JP2001308358A - 集積型薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

集積型薄膜太陽電池の製造方法

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JP2001308358A JP2000122082A JP2000122082A JP2001308358A JP 2001308358 A JP2001308358 A JP 2001308358A JP 2000122082 A JP2000122082 A JP 2000122082A JP 2000122082 A JP2000122082 A JP 2000122082A JP 2001308358 A JP2001308358 A JP 2001308358A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも1の結晶質光電変換ユニット層を
含む集積型薄膜太陽電池の光電変換特性をさらに改善し
得る製造方法を提供する。 【解決手段】 透明絶縁基板上で順に積層された透明電
極層、少なくとも1の結晶質半導体光電変換ユニット層
および裏面電極層が複数の光電変換セルを形成するよう
に分離溝によって分離されていてかつそれらのセルが電
気的に直列接続されており、さらに裏面電極層側が樹脂
封止層5と保護フィルム6によって覆われている集積型
薄膜太陽電池の製造方法において、封止樹脂シート5と
保護フィルム6とを裏面電極層上に積層接合するために
真空加熱圧着装置100を利用し、その際に、真空加熱
圧着装置内の圧力が667Pa以下にされるとともに、
基板の温度は封止樹脂シートの軟化点からその下10℃
までの範囲内で少なくとも1秒以上保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は集積型薄膜太陽電池
の製造方法に関し、特に、高い光電変換効率を有する結
晶質シリコン系光電変換ユニット層を含む集積型薄膜太
陽電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1において、集積型薄膜太陽電池の典
型的な一例が、模式的な断面図で示されている。なお、
本願の各図において、長さや厚さなどの寸法関係は図面
の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際
の寸法関係を反映してはいない。
【0003】図1に示されているような集積型薄膜太陽
電池10において、基板1として、通常はガラス板が用
いられる。ガラス基板1上には、透明電極層2が形成さ
れている。この透明電極層2は、レーザスクライブによ
って形成された分離溝2aによって、複数の光電変換セ
ルに対応する複数の透明電極に分離されている。なお、
透明電極層2としては、一般にSnO2、ITO(イン
ジウム錫酸化物)、ZnOなどの透明導電性酸化物(T
CO)の膜またはこれらの積層が用いられ得る。
【0004】透明電極層2上には、1以上の光電変換ユ
ニット層を含む半導体層3が形成されている。この半導
体層3も、レーザスクライブによって形成された分割溝
3aによって、複数のセルに対応する複数の光電変換領
域に分割されている。
【0005】半導体層3上には裏面電極層4が形成され
ており、半導体層分割溝3aはこの裏面電極層4によっ
て埋められている。裏面電極層4も、レーザスクライブ
によって形成された分離溝4aによって、複数のセルに
対応する複数の裏面電極に分離されている。なお、裏面
電極層4としては、Ag、Al、Crなどの種々の金属
膜が用いられ得る。また、裏面電極層4は、TCO膜と
金属膜の積層として形成されてもよい。
【0006】図1からわかるように、集積型薄膜太陽電
池10において、任意のセルの透明電極2はそのセルの
左側に隣接するセルの裏面電極4へ半導体層分割溝3a
を介して電気的に接続されている。すなわち、半導体層
分割溝3aは接続用溝としても働き、これによって、左
右に隣接する複数のセルが直列接続されていることにな
る。このような集積型薄膜太陽電池10の各セルにおい
て、透明電極2と裏面電極4とが重複している領域Aが
有効発電領域となる。
【0007】ところで、半導体層3には1以上の光電変
換ユニット層を含ませることが可能であるが、1つの光
