JP2001065423A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JP2001065423A
JP2001065423A JP24181899A JP24181899A JP2001065423A JP 2001065423 A JP2001065423 A JP 2001065423A JP 24181899 A JP24181899 A JP 24181899A JP 24181899 A JP24181899 A JP 24181899A JP 2001065423 A JP2001065423 A JP 2001065423A
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pressure
chamber
increasing
injection
valve
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JP24181899A
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English (en)
Inventor
Yasushi Katsurayama
裕史 葛山
Fumihiro Toyoyama
文博 豊山
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単一の電磁ソレノイドを用いて所望の噴射量プ
ロフィールを的確に得られる燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】電磁ソレノイド13の消磁状態では、増圧
手段19の加圧室231は、加圧通路33、切り換え弁
14内の絞り通路141及び放圧通路31を介して放圧
部32に連通しており、圧力制御手段44の制御圧室3
61と放圧部32との連通が噴射用バルブ16によって
遮断されている。電磁ソレノイド13の励磁状態では、
加圧室231は、加圧通路33、環状通路151及び加
圧通路34を介して作動流体供給部26に連通してお
り、制御圧室361は放圧部32に連通している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料の高圧噴射を容易に行なうために装
置内で増圧を行わせる燃料噴射装置は、例えば特開平1
0−103185号公報、特開平10−110658号
公報に開示されている。
【0003】特開平10−103185号公報の従来装
置では、増圧用の電磁ソレノイドの励磁状態では作動流
体が増圧用ピストンを押し、増圧室内の燃料が増圧用ピ
ストンの押圧作用によって増圧される。燃料噴射用の電
磁ソレノイドの消磁状態では、ニードル弁を押さえ付け
るピストンが圧力室に流入した燃料の圧力を受けてお
り、ニードル弁は燃料を噴射しない位置に押さえ付け配
置されている。燃料噴射用の電磁ソレノイドの励磁状態
では、前記圧力室から燃料が流出し、ニードル弁は燃料
を噴射する位置に配置される。
【0004】このような一対の電磁ソレノイドを使用す
る燃料噴射装置は、コスト高となる上に装置が大きくな
るという欠点を持つ。特開平10−110658号公報
の従来装置では、作動流体入口が作動流体キャビティに
対して開く第1位置と、作動流体入口が作動流体キャビ
ティに対して閉じる第2位置との間を動く第1バルブ部
材が、単一の電磁ソレノイドの作用のもとに前記2位置
の間で切り換え配置されるようになっている。又、ニー
ドル制御チャンバーが高圧流体源に対して開かれるオフ
位置と、ニードル制御チャンバーが低圧流体流路に対し
て開かれるオン位置との間を動く第2バルブ部材が、前
記電磁ソレノイドの作用のもとに前記2位置の間で切り
換え配置されるようになっている。この従来装置では、
前記単一の電磁ソレノイドへの電流を高い引き込み電流
と中程度の保持電流とに切り換え制御して噴射量プロフ
ィールを変えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】単一の電磁ソレノイド
を用いる特開平10−110658号公報の従来装置で
は、特開平10−103185号公報の従来装置におけ
る問題は生じない。しかし、第2バルブ部材は電磁ソレ
ノイドの直接の作用のもとに動くが、第1バルブ部材は
第2バルブ部材の動きに伴う圧力バランスの変動に応じ
て動く。第2バルブ部材の動作に応じて第1バルブ部材
を動作させる構成は複雑であって作動の確実性に欠け、
所望の噴射量プロフィールを得ることは難しい。
【0006】本発明は、単一の電磁ソレノイドを用いて
所望の噴射量プロフィールを的確に得られる燃料噴射装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1の発
明では、燃料を噴射させる噴射位置と燃料を噴射させな
い非噴射位置とに切り換え配置される噴射弁と、前記噴
射弁に作動流体の圧力を作用させるための制御圧室を有
し、前記噴射弁に対する前記制御圧室内の作動流体の圧
力を制御して前記噴射弁を切り換え制御する噴射用圧力
制御手段と、燃料を加圧するための加圧室及び燃料導入
用の増圧室を有し、前記作動流体の圧力を前記加圧室に
導入して前記増圧室内の燃料の圧力を増圧する増圧手段
と、単一の電磁ソレノイドと、前記電磁ソレノイドの励
消磁作用によって、前記噴射用圧力制御手段の制御圧室
