JP2016155687A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】除電部のクリーニングに起因する印刷媒体への印刷品質の低下を抑制することができる印刷装置を提供する。【解決手段】印刷装置において、除電部581の規定方向における一端が搬送ベルト53の規定方向における一端よりも外側に位置している。また、印刷装置は、除電部581を稼働させることにより、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙に接触する除電部581の部位を変更する稼働機構部582とを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に印刷を施す印刷装置に関する。
印刷装置として、帯電している搬送ベルトに印刷媒体の一例である用紙を静電吸着させ、この状態の用紙に印刷を施す印刷装置が知られている。用紙の両面のうち、搬送ベルトに接触する面を接触面とし、接触面の反対側の面を印刷面とした場合、こうした印刷装置では、用紙の印刷面に印刷材が付着される。
なお、こうした印刷装置にあっては、搬送ベルトによる用紙の静電吸着力を大きくするために、用紙の印刷面から電荷を除去するための除電部として除電ブラシが設けられることがある。この除電ブラシは、所定の搬送方向に搬送されている用紙の印刷面に接触することで印刷面から電荷を除去することができる。そのため、除電ブラシには、紙粉などの異物が付着しやすい。そして、除電ブラシへの異物の付着量が多くなるほど、除電ブラシによる用紙からの電荷の除去効率が低下する。
そこで、特許文献1には、除電ブラシによる用紙からの電荷の除去効率の低下を抑制する構成の一例が記載されている。すなわち、特許文献1に記載される印刷装置では、用紙の幅方向に延びている回転軸と、回転軸に取り付けられている複数の除電ブラシとを有する除電部を備えている。各除電ブラシは、回転軸の周方向に沿って配置されている。このため、回転軸の回転角度を調整することにより、用紙に接触する除電ブラシを変更することができる。
また、上記の印刷装置には、回転軸に取り付けられている除電ブラシから紙粉などの異物を取り除くためのクリーニング部材が設けられている。すなわち、クリーニング部材は、用紙に接触しない除電ブラシに接触しており、回転軸が回転されることにより、接触している除電ブラシから異物を除去するようになっている。したがって、上記の印刷装置では、異物の付着量の少ない除電ブラシを用紙に接触させることが可能となるため、除電ブラシによる用紙からの電荷の除去効率の低下が抑制される。その結果、搬送ベルトによる用紙の静電吸着力の低下を抑制することができる。
特開2008−96551号公報
特許文献1に記載される印刷装置にあっては、除電ブラシは用紙の幅方向に亘って用紙と当接する。すなわち用紙の幅方向において、除電ブラシの用紙と当接する部位が固定される。そのため、除電ブラシに異物が付着しやすく、除電ブラシによる用紙からの電荷の除去効率が低下する虞がある。
また、特許文献1に記載される印刷装置にあっては、上記回転軸が搬送ベルトの上方域に配置されており、当該回転軸を回転させることにより除電ブラシのクリーニングが行われる。このとき、クリーニング部材との接触によって除電ブラシから離脱した異物が、搬送途中の用紙に付着したり、用紙の搬送方向において除電ブラシよりも下流側に位置する印刷部に付着したりし、用紙への印刷品質が低下する虞がある。
本発明の目的は、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる印刷装置を提供することにある。また、本発明の目的は、除電部のクリーニングに起因する印刷媒体への印刷品質の低下を抑制することができる印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するための印刷装置は、印刷媒体が静電吸着されるとともに、前記印刷媒体を搬送方向に搬送させるべく稼働する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体の印刷面に印刷を施す印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向における上流に配置され、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体の印刷面に接触することにより前記印刷面から電荷を除去する除電部と、を備えた印刷装置であって、前記搬送ベルトに搬送される印刷媒体の前記印刷面に沿う方向であって、且つ前記印刷媒体の幅方向を主成分とする方向を規定方向とした場合、前記除電部の前記規定方向における一端が前記搬送ベルトの前記規定方向における一端よりも外側に位置しており、前記除電部を稼働させることにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の前記規定方向における部位を変更する稼働機構部を備える。
搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に除電部が接触されると、除電部における印刷媒体との接触部位には、印刷媒体に付着していた異物が付着する。そこで、上記構成では、稼働機構部の作動によって除電部を稼働させることにより、次の印刷媒体への印刷時に、除電部において印刷媒体に接触する部位を変更することができる。これにより、除電部において異物の付着量の少ない部位を印刷媒体に接触させることができるため、除電部を用いることにより印刷媒体の印刷面から電荷を効率よく除去することができる。その結果、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力の低下が抑制される。
上記印刷装置において、前記規定方向における前記搬送ベルトよりも外側で前記除電部のクリーニングを行うクリーニング部を備えることが好ましい。
このように除電部が稼働されているときに、クリーニング部による除電部のクリーニングを行うことが可能となる。こうした除電部のクリーニングは、規定方向において搬送ベルトよりも外側で行われるため、クリーニングによって除電部から離脱した異物が、搬送途中の印刷媒体に付着したり、上記搬送方向において除電部よりも下流側に位置する印刷ヘッドに付着したりする事象が生じにくくなる。したがって、除電部のクリーニングに起因する印刷媒体への印刷品質の低下を抑制することができるようになる。
上記印刷装置において、前記除電部は環状をなしており、前記稼働機構部は、アクチュエーターと、前記アクチュエーターに駆動連結されている稼働用駆動ローラーと、稼働用従動ローラーと、を有し、当該各ローラーに前記除電部が掛け回されており、前記搬送ベルトは、前記規定方向における前記各ローラーの間に配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、稼働機構部のアクチュエーターからの駆動力が稼働用駆動ローラーに伝達されると、除電部が稼働される。これにより、搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する除電部の部位を変更することができる。また、このように除電部を稼働させることにより、規定方向において搬送ベルトよりも外側で除電部のクリーニングを行うことができる。
上記印刷装置において、前記搬送ベルトは無端状をなし、搬送用駆動ローラーの回転によって前記搬送ベルトが稼働することで、前記搬送ベルトの外面に静電吸着されている印刷媒体が前記搬送方向に搬送されるようになっており、前記搬送ベルトの内面に接触することにより、前記搬送ベルトにおいて前記印刷ヘッドに対向する部分を前記印刷ヘッド側に付勢するベルト付勢部材を備えることが好ましい。
上記構成によれば、搬送ベルトの張力が小さくなりにくくなる分、印刷媒体の搬送不良が生じにくくなる。したがって、印刷媒体の搬送不良に起因する印刷品質の低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、前記ベルト付勢部材は、導電性材料で構成されるとともに、接地されていることが好ましい。
上記構成によれば、搬送ベルトの内面側に帯電している電荷をベルト付勢部材によって除去することができる。その結果、搬送ベルトの外面側の電荷の量が少なくなりにくくなる分、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力を大きくすることができる。
上記印刷装置において、前記搬送ベルトは、導電層で外側を形成し、前記導電層よりも電気抵抗の大きい絶縁層で内側を形成した構成となっており、前記導電層の外面が前記搬送ベルトの外面であり、前記絶縁層の内面が前記搬送ベルトの内面であることが好ましい。
上記構成によれば、搬送ベルトの外面を、搬送ベルトの内面を構成する絶縁層よりも電気抵抗の小さい導電層で構成しているため、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力を大きくすることができる。
上記印刷装置は、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更するときに、印刷対象となる印刷媒体の幅方向における長さに基づいて前記稼働機構部を制御する除電制御部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する除電部の部位を変更するに際し、除電部の稼働量を、印刷対象となる印刷媒体の上記幅方向における長さに応じて設定することができる。そのため、印刷媒体に接触する除電部の部位を適切に変更することが可能となる。
上記印刷装置において、前記搬送ベルト上には、前記幅方向における中央に印刷媒体が給送されるようになっており、印刷対象となる印刷媒体の前記幅方向における長さの半分と、前記搬送ベルトの前記幅方向における半分との和を交換移動量とした場合、前記除電制御部は、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更するときに、前記交換移動量に基づいて前記稼働機構部を制御することが好ましい。
上記構成によれば、除電部において搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する部位を変更する際における除電部の稼働量を最小限度にすることができる。その結果、除電部の稼働に要する時間を短くすることができ、ひいては印刷装置のスループットを向上させることができる。
上記印刷装置において、前記搬送ベルト上には、前記幅方向における一端側に印刷媒体が給送されるようになっており、印刷対象となる印刷媒体の前記幅方向における長さを交換移動量とした場合、前記除電制御部は、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更するときに、前記交換移動量に基づいて前記稼働機構部を制御することが好ましい。
