JP2001309772A - 食材の冷却加工装置 - Google Patents

食材の冷却加工装置

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JP2001309772A
JP2001309772A JP2000132008A JP2000132008A JP2001309772A JP 2001309772 A JP2001309772 A JP 2001309772A JP 2000132008 A JP2000132008 A JP 2000132008A JP 2000132008 A JP2000132008 A JP 2000132008A JP 2001309772 A JP2001309772 A JP 2001309772A
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control
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Shozaburo Kurihara
正三郎 栗原
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Fukushima Galilei Co Ltd
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Fukushima Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食材が適正な仕上がり状態になるなど、食材
を適正に冷却加工できる食材の冷却加工装置を得る。 【解決手段】 冷却室3内に冷却風を発生させる送風手
段6と、この送風手段6の作動を食材の冷却加工の進行
状況に応じて制御する制御手段15とを備えている。そ
して、冷却加工装置は、冷却室3内に冷却風を流して庫
内を冷却することで、食材を冷却加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱調理などを済
ませた食材を冷却加工する食材の冷却加工装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】大量の食事を来客者に一度に提供する宴
会場や結婚式場などにおいては、事前に加熱調理などを
済ませた食材を、冷却庫(ブラストチラー)内に収納し
て、例えば0℃に急速冷却加工したのち、この冷却庫か
ら取り出して、冷蔵庫や冷凍庫などで保存している。そ
して、来客者に提供する時に前記冷蔵庫などから取り出
してオーブンなどで再加熱するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、魚を煮たのち
急速冷却で魚の煮凝りを形成する場合には、魚の煮汁に
冷却風を強く吹き付けて急速冷却することになるが、魚
の煮汁に冷却風が強く吹き付けられたまま煮汁が冷えて
固まると、煮凝りの表面が波打った状態になって煮凝り
の仕上がり状態が悪くなる。この場合、調理者が、食材
の芯温などをチェックしたうえで、煮汁が冷えて固まる
ころに冷却庫の操作部をマニュアル操作して冷却風の風
速を小さくすることが考えられるが、これでは手間がか
かって調理者の負担が大きい。
【0004】また、冷却風を強風にして急速冷却を行っ
ている場合、庫内温度は−40℃程度までは迅速に低下
するが、冷却風が冷却庫の庫内の壁などにも強く当たる
分だけ、この壁などに冷却風の冷熱が吸熱されて、庫内
温度は−40℃以下にはなかなか低下しない。この場
合、冷却風を弱風にして前記吸熱を抑えると、庫内温度
が−40℃以下に迅速に低下できるが、調理者が、庫内
温度に応じて冷却風の風速を切り換えるのでは手間がか
かって、調理者の負担が大きい。
【0005】また、例えば冷却庫の周囲温度が高いとき
に、加熱調理を終えた直後の熱い食材を冷却室内に収納
した場合には、冷却風を強風にして食材を急速冷却しよ
うとしても、冷却庫の庫内を吸熱した冷凍機が過度に高
温になって、冷凍機の保護回路が働き、冷凍機が停止す
