JP2001311891A - 光源ユニット、光ビーム走査装置、及びカラー画像記録装置 - Google Patents

光源ユニット、光ビーム走査装置、及びカラー画像記録装置

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JP2001311891A
JP2001311891A JP2000128209A JP2000128209A JP2001311891A JP 2001311891 A JP2001311891 A JP 2001311891A JP 2000128209 A JP2000128209 A JP 2000128209A JP 2000128209 A JP2000128209 A JP 2000128209A JP 2001311891 A JP2001311891 A JP 2001311891A
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light
semiconductor
light beam
light emitting
light source
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JP2000128209A
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English (en)
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Akinori Harada
明憲 原田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型化された光源ユニットを提供する。安価で
且つ直接変調可能な光源ユニットを提供する。小型で組
立て工程が簡単であり、外部環境変化に対し高い信頼性
を有する光ビーム走査装置を提供する。外部環境変化に
対し高い信頼性を有する光ビーム走査装置を備え、色ず
れが高度に防止された画像記録装置を提供する。 【解決手段】各々発振波長の異なる半導体レーザ14
a、14b、及び14cは、出射されるレーザビーム1
2a、12b、及び12cの出射方向が同一となり且つ
偏光方向が同一方向を向くように、ヒートシンク16の
端部に所定間隔離間されて横一列に並べられ固定され、
半導体レーザ14a、14b、及び14cとヒートシン
ク16とは、基板22とケーシング24とが接合されて
形成される気密空間内にパッケージングされて、走査光
学系の光源部10が小型化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源ユニット、光
ビーム走査装置、及びカラー画像記録装置に関し、特
に、小型化された光源ユニットと、この光源ユニットを
光源部に用いた光ビーム走査装置、及びこの光ビーム走
査装置を用いてカラー画像を記録するカラー画像記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
可視域(400〜690nmの波長域)に分光感度を有
するカラー感光材料の場合には、各色の画像信号に基づ
いて変調した赤、緑、青の3色の光ビームでカラー感光
材料を走査露光してカラー画像を記録している。ここ
で、光ビームを発生させる光源としては、一般に、ガス
レーザ、半導体レーザを励起光とし波長変換素子を備え
た固体レーザ(波長変換固体レーザ)、半導体レーザ等
のレーザ光源が用いられており、波長域に応じて適当な
レーザ光源が選択される。例えば、テレビジョン学会誌
第36巻第1号50〜57(1982)や特開昭60−
14572号公報には、それぞれガスレーザ(発振波長
632nmのHe−Neレーザ、発振波長514nmの
Arレーザ、発振波長441nmのHe−Cdレーザ)
から発生させた赤、緑、青の3色の光ビームでカラー感
光材料を走査露光してカラー画像を記録する画像記録装
置が提案されている。また、従来、短波長域の光ビーム
を出射する半導体レーザは入手困難であることから、赤
の光ビームを発生させるレーザ光源には半導体レーザ
(例えば、発振波長680nmの半導体レーザ)が用い
られ、緑、青の光ビームを発生させるレーザ光源には、
