JP2001307327A - 情報記録再生装置 - Google Patents

情報記録再生装置

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JP2001307327A
JP2001307327A JP2000125396A JP2000125396A JP2001307327A JP 2001307327 A JP2001307327 A JP 2001307327A JP 2000125396 A JP2000125396 A JP 2000125396A JP 2000125396 A JP2000125396 A JP 2000125396A JP 2001307327 A JP2001307327 A JP 2001307327A
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JP2000125396A
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Hiroshi Hagiwara
啓 萩原
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来のデータ部領域を利用してOPC機能を
最大限活用することで、追記時にPCA領域に対して再
度試し書きを行う必要なく、PCAを節約しつつ、記録
パワーを適正に定できる情報記録再生装置を提供する。 【解決手段】 情報記録再生媒体に対して追記を行う際
に、記録パワーに関する値を以前の試し書き等による記
録結果から求まり不揮発性記憶手段に記憶されている最
適記録パワーに関する値に設定して(S2)、追記開始
アドレスより後のデータ部領域に対して一定時間試し書
きを行い(S3)、この試し書きを行ったデータ部領域
を再生してその品質を評価し(S4,S5)、評価結果
から追記する記録パワーに関する値を校正設定する(S
6)ことで、その追記時点で最適な記録パワーを設定す
ることができる。このためにも、本来記録すべきデータ
部領域を利用した試し書きによるため、PCA領域の消
費は回避することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】光学的な情報記録再生装置において光学
的情報記録再生媒体にデータを記録するためには最適な
記録品質が得られるレーザパワーで記録することが必要
である。このため、通常、例えばCD−R(Compact
Disc Recordable)やCD−RW(Compact Disc R
ewritable)などの追記型又は書換え型の光学的情報記
録再生媒体にはPCA(Power Calibration Area=
パワーキャリブレーションエリア)と呼ばれるレーザパ
ワー調整エリアがあり、記録装置はそのエリアでOPC
(Optimum Power Control)と呼ばれる記録レーザパ
ワーの調整を行い、その結果得られたレーザパワーで記
録を行うようにしている。
【0003】記録装置によっては、そのときのOPC結
果を装置自身の持つ不揮発性メモリに保存しておき、一
旦記録を終了した光学的情報記録再生媒体に対し追記を
行う場合、PCAの節約(PCAは例えば試し書きを1
00回だけ行えるように設定されているため)と時間短
縮のため、追記時にはOPCを行わず不揮発性メモリに
保存していた前回のOPC結果=記録パワーで記録する
ようにしたものがある(特開平11−250481号公
報中の従来例参照)。
【0004】しかし、不揮発性メモリに保存した記録パ
ワーをそのまま用いると、光ピックアップの経時変化の
他、記録媒体面の特性の不均一性、記録面温度の変化等
の様々な要因によって、追記時に真の最適記録パワーか
らずれたレーザパワーで記録してしまうことがある。
【0005】このようなことから、上記特開平11−2
50481号公報では、経時変化等による影響を避ける
ため、追記動作に先立ち、不揮発性メモリに保存してお
いた記録パワーが適正であるか否かをその記録パワーで
記録した部分の再生データを評価することにより判断
し、適正範囲を越えて問題がある場合には、再度試し書
きを行って改めて最適記録パワーを設定するようにして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平11
−250481号公報例に示される対応策の場合、不揮
発性メモリに保存しておいた記録パワーが適正範囲を越
えて問題がある場合には、PCAに対して再度試し書き
を行わなくてはならず、PCAを節約するという初期の
目的からすると、必ずしも好ましくないものである。
【0007】そこで、本発明は、本来のデータ部領域を
