JP2001310468A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2001310468A
JP2001310468A JP2000131015A JP2000131015A JP2001310468A JP 2001310468 A JP2001310468 A JP 2001310468A JP 2000131015 A JP2000131015 A JP 2000131015A JP 2000131015 A JP2000131015 A JP 2000131015A JP 2001310468 A JP2001310468 A JP 2001310468A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクの吐出量を一定として濃度むらの少ない
良好な画像を形成することが可能なインクジェットヘッ
ドを提供する。 【解決手段】多数の発熱抵抗体3と該発熱抵抗体3を被
覆する保護膜5が設けられている基板1と、多数のイン
ク吐出孔8が穿設されている天板7とを、前記インク吐
出孔8が前記発熱抵抗体3の上部に位置するようにして
間に所定の間隔を空けて配置させるとともに、前記基板
1及び天板7間の隙間にインク9を充填させてなり、前
記インク9を発熱抵抗体3の配列と直交する方向に流動
させながら発熱抵抗体3からの熱エネルギーによってイ
ンクク吐出孔8よりインク滴を吐出させて画像を形成す
るインクジェットヘッドであって、前記インク9と接す
る保護膜5の表面及び/又は天板7の下面に、インク9
の流動方向に沿った多数の溝6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を形成するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録紙に画像を形成するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
【0003】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出・飛翔させるのに発熱抵抗
体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変
形を利用するもの,更には電磁波の照射に伴って発生す
る熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗
体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイプの
ものは、発熱抵抗体のパターン形成が容易であることに
加え、発熱抵抗体の面積が小さくても比較的大きな熱エ
ネルギーを発生させることができることから高密度記録
への対応に適したものとして注目されている。
【0004】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば、多数の発熱抵抗体及び
これら発熱抵抗体を被覆する保護膜が設けられている基
板と、前記発熱抵抗体と1対1に対応する多数のインク
吐出孔が穿設されている天板とを、間に所定の間隔を空
けて配置させるとともに、前記基板及び天板間の隙間に
インクを充填させた構造のものが知られており、記録紙
を前記天板の上面に沿って搬送しながら、多数の発熱抵
抗体を画像データに基づいて個々に選択的に発熱させ、
この熱エネルギーによってインク中に気泡を発生させる
とともに、該発生した気泡による圧力でもってインクの
一部を天板のインク吐出孔より外部に吐出させ、これを
記録紙に付着させることによって所定の画像が記録され
る。
【0005】尚、前記インクをインク吐出孔より外部に
吐出した後、基板と天板との間には吐出したインクと同
じ量のインクが流入して補充されるようになっており、
これによって上述の記録動作を連続的に繰り返すことが
できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のインクジェットヘッドにおいては、発熱抵抗体の熱
エネルギーによってインク滴を吐出させた後、基板−天
板間の気泡は上述したインクの補充によってその大部分
が消滅するものの、細かな気泡が残ってしまうことがあ
る。このような残留気泡を含んだ基板−天板間のインク
は、次ラインの記録動作が開始されるまでの間、そのま
ま同じ場所にあるため、発熱抵抗体を再び発熱させて新
たな気泡を発生させると、インクが小さな残留気泡を含
んだまま外部に吐出されてしまったり、或いは、新たに
発生した気泡と残留気泡とが合体することにより大きな
気泡を形成する等してインクの吐出量が不均一となり、
濃度むらが形成される欠点を有していた。
【0007】また上述した従来のインクジェットヘッド
の基板−天板間に充填されているインクは、気泡発生の
際やインク補充の際を除けば流動することが殆どなく、
