル材料を用いることができる。ま
た、コレステリックノナノレートに代表されるコレステ
リック環を有するコレステリック液晶も使用できる。
【0052】以下にその例として化学構造式(C1 )〜
(C7 )を示す。 (カイラル材の化学構造式)
【0053】
【化6】
【0054】カイラル材の添加量は、ネマティック液晶
及びカイラル材の合計の重量を基準として、例えば約1
0重量(wt)%〜約45重量(wt)%より好ましく
は、15wt%〜40wt%がよい。10wt%以下で
は、十分なメモリー性(すなわち、電圧印加をやめた後
の、着色状態であった領域の着色状態の保持性、或いは
散乱状態であった領域の散乱状態の保持性)を得られな
い場合を生じ、また、45wt%以上では、室温でコレ
ステリック相を示さなくなったり、固化したりする場合
がある。添加するカイラル材料の種類は、1種類でも、
複数種類でもよい。但し、液晶種により複数種の材料を
使用したほうが温度補償や安定性の点で有利な場合があ
る。
【0055】カイラルネマティック液晶に色素を添加す
る場合、添加される色素としては、例えば、アゾ化合
物、キノン化合物、アントラキノン化合物等、或いは2
色性色素、紫外線吸収色素等、従来知られている各種の
色素が使用可能である。色素の添加量としては、それに
は限定されないが、ネマティック液晶とカイラル材の合
計の重量に対し、5wt%以下、好ましくは3wt%以
下を例示できる。
【0056】本発明の液晶表示素子において、カイラル
ネマティック液晶に色素を添加する場合、色素の役割と
しは、例えば、よりブロードな反射ピークを得、画像表
示の白さを増したり、短波長側の散乱を抑え、例えば黒
色などの背景色を利用してモノクロ(モノカラー)画像
表示を行う場合、背景色(例えば黒色)表示をクリアに
する役割を挙げることができる。
【0057】色素として紫外線吸収色素を用いる場合、
この紫外線吸収色素としては、液晶組成物の紫外線劣
化、例えば経時に伴なう退色や応答性の変化等を防止す
る効果も合わせもつことができるもの、例えば、ベンゾ
フェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリシレ
ート化合物等の材料が使用可能である。
【0058】カイラルネマティック液晶組成物は、屈折
率異方性が0.18〜0.32程度であることが好まし
く、より好ましくは0.21〜0.32程度を例示でき
る。液晶組成物の屈折率異方性があまり小さくなると散
乱成分が少なくなり、ブロードな選択反射ピークが得ら
れ難くなる。また、逆に屈折率異方性があまり大きくな
ると、散乱成分が多くなりすぎて液晶表示素子における
フォーカルコニック状態での透明表示(例えば黒色の背
景色表示)状態が悪くなり易く(透明がでにくく)表示
性能が低下し易い。従って、透明状態(散乱状態)、着
色状態ともに、良好なコントラスト特性を得るために屈
折率異方性が前記の範囲にあることが望ましい。
【0059】カイラルネマティック液晶組成物の相転移
温度Tch-Iとしては、60℃〜120℃程度であること
が望ましく、より好ましくは、70℃〜120℃程度を
例示できる。120℃以上でも、低温側の温度補償が可
能であればよいが、組成的に高温の温度補償範囲を広げ
ることで低温側の補償下限が上昇することが常なので、
実用液晶表示素子として使用する範囲では、前記の範囲
であることが望ましい。
【0060】カイラルネマティック液晶組成物は、少な
くとも室温から60℃の範囲で概ね選択反射波長のシフ
トが見られないように温度補償をとることが望ましい。
この温度補償範囲は、所定の液晶に対して温度上昇に伴
ない選択反射波長を長波長シフトさせるカイラル材料と
短波長シフトさせるカイラル材料を所定の比率で混合す
ることや、所定の液晶に対して温度により波長シフトが
生じ難いカイラル材料を選んで調製することで実現可能
である。また、このように調製されたカイラルネマティ
ック液晶組成物は、本実施形態のように所定の配向状態
で用いた場合も、観察側から反射波形のシフトがほとん
ど生じない。
【0061】また、カイラルネマティック液晶組成物の
誘電率異方性としては、例えば少なくとも5以上である
ことが望ましく、さらに望ましくは10以上、15以上
あればなお良い。上限値としては40以下、望ましくは
30以下を例示できる。誘電率異方性が大きすぎると長
期信頼性に問題が生じることがある。また、誘電率異方
性が5未満であると駆動電圧が高くなりすぎることがあ
る。
【0062】本発明に係る液晶表示素子において、カイ
ラルネマティック液晶組成物の選択反射波長は、可視光
(例えば、360nm〜740nmの波長域の光)を選
択反射させるように調製すれば、より明るい反射が得ら
れる。さらに波長550nm〜650nm程度、より好
ましくは波長580nm〜620nm程度に調製するこ
とで、明るさと色味(白さ)を両立させることができ
る。
【0063】図1から図3に示す液晶表示素子A〜Dを
含め、本発明の液晶表示素子には液晶組成物が漏れない
ように素子の周囲をシールするシール材を設けることが
