JP2001310528A - プリンタ - Google Patents

プリンタ

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JP2001310528A
JP2001310528A JP2000132019A JP2000132019A JP2001310528A JP 2001310528 A JP2001310528 A JP 2001310528A JP 2000132019 A JP2000132019 A JP 2000132019A JP 2000132019 A JP2000132019 A JP 2000132019A JP 2001310528 A JP2001310528 A JP 2001310528A
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JP
Japan
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counter electrode
peripheral surface
roller
voltage
brush
Prior art date
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Application number
JP2000132019A
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English (en)
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Kazuhiro Kimura
和宏 木村
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Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
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Application filed by Noritsu Koki Co Ltd filed Critical Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリントヘッドと、プリントヘッドに対して
相対移動可能な搬送手段と、搬送手段の周面を特定の極
性で帯電して記録紙を静電気力で周面に吸着させる帯電
装置が設けられており、帯電装置による記録紙と搬送手
段の周面との静電吸着状態を保持あるいは強化するため
の回転自在な対向電極回転体が帯電装置の下流側付近に
配置されており、対向電極回転体は、給紙された記録紙
によって回転するプリンタにおいて、紙粉や塵埃に起因
した、搬送手段の吸着力の低下等の問題が抑制されたプ
リンタを提供する。 【解決手段】 対向電極回転体2の回転に基づいて、対
向電極回転体2上の異物を除去する除去手段40を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙に印字可能
なプリントヘッドと、前記プリントヘッドに対して相対
移動可能な周面を備えた搬送手段とを備え、前記搬送手
段の前記周面を特定の帯電極性で帯電させることによっ
て、前記記録紙を静電気力に基づいて前記周面に吸着さ
せるための帯電装置が、前記搬送手段の周面の駆動軌跡
上に設けられており、さらに、前記搬送手段に給紙され
る前記記録紙を前記特定の帯電極性と逆極性に帯電させ
るための回転自在な対向電極回転体が、前記搬送手段の
駆動方向に関して前記帯電装置の下流側付近に配置され
ているプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなプリンタでは、搬送ベルト
乃至は回転ドラムなどからなる搬送手段の周面が、コロ
ナ放電器のような帯電装置によって特定の帯電極性で帯
電され、さらに、回転自在な対向電極回転体と搬送手段
の間に給紙された記録紙が、対向電極回転体と搬送手段
の間に挟着されながら、静電誘導によって搬送手段の周
面に吸着されるので、搬送手段の搬送力によって確実に
プリントヘッドの前を搬送されて、印字される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、給紙される記
録紙に付着している紙粉や塵埃が、対向電極回転体に移
