JP2001304072A - コモンレール式燃料噴射装置 - Google Patents

コモンレール式燃料噴射装置

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JP2001304072A
JP2001304072A JP2000118944A JP2000118944A JP2001304072A JP 2001304072 A JP2001304072 A JP 2001304072A JP 2000118944 A JP2000118944 A JP 2000118944A JP 2000118944 A JP2000118944 A JP 2000118944A JP 2001304072 A JP2001304072 A JP 2001304072A
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fuel
pressure
chamber
injection
piston
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Yasushi Katsurayama
裕史 葛山
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 燃料の噴射率を、燃料の噴射時には緩やかに
上昇させ、燃料の噴射終了時には急激に低下させること
ができるコモンレール式燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】 増圧式噴射器1において、燃料増圧室1
9は圧抜き経路11、凹部10、連通孔13、中空部1
2及びバイパス通路14を経由して放圧部3と連通して
いる。凹部10内に配置されたボール弁17は、燃料の
噴射時には凹部10と圧抜き経路11の連通を遮断し、
噴射終了時には凹部10と圧抜き経路11を連通する。
従って、噴射時には噴射率は緩やかに立ち上がり、閉弁
動作時には燃料増圧室19内の燃料が放圧部3に流出す
るので、噴射口28を早く閉じることができ、噴射率は
急激に低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コモンレール式燃
料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、ディーゼルエンジンにおいてコモ
ンレール式燃料噴射装置が注目を集めている。コモンレ
ール式燃料噴射装置とは、高圧な作動流体を蓄えたコモ
ンレールから同作動流体を噴射器に圧送し、同作動流体
によって噴射器を作動させるものである。
【0003】又、噴射器には、予め所定圧力まで増圧し
ておいた燃料を噴射するタイプの蓄圧式と、噴射時に燃
料を加圧して噴射するタイプの増圧式とが提案されてい
る。例えば、蓄圧式噴射器は、特開平10―18934
号公報に記載されていると共に、増圧式噴射器は、特開
平10―110658号公報に記載されている。
【0004】特開平10―18934号公報に記載され
た蓄圧式噴射器は、予め燃料を増圧してあるので、図8
に示すように、燃料の噴射時には燃料の噴射率が急激に
立ち上がり、又、噴射終了時には増圧燃料の圧力を利用
できるので、急激に噴射率が低くなる。
【0005】一方、特開平10―110658号公報に
記載された増圧式噴射器は、一つの電磁ソレノイドによ
って、ピンスプールバルブ及びインテンシファイヤーバ
ルブの2つのバルブを共に制御しようとするものであ
る。この増圧式噴射器は、噴射時に増圧するので、図9
に示すように、燃料の噴射時の燃料の噴射率の立ち上が
りが緩やかとなり、又、噴射終了時においては増圧燃料
の圧力が利用できず、噴射弁に設けた戻りばねのばね力
のみにより噴射弁の閉弁を行うので、噴射率の低下は緩
やかとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の蓄圧式と増圧式の燃料噴射装置は、いずれも排気ガ
スを最適な状態にできない等の問題がある。
【0007】具体的には、エンジンの特性上、燃料の噴
射時においては燃料の噴射率は急激に上昇するよりも、
緩やかに上昇した方が、NOXや燃焼騒音、振動の発生
を抑制することができる。又、燃料の噴射終了時におい
ては燃料の噴射率を緩やかに低くするよりも、急激に低
くした方が、未燃燃料やパティキュレートの発生を抑制
することができる。
【0008】これに対し、上記蓄圧式は、噴射時におけ
る燃料の噴射率が急激に高くなりすぎる。又、上記増圧
式は噴射停止時における燃料の噴射率の低下が遅すぎ
る。
【0009】このように、従来の蓄圧式、増圧式には、
燃料の噴射時あるいは噴射終了時のいずれかにおいて問
題があった。
【0010】そこで、図10に示すように、噴射時には
増圧式のように緩やかに噴射率が増加し、噴射停止時に
は蓄圧式のように急激に噴射率が低下するという特性を
有する燃料噴射装置の開発が望まれていた。
【0011】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、燃料の噴射率を、燃料の噴射時には緩や
かに上昇させ、燃料の噴射終了時には急激に低下させる
ことができるコモンレール式燃料噴射装置を提供しよう
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、噴射器内に配置された増圧ピストンの両端に加圧室
と燃料増圧室が形成され、燃料の噴射時には、作動流体
を蓄えたコモンレールより、該作動流体を前記加圧室に
流入させて増圧ピストンを付勢して、燃料増圧室内の燃
料を加圧することで燃料を噴射し、噴射終了時には、加
圧室内の作動流体を流出させ、増圧ピストンによる燃料
増圧室内の燃料の加圧を終了させることで燃料の噴射を
終了させる内燃機関のコモンレール式燃料噴射装置にお
