JP2001311869A - 焦点検出装置 - Google Patents

焦点検出装置

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JP2001311869A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2次結像系における像が光電変換素子上に結
像する2像各々においての周辺部で生ずる光量低下にお
いて誘導される光電変換素子の出力信号による位相波形
の平行移動対称性の低下を減少させ、位相差検出焦点検
出装置における合焦精度の向上を図る。 【構成】 入射する光線を集光するフィールドレンズ1
2、光線を分離、再結像させるための第1絞りマスク1
5、再結像レンズ16a,16bを有し、分離された2
像を受光し、その位相波形を出力するための光電変換手
段17を有し、対物レンズ11によって1次結像された
光線から焦点検出に必要な光線を選択する第2絞りマス
ク14を光軸方向に分離して配設することによって、各
光電変換素子17における2像の出力位相波形の対称性
を良好に補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一眼レフレックス
カメラ、ビデオカメラなどに用いられる焦点検出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】パッシブ方式による位相差検出焦点検出
装置は、2次結像光学系によって分離し、光電変換素子
上にそれぞれ再結像された2像の位相を光電変換手段の
出力信号として検出する。
【0003】図9は従来例の焦点検出系の光路を示す図
であるが、図に示すように対物レンズ11によって被写
体像が形成される予定焦点面近傍には、被写体像の一部
を取り出すための視野マスク12が配置され、この視野
マスク12は焦点検出系の視野を決定する開口として焦
点検出ゾーンが形成されている。この視野マスク12に
よって決定された視野を透過する光線は周辺光束を集光
させるフィールドレンズ13を通り、焦点検出に用いる
光束を選択するための開口部を有した第1絞りマスク1
5を透過し、焦点検出に用いる光線を光電変換素子17
上に結像させる再結像レンズ16a,16bを通り、光
電変換素子17上に結像される。
【0004】図10は光電変換手段による出力波形を示
す波形図であるが、図に示す2像による出力信号の相対
位置を比較演算することによって最適結像点を検出して
いる。即ち、対物レンズによる結像点が予定焦点面より
も前に結像した(前ピン)ときには、図11に示すよう
に光電変換手段の出力信号による波形の相対間隔は遠ざ
かる。また、予定焦点面よりも後ろに結像した(後ピ
ン)ときには、図12に示すように光電変換手段の出力
信号による波形の相対間隔は近くなる。したがって、2
像による出力信号における位相波形の相対位置のずれを
演算することにより、対物レンズによる結像点のデフォ
ーカス量を求めることが可能であった。
【0005】この演算の際、2像の位相におけるずれの
最小値を検出し、このずれ量の面積が最小になる点を検
知し、演算するため、分離、再結像された2像の位相波
形は平行移動対称になっていることが必要不可欠であっ
た。
【0006】しかしながら、2次結像系の再結像レンズ
に入射する光線の入射角の違いによって、再結像レンズ
が光電変換素子上に再結像する像の周辺像と中心像に光
量の差違が生じる現象である光量むらが見られた。光量
むらは例えば、同一輝度の平坦な物体の2次結像による
像を光電変換素子上で読み込んだ際、出力波形は図13
に示すように中心側に向かって傾いた出力波形になり、
平行移動対称の出力波形にならない。従って、合焦・非
合焦に関わらず、平行移動対称形の出力波形にはならな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような光量むら
が生じると、分離、再結像した2像による光電変換手段
の出力信号が図14のような平行移動対称でない位相波
形になる。つまり、2像の相対位置を演算する際に2像
による出力波形の面積差を増大させ、検出精度の低下を
招く。特に長い積分時間が必要な低輝度時に出力信号の
差を増大させ、合焦性能を悪化させる。光量むらを減少
させるためにはフィールドレンズと絞りマスク、再結像
レンズの間隔、絞りマスク同士の位置関係を変化させる
ことで可能であるが、対物レンズによって生じるデフォ
ーカス量と2次結像系の倍率は密接な関係があり、検出
のために必要な対物レンズによるデフォーカス量、光電
変換素子の検出可能領域の移動幅が決まってしまうと2
次結像系の倍率はほぼ一定の値を取らざるを得ず、この