上記構成によれば、除電部において搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する部位を変更する際における除電部の稼働量を最小限度にすることができる。その結果、除電部の稼働に要する時間を短くすることができ、ひいては印刷装置のスループットを向上させることができる。
上記印刷装置において、前記除電制御部は、印刷媒体の前記印刷面への印刷回数が移動回数になったことを契機に、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することが好ましい。
上記構成によれば、搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する除電部の部位を定期的に変更することができる。そのため、除電部の長寿命化を図ることができる。
上記印刷装置は、印刷ジョブが入力されたときに、前記搬送ベルトを稼働させるとともに前記印刷ヘッドを制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に印刷を施す印刷制御部を備え、前記除電制御部は、前記印刷ジョブに基づいた印刷媒体への印刷が終了したときに、又は、前記印刷ジョブに基づいた印刷媒体への印刷が開始されるときに、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することが好ましい。
上記構成によれば、搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する除電部の部位を、新しい印刷ジョブに基づいた印刷時と、前回の印刷ジョブに基づいた印刷時とで異ならせることができる。このように印刷ジョブ毎に、印刷媒体に接触する除電部の部位を異ならせることにより、除電部の長寿命化を図ることができる。
上記印刷装置において、印刷媒体の前記印刷面に形成する画像の解像度が異なる複数の印刷モードが用意されており、前記除電制御部は、印刷モードが変更されたことを契機に、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することが好ましい。
上記構成によれば、搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する除電部の部位を適宜に変更することができる。そのため、除電部の長寿命化を図ることができる。
上記印刷装置は、前記搬送方向において前記除電部と前記印刷ヘッドとの間に配置され、前記搬送ベルトに静電吸着される印刷媒体の前記印刷面に帯電している電荷の量を検出する電荷量センサーを備え、前記除電制御部は、前記電荷量センサーによって検出される電荷の量が移動電荷量以上になったときに、次回の印刷が開始される前までに、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することが好ましい。
上記構成によれば、電荷量センサーによって検出される電荷の量が移動電荷量以上になったときには、除電部による印刷媒体の印刷面からの電荷の除去効率が低下していると判断することができるため、印刷媒体に接触する除電部の部位が変更される。その結果、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置は、印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、前記除電制御部は、前記反転機構によって印刷媒体が前記搬送ベルト上に向けて給送されている間に、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することが好ましい。
上記構成によれば、第1の面への印刷が完了されて搬送ベルト上に向けて印刷媒体が再び給送されている間に、印刷媒体に接触する除電部の部位を変更することができる。そのため、除電部を稼働させるために第2の面への印刷開始を遅らせる必要がない分、印刷装置のスループットの低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、前記クリーニング部は、前記除電部に接触することにより前記除電部のクリーニングを行うクリーニング部材と、前記クリーニング部材を前記除電部に接触可能な清掃位置と前記除電部と接触不能な退避位置との間で変位させる変位機構部と、を有していることが好ましい。
クリーニング部材を除電部に接触させている状態で除電部を稼働させる場合、クリーニング部材を除電部に接触させている状態の継続時間が長いほど除電部がダメージを受けやすい。そして、こうしたダメージが大きいほど除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率が低下することとなる。そのため、除電部のクリーニングが不要なときには除電部にクリーニング部材を接触させないようにすることが望ましい。そこで、上記構成では、変位機構部の作動によってクリーニング部材を除電部に接触させたり、クリーニング部材を除電部から離間させたりすることができる。そのため、除電部のクリーニングを行うとき以外では、除電部からクリーニング部材を離間させることが可能となる。したがって、除電部がダメージを受けにくくすることができ、ひいては除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、前記クリーニング部は、前記印刷ヘッドのメンテナンスが行われているときに、前記除電部のクリーニングを行うことが好ましい。
上記構成によれば、印刷ヘッドのメンテナンスが行われているときに、除電部にクリーニング部材を接触させることとなる。そのため、印刷ヘッドのメンテナンスと、除電部のクリーニングとを別々のタイミングで行う場合と比較し、印刷装置のメンテナンスに要する時間を短くすることができる。
上記印刷装置において、前記クリーニング部は、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更した回数である変位回数がクリーニング判定回数になったときに、前記除電部のクリーニングを行うことが好ましい。
上記の変位回数が多いほど除電部に付着している異物の量が多いと判断することができる。そこで、上記構成では、上記の変位回数に基づいて、除電部のクリーニングの実施タイミングを決定している。その結果、クリーニング判定回数を適切な値に設定することにより、除電部のクリーニングを適切なタイミングで行うことが可能となる。
上記印刷装置は、前記搬送方向において前記除電部と前記印刷ヘッドとの間に配置され、前記搬送ベルトに静電吸着される印刷媒体の前記印刷面に帯電している電荷の量を検出する電荷量センサーを備え、前記クリーニング部は、前記電荷量センサーによって検出される電荷の量がクリーニング判定電荷量以上になったときに、前記除電部のクリーニングを行うことが好ましい。
上記構成によれば、電荷量センサーによって検出される電荷の量がクリーニング判定電荷量以上になったときには、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率が低下していると判断することができるため、除電部のクリーニングが実行される。そのため、除電部のクリーニングの実施タイミングの適正化を図ることができ、ひいては除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
印刷装置の概略構成を示す側面図。 印刷装置の概略構成を示す側面図。 印刷装置の静電搬送部とその周辺部材の構成を示す模式図。 搬送ベルトに電荷が帯電する様子を示す作用図。 搬送ベルト及びその周辺部材を上方から見た場合の模式図。 除電装置の概略構成を示す側面図。 用紙が搬送ベルトの幅方向における中央に配置されている場合を示す模式図。 用紙が搬送ベルトの幅方向における一端に配置されている場合を示す模式図。 印刷装置の機能構成を示すブロック図。 印刷装置において、除電部を稼働させる際の処理手順を説明するフローチャート。 第2の実施形態の印刷装置において、除電部を稼働させる際の処理手順を説明するフローチャート。 第3の実施形態の印刷装置において、除電部を稼働させる際の処理手順を説明するフローチャート。 第4の実施形態の印刷装置において、搬送ベルトとその周辺部材とを模式的に示す側面図。 第4の実施形態の印刷装置において、除電部を稼働させる際の処理手順を説明するフローチャート。 第5の実施形態の印刷装置において、除電部を稼働させる際の処理手順を説明するフローチャート。 第6の実施形態の印刷装置において、クリーニング部を模式的に示す側面図。 第6の実施形態の印刷装置において、除電部のクリーニングを実施する際の処理手順を説明するフローチャート。 第7の実施形態の印刷装置において、搬送ベルトに電荷が帯電する様子を示す作用図。 第7の実施形態の印刷装置において、除電部の当接距離と用紙の表面電圧との関係を示すグラフ。 第7の実施形態の印刷装置において、用紙の表面電圧と目詰まりするノズルの個数の関係を示すグラフ。 別の実施形態の印刷装置において、除電部とその周辺部材とを模式的に示す側面図。 他の別の実施形態の印刷装置において、除電部とその周辺部材とを模式的に示す側面図。
(第1の実施形態)
以下、印刷装置を、インクジェット式のプリンターに具体化した第1の実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の印刷装置11の筐体12内には、印刷媒体の一例である用紙Pを媒体搬送路20に沿って搬送する搬送装置29と、搬送されている用紙Pに印刷を施す印刷ユニット14とが設けられている。図1において紙面と直交する方向を用紙の幅方向とした場合、媒体搬送路20は、用紙の幅方向と交差する方向、望ましくは幅方向と直交する方向に用紙Pを搬送するように形成されている。
印刷ユニット14は、用紙の幅方向の略全域に渡って印刷材の一例であるインクを同時に吐出可能なラインヘッド型の印刷ヘッド141を備えている。そして、この印刷ヘッド141から吐出されたインクが用紙Pに付着することにより、用紙Pに画像が形成される。
搬送装置29は、印刷済みとなった用紙Pを筐体12外に排出する排出機構部25と、印刷前の用紙Pを媒体搬送路20に沿って給送する給送機構部30とを備えている。
排出機構部25は、媒体搬送路20に沿って配置されている複数の排出ローラー対19を有している。この排出機構部25によって搬送される用紙Pは、筐体12に形成されている媒体排出口26から筐体12外に排出される。つまり、この媒体排出口26が、媒体搬送路20の下流端、すなわち媒体の搬送経路の最下流となっている。そして、媒体排出口26から排出された用紙Pは、図1に二点鎖線で示すように、載置台60上に積層状態で載置される。
