JP2001308443A - サブマウント - Google Patents

サブマウント

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JP2001308443A
JP2001308443A JP2000131511A JP2000131511A JP2001308443A JP 2001308443 A JP2001308443 A JP 2001308443A JP 2000131511 A JP2000131511 A JP 2000131511A JP 2000131511 A JP2000131511 A JP 2000131511A JP 2001308443 A JP2001308443 A JP 2001308443A
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silicon
thin film
submount
substrate
etching
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JP2000131511A
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English (en)
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Teruhisa Akashi
照久 明石
Yasuo Watanabe
康雄 渡辺
Tetsuya Tomobe
哲哉 友部
Toshiaki Koizumi
俊晃 小泉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サブマウントの低コスト化およびビアホールに
匹敵するエッチングによる貫通孔の高精度形成を可能と
する単結晶シリコンを用いたサブマウントを提供する。 【解決手段】単結晶のシリコン基板の一部に異方性エッ
チングによる貫通孔を形成しておき、その両面に存在す
る金属膜のパターンの一部を電気的に接続するために、
その貫通孔に金属膜のパターンを形成したシリコンサブ
マウントとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザダイ
オードをヒートシンク(金属製ステム、銅などの金属製
ブロック)に実装するための基板に係り、特に、半導体
レーザダイオードとヒートシンクとの間に導電性を備え
る半導体レーザダイオード用のサブマウントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体レーザダイオードとヒート
シンクとの間に導電性を備える半導体レーザダイオード
用のサブマウントとしては、特開平9−36274号公
報に開示された構造のもがある。この構造は、絶縁基板
の相対する両面に導電パターンが形成され、該両面に存
在する導電パターンの少なくとも一部が金属ビアホール
により電気的に互いに接続されてなるサブマウントとな
っている。
【0003】ところで、サブマウントとは,一般的に、
半導体レーザダイオードとヒートシンクとの間に位置す
る絶縁効果のある基板のことである。半導体レーザダイ
オードを接合したサブマウントは,光軸が一致すること
が予め分かっているヒートシンク上の決められた位置に
実装される。さらに、サブマウントは、半導体レーザダ
イオードから発生される熱をヒートシンク側へ効率よく
伝熱する役割も併せ持つ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例の
特開平9−36274号公報に開示されたサブマウント
は、金属ビアホールを有する絶縁基板を製作し、その後
基板表面を研削または研磨した後、その基板の両面に導
電パターンを形成することで製造される。このサブマウ
ントの基板はコファイア法(Co-fire法)やポストファ
イア法(Post-fire法)によって作られる。例えば、コ
ファイア法の場合、金属ビアホールが形成されるスルー
ホールを基板に予め形成する。その後、スルーホールに
金属ペーストを充填させ、最後に一体焼成して基板が形
成される。そのため、基板製作時に特殊な技術やノウハ
ウを要し、そのため基板の値段が非常に高くなる欠点が
ある。
【0005】一般的に、サブマウントの材料は、窒化ア
ルミニウム、アルミナ、炭化珪素等のセラミックス基板