インクや基板中には熱がこもり易くなっている。それ
故、インクジェットヘッドを長時間にわたって使用する
と、基板等の温度が過度に高温となり、インクの吐出量
にバラツキを生じて濃度むらが発生したり、或いは不要
なインクが外部に吐出される等の不具合を生じる欠点が
あり、またこれを避けるために各ラインの記録動作の間
に十分な冷却時間を設けると、記録に要する時間が長く
なって高速記録に供しなくなる欠点が誘発される。
【0008】そこで上記欠点を解消するために、基板−
天板間に充填されているインクを流動させることでイン
ク吐出孔−発熱抵抗体間より残留気泡を除去するととも
に基板中の熱を流動するインクで吸収し、基板を冷却す
ることが検討されている。
【0009】しかしながら、上述したインクジェットヘ
ッドのインクは、基板−天板間の狭い隙間に充填されて
いることから、このように狭い領域内でインクを高速で
流動させることは難しく、またこのようなインク中では
発熱抵抗体やインク吐出孔付近において渦巻き状の流れ
が出来てしまったり、該渦巻きの発生によってインクの
流れを止めてしまうことがあり、このような場合、イン
ク中の残留気泡を短時間で除去したり、基板をインクで
速やかに冷却したりするのに必要な所定の流速を得るこ
とができず、高速記録に供することが不可となる欠点が
誘発される。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
案出されたもので、本発明のインクジェットヘッドは、
多数の発熱抵抗体及び該発熱抵抗体を被覆する保護膜が
設けられている基板と、前記発熱抵抗体と1対1に対応
する多数のインク吐出孔が穿設されている天板とを、前
記インク吐出孔が前記発熱抵抗体の上部に位置するよう
にして間に所定の間隔を空けて配置させるとともに、前
記基板及び天板間に形成される隙間にインクを充填させ
てなり、前記インクを発熱抵抗体の配列と直交する方向
に流動させながら前記発熱抵抗体の発する熱エネルギー
によって前記インク吐出孔よりインク滴を吐出させて画
像を形成するインクジェットヘッドであって、前記イン
クと接する保護膜の表面及び/又は天板の下面に、イン
クの流動方向に沿った多数の溝が形成されていることを
特徴とするものである。
【0011】また本発明のインクジェットヘッドは、前
記多数の溝は、各々の幅が1μm〜125μm、深さが
0.1μm〜1.5μmであり、かつ前記発熱抵抗体の
配列方向に1本/mm〜110本/mmの密度で形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0012】更に本発明のインクジェットヘッドは、前
記インクの流速が、少なくとも発熱抵抗体−インク吐出
孔間の領域で50μm/sec〜2000μm/sec
に制御されることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一形態に係るインク
ジェットヘッドの分解斜視図、図2は図1のインクジェ
ットヘッドの副走査方向にかかる断面図、図3は図1の
インクジェットヘッドの主走査方向にかかる拡大断面
図、図4は図1のインクジェットヘッドにおける溝の形
成方向を説明するための拡大平面図であり、1は基板、
3は発熱抵抗体、5は保護膜、6は保護膜表面の溝、7
は天板、8はインク吐出孔、9はインクである。
【0014】前記基板1は、アルミナセラミックス等の
電気絶縁性材料によって矩形状をなすように形成され、
その上面でグレーズ層2や多数の発熱抵抗体3等を支持
するための支持母材として機能する。
【0015】尚、前記基板1は、例えばアルミナセラミ
ックスから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシア等
のセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加
・混合して泥漿状に成すとともに、これを従来周知のド
クターブレード法やカレンダーロール法等を採用するこ
とによってセラミックグリーンシートを得、しかる後、
前記セラミックグリーンシートを所定形状に打ち抜いた
上、高温で焼成することによって矩形状をなすように製
作される。
【0016】また前記基板1の上面には、一方の長辺に
沿って断面山状のグレーズ層2が帯状に形成され、更に
その頂部には多数の発熱抵抗体3が直線状に被着・配列
される。
【0017】前記グレーズ層2は、ガラス等によって断
面山状をなすように形成されており、その表面は極めて
平滑であることから、該グレーズ層2上に従来周知のフ
ォトリソグラフィー等によって多数の発熱抵抗体3をパ
ターン形成する際、発熱抵抗体3の微細加工を比較的容
易に行うことができる。
【0018】尚、前記グレーズ層2は、ガラスから成る
場合、ガラス粉末に適当な有機溶剤、有機バインダー等
を添加・混合して得た所定のガラスペーストを、前記基
板1の上面に、従来周知のスクリーン印刷等によって帯
状に印刷・塗布し、これを高温で焼き付けることにより