電変換ユニットはp型層とn型層でサンドイッチされた
i型層を含んでいる。光電変換ユニットの厚さの大部分
を占めるi型層は実質的に真性の半導体層であって、光
電変換作用は主としてこのi型層内で生じる。他方、p
型やn型の導電型層は光電変換ユニット内に拡散電位を
生じさせる役割を果たし、この拡散電位の大きさによっ
て光電変換特性の1つである開放端電圧の値が左右され
る。しかし、これらの導電型層は光電変換に直接寄与し
ない不活性な層であり、導電型層にドープされた不純物
によって吸収される光は発電に寄与しない損失となる。
したがって、p型とn型の導電型層は、十分な拡散電位
を生じさせることを前提として、できるだけ小さな厚さ
を有することが好ましい。
【0008】このようなことから、光電変換ユニット
は、それに含まれるp型とn型の導電型層が非晶質か結
晶質かにかかわらず、その主要部を占めるi型の光電変
換層が非晶質のものは非晶質ユニットと称され、i型層
が結晶質のものは結晶質ユニットと称される。ここで、
たとえばi型非晶質シリコンが光電変換し得る光の波長
は長波長側において800nm程度までであるが、i型
結晶質シリコンはそれより長い約1100nm程度の波
長の光までを光電変換することができる。したがって、
結晶質光電変換ユニットは、非晶質光電変換ユニットに
比べて高い光電変換効率が得られるものとして期待され
ている。
【0009】また、薄膜太陽電池の変換効率を向上させ
る方法として、2以上の光電変換ユニットを積層してタ
ンデム型にする方法がある。この方法においては、薄膜
太陽電池の光入射側に大きなエネルギバンドギャップを
有する光電変換層を含む前方ユニットを配置し、その後
ろに順に小さなバンドギャップを有する(たとえばSi
Ge合金などの)光電変換層を含む後方ユニットを配置
することにより、入射光の広い波長範囲にわたって光電
変換を可能にし、これによって太陽電池全体としての光
電変換効率の向上が図られる。このようなタンデム型薄
膜太陽電池の中でも、非晶質光電変換ユニットと結晶質
光電変換ユニットを積層したものはハイブリッド薄膜太
陽電池と称される。すなわち、図1が集積型ハイブリッ
ド薄膜太陽電池を表わしている場合には、半導体層3は
順に積層された非晶質ユニットと結晶質ユニットとを含
むことになる。
【0010】図1に示されているような集積型薄膜太陽
電池10では、一般に、ガラス基板1と反対側の裏面
が、封止樹脂層と保護フィルムとを含む封止保護手段に
よって保護される。この封止保護手段は、薄膜太陽電池
の裏面側が外界からの物理的または化学的影響を受ける
ことによって光電変換特性が劣化することを防止するた
めのものであり、真空加熱圧着装置を用いて付与され得
る。
【0011】図2において、真空加熱圧着装置の一例と
しての真空ラミネータが模式的な断面図で示されてい
る。この真空ラミネータ100は下側容器11と上側容
器12とを含んでおり、これらは気密シール13を介し
て互いに着脱可能である。下側容器11と上側容器12
とはそれぞれ吸排気ポート11aと12aを含むととも
に、上側容器12は合成ゴム製のダイヤフラム12bを
も含んでいる。このダイヤフラム12bは、図示されて
いないヒータと金属板を介して加熱され得る。
【0012】下側容器11内には、ヒータを内蔵する載
置台14が設けられている。載置台14上には、図1に
示されているような薄膜太陽電池10が配置され、その
上に封止樹脂シート(硬化剤を含む)5と保護フィルム
6が重ねられる。この状態で、気密シール13を介して
下側容器11と上側容器12とが結合させられ、これら
両容器の内部が吸排気ポート11aと11bを介してロ
ータリポンプ(図示せず)によって排気される。
【0013】その後、載置台14に内蔵されたヒータに
よって封止樹脂シート5が加熱され、そのシート5は軟
化・溶融させられる。この時点で吸排気ポート12aを
介して上側容器12内に大気が導入され、ダイヤフラム
12bは保護フィルム6上に押圧させられる。この状態
で、溶融された封止樹脂層5の硬化は、真空ラミネータ
100内で完全に行なわしめることも可能である。しか
し、真空ラミネータ100は高価でありかつ同時に多数
枚の薄膜太陽電池を処理できないので、封止樹脂層5が
部分的に硬化した段階で薄膜太陽電池10が真空ラミネ
ータ100から取出され、封止樹脂層5の完全な硬化は