を用いている。そのため、基板の大口径化、薄型化は技
術的に困難である。例えば窒化アルミニウムの場合、標
準品と呼ばれる汎用の基板形状は、大きさが50.8mm
×50.8mmで、厚さは薄くても0.635mmある。こ
れを標準的に用いられる厚さ0.25mmのサブマウント
の基板とするためには、平坦度、表面粗さ等を満足させ
るようにこの標準品をラッピング等の研磨で薄くしなけ
ればならない。このようなプロセスを経るために、セラ
ミックス基板を用いると材料のコストが高くなる。
【0006】また、従来例では焼成して基板を製作して
いるので、基板に形成されるビアホールの位置精度をμ
mオーダで管理することができない。そのため、形成さ
れるサブマウント個々における、ビアホールの位置のば
らつきが大きくなる。さらに、ビアホール部分を含めた
配線長を十分に管理することができず、高周波信号設計
に影響を及ぼす可能性がある。
【0007】さらに、セラミックス基板を用いる場合、
基板をダイシングすると50μmを超えるような大きなチ
ッピングが生じるため、歩留まりが低下する。また、ダ
イシングによるクラックが入りやすいことも欠点といえ
る。セラミックス基板の焼成とダイシングによるチッピ
ング・クラックにより、サブマウントの形状を1mm×1
mm以下に小さくすることができない。このため、大きさ
が限定され小型化に対応することができない。さらに
は、レーザダイオードモジュールの小型化に対応するこ
とができない。
【0008】そこで本発明は、サブマウントの低価格化
およびビアホールに匹敵するエッチングによる貫通孔の
高精度形成を可能とするシリコンサブマウントを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明における解決手段は次のような手段である。
【0010】まず第一の手段は、単結晶のシリコン基板
上の両面に金属膜のパターンを有し、前記基板の一部に
エッチングによる貫通孔を設け、その貫通孔に金属膜の
パターンで両面の金属膜パターンの一部を電気的に接続
すると共に、基板の一方側面に薄膜抵抗を形成したシリ
コンサブマウント構成としたものである。。
【0011】第二の手段は、さらに、基板の薄膜抵抗を
形成した面側に薄膜コンデンサとを形成した構成とし
た。
【0012】また、上記の貫通孔がシリコンの異方性エ
ッチングによって形成された貫通孔であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例であるシ
リコンサブマウントの外観の模式図である。なお、シリ
コンサブマウント1は、半導体レーザダイオードを搭載
して機能する部品である。
【0014】結晶方位(100)、抵抗率1000Ω−
cm以上でCZ法にて形成された、厚さ0.125mmの
単結晶シリコン基板2の両面にシリコン酸化膜3が10
μm形成されている。また、シリコン基板2の一部に貫
通孔である貫通エッチング溝4が形成されている。さら
に、シリコン基板2の表面には、抵抗値50Ωとなる窒
化タンタル(Ta2N)製の薄膜抵抗5と、Au(0.5μ
m)/Pt(0.2μm)/Ti(0.06μm)製の薄膜電極
6と、GNDとなるAu(0.5μm)/Pt(0.2μm)/
Ti(0.06μm)製の共通電極膜7と、静電容量50
0pFとなる五酸化タンタル(Ta2O5)製の絶縁膜8’か
らなる薄膜コンデンサ8と、Au(0.5μm)/Pt(0.
2μm)/Ti(0.06μm)製の薄膜電極9とがそれぞ
れ形成されている。薄膜コンデンサ8は、図のように共
通電極膜7と薄膜電極9とによって絶縁膜8’を挟み込
んだ構造となっており、バイパスコンデンサの役割をし
ている。貫通エッチング溝4の部分にも共通電極膜7が
形成されており、貫通エッチング溝4を介してシリコン
基板2の表面の共通電極膜7と裏面全面に形成された共
通電極膜10との電気的な導通が取られている。ここで
の貫通エッチング溝4は、エッチング液に濃度40wt%
(重量%)、温度67℃の水酸化カリウム(KOH)溶液
用いたシリコンの異方性エッチングによって形成された
貫通エッチング溝で、図のようにテーパが付いた形状の
斜面を備える。
【0015】図10に半導体レーザダイオードに印加さ
れる電源パルスの一例を示してある。この薄膜抵抗5
は、半導体レーザダイオードの素子容量と半導体レーザ
ダイオードに接続されるボンディングワイヤの寄生イン
ダクタンスとの共振によって、図10の高周波パルス電