できる。液晶表示素子A〜Dの基板11、12間には、
表示領域外である基板11、12の周縁部に液晶組成物
21を封じ込めるためのシール材24が設けられてい
る。
【0064】シール材としては、例えば、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂等の熱硬化型或いは光硬化型接着剤が
使用可能である。
【0065】図1から図3に示す液晶表示素子A〜Dを
含め、本発明の液晶表示素子は、一対の基板間に、該基
板間のギャップを均一に保持するためのスペーサが設け
られていてもよい。本例の液晶表示素子A〜Dにおいて
スペーサは図示を省略してある。
【0066】このスペーサとしては、樹脂製又は無機酸
化物製の球体を例示できる。また、例えば、固着・接着
性能を有するものも使用可能である。
【0067】図1から図3に示す液晶表示素子A〜Dを
含め、本発明の液晶表示素子は、強い自己保持性を付与
するために、一対の基板間が複数の、高分子材料主体の
構造物で支持されていてもよい。
【0068】液晶表示素子素子A、Dには、図1に示す
ように基板11、12間の表示領域内に柱状構造物20
が設けられている。液晶表示素子素子Cには、図3に示
すように基板11、12の間隙の中間部まで延びた小柱
状構造物20’が形成されている。
【0069】柱状構造物に関しては、まず構造面につい
て説明する。柱状構造物の形状としては、例えば円柱状
・四角柱状・楕円状等を挙げることができるが、それに
限定されるものではなく、形状はどのようなものでもよ
い。柱状構造物の配置としては、ランダムでも規則性が
あってもよい。一対の基板間の間隙を適切に保持すると
いう目的のためには、等間隔な配列、間隔が徐々に変化
する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返さ
れる配列、所定間隔で配置されたストライプ状の配列等
を例示でき、ある程度の規則性がある配列の方が望まし
い。また、画像表示を妨げないように考慮することはい
うまでもない。それらを作製する手段については、例え
ば、紫外線硬化型のモノマー・レジスト材料等にマスク
を介して紫外線を照射し、該材料の未硬化部分を除去す
るフォトリソ法や、熱可塑性樹脂をスクリーン印刷して
圧着加熱・冷却させて硬化させる方法などを挙げること
ができる。
【0070】次に柱状構造物の形成方法について説明す
る。柱状構造物は従来公知の各種の方法により形成する
ことができる。例えば、光硬化性樹脂材料を少なくとも
一方の基板に塗布した後、所望のパターンの開口が形成
されたマスクを介して所定波長の光を照射することによ
り、光硬化性樹脂材料を重合させ、不要部分を取り除い
て樹脂構造物を形成する方法や、少なくとも一方の基板
に樹脂材料をスクリーン印刷法で、転写、硬化、乾燥さ
せて樹脂構造物を形成する方法、液晶組成物と光硬化性
樹脂材料との混合物を一方の基板に塗布した後、他方の
基板を重ねて、所望のパターンの開口が形成されたマス
クを介して所定波長の光を照射することで光硬化性樹脂
材料を重合させ前記混合物から相分離することにより樹
脂構造物を形成する方法などを挙げることができる。
【0071】なお、図1に示す液晶表示素子Dは、柱状
構造物20をスクリーン印刷法で形成したものである。
【0072】スクリーン印刷法による柱状構造物の形成
方法は、例えば、次のようにして行う。すなわち、所定
のパターンが形成されたスクリーンを少なくとも一方の
基板の電極等が形成された面上に被せ、該スクリーン上
に印刷材料(柱状構造物形成のための組成物、例えば光
硬化性樹脂など)を載せる。そしてスキージを所定の圧
力、速度で移動させる。これによって、印刷材料がスク
リーンのパターンを介して該基板上に転写される。次
に、転写された材料を硬化、乾燥させる。
【0073】スクリーン印刷法で柱状構造物を形成する
場合、それに用いる樹脂材料としては、既述の光硬化性
樹脂に限らず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等
の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用できる。熱可塑性
樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化
ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメタクリル
酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
アクリロニトリル樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、ポ
リビニールケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニー
ルプロリドン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂等を挙げることが