給送機構部30は、第1の媒体供給部21と、第2の媒体供給部22と、第3の媒体供給部23と、静電搬送部50とを有している。静電搬送部50は、印刷ユニット14の図中直下に配置されている。すなわち、静電搬送部50によって搬送されている用紙Pに対し、印刷ヘッド141からインクが吐出される。
筐体12の一側面(図1では右側面)には開閉可能なカバー12Fが設けられており、このカバー12Fが開放されることにより挿入口12aが露出される。第1の媒体供給部21は、このように露出した挿入口12aから筐体12内に挿入された用紙Pを挟持する第1の給送ローラー対41を備えている。そして、この第1の給送ローラー対41を構成する2つのローラーの回転によって、用紙Pが静電搬送部50に向けて給送される。
また、筐体12の図1における下部には、印刷前の用紙Pが積層状態でセットされる媒体カセット12cが設けられている。第2の媒体供給部22は、媒体カセット12cから用紙Pを給送するための供給部である。すなわち、第2の媒体供給部22は、媒体カセット12c内の最上位の用紙Pを媒体カセット12c外に送り出すピックアップローラー16aと、複数枚の用紙Pが重なって搬送されることを抑制する分離ローラー対16bと、分離ローラー対16bを通過した1枚の用紙Pを挟持する第2の給送ローラー対42とを備えている。そして、この第2の給送ローラー対42を構成する2つのローラーの回転によって、用紙Pが静電搬送部50に向けて給送される。
第3の媒体供給部23は、用紙Pに対して両側のシート面に印刷する両面印刷を行うときに、片側のシート面(第1の面)が印刷済みとなった用紙Pを、再び静電搬送部50に導くための供給部である。すなわち、静電搬送部50よりも用紙の搬送方向下流には、媒体搬送路20から分岐する分岐搬送路24が形成されている。そして、第3の媒体供給部23には、静電搬送部50よりも用紙の搬送方向下流に配置され、用紙Pの搬送経路を媒体搬送路20又は分岐搬送路24に切り替える分岐機構27と、分岐搬送路24に配置され、正逆両方向への回転が可能な分岐搬送路ローラー対44とが設けられている。
両面印刷を行う場合、片側のシート面が印刷済みとなった用紙Pは、静電搬送部50から分岐機構27によって分岐搬送路24に導かれる。このとき、分岐搬送路ローラー対44を構成する各ローラーの正方向への回転によって、用紙Pが搬送方向下流に搬送される。そして、用紙Pの後端が分岐搬送路24に導かれると、分岐搬送路ローラー対44を構成する各ローラーが逆方向に回転するようになり、用紙Pが逆方向に搬送されるようになる。すると、用紙Pは、図1において印刷ユニット14よりも上方に位置する反転供給路31に導かれる。そして、この反転供給路31上に配置されている複数の反転搬送ローラー対45の回転によって、用紙Pが反転供給路31に沿って給送される。これにより、用紙Pが、静電搬送部50よりも用紙の搬送方向上流で媒体搬送路20に合流される。その後、当該用紙Pが静電搬送部50に再び導かれる。
このように静電搬送部50に用紙Pが再び導かれると、印刷済みとなったシート面(第1の面)が静電搬送部50に接触し、印刷されていないシート面(第2の面)が印刷ヘッド141に対向することとなる。なお、用紙Pの両面のうち、静電搬送部50に接触するシート面のことを「接触面」といい、接触面の反対側の面を「印刷面」ということもある。すなわち、本実施形態の印刷装置11では、第3の媒体供給部23により、用紙Pの両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、第1の面が接触面となるとともに第2の面が印刷面となるように、用紙Pの表裏を反転させて用紙Pを静電搬送部50に導く「反転機構」の一例が構成される。
なお、図1及び図2に示すように、本実施形態の印刷装置11には、静電搬送部50を、図1に示す搬送位置と図2に示す退避位置との2位置間で移動させる静電搬送移動装置61と、印刷ヘッド141のメンテナンスを行うためのヘッドメンテナンス装置62とが設けられている。このヘッドメンテナンス装置62は、静電搬送部50が退避位置に位置しているときに、印刷ヘッド141に接触するメンテナンス部621を有している。そして、このようにメンテナンス部621が印刷ヘッド141に接触している状態で、ヘッドメンテナンス装置62による印刷ヘッド141のメンテナンスが行われる。
次に、図3を参照し、静電搬送部50とその周辺部材の構成について説明する。
図3に示すように、静電搬送部50は、印刷ヘッド141よりも用紙の搬送方向上流(すなわち、図中右側)に配置されている搬送用駆動ローラー51と、印刷ヘッド141よりも用紙の搬送方向下流(すなわち、図中左側)に配置されている搬送用従動ローラー52とを備えている。また、これら各ローラー51,52に、無端状をなす環状の搬送ベルト53が掛け回されている。搬送用従動ローラー52は、図3に矢印で示すように、搬送用駆動ローラー51から離れる方向(図中左方)に付勢されている。そして、搬送モーター54の駆動が搬送用駆動ローラー51に伝達されることにより、搬送ベルト53が稼働され、用紙Pが搬送方向下流に搬送される。すなわち、搬送ベルト53の外面が、用紙Pの接触面に接触する支持面として機能することとなる。
また、印刷ヘッド141の直下には、搬送ベルト53を通じて用紙Pを支持する金属製のバックアッププレート55が設けられている。なお、バックアッププレート55は、接地されている。また、バックアッププレート55は、搬送ベルト53の支持面の反対側の面となる搬送ベルト53の内面に接触しているとともに、搬送ベルト53を印刷ヘッド141側に付勢している。したがって、本実施形態の印刷装置11では、バックアッププレート55により、搬送ベルト53の内面に接触することにより、搬送ベルト53において印刷ヘッド141に対向する部分を印刷ヘッド141側に付勢する「ベルト付勢部材」の一例が構成される。
また、搬送用駆動ローラー51よりも用紙の搬送方向上流(図中右側)には、帯電部の一例である帯電ローラー56が設けられている。この帯電ローラー56は、搬送ベルト53の外面に接触している。そして、搬送用駆動ローラー51の回転が搬送ベルト53を通じて帯電ローラー56に伝達されることにより、帯電ローラー56が搬送用駆動ローラー51に対して従動回転する。このとき、帯電ローラー56は、搬送ベルト53の外面において帯電ローラー56に接触している部分に電荷を供給する。すなわち、搬送ベルト53は、帯電ローラー56との接触によって帯電される。なお、本実施形態の印刷装置11では、帯電ローラー56に交流電圧を印加し、帯電ローラー56に接触している搬送ベルト53に対し、正の電荷と負の電荷とを交互に供給する。
また、印刷ヘッド141よりも用紙の搬送方向上流(図中右側)には、静電搬送部50に給送された用紙Pを搬送ベルト53に押し付けるサポートローラー57が設けられている。具体的には、サポートローラー57は、帯電している搬送ベルト53に用紙Pを押し付ける。こうしたサポートローラー57は、例えば、金属などの導電材料で構成されており、接地されている。そして、搬送用駆動ローラー51の回転が搬送ベルト53を通じてサポートローラー57に伝達されることにより、サポートローラー57が搬送用駆動ローラー51に対して従動回転する。
さらに、用紙の搬送方向におけるサポートローラー57と印刷ヘッド141との間には、除電装置58が設けられている。この除電装置58は、ブラシなどによって構成されている除電部581と、用紙Pや搬送ベルト53に接触する除電部581の部位を変更するべく除電部581を稼働させる稼働機構部582とを備えている。そして、搬送ベルト53によって搬送されている用紙Pの印刷面に除電部581が接触すると、除電部581が、印刷面から電荷を除去するようになっている。
次に、図4を参照し、搬送ベルト53について説明する。
図4に示すように、搬送ベルト53は、環状をなす絶縁層531と、この絶縁層531の外側に形成された環状の導電層532とを有している。この導電層532は、絶縁層531よりも電気抵抗が小さくなるように構成されている。そして、絶縁層531の内面が搬送ベルト53の内面53aとなっており、導電層532の外面が搬送ベルト53の外面53bとなっている。
搬送用駆動ローラー51の回転によって搬送ベルト53が稼働されると、帯電ローラー56が従動回転することにより、搬送ベルト53の外面53b側、すなわち導電層532には、正の電荷が帯電する部分である正部分71と、負の電荷が帯電する部分である負部分72とが交互に形成される。また、このように導電層532に電荷が供給されると、導電層532に密着している絶縁層531内で分極が発生する。
このように絶縁層531内で分極が発生すると、導電層532内の電荷が絶縁層531内の電荷によって中和され、導電層532内の電荷の量が減少されることがある。この場合、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力が小さくなるおそれがある。
そこで、本実施形態の印刷装置11では、上述したように、搬送ベルト53の内面53a、すなわち絶縁層531には、接地されているバックアッププレート55が接触している。そのため、絶縁層531内の電荷はバックアッププレート55によって除去される。したがって、搬送ベルト53では、導電層532内の電荷が絶縁層531内の電荷によって中和されにくくなり、導電層532内の電荷の量が減少されにくくなる。
また、こうした搬送ベルト53の外面53bにサポートローラー57によって用紙Pが押し付けられると、用紙Pが搬送ベルト53に密接し、用紙P内で分極が発生する。すなわち、用紙Pの接触面Pa(図中下面)において搬送ベルト53の正部分71に対向する部分は、負の電荷が帯電する負部分73となる一方、用紙Pの接触面Paにおいて搬送ベルト53の負部分72に対向する部分は、正の電荷が帯電する正部分74となる。したがって、用紙Pの接触面Paにおいても、正部分74と負部分73とが交互に形成されるようになる。
なお、接触面Paの反対側となる用紙Pの印刷面Pbでも、負の電荷が帯電する負部分75と、正の電荷が帯電する正部分76とが交互に形成されることとなる。こうした印刷面Pbの電荷は、印刷面Pbに接触する除電部581によって除去される。このように印刷面Pb側の電荷を除去することにより、接触面Pa側の電荷の減少が抑制される。これにより、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力の低下が抑制される。
印刷装置11の設置環境の湿度が低いほど用紙Pの抵抗値が高くなり、印刷面Pb側の電荷が残りやすくなる。そこで、湿度が低い環境で印刷装置11を使用する場合には、除電装置58が設けられていると、印刷面Pb側の電荷が除去されて、接触面Pa側の電荷の減少が抑制される。これにより、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力の低下が抑制される。
次に、図5〜図8を参照し、除電装置58について説明する。