利用してOPC機能を最大限活用することで、追記時に
PCA領域に対して再度試し書きを行う必要なく、PC
Aを節約しつつ、記録パワーを適正に設定できる情報記
録再生装置を提供することを目的とする。
【0008】また、本来のデータ部領域をOPCに利用
する上でその領域の記録品質の低下を防止し得る情報記
録再生装置を提供することを目的とする。
【0009】さらに、バッファアンダーランによる記録
エラーを防止するためのポーズ/リスタート機能を有す
る情報記録再生装置の場合に効果的に適用できるように
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
情報記録再生媒体に照射する光を発する光源と、前記情
報記録再生媒体に対して過去に試し書きした時の前記光
源の最適記録パワーに関する値を前記情報記録再生媒体
に対応付けて記憶する不揮発性記憶手段と、前記情報記
録再生媒体に対する追記時に、前記光源の記録パワーに
関する値を前記不揮発性記憶手段に記憶された最適記録
パワーに関する値に設定する追記時試し書きパワー設定
手段と、この追記時試し書きパワー設定手段により設定
された最適記録パワーに関する値を用いて追記開始アド
レスより後のデータ部領域に対して所定量の試し書きを
行う追記時試し書き手段と、この追記時試し書き手段に
より試し書きされたデータ部領域を再生してその品質を
評価する再生品質評価手段と、この再生品質評価手段に
よる評価結果に応じて前記追記時試し書きパワー設定手
段により設定された最適記録パワーに関する値を校正し
て追記開始アドレスより後のデータ部領域に対する追記
時の前記光源の記録パワーに関する値を設定するパワー
校正設定手段と、を備える。本発明において、「所定量
の試し書き」とは、一定時間或いは一定長さ(領域)分
と言った定量的な試し書きを意味する。
【0011】従って、情報記録再生媒体に対して追記を
行う際に、記録パワーに関する値を以前の試し書き等に
よる記録結果から求まり不揮発性記憶手段に記憶されて
いる最適記録パワーに関する値に設定して、追記開始ア
ドレスより後のデータ部領域に対して一定時間試し書き
を行い、この試し書きを行ったデータ部領域を再生して
その品質を評価し、評価結果から追記する記録パワーに
関する値を校正設定することにより、その追記時点で最
適な記録パワーを設定でき、このためにも、本来記録す
べきデータ部領域を利用した試し書きによるため、PC
A領域の消費は回避することができる。また、試し書き
されたデータ部領域は追記に伴う上書きにより分からな
くなるため、TAI(Track At Once)やSAO(S
essionAt Once)の追記だけでなくパケットライトで
も用いることができる。
【0012】請求項2記載の発明は、情報記録再生媒体
に対する記録中にポーズし、一定時間経過後にそのポー
ズ個所からデータ書き込みをリスタートするポーズ/リ
スタート機能を有する情報記録再生装置であって、前記
情報記録再生媒体に照射する光を発する光源と、前記ポ
ーズ時に、リスタートにより次に記録するデータ部領域
に対して前記光源の最適記録パワーに関する値を取得す
るための試し書きを行う試し書き手段と、リスタート時
の前記光源の記録パワーに関する値を前記試し書き手段
により取得された前記光源の最適記録パワーに関する値
に設定するリスタート時パワー設定手段と、このリスタ
ート時パワー設定手段により設定された最適記録パワー
に関する値を用いて前記試し書き手段により試し書きし
たデータ部領域を含めて記録をリスタートさせるリスタ
ート動作制御手段と、を備える。
【0013】一般に、情報記録再生装置では、データ書
き込み中に一時停止しないようにしており、ホストから
当該情報記録再生装置の書き込み速度以上の転送レート
でデータを送らないと書き込みが中断してしまい、次に
データを書き足すことができなくなって書き込みに失敗
してしまう。このような現象を一般に“バッファアンダ
ーラン”と称している。このようなバッファアンダーラ
ンを防止するために、情報記録再生媒体に対するデータ
の書き込み中にホストからのデータ転送が間に合わない
ときはデータ書き込みを一時停止し(ポーズ)、ホスト
からのデータが十分に送られてきたときにデータ書き込
みを再開(リスタート)させるポーズ/リスタート機能
を持たせた情報記録再生装置がある。また、一定時間以
上にわたる記録においては、媒体記録面の特性の不均一
性、記録面温度の変化、レーザパワー制御のばらつき、
サーボばらつき等により記録が進むにつれ記録パワーが
最適値とずれてしまうことがある。このような状況下
に、ポーズ時間を利用してリスタートにより次に記録す
るデータ部領域に対して試し書きを行わせることで実質
的に請求項1記載の発明を実行させることで、リスター