できる。なお、樹脂材料は、例えば樹脂を適当な溶剤に
溶解するなどして、ペースト状にして用いることが望ま
しい。
【0074】柱状構造物に用いる樹脂材料として熱硬化
性樹脂や熱可塑性樹脂材料を用い、一対の基板間にスペ
ーサを設ける場合、例えば、次のようにして液晶表示素
子を作製することができる。
【0075】すなわち、まず樹脂材料を少なくとも一方
の基板上に配置した後、スペーサを少なくとも一方の基
板上に散布し、一対の基板を複数の帯状電極等の形成面
を対向させて重ね合わせる。重ね合わせた一対の基板を
両側から加圧しながら加熱することにより、樹脂材料を
軟化させた後、冷却することにより再びこれを固化さ
せ、空セルを形成する。
【0076】この空セルを液晶表示素子とするには、柱
状構造物を挟持した基板間に液晶組成物を、例えば真空
注入法等によって注入すればよい。
【0077】ところで、液晶は、一般的に波長380n
m以下の光成分により特性変化することが知られてい
る。この特性の変化は、画像表示における表示ムラや、
駆動電圧の劣化のような形で発生することがある。これ
を防ぐために、液晶表示素子に例えば、紫外線カットフ
ィルタ及び(又は)紫外線カット樹脂膜を設けることが
望ましい。
【0078】本発明の液晶表示素子においては、偏光板
又は位相板を設けることができ、この場合、その偏光板
又は位相板上に紫外線吸収剤を含む保護膜として、紫外
線吸収層を形成することができる。また、それに限らず
透明基板上に紫外線吸収層を形成してもよい。
【0079】紫外線吸収層の製造方法については、特に
限定されるものではなく任意の方法を用いることができ
る。代表的な方法としては、例えば、アクリル樹脂、シ
リコーン樹脂等に紫外線吸収剤を混ぜて基板等に塗布し
硬化させる方法や、トリアセテート等の材料に紫外線吸
収材料を添加したフィルタを挟みこむ等の方法を挙げる
ことができる。
【0080】代表的な紫外線吸収材料としては、ベンゾ
フェノンやベンゾトリアゾール等を例示できる。但し、
紫外線吸収材料についても特に限定されるものではな
い。
【0081】図1に示す液晶表示素子A、Dにおいて
は、基板11の外面に紫外線吸収フィルタ26を設けて
ある。
【0082】また、図1から図3に示す液晶表示素子A
〜Dを含め、本発明の液晶表示素子においては、光を入
射させる側とは反対側の基板の外面に黒色などの可視光
吸収層を設けることができる。本例の液晶表示素子A〜
Dでは、基板12の外面に黒色の可視光吸収層19が設
けられている。
【0083】パルス電源25は電極13、14に接続さ
れており、電極13、14にパルス状の所定電圧を印加
できる。
【0084】以上の構成からなる液晶表示素子A〜Dに
おいては、電源25から電極13、14にパルス電圧を
印加することで画像表示が行われる。
【0085】図4に図1から図3に示す液晶表示素子A
〜Dの波長―光反射率スペクトルの一例を示す。
【0086】液晶組成物21としてコレステリック相を
示すものを用いているので、比較的高いパルス電圧を印
加することで、液晶21がプレーナ状態となり(図1
(B)参照)、図4に示すように、コレステリックピッ
チ(液晶21のヘリカルピッチ)と液晶21の平均屈折
率に基づいて決まる波長付近に主ピークをもつブロード
な反射スペクトル(波長480nm〜700nmの全領
域で反射光を得る状態)を示し白色表示状態となる。
【0087】比較的低いパルス電圧を印加することで、
液晶21がフォーカルコニック状態となり透明状態とな
る(図1(A)参照)。なお、図1から図3に示すよう
に、本例では、黒色の可視光吸収層19を設けてあるの
で、フォーカルコニック状態では黒色の背景色表示とな
る。
【0088】なお、一般的なコレステリック液晶では、
図4の破線で示した正規分布に近いスペクトルとなり、
色純度の高い(すなわち白色度の低い)表示となる。ま
た、ブロードな反射スペクトルであっても、例えば選択
反射波長のピーク値が図4の矢印Xに示す方向に下がっ
てくると、結果的にコントラストの低い暗い表示とな
る。
【0089】図1から図3に示す液晶表示素子A〜Dに
よると、一対の基板11、12のうち少なくとも一方
が、液晶組成物21に接して該基板近傍の液晶組成物に
おける液晶分子の配列状態を該基板から離れた部位の液
晶分子の配列状態とは異ならせうる機能を有する機能層
16を備えており、液晶組成物21が、屈折率異方性
0.2〜0.34のネマティック液晶混合物に、少なく
とも1種類のカイラル材料を添加して可視波長域に選択
反射波長を調整したものであって室温でコレステリック
相を示し、相転移温度60℃以上である誘電率異方性が
正のカイラルネマティック液晶であり、液晶層210の
選択反射光の波長域が480nm〜700nmの全域に
わたるので、選択反射の光反射率のピークをブロードに
することができ、色純度の低い(換言すれば白色度の高
い)、明るく視認性の優れたモノクロ画像表示ができ、
良好なコントラスト、明るさ等の特性を得ることができ
る。また、双安定性に優れており、温度補償範囲が大き
い。
【0090】次に本発明に係る液晶表示素子の性能評価