図5及び図6に示すように、除電装置58の稼働機構部582は、アクチュエーター583と、アクチュエーター583に駆動連結されている稼働用駆動ローラー584と、稼働用従動ローラー585とを備えている。稼働用駆動ローラー584は、用紙の幅方向Zにおいて搬送ベルト53よりも一方側(すなわち、図5において搬送ベルト53よりも右側)に配置されているとともに、稼働用従動ローラー585は、用紙の幅方向Zにおいて搬送ベルト53よりも他方側(すなわち、図5において搬送ベルト53よりも左側)に配置されている。つまり、搬送ベルト53は、幅方向Zにおける各ローラー584,585の間に配置されている。
また、除電装置58の除電部581は、無端状のベルトから外側にブラシが突出した形状となっている。すなわち、除電部581は環状をなしており、ブラシが用紙Pの印刷面Pbに押し付けられることにより印刷面Pbから電荷が除去される。こうした除電部581は、稼働用駆動ローラー584及び稼働用従動ローラー585に掛け回されている。したがって、用紙の幅方向Zにおける除電部581の一端は幅方向Zにおける搬送ベルト53の一端よりも外側に位置し、幅方向Zにおける除電部581の他端は幅方向Zにおける搬送ベルト53の他端よりも外側に位置している。
そして、アクチュエーター583の駆動によって稼働用駆動ローラー584が図6における矢印方向に回転されると、除電部581が図6における矢印方向に稼働する。このように除電部581が稼働されると、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pに接触する除電部581の部位を変更することができる。
なお、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pには、その幅方向Zの全域で除電部581が接触されるようになっている。そのため、搬送ベルト53に搬送される用紙Pの印刷面に沿う方向であって、且つ用紙Pの幅方向Zを主成分とする方向である規定方向に延びるように、除電部581が配置されている。ちなみに、用紙の幅方向Zに沿って稼働用駆動ローラー584と稼働用従動ローラー585とが配置されている。したがって、本実施形態の印刷装置11では、上記の規定方向は用紙の幅方向Zと一致している。
ところで、除電部581を用紙Pに接触させることにより、紙粉などの異物が除電部581に付着したり、除電部581そのものの劣化が進んだりする。そして、除電部581に付着する異物の量が多かったり、除電部581の劣化が進行したりするほど、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が低下する。そこで、本実施形態の印刷装置11では、除電部581において用紙Pに接触させる部位を適宜変更している。
ここで、図7に示すように、搬送ベルト53の幅方向における中央に用紙Pが導かれる場合、例えば、除電部581の稼働量を以下に示すように算出することができる。すなわち、搬送ベルト53の用紙の幅方向Zにおける長さの半分をベルト長さLbとし、印刷対象となる用紙Pの幅方向Zにおける長さの半分を用紙長さLpとした場合、ベルト長さLbと用紙長さLpとを加算した和(=Lb+Lp)が交換移動量Lbpとされる。そして、この交換移動量Lbpに応じた稼働量が算出される。そのため、印刷対象となる用紙Pの幅方向における長さが長い場合ほど、除電部581の稼働量が多くなる。そして、除電部581の稼働量に基づいてアクチュエーター583の駆動が制御される。これにより、用紙Pの図中左端に接触していた除電部581の部位が、アクチュエーター583の駆動によって、搬送ベルト53の図中右端に接触するようになる。
また、図8に示すように、搬送ベルト53の幅方向における一端(図中右端)に用紙Pが導かれる場合、例えば、除電部581の稼働量を以下に示すように算出することができる。すなわち、印刷対象となる用紙Pの幅方向における長さである用紙長さLpAが交換移動量Lbpとされる。そして、この交換移動量Lbpに応じた稼働量が算出される。そのため、印刷対象となる用紙Pの幅方向における長さが長い場合ほど、除電部581の稼働量が多くなる。そして、除電部581の稼働量に基づいてアクチュエーター583の駆動が制御される。これにより、用紙Pの図中左端に接触していた除電部581の部位が、アクチュエーター583の駆動によって、用紙Pの図中右端に接触するようになる。
また、本実施形態の印刷装置11には、図5及び図6に示すように、除電部581から異物を除去するクリーニング部65が設けられている。このクリーニング部65は、用紙の幅方向Zにおいて搬送ベルト53の外側に配置されている。こうしたクリーニング部65は、除電部581に接触するクリーニング部材66を有している。本実施形態の印刷装置11では、クリーニング部材66は、用紙の幅方向Zにおいて搬送ベルト53の外側で、除電部581に常時接触している。そのため、稼働用駆動ローラー584の駆動によって除電部581を稼働させることにより、クリーニング部材66によって除電部581から異物が除去される。すなわち、用紙Pに接触する除電部581の部位を変更するための稼働処理と、クリーニング部材66による除電部581のクリーニングとが同時に行われる。
次に、図9を参照し、印刷装置11の制御装置80について説明する。
図9に示すように、制御装置80には、ユーザーによって操作されるユーザーインターフェイス81が電気的に接続されている。また、制御装置80には、パーソナルコンピューターやモバイル端末などの外部装置100と通信可能となっている。
こうした制御装置80は、CPU、ROM及びRAMなどで構成されるマイクロコンピューターと、ASIC(Application Specific IC(特定用途向けIC))と、各種のドライバー回路とを備えている。そして、制御装置80は、ソフトウェア及びハードウェアのうち少なくとも一方で構成される機能部として、入力情報処理部91、除電制御部94及び印刷制御部97を含んでいる。
入力情報処理部91は、ユーザーインターフェイス81から入力された情報、及び、外部装置100から受信した情報を解析し、その解析結果を除電制御部94及び印刷制御部97に適宜出力する。例えば、入力情報処理部91は、今回入力された印刷ジョブによって用紙Pに対して印刷が施される回数である印刷回数に関する情報を除電制御部94に出力する。また、入力情報処理部91は、用紙Pの搬送態様に関する情報及び印刷精度に関する情報を印刷制御部97に出力する。
なお、用紙Pの搬送態様に関する情報としては、例えば、用紙Pの搬送速度に関する情報、片面印刷又は両面印刷の何れかが選択されている旨の情報などを挙げることができる。また、印刷精度に関する情報としては、例えば、用紙Pに形成する画像に関するデータである印刷データ、及び、用紙Pの印刷面に形成する画像の解像度に関する情報(すなわち、選択されている印刷モードに関する情報)を挙げることができる。
除電制御部94は、入力された情報に基づき、用紙Pの印刷面Pbに印刷を施した回数である印刷回数Nを更新する。ここでいう「印刷回数N」とは、印刷面Pbに印刷を施した回数である。そのため、除電制御部94は、片面印刷を行うときには、1つの用紙Pへの印刷が完了されると、印刷回数Nを「1」だけインクリメントする。また、除電制御部94は、両面印刷を行うときには、1つの用紙Pへの印刷が完了されると、印刷回数Nを「2」だけインクリメントする。
また、除電制御部94は、更新している印刷回数Nが予め設定された移動回数NTh以上になると、次の用紙Pへの印刷が開始される前に、用紙Pに接触する除電部581の部位を変更させる稼働処理を実施する。この際の除電部581の稼働量は、上記交換移動量Lbpに応じた量とされる。すなわち、この稼働量は、印刷対象となる用紙Pのサイズによって可変される。そして、こうした除電部581の稼働が終了されると、除電制御部94は、次の用紙Pへの印刷を指示する。
また、本実施形態の印刷装置11では、除電制御部94は、印刷ヘッド141のメンテナンスを行っている最中でも稼働処理を実施する。このように印刷ヘッド141のメンテナンスの実施中に稼働処理を実施すると、除電制御部94は、印刷回数Nを「0(零)」にリセットする。
印刷制御部97は、搬送制御部95とヘッド制御部96とを有している。
搬送制御部95は、印刷開始を許可する旨が除電制御部94から入力されると、入力情報処理部91からの入力情報に基づいた態様で用紙Pが搬送されるように搬送装置29を制御する。
ヘッド制御部96は、印刷データに基づいて印刷ヘッド141からのインク吐出の態様を制御する。このとき、ヘッド制御部96は、搬送制御部95と協調することにより、用紙Pの印刷面Pbの適切な位置に画像を形成することができる。
次に、図10に示すフローチャートを参照し、除電部581を稼働させる際の処理手順について説明する。この処理は、1つの用紙Pへの印刷が完了したときに実行される。
図10に示すように、ステップS11において、印刷面Pbへの印刷回数Nが取得される。次のステップS12において、取得した印刷回数Nが上記移動回数NTh以上であるか否かが判定される。そして、印刷回数Nが移動回数NTh以上である場合、用紙Pに接触する除電部581の部位に付着する異物の量が多くなっていると判断することができる。
そのため、印刷回数Nが移動回数NTh以上である場合(ステップS12:YES)、その処理が次のステップS13に移行される。そして、このステップS13において、用紙Pに接触する除電部581の部位を変更させるために、稼働処理が実施される。この稼働処理が実施されると、除電部581は、前回の印刷時に用紙Pに接触していた部位とは異なる部位を用紙Pに接触させることが可能となる。そして、稼働処理が終了されると、ステップS14において、印刷回数Nが「0(零)」にリセットされ、その後、本処理が終了される。
一方、ステップS12において、印刷回数Nが移動回数NTh未満である場合(NO)、その処理が次のステップS15に移行される。そして、ステップS15において、印刷ヘッド141のメンテナンスが、ヘッドメンテナンス装置62によって実行されているか否かが判定される。印刷ヘッド141のメンテナンスが実行されている場合(ステップS15:YES)、その処理がステップS13に移行され、上記除電部581の稼働処理が
実施される。この場合、印刷ヘッド141のメンテナンスを行っている最中に、除電部581が稼働されることとなる。そして、稼働処理が終了されると、その処理がステップS14に移行され、印刷回数Nが「0(零)」にリセットされ、本処理が終了される。
一方、ステップS15において、印刷ヘッド141のメンテナンスが実行されていない場合(NO)、稼働処理を実施することなく、本処理が終了される。