波長変換固体レーザ(例えば、発振波長473nm、5
32nmの波長変換固体レーザ)が用いられていた。
【0003】しかしながら、半導体レーザ以外の他のレ
ーザ光源は、大型で且つ高価である、という問題があ
る。また、半導体レーザ以外の他のレーザ光源は、直接
変調することができないので、高価な音響光学素子(A
OM)等の外部変調器を用いて光ビームを変調しなけれ
ばならない、という問題がある。また、AOM等の外部
変調器を用いた走査光学系の場合、互いの部品が干渉し
あうので各光ビームの光軸間角度を小さくすることがで
きず、装置全体が大型化する、という問題がある。さら
に、走査光学系を組立てる際に、色ずれ等を生じないよ
うに各光源毎に光軸や集光位置を精密に調整しなければ
ならず、組立て工程が複雑になる、という問題がある。
また、長期間使用していると、環境温度変化により走査
光学系を構成するレンズ等の各構成要素が劣化したり、
衝撃により光軸ずれや集光位置ずれが発生するなど、外
部環境変化により装置の信頼性が損なわれる、という問
題がある。
【0004】また、赤外域に分光感度を有するカラー感
光材料の場合には、赤外波長域の3種類の波長の光ビー
ムでカラー感光材料を走査露光してカラー画像を形成す
る。この場合には、630nm〜980nmの波長範囲
に発振波長を有する半導体レーザが実用化されているの
で、光ビームを発生させる光源を総て半導体レーザで構
成することができ、装置の小型化を図ることができる。
【0005】しかしながら、各半導体レーザはヒートシ
ンクと共に個別のパッケージに実装されているため、半
導体レーザ以外の他のレーザ光源を用いる場合と同様
に、走査光学系の組立て工程が複雑になり、外部環境変
化により装置の信頼性が損なわれる、という問題があ
る。
【0006】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであり、本発明の第1の目的は、小
型化された光源ユニットを提供することにある。本発明
の第2の目的は、安価で且つ直接変調可能な光源ユニッ
トを提供することにある。本発明の第3の目的は、小型
で組立て工程が簡単であり、外部環境変化に対し高い信
頼性を有する光ビーム走査装置を提供することにある。
本発明の第4の目的は、外部環境変化に対し高い信頼性
を有する光ビーム走査装置を備え、色ずれが高度に防止
された画像記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の光源ユニットは、各々波長の異な
る光ビームを発光する複数の半導体発光素子を、該半導
体発光素子から発光された光ビームの各々の出射方向が
同一となり且つ偏光方向が同一方向を向くように、単一
基板に固定したことを特徴とする。
【0008】請求項1に記載の光源ユニットは、各々波
長の異なる光ビームを発光する複数の半導体発光素子を
備えており、これら複数の半導体発光素子は、各半導体
発光素子から発光された光ビームの出射方向が同一とな
り且つ偏光方向が同一方向を向くように、単一基板に固
定されている。このように、各々波長の異なる光ビーム
を発光する複数の半導体発光素子を、各半導体発光素子
から発光された光ビームの出射方向が同一となり且つ偏
光方向が同一方向を向くように、単一基板に固定するこ
とにより、各々波長の異なる光ビームを発光する複数の
半導体発光素子を一緒にパッケージングすることが可能
となり、光源ユニットを小型化することができる。
【0009】請求項2に記載の光源ユニットは、請求項
1に記載の発明において、前記複数の半導体発光素子
が、直接変調可能な半導体発光素子であることを特徴と
する。発光ダイオード(LED)や半導体レーザ等の直
接変調可能な半導体発光素子は比較的安価であり、光源
ユニットを直接変調可能な半導体発光素子で構成するこ
とにより、直接変調することができ且つ安価な光源ユニ
ットとすることができる。また、高価な外部変調器が不
要になるので、この光源ユニットを備えた光ビーム走査
装置も安価に作製することができる。
【0010】上記光源ユニットは、以下の通り、種々の
半導体発光素子を組み合わせて構成することができる。
例えば、請求項3に記載の光源ユニットは、請求項1ま
たは2に記載の発明において、前記複数の半導体発光素
子が、赤色波長域の光ビームを発光する半導体発光素
