JP2001304340A - 防振部材およびその製造方法 - Google Patents

防振部材およびその製造方法

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JP2001304340A
JP2001304340A JP2000116297A JP2000116297A JP2001304340A JP 2001304340 A JP2001304340 A JP 2001304340A JP 2000116297 A JP2000116297 A JP 2000116297A JP 2000116297 A JP2000116297 A JP 2000116297A JP 2001304340 A JP2001304340 A JP 2001304340A
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vibration isolating
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Takashi Yamanaka
隆史 山中
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OSHITANI SANGYO KK
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OSHITANI SANGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業環境の汚染を防いだ上で生産性を向上さ
せ得るとともに、保護環の振動吸収部材からの剥がれを
確実に防止することができるようにする。 【解決手段】 自軸心回りに回転する駆動軸の芯振れを
吸収して振動を抑える防振部材1であって、環状のベア
リングを介して駆動軸に外嵌される弾性部材製の振動吸
収部材2と、この振動吸収部材2の外周面に付設される
金属製の保護環3とからなり、上記保護環3は、その全
周に亘って径方向に向けて凹設された環状溝を有し、こ
の環状溝には、溝底に1または複数の貫通孔が穿設され
ているとともに、振動吸収部材2と同一材料で形成され
た鉢巻き部材4が設けられ、この鉢巻き部材4と振動吸
収部材2とは、上記貫通孔を介して上記弾性部材により
互いに一体に結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自軸心回りに回転
する回転軸の芯振れを吸収して振動を抑える防振部材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図6に示すような防振部材100
が知られている。この防振部材100は、例えば電動機
Mの駆動軸M1に、ベアリングBを介して外嵌されるも
のであり、環状のゴム製振動吸収部材101と、この振
動吸収部材101の外周面に取り付けられた金属製の保
護環102とからなっている。振動吸収部材101の中
心位置には、駆動軸M1と同心で嵌挿孔103が穿設さ
れ、駆動軸M1はこの嵌挿孔103にベアリングBを介
して嵌め込まれている。
【0003】上記保護環102は、振動吸収部材101
の外周長と同一の長さ寸法を有する長尺の板状体を、接
着剤を介して振動吸収部材101の外周面に巻き付ける
ことによって形成されている。保護環102の幅方向の
中央位置には、径方向に中心に向かって凹設された環状
溝104が設けられ、この環状溝104の存在で保護環
102は構造的に丈夫なものになっている。
【0004】このような防振部材100は、それを内嵌
する接続金具M3を介してボルト止めで電動機Mに固定
されている。
【0005】かかる防振部材100によれば、電動機M
の駆動で回転する駆動軸M1にたとえ僅かではあっても
その芯狂いに等に起因した芯振れが存在した場合、この
芯振れは振動吸収部材101の弾性変形によって吸収さ
れるため、芯振れが電動機Mを介して外部に伝達される
ことに起因した機器の振動が有効に防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の防振部材100にあっては、振動吸収部材10
1の外周面に接着剤を介して保護環102を巻き付けな
ければならず、一々行う接着剤の塗布作業および保護環
102の巻き付け作業が面倒であるばかりか、接着剤が
固化するまで保護環102の巻き付け状態を外圧を加え