倍率が一定のまま、光量むらを小さくするためには、2
次結像光学系のパワーを小さくする必要が生じ、2次光
学系の光路長は長くなり、フィールドレンズと、再結像
レンズの間隔は広がることになる。しかし、2次結像光
学系の光路長の大きさを大きくすることはカメラの小型
化を阻害し、他パーツとの干渉のため好ましくない。ま
た、対物レンズのF値、2次結像系の倍率、絞りマスク
の光軸上の位置により、絞りマスクの最小径、最大径、
マスク同士の間隔は決定されてしまうので、絞りマスク
同士の間隔を変化させることも実質上困難であり、前述
の分離、結像された像の周辺光量の低下、ついては対称
性の悪化、検出精度の低下を完全に除去することは困難
であった。
【0008】本発明は、上述した従来技術の課題に鑑み
てなされたものであり、2次結像系における像が光電変
換素子上に結像する2像各々においての周辺部で生ずる
光量低下において誘導される光電変換素子の出力信号に
よる位相波形の平行移動対称性の低下を減少させ、位相
差検出焦点検出装置における合焦精度の向上を図ること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
させるため、予定焦点面上に設定される検出ゾーンと、
検出ゾーンにおける光線を2つの光電変換素子に分割、
再結像させるための2次結像系において、入射する光線
を集光するフィールドレンズ、光線を分離、再結像させ
るための絞りマスク、再結像レンズを有し、分離された
2像を受光し、その位相波形を出力するための光電変換
手段を有し、対物レンズによって1次結像された光線か
ら焦点検出に必要な光線を選択する上記絞りマスクを複
数枚光軸方向に分離して配設することによって、各光電
変換素子における2像の出力位相波形の対称性を良好に
補正することを特徴とする。
【0010】
【実施例】以下、本発明の焦点検出用光学装置の実施例
を説明する。各実施例は、例えば一眼レフレックスカメ
ラの位相差検出焦点検出装置に用いられ、撮影範囲内の
被写体に対する撮影レンズの合焦状態を検出する際、検
出精度を向上させるために用いるものである。
【0011】図1はこの発明にかかる第1の焦点検出装
置の焦点検出系の光路を示す図である。
【0012】図1に示すように対物レンズ11によって
被写体像が形成される予定焦点面近傍には、被写体像の
一部を取り出すための視野マスク12が配置され、この
視野マスク12は焦点検出系の視野を決定する開口とし
て焦点検出ゾーンが形成されている。この視野マスク1
2によって決定された視野を透過する光線は周辺光束を
集光させるフィールドレンズ13を通り、開口効率、光
量の差違を調節する第2絞りマスク14、焦点検出に用
いる光束を選択するために少なくとも複数の開口部を有
した第1絞りマスク15を透過し、焦点検出に用いる光
線を光電変換素子17上に結像させる再結像レンズ16
a,16bを通り、光電変換素子17上に結像される。
【0013】図3は第2絞りマスク14の形状を示す平
面図である。第2絞りマスク14は平面板に開口部14
aが設けられている。また、図中点線で示した部分は第
1絞りマスク15の開口部15a,15bである。
【0014】図2は第1絞りマスク15の形状を示す平
面図である。第1絞りマスク15は平面板に開口部15
a,15bが設けられている。
【0015】第1絞りマスク15は、光電変換素子17
に結像させる光束を選択する機能を有しているが、第2
絞りマスク14は第1絞りマスク15で選択され、再結
像レンズ16a,16bによって光電変換素子17上に
結像される光束がフィールドレンズ13で光束が透過し
た光線高の差違によって、第1絞りマスク15、再結像
レンズ16a,16bに入射する角度に差違が生じ、そ
の差違による開口効率、光量の差違が生じることを防止
するために、入射する角度の小さい光束である開口効率
や光量が大きい光束の一部のみを遮光し、入射する角度
の大きい光束である開口効率や光量が小さい光束は遮光
しない役割を持っている。
【0016】この第2絞りマスク14は、例えば第1絞
りマスク15とフィールドレンズ13との間に配設し、
そのマスク形状は第1絞りマスク15の開口の最大径と
同等となる2つのマスクの最大径を直径とする円形、も
しくはそれ以上の径を有した円形となっている。
【0017】図4は第2の焦点検出装置の焦点検出系の
光路を示す図である。
【0018】対物レンズ11によって被写体像が形成さ
れる予定焦点面近傍には、被写体像の一部を取り出すた
めの視野マスク12が配置され、この視野マスク12は
焦点検出系の視野を決定する開口として焦点検出ゾーン
が形成されている。この視野マスク12によって決定さ
れた視野を透過する光線は周辺光束を集光させるフィー