ト時からオーバーヘッドも少なく信頼性のある最適な記
録パワーで記録を行わせることができる。
【0014】請求項3記載の発明、請求項2記載の情報
記録再生装置において、前記試し書き手段による試し書
きの終了後、その試し書きを行ったデータ部領域を直流
イレースにより消去する消去手段を備える。
【0015】従って、試し書きを行ったデータ部領域に
上書きを行う場合、その場所で少なからず記録品質が低
下するが、上書きに先立ち、試し書きを行ったデータ部
領域を直流イレースにより消去することにより、その領
域の記録品質の低下を防止できる。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載の情報記録再生装置において、所定周期毎に強制的に
ポーズさせるポーズ動作制御手段を備える。本発明にお
いて、「所定周期毎」とは、一定時間毎或いは媒体一定
回転毎といった定期的な時期を意味する。
【0017】一般に、CD−Rなどの情報記録再生媒体
の場合には、記録中のRF信号レベルを測定することで
記録動作を行いつつ最適記録パワー制御を行うランニン
グOPCという方法が多数試みられている。しかし、記
録パルス幅が短く記録中のRF信号レベルのサンプリン
グが難しい場合、例えばCD−RWなどの相変化型の情
報記録再生媒体の場合にはランニングOPCの実施は困
難である。また、特にCAV(Constant Angular Ve
rocity:回転数一定)記録方式に場合には最適記録パワ
ーは記録位置に応じても変化するため記録パワー制御が
必要となる。この点、本発明においては、ポーズ/リス
タート機能を利用しつつデータ転送量の不足等による本
来のポーズ事由を待つことなく、所定周期毎に強制的に
記録動作をポーズさせて、次に記録するデータ部領域で
試し書きを行い、この試し書き結果により求まった記録
パワーでリスタートを行わせるようにしたので、書換え
型の情報記録再生媒体に対し記録時間のオーバヘッドも
それほどなく、線速度一定のCLV記録だけでなくCA
V記録でも信頼性のある最適記録パワーで記録すること
ができる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項4記載の情
報記録再生装置において、前記ポーズ動作制御手段は、
前記情報記録再生媒体の種類と記録速度とに応じてポー
ズさせる周期又はポーズ動作の有無を切換え制御するよ
うにした。
【0019】一般に、情報記録再生媒体の特性や記録速
度により要求される記録パワーの精度は異なる。特に、
CAV記録方式の場合の外周部においては、より頻繁に
制御を行う必要があるが、内周部でも同じ周期でOPC
を行うとオーバヘッドが問題になることにもなり兼ねな
い。また、低速記録など条件によってはOPCが不必要
な場合もある。本発明では、記録する情報記録再生媒体
の種類と記録速度とにより、ポーズ/OPC/リスター
トを行う周期又はポーズするかしないかのポーズ動作の
有無を切換え制御することにより、情報記録再生媒体毎
に適正な周期で記録パワーの調整を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図3に基づいて説明する。本実施の形態は、情報
記録再生媒体として記録可能な光ディスクであるCD−
R/RW(CD−Recordable/Rewritable)1を対象
とする情報記録再生装置への適用例を示す。図1はこの
情報記録再生装置(ドライブ装置)の構成を示す概略ブ
ロック図である。
【0021】光ディスク1はスピンドルモータ2によっ
て回転駆動される。スピンドルモータ2はモータドライ
バ3とサーボ手段4とによって線速度一定(CLV)又
は回転数一定(CAV)となるように制御される。光ピ
ックアップ5は特に図示しない光源としての半導体レー
ザ、光学系、フォーカシングアクチュエータ、トラッキ
ングアクチュエータ、受光素子、ポジションセンサ等を
内蔵しており、レーザ光を光ディスク1の記録面に照射
する。
【0022】光ピックアップ5はシークモータによりス
レッジ方向(ディスク半径方向)に移動可能とされてい
る。これらのフォーカシングアクチュエータ、トラッキ
ングアクチュエータ、シークモータは受光素子やポジシ
ョンセンサから得られる信号に基づきモータドライバ3
とサーボ手段4とによってレーザスポットを光ディスク
1上の目的の場所に位置させるように制御する。
【0023】データ再生時には、光ピックアップ5で得
られた再生信号をリードアンプ6で増幅して2値化した
後、CDデコーダ7に入力してデインターリーブとエラ
ー訂正の処理を行う。さらに、そのデインターリーブと
エラー訂正の処理後のデータをCD−ROMデコーダ8