って蓄積される現象が見られる場合があった、この場
合、搬送ベルト乃至は回転ドラムの周面に「電位むら」
が生じるために、搬送ベルト乃至は回転ドラムの吸着力
が低下して、記録紙の正確で確実な搬送に支障を来す、
さらに、対向電極回転体に蓄積された紙粉や塵埃が、搬
送ベルト乃至は回転ドラムを介して運ばれて、プリント
ヘッドに付着して画像不良が生じる、或いは、プリント
ヘッドからインクを吐出させるために用いられている高
電圧の電位差が、紙粉や塵埃を介してプリントヘッド内
でリークし、これによって基板が破損する等の問題が見
られた。
【0004】したがって、本発明の目的は、上に例示し
た従来技術によるプリンタの持つ前述した欠点に鑑み、
記録紙によって持ち込まれる紙粉や塵埃に起因した、搬
送ベルト乃至は回転ドラムの吸着力の低下、プリントヘ
ッドによる画像不良、或いは、基板の破損等の問題が抑
制されたプリンタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るプリンタは、特許請求の範囲の第1項
から第12項に記された特徴構成を備えている。すなわ
ち、本発明の特許請求の範囲第1項によるプリンタは、
前記対向電極回転体の回転に基づいて、前記対向電極回
転体上の異物を除去する除去手段が設けられていること
を特徴構成としている。
【0006】このような特徴構成を備えているために、
本発明の特許請求の範囲第1項によるプリンタでは、設
置されている除去手段が、前記対向電極回転体の前記回
転に基づいて、前記対向電極回転体上の異物(紙粉や塵
埃)を除去するので、搬送ベルト乃至は回転ドラム等の
周面での「電位むら」に基づく搬送ベルト乃至は回転ド
ラムの吸着力が低下し難く、記録紙の正確で確実な搬送
が確保される。また、異物が、搬送ベルト乃至は回転ド
ラムを介してプリントヘッドに移動することによる画像
不良が生じ難くなる、或いは、インク吐出用の高電圧の
電位差が、紙粉や塵埃等の異物を介してプリントヘッド
内でリークして、基板が破損する現象が抑制される。以
上の結果、より安定した状態で記録紙がプリントヘッド
に供給され、形成される画像もより安定する。さらに、
除去手段は、対向電極回転体上の異物を対向電極回転体
の回転に基づいて除去するので、比較的に簡単な構成に
よって異物の除去手段が安価に実現される。尚、対向電
極回転体は、対向電極回転体と搬送手段の間に給紙され
た記録紙との摩擦に基づいて回転するように構成するこ
とができるが、他の方法によって回転するように構成し
ても良い。
【0007】より具体的には、前記対向電極回転体は円
筒状の周面を備えた対向電極ローラからなり、前記除去
手段が、前記対向電極ローラの前記周面に押付けられた
板状のスクレーパからなる構成とすることができる。こ
のような構成にすれば、板状のスクレーパを、対向電極
ローラの周面に押付けられるように固定すると言う簡単
な構成で前記除去手段を実現することができ、これによ
って、対向電極ローラ上に蓄積される異物の量を少なく
とも減らすことができる。
【0008】或いは、前記対向電極回転体は円筒状の周
面を備えた対向電極ローラからなり、前記除去手段が、
前記対向電極ローラの前記周面に押付けられた回転可能
な回収ローラと、前記回収ローラの周面に押付けられた
板状のスクレーパとからなる構成とすることができる。
このような構成にすれば、給紙された記録紙から対向電
極ローラに移った異物は、一旦、回収ローラの周面に移
動し、その後で回収ローラ上の異物がスクレーパによっ
て除去される。したがって、対向電極ローラに押付けら
れるのは、飽くまで、常にスクレーパによって異物が除
去された状態の回収ローラであるため、対向電極ローラ
の周面からの異物の除去効率が高く維持される。この場
合、回収ローラは、回転運動する対向電極ローラの周面
に押し付けられて両部材間の摩擦力に基づいて転動する
ように構成しても良いし(この場合、対向電極ローラと
回収ローラの間の押し付け面において、両部材の周面ど
うしは同方向に移動する)、或いはまた、回収ローラ
に、対向電極ローラと回収ローラの間の押し付け面にお
いて、両部材の周面どうしが反対方向に移動するような
回転駆動力を伝えるように新たな駆動機構を設けても良
い。
【0009】さらに、前記回収ローラに、前記対向電極
ローラと前記回収ローラの間の押し付け面において、両
ローラの周面どうしが反対方向に回転するような回転駆
動力を伝える駆動機構を設けることができる。このよう
