JP2004234781A - 光学的情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学的記録媒体にレーザ光を照射するレーザ発光制御手段と、記録時の装置内温度を計測する温度計測手段と、前記光学的記録媒体を識別するための識別データ記録手段と、光学的記録媒体からの戻り光の再生信号情報を復調する再生信号復調手段と、試し書き領域に試し書きをすることによって得られた記録パラメータと前記温度計測手段で測定した温度情報及び前記識別データを記録する第1の記憶手段と、記録しながらパワー制御動作時に、再生信号復調手段から位置情報検出手段により得られた記録位置情報と、データ記録における記録パラメータと、識別データおよび温度情報を記録する第2の記憶手段を有している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク等の記録媒体への情報の記録再生技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディスク等の媒体にレーザ光を照射してデータの記録を行う装置が各種実現されている。例えば、コンパクトディスク(CD)方式のディスクやDigital Versatile Disc(DVD)と呼ばれるディスクなどに、記録すべきデータによって変調されたレーザ光を照射し、データを記録する装置がある。
レーザ光によりデータ記録を行う場合には、例えば特開2000−251254号公報に記載されているように、レーザ光のパワー、具体的には、記録パワーや消去パワーが適切な値に設定されていなければならない(例えば、特許文献1参照)。このために、通常、記録装置では、OPC(オプティマムパワーコントロール)と呼ばれる最適レーザパワーの判別動作が行われる。このOPC動作は、ディスク上に用意された試し書き領域(テスト領域)に対してレーザパワーを変化させながらレーザ照射を行って試し書きを行い、その試し書き部分の再生情報の品質(例えばジッタ情報、エラーレート情報、アシンメトリ情報等)を監視することで、最適なレーザパワーを判別する動作となる。このようなOPC動作により、記録時に最適なレーザパワーによる記録動作が実現できる。
【0003】
試し書き領域は有限であり、例えばCD−RにおいてはOPCを100回行うだけの領域が存在する。CD−Rは追記型記録媒体であり、99トラックから構成されている。1トラック1回分のOPC領域は確保されているが、トラックを分割して追記を行ういわゆるパケットレコーディングにおいては100回以上の記録動作を行うことになるため、OPCも100回以上行う必要があるが、100回以上の追記動作においてはOPC領域が不足するため、OPC動作を行わずに記録することになる。この場合、温度等の環境条件や追記する装置の記録特性の差異により、OPC動作を行って記録されたデータよりも品質が落ちてしまう。またオーバーラート可能な記録媒体でも、OPC領域を繰り返し書き換えると記録特性が変化し、データ記録領域の記録特性と差異が生じ、OPCとしての役割が失われる恐れがある。
【0004】
そこで前記問題を解決するため、ディスクを識別するための識別データと、ディスクに該識別データを記録する際に用いる記録パラメータとを記録する不揮発性メモリと、ディスクに識別データが記録されていることを検出する手段とを有し、この検出結果により、ディスクに識別データが記録されている場合には、不揮発性メモリに前記記録記録媒体の識別データと同じ識別データが記録されている場合には、検出された識別データに対応して記録されている記録パラメータに基いて、データを記録するようにレーザ制御回路を動作させる。ディスクに識別データが記録されていない場合には、ディスクの識別データを定め、OPCを実行して記録パラメータを得、それに従いレーザ制御回路を動作させてデータの記録を行う(特許文献2参照)。これにより同一装置で同一ディスクに記録する場合はOPCを実行せずに、以前実行したOPCでの記録パラメータを不揮発性メモリより読出しで用いることができるので、追記時にOPCを実行なくとも、OPC実行時と同等品質のデータ記録ができる。
【0005】