いて、前記噴射器に、前記燃料増圧室内の燃料を外部に
流出させる通路を形成し、噴射時には当該通路の連通を
遮断し、噴射終了時には当該通路を連通させる切り換え
手段を設けたことをその要旨とした。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のコモンレール式燃料噴射装置において、前記切り換え
手段は、噴射器に流入される作動流体によって制御され
ることをその要旨とした。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載のコモンレール式燃料噴射装置において、
前記増圧ピストン内に前記通路設けると共に、該増圧ピ
ストン内に前記切り換え手段を配置したことをその要旨
とした。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3に記載のコモンレール式燃料噴射装置おいて、前記
噴射器の制御は一つのソレノイドと一つの切り換えバル
ブによって行われることをその要旨とした。
【0016】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
燃料の噴射時には、切り換え手段によって燃料増圧室内
の燃料を外部に流出させる通路の連通が遮断されると共
に、燃料増圧室内の燃料が増圧ピストンによって加圧さ
れて燃料噴射が行なわれる。又、燃料の噴射終了時に
は、前記通路が連通され、燃料増圧室内の燃料を外部に
流出させることで、燃料の噴射を終了させる。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、切り換え
手段は噴射器に圧送される作動流体によって駆動するの
で、新たに別の駆動手段を導入する必要がない。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、前記通路
を形成するスペース及び切り換え手段を収容するスペー
スを噴射器内に新たに確保する必要がない。
【0019】請求項4に記載の発明によれば、一つの電
磁ソレノイドで2つのバルブを制御する従来の噴射器に
比べ、バルブを一つ減らすことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、ディーゼルエンジンに用い
られるコモンレール式燃料噴射装置に本発明を具体化し
た第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0021】(第1実施形態)図1にコモンレール式燃
料噴射装置60の概略図を示す。
【0022】コモンレール式燃料噴射装置60は、図示
しないエンジンの各シリンダヘッド内に配置される1又
はそれ以上の増圧式噴射器(以下、単に噴射器という)
1を備えると共に、前記噴射器1に作動流体としての燃
料を供給及び回収をする作動流体循環系統61、噴射器
1に燃料を供給する燃料供給系統62及び噴射器1を電
子的に制御するためのコンピュータ63等より構成され
る。
【0023】前記作動流体循環系統61は、燃料供給ポ
ンプ65、高圧ポンプ66、コモンレール67及び作動
流体回収装置68等により構成されている。燃料供給ポ
ンプ65は、燃料タンク69内の燃料を高圧ポンプ66
に圧送する。高圧ポンプ66に圧送された燃料は、同高
圧ポンプ66によって加圧されてコモンレールに圧送さ
れる。コモンレール67に圧送された燃料は、同コモン
レール67内に蓄えられ、適時前記噴射器1の作動流体
供給部2(図2参照)に作動流体として圧送される。作
動流体回収装置68は、噴射器1の放圧部3(図2参
照)から流出される作動流体としての燃料を回収すると
共に、回収した燃料を高圧ポンプ66に再循環させる。
【0024】前記燃料供給系統62は、ポンプ70及び
バルブ71によって構成されている。ポンプ70は、燃
料タンク69内の燃料を前記各噴射器1の燃料供給部2
1(図2参照)に圧送する。バルブ71は、噴射器1に
供給される燃料の供給量を調整する。
【0025】前記コンピュータ63は、前記各噴射器1
を制御するための制御信号を生成する。本実施形態にお
ける制御信号は、噴射器1に内蔵されたの電磁ソレノイ
ド5(図2参照)に送られる電流である。
【0026】次に、前記噴射器1の断面図を図2〜図4
に示す。
【0027】尚、以下、「噴射器1の上端部」等、噴射
器1に対して方向を示す言葉を使用するが、それは図面
において指すものであり、噴射器1をエンジンに装着し
た状態において必ずしもそれと同様の方向になるわけで
はない。
【0028】図2〜図4に示すように、噴射器1の上端
部には、作動流体供給部2及び放圧部3が形成されてい
る。作動流体供給部2には前記コモンレール62から作
動流体としての高圧な燃料が圧送されてくる。又、放圧
部3からは、作動流体としての燃料が流出し、前記作動
流体回収装置69に回収される。
【0029】噴射器1の上部には電磁ソレノイド4、切
り換え弁5及び復帰ばね6が収容されている。電磁ソレ
ノイド4は、前記コンピュータ63から送られてくる制
御信号である電流によって励磁される。切り換え弁5は
スライド可能に取り付けてあり、電磁ソレノイド4の励
磁によって吸引力を受け、逆に、復帰ばね6によって電
磁ソレノイド4から離間する方向へ付勢される。
【0030】噴射器1の中央部には収容室7が形成され
ている。収容室7の上方には加圧室8が形成されてい
て、同加圧室8は収容室7と連通していると共に、作動
流体供給部2及び放圧部3とも連通している。収容室7
には増圧ピストン9が上下にスライド可能に収容されて
いる。増圧ピストン9は被ガイドロッド部9a及び増圧
プランジャ部9bより構成されていて、被ガイドロッド
部9aの下部中央より増圧プランジャ部9bが下方に延
出形成されている。被ガイドロッド部9aには上方に開
口した収納室としての凹部10が形成されている。