て維持しなければならず、生産性が劣るという問題点を
有していた。
【0007】また、接着剤としては、通常、クロロプレ
ン系のものが用いられるが、クロロプレン系の接着剤か
らは溶剤であるクロロプレンが揮発して作業環境を汚染
するという問題点を有していた。
【0008】さらに、防振部材100の使用に際して
は、駆動軸M1の度重なる振動を受けることによる接着
剤の劣化によって保護環102が振動吸収部材101か
ら剥がれることがあるという問題点も存在する。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、作業環境の汚染を防いだ上
で生産性を向上させ得るとともに、保護環の振動吸収部
材からの剥がれを確実に防止することができる防振部材
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
自軸心回りに回転する回転軸の芯振れを吸収して振動を
抑える防振部材であって、環状の摩擦低減部材を介して
回転軸に外嵌される弾性部材製の振動吸収部材と、この
振動吸収部材の外周面に付設される金属製の保護環とか
らなり、上記保護環は、その全周に亘って径方向に向け
て凹設された環状溝を有し、この環状溝には、溝底に1
または複数の貫通孔が穿設されているとともに、上記振
動吸収部材と同一材料で形成された鉢巻き部材が設けら
れ、この鉢巻き部材と上記振動吸収部材とは、上記貫通
孔を介して上記弾性部材により互いに一体に結合されて
いることを特徴とするものである。
【0011】この発明によれば、振動吸収部材の外周面
に取り付けられた保護環は、その環状溝内に設けられた
鉢巻き部材によって取り巻かれているとともに、鉢巻き
部材は保護環に穿設された貫通孔を介して振動吸収部材
と一体に結合されているため、振動吸収部材への装着状
態が確実なものとなっており、度重なる回転軸からの振
動を受けることによっても振動吸収部材から剥がれるよ
うな不都合が確実に防止される。
【0012】また、防振部材の製造に際しては、所定の
金型のキャビティ内に予め保護環を装填しておき、引き
続き金型内に振動吸収部材の原料である流動状態の弾性
部材の原料を注入する、いわゆる一体成形法を採用する
ことにより、キャビティ内に注入された流動状態の原料
は、保護環の環状溝の溝底に穿設された貫通孔を通って
環状溝内に導入され、これによって振動吸収部材と一体
に鉢巻き部材が形成されるため、保護環を接着剤を介し
て振動吸収部材の外周面に貼り付ける面倒な従来の方法
に比べて防振部材の製造が容易になり、生産性が向上す
る。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記回転軸は、電動機の駆動軸であること
を特徴とするものである。
【0014】この発明によれば、電動機の駆動による駆
動軸の駆動回転で生じる振動は、振動吸収部材の弾性変
形によって吸収されて外部への伝達が抑制されるため、
電動機を用いた機器の振動が確実に防止される。従っ
て、電動機を用いる各種の機器、例えばエアーコンディ
ショナーや冷蔵庫等の電気製品の電動機や各種の生産設
備の電動機に防振部材を適用することにより、室内を電
動機の駆動による騒音から守ることが可能になる。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、上記摩擦低減部材は、ベアリング
であることを特徴とするものである。
【0016】この発明によれば、ベアリングの存在で振
動吸収部材に対する回転軸の回転が円滑に行われる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の発明において、上記振動吸収部材は、
ゴムまたはエラストマーであることを特徴とするもので
ある。
【0018】この発明によれば、ゴムまたはエラストマ
ーの備えた良好な弾力性によって、回転軸の回転による
振動が確実に吸収される。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の防振部材を製造する防振部材の製造方
法であって、上記防振部材の外形に対応したキャビティ
を有する金型に上記保護環を装填した状態で、溶融した
上記弾性部材の原料を注入し、この原料の固化後に防振
部材をキャビティから取り出すことを特徴とするもので
ある。
【0020】この発明によれば、防振部材の外形に対応
したキャビティを有する金型内に予め保護環を装填して