複数枚の薄膜太陽電池を別途の硬化炉で同時に処理する
ことによって行なわれるのが一般的である。
【0014】なお、封止保護手段の形成のために真空ラ
ミネータが利用される理由は、薄膜太陽電池10の裏面
および保護フィルム6と封止樹脂層5との間に気泡が混
入することを防止するためである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにして製造
される集積型薄膜太陽電池において、近年ではかなり良
好な光電変換特性が得られるようになっており、既に実
用にも供されている。
【0016】しかしながら、薄膜太陽電池においては依
然としてさらなる光電変換特性の改善が望まれており、
特に結晶質光電変換ユニット層を含む薄膜太陽電池の特
性改善が期待されている。
【0017】そこで、本発明は、結晶質光電変換ユニッ
ト層を含む集積型薄膜太陽電池の光電変換特性をさらに
改善することができる製造方法を提供することを目的と
している。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、透明絶
縁基板上で順に積層された透明電極層、少なくとも1の
結晶質半導体光電変換ユニット層、および裏面電極層が
複数の光電変換セルを形成するように複数の分離溝によ
って分離されていて、かつそれら複数のセルが複数の接
続用溝を介して電気的に直列接続されており、さらに裏
面電極層とこれを複数の領域に分離する裏面電極分離溝
は樹脂封止層と保護フィルムとを含む封止保護手段によ
って覆われている集積型薄膜太陽電池の製造方法におい
て、封止樹脂層となるべき封止樹脂シートと保護フィル
ムとを裏面電極層上に積層接合して封止保護手段を形成
するために真空加熱圧着装置を利用し、封止保護手段を
形成する際に、真空加熱圧着装置の圧力が667Pa以
下にされるとともに、基板の温度は封止樹脂シートの軟
化点からその下10℃までの範囲内で少なくとも1秒以
上保持されることを特徴としている。
【0019】封止保護手段を形成する際に、真空加熱圧
着装置内の圧力は133Pa以下にされることがより好
ましい。
【0020】封止保護手段を形成する際に、基板の温度
は封止樹脂シートの軟化点からその下10℃までの範囲
内で少なくとも10秒以上保持されることがより好まし
い。
【0021】封止樹脂シートとしてエチレン酢酸ビニル
共重合体を利用することができ、その場合には、封止保
護手段を形成する際に基板の温度は90〜100℃の範
囲内で1秒以上保持されることが好ましい。
【0022】集積型薄膜太陽電池は、透明電極層と結晶
質半導体光電変換ユニット層との間に非晶質半導体光電
変換ユニット層をさらに含む集積型ハイブリッド薄膜太
陽電池として形成され得る。
【0023】
【発明の実施の形態】(比較例1)本発明者は、比較例
1の集積型薄膜太陽電池として、従来と同様の方法と条
件の下で図1に示されているような薄膜太陽電池10を
作製し、その裏面には図2に示されているような真空ラ
ミネータ100を用いて封止保護手段が付与された。こ
のとき、10cm×10cmの面積を有するガラス基板
1が用いられ、直列接続されたセルの段数は10段であ
った。また、透明電極層2としては厚さ約700nmの
SnO2層が形成され、裏面電極層4は厚さ約80nm
のZnO層と厚さ約300nmのAg層を含んでいた。
【0024】半導体層3としては、厚さ約2.5μmの
単一の結晶質シリコン系光電変換ユニット層のみを含む
シングル型半導体層が形成されるとともに、厚さ約25
0nmの非晶質シリコン系光電変換ユニット層と厚さ約
2.5μmの結晶質シリコン系光電変換ユニット層とが
積層されたハイブリッド型半導体層が形成された。以
後、このようなシングル型半導体層3を含む薄膜太陽電
池をシングル薄膜太陽電池と称し、ハイブリッド型半導
体層3を含む薄膜太陽電池をハイブリッド薄膜太陽電池
と称することとする。
【0025】封止樹脂層5としては硬化(架橋)剤を含
むエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)が用いられ、
保護フィルム6としてはポリフッ化ビニルフィルムであ
るテドラ(登録商標)フィルムが用いられた。125℃
に加熱された載置台14上に集積型薄膜太陽電池10の
裏面上に封止樹脂シート5と保護フィルム6が重ねられ
た状態で載置され、すぐに上側容器12で下側容器11