に入力してデータの信頼性を高めるためのエラー訂正処
理を行う。
【0024】その後、CD−ROMデコーダ8で処理し
たデータをバッファマネージャ9によって一旦バッファ
RAM10に蓄積し、セクタデータとして揃ったときに
ATAPI/SCSIインタフェース11によってホス
ト側へ一気に転送する。また、音楽データの場合、CD
デコーダ7から出力されるデータをD/Aコンバータ1
2に入力してアナログのオーディオ信号を取り出す。
【0025】一方、データ記録時には、ATAPI/S
CSIインタフェース11によってホストから転送され
たデータを受信すると、そのデータをバッファマネージ
ャ9によって一旦バッファRAM10に蓄積する。バッ
ファRAM10に或る程度のデータが溜まったときにラ
イトを開始するが、その前にレーザスポットを書き込み
開始地点に位置させる。その書き込み開始地点はトラッ
クの蛇行によって予め光ディスク1に刻まれているウォ
ブル信号によって求められる。そのウォブル信号にはA
TIPと称する絶対時間情報が含まれており、ATIP
デコーダ13によってATIPの情報を取り出す。
【0026】また、ATIPデコーダ13が生成する同
期信号はCDエンコーダ14に入力されて正確な位置で
のデータの書き出しを可能にしている。バッファRAM
10のデータは、CD−ROMエンコーダ15やCDエ
ンコーダ14でエラー訂正コードの付加やインターリー
ブを行ってレーザコントロール回路16、光ピックアッ
プ5を介して光ディスク1に記録される。
【0027】このような情報記録再生装置は、上述の各
部の動作を制御するとともに後述する各機能を実行する
ためのCPU17、ROM18及びRAM19からなる
マイクロコンピュータ20を備えている。また、21は
不揮発性メモリである。
【0028】ここに、CD−R/RWなる光ディスク1
のエリア構成を図2に示す。図2は、光ディスク1を半
径方向に断面して示す構成図であり、内周側から外周側
に向けて、PCA31、PMA(Program Memory Ar
ea)32、リードインエリア33、プログラム領域34
及び追記領域(Lead Out)35を有する。図2中、斜
線を施して示す部分は、記録済部である。
【0029】このような構成において、本実施の形態の
場合、PCA31を利用したOPCにより当該光ディス
ク1に対する半導体レーザの記録パワーの適正値を予め
不揮発性メモリ21に保存しておく方式を前提とする。
【0030】即ち、データ記録時は、ATAPI/SC
SIインターフェース11を介しホストから送られてき
たデータを一旦バッファRAM10に蓄えてから記録を
開始するが、過去に記録した光ディスク1で以前記録し
たときのOPC結果を不揮発性メモリ21に既に記憶し
ている場合を除き、記録前に当該光ディスク1のPCA
31エリアにおいてOPCを行い半導体レーザの最適な
記録パワーを求める必要がある。OPCのとき光ピック
アップ5からの反射光に応じたデータ信号がリードアン
プ6によって増幅され、ピーク及びボトム検出回路22
により、その上側ピークレベルpkと下側ピーク(ボト
ム)レベルbtが検出される。検出レベル信号はA/D
変換された後、それを基にCPU17などで以下に示す
ような方法で最適記録パワーを計算しレーザコントロー
ル回路16に記録パワーの指令を出す。
【0031】例えば、オレンジブックパートIIIにある
ように書換え可能な光ディスクであるCD−RWのOP
Cは、半導体レーザのレーザパワーを多段階に変えなが
ら次式(1)で与えられる変調度mを求め、さらに変調度
mと記録パワーの特性から次式(2)で与えられる規格化
傾斜γを求める。この規格化傾斜γがγ=γt(γtは
ディスク固有の所定値)となるときの記録パワーPtを
求めることでOPCが実施される。
【0032】 m=(pk−bt)/pk …………(1) γ=(Δm/Δp)*(p/m) ……(2) さらに、実際には記録パワーPtをそのまま最適記録パ
ワーとして用いるのでなく、記録パワーPtにディスク
固有の定数ρを乗じて、Pt*ρを最適記録パワーとす
る方が好ましい場合がある。
【0033】また、追記型の光ディスクとしてはCD−
Rがあるが、この場合のOPCはオレンジブックパート
IIにあるように次式(3)で与えられるRF信号対称性を
表すβ値を測定し、βが目標値βtとなるパワーを求め
ることで最適記録パワーが決定される。
【0034】 β=(pk+bt)/(pk−bt)………(3) 何れにしても、光ディスク1のPCA31エリアに対す
る試し書きOPCにより当該光ディスク1に対する半導
体レーザの最適記録パワーに関する値を取得するOPC
機能及びOPCにより取得された最適記録パワーに関す
る値Piを当該光ディスク1に対応付けて不揮発性記憶