な構成にすれば、両部材の周面どうしの界面にて、両ロ
ーラの周面の間における相対移動速度が増して、回収ロ
ーラが対向電極ローラ上の異物をより積極的に掻き落と
す作用が働くために、対向電極ローラの周面からの異物
の除去効率がより高く維持される。
【0010】また、前記対向電極ローラの前記周面に電
圧を印加する第1電圧印加手段と、前記対向電極ローラ
の周面に印加される電圧と同極性で且つその電圧を超え
る電圧を前記回収ローラの前記周部に印加する第2電圧
印加手段とが設けられている構成とすることができる。
このような構成にすれば、第1電圧印加手段が対向電極
ローラの周面に印加する電圧によって、より強い静電誘
導が記録紙に作用するため、搬送手段による記録紙の吸
着力がさらに増すという利点が得られる。さらに、この
場合、対向電極ローラの周面の帯電状態の増大に基づい
て、対向電極ローラへの異物の付着率も増す傾向が生じ
るが、他方で、第2電圧印加手段によって、対向電極ロ
ーラの周面に印加される電圧を超える高電圧が、回収ロ
ーラの周部に印加されているため、対向電極ローラに付
着した異物は、この高電圧に基づく静電誘導作用によっ
て容易に回収ローラに移り、回収ローラ上に移った異物
は最終的にスクレーパ等の掻き落とし部材によって除去
される。
【0011】但し、第1電圧印加手段による対向電極ロ
ーラの周面への積極的な電圧の印加が無くても、対向電
極ローラの周面を接地しておけば、記録紙は搬送手段に
吸着される。これは、帯電装置によって特定の極性に印
加されている搬送手段の周面との相対的な電位差の作用
によって、接地に基づいて帯電状態の弱まっている対向
電極ローラの周面が、搬送手段の周面と(見掛け上)逆
の極性に印加された状態が実現されるからである。
【0012】或いはより具体的には、前記対向電極回転
体は、多数の毛状体が円筒状の外形をなすように集合し
て形成された対向電極ブラシからなり、前記除去手段
が、前記対向電極ブラシの前記外形内に食い込むことの
可能な掻き落とし部材からなる構成とすることができ
る。このような構成にすれば、掻き落とし部材を、対向
電極ブラシの多数の毛状体が形成している外形内に若干
食い込むように固定すると言う簡単な構成で、前記除去
手段を実現することができ、これによって、対向電極ブ
ラシ上に蓄積される異物の量を減らすことができる。
【0013】さらに、前記対向電極回転体は、多数の毛
状体が円筒状の外形をなすように集合して形成された対
向電極ブラシからなり、前記除去手段が、前記対向電極
ブラシに干渉可能な毛状体を備えた回転可能な回収ブラ
シと、前記回収ブラシの外形内に食い込むことの可能な
掻き落とし部材とからなる構成とすることができる。
【0014】このような構成にすれば、給紙された記録
紙から対向電極ブラシに移った異物は、一旦、回収ブラ
シの周面に移動し、その後で回収ブラシ上の異物が掻き
落とし部材によって除去される。したがって、対向電極
ブラシに押付けられるのは、飽くまで、常に櫛歯状の部
材によって異物の量を抑制された状態の回収ブラシであ
るため、対向電極ブラシの周面からの異物の除去効率が
高く維持される。この場合、回収ブラシは、回転運動す
る対向電極ブラシの周面に押し付けられて両部材間の摩
擦力に基づいて転動するように構成しても良いし(この
場合、対向電極ブラシと回収ブラシの間の押し付け面に
おいて、両ブラシの外周面どうしは同方向に移動す
る)、或いはまた、回収ブラシに、対向電極ブラシと回
収ブラシの間の干渉領域において、両ブラシの外周面ど
うしが反対方向に移動するような回転駆動力を伝えるよ
うに新たな駆動機構を設けても良い。
【0015】上記の掻き落とし部材としては、板状のス
クレーパでも良いし、対向電極ブラシの多数の毛状体と
干渉し合うような櫛歯状部材でも良い。
【0016】さらに、前記回収ブラシに、前記対向電極
ブラシと前記回収ブラシの間の干渉面において、両ブラ
シが互いに反対方向に回転するような回転駆動力を伝え
る駆動機構が設けられている構成とすることができる。
このような構成にすれば、回転する両ブラシの干渉領域
において、両ブラシの毛状体どうしの相対移動速度が増
して、回収ブラシが対向電極ブラシ上の異物をより積極
的に掻き落とす作用が働くために、対向電極ブラシの周
面からの異物の除去効率がより高く維持される。
【0017】また、前記搬送手段の前記周面の帯電極性
と逆極性の電圧を前記対向電極ブラシの前記毛状体に印