子、緑色波長域の光ビームを発光する半導体発光素子、
及び青色波長域の光ビームを発光する半導体発光素子で
あることを特徴とする。また、請求項4に記載の光源ユ
ニットは、請求項3に記載の発明において、前記緑色波
長域の光ビームを発光する半導体発光素子及び青色波長
域の光ビームを発光する半導体発光素子が、微小面積発
光型発光ダイオードまたは半導体レーザであり、前記赤
色波長域の光ビームを発光する半導体発光素子が、半導
体レーザであることを特徴とする。また、請求項5に記
載の光源ユニットは、請求項1または2に記載の発明に
おいて、前記複数の半導体発光素子が、620〜690
nmの波長域の光ビームを発光する半導体発光素子、7
30〜780nmの波長域の光ビームを発光する半導体
発光素子、及び780nm以上の波長域の光ビームを発
光する半導体発光素子であることを特徴とする。また、
請求項6に記載の光源ユニットは、請求項5に記載の発
明において、前記620〜690nmの波長域の光ビー
ムを発光する半導体発光素子、730〜780nmの波
長域の光ビームを発光する半導体発光素子、及び780
nm以上の波長域の光ビームを発光する半導体発光素子
が、半導体レーザであることを特徴とする。
【0011】請求項7に記載の光ビーム走査装置は、請
求項1〜6のいずれか1項に記載の光源ユニットと、該
光源ユニットを構成する各半導体発光素子から発光され
る光ビームで被走査物を走査する走査手段と、を含んで
構成したことを特徴とする。
【0012】請求項7に記載の光ビーム走査装置は、請
求項1〜6のいずれか1項に記載の光源ユニットを備え
ており、走査手段は、この光源ユニットを構成する各半
導体発光素子から発光される光ビームで被走査物を走査
する。上述の通り、請求項1〜6のいずれか1項に記載
の光源ユニットは、各々波長の異なる光ビームを発光す
る複数の半導体発光素子を一緒にパッケージングするこ
とが可能であり、この光源ユニットを備えた光ビーム走
査装置では、複数の半導体発光素子について走査光学系
を共通にすることができる。このため、光ビーム走査装
置の小型化を図ることができるほか、走査光学系の組立
て工程が簡素化されると共に、外部環境変化に対する信
頼性が向上する。
【0013】請求項8に記載のカラー画像記録装置は、
請求項7に記載の光ビーム走査装置を用い、各々波長の
異なる複数の光ビームでカラー感光材料を走査してカラ
ー画像を記録することを特徴とする。
【0014】請求項8に記載のカラー画像記録装置は、
請求項7に記載の光ビーム走査装置を備えており、この
光ビーム走査装置を用いて、カラー感光材料を各々波長
の異なる複数の光ビームで走査してカラー画像を記録す
る。上述の通り、請求項7に記載の光ビーム走査装置で
は、複数の半導体発光素子について走査光学系を共通に
することができるので、この光ビーム走査装置を備えた
画像記録装置においては、画像記録時の色ずれが高度に
防止される。
【0015】請求項9に記載のカラー画像記録装置は、
請求項8の発明において、前記カラー感光材料がハロゲ
ン化銀感光材料であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
光源ユニット、光ビーム走査装置、及び画像記録装置の
実施の形態について詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の光ビーム走査装置及び画
像記録装置の実施の形態に係る走査光学系の概略斜視図
であり、本実施の形態に係る走査光学系は、本発明の光
源ユニットの実施の形態に係る光源部10を備えてい
る。この光源部10の構成を、図2(A)及び(B)に
示す。
【0018】光源部10は、波長680nmのレーザビ
ーム12aを出射するAlGaInP系の半導体レーザ
14a、波長750nmのレーザビーム12bを出射す
るAlGaAs系の半導体レーザ14b、及び波長81
0nmのレーザビーム12cを出射するAlGaAs系
の半導体レーザ14cの3種類の波長の半導体レーザ
と、ヒートシンク16とを備えている。なお、本実施の
形態では、後述するカラー感光材料46として、赤外域
の680nm、750nm、810nmの各波長に分光
感度ピークを有する3つの感光層を備えたカラー感光材