手段としての不揮発性メモリ21に記憶しておくことを
前提とする。この際、最適記録パワーに関する値Piと
光ディスクとの対応付けは、前述した特開平11−25
0481号公報中に示されているようにその光ディスク
を識別するためのディスク識別コード等を利用すればよ
い。
【0035】このような前提の下、本実施の形態では、
光ディスク1が当該情報記録再生装置にマウントされ追
記指令があった場合にCPU17により、追記時試し書
きパワー設定手段、追記時試し書き手段、再生品質評価
手段及びパワー校正設定手段の機能が実行される。この
点について、図3に示す概略フローチャートを参照して
説明する。まず、当該情報記録再生装置に光ディスク1
がマウントされると(ステップS1)、不揮発性メモリ
21に記憶されている当該光ディスク1に対応する最適
記録パワーに応じた値Ptを追記時試し書きパワーとし
て設定する(S2)。このステップS2の処理が、追記
時試し書きパワー設定手段の機能して実行される。引き
続き、追記開始アドレスより後のデータ部領域に対して
2セクタ分の試し書きをステップS2で設定された最適
記録パワーに応じた値Ptを用いて行う(S3)。この
ステップS3の処理が、追記時試し書き手段の機能とし
て実行される。追記試し書き後、試し書きした2セクタ
分のデータ部領域について、再生動作を行い、その品質
の評価を司るパラメータとなるRF信号の変調度mを測
定し(S4)、前回記録時の目標値mtとの差mt−m
を算出する(S5)。この差の算出を含むステップS
4,S5の処理が、試し書きした2セクタ分のデータ部
領域を再生してその品質を評価する再生品質評価手段の
機能として実行される。
【0036】引き続き、これらの差mt−mをα倍(α
は設計により設定された任意の一定数)した量を、不揮
発性メモリ21に記憶されている値Ptに加算する演算
処理 Pw=Pt+(mt−m)*α を行い、その演算結果を追記時の半導体レーザの記録パ
ワーに応じた値Pwとして校正し設定する(S6)。こ
のステップS6の処理が、パワー校正設定手段の機能と
して実行される。この後の追記処理では、今回の追記開
始アドレスより後のデータ部領域から追記されるので、
試し書きした領域は上書き消去される。
【0037】従って、本実施の形態によれば、光ディス
ク1に対して追記を行う際に、記録パワーに関する値P
wを以前の試し書き等による記録結果から求まり不揮発
性メモリ21に記憶されている最適記録パワーに関する
値Ptに設定して、追記開始アドレスより後のデータ部
領域に対して一定時間試し書きを行い、この試し書きを
行ったデータ部領域を再生してその品質を評価し、評価
結果から追記する記録パワーに関する値Pwを校正設定
することにより、その追記時点で最適な記録パワーPw
を設定できる。このためにも、本来記録すべきデータ部
領域を利用した試し書きによるため、PCA領域の消費
は回避することができる。また、試し書きされたデータ
部領域は追記に伴う上書きにより分からなくなるため、
TAI(Track At Once)やSAO(Session At
Once)の追記だけでなくパケットライトでも用いるこ
とができる。
【0038】本発明の第二の実施の形態を図4及び図5
に基づいて説明する。本実施の形態は、光ディスク1に
対する記録中にポーズし、一定時間経過後にそのポーズ
個所からデータ書き込みをリスタートするポーズ/リス
タート機能を有する情報記録再生装置への適用例を示
す。
【0039】一般に、情報記録再生装置では、データ書
き込み中に一時停止しないようにしており、ホストから
当該情報記録再生装置の書き込み速度以上の転送レート
でデータを送らないと書き込みが中断してしまい、次に
データを書き足すことができなくなって書き込みに失敗
してしまう。このような現象を一般に“バッファアンダ
ーラン”と称している。このようなバッファアンダーラ
ンを防止するために、光ディスクに対するデータの書き
込み中にホストからのデータ転送が間に合わないときは
データ書き込みを一時停止し(ポーズ)、ホストからの
データが十分に送られてきたときにデータ書き込みを再
開(リスタート)させるポーズ/リスタート機能を持た
せた情報記録再生装置があり、例えば、特開平10−4
9990号公報や特開2000−40302号公報など
により知られている。概略的には、ユーザデータブロッ
クを書き始めてバッファRAM10のデータが残り少な
くなると、ポーズライトを実行することで書き込みを一
時停止する(ポーズ)。その後、ホストからのデータ転
送を待ち、バッファRAM10がデータで一杯になった
ときにリスタートライトを実行し、ポーズライトでデー
タ書き込みを一時停止した個所から続けてデータを書き