加する第1電圧印加手段と、前記搬送手段の周面の帯電
極性と逆極性で、前記対向電極回転体の前記毛状体に印
加される電圧を超える電圧を前記回収ブラシの前記毛状
体に印加する第2電圧印加手段とが設けられている構成
とすることができる。
【0018】このような構成にすれば、第1電圧印加手
段が対向電極ブラシの周面に印加する電圧によって、よ
り強い静電誘導が記録紙に作用するため、搬送手段によ
る記録紙の吸着力がさらに増すという利点が得られる。
さらに、この場合、対向電極ブラシの帯電状態の増大に
基づいて、対向電極ブラシへの異物の付着率も増す傾向
が生じるが、他方で、対向電極ブラシに印加される電圧
を超える高電圧が、第2電圧印加手段によって、回収ブ
ラシの周面に印加されているため、対向電極ブラシに付
着した異物は、この高電圧に基づく静電誘導作用によっ
て容易に回収ブラシに移り、この回収ブラシ上に移った
異物も最終的に掻き落とし部材によって除去される。
【0019】但し、第1電圧印加手段による対向電極ブ
ラシの周面への積極的な電圧の印加が無くても、対向電
極ブラシの周面を接地しておけば、記録紙は搬送手段に
吸着される。これは、帯電装置によって特定の極性に印
加されている搬送手段の周面との相対的な電位差の作用
によって、接地に基づいて帯電状態の弱まっている対向
電極ブラシの周面が、搬送手段の周面と実質的に逆の極
性に印加された状態が実現されるからである。
【0020】尚、前記除去手段によって除去された異物
を気流に基づいて回収するための吸引手段を設けること
ができる。このような構成にすれば、対向電極回転体か
ら除去された異物が確実に回収されるため、異物が再び
対向電極回転体に戻るなどの支障が生じない。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によるプリンタの
一実施形態としてのインクジェットプリンタを示す略図
である。このインクジェットプリンタは、第1、第2、
第3、および、第4の合計4個のプーリ1a,1b,1
c,1dの間に張架された無端ベルト状の静電吸着フィ
ルム3(搬送手段および搬送ベルトの一例)と、静電吸
着フィルム3の回転軌道の外側に配置された3基のプリ
ントヘッド4とを備えている。第2プーリ1bは、電動
モータM1によって回転駆動することによって、静電吸
着フィルム3を矢印の方向に一定の周速度で駆動するよ
うに構成されている。プリントヘッド4の直ぐ上流側に
位置する第1プーリ1aの付近で、静電吸着フィルム3
の周面の駆動軌跡上には、コロナ放電装置5(帯電装置
の一例)が配置されている。コロナ放電装置5は、静電
吸着フィルム3の周面を負の極性(特定の帯電極性の一
例)で帯電させる機能を果たす。
【0022】また、静電吸着フィルム3の駆動方向に関
してコロナ放電装置5の下流側付近で、静電吸着フィル
ム3を挟んで第1プーリ1aと対向する位置には、対向
電極ローラ2(対向電極回転体の一例)が回転自在に設
けられている。対向電極ローラ2の周面は、導電性ゴム
等の導電材料で形成されており、この周面は電圧印加手
段7の作用によって、常に正の極性で帯電されている。
記録紙Sが図の右側から、対向電極ローラ2と静電吸着
フィルム3の間に給紙されると、記録紙Sは、対向電極
ローラ2と静電吸着フィルム3の間に挟着され、対向電
極ローラ2は、記録紙Sとの摩擦力に基づいて図に記入
された矢印方向に回転する。対向電極ローラ2を通過し
た記録紙Sは、記録紙Sとの接触面側が負の極性に帯電
した静電吸着フィルム3と、正の極性に帯電した周面を
持つ対向電極ローラ2とによる静電誘導作用に基づい
て、記録紙S内部で誘電分極が起きた状態となってい
る。
【0023】このような静電界中に配置された記録紙S
は、負の極性で帯電している静電吸着フィルム3の周面
に静電気力によって吸着され、対向電極ローラ2の作用
によって、静電吸着状態が保持または強化されている。
静電吸着フィルム3に吸着された静電吸着フィルム3
は、図の上側に配置された2つのプーリ1a、1bが互
いに協働して形成する水平な用紙搬送面に沿って、各プ
リントヘッド4の位置まで搬送される。記録紙Sは、プ
リントヘッド4によって印字される。尚、静電吸着フィ
ルム3は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の強誘
電性の可撓性材料で形成されている。また、この実施形
態では、プリントヘッド4は、前記用紙搬送面に沿っ