おき、引き続き金型内に振動吸収部材の原料である流動
状態の弾性部材の原料を注入する、いわゆる一体成形法
を採用することにより、キャビティ内に注入された流動
状態の原料は、保護環の環状溝の溝底に穿設された貫通
孔を通って環状溝内に導入され、これによって振動吸収
部材と一体に鉢巻き部材が形成されるため、保護環を接
着剤を介して振動吸収部材の外周面に貼り付ける面倒な
従来の方法に比べて防振部材の製造が容易になり、生産
性が向上する。
【0021】また、かかる方法で鉢巻き部材を形成させ
ることにより、鉢巻き部材は、保護環の貫通孔を介して
振動吸収部材と一体になっているため、保護環に対する
巻き付け状態が確実なものになり、度重なる回転軸の振
動を受けても剥がれるような不都合が確実に回避され
る。
【0022】また、接着剤を用いることなく保護環を振
動吸収部材に付設することができるため、従来のように
接着剤から揮発した溶剤によって作業環境が汚染される
ような不都合が回避される。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る防振部材の
一実施形態を示す一部切欠き斜視図であり、図2は、そ
のA−A線断面図である。また、図3は、保護環の一実
施形態を示す斜視図であり、図4は、防振部材が電動機
に装着された状態を示す斜視図である。これらの図に示
すように、防振部材1は、ゴム製の環状の振動吸収部材
2と、この振動吸収部材2の外周面に全周に亘って付設
された保護環3と、この保護環3に鉢巻き状に付設され
た鉢巻き部材4とからなる基本構成を有している。
【0024】上記振動吸収部材2は、保護環3が装着さ
れる円筒状の振動吸収部材本体21と、この振動吸収部
材本体21の一端面から同心で外方に向かって延設され
た装着筒22とからなっている。装着筒22は、防振部
材1を電動機M(図4)に装着するときに用いる部分で
ある。かかる振動吸収部材本体21および装着筒22に
は、各中心位置に突設された電動機Mの駆動軸M1に、
ベアリングBを介して外嵌される装着孔23が穿設され
ている。
【0025】かかる振動吸収部材2の材料としては、S
BR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴ
ム)、IR(イソプレンゴム)、EPM(エチレンプロ
ピレン共重合体ゴム)、EPDM(エチレンプロピレン
ジエン共重合体ゴム)、NBR(アクリルニトリル共重
合体ゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IIR(ブチ
ルゴム)、U(ウレタンゴム)、シリコーンゴム等の合
成ゴムや、各種の天然ゴム、あるいはスチレン系、オレ
フィン系、ポリエステル系、ポリブタジエン系等の熱可
塑性エラストマーが好適に使用される。本実施形態にお
いては、成形処理が容易な熱可塑性のエラストマーを採
用している。
【0026】熱可塑性エラストマーは、常温では通常の
加硫ゴムと同様の弾力性を有しているが、高温では、熱
可塑性合成樹脂と同様に軟化溶融する性質を有している
ため、既存の射出成形器を用いて成形することが可能で
あり、ゴムの場合に必要な加熱による加硫処理を施す必
要がないことから、本実施形態においては、熱可塑性エ
ラストマーを振動吸収部材2の原料として用いている
が、本発明は、振動吸収部材2の原料がエラストマーで
あることに限定されるものではなく、合成ゴムや天然ゴ
ムであってもよい。
【0027】上記保護環3は、振動吸収部材2の外周面
を保護するとともに、駆動軸M1の芯振れによる保護環
3の周期的な弾性変形を保護環3内に閉じ込め、これに
よって振動吸収部材2に振動抑制作用を最大限に発揮さ
せる役割を果たすものである。かかる保護環3は、図3
および図4に示すように、振動吸収部材本体21の外周
面の周長と同一か、僅かに短い長さ寸法を有する帯状の
金属板を円形に湾曲させることによって形成され、一方
の端部にはV字状切込み31が形成されている一方、他
方の端部にはこのV字状切込み31に対応したV字状端
部32が形成され、このV字状端部32が上記V字状切
込み31に嵌め合わされることによって保護環3は横ず
れがない状態で環状を形成し得るようになっている。
【0028】このような保護環3の幅方向の中央部に
は、径方向の中心側に向かって全周に亘り凹設された環
状溝33が形成されている。この環状溝33の溝底に