以上、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)除電部581を稼働させることにより、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pに接触する除電部581の部位を変更することができる。そして、このように除電部581が稼働されているときに、クリーニング部材66による除電部581のクリーニングが行われる。こうした除電部581のクリーニングは、用紙の幅方向Zにおいて搬送ベルト53よりも外側で行われるため、クリーニングによって除電部581から除去された異物が用紙Pに再び付着したり、用紙の搬送方向において除電部581よりも下流側に位置する印刷ヘッド141に当該異物が付着したりする事象が生じにくくなる。なお、異物が印刷ヘッド141に付着すると、印刷ヘッド141のノズルに異物が入り込み、目詰まりが発生することがある。この場合、当該ノズルからのインクの吐出不良が発生するおそれがある。本実施形態の印刷装置11では、こうしたノズルの目詰まりが発生しにくくなる。したがって、除電部581のクリーニングに起因する用紙Pへの印刷品質の低下を抑制することができる。
(2)搬送ベルト53において印刷ヘッド141に対向する部位は、バックアッププレート55によって印刷ヘッド141側に付勢されている。そのため、搬送ベルト53の張力が小さくなりにくくなる分、用紙Pの搬送不良が生じにくくなる。したがって、用紙Pの搬送不良に起因する印刷品質の低下を抑制することができる。
(3)また、バックアッププレート55が搬送ベルト53の内面53aに接触しているため、搬送ベルト53の内面側に帯電している電荷をバックアッププレート55によって除去することができる。その結果、搬送ベルト53の外面側の電荷の量が少なくなりにくくなる分、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力を大きくすることができる。
(4)搬送ベルト53の外面53bを、搬送ベルト53の内面53aを構成する絶縁層531よりも電気抵抗の小さい導電層532で構成している。そのため、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力を大きくすることができる。
(5)また、稼働処理での除電部581の稼働量を上記交換移動量Lbpに応じた値としている。そのため、印刷対象となる用紙Pの大きさに応じて除電部581の稼働量が可変されるため、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pに接触する除電部581の部位を変更する際における除電部581の稼働量を最小限度にすることができる。その結果、除電部581の稼働に要する時間を短縮化させることができ、印刷装置11のスループットを向上させることができる。
(6)そして、本実施形態の印刷装置11では、印刷回数Nが移動回数NTh以上になったときには、除電部581において用紙に接触していた部位への異物の付着量が多くなっていると判断することができるため、次の用紙Pへの印刷が開始される前に上記の稼働処理が実施される。このように用紙Pに接触する除電部581の部位を定期的に変更することにより、除電部581の全域を満遍なく利用することができる。したがって、除電部581の一部が集中的に利用される場合と比較し、除電部581の長寿命化を図ることができる。
(7)また、本実施形態の印刷装置11では、印刷ヘッド141のメンテナンスを行っている最中に、上記稼働処理を実施するようにしている。そのため、上記稼働処理を実施するために、印刷を一時的に中止する回数を減らすことができる。したがって、印刷装置11のスループットの低下を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、印刷装置11を具体化した第2の実施形態を図11に従って説明する。なお、第2の実施形態では、稼働処理を実施するタイミングが第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図11に示すフローチャートを参照し、除電部581を稼働させる際の処理手順について説明する。
図11に示すように、ステップS21において、1つの印刷ジョブに基づいた印刷が完了した直後であるか否かが判定される。そして、印刷の完了直後である場合(ステップS21:YES)、その処理が次のステップS22に移行される。そして、このステップS22において、用紙Pに接触する除電部581の部位を変更させるために、稼働処理が実施される。そして、この稼働処理が終了されると、本処理が終了される。
一方、ステップS21において、1つの印刷ジョブに基づいた印刷が完了した直後ではない場合(NO)、その処理が次のステップS23に移行される。そして、ステップS23において、印刷ヘッド141のメンテナンスが、ヘッドメンテナンス装置62によって実行されているか否かが判定される。印刷ヘッド141のメンテナンスが実行されている場合(ステップS23:YES)、その処理がステップS22に移行され、上記除電部581の稼働処理が実施される。この場合、印刷ヘッド141のメンテナンスを行っている最中に、除電部581が稼働されることとなる。そして、稼働処理が終了されると、本処理が終了される。一方、ステップS23において、印刷ヘッド141のメンテナンスが実行されていない場合(NO)、稼働処理を実施することなく、本処理が終了される。
以上、本実施形態の印刷装置11によれば、上記第1の実施形態における効果(1)〜(5)及び(7)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(8)本実施形態の印刷装置11では、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pに接触する除電部581の部位を、新しい印刷ジョブに基づいた印刷時と、前回の印刷ジョブに基づいた印刷時とで異ならせることができる。このように印刷ジョブ毎に用紙Pに接触する除電部581の部位を異ならせることにより、除電部581の全域を満遍なく利用することができる。したがって、除電部581の一部が集中的に利用される場合と比較し、除電部581の長寿命化を図ることができる。
(第3の実施形態)
次に、印刷装置11を具体化した第3の実施形態を図12に従って説明する。なお、第3の実施形態では、稼働処理を実施するタイミングが第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態の印刷装置11では、用紙Pの印刷面Pbに形成する画像の解像度が異なる複数の印刷モードが予め用意されている。例えば、第1の印刷モードは、印刷速度よりも印刷品質を重視し、高解像度の画像を印刷面Pbに形成するためのモードである。また、第2の印刷モードは、印刷品質をある程度維持しつつも印刷速度を重視し、低解像度の画像を印刷面Pbに形成するためのモードである。そして、本実施形態の印刷装置11では、前回までの印刷モードとは異なる印刷モードでの印刷を開始する際に、除電部581の稼働処理を実施するようにしている。
次に、図12に示すフローチャートを参照し、除電部581を稼働させる際の処理手順について説明する。この処理は、印刷を開始する際に実行される。
図12に示すように、ステップS211において、印刷モードが変更されたか否かが判定される。印刷モードが変更された場合(ステップS211:YES)、その処理が次のステップS22に移行される。そして、このステップS22において、用紙Pに接触する除電部581の部位を変更させるために、稼働処理が実施される。そして、この稼働処理が終了されると、本処理が終了される。
一方、ステップS211において、印刷モードが変更されていない場合(NO)、その処理が次のステップS23に移行される。そして、ステップS23において、印刷ヘッド141のメンテナンスが、ヘッドメンテナンス装置62によって実行されているか否かが判定される。印刷ヘッド141のメンテナンスが実行されている場合(ステップS23:YES)、その処理がステップS22に移行され、上記除電部581の稼働処理が実施される。この場合、印刷ヘッド141のメンテナンスを行っている最中に、除電部581が稼働されることとなる。そして、稼働処理が終了されると、本処理が終了される。一方、ステップS23において、印刷ヘッド141のメンテナンスが実行されていない場合(NO)、稼働処理を実施することなく、本処理が終了される。
以上、本実施形態の印刷装置11によれば、上記第1及び第2の各実施形態における効果(1)〜(5)及び(7)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(9)本実施形態の印刷装置11では、印刷モードが変更されて印刷を行う際には、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pに接触する除電部581の部位が変更される。
このように印刷モードが変更される毎に用紙Pに接触する除電部581の部位を異ならせることにより、除電部581の全域を満遍なく利用することができる。したがって、除電部581の一部が集中的に利用される場合と比較し、除電部581の長寿命化を図ることができる。
(第4の実施形態)
次に、印刷装置11を具体化した第4の実施形態を図13及び図14に従って説明する。なお、第4の実施形態では、稼働処理を実施するタイミングが第1〜第3の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1〜第3の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1〜第3の各実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図13に示すように、本実施形態の印刷装置11には、用紙の搬送方向における除電部581と印刷ヘッド141との間に配置され、用紙Pの印刷面Pbに帯電している電荷の量である電荷量QRを検出する電荷量センサーSE3が設けられている。すなわち、除電部581を通過した後の印刷面Pbの電荷量QRが監視されている。そして、電荷量QRが少ないときには、除電部581によって用紙Pから電荷を十分に除去できていると判断することができる。一方、電荷量QRが多いときには、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が低下していると判断することができる。
このように除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が低下しているときには、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pに接触する除電部581の部位を変更することが望ましい。
次に、図14に示すフローチャートを参照し、除電部581を稼働させる際の処理手順について説明する。