料を使用する。
【0019】半導体レーザ14a、14b、及び14c
は、それぞれ端面発光型の半導体レーザであり、出射さ
れるレーザビーム12a、12b、及び12cの出射方
向が同一となり且つ偏光方向が同一方向を向くように、
ヒートシンク16の端部に所定間隔離間されて横一列に
並べられ、インジウム、スズ等のろう材によりヒートシ
ンク16にろう付けされて固定されている。例えば、ケ
ーシング24の内径が5.6mm程度であり、半導体レ
ーザの端面の幅が500μm程度である場合には、半導
体レーザを約2mm以下の間隔で離間して配置すること
が可能であるが、像面収差を抑制し光学系の共通化を図
るためには半導体レーザの配置間隔を0.2mm以下と
するのが好ましく、半導体レーザ同士の熱的干渉を回避
するためには半導体レーザは他の半導体レーザと0.1
mm以上離間して配置されるのが好ましい。従って、コ
スト及び露光性能の点から、半導体レーザの配置間隔は
0.1mm以上0.2mm以下の範囲とするのがより好
ましい。また、ヒートシンク16には、熱伝導性の良い
銅、ダイヤモンド、鉄などが使用される。
【0020】なお、半導体レーザ14a、14b、及び
14cの位置決めは、画像認識装置等を用いて、光軸方
向及びこれと垂直な方向に±2μm以内の精度で行なう
ことができる。また、半導体レーザ14a、14b、及
び14cの各素子の発光領域18の位置決めは、結晶成
長の精度が±1μm以内であることから、同様に±1μ
m以内の精度で行なうことができる。
【0021】半導体レーザ14a、14b、及び14c
とヒートシンク16とは、放熱用のねじマウント20を
備えた基板22とケーシング24とがキャンシール等に
より接合されて形成される気密空間内に載置されてい
る。気密空間を形成するケーシング24の光ビーム出射
側の壁面にはガラス窓26が嵌め込まれ、レーザビーム
12a、12b、及び12cが取り出し可能とされてい
る。また、半導体レーザ14a、14b、及び14cの
両電極は、基板22に設けられた陽極28及び陰極30
に各々ワイヤボンディングされ、陽極28及び陰極30
を介して外部に設けられた変調駆動回路32に接続され
ている。
【0022】図1に示すように、本実施の形態の走査光
学系は、上記の光源部10と走査手段としてのポリゴン
ミラー34とを備えており、光源部10とポリゴンミラ
ー34との間には、レーザビーム12a、12b、及び
12cを平行光化するコリメータレンズ36、ビーム形
状を整形するビーム補正光学系38、及び面倒れ補正用
のシリンドリカルレンズ40が配置され、ポリゴンミラ
ー34の光反射方向には、fθレンズ42、及びシリン
ドリカルレンズ等のレンズ群44が配置されている。
【0023】次に、本実施の形態の走査光学系での画像
記録について説明する。
【0024】アナログ信号に変換された各色毎の画像信
号が変調駆動回路32に入力され、この画像信号に基づ
いて光源部10の半導体レーザ14a、14b、及び1
4cがそれぞれ駆動され、レーザビーム12a、12
b、及び12cが各々変調される。変調方式としては、
強度変調、パルス幅変調、パルス数変調等の公知の方式
を適宜採用することができる。
【0025】変調されたレーザビーム12a、12b、
及び12cは、コリメータレンズ36によって平行光化
された後、ビーム補正光学系38によりビーム形状が整
形され、シリンドリカルレンズ38により、ポリゴンミ
ラー34の反射鏡面34a上で線像を結ぶように一方向
にのみ集光されて、ポリゴンミラー34に入射する。ポ
リゴンミラー34の回転軸34bは、モータの回転軸
(図示せず)に連結されており、モータの駆動によりポ
リゴンミラー34が高速回転するように構成されてい
る。レーザビーム12a、12b、及び12cは、高速
回転するポリゴンミラー34によって反射されると共に
偏向される。なお、レーザビーム12a、12b、及び
12cがシリンドリカルレンズ38により上述のように
集光されて、ポリゴンミラー34の面倒れ補正がなされ
る。
【0026】偏向されたレーザビーム12a、12b、
及び12cは、f−θレンズ42を通過し、シリンドリ
カルレンズ等のレンズ群44により主走査方向に集光さ
れてカラー感光材料46に入射し、それらを矢印X方向