【0031】凹部10には大径室10a及び小径室10
bが形成されていて、大径室10aの下端部と小径室1
0bの上端部の間に段差部10cが形成されている。
【0032】前記凹部10の底面中央部から下方に向か
って圧抜き経路11が形成されている。圧抜き経路11
は増圧プランジャ部9bの中心軸に沿って、増圧プラン
ジャ部9bの下端面まで達している。
【0033】前記増圧プランジャ部9bの径は被ガイド
ロッド部9aの径より小さく、従って、前記収容室7内
において前記増圧プランジャ部9bの周面の外側には中
空部12が形成されている。中空部12は被ガイドロッ
ド部9a下部に形成された連通孔13を経由して前記凹
部10と連通している。中空部12の下端部と前記放圧
部3を連通するようにバイパス通路14が形成されてい
る。中空部12には増圧ピストンスプリング15が介在
されていて、増圧ピストン9を噴射器1の上部方向に付
勢する。
【0034】前記増圧ピストン9の被ガイドロッド部9
aに形成された凹部10には切り換え手段としての圧抜
きピストン16及び切り換え手段としてのボール弁17
が収容されている。
【0035】前記圧抜きピストン16は、大径部16
a、中径部16b及び小径部16cより形成されてい
る。大径部16aは前記凹部10の大径室10aに収容
され、中径部16b及び小径部16cは同じく小径室1
0bに収容される。圧抜きピストン16は凹部10内を
上下にスライド可能に取り付けてある。又、圧抜きピス
トン16の質量は、増圧ピストン9の質量と比較して小
さいものとしてある。圧抜きピストン16の中径部16
bの下端部で、小径部16cの外側には圧抜きピストン
スプリング18が介在されていて、圧抜きピストン16
を上方へ付勢する。
【0036】前記ボール弁17は、圧抜きピストン16
の小径部16cの下端面と圧抜き経路11の上端部との
間に配置されている。
【0037】前記増圧ピストン9の下方には燃料増圧室
19が形成されている。燃料増圧室19は前記圧抜き経
路11と連通している。又、燃料増圧室19は燃料供給
通路20を経由して燃料供給部21に連通していて、前
記燃料供給ポンプ70から燃料供給部21に送られてく
る燃料が燃料増圧室19内に流入する。燃料増圧室19
と燃料供給通路20の間には逆止弁22が介在されてい
て、燃料増圧室19内の圧力が一定以上になると上方に
移動し、同燃料増圧室19と燃料供給通路20の連通を
遮断する位置に配置される。
【0038】噴射器1の下部には噴射弁23が上下にス
ライド可能に収容されている。噴射弁23は押し付けピ
ストン部23a、大径部23b、段差部23c及び小径
部23dからなる。押し付けピストン部23aの上方に
は押し付けばね24が介在されていて、噴射弁23を下
方に付勢する。噴射弁23の段差部23cの周囲には燃
料充填室25が形成されている。燃料充填室25内には
噴射弁23の段差部23cが露出していて、燃料充填室
25内の圧力は噴射弁23の段差部23cにはたらき、
同噴射弁23を上方に付勢する。燃料充填室25は燃料
通路26を経由して燃料増圧室19と連通している。
又、燃料充填室25から下方に向かって燃料通路27が
伸びていて、同燃料通路27の先端部付近に噴射口28
が形成されている。
【0039】次に、噴射器1の作動を説明する。
【0040】燃料の噴射開始前の状態を図2に示す。燃
料の噴射開始前には、電磁ソレノイド4は消磁状態であ
り、切り換え弁5は復帰ばね6に付勢されて加圧室8と
放圧部3とを連通させる非噴射位置に配置される。加圧
室8と放圧部3が連通すると、加圧室8内の作動流体と
しての燃料は放圧部3よりに流出するので、加圧室8内
は低圧になる。加圧室8内が低圧になると、増圧ピスト
ン9は増圧ピストンスプリング15のばね力により収容
室7内の上方の非噴射位置に配置される。増圧ピストン
9が非噴射位置に配置されると、圧抜きピストン16は
収容室7の上端を形成する壁に当接する。圧抜きピスト
ン16が収容室7の上端を形成する壁に当接すると、ボ
ール弁17は、同圧抜きピストン16の小径部16cの
底面に押圧されて、圧抜き経路11と凹部10の連通を
遮断する位置に配置される。増圧ピストン9が収容室7
内の上方の非噴射位置にあると、燃料増圧室19内の圧
力は、同燃料増圧室19に供給される燃料の圧力とほぼ
同程度と比較的低圧であり、逆止弁22は燃料増圧室1
9と燃料供給通路20を連通する位置に配置される。燃
料増圧室19内が低圧だと、同燃料増圧室19と連通し
ている燃料充填室25内も低圧となる。燃料充填室25
内が低圧だと、噴射弁23の段差部23cに作用する力
が弱くなり、噴射弁23は押し付けばね24のばね力に
より燃料通路27と噴射口28の連通を遮断する非噴射
位置に配置される。
【0041】燃料の噴射時の状態を図3に示す。燃料の
噴射時には、図2の噴射開始前の状態から電磁ソレノイ
ド4を励磁する。電磁ソレノイド4を励磁すると、切り
換え弁5は電磁ソレノイド4の吸引力により、加圧室8
と作動流体供給部3とを連通させる噴射位置に配置され
る。加圧室8が作動流体供給部3と連通すると、コモン
レール67から作動流体供給部3に圧送される高圧な作
動流体としての燃料が加圧室8内に流入して、加圧室8
内の圧力は上昇する。加圧室8内の圧力は、圧抜きピス
トン16の頂面にはたらき同圧抜きピストン16を下方
に付勢する。圧抜きピストン16が下方に付勢される
と、その力は、同圧抜きピストン16の大径部16aの
外周側下面、ボール弁17の下面及び圧抜きピストンス
プリング18を経由して増圧ピストン9に伝達され、同
増圧ピストン9は下方に付勢される。
【0042】加圧室8内の圧力が上昇して一定以上にな
ると、増圧ピストン9を下方に付勢する力が、同増圧ピ
ストン9を上方に付勢する力、即ち増圧ピストンスプリ
ング15のばね力に勝り、増圧ピストン9は下方にスラ