気信号40に発生するオーバシュート41やアンダシュ
ート42のようなノイズ成分を低減させる役割を持つ。
さらに、薄膜コンデンサ8は、バイパスコンデンサとし
て形成されているので、このノイズ成分はさらに大きく
低減される。これらの薄膜抵抗5および薄膜コンデンサ
は、半導体レーザダイオードから出力される光信号を安
定に出力させるために必要なものである。
【0016】さらに、このような薄膜抵抗5と薄膜コン
デンサ8とを積極的に活用すれば、CRアナログフィル
タのようなCRで構成される回路素子をシリコンサブマ
ウント1上に形成することもできる。シリコンベースの
半導体製造技術を転用すれば、シリコンサブマウント1
上に薄膜抵抗や薄膜コンデンサの微細パターンを容易に
集積化して形成することができる。
【0017】このため、本実施例のシリコンサブマウン
ト1は、チップコンデンサやチップ抵抗を後付け実装す
るタイプのサブマウントに比べ機能性が高いサブマウン
トとなる。シリコンサブマウント1に薄膜抵抗5や薄膜
コンデンサ8のような回路素子が形成されていれば、サ
ブマウントに後付け実装するものは半導体レーザダイオ
ードのみとなり、サブマウント自体の小型化にもつなが
る。
【0018】シリコンサブマウント1に回路素子が形成
されているので、チップコンデンサやチップ抵抗を用い
たときの結線に使用されるボンディングワイヤが無くな
り、寄生インダクタンスは大幅に削減される。このた
め、本実施例のシリコンサブマウント1は高周波設計を
容易にする構造であると言える。
【0019】ところで、シリコンの熱伝導率(83.8
W/mK)は、窒化アルミニウムの熱伝導率(170〜20
0W/mK)に比べ約1/2の値である。このため、サブマ
ウントの厚さを同じにすれば、シリコン製のサブマウン
トの放熱特性は、窒化アルミニウム製のサブマウントの
放熱特性に比べ約1/2となる。しかし、エッチングに
よりシリコン基板の厚さを窒化アルミニウム基板の厚さ
の1/2と高精度に加工することができるので、同等の
放熱特性を容易に得ることができる。
【0020】ここで、シリコンサブマウント1に形成さ
れた薄膜抵抗5、薄膜電極6、共通電極膜7、薄膜コン
デンサ8、薄膜電極9のパターン形状はこの限りではな
く、薄膜抵抗5、薄膜コンデンサ8は複数形成されてい
てもよい。また、上記で示した薄膜抵抗5の抵抗値およ
び薄膜コンデンサ8の静電容量はこの限りでなく、高周
波信号設計によって必要な設計値がその都度決められ
る。
【0021】次に、図1に示すa−a’断面とb−b’断面
との構造について説明し、シリコンサブマウント1の構
造について詳述する。
【0022】図2は、図1のシリコンサブマウント1の
a−a’断面を模式的に示した断面模式図である。図2で
は、厚さ0.125mmのシリコン基板2の上にシリコン
酸化膜3が膜厚10μm形成され、そのシリコン酸化膜
3の上にAu(0.5μm)/Pt(0.2μm)/Ti(0.0
6μm)製の共通電極膜7および共通電極膜10が表裏
面にそれぞれ形成されている。ここでシリコン酸化膜3
は、液体原料TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を用
いたP−CVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)法を
用いて、基板温度200℃で表裏面に形成される。ま
た、共通電極膜7の成膜は、周波数13.56MHzのRF
マグネトロンスパッタ法にて基板温度200℃で、Ti、
Pt、Auの順で順次成膜される。裏面側の共通電極膜10
の成膜にも同様の方法を用いる。ここで、ステップカバ
レージに優れたRFマグネトロンスパッタ法を用いている
ので、貫通エッチング溝4の部分にも、図のように電極
膜が形成される。そのため、シリコン基板2の表面に形
成された共通電極膜7と裏面に形成された共通電極膜1
0とは電気的な導通がとられている。
【0023】また、先に述べたように、貫通エッチング
溝4は濃度40wt%(重量%)、温度67℃のKOHを用い
たシリコンの異方性エッチングにて形成される。そのた
め、図2のように54.7°のテーパの付いた溝形状と
なる。このように貫通エッチング溝4の開口部は、シリ
コンサブマウント1の表面側は広く、裏面側は狭くなっ
ている。裏面側の開口部の形状を0.05mm×0.05
mmとした場合、表側の開口部の形状は0.227mm×
0.227mmとなる。さらに、五酸化タンタル膜(Ta2O