に主走査する。一方、カラー感光材料46が、駆動手段
(図示せず)の駆動力により所定速度で主走査方向と直
交する矢印Y方向に搬送されて副走査がなされ、感光材
料46が2次元的に走査される。これにより画像信号に
応じてカラー感光材料46が露光され、カラー感光材料
46の各感光層に潜像が記録される。
【0027】本実施の形態の走査光学系の光源部は、各
々波長の異なる光ビームを出射する3種類の半導体レー
ザが、これらの半導体レーザから出射された光ビームの
各々の出射方向が同一となり且つ偏光方向が同一方向を
向くようにされ、単一のヒートシンク上に固定されてい
るので、同じケーシング内にパッケージすることがで
き、光源部自体を非常にコンパクトな構成とすることが
できる。また、半導体発光素子を総て安価で直接変調可
能な半導体レーザとしたので、高価な外部変調器が不要
であり、走査光学系全体の作製コストを低減することが
できる。
【0028】本実施の形態の走査光学系は、各々波長の
異なる光ビームを出射する3種類の半導体レーザが同じ
ケーシング内にパッケージされたコンパクトな光源部を
備えているので、この3種類の半導体レーザについて走
査光学系を共通にすることができ、光学部品点数が1/
3になるので、走査光学系を小型化することができると
共に、走査光学系の組立て工程が簡素化される。また、
光軸調整や位置調整が必要な箇所が減少するので、長期
間の使用、温度や湿度等の使用環境の変化、及び振動衝
撃等による部品の劣化や位置ずれを生じ難く、外部環境
変化に対する信頼性が向上する。また、外部環境変化に
対する信頼性が向上する結果、画像記録時の色ずれが高
度に防止される。
【0029】上記実施の形態では、赤外域に中心発振波
長を有する3種類の半導体レーザ(発振波長680nm
のAlGaInP系半導体レーザ、発振波長750nm
のAlGaAs系半導体レーザ、発振波長810nmの
AlGaAs系半導体レーザ)から光源部を構成して、
赤外域に分光感度を有するカラー感光材料を走査露光す
る例について説明したが、光源の組合せは感光材料の種
類等に応じて適宜変更することができる。
【0030】例えば、同様に赤外域に分光感度を有する
カラー感光材料であっても感光材料により分光感度ピー
ク波長は異なるので、感光材料の分光感度ピーク波長に
応じて、620〜690nmの波長域、730〜780
nmの波長域、及び780nm以上の波長域からそれぞ
れ選択した波長の光ビームを発光する3種類の半導体発
光素子から光源部を構成することができる。また、可視
域(400〜690nmの波長域)に分光感度を有する
カラー感光材料を走査露光する場合には、赤色波長域の
光ビームを発光する半導体発光素子、緑色波長域の光ビ
ームを発光する半導体発光素子、及び青色波長域の光ビ
ームを発光する半導体発光素子の3種類の半導体発光素
子(以下、「青色光源」「緑色光源」「赤色光源」とい
う。)から光源部を構成することができる。
【0031】また、半導体レーザに代えてまたは半導体
レーザと共に、微小面積発光ダイオード(EELED)
を用いることができる。このEELEDは、0.1〜6
4μm2と微小面積の発光領域を有する端面発光型の発
光ダイオードであり、この微小面積発光ダイオードから
発光される光ビームは、レーザビームのように強い指向
性は有していないが、走査露光に必要とされる光強度を
備えている。また、半導体レーザと比較して広い波長範
囲でEELEDを得ることができる、コヒーレント性が
低いため外部に設けられた光学系からの戻り光による影
響を受けにくく各光学部品の反射防止コート等が不要に
なる、半導体レーザと同様に小型で且つ低コストであ
る、直接変調することが可能であり外部変調器は不要で
ある、等の利点を有しており、青色光源及び緑色光源と
して好適である。
【0032】特に、可視域に分光感度を有するカラー感
光材料は、青色波長域の光で感光される青感性感光層、
緑色波長域の光で感光される緑感性感光層、及び赤色波
長域の光で感光される赤感性感光層を備えているが、各
感光層の分光感度は、青感性感光層、緑感性感光層、赤
感性感光層の順に低下するので、このようなカラー感光
材料を走査露光する場合には、青色光源に出力が最小の
EELEDを用い、緑色光源により高出力のEELED
を用い、赤色光源にさらに高出力の半導体レーザ(例え