またディスク記録膜厚の不均等やディスクの反りがあると、ディスクの最内周部の領域で実行するOPCにより得た記録パラメータがディスク全域で適正とは限らない。そのためCD−RやDVD−Rにおいては記録しながらパワー制御する記録パワー補正方法が提唱されている。記録しながらパワー制御は記録時にマークが形成されるとディスクからの戻り光を用いて記録パワーを制御するものである。ディスクからの戻り光は記録マークが形成されると徐々低下し、記録マークの後半部分で記録マーク形成状態と相関を持つレベル(以下Bレベルと称する)になることを利用して、記録パワーの制御を行う。OPC時に求めた適正な記録パワー時のBレベルを記憶しておき、記録中のBレベルがそのレベルに一致するように記録パワーを可変し、ディスク記録膜厚の不均等やディスクの反りなどの影響に対しても記録品質が劣ることが無いよう記録を行うことができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−251254号公報
【特許文献2】
特開平8−329469号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の技術では、装置の電源を切って、再び電源を入れて追記を行うような場合、記録しながらパワー制御で可変した記録パワーの情報が失われており、記録しながらパワー制御が追従するまで追記の先頭部は不適切な記録パワーでデータ記録がなされ、記録品質が低下する。
【0008】
本発明の目的はこれらの欠点を解決し、装置電源をオフからオンにした後、追記を行う場合、以前行ったOPCのパワー制御の結果を反映し、追記先頭部から適正な記録パワーでデータ記録ができる光学的情報記録再生技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明においては、試し書き時の環境条件と試し書きにより得られた記録パラメータおよび光ディスクの認識データをメモリに記録し、記録しながらパワー制御動作時のデータ記録における記録パラメータと記録位置情報を不揮発性メモリに記録し、ディスクに認識データが記録されていて、前記メモリおよび不揮発性メモリに認識データと一致している場合に追記を行う時は、前記メモリおよび不揮発性メモリに記録してある記録パラメータにより演算し、適正な記録パワーを設定する。
【0010】
第1の発明では、光学的情報記録再生装置は、記録媒体の試し書き領域に試し書きを行う手段と、前記試し書き再生手段から得られる試し書き再生情報をもとに、データ記録に最適なレーザ光のパワーを判別するレーザパワー判別手段と、記録中のレーザ光による記録媒体からの戻り光の情報を検出して前記記録中のレーザ光のパワーを制御する手段と、データを記録する位置情報検出手段と、ディスク識別情報を記録する手段と、前記レーザパワー判別手段により得られた最適記録パワー、前記記録中のレーザ光のパワーを制御する手段で得られたレーザパワーと試し書き時に求めた最適記録パワーとの変化量、前記位置情報検出手段により得られた位置情報、前記ディスク識別情報を記憶する記憶手段とを備える。
【0011】
第2の発明では、光学的情報記録再生装置は、光学的記録媒体にレーザ光を照射するレーザ発光制御手段と、記録時の装置内温度を計測する温度計測手段と、前記光学的記録媒体を識別するための識別データ記録手段と、前記光学的記録媒体からの戻り光の再生信号情報を復調する再生信号復調手段と、試し書きによって得られた記録パラメータ、前記温度計測手段で測定した温度情報、及び前記識別データを記録する第1の記憶手段と、記録しながらパワー制御動作時に再生信号復調手段から位置情報検出手段により記録位置情報を得、その情報、データ記録における記録パラメータ、前記識別データ、および前記温度情報とを記録する第2の記憶手段を有し、追記時には前記記録媒体に記録されている認識データと前記第1の記憶手段および第2の記憶手段に記録されている認識データが一致していることを確認し、一致している場合は前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段に記録されている記録パラメータより適正な記録パワーを演算手段で算出し、レーザ発光制御手段で算出した記録パワーとなるようにレーザ発光を制御する手段とを有する。
【0012】
第3の発明では、前記位置情報検出手段の代わりに、前記記録媒体の所定の位置に光ヘッドを移動させる手段より得られる情報から記録位置情報を検出する他の位置情報検出手段を有する構成とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い、図を参照して説明する。図1は本発明による光学的情報記録再生装置の第1の実施例を示す構成図である。本発明の光学的情報記録再生装置に装填される光ディスク1としては、例えば、CD−R、又はCD−RWなどのCD方式のディスクや、DVD(DIGITAL VERSATILE DISC)と呼ばれるディスクなどが考えられる。