図14に示すように、ステップS212において、前回の印刷時に検出された電荷量QRが移動電荷量QRTh1以上であったか否かが判定される。電荷量QRが移動電荷量QRTh1以上であった場合(ステップS212:YES)、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が低下していると判断することができるため、その処理が次のステップS22に移行される。そして、このステップS22において、用紙Pに接触する除電部581の部位を変更させるために、稼働処理が実施される。そして、この稼働処理が終了されると、本処理が終了される。
一方、ステップS212において、前回の印刷時に検出された電荷量QRが移動電荷量QRTh1未満であった場合(NO)、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が未だ低下していないと判断することができるため、その処理が次のステップS23に移行される。そして、ステップS23において、印刷ヘッド141のメンテナンスが、ヘッドメンテナンス装置62によって実行されているか否かが判定される。印刷ヘッド141のメンテナンスが実行されている場合(ステップS23:YES)、その処理がステップS22に移行され、上記除電部581の稼働処理が実施される。この場合、印刷ヘッド141のメンテナンスを行っている最中に、除電部581が稼働されることとなる。そして、稼働処理が終了されると、本処理が終了される。一方、ステップS23において、印刷ヘッド141のメンテナンスが実行されていない場合(NO)、稼働処理を実施することなく、本処理が終了される。
以上、本実施形態の印刷装置11によれば、上記第1〜第3の各実施形態における効果(1)〜(5)及び(7)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(10)本実施形態の印刷装置11では、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率を実際に計測し、効率が低下していると判断できるときに、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pに接触する除電部581の部位を適宜に変更することができる。その結果、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率の低下が抑制され、搬送ベルト53への用紙Pの静電吸着力の低下を抑制することができる。
(第5の実施形態)
次に、印刷装置11を具体化した第5の実施形態を図15に従って説明する。なお、第5の実施形態では、稼働処理を実施するタイミングが第1〜第4の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1〜第4の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1〜第4の各実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
用紙Pに両面印刷を行う場合、第1の面への印刷が完了し、用紙Pが搬送ベルト53から第3の媒体供給部23に受け渡された時点から、第3の媒体供給部23によって用紙Pが搬送ベルト53上に再び給送される時点までの期間は、搬送ベルト53上に用紙Pがない期間であるということができる。そこで、本実施形態の印刷装置11では、こうした期間内に、除電部581の稼働処理を実施するようにしている。
次に、図15に示すフローチャートを参照し、除電部581を稼働させる際の処理手順について説明する。
図15に示すように、ステップS31において、今回の印刷が両面印刷であるか否かが判定される。両面印刷ではない場合(ステップS31:NO)、除電部581の稼働処理を実施することなく、本処理が終了される。一方、今回の印刷が両面印刷である場合(ステップS31:YES)、その処理がステップS32に移行される。
ステップS32において、第1の面への印刷が完了したか否かが判定される。第1の面への印刷が未だ完了していない場合(ステップS32:NO)、第1の面への印刷が継続される。一方、第1の面への印刷が完了した場合(ステップS32:YES)、その処理がステップS33に移行される。ステップS33において、用紙Pに接触する除電部581の部位を変更させるために、稼働処理が実施される。そして、この稼働処理が終了されると、本処理が終了される。
以上、本実施形態の印刷装置11によれば、上記第1〜第4の各実施形態における効果(1)〜(5)及び(7)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(11)本実施形態の印刷装置11では、第1の面への印刷が完了されて搬送ベルト53上に向けて用紙Pが再び給送されている間に、すなわち搬送ベルト53上に用紙Pがない間に、用紙Pに接触する除電部581の部位を変更することができる。そのため、除電部581を稼働させるために第2の面への印刷開始を遅らせる必要がない分、印刷装置11のスループットの低下を抑制することができる。
(第6の実施形態)
次に、印刷装置11を具体化した第6の実施形態を図16及び図17に従って説明する。なお、第6の実施形態では、クリーニング部を可動式とした点などが第1〜第5の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1〜第5の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1〜第5の各実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図16に示すように、クリーニング部65Aは、クリーニング部材66と、クリーニング部材66を除電部581に接触可能な清掃位置と除電部581と接触不能な退避位置との間で変位させる変位機構部67とを備えている。こうした変位機構部67の制御は、制御装置80のクリーニング制御部98によって行われる。そして、変位機構部67の作動によってクリーニング部材66が清掃位置に配置されている場合、クリーニング部材66は、用紙の幅方向Zにおいて搬送ベルト53よりも外側で除電部581に接触するようになっている。この状態で除電部581を稼働させることにより、クリーニング部材66によって除電部581のクリーニングが行われる。
また、上記の各実施形態で説明したように、クリーニング部材66が清掃位置で固定されている場合、除電部581を稼働させると、クリーニング部材66による除電部581のクリーニングが実施されるようになっている。これに対し、本実施形態の印刷装置11では、変位機構部67の作動によってクリーニング部材66を退避位置に配置させることにより、除電部581が稼働される場合であってもクリーニング部材66による除電部581のクリーニングが実施されないようにすることができる。
そして、本実施形態の印刷装置11では、除電部581の稼働処理の実行回数である変位回数Mを計数し、この変位回数Mに基づいて除電部581のクリーニングの実施タイミングを決定している。
また、電荷量センサーSE3によって検出される電荷量QRが多くなったときには、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が低下していると判断できる。そこで、本実施形態の印刷装置11では、電荷量QRに基づいても除電部581のクリーニングの実施タイミングを決定している。
次に、図17に示すフローチャートを参照し、除電部581のクリーニングを実施する際の処理手順について説明する。
図17に示すように、ステップS41において、除電部581の稼働処理の実施回数である変位回数Mが取得される。次のステップS42において、取得した変位回数Mが予め設定されているクリーニング判定回数MTh以上であるか否かが判定される。変位回数Mがクリーニング判定回数MTh以上であるときには、除電部581に付着している異物の量が多くなっていると推定することができる。
そのため、変位回数Mがクリーニング判定回数MTh以上である場合(ステップS42:YES)、その処理がステップS43に移行される。そして、ステップS43において、除電部581のクリーニングが実施される。すなわち、変位機構部67の作動によってクリーニング部材66が退避位置から清掃位置に変位される。そして、この状態で除電部581が稼働される。これにより、クリーニング部材66によって除電部581から異物が除去される。そして、除電部581の稼働が停止されると、変位機構部67の作動によってクリーニング部材66が清掃位置から退避位置に変位される。すると、処理がステップS44に移行され、変位回数Mが「0(零)」にリセットされ、その後、本処理が終了される。
一方、ステップS42において、変位回数Mがクリーニング判定回数MTh未満である場合(NO)、処理がステップS45に移行される。そして、ステップS45において、前回の印刷時に検出された電荷量QRがクリーニング判定電荷量QRTh2以上であったか否かが判定される。電荷量QRがクリーニング判定電荷量QRTh2以上であった場合(ステップS45:YES)、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が低下していると判断することができるため、その処理が前述したステップS43に移行される。そして、このステップS43において、除電部581のクリーニングが行われる。すなわち、変位回数Mがクリーニング判定回数MTh未満であっても、除電部581のクリーニングが実施されることがある。続いて、次のステップS44において、変位回数Mが「0(零)」にリセットされ、その後、本処理が終了される。
一方、ステップS45において、前回の印刷時に検出された電荷量QRがクリーニング判定電荷量QRTh2未満であった場合(NO)、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が未だ低下していないと判断することができる。そのため、除電部581のクリーニングを行うことなく、本処理が終了される。
以上、本実施形態の印刷装置11によれば、上記第1〜第5の各実施形態における効果(1)〜(5)及び(7)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(12)本実施形態の印刷装置11では、変位回数Mが多いほど除電部581に付着している異物の量が多いと判断することができるため、変位回数Mに基づいて除電部581のクリーニングの実施タイミングを決定している。その結果、クリーニング判定回数MThを適切な値に設定することにより、除電部581のクリーニングを適切なタイミングで行うことができる。