ば、発振波長680nmの半導体レーザ)を用いる、と
いうように青、緑、赤の順に高強度の光ビームが得られ
る光源を用いることが好ましい。
【0033】また、青色光源に半導体レーザ(例えば、
発振波長410nmの半導体レーザ)を用い、緑色光源
にEELEDを用い、赤色光源に半導体レーザ(例え
ば、発振波長680nmの半導体レーザ)に用いる、と
いう組合せも好適である。
【0034】上記実施の形態では、複数の半導体発光素
子として3つの端面発光型の半導体レーザを用い、これ
らをヒートシンクの端部に所定間隔離間して横一列に並
べる例について説明したが、複数の半導体発光素子は、
出射されるレーザビームの出射方向が同一となり且つ偏
光方向が同一方向を向くように、ヒートシンクの端部に
配置されていればよく、その配置方法を種々変更するこ
とができる。例えば、図3(A)に示すように、複数の
半導体発光素子を90度回転させて配置してもよく、図
3(B)に示すように、複数の半導体発光素子をヒート
シンクの上下に分けて配置してもよい。また、半導体発
光素子として面発光型の半導体レーザを用いる場合に
は、図3(C)に示すように、ヒートシンクの出射側の
側面に複数の半導体発光素子を配置してもよい。また、
図3(D)に示すように、ヒートシンクの発光側の端面
と共に半導体発光素子の端面の位置を少しずつずらして
配置することもできる。半導体発光素子の発光端面の位
置をずらして配置する場合には、青色光源、緑色光源、
赤色光源の順に光学系までの光路長が長くなるように半
導体発光素子を配置することによりレンズ等による色消
しが不要になる。
【0035】上記実施の形態では、走査手段としてポリ
ゴンミラーを用いた走査光学系の例について説明した
が、走査手段は光源からの光ビームをミラーで反射させ
て走査する走査手段に限られず、光源をユニットを移動
させて走査する走査手段とすることができる。また、ポ
リゴンミラーに代えてガルバノミラーやマイクロミラー
アレイを用いてもよい。このマイクロミラーアレイは、
各々の反射角度が調整可能な多数の微小ミラーを備えて
おり、画像信号に基づいてアレイを構成する微小ミラー
の反射角度を調整することにより光ビームを2次元方向
に反射し、2次元走査を行うものである。
【0036】例えば、ポリゴンミラーに代えてマイクロ
ミラーアレイを用いた走査光学系の例を図4に示す。図
4に示す走査光学系では、光源部10の光照射側には、
光を拡散する拡散ボックス126が配置され、拡散ボッ
クス126の光射出側には、マイクロミラーアレイ12
0が配置されている。また、拡散ボックスによって拡散
された光が後述するオフ状態のマイクロミラー128に
より反射される方向に、光吸収体158が配置されてい
る。
【0037】マイクロミラーアレイ120は、図5に示
すように、SRAMセル(メモリセル)130上に、微
小ミラー(マイクロミラー)128が支柱により支持さ
れて配置されたものであり、多数の(数10万個から数
100万個)のピクセルを格子状に配列して構成された
ミラーデバイスである。各ピクセルについて説明する
と、図5に示すように、最上部に支柱に支えられたマイ
クロミラー128が設けられており、マイクロミラー1
28の表面にはアルミニウムが蒸着されている。なお、
マイクロミラーの反射率は90%以上である。また、マ
イクロミラー128の直下には、ヒンジ及びヨークを含
む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造
されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル130
が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構
成されている。
【0038】マイクロミラーアレイ120は、SRAM
にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマ
イクロミラー128が、対角線を中心としてマイクロミ
ラーアレイ120が配置された基板側に対して±α度
(例えば±10度)の範囲で傾き、光を反射する方向が
変化する。すなわち、それぞれのマイクロミラー128
をオンオフ制御することにより、マイクロミラー128