を放圧部に連通した燃料噴射可能な放圧状態と、放圧部
に連通しない燃料噴射不能な非放圧状態とに切り換えら
れる噴射用切り換え手段と、前記電磁ソレノイドの励消
磁作用によって、前記増圧手段の加圧室を作動流体供給
部に連通して前記増圧手段を燃料増圧状態とする加圧状
態と、前記増圧手段の加圧室を放圧部に連通して前記増
圧手段を燃料非増圧状態とする非加圧状態とに切り換え
られる増圧用切り換え手段と、前記電磁ソレノイドの励
消磁の切り換えに伴う前記増圧手段の燃料増圧状態から
燃料非増圧状態への移行を遅らせて前記増圧室内の燃料
の圧力低下を遅らせる降圧遅延手段とを備えた燃料噴射
装置を構成した。
【0008】増圧用切り換え手段を加圧状態にすると増
圧手段が増圧状態となり、増圧室内の燃料が増圧され
る。噴射用切り換え手段を放圧状態にすると噴射用圧力
制御手段が燃料噴射可能な制御状態となり、噴射弁が噴
射位置に配置される。従って、増圧された燃料が噴射さ
れる。噴射用切り換え手段を放圧状態から非放圧状態へ
切り換えた場合、増圧手段が燃料増圧状態から燃料非増
圧状態へ移行しようとするが、降圧遅延手段が燃料増圧
状態から燃料非増圧状態への移行を遅らせる。この移行
の遅延は、燃料を高圧に保圧することになる。このよう
な燃料の高圧の保圧は、単一の電磁ソレノイドの励消磁
によって所望の噴射量プロフィールを的確に得ることを
可能にする。
【0009】請求項2の発明では、請求項1において、
前記噴射用切り換え手段は、前記電磁ソレノイドの消磁
状態では非放圧状態にあり、前記噴射用切り換え手段
は、前記電磁ソレノイドの励磁状態では放圧状態にあ
り、前記増圧用切り換え手段は、前記電磁ソレノイドの
消磁状態では非加圧状態にあり、前記増圧用切り換え手
段は、前記電磁ソレノイドの励磁状態では加圧状態にあ
るようにした。
【0010】電磁ソレノイドが消磁状態にある場合に
は、増圧用切り換え手段は加圧状態にあり、増圧手段が
増圧状態となっている。電磁ソレノイドを励磁状態から
消磁状態へ、さらに消磁状態から励磁状態へ素早く切り
換えると、降圧遅延手段の降圧遅延作用によって増圧手
段が燃料増圧状態に実質的に保持されることになる。
【0011】請求項3の発明では、請求項1及び請求項
2のいずれか1項において、前記増圧室の容積を増減可
能に変位する増圧用変位体と、前記増圧室の容積を減少
させるように前記増圧用変位体に作動流体を作用させる
前記加圧室と、前記増圧室の容積を増大させる方向に前
記増圧用変位体を付勢する容積復帰用付勢手段とを備え
た前記増圧手段を構成し、前記増圧手段の加圧室を放圧
部に連通したときの前記放圧部と前記加圧室とを繋ぐ通
路の通過断面積を絞る絞り手段を備えた前記増圧用切り
換え手段を構成した。
【0012】増圧用切り換え手段を加圧状態にすると、
増圧用変位体が加圧室内の作動流体の圧力によって増圧
室の容積を減らす方向に付勢され、増圧室内の燃料が増
圧される。噴射用切り換え手段を放圧状態にすると噴射
用圧力制御手段が燃料噴射可能な制御状態となり、噴射
弁が噴射位置に配置される。従って、増圧された燃料が
噴射される。噴射用切り換え手段を放圧状態から非放圧
状態へ、さらに非放圧状態から放圧状態へ素早く切り換
えると、絞り手段の絞り作用によって増圧手段が燃料増
圧状態に実質的に保持されることになる。
【0013】請求項4の発明では、請求項3において、
前記電磁ソレノイドの励消磁の切り換えによって、前記
圧力制御手段の制御圧室に通じる作動流体の制御通路を
放圧部に連通する放圧位置と放圧部に連通しない非放圧
位置とに切り換えられる噴射用バルブと、前記非放圧位
置へ前記噴射用バルブを付勢する噴射用ばねとを備えた
前記噴射用切り換え手段を構成し、前記電磁ソレノイド
の前記励消磁の切り換えによって、前記増圧手段の加圧
室に通じる作動流体の加圧通路を作動流体供給部に連通
する加圧位置と放圧部に連通する非加圧位置とに切り換
えられる増圧用バルブと、前記加圧位置へ前記増圧用バ
ルブを付勢する増圧用ばねとを備えた前記増圧用切り換
え手段を構成し、前記増圧用バルブに設けられた絞り通
路を前記絞り手段とした。
【0014】電磁ソレノイドの励消磁の切り換えによっ
て増圧用バルブが非加圧位置から加圧位置へ移行する
と、増圧手段の加圧室が作動流体供給部に連通し、燃料
の増圧が行われる。電磁ソレノイドの前記励消磁の切り
換えによって噴射用バルブが非放圧位置から放圧位置へ
移行すると、圧力制御手段の制御圧室が放圧部に連通
し、増圧された燃料の噴射が行われる。噴射用バルブを
放圧位置から非放圧位置へ、さらに非放圧位置から放圧
位置へ素早く切り換えると、絞り通路の絞り作用によっ
て増圧手段が燃料増圧状態に実質的に保持される。
【0015】請求項5の発明では、請求項3において、
前記増圧用変位体に作動流体の圧力を作用させる容積復
帰用作用室を前記容積復帰用付勢手段とし、前記噴射用
切り換え手段は、前記放圧状態のときに前記放圧部と前
記容積復帰用作用室とを連通し、前記非放圧状態のとき
に前記作動流体供給部と前記容積復帰用作用室とを連通
するようにした。
【0016】電磁ソレノイドの励消磁の切り換えによっ
て噴射用バルブが放圧位置から非放圧位置へ移行する
と、容積復帰用作用室が作動流体供給部に連通し、増圧
用変位体が増圧室の容積を増大し、かつ加圧室の容積を
減少する方向へ移動しようとする。噴射用バルブを放圧