て、イエローのインクを射出するプリントヘッド4Y、
シアンのインクを射出するプリントヘッド4C、およ
び、マゼンタのインクを射出するプリントヘッド4Mの
順で、互いに記録紙Sの搬送方向に離間した状態で配置
されている。
【0024】静電吸着フィルム3の回転軌道の内側に
は、静電吸着フィルム3を丁度プリントヘッド4と対向
する部位にて下側から支持するための圧着ローラ8が配
置されている。圧着ローラ8は、硬質ゴム製の周面から
なるローラ本体10と、ローラ本体10の両端から外側
に延びた金属製の軸部材を回転可能に支持する軸受け部
材14とからなる。軸受け部材14は、硬質の絶縁材料
で形成されており、インクジェットプリンタ本体の筐体
側板(不図示)などに貫通孔状に形成された係止部(不
図示)によって、前記搬送面と交差する方向(ここでは
上下方向)にのみ変位可能に支持されている。そして、
軸受け部材14は、圧縮バネ18によって常に上方に付
勢されている。
【0025】一方、プリントヘッド4の主走査方向の両
端からは、一対のコロ部材24が圧着ローラ8に向けて
突設されている。コロ部材24は、プリントヘッド4の
下端付近に固定された軸部材22によって、前記主走査
方向と平行に延びた軸芯周りで回転自在に支持されてい
る。コロ部材24は、圧縮バネ18によって上方に付勢
されるローラ本体10の周面の上端部位を受け止める。
尚、コロ部材24は、ローラ本体10上に密着された静
電吸着フィルム3を介して、ローラ本体10を受け止め
るように構成されているため、静電吸着フィルム3は、
コロ部材24の周面の下端とローラ本体10の周面の上
端の間に常に挟着される形となる。コロ部材24は、こ
の受け止め作用により、圧着ローラ8とプリントヘッド
4との間隔、より厳密に言えば、ローラ本体10の周面
の上端とプリントヘッド4の吐出ノズルとの間隔を一定
に保持する機能を果たす。この結果、静電吸着フィルム
3の外周に密着している記録紙Sの部位とプリントヘッ
ド4の間の間隔は、前記インクの飛翔に適切な距離の例
としての0.5mm±0.2mmに保持される。尚、印
字を完了した記録紙Sの静電吸着フィルム3からの分離
を容易にするために、最も下流側のプリントヘッド4M
と第2プーリ1bの間には、静電吸着フィルム3に帯電
された静電気を除去する除電装置6が配置されている。
【0026】このインクジェットプリンターの制御系の
概要は、図2に示されるように、制御装置30に対して
画像データを保存するメモリ等からの入力系が形成され
ている。制御装置30は、マイクロプロセッサ、I/
O、RAM、ROM等で構成されており、機能的には、
与えられた画像データに対して種々の画像処理を行って
プリントデータを生成する画像処理手段32と、ヘッド
制御部34と、第2プーリ1bに連結された電動モータ
M1を駆動操作するモータ制御部36とを備えている。
ヘッド制御部34は、各プリントヘッド4Y,4C,4
Mからのインクの吐出を制御するパルス信号を出力す
る。モータ制御部36は、電動モータM1を駆動操作す
るための駆動信号を出力する。画像処理手段32は、R
(赤)、G(緑)、B(青)の形式で入力される画像情
報をC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の
画像情報に変換すると共に、ビットマップ形式のデータ
で一時的に保存するRAMを有し、かつ、このRAMに
保存された画像情報を読出して、形成すべき画像の見掛
け濃度値に基づいて、適切な特性のパルス電圧を夫々の
プリントヘッド4に多数設けられた(後述する)各操作
電極54に送り出す処理と、電動モータM1を駆動する
信号を出力する処理とを行うように、ハードウエアとソ
フトウエアとを組み合わせて構成されている。ヘッド制
御部34は、画像処理手段32からの画像情報に基づい
て、プリントヘッド4Y,4C,4Mのうち対応する操
作電極54を指定してプリントを行うタイミングでパル
ス電圧を出力する処理を行うようハードウエアとソフト
ウエアとの組み合わせで構成されている。一方、モータ
制御部36は電動モータM1によって静電吸着フィルム
3を必要量だけ矢印で示す方向に回転駆動する処理を行
う。
【0027】ここで、各プリントヘッド4Y,4C,4
Mのインク吐出部の詳細について、最も上流側のプリン
トヘッド4Yを用いて解説する。尚、ここで記載するイ
ンク吐出部の基本的構造については、残りの各プリント