(13)また、電荷量センサーSE3によって検出される電荷量QRがクリーニング判定電荷量QRTh2以上になったときには、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が低下していると判断することができるため、除電部581のクリーニングが実行される。そのため、除電部581のクリーニングの実施タイミングの適正化を図ることができ、ひいては除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、搬送ベルト53に直流電圧を印加する印刷装置11について説明する。第1〜第6の実施形態では、帯電ローラー56を介して搬送ベルト53に交流電圧を印加しているが、第7の実施形態では、帯電ローラー56を介して搬送ベルト53に直流電圧を印加する点が第1〜第6の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1〜第6の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1〜第6の各実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図18は、本実施形態における搬送ベルト53に電荷が帯電する様子を示す作用図である。搬送ベルト53は、環状をなす導電層533と、この導電層533の外側に形成された環状の絶縁層534とを有している。導電層533は、接地されたバックアッププレート55に接触する。
帯電ローラー56に直流電圧が印加されると、絶縁層534には正の電荷が帯電する。サポートローラー57によって用紙Pが搬送ベルト53に押し付けられると、用紙Pが搬送ベルト53に密着し、用紙P内に分極が発生する。すなわち、搬送ベルト53において、接触面Pa側には負の電荷が帯電し、印刷面Pb側には正の電荷が帯電する。
印刷面Pbに除電部581のブラシ586が接触すると、印刷面Pb側の正の電荷が除去される。これにより、接触面Paの負の電荷の減少が抑制され、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力の低下が抑制される。
ブラシ586が搬送ベルト53に吸着された用紙Pを押圧した状態において、支持面587から用紙Pの印刷面Pbまでのブラシ586の距離L3は、5.5mmであり、搬送ベルト53と反対側に位置し、支持面587から立設するブラシ586の長さL2は、6.5mmである。
次に、除電部581の当接距離L1について説明する。当接距離L1は、搬送方向(図中左右方向)において、ブラシ586が搬送ベルト53と当接する範囲の距離である。
除電部581の当接距離L1によって、搬送ベルト53に静電吸着されて搬送される用紙Pの表面電圧は変化する。図19は、除電部581の当接距離L1と用紙Pの表面電圧との関係を示すグラフである。横軸は、当接距離L1を示し、縦軸は、用紙Pの表面電圧を示す。
図19は、当接距離L1が異なる複数の除電部581を用意し、それぞれの除電部581が備えられた各状態において、搬送ベルト53に静電吸着されて搬送される用紙Pの表面電圧を測定したものである。
折れ線G1は、搬送速度V1で搬送させ、正帯電用紙Pの表面電圧を測定した結果を示し、折れ線G2は、搬送速度V2で搬送させ、正帯電用紙Pの表面電圧を測定した結果を示す。搬送速度V2は、搬送速度V1の2分の1の搬送速度である。折れ線G1および折れ線G2の測定結果を得たときの正帯電用紙Pは同じものである。図19に示すように、除電部581の当接距離L1が長くなるほど、正帯電する用紙Pの表面電圧が低下する。
折れ線G3は、負帯電用紙Pを搬送させたときの表面電圧を測定したものである。当接距離L1が30mm未満では、当接距離L1が長くなるほど、表面電圧の絶対値が小さくなる。
図18の用紙Pの印刷面Pb側から正帯電した紙粉(不図示)が、図3の接地された印刷ヘッド141に電気的に引き寄せられ、ノズルが目詰まりする。印刷ヘッド141からインクを吐出する方向において、印刷ヘッド141と搬送ベルト53との距離は、0.9mmである。
ノズルが目詰まりすると、画像を形成するドットが抜けてしまう。そこで、目詰まりした1個のノズルを特定し、目詰まりしたノズルに代わって隣のノズルからインクを吐出させ、ドット抜けが生じないようにすることが行われる。
図20は、正帯電用紙Pの表面電圧と目詰まりするノズルの個数の関係を示すグラフである。図20に示すように、正帯電用紙Pの表面電圧が300V以下では、目詰まりするノズルの個数は1個以下である。
そこで、本実施形態では、図19の当接距離L1が8mmとなる除電部581を選択し、正帯電用紙Pの表面電圧が300V未満になるようにする。これにより、目詰まりするノズルの個数が1個以下とすることが可能である。そして、目詰まりしたノズルに代わって隣のノズルからインクを吐出させてドット抜けが生じないようにすることができる。
本実施形態では、絶縁層534に正の電荷を帯電させたが、絶縁層534に負の電荷を帯電させてもよい。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・除電部581は、比較的大きい力で搬送ベルト53に押し付けられている。そのため、例えば、図21に示すように、除電部581の搬送方向における上流側(図中右側)の一部を切り欠いて、除電部581と搬送ベルト53との間に用紙Pを誘導できるようにしてもよい。また、図21に示すように、除電部581と搬送ベルト53との間に用紙Pを案内するためのガイド部材35を設けてもよい。この場合、除電部581の搬送方向における上流端よりも下流側にガイド部材35の先端が位置するように、ガイド部材35を配置するようにしてもよい。
また、図22に示すように、除電部581と搬送ベルト53との間に用紙Pを誘導しやすいように、除電部581を傾けて配置してもよい。この場合、図21に示す例とは異なり、除電部581の一部を切り欠かなくてもよい。
・第6の実施形態において、印刷ヘッド141のメンテナンスを行っているときに、除電部581のクリーニングを行うようにしてもよい。
・第3の実施形態では、第1の印刷モードから第2の印刷モードに切り替わった場合、及び、第2の印刷モードから第1の印刷モードに切り替わった場合に、除電部581の稼働処理を実施するようにしている。しかし、これに限らず、第1の印刷モードは高解像度の画像を用紙Pに印刷するためのモードであるため、第2の印刷モードから第1の印刷モードに切り替わったときにのみ、すなわち印刷モードが高解像度側のモードに変更されたときに、稼働処理を実施するようにしてもよい。この場合、第1の印刷モードから第2の印刷モードに切り替わったとき、すなわち印刷モードが低解像度側のモードに変更されたときには、稼働処理を実施しなくてもよい。
また、第1の印刷モードでの印刷を行うときには、印刷に先立って必ず稼働処理を実施するようにしてもよい。
・第2の実施形態では、1つの印刷ジョブに基づいた印刷の終了後に除電部581の稼働処理を実施するようにしていたが、次の印刷ジョブに基づいた印刷を開始する前に稼働処理を実施するようにしてもよい。この場合であっても、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pに接触する除電部581の部位を、新しい印刷ジョブに基づいた印刷時と、前回の印刷ジョブに基づいた印刷時とで異ならせることができる。したがって、上記(8)と同等の効果を得ることができる。
・第2の実施形態において、印刷ジョブに基づいた印刷が規定回数行われた後に、除電部581のクリーニングを実施するようにしてもよい。
・稼働処理の実施によって用紙Pに接触する除電部581の部位を変更することができるのであれば、除電部581の稼働量を、上記交換移動量Lbpに応じて決定しなくてもよい。例えば、除電部581の稼働量を、印刷対象となる用紙Pの大きさによらず一定としてもよい。
・バックアッププレート55は、導電性材料で構成されているのであれば金属材料以外の他の材料で構成したものであってもよい。
・搬送ベルト53の絶縁層531の電荷を除去しなくても搬送ベルト53に用紙Pを静電吸着させることができるのであれば、バックアッププレート55を、接地させなくてもよい。この場合、バックアッププレート55を、導電性材料ではない材料で構成したものとしてもよい。
・バックアッププレート55で搬送ベルト53にテンションを加えなくても、搬送ベルト53の張力を十分に確保できるのであれば、バックアッププレート55で搬送ベルト53を印刷ヘッド141側に付勢しなくてもよい。
・各実施形態では、搬送ベルト53を絶縁層531と導電層532とで構成しているが、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力を十分に確保できるのであれば、こうした構成以外の搬送ベルトを採用してもよい。
・第4及び第6の実施形態において、除電部581のクリーニングを行っても、電荷量センサーSE3によって検出される電荷量QRが小さくならない場合には、除電部581が劣化していると判断し、除電部581の交換を促すような報知処理を実施するようにしてもよい。
・各実施形態では、除電部581の延びる方向である上記規定方向が、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙の幅方向と一致している。しかし、除電部581の延びる方向の延長線上に印刷ヘッド141が位置しないのであれば、規定方向を適宜変更してもよい。例えば、規定方向は、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙の幅方向を主成分とする方向であれば任意の方向に設定してもよい。
・各実施形態では、クリーニング部65,65Aが、用紙の幅方向Zにおいて搬送ベルト53よりも一方側(すなわち、稼働用駆動ローラー584が位置する側)に配置されている。しかし、これに限らず、例えば、クリーニング部65,65Aを、用紙の幅方向Zにおいて搬送ベルト53よりも他方側(すなわち、稼働用従動ローラー585が位置する側)に配置するようにしてもよい。
・各実施形態では、除電部581は環状をなしているが、これに限らず、一方向に延びる短冊状の除電部を採用してもよい。この場合、除電部を規定方向にスライド移動させることにより、用紙Pに接触する除電部の位置を変更することができる。すなわち、こうした構成では、除電部のスライド移動が「除電部の稼働」に相当することとなる。この場合、用紙の幅方向Zにおける搬送ベルト53の両側にクリーニング部材66を配置するようにしてもよい。
・各実施形態では、除電部581の規定方向における一端が搬送ベルト53の規定方向における一端よりも外側に位置し、除電部581の規定方向における他端が搬送ベルト53の規定方向における他端よりも外側に位置している。しかし、搬送ベルト53に搬送される用紙Pに対して幅方向Zにおける全域に除電部581を接触させることができるのであれば、除電部581の規定方向における一端が搬送ベルト53の規定方向における一端よりも外側に位置し、除電部581の規定方向における他端が搬送ベルト53の規定方向における他端よりも内側に位置するようにしてもよい。この場合であっても、規定方向において搬送ベルト53よりも外側で除電部581のクリーニングを行うことができる。