他の種類の光ディスクに対応した記録装置でも本発明は適用できるものである。光ディスク1はスピンドルモータ4により所定の回転数で回転している。レーザパワー制御回路6で所定の発光パワーに制御されたレーザ光は光ヘッド2から出射される。光ヘッド2はスレッド機構3および光ヘッド制御回路9で制御されるため、レーザ光は光ディスク1の所定の位置に集光される。光ディスク1からの反射光により、光ディスク1に記録された情報を検出することができる。検出した情報からは再生データであるRF信号と、CD−RやCD−RWではATIP、DVD−RやDVD−RWではLPP、DVD+RやDVD+RWではAZIP、DVD−RAMではPIDとなる位置情報であるアドレス信号と、光ヘッド制御用のフォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号であるサーボ誤差信号とが得られる。RF信号は再生信号復調回路11に入力され、アドレス情報はアドレス情報復調回路14に入力され、サーボ誤差信号はサーボ用信号検出回路8に入力される。なお、再生信号復調回路11からはディスクIDが出力され、装置制御回路12に入力される。光ヘッド制御回路9はサーボ用信号検出回路8から得られたサーボ誤差信号を装置制御回路12から指令に従ってフィルタ処理などを施し、光ヘッド2を制御し光ディスク1の所定の位置にレーザ光を集光させる。RF信号は再生信号復調回路11で復調され、装置制御回路12に入力される。
データ記録は装置制御回路12からの指令により光ヘッド制御回路9で光ヘッド2を制御し、記録する光ディスク1の所定の位置にレーザ光を集光させる。そして記録データは装置制御回路12から変調回路7に送られ、光ディスク1に記録するのに適したデータに変換され、記録データに応じてレーザ発光強度を変化させてディスク1にデータを記録する。
OPC情報検出回路13は記録パワーを可変しながら記録を行っている時とそのようにして記録を行った領域を再生する時の光ディスクからの反射光を電気信号に変換し、検出する回路である。
例えば、光ディスクがCD−Rの場合、該OPC情報検出回路13は記録時の反射光を電気信号に変換した信号の前記Bレベルを検出し、再生時には記録マークとスペースの反射光を電気信号に変換し、その直流成分を除いた信号のマークのレベルをA2、スペースのレベルをA1とすると、次式で定義されるβ値(又は、アシンメトリ値)を得る。
β=(|A1|−|A2|)/(|A1|+|A2|)
次に、光ディスク1がCD−Rの場合を例にとって本発明を説明する。初めて使用する光ディスク1においてはデータを適正に記録するには試し書き領域で記録速度を変えて試し書きを行い、試し書きされたデータを、β値等を用いて評価してレーザの適正な記録パワー(以下、最適記録パワーという)を得るというOPC(Optimum Power Calibration)を行う。OPCを行うことによって、最適記録パワーとその時のBレベルを得ることができる。OPCで求めた最適記録パワー、及びその時の条件として最適記録パワーにおける記録中のBレベル、温度センサ18から検出した温度情報、記録時の光ディスク1の回転数情報、及び前記光ディスク1を識別するための識別データであるディスクIDを第1のメモリ17に記録する。但し、同一条件での情報があれば、再度第1のメモリ17に記録する必要はない。尚、条件として前記事項以外の情報を加えてもかまわない。
【0014】
前記光ディスクにデータを記録した後、追記に必要なアドレス情報を光ディスク1のProgram Memory Area(PMA)に記録する。その際、光ディスク1を識別するための識別データを装置制御手段12から出力して、変調回路7で変調し、変調された識別データでレーザパワー制御回路6を制御し、レーザを駆動して光ディスク1のPMAに光ディスク識別データを記録する。さらに、データ記録時に、データを記録しながら、Bレベルが一定になるようにレーザパワー制御回路6を制御して最適記録パワーを得ながら記録するというOPC(以下、ROPCという。)を行う。ROPCを行いながら記録の記録が終了した場合、記録終了時における光ディスク1の記録位置情報であるアドレス情報と、その時の記録パワーと、OPCで求めた最適記録パワーの変化量と、Bレベルと、温度情報と、記録時の光ディスクの回転数情報と、識別データとを第2のメモリ16に記録する。本発明において、この変化量とは、OPCで求めた最適記録パワーとデータ記録における記録終了時の最適記録パワー値の比率、差分値又は差分量、又は記録パワーそのものであってもかまわない。尚、条件として前記事項以外の情報を加えてもかまわない。記録状態を把握するBレベル情報、温度情報および記録時の光ディスク1の回転数情報は加えた方がよい。特に、記録パワーは回転数の平方根に比例して変化するので必要である。さらにCD−Rのように常に内周から外周へ追記する場合は、新たに追記した場合に前の追記時の情報に上書きしても構わない。