5)製の絶縁膜8’がAu(0.5μm)/Pt(0.2μm)
/Ti(0.06μm)製の共通電極膜7とAu(0.5μ
m)/Pt(0.2μm)/Ti(0.06μm)製の薄膜電極
9とに挟み込まれた構造の薄膜コンデンサ8が形成され
ている。ただし、共通電極膜7と薄膜電極9とは前述の
ように三層膜構成であるが、図2では便宜上一層の膜と
して描いてある。ここで絶縁膜8’の材料としては、規
定の静電容量を満足すれば、P-CVD(Plasma Chemical V
apor Deposition)法によるシリコン酸化膜(SiO2)を
用いてもよい。
【0024】図3は、図1のシリコンサブマウント1の
b−b’断面を模式的に示した断面模式図である。図2の
場合と同様に、シリコン酸化膜3、共通電極膜7、貫通
エッチング溝4がそれぞれ形成されている。また、図3
のように、膜厚40nmの窒化タンタル(Ta2N)製の薄膜
抵抗5が膜厚10μmのシリコン酸化膜3上に形成して
ある。その窒化タンタル(Ta2N)製の薄膜抵抗5の両端
部が一部重なるように、Au(0.5μm)/Pt(0.2μ
m)/Ti(0.06μm)製の共通電極膜7とAu(0.5
μm)/Pt(0.2μm)/Ti(0.06μm)製の薄膜電
極6とがそれぞれ形成されている。このようにして抵抗
値50Ωの薄膜抵抗が構成されている。薄膜抵抗5と薄
膜電極6とは、接続部12によって電気的な導通がとら
れている。また、薄膜抵抗5と共通電極7とは接続部1
1によって電気的な導通がとられている。
【0025】薄膜抵抗5の材料としては、所望の抵抗値
を満足させることができれば、窒化タンタル(TaN)や
ニッケルクロム(Ni-Cr)を用いてもよいが、Ta2Nの組
成の窒化タンタルが最良である。Ta2Nが最良である理由
を図7、図8を用いて説明する。
【0026】図7および図8は、RFマグネトロンスパ
ッタ法によって、アルゴンガスと窒素ガスとを混合させ
て窒化タンタル薄膜を成膜したときに得られた、窒化タ
ンタル薄膜の抵抗率および抵抗温度係数と窒素分圧比と
の関係をそれぞれ示したものである。ただし、基板温度
は350℃で、スパッタターゲットはTaである。いずれ
の結果からも、区間Aの窒素分圧比約5%〜8%の範囲
は、抵抗率および抵抗温度係数の値がほとんど変化しな
い平坦な領域である。例えば、窒素分圧比6.0%の条
件にて成膜を行えば、多少の窒素分圧比のばらつきがあ
っても、所望の抵抗率および抵抗温度係数の値を持つ薄
膜を容易に得ることができ、再現性が求められる量産製
造プロセスに最適である。
【0027】このため、薄膜抵抗5のパターンの形状
(大きさ)を変えることによって、高い歩留まりで、な
おかつ、後工程でレーザトリミング等の抵抗値調整をす
る必要がなく、所望の抵抗値を持つ薄膜抵抗5を容易に
得ることができる。この区間Aの窒素分圧比によって成
膜した窒化タンタル薄膜をオージェ分析した結果、ほぼ
Ta:N=2:1の組成であった。さらに、X線回折により
分析した結果、図9に示すようにTa2Nであった。これよ
りTa2Nが最良の組成比であると言える。
【0028】シリコンの異方性エッチングによる貫通エ
ッチング溝4の形状は二通りある。まず第一の貫通エッ
チング溝は、シリコン基板2の一方の面から濃度40wt
%(重量%)、温度67℃のKOHによる異方性エッチング
を行う場合、例えばシリコンサブマウント1の表面から
異方性エッチングを行う場合で、図1〜図3に示した角
度54.7°のテーパ付きの溝である。図4の(A)
は、一方の面からKOHによる異方性エッチングを行った
場合に形成される第一の貫通エッチング溝16の加工プ
ロセスを説明するための図である。図4の(A−1)
で、結晶方位(100)、抵抗率1000Ω-cm以上のCZ法
で形成されたシリコン基板13温度1150℃のWet酸
化法で30min酸化し、膜厚0.5μmのシリコン熱酸化
膜14を形成する。次に、半導体分野で用いられるパタ
ーン転写技術を用いて、シリコン基板13の表面に塗布
したポジ型レジスト(例えば、東京応化工業:OFPR80
0)に開口パターンを転写する。このパターンが転写さ
れたレジストパターンをマスクとして、フッ酸+フッ化
アンモニウム=1:6の溶液を用いてシリコン熱酸化膜
14を室温でエッチングし、シリコン熱酸化膜14に矩
形の開口パターン15を形成する。このシリコン熱酸化
膜14をマスクとしてシリコン基板13を濃度40wt%