実験を行ったので、比較実験とともに以下に説明する。
【0091】以下の各実験例において、Y値(視感反射
率)の測定は、白色光源を有する分光測色計CM370
0d(ミノルタ社製)を用いて行った。なお、コントラ
ストは(高反射率状態でのY値/低反射率状態でのY
値)で与えられる。以下に説明する各実験例における液
晶表示素子においては、液晶表示素子を不完全なプレー
ナ状態としたときに高反射率状態となり、フォーカルコ
ニック状態としたときに低反射率状態となる。 (実験例1)ネマティック液晶混合物(屈折率異方性:
0.310、誘電率異方性:15.5、等方相転移温
度:108℃)に、構造式C7 で示されるカイラル材料
10.2wt%を混合し、選択反射波長が700nmを
示すカイラルネマティック液晶組成物を調製した。この
カイラルネマティック液晶組成物は、室温でコレステリ
ック相を示し、その屈折率異方性は0.267、誘電率
異方性は8.5、等方相転移温度は85℃であった。
【0092】ITO電極がそれぞれ形成された二つのガ
ラス基板上に絶縁膜として酸化シリコン薄膜をそれぞれ
形成し、さらにその上に全面にわたってポリイミド樹脂
を主成分とする機能膜をそれぞれ形成し、一方の基板の
周縁部に前記液晶組成物を封じ込めるためのシール材X
N21S(三井化学社製)を形成した。該二つの基板を
対向させ、両基板間にスペーサを挟んで基板間ギャップ
を5μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに
光を入射させる側とは反対側の基板の外面に黒色の光吸
収体を設け、液晶表示素子を作製した。この液晶表示素
子は、光吸収体が設けられている側の基板に絶縁性薄膜
が形成されていることを除いて、図2に示す液晶表示素
子Bと実質上同構成である。
【0093】この液晶表示素子において、電極間に80
Vのパルス電圧を5ms印加すると不完全なプレーナ状
態(白色状態)となり、波長480nm〜700nmの
全波長領域で反射光を得た。この時のY値は15.83
を示した。さらに、50Vのパルス電圧を5ms印加す
るとフォーカルコニック状態(透明状態)となり、Y値
は4.15を示した。コントラストは3.81であっ
た。 (実験例2)ネマティック液晶混合物(屈折率異方性:
0.282、誘電率異方性:15.9、等方相転移温
度:109℃)に、構造式C3 で示されるカイラル材料
25wt%を混合し、選択反射波長が600nmを示す
カイラルネマティック液晶組成物を調製した。このカイ
ラルネマティック液晶組成物は、室温でコレステリック
相を示し、その屈折率異方性は0.217、誘電率異方
性は13.5、等方相転移温度は70℃であった。
【0094】ITO電極がそれぞれ形成された二つのガ
ラス基板上に絶縁膜として酸化シリコン薄膜をそれぞれ
形成し、さらにその上に全面にわたってコレステロール
骨格を15%含む樹脂を主成分とする機能膜をそれぞれ
形成し、一方の基板の周縁部に前記液晶組成物を封じ込
めるためのシール材XN21S(三井化学社製)を形成
した。該二つの基板を対向させ、両基板間にスペーサを
挟んで基板間ギャップを10μmに調整し、前記液晶組
成物を挟持した。さらに光を入射させる側とは反対側の
基板の外面に黒色の光吸収体を設け、液晶表示素子を作
製した。この液晶表示素子は、光吸収体が設けられてい
る側の基板に絶縁性薄膜が形成されていることを除い
て、図2に示す液晶表示素子Bと実質上同構成である。
【0095】この液晶表示素子において、電極間に80
Vのパルス電圧を5ms印加すると不完全なプレーナ状
態(白色状態)となり、波長480nm〜700nmの
全波長領域で反射光を得た。この時のY値は18.93
を示した。さらに、45Vのパルス電圧を5ms印加す
るとフォーカルコニック状態(透明状態)となり、Y値
は3.07を示した。コントラストは6.17であっ
た。 (実験例3)液晶性シアノビフェニル化合物を58%
と、液晶性シアノターフェニル化合物を28%含有する
ネマティック液晶混合物(屈折率異方性:0.267、
誘電率異方性:18、等方相転移温度:96℃)に、構
造式C7 で示されるカイラル材料27.8wt%を混合
し、選択反射波長が520nmを示すカイラルネマティ
ック液晶組成物を調製した。このカイラルネマティック
液晶組成物は、室温でコレステリック相を示し、その屈
折率異方性は0.225、誘電率異方性は9.8、等方
相転移温度は65℃であった。
【0096】ITO電極が形成されたガラス基板上に絶
縁膜として酸化シリコン薄膜を形成し、さらにその上に
全面にわたってポリイミド樹脂を主成分とする機能膜を
形成し、基板の周縁部に前記液晶組成物を封じ込めるた
めのシール材XN21S(三井化学社製)を形成した。
該基板と、ITO電極のみが形成されたガラス基板を対
向させ、両基板間にスペーサを挟んで基板間ギャップを
7μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに光
を入射させる側とは反対側の基板の外面に黒色の光吸収