イドを開始する。又、圧抜きピストン16は、同圧抜き
ピストン16の頂面にかかる圧力によって下方に付勢さ
れ、凹部10内に収容された状態である。圧抜きピスト
ン16が収容状態にあると、同圧抜きピストン16の下
方に介在しているボール弁17は下方に押圧され、圧抜
き経路11と凹部10の連通を遮断する位置に配置され
る。
【0043】増圧ピストン9が下方にスライドを開始す
ると、同増圧ピストン9の頂面と収容室7の上端部を形
成する壁の間に隙間ができ、同隙間に加圧室8内の燃料
が流入する。増圧ピストン9の上方に流入した燃料は、
増圧ピストン9の頂面にはたらき、同増圧ピストン9を
下方に付勢する。
【0044】増圧ピストン9が下方にスライドすると、
燃料増圧室19内の燃料が加圧され、燃料増圧室19内
の圧力が一定以上に上昇すると逆止弁22が燃料増圧室
19と燃料供給通路20の連通を遮断する位置に配置さ
れる。
【0045】そして、増圧ピストン9が更に下方にスラ
イドして、燃料増圧室19内の燃料が更に加圧されて、
燃料増圧室19と連通する燃料充填室25内の燃料の圧
力が一定以上に上昇すると、噴射弁23の段差部23c
にかかる圧力が押し付けばね24のばね力に勝り、噴射
弁23が上方にスライドする。噴射弁23が上方にスラ
イドすると、燃料通路27と噴射口28が連通され、燃
料が噴射口28より噴射される。
【0046】燃料の噴射終了時の状態を図4に示す。燃
料の噴射終了時には、図3の燃料噴射時の状態から電磁
ソレノイド4を消磁する。電磁ソレノイド4を消磁する
と、切り換え弁5は復帰ばね6に付勢されて加圧室8と
放圧部3とを連通させる非噴射位置に配置される。加圧
室8と放圧部3が連通すると、加圧室8内の作動流体と
しての燃料は放圧部3より作動流体回収装置68に流出
し、加圧室8内は低圧になる。加圧室8内が低圧になる
と、圧抜きピストン16の頂面及び増圧ピストン9の頂
面にかかる圧力が低下することで、圧抜きピストン16
及び増圧ピストン9は、圧抜きピストンスプリング18
及び増圧ピストンスプリング15のばね力によって上方
へスライドを開始する。ただし、圧抜きピストン16の
質量は、増圧ピストン9の質量と比べ小さいので、増圧
ピストン9が上方にスライドする速度よりも、圧抜きピ
ストン16が上方にスライドをする速度の方が速い。圧
抜きピストン16は、増圧ピストン9に比べ上方へのス
ライドの速度が速いので、同圧抜きピストン16が増圧
ピストン9上部に形成された凹部10内より上方に突出
し、ボール弁17は同ボール弁17の下面にかかり同ボ
ール弁17を上方に付勢する燃料増圧室19内の圧力に
より上方に移動し、圧抜き経路11と凹部10を連通す
る位置に配置される。圧抜き経路11と凹部10が連通
すると、燃料増圧室19内の燃料は、圧抜き経路11、
凹部10、連通部13、中空部12及びバイパス通路1
4を経由して放圧部3に流出して、燃料増圧室19内の
圧力が低下する。燃料増圧室19内の圧力が低下する
と、燃料増圧室19と連通する燃料充填室25内の圧力
も低下する。燃料充填室25内の圧力が低下して噴射弁
23の段差部23cにかかる圧力が一定以下になると、
噴射弁23が下方にスライドして燃料通路27と噴射口
28の連通を遮断する非噴射位置に配置され、噴射を終
了する。そして、増圧ピストン9が更に上方にスライド
して収容室7内の上方の非噴射位置に配置されると、圧
抜きピストン16は収容室7の上端を形成する上壁によ
り下方に付勢されて、圧抜きピストン16がボール弁1
7を圧抜き経路11と凹部10の連通を遮断する位置に
配置する。又、増圧ピストン9が非噴射位置に配置され
る過程において、燃料増圧室19内の圧力が一定以下に
なると、逆止弁22が燃料増圧室19と燃料供給通路2
0を連通する位置に配置され、燃料供給部21より燃料
増圧室19に燃料が供給される。そして、図2に示す、
燃料の噴射開始前の状態に戻る。
【0047】次に、上記のように構成した増圧式噴射器
1を用いたコモンレール式燃料噴射装置60の特徴を以
下に記載する。
【0048】(1)燃料増圧室19を、圧抜き経路1
1、凹部10、中空部12及びバイパス通路14を経由
して放圧部3と連通させ、燃料の噴射時には圧抜き経路
11と凹部10の連通をボール弁17によって遮断し、
燃料の噴射終了時には圧抜き経路11と凹部10を連通
させるようにした。
【0049】従って、燃料の噴射時には、従来の増圧式
噴射器と同様に、噴射する時に燃料を加圧するので、噴
射時の噴射率を緩やかに増加させることができる。
【0050】又、燃料の噴射終了時には、燃料増圧室1
9内の燃料を放圧部3に流出させるので、燃料増圧室1
9内の圧力を素早く低下させて、同燃料増圧室19と連
通する燃料充填室25内の圧力も素早く低下させ、噴射
弁23を素早く下方にスライドさせて噴射を終了させる
ことができる。従って、噴射率を急激に低下させること
ができる。
【0051】(2)切り換え手段としての圧抜きピスト
ン16は作動流体の圧力によって制御されるので、新た
に別の駆動手段を導入して切り換え手段としての圧抜き
ピストンを制御しなくてよい。従って、新たに別の駆動
手段を導入して噴射器1が大型化することを防止でき
る。
【0052】(3)切り換え手段としての圧抜きピスト
ン16を増圧ピストン9内に形成した収納部としての凹
部10内に配置したので、圧抜きピストン16が場所を
取ることがなく、噴射器1を従来の噴射器と比べて大型
化するのを防止できる。
【0053】(4)噴射器1の制御を一つの電磁ソレノ
イド4と一つの切り換えバルブ5で行うので、従来の一
つの電磁ソレノイドで2つのバルブを制御する噴射器と
比較して、部品点数が少なくて済むので噴射器1の小型
化が図れ、かつ、作動の確実性が良くなる。
【0054】(5)燃料増圧室19内の燃料を放圧部3
に流出させることで噴射を終了させるので、燃料通路2
7と噴射口28の連通を遮断するために押し付けばね2