は、図3に示すように、周方向に所定ピッチで複数の貫
通孔34が穿設されている。本実施形態においては、周
方向に45°の角度ピッチで8個の貫通孔34が設けら
れている。
【0029】上記鉢巻き部材4は、振動吸収部材2と同
一の材料によって環状溝33に嵌り込んだ状態で形成さ
れている。かかる鉢巻き部材4は、所定の金型内に保護
環3を装填した状態で金型のキャビティ内に流動状態の
成形原料(熱可塑性プラストマー)を注入する、いわゆ
る一体射出成形を行ったときに、キャビティ内の保護環
3の内側に導入された成形原料が貫通孔34を通って環
状溝33に流れ込むことによって形成されている。従っ
て、防振部材1が仕上がった状態では、保護環3の環状
溝33に形成された鉢巻き部材4は貫通孔34を介して
振動吸収部材2と一体になっており、保護環3はこの鉢
巻き部材4によって外れ止めされた状態で振動吸収部材
本体21に装着されている。
【0030】このような防振部材1は、図4に示すよう
に、駆動軸M1がベアリングBを介して装着孔23に挿
通された状態で、接続金具M3を介して電動機Mにボル
ト止めで固定される。接続金具M3は、内径寸法が振動
吸収部材2の装着筒22の外径寸法と略等しい環状の金
具本体M4と、この金具本体M4から外方(図4の左
方)に向けて突出した環状係止突条M5と、金具本体M
4の外周部から径方向の外方に向かって周方向等ピッチ
で突設された複数のボルト座M6とを備えて形成され、
各ボルト座M6に挿通したボルトVを電動機Mの正面に
螺着することによって接続金具M3が電動機Mに固定さ
れるようになっている。
【0031】上記環状係止突条M5は、その内径寸法が
振動吸収部材2の装着筒22の外径寸法より若干小さめ
に寸法設定され、装着筒22をこの環状係止突条M5に
圧入することによって、防振部材1が金具本体M4を介
して電動機Mに取り付けられた状態になるようにしてい
る。
【0032】このようにして防振部材1を電動機Mに取
り付けるとともに、駆動軸M1をベアリングBを介して
防振部材1の装着孔23に貫通させることにより、防振
部材1の電動機Mへの装着が完了する。そして、防振部
材1が電動機Mに取り付けられた状態で電動機Mの駆動
で駆動軸M1を回転させ、この回転による芯振れで駆動
軸M1が振動しても、この振動は電動機Mに固定された
防振部材1の振動吸収部材2の弾性変形によって吸収さ
れるため、振動が外部に伝達されることはなく、従っ
て、周りの機器の共振によって騒音が発生する等の不都
合の発生が確実に防止される。
【0033】図5は、防振部材1の製造方法の一実施形
態を説明するための説明図であり、(イ)は、金型のキ
ャビティ内に保護環3を装填する直前の状態、(ロ)
は、金型のキャビティ内に成形原料を射出しつつある状
態、(ハ)は、金型のキャビティ内に防振部材1が形成
された状態をそれぞれ示している。
【0034】まず、金型5について説明する。図5に示
すように、金型5は、保護環3の外径寸法より僅かに大
きい内径寸法を備えた平面視で円形の下型キャビティ6
1を有する下型51と、上記下型キャビティ61に対向
した上型キャビティ62を有する上型52とを備えて構
成されている。上型キャビティ62は、振動吸収部材2
の装着筒22用のものである。
【0035】そして、上型52を下型51上に積層する
ことにより、金型5内に下型キャビティ61と上型キャ
ビティ62とで防振部材1を製造するためのキャビティ
6が形成されるようになっている。また、上型52の適
所には、成形原料Xをキャビティ6内に導入するための
原料導入孔53が穿設されている。
【0036】以下防振部材1の製造について説明する。
防振部材1を製造するに際しては、まず、図5の(イ)
に示すように、上型52を下型51から外した状態で、
保護環3を下型キャビティ61内に装填する。
【0037】ついで、上型52を下型51上に被せて図
略の締結手段により両型51,52を互いに固定する。
引き続き、図5の(ロ)に示すように、原料導入孔53
を介してキャビティ6内に成形原料Xを注入する。こう
することによって、キャビティ6内に導入された加熱流
動状態の成形原料Xは、まず保護環3内を満たしていく
とともに、保護環3内に所定量(約半量)の成形原料X
が装填されると、成形原料Xは保護環3の貫通孔34を
通って環状溝33に流れ込む。
【0038】そして、キャビティ6内が成形原料Xで満
たされると、キャビティ6内への成形原料Xの注入が停
止される。この状態では、図5の(ハ)に示すように、