【0015】
記録しながらパワー制御を動作して追記する場合、即ちROPCを行いながらデータを追記する場合、追記する光ディスク1の位置、又はアドレス情報、温度に応じた記録パワーを得、ROPCを行いながら記録することができれば、常に最適記録パワーで記録することができる。まず、光ディスク1を識別するための識別データであるディスクIDを光ディスク1から再生信号復調回路11から読出し、読み出された光ディスクIDが第1のメモリ17および第2のメモリ16に記録されている光ディスクIDと一致することを確認する。また、温度センサ18の温度情報が第1のメモリ17に記録されている温度情報と所定の範囲内ならば、OPCを実行せずに、第1のメモリ17に記録されている位置情報とその位置での最適記録パワーと前記第2のメモリ16に記録されているディスク位置情報とその位置における最適パワーの値または変化量を演算器19にて演算して記録パワーを設定し、装置制御回路12を経て前記レーザパワー制御回路6を動作させる。これにより追記位置から最適記録パワーで記録することができる。その後は、ROPCを行いながらデータ記録を行うことにより、最適記録パワーで記録することができる。
検出したディスクIDが第1のメモリ17に記録されていない場合やディスクIDが記録されていても前記温度センサ18の温度情報が第1のメモリ17に記録されている温度情報と所定の範囲内ない場合はOPCを実行し、得た最適パワーと前記第2のメモリ16のOPCとの変化量を前記演算器19にて演算して記録パワーを設定する。
第2のメモリ16に、同一ディスクIDのディスクについて、複数のOPCとの変化量が記録している場合は追記する条件を位置、光ディスク回転数、温度の順に重みを置き、現在データ記録する条件に最も近いデータを使用する。尚、条件の重みは前記した順に限らなくてもよい。またディスクIDが不一致の場合でも、同一記録ストラテジのディスクにおいては前記した第2のメモリ16の情報を用いて、記録パワーを設定した方が何もしない場合より、品質の良い記録を行える場合がある。従って、ディスクIDが一致しない場合でも、第2のメモリ16の情報を用いて記録パワーを設定するほうがよい。第1のメモリ17および第2のメモリ16は装置の電源が入り切りしても保持できるよう不揮発性メモリ、例えばEEPROMなどで構成される。
【0016】
本発明において、記録しながらパワー制御を動作せずに追記する場合、即ちROPCを行わない場合、光ディスク1を識別するための識別データが光ディスク1に記録されているか否かを検出し、検出したディスクIDが第1のメモリ17に記録されており、温度センサ18の温度情報が第1のメモリ17に記録されている温度情報と所定の範囲内ならば、OPCを実行せずに第1のメモリ17に記録されている最適記録パワー等の記録パラメータに基づきレーザパワー制御回路6を動作させる。そうでない場合はOPCを実行して、その結果を前記第1のメモリ17に記録する。尚、第1のメモリ17に条件の一致した情報があっても、OPC領域の使用状況を鑑みてOPCを実行してもかまわない。その場合、新たに実行したOPCの結果を既存の第1のメモリ17に記録してあるデータと書き換えても書き換えなくてもかまわない。
【0017】
以下、図2をもちいて、本発明により第1、第2のメモリ17、16に記録されているデータを用いる場合と、従来のやり方の比較について説明する。
図2はディスク記録位置とBレベル、記録パワーの関係を示す特性図であり、図2(a)は1枚のディスク全面に記録した場合のディスク記録位置に対するBレベルと記録パワーを示し、図2(b)は図1において、一旦光ディスクをイジェクトした後、追記をした場合のディスク記録位置に対するBレベルと記録パワーを示し、図2(c)は本発明を用いた場合のディスク記録位置に対するBレベルと記録パワーを示す。図2(a)〜図2(c)において、横軸は内周側から外周側のディスク記録位置を示し、第1の縦軸はBレベルを、第2の縦軸は記録パワーを示す。