ルドレンズ13を通り、開口効率、光量の差違を調節す
る第2絞りマスク24、焦点検出に用いる光束を選択す
るために少なくとも複数の開口部を有した第1絞りマス
ク15を透過し、焦点検出に用いる光線を光電変換素子
17上に結像させる再結像レンズ16a,16bを通
り、光電変換素子17上に結像される。
【0019】第2絞りマスク24は図5に示すように第
1絞りマスク15の開口部15a,15bに対応させた
開口部24a,24bが形成されている。図中点線で示
した部分は第1絞りマスク15の開口部15a,15b
である。
【0020】図6は第3の焦点検出装置の焦点検出系の
光路を示す図である。
【0021】対物レンズ11によって被写体像が形成さ
れる予定焦点面近傍には、被写体像の一部を取り出すた
めの視野マスク12が配置され、この視野マスク12は
焦点検出系の視野を決定する開口として焦点検出ゾーン
が形成されている。この視野マスク12によって決定さ
れた視野を透過する光線は周辺光束を集光させるフィー
ルドレンズ13を通り、開口効率、光量の差違を調節す
る第2絞りマスク34、焦点検出に用いる光束を選択す
るために少なくとも複数の開口部を有した第1絞りマス
ク15を透過し、焦点検出に用いる光線を光電変換素子
17上に結像させる再結像レンズ16a,16bを通
り、光電変換素子17上に結像される。
【0022】第2絞りマスク34は図7に示すように第
1絞りマスク15の開口部15a,15bに対応させた
楕円状の開口部34aが形成されている。図中点線で示
した部分は第1絞りマスク15の開口部15a,15b
である。
【0023】第2絞りマスクの開口部の形状は円形や楕
円で説明したが、開口部の形状はこれらに限定されるも
のではなく、第1絞りマスクに対応した矩形に成形して
も同様の光電変換素子の出力を得ることができる。
【0024】以上の構成にすることで、図8に示すよう
に光電変換素子17による出力波形が均一な2像にな
り、この2像による出力信号の相対位置を比較演算する
ことによって最適結像点を検出することができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
予定焦点面近傍で1次結像した像を、2次結像系を用い
て光電変換素子上に分離、再結像させ、その出力波形の
状態で対物レンズの焦点位置を認識する位相差検出焦点
検出装置の検出精度を向上させることが可能である。ま
た、本実施例において、第2の絞りマスクを1枚配置し
たが、複数枚配置しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焦点検出系の光路を示す図である。
【図2】第1絞りマスク形状を示す平面図である。
【図3】第2絞りマスクの形状を示す平面図である。
【図4】焦点検出系の光路を示す図である。
【図5】第2絞りマスクの形状を示す平面図である。
【図6】焦点検出系の光路を示す図である。
【図7】第2絞りマスクの形状を示す平面図である。
【図8】光電変換素子による出力波形を示す波形図であ
る。
【図9】従来例の焦点検出系の光路を示す図である。
【図10】光電変換素子による出力波形を示す波形図で
ある。
【図11】光電変換素子による出力波形を示す波形図で
ある。
【図12】光電変換素子による出力波形を示す波形図で
ある。
【図13】光電変換素子による出力波形を示す波形図で
ある。
【図14】光電変換素子による出力波形を示す波形図で
ある。
【符号の説明】
11 対物レンズ 12 視野マスク 13 フィールドレンズ 14 第2絞りマスク 15 第1絞りマスク 16a 再結合レンズ 16b 再結合レンズ 17 光電変換素子 24 第2絞りマスク 34 第2絞りマスク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズによって結ばれる物体の像を
    視野マスク、予定結像点近傍に配置されたフィールドレ
    ンズ、再結像レンズ、再結像レンズ近傍に設けられた絞
    り開口部を有する第1の絞りマスクによって、対物レン
    ズの予定焦点面近傍に結像された像を、2像に分離、再
    結像し、該2像の相対間隔が対物レンズの焦点調整状態
    に応じて所定方向に変化するように構成し、前記2像夫
    々を受容されるために配設された一対の光電変換手段の
    出力信号の変化に基づいて対物レンズの焦点調整状態を
    検出できるようにするものであって、前記光電変換手段
    上に受容される像の光量分布を該2像で均一になるよう
    にする第2の絞りマスクを設けたことを特徴とする焦点
    検出装置。
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