ヘッド4C,4Mについても同様の実施方法を適用でき
る。図3に示されるように、プリントヘッド4Y内に
は、イエロー用のインクIYを保持可能なキャビティ5
0が形成されている。前記インクIYは、正に帯電する
性質を持つイエローの顔料粒子PYと、この顔料粒子P
Yを分散状に含有した液状媒体Mとからなる。また、プ
リントヘッド4Yの下面には、キャビティ50と連通し
た吐出ノズル52が、主走査方向(前記搬送面と平行で
且つ記録紙の搬送方向と直角)に延びるように、そし
て、供給される記録紙Sに向かって開いた状態で配置さ
れている。吐出ノズル52内には、多数の操作電極54
が主走査方向(図の紙面の厚さ方向)に沿って配置され
ている。そこで、制御装置30から操作電極54に、所
定の正のパルス電圧を印加すると、吐出ノズル52付近
に位置する特定の量の顔料粒子PYが、顔料粒子PYと
同じ極性の操作電極54との反発力によって、液状媒体
Mによって取り囲まれた一定の径のインク液滴Dpの形
態で、操作電極54から離れようとして吐出ノズル52
から飛び出す。飛び出したインク液滴Dpは、負の極性
に帯電された記録紙Sに向かって飛翔して、記録紙Sに
は特定のサイズのドットDtが形成される。
【0028】ここで、吐出ノズル52から飛び出すイン
ク液滴Dpの径は、操作電極54に印加されるパルス電
圧の幅によって左右される。すなわち、制御装置30に
よってパルス電圧の幅を適宜に操作することによって、
吐出ノズル52から飛翔するインク液滴Dpの径をコン
トロールできる。その結果、この液滴Dpに含まれる顔
料粒子Pyの量、および、最終的に記録紙S上に作られ
るドットDtの径がコントロールされ、この径の差異に
よって、記録紙Sに作られるドットから人間の視覚が感
じる256段階の階調の見掛け濃度を定義できる。
【0029】ところで、対向電極ローラ2付近には、対
向電極ローラ2の周面に静電気などで付着した異物(記
録紙S自身が持ち込む紙粉や周囲の塵埃など)を除去す
る除去手段が設けられている。前記除去手段は、対向電
極ローラ2の軸芯方向に延び、全体として概してL字型
の縦断面を備えたスクレーパ40からなる。図4に示さ
れるように、スクレーパ40は、水平に延びた基端部4
0aと、基端部40aの一端から垂直上方に延びた先端
部40bとからなる。スクレーパ40は、図示されない
プリンタの筐体に、基端部40aを介して固定されてお
り、先端部40bの上端は、対向電極ローラ2の周面に
常に押し付けられている。先端部40bの上端には、水
平に延びた掻き取り端面40cが形成されている。掻き
取り端面40cは、対向電極ローラ2の周面と交差する
ように延びている。したがって、給紙された記録紙Sに
よって、対向電極ローラ2が矢印方向に回転すると、対
向電極回転ローラ2の周面に付着している異物は、掻き
取り端面40cによって掻き取られ、引き続き、水平に
延びた掻き取り端面40cに沿って、静電吸着フィルム
3の移動方向に関して上流側に押し出されて、対向電極
ローラ2の周面から離間する。スクレーパ40は、ステ
ンレススチールなどからなる一枚の剛性の金属板をL字
状に曲げ加工することによって形成することができる。
また、スクレーパ40付近には、スクレーパ40によっ
て除去された異物を気流に基づいて回収するための吸引
手段が設けられている。前記吸引手段は、スクレーパ4
0の掻き取り端面40c付近に向かって開いた開口部を
備えた吸引ダクト42によって構成されており、吸引ダ
クト42の他端には、図示されない小型ブロワが設置さ
れている。
【0030】〔別実施形態〕 <1>対向電極ローラ2の周面を積極的に帯電させるた
めの電圧印加手段7を省略しても良い。但し、この場合
も、対向電極ローラ2の周面を導電性ゴム等の導電材料
で形成しておき、さらに、対向電極ローラの周面を接地
しておくことが必要である。この電圧印加手段7を省略
した構成では、コロナ放電器5によって負の極性に印加
されている静電吸着フィルム3の周面との相対的な電位
差の作用によって、接地に基づいて帯電状態の弱まって
いる対向電極ローラ2の周面が、静電吸着フィルム3の
周面と(見掛け上)逆の(正の)極性に印加された状態
が実現されるため、記録紙Sは、上記実施形態と同様に
静電誘導の作用に基づいて、やはり静電吸着フィルム3
に吸着される。
【0031】<2>図5に示されるように、前記除去手
段を、回転可能な回収ローラ44と、回収ローラ44の