(重量%)、温度67℃のKOHを用いてエッチングする
と、図4の(A−2)のような54.7°の角度のテー
パを有する第一の貫通エッチング溝16が形成される。
次に、マスクとなったシリコン熱酸化膜14をフッ酸+
フッ化アンモニウム=1:6の溶液にて室温でエッチン
グ除去する。これにより、シリコン基板13に図4の
(A−3)の形状のテーパを有する第一の貫通エッチン
グ溝16が形成される。
【0029】次に、図4(B)は第二の貫通エッチング
溝20の加工プロセスを説明するための図である。図4
の(B−1)で,先に示した仕様のシリコン基板13に
先の条件で膜厚0.5μmのシリコン熱酸化膜17を形成す
る。次に、半導体分野で用いられるパターン転写技術を
用いて,シリコン基板の13の両面に塗布されたポジ型
レジスト(例えば、東京応化工業:OFPR800)に開口パ
ターンを転写する。このパターンが転写されたレジスト
パターンをマスクとして、フッ酸+フッ化アンモニウム
=1:6の溶液を用いてシリコン熱酸化膜17を表裏面
同時に室温でエッチングし、シリコン熱酸化膜17に矩
形の開口パターン18を形成する。このシリコン熱酸化
膜17をマスクとして、シリコン基板13を濃度40wt
%(重量%)、温度67℃のKOHを用いてエッチングする
と、図4(B−2)のようなテーパを有する凸部19が
形成される。次に、マスクとなったシリコン熱酸化膜1
7をフッ酸+フッ化アンモニウム=1:6の溶液にて室
温でエッチング除去する。これにより、シリコン基板1
3に図4の(B−3)の形状のテーパを有する第二の貫
通エッチング溝20が形成される。
【0030】貫通エッチング溝はテーパを備えれば、R
Fマグネトロンスパッタ法により、Ti、Pt、Auの原子が
回り込んでテーパ部分に付着して薄膜が成長するので、
表面の共通電極膜7と裏面の共通電極膜10とを導通さ
せることができる。そのため、貫通エッチング溝には、
第一の貫通エッチング溝16または第二の貫通エッチン
グ溝20のいずれの方法を用いてもよい。
【0031】ここで、シリコンの異方性エッチングを行
うためのエッチング液としては、KOH以外にTMAH(水酸
化テトラメチルアンモニウム)やEDP(エチレンジアミ
ンピロカテコール水)が挙げられる。これらのいずれの
エッチング液を用いても、テーパの付いたエッチング溝
を形成することができる。
【0032】シリコンの異方性エッチングは、単結晶の
シリコン基板材料の方位に依存してエッチングレートが
異なることを利用したエッチング技術であるので、上記
に示した第一の貫通エッチング溝16または第二の貫通
エッチング溝20のいずれの場合においても、エッチン
グ溝の形状を容易に管理することができる利点がある。
また、半導体分野で使われる転写技術を適用するので、
シリコンサブマウント1に形成される貫通エッチング溝
4の位置精度は非常に高い。こうして、シリコン基板2
に形成する貫通エッチング溝4の形状ばらつき、形成位
置のばらつきを大きく低減することが可能である。
【0033】また、この貫通エッチング溝4は、ウエッ
トの異方性エッチングを用いることを前提としている
が、貫通エッチング溝4にテーパをつけることができる
ならば、ドライエッチング技術を用いてもよい。また、
この貫通エッチング溝4をシリコンサブマウント1に複
数形成して、電気的導通をとってもよい。
【0034】次に、シリコンサブマウント1に形成され
た貫通エッチング溝4を介して、シリコンサブマウント
1の表面に形成された電極膜と裏面に形成された電極膜
との電気的接続を図るための加工プロセスに関して、図
5を用いて説明する。
【0035】はじめに、濃度40wt%(重量%)、温度6
7℃のKOHによって、結晶方位(100)、抵抗率100
0Ω-cm以上のCZ法にて形成された厚さ0.525mm
の単結晶シリコン基板をエッチングし、厚さ0.125
mmの薄いシリコン基板13を得る。次に、図4の(A)
で説明したように、このシリコン基板13の表面からシ
リコンの異方性エッチングを行い貫通エッチング溝16
を形成し、絶縁膜であるシリコン酸化膜21を液体原料
TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を用いたP-CVD(P
lasma Chemical Vapor Deposition)法で基板温度200℃
で、表裏面に形成する(a)。次に、Au(0.5μm)/
Pt(0.2μm)/Ti(0.06μm)薄膜22を基板温