を閉じた後に両容器内が排気された。その後に、125
℃に加熱されたダイヤフラム12bで保護フィルム6を
押圧することによって、その保護フィルム6は溶融後に
硬化する封止樹脂層5によって薄膜太陽電池10の裏面
に接合された。
【0026】この場合に、EVA封止樹脂シート5が溶
融し始める100℃の温度において、下側容器11内の
真空度は1333Pa(10Torr)であった。な
お、封止樹脂層5の温度は熱電対によって測定された。
その後、封止樹脂層5は、別途の硬化炉内において14
0℃で30分かけて硬化が完了させられた。
【0027】このようにして作製された比較例1におけ
る集積型薄膜太陽電池について、本発明者がソーラシミ
ュレータを用いてAM1.5のスペクトル分布で100
mW/cm2のエネルギ密度の擬似太陽光を照射して光
電変換特性を測定したところ、封止保護手段が付与され
る前において、集積型シングル薄膜太陽電池の曲線因子
(FF:Fill Factor)が69.8%で変換効率が9.
0%であり、集積型ハイブリッド薄膜太陽電池のFFが
71.0%で変換効率が10.1%であった。他方、封
止保護手段が付与された後において、集積型シングル薄
膜太陽電池と集積型ハイブリッド薄膜太陽電池のFFは
それぞれ70%と71.5%であり、光電変換特性が改
善されていることがわかった。なお、変換効率はFFに
比例して改善される。
【0028】このことは、結晶質光電変換ユニット層を
含む集積型薄膜太陽電池では、真空ラミネータを用いて
付与される封止保護手段が光電変換特性の劣化防止に役
立つだけでなく、むしろ光電変換特性を改善しているこ
とを意味している。このような改善効果(以後、これを
改善効果Eと称する)は、1以上の非晶質光電変換ユニ
ット層のみを含む集積型薄膜太陽電池では認識されてい
なかったことである。
【0029】本発明者が初めて見出した上述のような改
善効果Eの原因としては、以下のような理由を考えるこ
とができる。すなわち、改善効果Eは、1以上の非晶質
光電変換ユニット層のみを含む集積型薄膜太陽電池で認
識されなくて、少なくとも1の結晶質光電変換ユニット
層を含む集積型薄膜太陽電池で検知されたことからし
て、非晶質光電変換層内に比べて結晶質光電変換層内に
おいてキャリアの移動度が顕著に大きいことが関係して
いると考えられる。そして、封止保護手段が付与される
前には裏面電極分離溝4aの側壁に吸着されている水分
などの汚染物質がキャリアのトラップまたは消滅サイト
として作用し得るので、それらの吸着物質が光電変換特
性に及ぼす影響はキャリアがその高い移動度によって裏
面電極分離溝4aの側壁に至る確率の高い結晶質光電変
換層に対して顕著であると考えられる。
【0030】このような状況において真空ラミネータ内
で集積型薄膜太陽電池が短時間でも減圧下で加熱されれ
ば、裏面電極分離溝4aの側壁における吸着汚染物質の
量が減少させられると考えられる。その結果として、結
晶質光電変換層を含む集積型薄膜太陽電池に封止保護手
段を真空ラミネータを用いて付与した後には、その付与
前に比べて光電変換特性が改善させられると考えられ
る。
【0031】以上のような本発明者が新たに見出した知
見に基づいて、以下のような種々の実施例および比較例
としての集積型薄膜太陽電池がさらに作製された。
【0032】(実施例1)実施例1における集積型薄膜
太陽電池は、基本的に比較例1の場合と同様の方法と条
件の下で作製された。ただし、載置板の温度は90℃に
設定され、その上で集積型薄膜太陽電池10の裏面上に
封止樹脂シート5と保護フィルム6が重ねられて十分に
均熱化された。そして、上側容器12で下側容器11を
閉じた後に、両容器内が排気された。このとき用いられ
た排気系の配管は、その径を従来に比べて拡大すること
などによって排気コンダクタンスが高められていた。そ
の後に、125℃に加熱されたダイヤフラム12bで保
護フィルム6が押圧された。その際に封止樹脂層5の温
度が90℃から100℃に達するまで約30秒を要し、
その100℃における時点で下側容器11内の真空度は
667Pa(5Torr)に高められていた。
【0033】こうして作製された実施例1における集積
型シングル薄膜太陽電池のFFは70.1%であり、集
積型ハイブリッド薄膜太陽電池のFFは72.5%であ
った。
【0034】(実施例2)実施例2における集積型薄膜