る。この場合でも、食材の安全性・衛生性の点から、前
記加熱調理を終えた食材を冷却しないでおくことはでき
ないため、冷凍機の保護回路が働かないようにして食材
を冷却する必要がある。
【0006】本発明の目的は、食材が適正な仕上がり状
態になるなど食材を適正に冷却加工できる食材の冷却加
工装置を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が対象とする食材
の冷却加工装置は、冷却室3内に収納された食材を冷却
加工するものである。ここでの食材には、加熱調理など
を済ませたもの、未加熱のものなどが含まれる。そし
て、本発明の食材の冷却加工装置は、冷却室3内に冷却
風を発生させる送風手段6と、この送風手段6の作動を
食材の冷却加工の進行状況に応じて制御する制御手段1
5とを備えている。この食材の冷却加工の進行状況は、
冷却室3の庫内温度や食材の芯温などで判断される。
【0008】具体的に説明すると、庫内温度を測定する
庫内温度センサ9を冷却室3内に備えた場合には、制御
手段15は、庫内温度センサ9によって測定された冷却
室3の庫内温度に応じて送風手段6の風速を変更するも
のとすることができる。また、周囲温度を測定する手段
を備えた場合には、制御手段15は、周囲温度が予め設
定した所定温度以上のときに、送風手段6の風速を弱め
るものとすることができる。
【0009】
【作用および発明の効果】送風手段6の作動を食材の冷
却加工の進行状況に応じて制御するので、送風手段6に
よって冷却室3内に発生する冷却風が、食材の冷却加工
の進行状況に合った風速になり、食材が適正な仕上がり
状態になるなど食材を適正に冷却加工できる。つまり、
食材の冷却加工として、例えば前述の魚の煮凝りを形成
する場合には、最初は、魚の煮汁に冷却風を強く吹き付
けて急速冷却しておき、この魚の煮汁の芯温が予め設定
した芯温設定温度まで低下したときに、冷却風を弱風に
変更することにより、魚の煮汁の表面に冷却風が強く当
たった状態のまま魚の煮汁が固まって、煮凝りの表面が
波打った状態になることが防止され、煮凝りの表面が滑
らかな状態に仕上がる。
【0010】また、食材を冷凍加工するなどのように、
冷却室3の庫内温度の設定温度を、例えば−50℃にし
た場合には、冷却風が強風でも庫内温度が迅速に低下す
る庫内温度である−40℃になるまでは、冷却風を強風
にしておき、庫内温度が−40℃になると冷却風を弱風
に変更する。この場合、庫内温度が−40℃以下では、
冷却室3の壁などに冷却風が強く当たらなくなって、冷
却風の冷熱が前記壁などに吸熱されることが軽減され、
庫内温度が前記−50℃まで迅速に低下して、食材を適
正に冷凍加工できる。
【0011】また、例えば、冷却加工装置の周囲温度が
高い場合には、操作部20などで冷却風が強風になるよ
うに設定してあっても、例えば加熱調理を終えた食材を
冷却室3内に収納したときには冷却風を弱風に変更す
る。この冷却風が弱風の場合、食材が、冷却風によって
急激には冷却されないため、冷却器11aによって冷却
室3内を吸熱した冷凍機11が過度に高温にならない。
従って、冷凍機11の保護回路が働かず、冷却加工装置
は、食材を確実に冷却加工できる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、本発明に係る
食材の冷却加工装置である冷却庫(ブラストチラー)1
を例示しており、この冷却庫1は、図3に示すごとく冷
却室3と機械室4とを備えている。冷却庫1は、冷却室
3内に収納された食材を冷却加工するようになってお
り、この冷却加工で実行する冷却制御の手順は操作部2
0あるいは管理装置2で予め設定される。この管理装置
2は、この冷却制御の手順のプログラムを作成・編集し
て記憶し、必要に応じて冷却庫1へ送信する。
【0013】つまり、管理装置2は、パーソナルコンピ
ュータなどの汎用のコンピュータを用いており、図2に
示すごとくマイクロコンピュータなどからなる制御部2
1と、冷却庫1の冷却制御の手順のプログラムや管理装