キャビティ6内に振動吸収部材2が形成されるととも
に、下型キャビティ61内における保護環3の環状溝3
3に鉢巻き部材4が形成された状態になっている。
【0039】この状態の金型5を冷却することにより、
キャビティ6内に成形原料Xが固化した防振部材1が形
成される。そして、金型5が所定温度以下にまで冷却さ
れた後、上型キャビティ62を開放して防振部材1をキ
ャビティ6から取り出すことにより、図1に示すような
防振部材1を得ることができる。
【0040】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0041】(1)上記の実施形態においては、防振部
材1が取り付けられる回転軸として電動機の駆動軸M1
が採用されているが、本発明は防振部材1を電動機の駆
動軸M1に適用することに限定されるものではなく、電
化製品や製造設備の各種の機器内に設けられるあらゆる
回転軸に適用可能である。
【0042】(2)上記の実施形態においては、駆動軸
(回転軸)M1と防振部材1との間に介設される摩擦低
減部材としてベアリングBが採用されているが、ベアリ
ングBに代えて多孔質の焼結製品に潤滑オイルを含侵さ
せた、いわゆる滑り軸受を採用してもよいし、通常の軸
受であってもよい。但し、通常の軸受の場合は、所定期
間毎に潤滑オイルの給油を行う等のメンテナンスが必要
である。
【0043】(3)上記の実施形態においては、振動吸
収部材2に熱可塑性のエラストマーが採用されている
が、本発明は、振動吸収部材2が熱可塑性のエラストマ
ーであることに限定されるものではなく、例えば、ポリ
オールとイソシアネートとから製造されるような熱硬化
性のものでもよい。但し、熱硬化性のエラストマーを用
いる場合は、金型5のキャビティ6内にエラストマーの
原料を装填してから、金型5を介してエラストマーの原
料に加熱処理を施す必要がある。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、振動吸収
部材の外周面に取り付けられた保護環は、その環状溝内
に設けられた鉢巻き部材によって取り巻かれているとと
もに、鉢巻き部材は保護環に穿設された貫通孔を介して
振動吸収部材と一体に結合されているため、振動吸収部
材への装着状態が確実なものとなっており、度重なる回
転軸からの振動を受けることによっても振動吸収部材か
ら剥がれるような不都合を確実に防止することができ
る。
【0045】また、防振部材の製造に際しては、所定の
金型のキャビティ内に予め保護環を装填しておき、引き
続き金型内に振動吸収部材の原料である流動状態の弾性
部材の原料を注入する、いわゆる一体成形法を採用する
ことにより、キャビティ内に注入された流動状態の原料
は、保護環の環状溝の溝底に穿設された貫通孔を通って
環状溝内に導入され、これによって振動吸収部材と一体
に鉢巻き部材が形成されるため、保護環を接着剤を介し
て振動吸収部材の外周面に貼り付ける面倒な従来の方法
に比べて防振部材の製造が容易になり、生産性を向上さ
せることができる。
【0046】請求項2記載の発明によれば、電動機の駆
動軸に防振部材を装着するようにしたため、電動機の駆
動による駆動軸の駆動回転で生じる振動は、振動吸収部
材の弾性変形によって吸収されて外部への伝達が抑制さ
れ、電動機を用いた機器の振動を確実に防止することが
できる。従って、例えばエアーコンディショナーや冷蔵
庫等の電気製品の電動機や各種の生産設備の電動機に防
振部材を適用することにより、室内を電動機駆動による
騒音から守ることができる。
【0047】請求項3記載の発明によれば、防振部材と
回転軸との間に摩擦低減部材としてのベアリングを介設
したため、ベアリングの存在で振動吸収部材に対する回
転軸の回転を円滑に行わせることができる。
【0048】請求項4記載の発明によれば、振動吸収部
材としてゴムまたはエラストマーを用いたため、ゴムや
エラストマーの備えた良好な弾力性によって振動吸収部
材に回転軸の回転による振動を確実に吸収させることが
できる。
【0049】請求項5記載の発明によれば、防振部材の
外形に対応したキャビティを有する金型に保護環を装填
した状態で、溶融した弾性部材の原料を注入し、この原
料の固化後に防振部材をキャビティから取り出すように
したため、防振部材の外形に対応したキャビティを有す
る金型内に予め保護環を装填しておき、引き続き金型内