周面に押付けられた板状のスクレーパ46と、電圧印加
手段7によって対向電極ローラ2の周面に印加される電
圧と同極性でその電圧を超える電圧を回収ローラ44の
周部に印加する第2の電圧印加手段17とで構成しても
良い。回収ローラ44は、その周面が常に対向電極ロー
ラ2の周面に接するように固定されている。但し、回収
ローラ44は、回収ローラ44と対向電極ローラ2の間
の接触状態を一定に保持するための付勢手段を介して支
持される構成としても良い。ここで、回収ローラ44
は、回転運動する対向電極ローラ2の周面に押し付けら
れて両部材間の摩擦力に基づいて転動するように構成し
ても良い(この場合、対向電極ローラと回収ローラの間
の押し付け面において、両部材の周面どうしは同方向に
移動する)。或いはまた、回収ローラ44に、対向電極
ローラ2と回収ローラ44の間の押し付け面において、
両部材の周面どうしが反対方向に移動するような回転駆
動力を伝えるように新たな駆動機構を電動モータなどに
よって実現しても良い。
【0032】<3>前記対向電極回転体は、一定の規則
的で円滑な外形を備えた対向電極ローラ2ではなく、図
6に例示されるように、多数の導電性の毛状体がそれら
の先端部によって円筒状の外形をなすように集合して形
成された対向電極ブラシ62で構成されたものでも良
い。この場合、異物の除去手段としては、対向電極ブラ
シ62の前記外形内に食い込むことの可能な掻き落とし
部材で構成すれば良い。この掻き落とし部材は、図6に
示されるように、歯先64aを持った櫛歯状の部材64
で構成すれば、効果的に異物を除去することができる。
但し、掻き落とし部材は、対向電極回転体の軸芯と平行
に直線状に延びた先端を備えた板状のスクレーパでも良
い。
【0033】<4>図7に例示されるように、前記除去
手段を、対向電極ブラシ62に干渉可能な毛状体を備え
た回転可能な回収ブラシ66と、回収ブラシ66の毛状
体の外形内に食い込むことの可能な掻き落とし部材とで
構成しても良い。さらに、対向電極ブラシ62の毛状体
に電圧を印加する電圧印加手段70と、対向電極ブラシ
62の毛状体に印加される電圧と同極性でその電圧を超
える電圧を回収ブラシ66の毛状体に印加する電圧印加
手段72とが設けられている。但し、この場合も、電圧
印加手段70と電圧印加手段72は適宜に省略すること
ができる。前記掻き落とし部材は、櫛歯状の部材68で
構成することができるが、回収ブラシの軸芯と平行に直
線状に延びた先端を備えた板状のスクレーパで構成して
も良い。尚、回収ブラシ66は、回転運動する対向電極
ブラシ62の毛状体と接触して、両部材間の摩擦力に基
づいて転動するように構成しても良い(この場合、対向
電極ブラシと回収ブラシの間の干渉領域において、両部
材の周面どうしは同方向に移動する)。他方、回収ブラ
シ66に、対向電極ブラシ62と回収ブラシ66の間の
干渉面において、両ブラシが互いに反対方向に回転する
ような回転駆動力を伝える駆動機構を電動モータなどを
用いて実現しても良い。
【0034】<5>搬送手段は、静電吸着フィルム3の
ようなベルト状のものではなく、回転ドラムでも良い。
【0035】<6>対向電極回転体は、給紙された記録
紙との摩擦に基づくのではなく、無端ベルト等の搬送手
段に常に圧接保持されるように構成して、記録紙の有無
と無関係に、搬送手段との摩擦に基づいて、搬送手段に
常に従動するように構成しても良い。或いは、対向電極
回転体を適切な回転速度で書いて駆動させるための駆動
手段を、無端ベルト等の搬送手段とは別に設けても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェットプリンタを概略的
に示す側面図
【図2】図1のインクジェットプリンタの制御系を示す
ブロック図
【図3】図1のインクジェットプリンタの吐出部を示す
略図
【図4】本発明による異物の除去手段の一実施形態を示
す略図
【図5】異物の除去手段の別の実施形態を示す略図
【図6】異物の除去手段のさらに別の実施形態を示す略
【図7】異物の除去手段のもう一つ別の実施形態を示す
略図
【符号の説明】
2 対向電極ローラ(対向電極回転体) 3 静電吸着フィルム(搬送手段) 4 プリントヘッド 5 コロナ放電器(帯電装置) 7 第1電圧印加手段 17 第2電圧印加手段 40 スクレーパ(除去手段) 42 吸引手段 44 回収ローラ S 記録紙 62 対向電極ブラシ(対向電極回転体) 64 櫛歯状の除去部材 66、68 回収ブラシ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録紙に印字可能なプリントヘッドと、