断面山状をなすように形成される。
【0019】また前記グレーズ層2上に被着されている
多数の発熱抵抗体3は、例えば600dpiのドット密
度で主走査方向に直線状に配列されており、TaN系や
TaSiO系,TaSiNO系,TiSiO系,TiS
iCO系,NbSiO系等の電気抵抗材料から成ってい
るため、各発熱抵抗体3の両端に電気的に接続されてい
る電極層4,4を介して発熱抵抗体3に電源電力が供給
されるとジュール発熱を起こし、インク9中で気泡Aを
形成するのに必要な熱エネルギーを発生する作用を為
す。
【0020】尚、前記発熱抵抗体3は、従来周知の薄膜
手法、具体的にはスパッタリング、フォトリソグラフィ
ー技術及びエッチング技術等を採用し、前述の電気抵抗
材料をグレーズ層2の上面に所定厚み、所定パターンに
被着させることにより形成される。
【0021】更に前記発熱抵抗体3等の上面には窒化珪
素等から成る保護膜5が略一定の厚みに被着され、該保
護膜5によって発熱抵抗体3や電極4,4を被覆してい
る。
【0022】前記保護膜5は、発熱抵抗体3や電極層
4,4をインク10の接触による腐食から保護するため
のものであり、従来周知のスパッタリング等によって発
熱抵抗体3等の上面に例えば2.0μm〜20.0μm
の厚みに被着される。
【0023】また前記保護膜5の表面には、発熱抵抗体
3の配列と直交する方向(副走査方向)に多数の溝6が
形成されている。
【0024】前記多数の溝6は、少なくとも発熱抵抗体
3上の領域に、各々が1μm〜125μmの幅、0.1
μm〜1.5μmの深さで、かつ前記発熱抵抗体3の配
列方向に1本/mm〜110本/mmの密度で形成され
ており、これらの溝6は前述した如く発熱抵抗体3の配
列と直交する方向に沿って設けられているため、該方向
に沿って後述するインク9を良好かつ安定的に流動させ
ることができる。
【0025】尚、前記多数の溝6は、保護膜5の表面
を、酸化アルミニウムやシリコンカーバイド,ダイヤモ
ンド等から成る硬質の無機質微粒子が接着されている所
定のラッピングペーパーで発熱抵抗体3の配列と直交す
る方向に研磨し、保護膜5の表面の一部を削り取ること
によって形成される。
【0026】そして上述した基板1上には、発熱抵抗体
3と1対1に対応する多数のインク吐出孔8を有した天
板7が、間に所定の間隔を空けて、基板上面と略平行に
配置される。
【0027】前記天板7は、インク吐出孔8が対応する
発熱抵抗体3の上部(真上)に位置するように位置合わ
せされており、その下面には基板1−天板7間の間隔を
略一定に保つための図示しないスペーサが天板7の外周
に沿って配され、該スペーサによって基板1−天板7間
に所定の隙間を形成するようにしている。
【0028】また前記インク吐出孔8は、インクジェッ
トヘッドの記録動作時、インク滴iを記録紙に向けて吐
出するためのものであり、発熱抵抗体3と1対1に対応
するように、発熱抵抗体3と略等しい密度、例えば60
0dpiのドット密度で主走査方向に直線状に配列され
ている。
【0029】尚、前記天板7は、モリブデン等の金属や
アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料から成り、例
えばモリブデンから成る場合、モリブデンのインゴット
(塊)を従来周知の金属加工法によって所定厚みの板体
と成し、得られた板体に従来周知のレーザー加工等によ
って直径50μm〜110μmのインク吐出孔8を複数
個、穿設することにより製作される。
【0030】そして更に前述した基板1−天板7間の隙
間にはインク9が充填される。前記インク9としては、
例えば顔料タイプの油性インクや水性染料インク等が使
用され、該インク9は図示しないインクタンクから基板
1−天板7間に供給され、前述した発熱抵抗体3の熱エ
ネルギーによってインク9中に気泡Aが発生すると、該
気泡Aによる圧力でもってインク9の一部がインク滴i
となってインク吐出孔9より外部に吐出される。
【0031】またこのようなインク9は、インク吐出孔
8の配列と直交する方向(副走査方向)に流動させる図
示しない循環ポンプ等によってインクタンクとの間で循
環される。
【0032】前記インク9は、発熱抵抗体3とインク吐
出孔8との間の領域において、例えば50μm/sec
〜2000μm/secの流速で流動するように制御さ
れており、かかるインク9の流れは、発熱抵抗体3の駆
動状態にかかわらず、発熱抵抗体3が発熱しているとき
も、発熱していないときも常に略等しい流速に保たれ
る。
【0033】このため、発熱抵抗体3からの熱エネルギ
ーによってインク滴を吐出させた後、基板1−天板7間
にいくつかの細かな気泡aが残留したとしても、これら
の残留気泡aは基板1−天板8間を流動するインク9と
共にインク吐出孔8の配列と直交する方向に移動して、
次ラインの記録動作が開始されるまでの間に、発熱抵抗
体3とインク吐出孔8との間の領域から速やかに排除さ