に振動吸収部材の原料である流動状態の弾性部材の原料
を注入する、いわゆる一体成形法を採用することによ
り、キャビティ内に注入された流動状態の原料は、保護
環の環状溝の溝底に穿設された貫通孔を通って環状溝内
に導入され、これによって振動吸収部材と一体に鉢巻き
部材が形成され、保護環を接着剤を介して振動吸収部材
の外周面に貼り付ける面倒な従来の方法に比べて防振部
材の製造が容易になり、生産性を向上させることができ
る。
【0050】また、かかる方法で鉢巻き部材を形成させ
ることにより、鉢巻き部材は、保護環の貫通孔を介して
振動吸収部材と一体になっているため、保護環に対する
巻き付け状態が確実なものになり、度重なる回転軸の振
動によっても剥がれるような不都合を確実に回避するこ
とができる。
【0051】また、接着剤を用いることなく保護環を振
動吸収部材に付設することができるため、従来のように
接着剤から揮発した溶剤によって作業環境が汚染される
ような不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振部材の一実施形態を示す一部
切欠き斜視図である。
【図2】図1に示す防振部材のA−A線断面図である。
【図3】保護環の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】防振部材が電動機に装着された状態を示す斜視
図である。
【図5】防振部材の製造方法の一実施形態を説明するた
めの説明図であり、(イ)は、金型のキャビティ内に保
護環を装填する直前の状態、(ロ)は、金型のキャビテ
ィ内に成形原料を射出しつつある状態、(ハ)は、金型
のキャビティ内に防振部材が形成された状態をそれぞれ
示している。
【図6】従来の防振部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 防振部材 2 振動吸収部材 21 振動吸収部材本体 22 装着筒 23 装着孔 3 保護環 31 V字状切込み 32 V字状端部 33 環状溝 34 貫通孔 4 鉢巻き部材 5 金型 51 下型 52 上型 53 原料導入孔 6 キャビティ 61 下型キャビティ 62 上型キャビティ M 電動機 M1 駆動軸 M3 接続金具 M4 金具本体 M5 環状係止突条 X 成形原料 B ベアリング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自軸心回りに回転する回転軸の芯振れを
    吸収して振動を抑える防振部材であって、環状の摩擦低
    減部材を介して回転軸に外嵌される弾性部材製の振動吸
    収部材と、この振動吸収部材の外周面に付設される金属
    製の保護環とからなり、上記保護環は、その全周に亘っ
    て径方向に向けて凹設された環状溝を有し、この環状溝
    には、溝底に1または複数の貫通孔が穿設されていると
    ともに、上記振動吸収部材と同一材料で形成された鉢巻
    き部材が設けられ、この鉢巻き部材と上記振動吸収部材
    とは、上記貫通孔を介して上記弾性部材により互いに一
    体に結合されていることを特徴とする防振部材。
  2. 【請求項2】 上記回転軸は、電動機の駆動軸であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の防振部材。
  3. 【請求項3】 上記摩擦低減部材は、ベアリングである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の防振部材。
  4. 【請求項4】 上記振動吸収部材は、ゴムまたはエラス
    トマーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の防振部材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の防振
    部材を製造する防振部材の製造方法であって、上記防振
    部材の外形に対応したキャビティを有する金型に上記保
    護環を装填した状態で、溶融した上記弾性部材の原料を
    注入し、この原料の固化後に防振部材をキャビティから
    取り出すことを特徴とする防振部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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