4のばね力を強くする必要がなくなる。従って、押し付
けばね24のばね力を弱くすることで、噴射弁23の先
端部が破損することを防止できる。
【0055】(第2実施形態)次に、ディーゼルエンジ
ンに用いられるコモンレール式燃料噴射装置に本発明を
具体化した第2実施形態を、図1及び図5に従って説明
する。尚、第1実施形態と同じ構成部には同じ符号を付
すことでその説明を省略する。
【0056】図1に示す燃料噴射装置60において、第
1実施形態で用いられた噴射器1の代わりに、本実施形
態では噴射器40を用いる。
【0057】噴射器40に内蔵される増圧ピストン41
は、被ガイドロッド部41aの下部中央より増圧プラン
ジャ部41bが下方に延出形成されていて、本実施形態
においては、被ガイドロッド部41aの上部には凹部は
形成されていない。
【0058】前記増圧ピストン41の右方には、燃料増
圧室19と放圧部3を連通するためのバイパス通路42
が形成されている。本実施形態は、切り換え手段として
切り換えバルブ5を用いていて、バイパス通路42と放
圧部3の連通の遮断を切り換えバルブ5によって行う。
【0059】第1実施形態において、燃料供給通路2
0、燃料供給部21、逆止弁22及び燃料通路26が噴
射器1の右側に配置されていたのに対し、本実施形態に
おいては、それぞれ対応する燃料供給通路46、燃料供
給部47、逆止弁48及び燃料通路49は、噴射器40
の左側に配置されている。
【0060】これは、バイパス通路42を形成する領域
を確保するためにしたものであり、それぞれの作用はそ
れぞれ第1実施形態において対応するものと同様とす
る。
【0061】次に、噴射器40の作動を説明する。
【0062】燃料の噴射開始前は、電磁ソレノイド4は
消磁状態にあり、図5に示すように、切り換え手段とし
ての切り換え弁5は、加圧室8と放圧部3を連通する非
噴射位置に配置される。又、切り換え弁5が非噴射位置
に配置されると、バイパス通路42と放圧部3は連通し
た状態となる。加圧室8は放圧部3と連通するので、同
加圧室8内は低圧になり、増圧ピストン41は図5に示
す非噴射位置に配置され、噴射弁23は燃料通路27と
噴射口28の連通を遮断する非噴射位置に配置される。
【0063】噴射時には、電磁ソレノイド4を励磁し
て、切り換え弁5を噴射位置に配置させ、加圧室8と作
動流体供給部3とを連通させる。又、切り換え弁5が噴
射位置に配置されると、バイパス通路42と放圧部3の
連通は同切り換え弁5によって遮断される。加圧室8は
作動流体供給部2と連通するので、同加圧室8内の圧力
は上昇し、増圧ピストン41は下方にスライドを開始し
て燃料増圧室19内の燃料を加圧する。燃料増圧室19
内の燃料が加圧されると、燃料充填室25内の圧力が上
昇し、噴射弁23が上方にスライドして、噴射位置に配
置される。噴射弁23が噴射位置に配置されると、燃料
通路27と噴射口28が連通して、同噴射口28より燃
料が噴射される。
【0064】燃料の噴射終了時には、電磁ソレノイド4
を消磁して、切り換え弁5を非噴射位置に配置させ、加
圧室8と放圧部3とを連通させる。切り換え弁5が非噴
射位置に配置されると、バイパス通路42と放圧部3と
が連通されるので、燃料増圧室19内の燃料はバイパス
通路42を経由して放圧部3より流出する。燃料増圧室
19内の燃料が流出して、燃料増圧室19内の圧力が低
下することで、燃料充填室25内の圧力も低下し、噴射
弁23が下方にスライドして燃料通路27と噴射口28
の連通を遮断する非噴射位置に配置され燃料の噴射を終
了させる。
【0065】次に、上記のように構成した増圧式噴射器
40を用いたコモンレール式燃料噴射装置60の特徴を
以下に記載する。
【0066】(1)燃料増圧室19を、バイパス通路4
2を経由して放圧部3と連通させ、燃料の噴射時には切
り換えバルブ5によって燃料増圧室19と放圧部3の連
通を遮断し、燃料の噴射終了時には燃料増圧室19と放
圧部3を連通させるようにした。
【0067】従って、燃料の噴射時には、従来の増圧式
噴射器と同様に、噴射する時に燃料を加圧するので、噴
射時の噴射率を緩やかに増加させることができる。
【0068】又、燃料の噴射終了時には、燃料増圧室1
9内の高圧な燃料を放圧部3に流出させることができる
ので、燃料増圧室19内の圧力を素早く低下させて、同
燃料増圧室19と連通する燃料充填室25内の圧力も素
早く低下させ、噴射弁23を素早く下方にスライドさせ
て噴射を終了させることができる。従って、噴射率を急
激に低下させることができる。
【0069】(2)切り換え手段としての切り換えバル
ブ5は、電磁ソレノイド4を励磁することによって駆動
するので、新たに別の駆動手段を導入して噴射器1が大
型化するのを防止できる。
【0070】(3)噴射器1の制御を一つの電磁ソレノ
イド4と一つの切り換えバルブ2で行うので、従来の一
つの電磁ソレノイドで2つのバルブを制御する噴射器と
比較して、部品点数が少なくて済むので噴射器1の小型
化が図れ、かつ、作動の確実性が良くなる。
【0071】(4)燃料増圧室19内の燃料を放圧部3
に流出させることで噴射を終了させるので、燃料通路2
7と噴射口28の連通を遮断するために押し付けばね2
4のばね力を強くする必要がなくなる。従って、押し付
けばね24のばね力を弱くすることで、噴射弁23の先
端部が破損することを防止できる。
【0072】(5)第1実施形態においては、切り換え
手段として圧抜きピストン16を噴射器1に内蔵させた
が、本実施形態においては、元々内蔵されている切り換
えバルブ5を切り換え手段として用いているので、部品
点数を少なくすることができると共に、作動性が確実に
なる。
【0073】(第3実施形態)次に、ディーゼルエンジ
ンに用いられるコモンレール式燃料噴射装置に本発明を
具体化した第3実施形態を、図1及び図6に従って説明