置2自体の制御プログラムなどを記憶する記憶部22
と、ディスプレイやプリンタなどからなる表示部23
と、キーボード24と、冷却庫1の通信部18と通信す
る通信部25などを備える。管理装置2の通信部25と
冷却庫1の通信部18とは、EIA規格RS−232C
の通信線や無線などで通信する。そして、管理装置2
は、キーボード24などを使って作成・編集された冷却
庫1の冷却制御の手順のプログラムを、通信部25を介
して冷却庫1へ送信する。管理装置2は、冷却庫1から
送られて来た各種データ、例えば庫内温度に関するデー
タを蓄積し、必要に応じて温度履歴や警報履歴などの統
計を表あるいはグラフなどに編集して表示部23で表示
する。
【0014】冷却庫1の冷却室3内には、図1および図
4に示すごとく、加熱調理などを済ませた食材を載置す
るためのトレー10を上下6段で収容している。また、
冷却室3内には、モータ5によって駆動される庫内ファ
ン(送風手段)6と、オゾン発生部7と、食材に差し込
んで食材の芯温を測定するための4本の芯温センサ8
と、冷却室3の庫内温度を測定する庫内温度センサ9
と、冷凍機11の冷却器11aなどを配置している。冷
却室3の前面には、ドア13が開閉自在に設けている。
【0015】冷却庫1の機械室4内には、図1に示すご
とく冷凍機11を配置するとともに、マイクロコンピュ
ータなどからなる制御部(制御手段)15と、モータ5
の回転制御を行うモータ制御部16と、ブザー17と、
管理装置2と通信するための前記通信部18と、タイマ
19とを配置している。また、機械室4内には、管理装
置2から送られて来た前記プログラムや、操作部20で
のマニュアル操作で設定された冷却制御の手順のプログ
ラム等を記憶する記憶部14を備えている。
【0016】機械室4の前面パネル4aの上部に前記操
作部20を配置してあり、前面パネル4aの下部には冷
凍機11などの放熱用の空気吸い込み口4bを配置して
いる。操作部20は、図5に示すごとく電源ボタン、運
転開始のためのスタートボタンおよび庫内温度の設定温
度などをマニュアル操作で設定するための各種のスイッ
チなどを有するとともに、食材の芯温や庫内温度などの
表示を行うための複数個の表示部を有する。つまり、操
作部20では、現在時刻を設定して表示したり、庫内フ
ァン6の風速を変更したり、庫内ファン6を停止した
り、霜取りを行わせたりするなど各種のマニュアル操作
が可能である。
【0017】操作部20では、オゾン発生部7が冷却運
転中および運転停止中であっても常時作動するようにマ
ニュアル操作できる。この場合でも、庫内温度が0℃以
下のときや、冷却室3のドア13を開けたときには、オ
ゾン発生部7が自動的に停止する。操作部20でのマニ
ュアル操作によって、オゾン発生部7が常時停止した状
態にすることもできる。なお、霜取り中もオゾン発生部
7は作動する。
【0018】制御部15は、記憶部14に記憶されてい
るプログラムなどに基づいてモータ制御部16、ブザー
17、オゾン発生部7および冷凍機11などの作動を制
御する。また、制御部15は、食材の芯温、庫内温度お
よび警報などのデータを通信部18を介して管理装置2
へ送信する。
【0019】前記管理装置2や操作部20で設定される
冷却庫1の冷却制御の手順は、急速冷却などの運転モー
ドの制御、庫内温度に基づく温度制御などの温度制御の
条件および冷却風の風速などをそれぞれ選択して組み合
わせた状態で設定される。また、食材の種類などに応じ
て、冷却庫1の冷却制御の手順が、冷却加工の途中で、
前記運転モード、温度制御の条件および庫内ファン6の
風速などを切り換えるように設定される。例えば、最初
は緩やかな冷却運転であるソフトチラー運転で食材を冷
却し、食材の芯温が15℃になったときに、速やかな冷
却運転であるのハードチラー運転に切り換えるように設
定される。
【0020】つまり、この冷却の運転モードとしては、
冷却室3の庫内設定温度を、例えば−5℃にして緩やか
に冷却するソフトチラー運転と、庫内設定温度を、例え
ば−20℃にして速やかに冷却するハードチラー運転