位置から非放圧位置へ、さらに非放圧位置から放圧位置
へ素早く切り換えると、絞り手段の絞り作用によって増
圧手段が燃料増圧状態に実質的に保持される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、ディーゼルエンジンに用い
る燃料噴射装置に本発明を具体化した第1の実施の形態
を図1及び図2に基づいて説明する。
【0018】図1に示すように、上部ハウジング11に
は弁案内体12及び電磁ソレノイド13が収容されてい
る。弁案内体12内には切り換え弁14がスライド可能
に収容されている。切り換え弁14は、スプール弁型の
増圧用バルブ15と、噴射用バルブ16と、電磁ソレノ
イド13の励磁によって吸引力を受ける被吸引体17と
からなる。被吸引体17と電磁ソレノイド13の固定鉄
芯131との間には復帰ばね18が介在されている。復
帰ばね18は、切り換え弁14を電磁ソレノイド13か
ら離間する方向へ付勢する。電磁ソレノイド13の消磁
状態では切り換え弁14は図1に示す非噴射位置にあ
り、電磁ソレノイド13の励磁状態では切り換え弁14
は図2に示す噴射位置に配置される。
【0019】上部ハウジング11には増圧ピストン20
がスライド可能に収容されている。増圧ピストン20に
は被ガイドロッド201及び増圧プランジャ202が一
体形成されている。上部ハウジング11に結合された下
部ハウジング21には増圧室形成体22が上部ハウジン
グ11の下端に接合するように収容されている。増圧室
形成体22には増圧室221が形成されており、増圧室
221には増圧ピストン20の増圧プランジャ202が
スライド可能に嵌入されている。
【0020】増圧ピストン20を収容する収容室23
は、増圧ピストン20によって加圧室231と容積復帰
用作用室232とに区画されている。被ガイドロッド2
01をスライド可能に収容するガイド孔24は、供給通
路25を経由して作動流体供給部26に連通している。
ガイド孔24と加圧室231とはバイパス通路27を介
して接続している。バイパス通路27は、ガイド孔24
の側面に接続している。容積復帰用作用室232は、第
1の制御通路29を経由して噴射用バルブ16を収容す
る弁収容室28に連通している。
【0021】加圧室231は、加圧通路33を経由して
増圧用バルブ15を収容する収容孔30に連通してい
る。増圧用バルブ15の収容孔30内における周面には
環状通路151が形成されている。環状通路151は加
圧通路33に連通している。収容孔30は加圧通路34
を介して作動流体供給部26に接続している。加圧通路
34は、切り換え弁14が非噴射位置にあるときには環
状通路151に連通しないが、切り換え弁14が噴射位
置にあるときには環状通路151に連通する。
【0022】弁案内体12には弁孔121が形成されて
おり、上部ハウジング11には弁孔111が弁孔121
に対向して形成されている。弁孔121は第1の制御通
路29に接続しており、弁孔111は放圧通路31を経
由して放圧部32に連通している。弁孔121,111
は噴射用バルブ16によって開閉される。噴射用バルブ
16は、切り換え弁14が非噴射位置にあるときには弁
孔121を開くと共に、弁孔111を閉じ、切り換え弁
14が噴射位置にあるときには弁孔121を閉じると共
に、弁孔111を開く。
【0023】切り換え弁14内には絞り通路141が形
成されている。絞り通路141は、環状通路151と放
圧通路31とを繋いでいる。下部ハウジング21には増
圧室形成体35、圧力制御手段収容体36,37及び弁
収容体38が嵌入収容されている。増圧室221は、増
圧室形成体35内の増圧室351に連通している。増圧
室221,351は燃料供給通路41を経由して燃料供
給部42に連通している。燃料供給部42から供給され
る燃料の供給圧は数気圧程度である。増圧室351より
上流の燃料供給通路41上には逆止弁43が介在されて
いる。
【0024】圧力制御手段収容体36,37に収容され
ている圧力制御手段44は、押し付けピストン45と、
押し付けピストン45に止着された押し付けロッド46
と、押し付けピストン45及び押し付けロッド46を弁
収容体38側に付勢する押し付けばね47と、圧力制御
手段収容体36に形成された制御圧室361とからな
る。押し付けピストン45は制御圧室361内にスライ
ド可能に嵌入されており、押し付けピストン45は制御
圧室361内の圧力を受ける。制御圧室361は第2の
制御通路48を経由して弁収容室28に連通している。
制御圧室361の最大容積は、容積復帰用作用室232
の最大容積よりもかなり小さくしてある。
【0025】弁収容体38には噴射弁49が収容されて
いる。噴射弁49は、弁収容体38に形成された噴射口
381を開閉する。噴射弁49は、大径部491と小径
部492と段差部493とからなる。大径部491の端
面には押し付けロッド46が押し付けばね47のばね力
によって押接されている。段差部493は燃料充填室3
82に露出しており、段差部493には燃料充填室38
2内の圧力が常時作用している。段差部493に作用す
る圧力は、押し付けばね47のばね力に対抗する方向へ
噴射弁49を付勢する。燃料充填室382は燃料供給通
路41、増圧室351及び燃料供給通路41を経由して
燃料供給部42に接続している。
【0026】電磁ソレノイド13はコントローラ10の
励消磁制御を受ける。コントローラ10は、図示しない