始めさせるものである。ここに、データ書き込みの終点
及び始点部分でクロスインタリーブリードソロモン(C
IRC)復調によるデータ連続性を維持する書き込みを
行うことで、光ディスク1に対してデータの書き込みの
一時停止(ポーズ)と再開(リスタート)とを行って
も、そのデータを後から連続的かつ正確に読み出すこと
ができる。
【0040】本実施の形態では、このようなポーズ/リ
スタート機能を持たせた情報記録再生装置について、光
ディスク1に対するポーズ動作があった場合に、CPU
17により、試し書き手段、リスタート時パワー設定手
段、リスタート動作制御手段の機能が実行される。この
点について、図4に示す概略フローチャート及び図5に
示すポーズ/リスタート機能の模式図を参照して説明す
る。
【0041】即ち、光ディスク1に対する記録中に記録
ポーズが生じた場合(S11)(図5の書込み停止
)、後のリスタートにより記録するデータ部領域を利
用して半導体レーザの最適記録パワーに関する値を取得
するための試し書き(OPC)を行う(S12)。この
OPC動作は、周知の如く、記録パワーを図5中のに
示すように段階的に変化させて記録する動作として実行
される。もっとも、追記されるデータ部領域の品質劣化
を防ぐため、OPC実行中の最大レーザパワーは制限さ
れ、最適記録パワーは推定値として求めるのがよい。こ
のステップS12の処理が試し書き手段の機能として実
行される。リスタートにより記録するデータ部領域を利
用した試し書き結果に基づき、リスタート時の半導体レ
ーザの記録パワーPwが設定される(S13、図5中の
記録パワー設定)。このステップS13の処理が、リ
スタート時パワー設定手段の機能として実行される。
【0042】ステップS13の処理に基づき、リスター
ト時の半導体レーザの記録パワーに関する値Pwが設定
されると、一定時間経過後の所定タイミングでリスター
トによる追記動作を行わせる(S14)。この際、図5
中に→で示すように書込みリスタートは、書込み停止
したポーズ位置から再開されるように制御され、ステッ
プS12で試し書きされた領域は上書き消去される。こ
のような上書き処理を含めたステップS14の処理がリ
スタート動作制御手段の機能として実行される。
【0043】従って、本実施の形態によれば、このよう
なバッファアンダーランによる記録エラーを防止するた
めにポーズ/リスタート機能を持たせた情報記録再生装
置について、ポーズ時間を利用してリスタートにより次
に記録するデータ部領域に対して試し書きを行わせるこ
とで、リスタート時からオーバーヘッドも少なく信頼性
のある最適な記録パワーで記録を行わせることができ
る。
【0044】本発明の第三の実施の形態を図6及び図7
に基づいて説明する。本実施の形態は、基本的には前述
の第二の実施の形態と同様であるが、記録中ポーズに基
づくリスタート時のデータ部領域中へのOPC処理が終
了した後(S12)、OPC処理を行ったデータ部領域
(例えば、2セクタ分)に関してイレースパワーPeに
てDCイレース(直流イレース)により試し書きないよ
うを消去する処理(S15、図7中に示すDCイレース
)を行わせるようにしたものである。この他は、前述
の第二の実施の形態の場合と同様である。
【0045】一般に、相変化型記録媒質では、記録済み
領域を一旦DCイレースした後に記録したほうが記録品
質がよいため、本実施の形態のように、OPC処理後に
その領域をDCイレースするようにしてから、リスター
トによる書き込みを行わせるようにすることで、記録信
号の品質の劣化を防止することができる。
【0046】本発明の第四の実施の形態を図6に基づい
て説明する。本実施の形態は、基本的には前述の第二、
三の実施の形態と同様であるが、ポーズ/リスタート機
能を利用しつつホストからのデータ転送量の不足等によ
る本来のポーズ事由を待つことなく、所定周期毎に強制
的に記録動作をポーズさせて、そのリスタート時に前述
した実施の形態の場合と同様に試し書き手段以下を機能
させて定期的に記録パワーを適正値に設定してリスター
ト記録を行わせるようにしたものである。
【0047】即ち、所定周期として1分経過する毎に
(S16)、光ディスク1に対する記録中に記録をポー
ズさせ(S11)、後のリスタートにより記録するデー
タ部領域を利用して半導体レーザの最適記録パワーに関
する値を取得するための試し書き(OPC)を行う(S
12)。後は、第三の実施の形態の場合と同様に処理す
る。従って、ステップS16の処理がポーズ動作制御手
段の機能として実行される。
【0048】このように、本実施の形態によれば、一定
時間毎(又は、一定回転数毎)に、故意に記録ポーズ/
OPC/リスタートを行わせることで、最適な記録パワ