・印刷ユニット14は、所定の走査方向に印刷ヘッドを移動させつつ印刷ヘッドからインクを用紙の印刷面に吐出するユニットであってもよい。また、印刷ユニット14は、用紙の搬送方向に印刷ヘッド141を移動させつつ印刷ヘッド141から用紙Pにインクを吐出させるラテラルスキャン型のユニットであってもよい。
・各実施形態において、印刷装置は、用紙Pに画像を形成することができるのであれば、印刷材として任意のインクを採用することができる。すなわち、印刷材は、粒状、涙状、糸状に尾を引くものであってもよい。例えば、印刷材は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、印刷材は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。印刷材の代表的な例としては上記各実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
・印刷装置によって印刷を施される印刷媒体は、搬送ベルト53に静電吸着させることのできるものであれば、用紙以外の他の媒体であってもよい。
11…印刷装置、141…印刷ヘッド、23…反転機構の一例である第3の媒体供給部、51…搬送用駆動ローラー、53…搬送ベルト、531…絶縁層、532…導電層、53a…内面、53b…外面、55…ベルト付勢部材の一例であるバックアッププレート、581…除電部、582…稼働機構部、583…アクチュエーター、584…稼働用駆動ローラー、585…稼働用従動ローラー、65,65A…クリーニング部、66…クリーニング部材、67…変位機構部、94…除電制御部、97…印刷制御部、P…用紙、Pb…印刷面、SE3…電荷量センサー、Lbp…交換移動量、N…印刷回数、NTh…移動回数、M…変位回数、MTh…クリーニング判定回数、QR…電荷量、QRTh1…移動電荷量、QRTh2…クリーニング判定電荷量。

Claims (18)

  1. 印刷媒体が静電吸着されるとともに、前記印刷媒体を搬送方向に搬送させるべく稼働する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体の印刷面に印刷を施す印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向における上流に配置され、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体の印刷面に接触することにより前記印刷面から電荷を除去する除電部と、を備えた印刷装置であって、
    前記搬送ベルトに搬送される印刷媒体の前記印刷面に沿う方向であって、且つ前記印刷媒体の幅方向を主成分とする方向を規定方向とした場合、前記除電部の前記規定方向における一端が前記搬送ベルトの前記規定方向における一端よりも外側に位置しており、
    前記除電部を稼働させることにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の前記規定方向における部位を変更する稼働機構部を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記規定方向における前記搬送ベルトよりも外側で前記除電部のクリーニングを行うクリーニング部を備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記除電部は環状をなしており、
    前記稼働機構部は、アクチュエーターと、前記アクチュエーターに駆動連結されている稼働用駆動ローラーと、稼働用従動ローラーと、を有し、
    当該各ローラーに前記除電部が掛け回されており、
    前記搬送ベルトは、前記規定方向における前記各ローラーの間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記搬送ベルトは無端状をなし、搬送用駆動ローラーの回転によって前記搬送ベルトが稼働することで、前記搬送ベルトの外面に静電吸着されている印刷媒体が前記搬送方向に搬送されるようになっており、
    前記搬送ベルトの内面に接触することにより、前記搬送ベルトにおいて前記印刷ヘッドに対向する部分を前記印刷ヘッド側に付勢するベルト付勢部材を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  5. 前記ベルト付勢部材は、導電性材料で構成されるとともに、接地されていることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記搬送ベルトは、導電層で外側を形成し、前記導電層よりも電気抵抗の大きい絶縁層で内側を形成した構成となっており、
    前記導電層の外面が前記搬送ベルトの外面であり、前記絶縁層の内面が前記搬送ベルトの内面であることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
  7. 前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更するときに、印刷対象となる印刷媒体の幅方向における長さに基づいて前記稼働機構部を制御する除電制御部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  8. 前記搬送ベルト上には、前記幅方向における中央に印刷媒体が給送されるようになっており、
    印刷対象となる印刷媒体の前記幅方向における長さの半分と、前記搬送ベルトの前記幅方向における半分との和を交換移動量とした場合、
    前記除電制御部は、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更するときに、前記交換移動量に基づいて前記稼働機構部を制御することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
  9. 前記搬送ベルト上には、前記幅方向における一端側に印刷媒体が給送されるようになっており、
    印刷対象となる印刷媒体の前記幅方向における長さを交換移動量とした場合、
    前記除電制御部は、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更するときに、前記交換移動量に基づいて前記稼働機構部を制御することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
  10. 前記除電制御部は、印刷媒体の前記印刷面への印刷回数が移動回数になったことを契機に、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することを特徴とする請求項7〜請求項9のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  11. 印刷ジョブが入力されたときに、前記搬送ベルトを稼働させるとともに前記印刷ヘッドを制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に印刷を施す印刷制御部を備え、
    前記除電制御部は、前記印刷ジョブに基づいた印刷媒体への印刷が終了したときに、又は、前記印刷ジョブに基づいた印刷媒体への印刷が開始されるときに、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することを特徴とする請求項7〜請求項9のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  12. 印刷媒体の前記印刷面に形成する画像の解像度が異なる複数の印刷モードが用意されており、
    前記除電制御部は、印刷モードが変更されたことを契機に、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することを特徴とする請求項7〜請求項9のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  13. 前記搬送方向において前記除電部と前記印刷ヘッドとの間に配置され、前記搬送ベルトに静電吸着される印刷媒体の前記印刷面に帯電している電荷の量を検出する電荷量センサーを備え、
    前記除電制御部は、前記電荷量センサーによって検出される電荷の量が移動電荷量以上になったときに、次回の印刷が開始される前までに、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することを特徴とする請求項7〜請求項9のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  14. 印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、
    前記除電制御部は、前記反転機構によって印刷媒体が前記搬送ベルト上に向けて給送されている間に、前記稼働機構部を制御することにより、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更することを特徴とする請求項7〜請求項9のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  15. 前記クリーニング部は、前記除電部に接触することにより前記除電部のクリーニングを行うクリーニング部材と、前記クリーニング部材を前記除電部に接触可能な清掃位置と前記除電部と接触不能な退避位置との間で変位させる変位機構部と、を有していることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  16. 前記クリーニング部は、前記印刷ヘッドのメンテナンスが行われているときに、前記除電部のクリーニングを行うことを特徴とする請求項15に記載の印刷装置。
  17. 前記クリーニング部は、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に接触する前記除電部の部位を変更した回数である変位回数がクリーニング判定回数になったときに、前記除電部のクリーニングを行うことを特徴とする請求項15に記載の印刷装置。
  18. 前記搬送方向において前記除電部と前記印刷ヘッドとの間に配置され、前記搬送ベルトに静電吸着される印刷媒体の前記印刷面に帯電している電荷の量を検出する電荷量センサーを備え、
    前記クリーニング部は、前記電荷量センサーによって検出される電荷の量がクリーニング判定電荷量以上になったときに、前記除電部のクリーニングを行うことを特徴とする請求項15に記載の印刷装置。
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