検出手段によって得られるエンジン作動状態、負荷等の
情報に基づいて電磁ソレノイド13の励消磁を制御す
る。
【0027】電磁ソレノイド13が消磁状態にある場
合、切り換え弁14は、図1に示すように復帰ばね18
のばね力によって非噴射位置に配置される。切り換え弁
14が非噴射位置に配置された状態では、噴射用バルブ
16が弁孔111を閉じ、かつ弁孔121を開いた非噴
射位置にあり、さらに増圧用バルブ15が加圧通路34
と環状通路151との連通を遮断する非増圧位置にあ
る。増圧用バルブ15が非増圧位置に配置された状態
は、加圧通路33を経由した加圧室231と作動流体供
給部26との連通を遮断する状態である。噴射用バルブ
16が非噴射位置に配置された状態は、供給通路25、
弁孔121、弁収容室28及び第1の制御通路29を経
由して容積復帰用作用室232と作動流体供給部26と
を連通すると共に、供給通路25、弁孔121、弁収容
室28及び第2の制御通路48を経由して制御圧室36
1と作動流体供給部26とを連通する状態である。加圧
通路33を経由した加圧室231と作動流体供給部26
との連通を遮断した状態では、加圧室231が加圧通路
33、環状通路151、絞り通路141及び放圧通路3
1を経由して放圧部32に連通している。放圧部32の
圧力は大気圧程度である。作動流体供給部26からの供
給圧は供給通路25を介して被ガイドロッド201の上
端面に常に作用している。
【0028】電磁ソレノイド13が消磁状態にある図1
の状態では、作動流体供給部26からの供給圧は、容積
復帰用作用室232及び制御圧室361に波及してお
り、容積復帰用作用室232内及び制御圧室361内は
高圧である。しかし、放圧部32に連通する加圧室23
1内は低圧である。図1において、被ガイドロッド20
1の上端面に作用する全圧力と加圧室231において増
圧ピストン20に作用する全圧力との和と、容積復帰用
作用室232において増圧ピストン20に作用する全圧
力との対抗は、増圧ピストン20を上動する方向に作用
する。押し付けピストン45に作用する制御圧室361
内の高圧は、噴射口381を閉じる非噴射位置に噴射弁
49を配置する。
【0029】図1の状態から電磁ソレノイド13が励磁
されると、切り換え弁14は、図2に示すように復帰ば
ね18のばね力に抗して噴射位置に配置される。切り換
え弁14が噴射位置に配置された状態では、噴射用バル
ブ16が弁孔111を開き、かつ弁孔121を閉じた噴
射位置にあり、さらに増圧用バルブ15が加圧通路34
と環状通路151とを連通する増圧位置にある。増圧用
バルブ15が増圧位置に配置された状態は、加圧通路3
3,34を経由して加圧室231と作動流体供給部26
とを連通する状態である。噴射用バルブ16が噴射位置
に配置された状態は、放圧通路31、弁孔111、弁収
容室28及び第1の制御通路29を経由して容積復帰用
作用室232と放圧部32とを連通すると共に、放圧通
路31、弁孔111、弁収容室28及び第2の制御通路
48を経由して制御圧室361と放圧部32とを連通す
る状態である。加圧通路33,34を経由して加圧室2
31と作動流体供給部26とを連通した状態では、作動
流体供給部26からの供給圧が加圧室231に波及する
状態である。
【0030】電磁ソレノイド13を消磁状態から励磁状
態へ切り換えると、増圧用バルブ15は図1の非増圧位
置から図2の増圧位置へ移動し、作動流体供給部26と
加圧室231とが連通する。又、噴射用バルブ16は図
1の非噴射位置から図2の噴射位置へ移動し、放圧部3
2と増圧室221,351とが連通すると共に、放圧部
32と制御圧室361とが連通する。噴射用バルブ1
6、被吸引体17及び復帰ばね18は、制御圧室361
を放圧部32に連通した燃料噴射可能な放圧状態と、制
御圧室361を放圧部32に連通しない燃料噴射不能な
非放圧状態とに切り換えられる噴射用切り換え手段40
を構成する。
【0031】電磁ソレノイド13が励磁状態にある図2
の状態では、作動流体供給部26からの供給圧は、加圧
室231に波及しており、加圧室231内は高圧であ
る。しかし、放圧部32に連通する容積復帰用作用室2
32内及び制御圧室361内は低圧である。図2におい
て、被ガイドロッド201の上端面に作用する全圧力と
加圧室231において増圧ピストン20に作用する全圧
力との和と、容積復帰用作用室232において増圧ピス
トン20に作用する全圧力との対抗は、増圧ピストン2
0を下動する方向に作用する。増圧ピストン20に対す
るこの作用は、増圧室221,351内の燃料を増圧す
る。増圧ピストン20、増圧プランジャ202、増圧室
221,351及び容積復帰用作用室232は、燃料の
圧力を増圧する増圧手段19を構成する。増圧ピストン
20及び増圧プランジャ202は、増圧室221,35
1の容積を増減可能に変位する増圧用変位体となる。燃
料の増圧を行なっている増圧手段19の増圧状態では逆
止弁43は燃料供給通路41を閉じる閉位置にある。増
圧用バルブ15、被吸引体17及び復帰ばね18は、加
圧室231を作動流体供給部26に連通して増圧手段1
9を燃料増圧状態とする加圧状態と、加圧室231を放
圧部32に連通して増圧手段19を燃料非増圧状態とす
る非加圧状態とに切り換えられる増圧用切り換え手段を
構成する。
【0032】増圧された燃料の高圧力は、噴射弁49を
収容する燃料充填室382に波及し、燃料の高圧力は段