する。尚、第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成部
には同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0074】図1に示す燃料噴射装置60において、第
1実施形態で用いられた噴射器1の代わりに、本実施形
態では噴射器50を用いる。
【0075】図6に示すように、噴射器50に内蔵され
る増圧ピストン41の右方には、第2の収容室51が形
成されている。第2の収容室51の右方には第2の電磁
ソレノイド52が配置されている。
【0076】前記第2の収容室51は、圧抜き経路53
によって前記燃料増圧室19と連通している。又、第2
の収容室51はバイパス通路54によって前記放圧部3
と連通している。
【0077】前記第2の収容室51には、切り換え手段
としての圧抜き弁55、ボール弁56及び第2の復帰ば
ね57が収容されている。
【0078】前記圧抜き弁55はスライド可能に取り付
けてある。圧抜き弁55は、第2の電磁ソレノイド52
の励磁によって吸引力を受け、逆に、第2の復帰ばね5
7によって第2の電磁ソレノイド52から離間する方向
へ付勢される。
【0079】前記ボール弁56は前記圧抜き弁55の先
端部と圧抜き経路53の端部との間に配置されている。
【0080】次に噴射器50の作動を説明する。
【0081】燃料の噴射開始前には、電磁ソレノイド4
及び第2の電磁ソレノイド52は共に消磁状態にあり、
図6に示すように、切り換え弁5は、加圧室8と放圧部
3を連通する非噴射位置に配置される。加圧室8と放圧
部3が連通すると、加圧室8内は低圧になり、増圧ピス
トンスプリング15のばね力によって増圧ピストン41
は上方へ付勢され、非噴射位置に配置される。又、圧抜
き弁55は第2の復帰ばね57のばね力によって第2の
電磁ソレノイド52と離間する方向へ付勢される。圧抜
き弁55が第2の電磁ソレノイド52と離間する方向へ
付勢されると、同圧抜き弁55がボール弁56を押圧し
て、同ボール弁56は圧抜き経路53と第2の収容室5
1の連通を遮断する位置に配置される。増圧ピストン4
1が非噴射位置に配置されると、燃料増圧室19内は同
増圧ピストン41に加圧されることなく比較的低圧なの
で、燃料増圧室19と連通する燃料充填室25内も比較
的低圧となり、噴射弁23は燃料通路27と噴射口28
との連通を遮断する非噴射位置に配置される。
【0082】燃料の噴射時には、電磁ソレノイド4を励
磁する。尚、第2の電磁ソレノイド52は消磁状態のま
まである。電磁ソレノイド4が励磁されると、増圧ピス
トン41が下方にスライドして、燃料増圧室19内の燃
料を加圧する。燃料増圧室19内の燃料が加圧されて圧
力が上昇すると、同燃料増圧室19と連通する燃料充填
室25内の圧力も上昇する。燃料充填室25内の圧力が
上昇すると、噴射弁23は上方へスライドして、燃料通
路27と噴射口28を連通する噴射位置に配置され、燃
料が噴射される。
【0083】燃料の噴射終了時には、電磁ソレノイド4
を消磁し、第2の電磁ソレノイド52を励磁する。第2
の電磁ソレノイド52を励磁すると、圧抜き弁55は第
2の電磁ソレノイド52の方向にスライドする。圧抜き
弁55が第2の電磁ソレノイド52の方向にスライドす
ると、ボール弁56は、圧抜き経路53を経由する燃料
増圧室19内の圧力により、圧抜き経路53と第2の収
容室51を連通する位置に配置される。圧抜き経路53
と第2の収容室51が連通すると、燃料増圧室19内の
燃料は、圧抜き経路53、第2の収容室51及び第2の
バイパス通路54を経由して放圧部3から流出する。燃
料増圧室19内の燃料が放圧部3から流出すると、同燃
料増圧室19内の圧力が低下すると共に、燃料充填室2
5内の圧力も低下して、噴射弁23が燃料通路27と噴
射口28の連通を遮断することで燃料の噴射を終了させ
る。
【0084】次に、上記のように構成した増圧式噴射器
50を用いたコモンレール式燃料噴射装置60の特徴を
以下に記載する。
【0085】(1)燃料増圧室19を、圧抜き経路5
3、第2の収容室51及び第2のバイパス通路54を経
由して放圧部3と連通させ、燃料の噴射時には圧抜き経
路53と第2の収容室51の連通をボール弁56によっ
て遮断し、燃料の噴射終了時には圧抜き経路53と第2
の収容室51を連通させるようにした。
【0086】従って、燃料の噴射時には、従来の増圧式
噴射器と同様に、噴射する時に燃料を加圧するので、噴
射時の噴射率を緩やかに増加させることができる。
【0087】又、燃料の噴射終了時には、燃料増圧室1
9内の燃料を放圧部3に流出させるので、燃料増圧室1
9内の圧力を素早く低下させて、同燃料増圧室19と連
通する燃料充填室25内の圧力も素早く低下させ、噴射
弁23を素早く下方にスライドさせて噴射を終了させる
ことができる。従って、噴射率を急激に低下させること
ができる。
【0088】(2)燃料増圧室19内の燃料を放圧部3
に流出させることで噴射を終了させるので、燃料通路2
7と噴射口28の連通を遮断するために押し付けばね2
4のばね力を強くする必要がなくなる。従って、押し付
けばね24のばね力を弱くすることで、噴射弁23の先
端部が破損することを防止できる。
【0089】(3)切り換え手段としての圧抜き弁55
を第2の電磁ソレノイド52によって作動させるので、
作動が確実になる。
【0090】(第4実施形態)次に、ディーゼルエンジ
ンに用いられるコモンレール式燃料噴射装置に本発明を
具体化した第4実施形態を、図1及び図7に従って説明
する。尚、第1実施形態〜第3実施形態と同じ構成部に
は同じ符号を付すことでその説明を省略する。
【0091】図1に示す燃料噴射装置60において、第
1実施形態で用いられた噴射器1の代わりに、本実施形
態では噴射器80を用いる。
【0092】図7に示すように、噴射器80に内蔵され