れる。従って、次ラインの記録動作に伴い発熱抵抗体3
を再び発熱させて新たな気泡を発生させた際、インク吐
出孔8より吐出されるインク滴iの中に細かな残留気泡
aが含まれたり、新たに発生した気泡Aと残留気泡aと
が合体することにより大きな気泡を形成したりすること
は殆どなく、これによりインク9の吐出量を略一定とし
て濃度むらの少ない良好な画像を形成することが可能と
なる。
【0034】尚、インク9の流動方向を副走査方向以外
の方向、例えばインク吐出孔8の配列と平行な主走査方
向に設定した場合、インク9の流動に伴って残留気泡a
が移動する方向には他のインク吐出孔8が多数配置され
ることとなるので、全ての残留気泡aを発熱抵抗体3と
インク吐出孔8との間の領域から排除するには次ライン
の記録動作が開始されるまでの間にインク9を主走査方
向にわたって流動させる必要があり、この場合、次ライ
ンの記録動作を開始するまでに極めて長時間を要し、高
速記録に供しなくなる。従って、残留気泡aをインク吐
出孔8の直下より速やかに取り除くにはインク9の流動
方向を副走査方向と合致させておく必要がある。
【0035】また前記インク9は、発熱抵抗体3や基板
1を被覆する保護膜5と接した状態で流動するようにな
っていることから、インクジェットヘッドを長時間にわ
たって使用する場合であっても、発熱抵抗体3や基板
1,グレーズ層2等の内部に蓄積される熱は保護膜5を
介してインク9に良好に吸収され、基板1やグレーズ層
2等の温度が過度に高温となることはない。従って、各
ラインの記録動作の間に十分な冷却時間を設けなくて
も、発熱抵抗体3の温度を記録動作に適した温度に維持
して、インク吐出孔8からのインク9の吐出量を常に略
一定となすことができ、濃度むらの少ない鮮明な画像を
高速で記録することが可能となる。
【0036】更に本形態においては、前述した如く、イ
ンク9と接する保護膜5の表面に、副走査方向に沿って
延びる多数の溝6が形成されていることから、基板1−
天板7間のインク9は溝6の形成方向に沿って流動し易
く、インク9を比較的速い流速で所定の方向に安定的に
流動させることができる。これにより、インク9中で渦
巻き状の流れが発生することは殆どなく、インク9の流
れが局所的に止まるといった不都合も有効に防止される
ようになるため、インク9中の残留気泡aを発熱抵抗体
3−インク吐出孔8間より短時間で良好に除去するとと
もに基板1を流動するインク9で速やかに冷却するのに
必要な所定の流速を得ることができ、高速記録に対応す
ることが可能となる。
【0037】尚、前記インク9は、基板1と天板7との
間を通過した後、一旦、前述のインクタンクに戻って、
再度、基板1と天板7との間に供給されるようになって
おり、これによってインク9が基板1−天板7間の領域
とインクタンクとの間を繰り返し循環することとなる。
【0038】また基板1−天板7間を流動するインク9
が吸収した熱は、前述の如き循環経路を流動する過程で
外部に放散され、再び基板1−天板7間に供給されるま
での間に十分に低い温度まで冷却される。
【0039】かくして上述したインクジェットヘッド
は、記録紙を天板7の上面に沿ってインク吐出孔8の配
列方向と直交する方向に搬送しながら、多数の発熱抵抗
体3を外部からの画像データに基づき個々に選択的に発
熱させ、該発生した熱エネルギーによって発熱抵抗体3
上に気泡Aを発生させるとともに、この気泡Aによる圧
力でもってインク9の一部を天板7のインク吐出孔8よ
り外部に吐出させ、吐出したインク滴iを記録紙に付着
させることによって所定の画像が記録される。
【0040】尚、本発明は上述の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
【0041】例えば上述の形態においては、副走査方向
に沿って延びる多数の溝6を保護膜5の表面に形成する
ようにしたが、これに代えて副走査方向に沿って延びる
多数の溝6を天板7の下面に形成したり、或いは、保護
膜5の表面と天板7の下面の双方に形成するようにする
ようても上述の形態と同様の効果が得られる。
【0042】また上述の形態において、金属材料やセラ
ミック材料から成る天板8の上面に更にポリイミド樹脂
製のフィルムを被着させておいても構わない。この場
合、前記フィルムには、インク吐出孔9の形成箇所に該
吐出孔9よりも一回り小さなインク吐出孔が形成され、
インク滴iは前記フィルムに設けたインク吐出孔より外
部に吐出されることとなる。
【0043】更に上述の本形態において、基板1−天板
7間のインク9が全てのインク吐出孔8の直下領域で常
に流動するようになしておけば、発熱抵抗体3の発した
熱等によってインク9中の水分もしくは油分がインク吐
出孔8から多量に蒸発し、インク吐出孔8内のインク9
の粘度が上昇しようとしても、この部分にはインク吐出
孔8の直下を流れるインク9から水分もしくは油分が順
次補給されることによりインク9がインク吐出孔8付近
で固まってしまうことはなく、インク吐出孔8の目詰ま