差部493に作用する。この作用力は、制御圧室361
内で押し付けピストン45に作用する全圧力と押し付け
ばね47のばね力との和を上回り、噴射弁49は噴射口
381を開いた噴射位置に配置される。従って、電磁ソ
レノイド13の励磁によって増圧ピストン20が下動し
ている間は燃料の噴射が行われる。増圧ピストン20が
下動している途中にバイパス通路27が加圧室231に
連通し、供給通路25から供給される作動流体の供給圧
が加圧室231に加わる。従って、バイパス通路27が
加圧室231に連通した以後の増圧ピストン20の下動
が加速され、燃料が一層増圧される。
【0033】増圧ピストン20が下動している途中、即
ち燃料の噴射が行われている途中に電磁ソレノイド13
を励磁状態から消磁状態へ切り換えた場合、加圧通路3
3、環状通路151及び絞り通路141を経由して放圧
部32に連通する加圧室231内の圧力は降圧してゆ
く。しかし、絞り通路141が加圧室231内の圧力の
降圧を遅らせる。従って、燃料の噴射が行われている途
中に電磁ソレノイド13を励磁状態から消磁状態へ、さ
らに消磁状態から励磁状態へ素早く切り換えた場合、加
圧室231内が高圧に保圧された状態で燃料の高圧噴射
が断続的に行われる。
【0034】第1の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (1-1)電磁ソレノイド13を励磁状態から消磁状態へ
切り換えて噴射用切り換え手段40を放圧状態から非放
圧状態へ切り換えた場合、増圧手段19が燃料増圧状態
から燃料非増圧状態へ移行しようとする。しかし、絞り
通路141が加圧室231内の降圧を遅らせる。即ち、
絞り通路141は、増圧手段19の燃料増圧状態から燃
料非増圧状態への移行を遅らせて燃料の圧力低下を遅ら
せる降圧遅延手段となる。この移行の遅延は、燃料を高
圧に保圧することになる。燃料が高圧に保圧されている
間に電磁ソレノイド13を消磁状態から励磁状態へ切り
換えれば、断続的な燃料の高圧噴射が行える。分割噴射
は、エンジン始動性の向上、白煙の発生防止に有効であ
り、パイロット噴射は、燃焼音を抑制する上で有効であ
る。絞り通路141の絞り作用による燃料の高圧の保圧
は、単一の電磁ソレノイド13の励磁から消磁へ、さら
に消磁から励磁への素早い切り換えによって所望の噴射
量プロフィールを的確に得ることを可能にする。
【0035】(1-2)制御圧室361の容積は容積復帰
用作用室232に比べてかなり小さくしてある。噴射用
バルブ16を噴射位置から非噴射位置に切り換えたとき
には制御圧室361内の圧力の昇圧は速く、噴射弁49
は噴射位置から非噴射位置へ迅速に移行する。しかし、
噴射用バルブ16を噴射位置から非噴射位置に切り換え
たときの容積復帰用作用室232内の圧力の昇圧は遅
い。加圧室231内の圧力に対抗する容積復帰用作用室
232内の圧力の昇圧が速いと、増圧室221,351
内の燃料の圧力の降圧が速まり、望ましい断続的な燃料
の高圧噴射が行えない。容積復帰用作用室232内の遅
い昇圧は、燃料の高圧の保圧に寄与し、容積復帰用作用
室232は燃料の圧力低下を遅らせる降圧遅延手段とな
る。
【0036】(1-3)電磁ソレノイド13の励消磁によ
る切り換え弁14の少ない変位量を考慮すると、環状通
路151と加圧通路34との間における最大の通過断面
積はあまり大きくできない。そのため、増圧用バルブ1
5の非増圧位置から増圧位置への移行時には絞りの影響
があり、加圧通路34,33のみを経由した作動流体の
供給では作動流体の流量不足による増圧不足のおそれが
ある。しかし、被ガイドロッド201の上端面には作動
流体が常に作用しているため、前記した作動流体の流量
不足による増圧不足のおそれは解消する。
【0037】(1-4)増圧用バルブ15及び噴射用バル
ブ16を一体化した構成は、単一の電磁ソレノイド13
で駆動する上で簡便である。 (1-5)切り換え弁14内に絞り通路141を設けた構
成は、放圧部32に繋がる放圧通路31を単一とし、放
圧部32と燃料噴射装置との間の配管構成が簡素にな
る。
【0038】(1-6)増圧ピストン20が上動するとき
に燃料が増圧室221,351に補給されるが、増圧ピ
ストン20の上動は容積復帰用作用室232の昇圧によ
って行われる。増圧ピストン20を上動させるためのば
ねのない構成は、部品点数の削減によるコスト減に寄与
する。
【0039】次に、図3の第2の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、加圧室231は加圧通路
33、絞り通路112及び放圧通路31Aを介して放圧
部32に連通している。絞り通路112は第1の実施の
形態における絞り通路141と同じ機能を果たす。又、
ガイド孔24はバイパス通路27Aを介して加圧通路3
3に連通している。バイパス通路27Aは第1の実施の
形態におけるバイパス通路27と同じ機能を果たす。
【0040】次に、図4及び図5の第3の実施の形態を
説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号
が付してある。上部ハウジング11内には噴射用切り換
え手段40A、増圧用切り換え手段39A及び増圧手段
19Aが収容されている。噴射用切り換え手段40A
は、電磁ソレノイド13の励磁によって吸引力を受ける
噴射用被吸引体51と、噴射用被吸引体51に固定され