体を設け、液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子
は、光吸収体が設けられている側の基板に機能膜が形成
されていないことを除いて、図2に示す液晶表示素子B
と実質上同構成である。
【0097】この液晶表示素子において、電極間に90
Vのパルス電圧を5ms印加すると不完全なプレーナ状
態(白色状態)となり、波長480nm〜700nmの
全波長領域で反射光を得た。この時のY値は16.03
を示した。さらに、60Vのパルス電圧を5ms印加す
るとフォーカルコニック状態(透明状態)となり、Y値
は4.01を示した。コントラストは4.00であっ
た。 (実験例4)液晶性シアノ化合物(シアノビフェニル、
3環シアノ化合物)100%のネマティック液晶混合物
(屈折率異方性:0.241、誘電率異方性:26、等
方相転移温度:97℃)に、カイラル材として構造式C
3 及び構造式C7 の3:2混合物30.6wt%を混合
し、選択反射波長が630nmを示すカイラルネマティ
ック液晶組成物を調製した。このカイラルネマティック
液晶組成物は、室温でコレステリック相を示し、その屈
折率異方性は0.208、誘電率異方性は10、等方相
転移温度は60℃であった。
【0098】次にITO電極がそれぞれ形成された二つ
のポリエーテルスルフォン(PES)基板上に絶縁膜と
して酸化シリコン薄膜をそれぞれ形成し、一方の基板上
に全面にわたってポリイミド樹脂を主成分とする機能膜
を形成した。さらに、その基板上に10μmのギャップ
制御用スペーサを所定量散布した後、基板の周縁部にシ
ール材XN21S(三井化学社製)を切れ目のないよう
にスクリーン印刷した。他方の基板上には、絶縁膜上に
全面にわたってコレステロール骨格を15%含む樹脂を
主成分とする機能膜を形成した。
【0099】その上に熱可塑性樹脂を主成分とするイン
クを直径約100μmの穴が約500μm間隔で形成さ
れたメタルマスクを介して載せた後、スキージを用いて
スクリーン印刷を行ない、高さ約10μmの円柱状の柱
状構造物を作製した。その後、先に調整した液晶組成物
を塗布した。これら両基板を貼り合わせ装置を用いて貼
り合わせた後、150℃で1時間加熱した。
【0100】次に柱状構造物を設けた側の基板の裏面
(外面)に黒色の光吸収層を設け、さらに光入射側の基
板の外面に紫外線カットフィルタ(日東電工社製)を設
け、液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子は、光
吸収層が設けられている側の基板に絶縁性薄膜形成され
ていることを除いて、図1に示す液晶表示素子Dと実質
上同構成である。
【0101】この液晶表示素子において、電極間に90
Vのパルス電圧を5ms印加すると不完全なプレーナ状
態(白色状態)となり、波長480nm〜700nmの
全波長領域で反射光を得た。この時のY値は15.39
を示した。さらに、60Vのパルス電圧を5ms印加す
るとフォーカルコニック状態(透明状態)となり、Y値
は2.36を示した。コントラストは6.52であっ
た。 (実験例5)液晶性シアノビフェニル化合物を60%
と、液晶性シアノターフェニル化合物を30%含有する
ネマティック液晶混合物(屈折率異方性:0.286、
誘電率異方性:17.3、等方相転移温度:113℃)
に、カイラル材として構造式C 3 及び構造式C2 の2:
1混合物17.0wt%を混合し、選択反射波長が60
0nmを示すカイラルネマティック液晶組成物を調製し
た。このカイラルネマティック液晶組成物は、室温でコ
レステリック相を示し、その屈折率異方性は0.25
6、誘電率異方性は13、等方相転移温度は80℃であ
った。
【0102】このカイラルネマティック液晶は、室温か
ら60℃までほとんど選択反射の波長のシフトが見られ
なかった。
【0103】次にITO電極がそれぞれ形成された二つ
のポリエーテルスルフォン(PES)基板上に絶縁膜と
して酸化シリコン薄膜をそれぞれ形成し、その上に全面
にわたってシランカップリング剤を主成分とする機能膜
をそれぞれ形成した。一方の基板上に9μmのギャップ
制御用スペーサを所定量散布した後、基板の周縁部にシ
ール材XN21S(三井化学社製)を切れ目のないよう
にスクリーン印刷した。他方の基板上には、熱可塑性樹
脂を主成分とするインクを直径約100μmの穴が約5
00μm間隔で形成されたメタルマスクを介して載せた
後、スキージを用いてスクリーン印刷を行ない、高さ約
9μmの円柱状の柱状構造物を作製した。その後、先に
調整した液晶組成物を塗布した。これら両基板を貼り合
わせ装置を用いて貼り合わせた後、150℃で1時間加
熱した。
【0104】次に柱状構造物を設けた側の基板の裏面
(外面)に黒色の光吸収層を設け、液晶表示素子を作製
した。この液晶表示素子は、光入射側の基板に紫外線カ
ットフィルタが設けられていないこと及び光吸収層が設
けられている側の基板に絶縁性薄膜形成されていること
を除いて、図1に示す液晶表示素子Dと実質上同構成で
ある。
【0105】この液晶表示素子において、電極間に85