    前記プリントヘッドに対して相対移動可能な周面を備え
    た搬送手段とを備え、前記搬送手段の前記周面を特定の
    帯電極性で帯電させることによって、前記記録紙を静電
    気力に基づいて前記周面に吸着させるための帯電装置
    が、前記搬送手段の周面の駆動軌跡上に設けられてお
    り、さらに、前記帯電装置による前記記録紙と前記搬送
    手段の周面との静電吸着状態を保持あるいは強化するた
    めの回転自在な対向電極回転体が、前記搬送手段の駆動
    方向に関して前記帯電装置の下流側付近に配置されてい
    るプリンタであって、 前記対向電極回転体の回転に基づいて、前記対向電極回
    転体上の異物を除去する除去手段が設けられているプリ
    ンタ。
  2. 【請求項2】 前記対向電極回転体は円筒状の周面を備
    えた対向電極ローラからなり、前記除去手段が、前記対
    向電極ローラの前記周面に押付けられた板状のスクレー
    パからなる請求項1に記載のプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記対向電極回転体は円筒状の周面を備
    えた対向電極ローラからなり、前記除去手段が、前記対
    向電極ローラの前記周面に接する回転可能な回収ローラ
    と、前記回収ローラの周面に押付けられた板状のスクレ
    ーパとからなる請求項1に記載のプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記回収ローラに、前記対向電極ローラ
    と前記回収ローラの接触面において、両部材の周面どう
    しが反対方向に回転するような回転駆動力を伝える駆動
    機構が設けられている請求項3に記載のプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記対向電極ローラの前記周面に電圧を
    印加する第1電圧印加手段と、前記対向電極ローラの周
    面に印加される電圧と同極性で且つその電圧を超える電
    圧を前記回収ローラの前記周部に印加する第2電圧印加
    手段とが設けられている請求項3または4に記載のプリ
    ンタ。
  6. 【請求項6】 前記対向電極回転体は、多数の毛状体が
    円筒状の外形をなすように集合して形成された対向電極
    ブラシからなり、前記除去手段が、前記対向電極ローラ
    の前記外形内に食い込むことの可能な掻き落とし部材か
    らなる請求項1に記載のプリンタ。
  7. 【請求項7】 前記対向電極回転体は、多数の毛状体が
    円筒状の外形をなすように集合して形成された対向電極
    ブラシからなり、前記除去手段が、前記対向電極ブラシ
    に干渉可能な毛状体を備えた回転可能な回収ブラシと、
    前記回収ブラシの外形内に食い込むことの可能な掻き落
    とし部材とからなる請求項1に記載のプリンタ。
  8. 【請求項8】 前記掻き落とし部材は、板状のスクレー
    パからなる請求項6または7に記載のプリンタ。
  9. 【請求項9】 前記掻き落とし部材は、櫛歯状部材から
    なる請求項6または7に記載のプリンタ。
  10. 【請求項10】 前記回収ブラシに、前記対向電極ブラ
    シと前記回収ブラシの間の干渉面において、両ブラシが
    互いに反対方向に回転するような回転駆動力を伝える駆
    動機構が設けられている請求項7に記載のプリンタ。
  11. 【請求項11】 前記対向電極ブラシの前記毛状体に電
    圧を印加する第1電圧印加手段と、前記対向電極ブラシ
    の前記毛状体に印加される電圧と同極性で且つその電圧
    を超える電圧を前記回収ブラシの前記毛状体に印加する
    第2電圧印加手段とが設けられている請求項7から10
    のいずれか1項に記載のプリンタ。
  12. 【請求項12】 前記除去手段によって除去された異物
    を気流に基づいて回収するための吸引手段が設けられて
    いる請求項1から11のいずれか1項に記載のプリン
    タ。
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