た噴射用バルブ53と、噴射用バルブ53に結合された
被ガイドロッド52と、噴射用被吸引体51を電磁ソレ
ノイド13から離間する方向へ付勢する噴射用ばね54
とからなる。噴射用バルブ53は弁収容室61に収容さ
れており、被ガイドロッド52は、弁孔形成体50のガ
イド孔501内にスライド可能に嵌入されている。噴射
用ばね54は、電磁ソレノイド13の固定鉄芯131と
噴射用被吸引体51との間に介在されており、噴射用バ
ルブ53は、弁孔形成体50に形成された弁孔502及
び弁孔形成体59に形成された弁孔591を開閉する。
弁孔502は放圧通路63を介して放圧部32に連通し
ている。弁孔591は、噴射用被吸引体51の収容室5
92及び供給通路67を介して作動流体供給部26に連
通している。噴射用ばね54のばね力は、噴射用被吸引
体51及び被ガイドロッド52を介して弁孔502を閉
じる方向へ噴射用バルブ53に対して作用する。
【0041】増圧用切り換え手段39Aは、電磁ソレノ
イド13の励磁によって吸引力を受ける増圧用被吸引体
55と、増圧用被吸引体55に止着された増圧用バルブ
57と、増圧用バルブ57に結合された被ガイドロッド
56と、増圧用バルブ57を電磁ソレノイド13から離
間する方向へ付勢する増圧用ばね58とからなる。増圧
用バルブ57は弁収容室62に収容されており、被ガイ
ドロッド56は、弁孔113にスライド可能に嵌入され
ている。増圧用ばね58は、電磁ソレノイド13の固定
鉄芯131と増圧用被吸引体55との間に介在されてお
り、増圧用バルブ57は、弁孔113及び弁孔形成体6
0に形成された弁孔601を開閉する。増圧用ばね58
は、弁孔113を閉じる方向に増圧用バルブ57を付勢
する。弁孔113は供給通路68を介して作動流体供給
部26に連通している。
【0042】増圧用バルブ57には絞り通路571が形
成されている。弁孔601は絞り通路571に連通して
おり、絞り通路571は、増圧用被吸引体55の収容室
602及び放圧通路64を介して放圧部32に連通して
いる。
【0043】増圧手段19Aは、増圧ピストン65と、
増圧プランジャ651と、増圧ピストン65によって区
画された加圧室71と、増圧ピストン65を加圧室71
側に付勢する復帰ばね66と、増圧室221,351と
からなる。加圧室71は加圧通路69を介して弁収容室
62に連通しており、弁収容室61は制御通路70を介
して制御圧室361に連通している。
【0044】電磁ソレノイド13の消磁状態を示す図4
では、噴射用バルブ53は、弁孔502を閉じていると
共に、弁孔591を開く非噴射位置にあり、増圧用バル
ブ57は、弁孔113を閉じると共に、弁孔601を開
く非増圧位置にある。従って、電磁ソレノイド13が消
磁状態にあるときには、加圧室71は、加圧通路69、
弁収容室62、弁孔601、絞り通路571、収容室6
02及び放圧通路64を経由して放圧部32に連通す
る。又、制御圧室361は、制御通路70、弁収容室6
1、弁孔591、収容室592及び供給通路67を経由
して作動流体供給部26に連通する。このような連通状
態は、噴射口381を閉じる非噴射位置に噴射弁49を
配置する。
【0045】電磁ソレノイド13の励磁状態を示す図5
では、噴射用バルブ53は、弁孔591を閉じていると
共に、弁孔502を開く噴射位置にあり、増圧用バルブ
57は、弁孔601を閉じると共に、弁孔113を開く
増圧位置にある。従って、電磁ソレノイド13が励磁状
態にあるときには、加圧室71は、加圧通路69、弁収
容室62、弁孔113及び供給通路68を経由して作動
流体供給部26に連通する。又、制御圧室361は、制
御通路70、弁収容室61、弁孔502及び放圧通路6
3を経由して放圧部32に連通する。このような連通状
態は、噴射口381を開く噴射位置に噴射弁49を配置
する。
【0046】電磁ソレノイド13を励磁状態から消磁状
態へ切り換えると、増圧ピストン65は復帰ばね66の
ばね力によって上動しようとする。しかし、絞り通路5
71は、第1の実施の形態における絞り通路141、及
び第2の実施の形態における絞り通路112と同じ機能
を果たす。従って、加圧室71内の圧力の降圧が遅れ、
加圧室71内の圧力が高圧に保圧される。このような保
圧は、単一の電磁ソレノイド13の励磁から消磁へ、さ
らに消磁から励磁への素早い切り換えによって所望の噴
射量プロフィールを的確に得ることを可能にする。
【0047】次に、図6及び図7の第4の実施の形態を
説明する。第3の実施の形態と同じ構成部には同じ符号
が付してある。増圧用切り換え手段39Bは、電磁ソレ
ノイド13の励磁によって吸引される増圧用被吸引体7
3と、増圧用被吸引体73に結合され、かつ弁案内体7
2にスライド可能に嵌入された増圧用バルブ74と、固
定鉄芯131と増圧用被吸引体73との間に介在された
増圧用ばね75とからなる。増圧用バルブ74は弁孔8
5を開閉し、増圧用ばね75は、弁孔85を閉じる方向
へ増圧用バルブ74を付勢する。
【0048】噴射用切り換え手段40Bは、電磁ソレノ
イド13の励磁によって吸引される噴射用被吸引体76
と、噴射用被吸引体76の先端に支持された噴射用バル
ブ77と、固定鉄芯131と噴射用被吸引体76との間
に介在された噴射用ばね78とからなる。噴射用バルブ
77は、制御通路形成体79に形成された制御通路79
1を開閉し、噴射用ばね78は、制御通路791を閉じ