と、庫内設定温度を、例えば−45℃の極低温にして急
速冷却するショックフリーザ運転との3モードの中から
選択される。温度制御の条件としては、食材の芯温と芯
温設定温度とを比較して、食材の芯温が芯温設定温度に
なるように冷却を制御する芯温制御と、冷却室3の庫内
温度と庫内設定温度とを比較して、庫内温度が庫内設定
温度になるように冷却を制御する庫内温度制御と、設定
時間だけ冷却するタイマ制御との3種類の中から選択さ
れる。庫内ファン6の風速は、微風、弱風および強風な
どの複数段階の中から選択される。冷却庫1は、冷却加
工が完了したときには、その完了時の設定温度で食材を
保冷する。
【0021】管理装置2や操作部20では、冷却庫1の
冷却加工の途中でブザー(報知手段)17を鳴らすよう
に設定できる。例えば、食材の芯温が15℃になるまで
冷却し、食材の芯温が15℃になったときに冷却を一時
停止して、このときの庫内温度を保持するとともに、ブ
ザー17を鳴らすように設定できる。この場合、このブ
ザー17の音を聞いた料理人が、ドア13を開けて冷却
室3内の食材をかき混ぜるなどの作業を行ったのち、ド
ア13を閉めて、例えば操作部20のスタートボタンを
押して冷却加工を再開させることになる。操作部20で
の操作によって、ブザー17の音色が、複数種類の音色
から選択できるようになっているが、鳴らないように設
定することも可能である。このブザー17が鳴らないよ
うに設定した場合には、前記冷却加工の一時停止は行わ
れない。ブザー17は、冷却加工が完了したときに鳴っ
てもよい。
【0022】管理装置2や操作部20では、芯温制御を
行うための芯温センサ8を、4本の芯温センサ8から1
本を選択設定することができ、また、4本の芯温センサ
8で食材の芯温をそれぞれ測定し、これらの芯温センサ
8の何れかの測定値が設定温度になったときに芯温制御
を完了させるように設定できる。この場合でも、冷却庫
1は、冷却加工の完了時の設定温度で食材を保冷する。
【0023】次に、前記冷却制御の手順のプログラムの
作成例を、食材が「野菜のテリーヌ」の場合を例に説明
する。これでは、図6に示すごとく食材の冷却制御の手
順(メニュー)が、2段階(ステップ1およびステップ
2)になっている。そして、ステップ毎に、冷却の運転
モード、温度制御の条件、芯温設定温度、タイマ設定
値、庫内設定温度、オゾン発生部7の作動設定、庫内フ
ァン6の風速およびブザー17の作動設定をそれぞれプ
ログラムすることになる。即ち、ステップ1では、運転
モードが「ソフトチラー」に、温度制御の条件が「芯
温」に、芯温設定温度が「15℃」に、庫内設定温度が
「0℃」に、オゾン発生の設定が「無し」に、風速の設
定が「微風」に、ブザーの設定が「無し」にプログラム
される。ステップ2では、運転モードが「ハードチラ
ー」に、温度制御の条件が「芯温」に、芯温設定温度が
「3℃」に、庫内設定温度が「−10℃」に、オゾン発
生の設定が「無し」に、風速の設定が「弱風」に、およ
びブザーの設定が「無し」にプログラムされる。
【0024】冷却庫1は、この「野菜のテリーヌ」のメ
ニューのプログラムを実行したときには、まず、庫内フ
ァン6が微風に設定され、庫内設定温度が0℃に設定さ
れたソフトチラー運転によって冷却加工が開始され、温
度制御の条件として芯温制御が行われる。そして、食材
の芯温が15℃になると、庫内ファン6が弱風に変更さ
れ、庫内設定温度が−10℃に変更されてハードチラー
運転に切り換わる。この後、食材の芯温が3℃になる
と、冷却加工が完了して、このときの庫内温度で食材が
保冷される。
【0025】管理装置2は、作成した食材の冷却制御の
手順を全て冷却庫1に送信することもできるが、作成し
た複数の冷却制御の手順のうち、冷却加工が実行される
頻度の高い食材の冷却制御の手順を選択して冷却庫1に
送信することもできる。つまり、管理装置2は、例えば
図7に示すごとく季節毎に冷却加工が実行される頻度の
高い食材の冷却制御の手順(メニュー)を集めたグルー
プにそれぞれ分けて記憶部22に記憶しており、各季節