Vのパルス電圧を5ms印加すると不完全なプレーナ状
態(白色状態)となり、波長480nm〜700nmの
全波長領域で反射光を得た。この時のY値は20.01
を示した。さらに、60Vのパルス電圧を5ms印加す
るとフォーカルコニック状態(透明状態)となり、Y値
は2.76を示した。コントラストは7.25であっ
た。 (実験例6)実験例5で用いたカイラルネマティック液
晶に、紫外線吸収剤MBT―175(日本化薬製)を
0.5wt%添加した。
【0106】このカイラルネマティック液晶は、室温か
ら60℃までほとんど選択反射の波長のシフトが見られ
なかった。
【0107】ITO電極がそれぞれ形成された二つのポ
リエーテルスルフォン(PES)基板上に絶縁膜として
酸化シリコン薄膜をそれぞれ形成し、その上に全面にわ
たってシランカップリング剤を主成分とする機能膜をそ
れぞれ形成した。一方の基板上に9μmのギャップ制御
用スペーサを所定量散布した後、基板の周縁部にシール
材XN21S(三井化学社製)を切れ目のないようにス
クリーン印刷した。他方の基板上には、熱可塑性樹脂を
主成分とするインクを直径約100μmの穴が約500
μm間隔で形成されたメタルマスクを介して載せた後、
スキージを用いてスクリーン印刷を行ない、高さ約9μ
mの円柱状の柱状構造物を作製した。その後、先に調整
した液晶組成物を塗布した。これら両基板を貼り合わせ
装置を用いて貼り合わせた後、150℃で1時間加熱し
た。
【0108】次に柱状構造物を設けた側の基板の裏面
(外面)に黒色の光吸収層を設け、液晶表示素子を作製
した。この液晶表示素子は、光入射側の基板に紫外線カ
ットフィルタが設けられていないこと及び光吸収層が設
けられている側の基板に絶縁性薄膜形成されていること
を除いて、図1に示す液晶表示素子Dと実質上同構成で
ある。
【0109】この液晶表示素子において、電極間に85
Vのパルス電圧を5ms印加すると不完全なプレーナ状
態(白色状態)となり、波長480nm〜700nmの
全波長領域で反射光を得た。この時のY値は15.18
を示した。さらに、60Vのパルス電圧を5ms印加す
るとフォーカルコニック状態(透明状態)となり、Y値
は1.97を示した。コントラストは7.71であっ
た。
【0110】反射波形は、選択反射のピークがブロード
になり、実施例5の液晶表示素子と比較して画像表示に
おける白味が増した。また、短波長側の散乱が小さくな
り透明状態における画像表示がクリアになった。 (実験例7)ネマティック液晶混合物(屈折率異方性:
0.212、誘電率異方性:44、等方相転移温度:1
03℃)に、カシラル材として構造式C3 及び構造式C
2 の5:3混合物13.7wt%を混合し、選択反射波
長が600nmを示すカイラルネマティック液晶組成物
を調製した。このカイラルネマティック液晶組成物は、
室温でコレステリック相を示し、その屈折率異方性は
0.198、誘電率異方性は27、等方相転移温度は8
5℃であった。
【0111】ITO電極がそれぞれ形成された二つの基
板上に絶縁膜として酸化シリコン薄膜をそれぞれ形成
し、さらにその上に全面にわたってポリイミド樹脂を主
成分とする機能膜を形成し、一方の基板の周縁部に前記
液晶組成物を封じ込めるためのシール材XN21S(三
井化学社製)を形成した。該二つの基板を対向させ、両
基板間にスペーサを挟んで基板間ギャップを9μmに調
整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに光を入射させ
る側とは反対側の基板の外面に黒色の光吸収体を設け、
液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子は、光吸収
体が設けられている側の基板に絶縁性薄膜が形成されて
いることを除いて、図2に示す液晶表示素子Bと実質上
同構成である。
【0112】この液晶表示素子において、電極間に65
Vのパルス電圧を5ms印加すると不完全なプレーナ状
態(白色状態)となり、波長480nm〜700nmの
全波長領域で反射光を得た。この時のY値は12.95
を示した。さらに、50Vのパルス電圧を5ms印加す
るとフォーカルコニック状態(透明状態)となり、Y値
は2.68を示した。コントラストは4.83であっ
た。 (比較実験例1)ネマティック液晶混合物(屈折率異方
性:0.123、誘電率異方性:8.2、等方相転移温
度:102℃)に、構造式C3 で示されるカイラル材料
32.2wt%を混合し、選択反射波長が630nmを
示すカイラルネマティック液晶組成物を調製した。この
カイラルネマティック液晶組成物は、室温でコレステリ
ック相を示し、その屈折率異方性は0.128、誘電率
異方性は7.0、等方相転移温度は70℃であった。
【0113】ITO電極が形成されたガラス基板上に絶
縁膜として酸化シリコン薄膜を形成し、さらにその上に
全面にわたってポリイミド樹脂を主成分とする機能膜を
形成し、基板の周縁部に前記液晶組成物を封じ込めるた
めのシール材XN21S(三井化学社製)を形成した。