図2(a)において、特性線201は記録パワーが制御されながら記録された場合のBレベルを、特性線202は記録パワーが制御されず、一定の記録パワーで記録した場合のBレベルを示す。特性線203は記録パワーを制御しながら記録した場合の記録パワーを示し、特性線204は記録パワーを制御せずに記録した場合の記録パワーを示す特性図である。記録パワーを制御せずに記録する場合、記録パワーは特性線204に示すように記録位置に係わらず略一定となる。この場合、Bレベルは特性線202に示すように徐々に減少する。これに対して、特性線201に示すように、Bレベルが一定になように、記録パワーを制御すると、記録パワーは適正な値に制御されるため、特性線203に示すように、光ディスクの内周から外周に掛けて増加する。
図2(b)は、OPCで求めたデータや記録パワーを制御しながら記録をした時のデータを利用することができない従来技術において追記を行った場合のBレベル及び記録パワーの特性線を示すもので、特性線205はBレベルを、特性線206は記録パワーを示す。この特性図では、光ディスクの内周側からBレベルが一定になるように記録パワーを制御して記録を行っているため、記録パワーは外周に行くほど増加する。点Aにおいて、光ディスクを記録再生装置からイジェクトした後、再度光ディスクを記録再生装置に装着して、追記を行う場合、試し書き領域において、試し書きを行い、OPCを行って、試し書き領域の線速度における最適な記録パワーを得る。ディスク位置Aにおいては、OPCによって得られた記録パワーで記録を開始し、最適な記録パワーの時に得られるBレベルになるように記録パワーを制御しながら記録を進める。従って、特性線205に示すように、Bレベルはディスク位置Aにおいて低下し、記録が進むに従って徐々に増加し、やがて所定の値になる。また、特性線206に示すように記録パワーはディスク位置Aにおいて低下し、記録が進むに従って徐々に増加し、やがて最適パワーになる。このように本発明を利用しない場合には、Bレベル及び記録パワーは光ディスクの追記位置において大きく変化し、記録品質が悪化する。
【0018】
図2(c)は図1の実施例で説明したように、第1のメモリ17にOPCで求めたデータが記録され、第2のメモリ16に記録を行いながら記録パワー制御した時のデータ(ROPCによるデータ)を記録した時のBレベル及び記録パワーを示す。特性線207はBレベルを示し、特性線208は記録パワーを示す。図1の実施例の技術を利用すると、ディスク位置Aにおいて、光ディスクがイジェクトされ、再度記録再生装置に装着され、ディスク位置Aから追記を始める場合、装着されたディスクのディスクIDと第1のメモリに記録されているディスク1Dとが一致し、温度センサ18からの温度情報と第1のメモリ17に記録されている温度情報が所定の範囲内にある場合には、第1のメモリ17に記録されているOPC時の最適パワーと第2のメモリ16に記録されている線速度又は記録位置に対する記録パワーの変化量を演算器19で演算することによって、追記位置Aにおける最適な記録パワーを得ることができる。このため、記録パワーを示す特性線208のように、不連続点がなく、外周に行くに従って増加する記録パワーで記録することができる。当然、Bレベルを示す特性線207も不連続点のない滑らかな略一定な値になる。
【0019】
本発明においては、第1のメモリ17に記録されているOPCによる記録パワーと第2のメモリに記録された最適記録パワーから光ディスクの記録位置における記録パワーを演算器19で線形近似し、その値を用いて、記録してもよい。
また、複数の温度の基に、試し書き領域においてOPCを行って、各温度における記録パワーを求め、この値から温度による記録パワーの変化係数を求め、この係数を用いて記録パワーの補正を行ってもよい。また、例えば、温度が1℃高くなった時(又は、1℃低くなった時の)の記録パワーの変化量、温度がn℃高くなった時(又は、n℃低くなった時の)の記録パワーの変化量をもとめ、これらの値から変化量を補正し、補正された値を用いて、例えば追記する光ディスク位置Aにおける記録パワーを演算器19で演算し、この値で、レーザパワー制御回路6を制御するようにしてもよい。
【0020】
次に、本発明の第2実施例について、図3を用いて説明する。
図3は本発明による光学的情報記録再生装置の第2の実施例を示す構成図である。図3において、図1と同じ構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。図1と異なる点は記録位置情報検出方法であり、スレッド機構3からのスレッド可動時の情報は記録位置検出回路20で位置情報に変換されて装置制御回路12に入力される。例えば、スレッド機構3が回転モータとギヤより構成されている場合、PMA記録位置を原点として、光ディスク1の記録する領域に移動した時の該回転モータの回転数から記録位置情報を検出する。モータの1回転が1mmとすると20.5回転ではPMAから外周に20.5mm移動した位置になる。これは検出したい位置情報の精度が光ディスクの記録領域を数十分割した領域が判別できる程度の精度を得ることができる。