ーで安定して記録を行わせることができる。特に、CA
V記録方式の場合には、光ディスク1の面内位置によっ
て最適記録パワーが異なるため、本実施の形態は有効と
なる。また、記録時間のオーバーヘッドに関しても、例
えば、光ディスク1が100回転する毎にOPCを行う
ものとし、1回のOPCに50msかかったとしても、
記録時間のオーバーヘッドは殆ど問題とならないレベル
になると考えられる。また、ランニングOPCができな
い場合にも非常に有効である。ランニングOPC記録し
ながらRF信号レベルを測定することにより記録動作を
行いつつ最適記録パワー制御を行う方法であるが、CD
−RWのように記録パルス幅が短く記録中のRF信号レ
ベルのサンプリングが難しい場合などは実施が困難であ
るが、本実施の形態の場合であれば周期的な記録パワー
のOPCによる校正により最適記録パワーの制御を適正
に行える。
【0049】なお、本実施の形態では、1分経過毎に強
制的にポーズを行わせるようにしたが、光ディスク1が
或る回転数回転する毎に強制的にポーズさせるようにし
てもよい。
【0050】また、特に図示しないが、光ディスク1の
記録媒質特性や記録速度、記録方法(CLV/CAV)
により必要となる記録パワー制御の精度が異なるので、
各々の場合に応じて情報記録再生装置のファームウェア
制御によりOPC間隔を切換え制御するようにすれば、
より効率的に記録が行える。即ち、光ディスク1の特性
や記録速度により要求される記録パワーの精度は異な
り、特に、CAV記録方式の場合の外周部においては、
より頻繁に制御を行う必要があるが、内周部でも同じ周
期でOPCを行うとオーバヘッドが問題になることにも
なり兼ねない。また、低速記録など条件によってはOP
Cが不必要な場合もある。そこで、このような点を考慮
する場合には、記録する光ディスク1の種類と記録速度
とにより、ポーズ/OPC/リスタートを行う周期又は
ポーズするかしないかのポーズ動作の有無を切換え制御
するようにすれば、光ディスク1毎に適正な周期で記録
パワーの調整を行うことができる。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、情報記録
再生媒体に対して追記を行う際に、記録パワーに関する
値を以前の試し書き等による記録結果から求まり不揮発
性記憶手段に記憶されている最適記録パワーに関する値
に設定して、追記開始アドレスより後のデータ部領域に
対して一定時間試し書きを行い、この試し書きを行った
データ部領域を再生してその品質を評価し、評価結果か
ら追記する記録パワーに関する値を校正設定するように
したので、その追記時点で最適な記録パワーを設定する
ことができ、このためにも、本来記録すべきデータ部領
域を利用した試し書きによるため、PCA領域の消費は
回避することができる上に、試し書きされたデータ部領
域は追記に伴う上書きにより分からなくなるため、パケ
ットライトでも用いることができる。
【0052】請求項2記載の発明によれば、バッファア
ンダーランによる記録エラーを防止するためにポーズ/
リスタート機能を持たせた情報記録再生装置について、
ポーズ時間を利用してリスタートにより次に記録するデ
ータ部領域に対して試し書きを行わせることで実質的に
請求項1記載の発明を実行させるようにしたので、リス
タート時からオーバーヘッドも少なく信頼性のある最適
な記録パワーで記録を行わせることができる。
【0053】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の情報記録再生装置において、試し書きを行ったデー
タ部領域に上書きを行う場合、その場所で少なからず記
録品質が低下するが、上書きに先立ち、試し書きを行っ
たデータ部領域を直流イレースにより消去するようにし
たので、その領域の記録品質の低下を防止することがで
きる。
【0054】請求項4記載の発明によれば、請求項2又
は3記載の情報記録再生装置において、所定周期毎に強
制的にポーズさせるポーズ動作制御手段を備えること
で、ポーズ/リスタート機能を利用しつつデータ転送量
の不足等による本来のポーズ事由を待つことなく、所定
周期毎に強制的に記録動作をポーズさせて、次に記録す
るデータ部領域で試し書きを行い、この試し書き結果に
より求まった記録パワーでリスタートを行わせるように
したので、書換え型の情報記録再生媒体に対し記録時間
のオーバヘッドもそれほどなく、線速度一定のCLV記
録だけでなくCAV記録でも信頼性のある最適記録パワ
ーで記録することができる。
【0055】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の情報記録再生装置において、ポーズ動作制御手段