太陽電池は、基本的に実施例1の場合と同様の方法と条
件の下で作製された。ただし、真空ラミネータを排気す
るための真空ポンプとしてはさらに排気容量の大きなロ
ータリポンプが用いられた。そして、封止樹脂層5の温
度が100℃の時点における下側容器11内の真空度は
133Pa(1Torr)にさらに高められていた。
【0035】このようにして作製された実施例2におけ
る集積型シングル薄膜太陽電池のFFは70.1%であ
り、集積型ハイブリッド薄膜太陽電池のFFは73.0
%であった。
【0036】(実施例3)実施例3としての集積型薄膜
太陽電池が、基本的には実施例2の場合と同様の方法と
条件の下で作製された。ただし、実施例3においては、
載置板14上で集積型薄膜太陽電池10、封止樹脂シー
ト5、および保護フィルム6が90℃に均熱化された状
態で上側容器12で下側容器11を閉じた後に両容器が
排気され、下側容器11内の圧力が133Paまで減ぜ
られた。その後、載置板14とダイヤフラム12bの両
方が125℃まで加熱され、そのダイヤフラム12bで
保護フィルム6が押圧された。このとき、封止樹脂層5
が90℃から125℃まで温度上昇するのに180秒を
要した。
【0037】このような実施例3において、得られた集
積型シングル薄膜太陽電池のFFは70.1%であり、
集積型ハイブリッド薄膜太陽電池のFFは73.5%で
あった。
【0038】(実施例4)実施例4の集積型薄膜太陽電
池が、基本的には実施例3の場合と同様の方法と条件の
下で作製された。ただし、80℃に維持された載置板1
4上で集積型薄膜太陽電池10、封止樹脂シート5、お
よび保護フィルム6が均熱化され、そして上側容器12
で下側容器11を閉じた後に両容器が排気され、下側容
器11内の真空度が133Paまで達した後に載置板1
4とダイヤフラム12bが125℃まで加熱された。こ
のとき、封止樹脂層5が80℃から125℃まで昇温す
るのに210秒を要した。
【0039】こうして得られた実施例4における集積型
シングル薄膜太陽電池のFFは70.1%であり、集積
型ハイブリッド薄膜太陽電池のFFは72.5%であっ
た。
【0040】(比較例2)比較例2の集積型薄膜太陽電
池が、基本的には実施例4と同様の方法と条件の下で作
製された。ただし、載置板14の温度は105℃に設定
され、その上で薄膜太陽電池10、封止樹脂シート5、
および保護フィルム6が均熱化された。そして、上側容
器12で下側容器11を閉じた後に両容器が排気され、
125℃のダイヤフラム12bが保護フィルム6に押圧
させられた。このとき、封止樹脂層5の温度が105℃
から125℃まで上昇するのに120秒を要し、125
℃における下側容器11内の真空度は133Paであっ
た。
【0041】こうして得られた比較例2における集積型
シングル薄膜太陽電池のFFは70.0%であり、集積
型タンデム薄膜太陽電池のFFは71.5%であった。
【0042】以上のような種々の比較例と実施例との比
較から、封止保護手段が付与された集積型薄膜太陽電池
の光電変換特性をさらに改善するためには、封止樹脂シ
ート5の溶融開始温度における真空度として667Pa
以下の低圧が求められることがわかる。また、そのよう
な真空度は封止樹脂シートの軟化点からその下10℃ま
での範囲内において所定時間以上、少なくとも1秒以上
保持されることが求められる。すなわち、比較例2にお
いては下側容器11内が真空にされる前に105℃にお
いて既に封止樹脂シート5が溶融しているので、裏面電
極分離溝4aの側壁における吸着汚染物質の除去が十分
には行なわれ得なかったものと考えられる。
【0043】なお、上述の比較例と実施例において封止
樹脂シート5としてEVAを利用した例が説明された
が、エチレン酢酸ビニルトリアリルイソシアネート(E
VAT)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリイソ
ブチレン(PIB)なども用いることができる。また、
硬化剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−
ジヒドロペルオキシドなどを用いることができる。さら
に、保護フィルム6としては、フッ素樹脂フィルムのほ
かに、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような
有機フィルムや、アルミ箔のような金属箱を有機フィル
ムでサンドイッチしたような複合フィルムを用いること
もできる。
【0044】また、真空ポンプとしては、ロータリーポ
ンプに加えてメカニカルブースターポンプなどの他の種
類のポンプを併用してもよいことはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、少なく
とも1の結晶質光電変換ユニット層を含む集積型薄膜太
陽電池の光電変換特性をさらに改善し得る製造方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 集積型薄膜太陽電池の典型的な一例を示す模
式的な断面図である。
【図2】 真空加熱圧着装置の一例を示す模式的な断面
図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板、2 透明電極層、2a 透明電極分離
溝、3 半導体層、3a 半導体層分割溝、4 裏面電
極層、4a 裏面電極分離溝、5 封止樹脂シート、6
保護フィルム、10 集積型薄膜太陽電池、11 下
側容器、11a吸排気ポート、12 上側容器、12a
吸排気ポート、12b ダイヤフラム、13 気密シ
ール、14 載置台、100 真空加熱圧着装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明絶縁基板上で順に積層された透明電
    極層、少なくとも1の結晶質半導体光電変換ユニット
    層、および裏面電極層が複数の光電変換セルを形成する
    ように複数の分離溝によって分離されていて、かつそれ
    ら複数のセルが複数の接続用溝を介して電気的に直列接
    続されており、さらに前記裏面電極層とこれを複数の領
    域に分離する裏面電極分離溝は樹脂封止層と保護フィル
    ムとを含む封止保護手段によって覆われている集積型薄
    膜太陽電池の製造方法であって、 前記封止樹脂層となるべき封止樹脂シートと前記保護フ
    ィルムとを前記裏面電極層上に積層接合して前記封止保
    護手段を形成するために真空加熱圧着装置を利用し、 前記封止保護手段を形成する際に、前記真空加熱圧着装
    置内の圧力が667Pa以下にされるとともに、前記基
    板の温度は前記封止樹脂シートの軟化点からその下10
    ℃までの範囲内で少なくとも1秒以上保持されることを
    特徴とする集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記封止保護手段を形成する際に、前記
    真空加熱圧着装置内の圧力が133Pa以下にされるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の集積型薄膜太陽電池の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記封止保護手段を形成する際に、前記
    基板の温度は前記封止樹脂シートの軟化点からその下1
    0℃までの範囲内で少なくとも10秒以上保持されるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の集積型薄膜太
    陽電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記封止樹脂シートはエチレン酢酸ビニ
    ル共重合体からなり、前記封止保護手段を形成する際
    に、前記基板の温度は90〜100℃の範囲内で1秒以
    上保持されることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かの項に記載の集積型薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記集積型薄膜太陽電池は前記透明電極
    層と前記結晶質半導体光電変換ユニット層との間に非晶
    質半導体光電変換ユニット層をさらに含む集積型ハイブ
    リッド薄膜太陽電池であることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかの項に記載の集積型薄膜太陽電池の製造
    方法。
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