毎にグループ単位でメニューを冷却庫1に送信する。こ
れにより、調理者は、冷却加工が実行される頻度の高い
メニューの中から、冷却加工する食材のメニューを探せ
ばよいことになって、当該メニューを容易に見つけるこ
とができる。しかも、季節が替わっても、当該季節のグ
ループを管理装置2から冷却庫1へ送信するだけでよい
ので、季節毎にプログラムを編集しなくても済み、プロ
グラム作成の手間が軽減される。なお、複数のグループ
には同一のメニューが含まれていてもよい。
【0026】冷却庫1は、次の冷却制御の設定などが可
能である。例えば、天麩羅料理のように揚げ終えた順番
に食材をショックフリーザ運転で急速冷却加工したい場
合に、各芯温センサ8が芯温設定温度になる毎にブザー
17を鳴らすとともに、この芯温を検出した芯温センサ
8に付された番号などを操作部20に表示するように設
定できる。この設定を行った場合には、料理人は、前記
揚げ終えた食材から順に芯温センサ8を差し込んで冷却
室3に収納し、ブザー17が鳴ったときには、操作部2
0に表示された番号の芯温センサ8が差し込まれた食材
を冷却室3から取り出したのち、この芯温センサ8を次
に揚げ終えた食材に差し込んでこの食材を冷却室3に収
納することになる。この場合、冷却庫1は、前記ショッ
クフリーザ運転を食材の芯温に関係なく継続する。
【0027】各芯温センサ8は、ヒータなどからなる加
熱手段26を設けてあり、冷却庫1は、ショックフリー
ザ運転で芯温制御の場合に、食材の芯温が芯温設定温度
になったときに加熱手段26を自動的に作動させるよう
に設定できる。この場合、芯温センサ8の周辺の食材が
解凍されて、芯温センサ8が食材から容易に抜き取れ
る。
【0028】冷却庫1は、オゾン発生部7を冷却庫1の
運転状態や温度状態に応じて自動的に作動させて、オゾ
ン発生部7によって発生させたオゾンで冷却室3内を殺
菌消毒するように設定できる。例えば、冷却庫1は、前
記オゾン発生部7の自動作動が設定されると、運転停止
中であって庫内温度が0℃以上のときにオゾン発生部7
が自動的に作動する一方で、冷却運転中のとき、および
運転停止中であっても庫内温度が0℃以下のときにはオ
ゾン発生部7が自動的に停止する。これらのオゾン発生
部7の作動の設定は、管理装置2でも行える。
【0029】冷却庫1は、庫内ファン6の風速を自動制
御に設定できる。つまり、庫内ファン6が強風の場合、
庫内温度が−40℃程度までは迅速に冷却できるが、庫
内ファン6からの冷風が冷却室3の壁などにも強く当た
る分だけ、この壁などに庫内ファン6の風の冷熱が吸熱
されて、庫内温度は−40℃以下には迅速に低下しな
い。この場合、庫内ファン6を弱風にして前記吸熱を抑
えると、庫内温度が−40℃以下に迅速に低下する。そ
して、冷却庫1は、庫内ファン6の風速が自動制御に設
定された状態で、庫内設定温度が、例えば−50℃に設
定された場合には、庫内温度が−40℃になるまでは庫
内ファン6を強風にし、庫内温度が−40℃になると庫
内ファン6を自動的に弱風に切り換える。
【0030】また、冷却庫1の周囲温度が高い状態で、
加熱調理を終えた食材を冷却室3内に収納したときに
は、急速冷却しようとしても冷凍機の熱で冷凍機の保護
回路が働いて冷凍機が強制的に停止する。このため、冷
却庫1は、冷却庫1の周囲温度が高いうえ庫内温度も高
い場合には、庫内ファン6を弱風にして冷凍機の保護回
路が働かないようにして冷却を行うことも可能である。
なお、庫内ファン6の風速を自動制御に設定してあって
も、操作部20での庫内ファン6の風速のマニュアル操
作が優先される。また、食材の冷却加工の途中であって
もドア13を開くと、庫内ファン6は停止する。
【0031】管理装置2や操作部20では、例えば「−
10℃」や「10℃」のように摂氏目盛りの設定温度デ
ータで温度設定を行うが、冷却庫1の制御部15は、こ
の摂氏目盛りの設定温度データを、負数の符号を伴わな
い数値データに変換して温度制御を行う。つまり、制御
部15は、設定温度データが「0℃」の場合には、その
設定温度データを、例えば「128」の数値データに変