る方向へ噴射用バルブ77を付勢する。制御通路791
は制御通路86を経由して制御圧室361に連通してい
る。
【0049】噴射用被吸引体76は、増圧用バルブ74
に挿通されており、噴射用被吸引体76と増圧用バルブ
74との間の空隙は絞り通路742となっている。増圧
用バルブ74には絞り通路741が絞り通路742に連
通するように形成されている。絞り通路741,742
は、放圧室87及び放圧通路82を経由して放圧部32
に連通している。噴射用被吸引体76及び噴射用バルブ
77のストロークは、増圧用バルブ74のストロークよ
りも短くしてある。
【0050】増圧用バルブ74を収容する弁収容室84
は、加圧通路69を介して加圧室71に連通している。
弁収容室84と放圧部32とを接続する放圧通路83上
にはボール形状の放圧用バルブ80が介在されている。
放圧用バルブ80は、放圧用ばね81のばね力によって
放圧通路83を開く方向に付勢されている。
【0051】増圧室351と制御圧室361とは絞り通
路352を介して連通している。電磁ソレノイド13の
消磁状態を示す図6では、噴射用バルブ77は、制御通
路791を閉じる非噴射位置にあり、増圧用バルブ74
は、弁孔85を閉じると共に、絞り通路741を弁収容
室84に連通する非増圧位置にある。従って、電磁ソレ
ノイド13が消磁状態にあるときには、加圧室71は、
加圧通路69、弁収容室84、絞り通路741,74
2、放圧室87及び放圧通路82を経由して放圧部32
に連通する。又、制御通路86,791、放圧室87及
び放圧通路82を介した制御圧室361と放圧部32と
の連通は遮断されている。このような連通状態及び連通
遮断状態では、制御圧室361内の圧力及び押し付けば
ね47のばね力が噴射口381を閉じる非噴射位置に噴
射弁49を配置する。
【0052】電磁ソレノイド13の励磁状態を示す図7
では、噴射用バルブ77は、制御通路791を開く噴射
位置にあり、増圧用バルブ74は、弁孔85を開くと共
に、絞り通路741と弁収容室84との連通を遮断する
増圧位置にある。従って、電磁ソレノイド13が励磁状
態にあるときには、加圧室71は、加圧通路69、弁収
容室84、弁孔85及び供給通路68を経由して作動流
体供給部26に連通する。従って、作動流体供給部26
からの供給圧が加圧室71に波及し、燃料の増圧が行わ
れる。作動流体供給部26からの供給圧が加圧室71に
波及する状態では、放圧用バルブ80が放圧通路83を
閉じる閉位置に配置される。増圧された燃料の圧力は燃
料充填室382に波及する。又、制御圧室361は、制
御通路86,791、放圧室87及び放圧通路82を経
由して放圧部32に連通している。従って、燃料充填室
382に波及する増圧された燃料の圧力は、制御圧室3
61内の圧力及び押し付けばね47のばね力に打ち勝っ
て噴射口381を開く噴射位置に噴射弁49を配置す
る。
【0053】電磁ソレノイド13を励磁状態から消磁状
態へ切り換えると、増圧用バルブ74よりもストローク
の短い噴射用バルブ77が先に非噴射位置に戻り、制御
圧室361から放圧部32側への作動流体の流出が止ま
る。すると、増圧室221,351から絞り通路352
を介して制御圧室361に波及する増圧された燃料の圧
力が噴射弁49を非噴射位置に配置する。噴射用バルブ
77よりもストロークの長い増圧用バルブ74は、噴射
用バルブ77よりも遅れて非増圧位置に戻り、加圧室7
1が絞り通路741,742を経由して放圧部32に連
通する。加圧室71が絞り通路741,742を経由し
て放圧部32に連通すると、加圧室71内及び弁収容室
84内の圧力が低下してゆく。加圧室71内及び弁収容
室84内の圧力が設定されたしきい値以下になると、放
圧用バルブ80が放圧用ばね81のばね力によって放圧
通路83を開く開位置に配置される。
【0054】第4の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (4-1)電磁ソレノイド13を励磁状態から消磁状態へ
切り換えると、増圧ピストン65は復帰ばね66のばね
力によって上動しようとする。しかし、絞り通路74
1,742は、第1の実施の形態における絞り通路14
1、及び第2の実施の形態における絞り通路112と同
じ機能を果たす。従って、加圧室71内の圧力の降圧が
遅れ、加圧室71内の圧力が高圧に保圧される。このよ
うな保圧は、単一の電磁ソレノイド13の励磁から消磁
へ、さらに消磁から励磁への素早い切り換えによって所
望の噴射量プロフィールを的確に得ることを可能にす
る。
【0055】(4-2)増圧用バルブ74のストロークを
噴射用バルブ77のストロークよりも長くした構成は、
電磁ソレノイド13の励磁から消磁への切り換えによる
増圧用バルブ74の戻りを噴射用バルブ77の戻りより
も遅らせる。このような遅らせは、絞り通路741と弁
収容室84との連通を遅らせることになり、加圧室71
内の圧力の降圧遅延が一層効果的に行われる。
【0056】(4-3)加圧室71内の圧力が放圧用ばね
81のばね力によって決まる前記設定しきい値以下にな
ると、加圧室71内の作動流体が急激に流出する。従っ
て、次の噴射までには増圧室221,351に燃料を補
給するように最上動位置に戻っていなければならない増
圧ピストン65は、放圧用バルブ80及び放圧用ばね8
1の存在によって最上動位置に確実に戻る。