第1の実施例では、光ディスク1からの再生信号により、アドレス情報復調回路14からATIPを復調して得るため、光ディスク1に付着した塵埃の影響や記録パワーの影響でアドレスが読み取りにくい場合があるので、位置検出20を設けることにより、ATIP復調して位置を検出するよりも、より確実に記録位置情報が得られる。
【0021】
以下、本発明の第3の実施例を、図4を用いて説明する。
【0022】
図4は本発明による光学的情報記録再生装置の第3の実施例を示す構成図である。図4において、図1と同じ構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。図1と異なる点は第2のメモリ16に記憶する内容を光ディスク1に記憶するようにしている。記録する情報は、光ディスク1を識別するための識別データの他に、記録パワーを制御しながら記録することによって得られた記録パワーとOPCで求めた最適記録パワーとの変化量と、Bレベルと、温度情報と、記録時の光ディスクの回転数情報とをデータ記録後に記録するPMAのデータの一部として光ディスク1に記録する。記録しながらパワー制御動作して追記する場合はPMAを再生して、記録パワーとOPCで求めた最適記録パワーとの変化量と、Bレベルと、温度情報と、記録時の光ディスクの回転数情報と得る。本発明を用いると特別に第2のメモリを必要としない。
【0023】
図4の実施例において、光ディスク1に記録されたROPCデータをOPCデータ生成回路21で読出して、装置制御回路12に一次的に記憶させる。このROPCデータと第1のメモリ17に記憶されているデータとを、図1の実施例で説明したように、演算器19で演算して、最適記録パワーになるように、レーザパワー制御回路6を制御する。
【0024】
図4の実施例において、第1のメモリ17に記憶する内容である、OPCで求めた最適記録パワー、及びその時の条件として最適記録パワーにおける記録中のBレベル、温度センサ18から検出した温度情報、記録時の光ディスク1の回転数情報をPMAのデータの一部として光ディスク1に記憶してもよい。この場合、光ディスク1に記録されているOPCデータと、ROPCデータとをOPC、ROPCデータ生成回路21で生成して装置制御回路12に入力して一次記憶する。一次記憶されたOPCデータとROPCデータとを用いて、図1の実施例に述べたように、追記記録位置での最適記録パワーを演算してれーザパワー制御回路6を制御することによって品質の優れた記録を行うことができる。本実施例では、第1のメモリ17を省略することができる。
【0025】
以上述べたように、本発明に係る光学的情報記録再生装置は光学的記録媒体にレーザ光を照射するレーザ発光制御手段と、記録時の装置内温度を計測する温度計測手段と、前記光学的記録媒体を識別するための識別データ記録手段と、光学的記録媒体からの戻り光の再生信号情報を復調する再生信号復調手段と、試し書きすることによって得られたデータと、記録しながら記録パワーを制御することによって得られたデーを記憶する手段を備えている。
また、本発明では、試し書き領域に試し書きをすることによって得られた記録パラメータと前記温度計測手段で測定した温度情報及び前記識別データを記録する第1の記憶手段と、記録しながらパワー制御動作時に、再生信号復調手段から位置情報検出手段により得られた記録位置情報と、データ記録における記録パラメータと、識別データおよび温度情報を記録する第2の記憶手段を有している。本発明によれば、追記時には光ディスクに記録されている認識データと第1の記憶手段および第2の記憶手段に記録されている認識データが一致している事を確認し、一致している場合は第1の記憶手段および第2の記憶手段に記録されている記録パラメータから適正な記録パワーを演算手段で算出し、レーザ発光制御手段で算出した記録パワーとなるようにレーザ発光を制御する。さらに第1の記憶手段および第2の記憶手段は不揮発性メモリを用いるので、光学的情報記録再生装置の電源の入り切りに係らず、記録しながらパワー制御での記録パワー制御の結果を次に追記する場合に反映させることができるので、追記の初めから適正な記録パワーで記録が行われ、常に記録データの品質を保つことが可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、試し書きによって得られたデータや記録しながら記録パワーを制御することによって得られたデータを保存することができるので、追記の初めから適正な記録パワーで記録を行うことができる。