は、情報記録再生媒体の種類と記録速度とに応じてポー
ズさせる周期又はポーズ動作の有無を切換え制御するよ
うにしたので、情報記録再生媒体毎に適正な周期で記録
パワーの調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の情報記録再生装置
の構成例を示すブロック図である。
【図2】光ディスクのエリア構成を示す断面図である。
【図3】追記時の記録パワーの設定処理例を示す概略フ
ローチャートである。
【図4】本発明の第二の実施の形態の記録パワーの設定
処理例を示す概略フローチャートである。
【図5】その処理内容を示す模式図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態の記録パワーの設定
処理例を示す概略フローチャートである。
【図7】その処理内容を示す模式図である。
【図8】本発明の第四の実施の形態の記録パワーの設定
処理例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
1 情報記録再生媒体 21 不揮発性記憶手段 S2 追記時試し書きパワー設定手段 S3 追記時試し書き手段 S4,S5 再生品質評価手段 S6 パワー校正設定手段 S12 試し書き手段 S13 リスタート時パワー設定手段 S14 リスタート動作制御手段 S15 消去手段 S16 ポーズ動作制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録再生媒体に照射する光を発する
    光源と、 前記情報記録再生媒体に対して過去に記録した時の前記
    光源の最適記録パワーに関する値を前記情報記録再生媒
    体に対応付けて記憶する不揮発性記憶手段と、 前記情報記録再生媒体に対する追記時に、前記光源の記
    録パワーに関する値を前記不揮発性記憶手段に記憶され
    た最適記録パワーに関する値に設定する追記時試し書き
    パワー設定手段と、 この追記時試し書きパワー設定手段により設定された最
    適記録パワーに関する値を用いて追記開始アドレスより
    後のデータ部領域に対して所定量の試し書きを行う追記
    時試し書き手段と、 この追記時試し書き手段により試し書きされたデータ部
    領域を再生してその品質を評価する再生品質評価手段
    と、 この再生品質評価手段による評価結果に応じて前記追記
    時試し書きパワー設定手段により設定された最適記録パ
    ワーに関する値を校正して追記開始アドレスより後のデ
    ータ部領域に対する追記時の前記光源の記録パワーに関
    する値を設定するパワー校正設定手段と、を備えること
    を特徴とする情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 情報記録再生媒体に対する記録中にポー
    ズし、一定時間経過後にそのポーズ個所からデータ書き
    込みをリスタートするポーズ/リスタート機能を有する
    情報記録再生装置であって、 前記情報記録再生媒体に照射する光を発する光源と、 前記ポーズ時に、リスタートにより次に記録するデータ
    部領域に対して前記光源の最適記録パワーに関する値を
    取得するための試し書きを行う試し書き手段と、 リスタート時の前記光源の記録パワーに関する値を前記
    試し書き手段により取得された前記光源の最適記録パワ
    ーに関する値に設定するリスタート時パワー設定手段
    と、 このリスタート時パワー設定手段により設定された最適
    記録パワーに関する値を用いて前記試し書き手段により
    試し書きしたデータ部領域を含めて記録をリスタートさ
    せるリスタート動作制御手段と、を備えることを特徴と
    する情報記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記試し書き手段による試し書きの終了
    後、その試し書きを行ったデータ部領域を直流イレース
    により消去する消去手段を備えることを特徴とする請求
    項2記載の情報記録再生装置。
  4. 【請求項4】 所定周期毎に強制的にポーズさせるポー
    ズ動作制御手段を備えることを特徴とする請求項2又は
    3記載の情報記録再生装置。
  5. 【請求項5】 前記ポーズ動作制御手段は、前記情報記
    録再生媒体の種類と記録速度とに応じてポーズさせる周
    期又はポーズ動作の有無を切換え制御するようにしたこ
    とを特徴とする請求項4記載の情報記録再生装置。
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