該基板と、ITO電極のみを形成したガラス基板を対向
させ、両基板間にスペーサを挟んで基板間ギャップを1
0μmに調整し、前記液晶組成物を挟持した。さらに光
を入射させる側とは反対側の基板の外面に黒色の光吸収
体を設け、液晶表示素子を作製した。
【0114】この液晶表示素子において、電極間に70
Vのパルス電圧を5ms印加すると不完全なプレーナ状
態(白色状態)となり、Y値は6.42を示した。さら
に、50Vのパルス電圧を5ms印加するとフォーカル
コニック状態(透明状態)となり、Y値は2.48を示
した。コントラストは2.59であり、暗く、コントラ
ストの低い表示になった。
【0115】以上のように、実験例1〜7の液晶表示素
子では、いずれも波長480nm〜700nmの全波長
領域で反射光を得ることができた。そして、明るく視認
性の優れた画像表示を行うことができ、良好なコントラ
スト、明るさ等の特性を得ることができた。これに対
し、比較実験例1の液晶表示素子では、暗く、コントラ
ストの低い表示になった。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、カ
イラルネマティック液晶を用いた液晶表示素子であっ
て、双安定性に優れるとともに、明るく視認性に優れた
画像表示ができ、例えば、黒色などの背景色を利用して
モノクロ(モノカラー)画像表示を行う場合、良好なコ
ントラスト、明るさ等の特性を得ることができる液晶表
示素子を提供することができる。
【0117】また本発明によると、カイラルネマティッ
ク液晶を用いた液晶表示素子であって、温度補償範囲が
大きい液晶表示素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示素子の第1、第4の実施
形態の内部構成を概略的に示す図であり、図(A)はパ
ルス電源から該液晶表示素子に低電圧パルスを印加した
時におけるフォーカルコニック状態(透明状態、ここで
は黒色表示状態)を示す図であり、図(B)はパルス電
源から該液晶表示素子に高電圧パルスを印加した時にお
けるプレーナ状態(白色表示状態)を示す図である。
【図2】本発明に係る液晶表示素子の第2の実施形態の
内部構成を概略的に示す図であり、パルス電源から該液
晶表示素子に低電圧パルスを印加した時におけるフォー
カルコニック状態を示す図である。
【図3】本発明に係る液晶表示素子の第3の実施形態の
内部構成を概略的に示す図であり、パルス電源から該液
晶表示素子に低電圧パルスを印加した時におけるフォー
カルコニック状態を示す図である。
【図4】図1から図3に示す液晶表示素子の波長―光反
射率スペクトルの一例を示す図である。
【符号の説明】
A、B、C、D 液晶表示素子 11、12 基板 13、14 透明電極 15 絶縁性薄膜 16 機能膜 19 可視光吸収層 20 柱状構造物 20’ 小柱状構造物 21 カイラルネマティック液晶 210 液晶層 24 シール材 25 パルス電源 26 紫外線吸収フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1337 G02F 1/1337 (72)発明者 小林 信幸 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 植田 秀昭 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 EA02 EA49 FA02 GA02 GA03 GA12 GA13 GA17 HA03 HA06 HA11 HA14 JA06 JA15 JA16 KA04 KA06 KA20 KA26 LA09 MA02 MA06 2H090 HB03Y HB06Y HB08Y HB12Y HD11 KA06 KA13 LA02 LA04 LA20 MA01 MA04 4H027 BA02 BD02 BD07 BD10 BD17 BD20 BE02 BE03 BE05 CC08 CD04 CD07 CD08 CD10 CG04 CT08 CU01 DM07

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透光性を有し、互いに対
    向配置された一対の基板間に、液晶組成物を含む液晶層
    が挟持されている液晶表示素子であり、 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板は、前記液
    晶組成物に接して該基板近傍の液晶組成物における液晶
    分子の配列状態を該基板から離れた部位の液晶分子の配
    列状態とは異ならせうる機能を有する機能面を備えてお
    り、 前記液晶組成物は、屈折率異方性0.2〜0.34のネ
    マティック液晶混合物に、少なくとも1種類のカイラル
    材料を添加したものであって室温でコレステリック相を
    示し、相転移温度60℃以上である誘電率異方性が正の
    カイラルネマティック液晶であり、 前記液晶層の選択反射光の波長域が480nm〜700