また、記録データの品質を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学的情報記録再生装置の第1の実施例を示す構成図である。
【図2】ディスク記録位置とBレベル、記録パワーの関係を示す特性図である。
【図3】本発明による光学的情報記録再生装置の第2の実施例を示す構成図である。
【図4】本発明による光学的情報記録再生装置の第3の実施例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…光ディスク、2…光ヘッド、6…レーザパワー制御回路、7…変調回路、11…再生信号復調回路、12…装置制御回路、13…OPC情報検出回路、14…アドレス情報復調回路、16…長第2のメモリ、17…第1のメモリ、18…演算器、19…演算器、21…OPC、ROPCデータ生成回路。
Claims (7)
- 記録媒体の試し書き領域に試し書きを行う手段と、前記試し書き再生手段から得られる試し書き再生情報をもとに、データ記録に最適なレーザ光のパワーを判別するレーザパワー判別手段と、記録中のレーザ光による記録媒体からの戻り光の情報を検出して前記記録中のレーザ光のパワーを制御する手段と、データを記録する位置情報検出手段と、ディスク識別情報を記録する手段と、前記レーザパワー判別手段により得られた最適記録パワー、前記記録中のレーザ光のパワーを制御する手段で得られたレーザパワーと試し書き時に求めた最適記録パワーとの変化量、前記位置情報検出手段により得られた位置情報、前記ディスク識別情報を記憶する記憶手段とを備えることを特徴とする光学的情報記録再生装置。
- 請求項1記載の光学的情報記録再生装置において、前記記憶手段は第1、第2の記憶手段を備え、前記第1の記憶手段に前記最適記録パワーを記憶し、前記第2の記憶手段に、前記変化量と、前記位置情報と、前記ディスク識別情報とを記憶することを特徴とする光学的情報記録再生装置。
- 記録媒体の試し書き領域に高パワーのレーザ光を照射して試し書き情報の記録を行う試し書き記録手段と、前記試し書き領域に低パワーのレーザ光を照射して試し書き情報を再生する試し書き再生手段と、前記試し書き再生手段から得られる試し書き再生情報をもとに、データ記録に最適なレーザ光のパワーを判別するレーザパワー判別手段と、記録中の高パワーのレーザ光による記録媒体からの戻り光の情報を検出する手段と、前記検出情報により記録中のレーザ光のパワーを制御する手段と、データを記録する位置情報検出手段と、ディスク識別情報を記録する手段と、前記レーザパワー判別手段により得られた最適記録パワーを記憶する第1の記憶手段と、前記記録中のレーザ光のパワーを制御する手段で得られたレーザパワーと試し書き時に求めた最適記録パワーとの変化量、前記位置情報検出手段により得られた位置情報、および前記ディスク識別情報を記憶する第2の記憶手段とを備えることを特徴とする光学的情報記録再生装置。
- 請求項2または3記載の光学的情報記録再生装置において、追記記録を行う場合、追記するディスクが前記第2の記憶手段のディスク識別情報に存在し、第2の記憶手段に記録されている前記温度情報および前記記録終了領域の位置情報が前記追記記録の状態が予め設定してある範囲内と同一である場合、前記記録終了前の記録パワー情報に基づき記録パワーを設定することを特徴とする光学的情報記録再生装置。
- 請求項4記載の光学的情報記録再生装置において、追記するディスクが第2の記憶手段のディスク識別情報に存在し、前記予め設定してある範囲内と同一でない場合で、前記記録終了領域の位置情報が2個以上ある場合、既知の情報より補間演算を行い、当該温度および追記記録位置の記録パワーを求めることを特徴とする光学的情報記録再生装置。
- 請求項2または3記載の光学的情報記録再生装置において、第2の記憶手段は不揮発性メモリであることを特徴とする光学的情報記録再生装置。
- 請求項2または3記載の光学的情報記録再生装置において、前記第1及び前記第2の記憶手段のいずれか一方、又は両方の記憶手段は前記記録媒体であり、前記記録媒体において、追記の時に必要なアドレス情報を一時保管する領域に記憶し、追記する場合、前記記憶媒体から再生したデータを用いて、記録パワーを設定することを特徴とする光学的情報記録再生装置。
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