りを有効に防止することができる。この場合、画像デー
タに対応した正確な画像を形成することができ、インク
ジェットヘッドの信頼性を向上させることが可能となる
利点がある。
【0044】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、基板及び天板間のインクを、インク吐出孔の配列と
直交する方向に流動させるようになしたことから、発熱
抵抗体の熱エネルギーによってインク滴を吐出させた
後、基板−天板間にいくつかの細かな気泡が残留したと
しても、これらの気泡は基板−天板間を流動するインク
と共にインク吐出孔の配列と直交する方向に移動して、
次ラインの記録動作が開始されるまでの間に、発熱抵抗
体とインク吐出孔との間の領域から速やかに排除され
る。従って、次ラインの記録動作に伴い発熱抵抗体を再
び発熱させて新たな気泡を発生させた際、インク吐出孔
より吐出されるインク滴の中に細かな残留気泡が含まれ
たり、新たに発生した気泡と残留気泡とが合体すること
により大きな気泡を形成したりすることは殆どなく、こ
れによりインクの吐出量を一定として濃度むらの少ない
良好な画像を形成することが可能となる。
【0045】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、インクが発熱抵抗体を被覆する保護膜と接触した状
態で流動するようになっていることから、インクジェッ
トヘッドを長時間にわたって使用する場合であっても、
発熱抵抗体や基板等の内部に蓄積される熱は保護膜を介
してインクに良好に吸収され、基板の温度が過度に高温
となることはない。従って、各ラインの記録動作の間に
十分な冷却時間を設けなくても、発熱抵抗体の温度を記
録動作に適した温度に維持して、インク吐出孔からのイ
ンクの吐出量を略一定となすことができ、これによって
濃度むらの少ない鮮明な画像を高速で記録することが可
能となる。
【0046】更に本発明のインクジェットヘッドにおい
ては、インクと接する保護膜の表面及び/又は天板の下
面に、副走査方向に沿って延びる多数の溝を形成するよ
うにしたことから、基板−天板間のインクを比較的速い
流速で所定の方向に安定的に流動させることができるよ
うになり、インク中で渦巻き状の流れが発生するのを有
効に防止することができる。従って、インク中の残留気
泡を発熱抵抗体−インク吐出孔間より短時間で良好に除
去するとともに基板を速やかに冷却するのに必要な所定
の流速を得ることができ、高速記録に対応することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態に係るインクジェットヘッドの
分解斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの断面図である。
【図3】図1のインクジェットヘッドの主走査方向にか
かる拡大断面図である。
【図4】図1のインクジェットヘッドにおける溝の形成
方向を説明するための拡大平面図である。
【符号の説明】
1・・・基板、3・・・発熱抵抗体、5・・・保護膜、
6・・・溝、7・・・天板、8・・・インク吐出孔、9
・・・インク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の発熱抵抗体及び該発熱抵抗体を被覆
    する保護膜が設けられている基板と、前記発熱抵抗体と
    1対1に対応する多数のインク吐出孔が穿設されている
    天板とを、前記インク吐出孔が前記発熱抵抗体の上部に
    位置するようにして間に所定の間隔を空けて配置させる
    とともに、前記基板及び天板間に形成される隙間にイン
    クを充填させてなり、前記インクを発熱抵抗体の配列と
    直交する方向に流動させながら前記発熱抵抗体の発する
    熱エネルギーによって前記インク吐出孔よりインク滴を
    吐出させて画像を形成するインクジェットヘッドであっ
    て、 前記インクと接する保護膜の表面及び/又は天板の下面
    に、インクの流動方向に沿った多数の溝が形成されてい
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】前記多数の溝は、各々の幅が1μm〜12
    5μm、深さが0.1μm〜1.5μmであり、かつ前
    記発熱抵抗体の配列方向に1本/mm〜110本/mm
    の密度で形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】前記インクの流速が、少なくとも発熱抵抗
    体−インク吐出孔間の領域で50μm/sec〜200
    0μm/secに制御されることを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェットヘッド。
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