換し、設定温度データが「0℃」よりも低い場合には、
前記「128」の数値データよりも小くなる数値データ
に変換する。例えば、設定温度データが「−10℃」の
場合には「118」の数値データに変換する。また、設
定温度データが「0℃」よりも高い場合には、前記「1
28」の数値データよりも大きくなる数値データに変換
する。例えば、設定温度データが「10℃」の場合には
「138」の数値データに変換する。数値データは、芯
温センサ8や庫内温度センサ9による測定温度が高くな
るに従って、大きな値になる連続値になっている。
【0032】この場合、芯温センサ8や庫内温度センサ
9からの測定温度データは、測定温度が「0℃」の場合
に「128」になるように補正して、前記数値データと
の整合をとっている。このように、設定温度データおよ
びセンサ8・9の測定温度データを、負数の符号を伴わ
ないデータにするので、温度制御においてセンサ8・9
の測定温度データと設定温度データとの比較の際に、測
定温度データと設定温度データとを符号の部分と、絶対
値の部分とに分けてから比較しなくても済み、この分だ
け制御部15での演算処理が迅速になる。
【0033】冷却庫1の制御部15は、冷凍機などを制
御して食材の冷却加工を実行するCPUと、操作部20
の操作などで食材の冷却制御の手順を作成して記憶部1
4に記憶させ、また管理装置2から送られて来た食材の
冷却制御の手順を記憶部14に記憶させるCPUとは独
立して動作可能にしてある。これにより、冷却庫1が食
材を冷却制御しているときでも、管理装置2から送られ
て来た食材の冷却制御の手順を記憶部14に記憶させた
り、操作部20の操作で、新たな食材の冷却制御の手順
の作成や記憶部14に記憶している食材の冷却制御の手
順の修正などを行ったりすることができる。つまり、冷
却庫1は、現在行っている冷却加工の完了後に、前記操
作部20によって作成・修正などした食材の冷却制御の
手順で食材の冷却加工を直ちに実行できる。
【0034】管理装置2は、前記冷却庫1のみならず、
業務用冷蔵庫や業務用冷凍庫などにも接続して、これら
の温度設定や温度管理などを行わせることができる。こ
の場合、管理装置2は、複数台の冷蔵庫の庫内温度を同
時に表示することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食材の冷却加工装置のブロック構
成図である。
【図2】本発明に係る管理装置のブロック構成図であ
る。
【図3】本発明に係る冷却庫の正面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】操作部の正面図である。
【図6】冷却制御の手順のプログラムの作成例を示す説
明図である。
【図7】メニューのグループ分けの例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
3 冷却室 6 庫内ファン 9 庫内温度センサ 13 ドア 15 制御部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却室3内に収納された食材を冷却加工
    する食材の冷却加工装置において、 冷却室3内に冷却風を発生させる送風手段6と、この送
    風手段6の作動を食材の冷却加工の進行状況に応じて制
    御する制御手段15とを備えたことを特徴とする食材の
    冷却加工装置。
  2. 【請求項2】 冷却室3内には、庫内温度を測定する庫
    内温度センサ9を備えており、 制御手段15は、庫内温度センサ9によって測定された
    冷却室3の庫内温度に応じて送風手段6の風速を変更す
    る請求項1記載の食材の冷却加工装置。
  3. 【請求項3】 周囲温度を測定する手段を備えており、 制御手段15は、周囲温度が予め設定した所定温度以上
    のときに、送風手段6の風速を弱める請求項1記載の食
    材の冷却加工装置。
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