が±α度傾くので、マイクロミラーアレイ120を光ス
イッチとして使用することができる。なお、図6(A)
は、マイクロミラー128がオン状態である+α度に傾
いた状態を示し、図6(B)は、マイクロミラー128
がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。
【0039】従って、画像信号に応じてマイクロミラー
アレイ120のそれぞれのピクセルにおけるマイクロミ
ラー128の傾きを図6に示すように制御することによ
って、マイクロミラーアレイ120に入射された光は、
それぞれのマイクロミラー128の傾き方向へ反射され
る。なお、図5は、マイクロミラーアレイ120の一部
を拡大し、マイクロミラー128が+α度又は−α度に
制御されている状態の一例を示す。
【0040】それぞれのマイクロミラー128のオンオ
フ制御は、マイクロミラーアレイ120に接続されたコ
ントローラ50によって行われる。また、マイクロミラ
ーアレイ120により感光材料46方向に反射された光
の光軸上には、マイクロミラーアレイ120によって反
射された光をカラー感光材料46の記録面に結像させる
集光レンズ132が順に配置されている。
【0041】この走査光学系では、入力された画像信号
に基づいてコントローラ50によって露光量が算出さ
れ、算出された露光量に基づいてマイクロミラー128
の各々がオンオフ制御される。このときマイクロミラー
128のオン時間は、露光量が多くなるに従って長くさ
れる。そして、光源部10より出力され、拡散ボックス
126を介してマイクロミラーアレイ120に入力され
た光は、マイクロミラーアレイ120により、マイクロ
ミラー128がオン状態の場合にはカラー感光材料46
方向に、マイクロミラー128がオフ状態の場合には光
吸収体158方向にそれぞれ反射される。カラー感光材
料46方向に反射された光は、集光レンズ132により
カラー感光材料46の記録面に収束されて、カラー感光
材料46が記録層側から露光される。
【0042】このように走査光学系に多数の微小ミラー
を備えたマイクロミラーアレイを用いる場合には、画像
信号に基づいて微小ミラーの反射角度を調整することに
より感光材料を走査露光することが可能であり、ポリゴ
ンミラー等を備えた複雑な光学系を用いる必要がなく、
走査光学系をコンパクト化することができると共に、高
速に走査露光を行うことができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の光源ユニットは、各々波長の異
なる光ビームを発光する複数の半導体発光素子を、各半
導体発光素子から発光された光ビームの出射方向が同一
となり且つ偏光方向が同一方向を向くように、単一基板
に固定することにより、各々波長の異なる光ビームを発
光する複数の半導体発光素子を一緒にパッケージングす
ることが可能となり、光源ユニットを小型化することが
できる、という効果を奏する。
【0044】また、本発明の光源ユニットを直接変調可
能な半導体発光素子で構成することにより、直接変調が
可能になると共に、安価な光源ユニットとすることがで
きる、という効果を奏する。
【0045】また、本発明の光ビーム走査装置は、小型
化された本発明の光源ユニットを用いることにより複数
の半導体発光素子について走査光学系を共通にすること
ができ、光ビーム走査装置の小型化を図ることができる
ほか、走査光学系の組立て工程が簡素化されると共に、
外部環境変化に対する信頼性が向上する、という効果を
奏する。
【0046】本発明のカラー画像記録装置は、外部環境
変化に対し高い信頼性を有する本発明の光ビーム走査装
置を用いることにより、画像記録時の色ずれが高度に防
止される、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る走査光学系の構成を
示す斜視図である。
【図2】(A)は本発明の実施の形態に係る走査光学系
の光源部の構成を示す斜視図であり、(B)は(A)の
正面図である。
【図3】(A)〜(D)は、半導体発光素子の配置方法
を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る走査光学系の変形例
を示す斜視図である。