る増圧ピストン41の右方には、第2の収容室81が形
成されている。
【0093】前記第2の収容室81の上方には第2の加
圧室82が形成されていて、同第2の加圧室82は前記
第2の収容室81と連通している。第2の加圧室82の
上端部と増圧ピストン41の上方の加圧室8を連通する
ように連絡通路83が形成されている。又、第2の収容
室81の下側部と放圧部3連通するようにバイパス通路
84が形成されている。更に、第2の収容室81の底面
中央と燃料増圧室19を連通するように圧抜き経路85
が形成されている。
【0094】前記第2の収容室81内には、切り換え手
段としての圧抜きピストン86及び切り換え手段として
のボール弁87が収容されている。圧抜きピストン86
は第2の収容部81内を上下にスライド可能に取り付け
てある。圧抜きピストン86の下側部には圧抜きピスト
ンスプリング88が介在されていて、圧抜きピストン8
6を上方へ付勢する。圧抜きピストン86の下方にはボ
ール弁87が介在していて、同圧抜きピストン86の下
端面と圧抜き経路85の上端部との間に配置されてい
る。
【0095】次に噴射器80の作動を説明する。
【0096】燃料の噴射開始前には、電磁ソレノイド4
は消磁状態にあり、図7に示すように、切り換え弁5
は、加圧室8と放圧部3を連通する非噴射位置に配置さ
れる。加圧室8が放圧部3と連通すると、加圧室8内は
低圧になり、増圧ピストン41は増圧ピストンスプリン
グ15のばね力により上方へ付勢され、非噴射位置に配
置される。加圧室8が低圧になると、同加圧室8と連通
する第2の加圧室82内も低圧となり、圧抜きピストン
86は圧抜きピストンスプリング88のばね力によって
上方へ付勢される。増圧ピストン41が非噴射位置に配
置されると、燃料増圧室19内は同増圧ピストン41に
加圧されることなく比較的低圧なので、燃料増圧室19
と連通する燃料充填室25内も比較的低圧となり、噴射
弁23は燃料通路27と噴射口28との連通を遮断する
非噴射位置に配置される。
【0097】燃料の噴射時には、電磁ソレノイド4を励
磁する。電磁ソレノイド4が励磁されると、切り換えバ
ルブ5は加圧室8と作動流体供給部2とを連通する噴射
位置に配置される。加圧室8が作動流体供給部2と連通
すると、加圧室8内の圧力は上昇する。又、加圧室8と
連通する第2の加圧室82内の圧力も上昇する。
【0098】第2の加圧室82内の圧力が上昇すると、
圧抜きピストン86は下方に付勢され、ボール弁87は
圧抜きピストン86によって下方に押圧され、同ボール
弁87は圧抜き経路85と第2の収容室81の連通を遮
断する位置に配置される。
【0099】加圧室8内の圧力が上昇すると、増圧ピス
トン41は下方にスライドを開始して、燃料増圧室19
内の燃料を加圧する。燃料増圧室19内の燃料が加圧さ
れると、同燃料増圧室19と連通する燃料充填室25内
の圧力も上昇し、噴射弁23が上方に付勢されて、燃料
通路27と噴射口28を連通する噴射位置に配置され、
燃料が噴射される。
【0100】燃料の噴射終了時には、電磁ソレノイド4
を消磁する。電磁ソレノイド4を消磁すると、切り換え
バルブ5は加圧室8と放圧部3を連通する非噴射位置に
配置される。加圧室8が放圧部3と連通すると、加圧室
8内は比較的低圧になる。加圧室8内が低圧になると、
同加圧室8と連通する第2の加圧室82内も低圧とな
り、圧抜きピストン86は圧抜きピストンスプリング8
8のばね力により上方へ付勢され、圧抜きピストン86
の下方にあるボール弁87は、同ボール弁87の下面に
かかる圧力、即ち燃料増圧室19内の圧力によって上方
へ付勢され、圧抜き経路85と第2の収容室81を連通
する位置に配置される。圧抜き経路85と第2の収容室
81が連通すると、燃料増圧室19内の燃料が、圧抜き
経路85、第2の収容室81、バイパス通路84を経由
して放圧部3から流出し、燃料増圧室19内の圧力が低
下する。燃料増圧室19内の圧力が低下すると、同燃料
増圧室19と連通する燃料充填室25内の圧力も低下し
て、噴射弁23は燃料通路27と噴射口28の連通を遮
断する位置に配置されて燃料の噴射を終了させる。
【0101】次に、上記のように構成した増圧式噴射器
50を用いたコモンレール式燃料噴射装置60の特徴を
以下に記載する。
【0102】(1)燃料増圧室19を、圧抜き経路8
5、第2の収容室81及びバイパス通路84を経由して
放圧部3と連通させ、燃料の噴射時には圧抜きピストン
86によって燃料増圧室19と放圧部3との連通を遮断
し、燃料の噴射終了時には燃料増圧室19と放圧部3を
連通させるようにした。
【0103】従って、燃料の噴射時には、従来の増圧式
噴射器と同様に、噴射する時に加圧するので、噴射時の
噴射率を緩やかに増加させることができる。
【0104】又、燃料の噴射終了時には、燃料増圧室1
9内の高圧な燃料を放圧部3に流出させることができる
ので、燃料増圧室19内の圧力を素早く低下させて、燃
料増圧室19と連通する燃料充填室25内の圧力も素早
く低下させ、噴射弁23を素早く下方にスライドさせて
噴射を終了させることができる。噴射弁23が素早く下
方にスライドして噴射を終了させるので、燃料の噴射率
を急激に低下させることができる。
【0105】(2)切り換え手段としての圧抜きピスト
ン86は、作動流体の圧力によって駆動するので、新た
に別の駆動手段を導入して切り換え手段としての圧抜き
ピストン86を制御しなくてよい。従って、新たに別の
駆動手段を導入して噴射器80が大型化するのを防止で
きる。
【0106】(3)噴射器80の制御を一つの電磁ソレ
ノイド4を一つの切り換えバルブ5で行なうので、従来
の一つの電磁ソレノイドで二つのバルブを制御する噴射
器と比較して、部品点数が少なくて済むので、噴射器8
0の小型化が図れ、かつ、作動の確実性が良くなる。
【0107】(4)燃料増圧室19内の燃料を放圧部3