    nmの全域にわたることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】少なくとも一方が透光性を有し、互いに対
    向配置された一対の基板間に、液晶組成物を含む液晶層
    が挟持されている液晶表示素子であり、 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板は、前記液
    晶組成物に接して該基板近傍の液晶組成物における液晶
    分子の配列状態を該基板から離れた部位の液晶分子の配
    列状態とは異ならせうる機能を有する機能面を備えてお
    り、 前記液晶組成物は、屈折率異方性0.2〜0.34のネ
    マティック液晶混合物に、少なくとも1種類のカイラル
    材料を添加して可視波長域に選択反射波長を調整したも
    のであって室温でコレステリック相を示し、相転移温度
    60℃以上である誘電率異方性が正のカイラルネマティ
    ック液晶であり、 前記液晶層の選択反射光の波長域が480nm〜700
    nmの全域にわたることを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記可視波長域に調整された選択反射波長
    は、550nm〜650nmである請求項2記載の液晶
    表示素子。
  4. 【請求項4】前記可視波長域に調整された選択反射波長
    は、580nm〜620nmである請求項2記載の液晶
    表示素子。
  5. 【請求項5】前記カイラルネマティック液晶の誘電率異
    方性は、5〜40である請求項1から4のいずれかに記
    載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】前記カイラルネマティック液晶の誘電率異
    方性は、10〜30である請求項1から4のいずれかに
    記載の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】前記ネマティック液晶混合物の屈折率異方
    性は、0.22〜0.32である請求項1から6のいず
    れかに記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】前記ネマティック液晶混合物中に液晶性シ
    アノビフェニル化合物と、液晶性シアノターフェニル化
    合物の少なくとも一方が30重量%以上含有されている
    請求項1から7のいずれかに記載の液晶表示素子。
  9. 【請求項9】前記ネマティック液晶混合物において、前
    記液晶性シアノビフェニル化合物の含有率が、前記液晶
    性シアノターフェニル化合物の含有率より大きい請求項
    8記載の液晶表示素子。
  10. 【請求項10】前記カイラルネマティック液晶は、前記
    カイラル材料の含有率が10重量%〜45重量%である
    請求項1から9のいずれかに記載の液晶表示素子。
  11. 【請求項11】前記カイラルネマティック液晶は、複数
    種類のカイラル材料を含んでいる請求項1から10のい
    ずれかに記載の液晶表示素子。
  12. 【請求項12】前記カイラルネマティック液晶は、屈折
    率異方性が0.18〜0.32である請求項1から11
    のいずれかに記載の液晶表示素子。
  13. 【請求項13】前記カイラルネマティック液晶の相転移
    温度は、60℃〜120℃である請求項1から12のい
    ずれかに記載の液晶表示素子。
  14. 【請求項14】前記カイラルネマティック液晶は、末端
    にCN基をもつ構造のカイラル材料を少なくとも一種含
    有している請求項1から13のいずれかに記載の液晶表
    示素子。
  15. 【請求項15】前記カイラルネマティック液晶は色素を
    含有している請求項1から14のいずれかに記載の液晶
    表示素子。
  16. 【請求項16】前記カイラルネマティック液晶は紫外線
    吸収剤を含有している請求項15記載の液晶表示素子。
  17. 【請求項17】前記機能面はシリコン原子又はシロキサ
    ン骨格を含有している請求項1から16のいずれかに記
    載の液晶表示素子。
  18. 【請求項18】前記機能面はポリイミド骨格を含有して
    いる請求項1から16のいずれかに記載の液晶表示素
    子。
  19. 【請求項19】前記機能面はアクリレート又はポリイミ
    ド系化合物からなる請求項1から16のいずれかに記載
    の液晶表示素子。
  20. 【請求項20】前記一対の基板間に複数の、高分子材料
    主体の構造物が設けられている請求項1から19のいず
    れかに記載の液晶表示素子。
  21. 【請求項21】前記一対の基板のうちいずれか一方の基
    板に紫外線カットフィルタを備えている請求項1から2
    0のいずれかに記載の液晶表示素子。
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