【図5】マイクロミラーアレイの一部分の構成を示す部
分拡大図である。
【図6】マイクロミラーアレイを構成するマイクロミラ
ーの動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 光源部 12a、12b、12c レーザビーム 14a、14b、14c 半導体レーザ 16 ヒートシンク 18 発光領域18 22 基板 24 ケーシング 26 ガラス窓 32 変調駆動回路 34 ポリゴンミラー 36 コリメータレンズ 38 ビーム補正光学系 40 シリンドリカルレンズ 42 f−θレンズ 44 レンズ群44 46 カラー感光材料 120 マイクロミラーアレイ 128 微小ミラー(マイクロミラー)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/113 H04N 1/04 104Z 5C072 Fターム(参考) 2C362 AA04 AA10 AA11 AA12 AA43 AA45 BA51 CA16 CA22 CA37 CA40 CB71 DA06 DA09 2H041 AA16 AB14 AC06 AZ01 AZ08 2H045 AA01 BA24 BA32 CB42 DA02 2H106 AA12 AA41 2H109 AA02 AA29 AA52 DA01 5C072 AA03 BA01 BA19 HA02 HA06 HA11 HA13 HB06 QA14 QA17 UA18 XA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々波長の異なる光ビームを発光する複数
    の半導体発光素子を、該半導体発光素子から発光された
    光ビームの各々の出射方向が同一となり、且つ偏光方向
    が同一方向を向くように、単一基板に固定した光源ユニ
    ット。
  2. 【請求項2】前記複数の半導体発光素子が、直接変調可
    能な半導体発光素子である請求項1に記載の光源ユニッ
    ト。
  3. 【請求項3】前記複数の半導体発光素子が、赤色波長域
    の光ビームを発光する半導体発光素子、緑色波長域の光
    ビームを発光する半導体発光素子、及び青色波長域の光
    ビームを発光する半導体発光素子である請求項1または
    2に記載の光源ユニット。
  4. 【請求項4】前記緑色波長域の光ビームを発光する半導
    体発光素子及び青色波長域の光ビームを発光する半導体
    発光素子が、微小面積発光型発光ダイオードまたは半導
    体レーザであり、 前記赤色波長域の光ビームを発光する半導体発光素子
    が、半導体レーザである請求項3に記載の光源ユニッ
    ト。
  5. 【請求項5】前記複数の半導体発光素子が、620〜6
    90nmの波長域の光ビームを発光する半導体発光素
    子、730〜780nmの波長域の光ビームを発光する
    半導体発光素子、及び780nm以上の波長域の光ビー
    ムを発光する半導体発光素子である請求項1または2に
    記載の光源ユニット。
  6. 【請求項6】前記620〜690nmの波長域の光ビー
    ムを発光する半導体発光素子、730〜780nmの波
    長域の光ビームを発光する半導体発光素子、及び780
    nm以上の波長域の光ビームを発光する半導体発光素子
    が、半導体レーザである請求項5に記載の光源ユニッ
    ト。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の光源
    ユニットと、 該光源ユニットを構成する各半導体発光素子から発光さ
    れる光ビームで被走査物を走査する走査手段と、 を含む光ビーム走査装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の光ビーム走査装置を用
    い、各々波長の異なる複数の光ビームでカラー感光材料
    を走査してカラー画像を記録するカラー画像記録装置。
  9. 【請求項9】前記カラー感光材料がハロゲン化銀感光材
    料である請求項8に記載のカラー画像記録装置。
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