度200℃でシリコン基板13の表面と裏面とに順次、
周波数13.56MHzのRFマグネトロンスパッタ法に
て成膜する。Au/Pt/Ti薄膜22をRFマグネトロンスパ
ッタ法で成膜する。このため、これらの金属原子が貫通
エッチング溝16内部にも入り込み図のように成膜され
る。このため、シリコン基板13の表面に成膜されるAu
(0.5μm)/Pt(0.2μm)/Ti(0.06μm)薄
膜と、裏面に成膜されるAu(0.5μm)/Pt(0.2μ
m)/Ti(0.06μm)薄膜とは電気的に接続される
(b)。
【0036】次に、シプレーファーイースト社製PEPR2
400のポジ型の電着レジスト23を用いて、Au/Pt/Ti
薄膜22上にレジストを塗布する。塗布条件には、電圧
50V、時間20sec、電極間距離160mmを適用す
る。このときのレジストの膜厚は約4μmである。貫通エ
ッチング溝16内部にもAu/Pt/Ti薄膜22が形成されて
いるので、電着レジスト23も貫通エッチング溝16内
部にも塗布される(c)。次に、この電着レジスト23
にg線メインのUV光を照射し、電極パターン25の形
状を電着レジスト23に転写し、電着レジストパターン
24を形成する(d)。この電着レジストパターン24
をマスクとして、ウエットエッチングまたはイオンミリ
ング法によって、Au/Pt/Ti薄膜22に電極パターン25
を形成する(e)。最後に、この電着レジストパターン
24を専用の剥離液を用いて剥離し、電極パターン25
を得る(f)。
【0037】以上のような加工プロセスを経ることで、
貫通エッチング溝4を介して、シリコンサブマウント1
の表面に形成された電極膜と、裏面に形成された電極膜
との電気的接続を図ることができる。
【0038】上記で説明した加工プロセスによって形成
される共通電極膜7、共通電極膜10を含め、図1で形
成しているその他の薄膜抵抗5、薄膜電極6、薄膜コン
デンサ8、薄膜電極9は、いずれも半導体の転写技術を
用いてパターンを形成している。このため、パターンの
幅やパターンの長さ、すなわち、パターンの形状を高精
度に管理することができる。これにより、シリコンサブ
マウント1に形成される配線長の管理が容易となる。
【0039】図6は本実施例で示したシリコンサブマウ
ント1をもちて、レーザダイオードモジュールとして実
装した例を示す模式図である。ただし、図6では、レー
ザダイオードから出力される光を集光するボールレンズ
や、電気配線用のボンディングワイヤや、パッケージ等
は省略してある。
【0040】図6において、リード32は、ベース31
を貫通して設けてある。また、ベース31には、その一
面側に銅製のヒートシンク33が立設してある。銅製の
ヒートシンク33にはシリコンサブマウント34が固着
してある。シリコンサブマウント34は、化合物半導体
からなるレーザダイオード35が実装してある。シリコ
ンサブマウント34は、薄膜抵抗37や薄膜電極36が
設けてある。さらに、シリコンサブマウント34には貫
通エッチング溝38が設けられている。
【0041】シリコンサブマウント34は、Pb-Sn系の
薄膜ハンダ等を介して銅製のヒートシンク33に直接接
合されている。このため、シリコンサブマウント34の
表面に形成された薄膜電極36とヒートシンク33と
は、貫通エッチング溝38に形成された薄膜電極を介し
て導通がとられた構造となっている。
【0042】
【発明の効果】基板の大口径化、薄型化に容易に対応で
きる汎用性の高い単結晶のシリコン基板を用いたサブマ
ウントであるため、材料のコストが必要以上にかからず
コストを低減することができる。焼成して形成するビア
ホールのあるセラミックスサブマウントより安価であ
る。
【0043】シリコンの異方性エッチングによってサブ
マウントに貫通孔を高精度にエッチング加工できる。そ
のため、貫通孔の形状の管理が容易であり、テーパの付
いた貫通孔を容易に形成することができる。また、半導
体分野で使われる転写技術を用いて貫通孔を形成するの
で、貫通孔の位置ずれ、位置ばらつきを非常に小さくす
ることができ、貫通孔を通る配線を含めた配線長の管理
を容易にする。
【0044】シリコンのサブマウント上に薄膜抵抗や薄
膜コンデンサのような回路素子が一体形成されているの
で、半導体レーザダイオードの素子容量とレーザダイオ
ードに接続されるボンディングワイヤの寄生インダクタ
ンスとの共振によって、パルス信号に発生するノイズ成