に流出させることで噴射を終了させるので、燃料通路2
7と噴射口28の連通を遮断するために押し付けばね2
4のばね力を強くする必要がなくなる。従って、押し付
けばね24のばね力を弱くすることで、噴射弁23の先
端部が破損することを防止できる。
【0108】発明の実施の形態は、上記実施の形態に限
定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
【0109】○第1実施形態において、圧抜きピストン
16の上方への移動に対して、規制する部材は特に設け
られていなかったが、例えば、図11及び図12に示す
ように規制部材90を設けてもよい。
【0110】詳述すると、圧抜きピストン91を、凹部
10の小径室10a内に収まる大きさに形成する。そし
て、小径室10a上方の大径室10bには、同大径室1
0bに適合する大きさに形成された規制部材90を配置
する。その際、大径室10bの周面にはねじ山10cを
形成されていると共に、前記規制部材90の外周面に
は、ねじ山部10cと適合するねじ山部90bを形成し
てあり、両者を螺合させることで、規制部材90を大径
室10bに固定する。又、規制部材90には、小径室1
0bと増圧ピストン9の上方の空間を連通する貫通孔9
0aが形成されている。
【0111】このように構成すると、増圧ピストン9上
方に流入する作動流体としての燃料が高圧な場合、図1
1に示すように、同燃料の圧力によって圧抜きピストン
91は下方に付勢される。又、増圧ピストン9上方の燃
料の圧力が低い場合は、圧抜きピストンスプリング18
のばね力によって、同圧抜きピストン91は上方へ付勢
され、図12に示すように、圧抜きピストン91が前記
規制部材90に当接した状態となる。
【0112】よって、圧抜きピストン91の上方への移
動は、規制部材90によって規制されるので、同圧抜き
ピストン91が凹部10内より上方へ抜け出ることを防
止することができる。
【0113】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、燃料の
噴射時には、燃料の噴射率は緩やかに上昇すると共に、
燃料の噴射終了時には、燃料の噴射率は急激に低下す
る。
【0114】加えて、請求項2及び請求項3に記載の発
明によれば、噴射器の大型化を防止することができる。
【0115】加えて、請求項4記載の発明によれば、噴
射器の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するためのコモン
レール式燃料噴射装置60の概略図。
【図2】同じく、燃料の噴射開始前の状態を説明するた
めの噴射器1の断面図。
【図3】同じく、燃料の噴射時の状態を説明するための
噴射器1の断面図。
【図4】同じく、燃料の噴射終了時の状態を説明するた
めの噴射器1の断面図。
【図5】第2実施形態を説明するための噴射器40の断
面図。
【図6】第3実施形態を説明するための噴射器50の断
面図。
【図7】第4実施形態を説明するための噴射器80の断
面図。
【図8】従来における増圧式噴射器による燃料の噴射率
を表す図。
【図9】従来における蓄圧式噴射器による燃料の噴射率
を表す図。
【図10】本発明の目的とする燃料の噴射率を表す図。
【図11】別の実施の形態を説明するための説明図。
【図12】同じく別の実施の形態を説明するための説明
図。
【符号の説明】
1…増圧式噴射器、3・・・放圧部、4…切り換えバル
ブ、5…電磁ソレノイド、9…増圧ピストン、10…収
納室としての凹部、11…圧抜き経路、12…中空部、
13連通孔、14…バイパス通路、19…燃料増圧室、
20…切り換え手段としての圧抜きピストン、21…切
り換え手段としてのボール弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 57/02 320 F02M 57/02 320A 330 330B 330C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴射器内に配置された増圧ピストンの両
    端に加圧室と燃料増圧室が形成され、燃料の噴射時に
    は、作動流体を蓄えたコモンレールより、該作動流体を
    前記加圧室に流入させて増圧ピストンを付勢して、燃料
    増圧室内の燃料を加圧することで燃料を噴射し、噴射終
    了時には、加圧室内の作動流体を流出させ、増圧ピスト
    ンによる燃料増圧室内の燃料の加圧を終了させることで
    燃料の噴射を終了させる内燃機関のコモンレール式燃料
    噴射装置において、 前記噴射器に、前記燃料増圧室内の燃料を外部に流出さ
    せる通路を形成し、噴射時には当該通路の連通を遮断
    し、噴射終了時には当該通路を連通させる切り換え手段
    を設けたコモンレール式燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコモンレール式燃料噴
    射装置において、 前記切り換え手段は、噴射器に流入される作動流体によ
    って制御されるコモンレール式燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のコモンレ
    ール式燃料噴射装置において、 前記増圧ピストン内に前記通路を設けると共に、該増圧
    ピストン内に前記切り換え手段を配置したコモンレール
    式燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3に記載のコモンレー
    ル式燃料噴射装置おいて、 前記噴射器の制御は一つのソレノイドと一つの切り換え
    バルブによって行われるコモンレール式燃料噴射装置。
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