分を低減することができる。また、チップ抵抗やチップ
コンデンサを用いたときの結線に使用されるボンディン
グワイヤが無くなり、寄生インダクタンスを大幅に削減
することができる。このため、高周波回路設計を容易に
する。
【0045】単結晶のシリコン基板を用いるので、サブ
マウントをダイシングにて切り出す場合、チッピングや
クラックによる歩留まりの低下を防ぐことができる。ま
た、1mm×1mm以下の形状にすることも可能となり、サ
ブマウントの小型化、さらにはレーザダイオードモジュ
ールの小型化に十分対応できる。
【0046】シリコンの熱伝導率(83.8W/mK)は、
窒化アルミニウムの熱伝導率(170〜200W/mK)に
比べ約1/2の値であるが、エッチングにより高精度か
つ容易にシリコン基板の厚さを窒化アルミニウム基板の
厚さの1/2とできるので、同等の放熱特性を持つサブ
マウントを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるシリコンサブマウントの
模式図である。
【図2】図1に示すシリコンサブマウントのa−a’断面
を模式的に示す断面模式図である。
【図3】図1に示すシリコンサブマウントのb−b’断面
を模式的に示す断面模式図である。
【図4】異方性エッチングによる貫通エッチング溝の構
造例を示す図である。
【図5】貫通エッチング溝を介して,シリコンサブマウ
ントの表面と裏面との導通を図るための加工プロセスを
示すプロセスフロー図である。
【図6】本発明のシリコンサブマウントをレ−ザダイオ
ードモジュールに適用した模式図である。
【図7】抵抗率と窒素分圧比との関係を示すグラフであ
る。
【図8】抵抗温度係数と窒素分圧比との関係を示すグラ
フである。
【図9】窒化タンタル薄膜のX線回折分析結果である。
【図10】ノイズが発生した高周波パルス電気信号を表
す図である。
【符号の説明】
1…シリコンサブマウント、2…シリコン基板、3…シ
リコン酸化膜、4…貫通エッチング溝、5…薄膜抵抗、
6…薄膜電極、7…共通電極膜、8…薄膜コンデンサ、
9…薄膜電極、10…共通電極膜、11…接続部、12
…接続部、13…シリコン基板、14…シリコン熱酸化
膜、15…開口パターン、16…第一の貫通エッチング
溝、17…シリコン熱酸化膜、18…開口パターン、1
9…凸部、20…第二の貫通エッチング溝、21…シリ
コン酸化膜、22…Au/Pt/Ti薄膜、23…電着レジス
ト、24…電着レジストパターン、25…電極パター
ン、31…ベース、32…リード、33…銅製のヒート
シンク、34…シリコンサブマウント、35…レーザダ
イオード、36…薄膜電極、37…薄膜抵抗、38…貫
通エッチング溝、40…高周波パルス電気信号、41…
オーバシュート、42…アンダシュート。
フロントページの続き (72)発明者 友部 哲哉 茨城県日立市弁天町三丁目10番2号 日立 原町電子工業株式会社内 (72)発明者 小泉 俊晃 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所火力・水力事業部内 Fターム(参考) 5F073 AB11 EA14 FA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板の両面に導電性パターンが形成さ
    れた半導体レーザダイオードを搭載するためのサブマウ
    ントにおいて、 前記絶縁性基板は単結晶のシリコン基板からなり、前記
    シリコン基板の両面に金属膜のパターンを備え、前記シ
    リコン基板の一部にエッチングによる貫通孔を備え、前
    記貫通孔に金属膜のパターンが形成され、前記シリコン
    基板の両面にある金属膜のパターンの一部を電気的に接
    続すると共に、前記シリコン基板の一方の面に薄膜抵抗
    を形成してあることを特徴とするサブマウント。
  2. 【請求項2】請求項1記載のサブマウントにおいて、前
    記シリコン基板の薄膜抵抗を設けた面に薄膜コンデンサ
    を形成したことをとを特徴とするシリコンサブマウン
    ト。
  3. 【請求項3】請求項1、又は2のいずれかに記載のサブ
    マウントおいて、前記シリコン基板に設けた前記貫通孔
    が、シリコンの異方性エッチングによって形成された貫
    通孔であることを特徴とするシリコンサブマウント。
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