【0057】(4-4)制御圧室361に導入される増圧
された燃料は、噴射弁49の作動制御に用いられる。そ
のため、非噴射位置で噴射弁49を弁収容体38に押し
付ける力が大きく、押し付けピストン45のサイズダウ
ンが可能となる。押し付けピストン45のサイズダウン
は、噴射弁49の位置切り換えの応答性の向上に寄与す
る。
【0058】(4-5)制御圧室361に導入された増圧
された燃料の圧力は、噴射用バルブ77を噴射位置に配
置することによって低下させられる。増圧された燃料の
圧力は高圧であるため、噴射用バルブ77の非噴射位置
と噴射位置との離間量は僅かで済む。従って、噴射用バ
ルブ77のストロークは少なくて済み、噴射用バルブ7
7の位置切り換えの応答性が向上する。噴射用バルブ7
7の位置切り換えの応答性の向上は、噴射弁49の位置
切り換えの応答性の向上に寄与する。
【0059】次に、図8の第5の実施の形態を説明す
る。第4の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、放圧室87が放圧通路8
8を介して燃料供給部42に連通している。燃料供給部
42は数気圧程度で燃料を供給しており、燃料供給部4
2を放圧部として用いる上で支障はない。作動流体とし
ては燃料が用いられる。従って、放圧部32側からエア
が制御圧室361に入り込むようなことはなく、圧力制
御手段44の応答性がエアの影響で低下するようなこと
はない。
【0060】次に、図9の第6の実施の形態を説明す
る。第4の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、制御圧室361が絞り通
路352及び圧力供給通路89を介して弁収容室84に
連通しており、作動流体が噴射弁49の作動制御に用い
られる。
【0061】本発明では以下のような実施の形態も可能
である。 (1)第1及び第2の実施の形態において、バイパス通
路27,27Aを省略すること。 (2)第1及び第2の実施の形態において、供給通路2
5とガイド孔24とを連通させず、増圧室221の容積
を減少する方向に増圧ピストン20に対してばね力を作
用させること。 (3)第3〜第5の実施の形態において、放圧用バルブ
80及び放圧用ばね81を省略すること。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、単一の
電磁ソレノイドの励消磁の切り換えに伴う増圧手段の燃
料増圧状態から燃料非増圧状態への移行を遅らせて燃料
の圧力低下を遅らせるようにしたので、単一の電磁ソレ
ノイドを用いて所望の噴射量プロフィールを的確に得ら
れるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、電磁ソレノイド13
の消磁状態を示す断面図。
【図2】電磁ソレノイド13の励磁状態を示す断面図。
【図3】第2の実施の形態を示す断面図。
【図4】第3の実施の形態を示し、電磁ソレノイド13
の消磁状態を示す断面図。
【図5】電磁ソレノイド13の励磁状態を示す断面図。
【図6】第4の実施の形態を示し、電磁ソレノイド13
の消磁状態を示す断面図。
【図7】電磁ソレノイド13の励磁状態を示す断面図。
【図8】第5の実施の形態を示す断面図。
【図9】第6の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
13…電磁ソレノイド。16…噴射用切り換え手段40
を構成する噴射用バルブ。18…噴射用切り換え手段4
0を構成する噴射用ばね。19,19A…増圧手段。2
0,65…増圧手段を構成する増圧ピストン。221,
351…増圧室。231,71…加圧室。232…容積
復帰用付勢手段となる容積復帰用作用室。26…作動流
体供給部。32…放圧部。361…制御圧室。40,4
0A,40B…噴射用切り換え手段。44…圧力制御手
段。45…圧力制御手段44を構成する押し付けピスト
ン。49…噴射弁。53…噴射用切り換え手段40Aを
構成する噴射用バルブ。57…増圧用切り換え手段39
Aを構成する増圧用バルブ。66…容積復帰用付勢手段
となる復帰ばね。74…増圧用切り換え手段39Bを構
成する増圧用バルブ。77…噴射用切り換え手段40B
を構成する噴射用バルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 47/02 F02M 47/02 57/02 320 57/02 320B Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC08 AD12 BA22 BA24 CA01T CA04T CA08 CA09 CA31 CA32U CA33 CA34 CA36 CB07T CB07U CB09 CB11 CC01 CC06T CC08T CC14 CC26 CC64T CD26 CE12 CE13 CE22 CE34 DA08 DA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を噴射させる噴射位置と燃料を噴射さ
    せない非噴射位置とに切り換え配置される噴射弁と、 前記噴射弁に作動流体の圧力を作用させるための制御圧
    室を有し、前記噴射弁に対する前記制御圧室内の作動流
    体の圧力を制御して前記噴射弁を切り換え制御する噴射
    用圧力制御手段と、 燃料を加圧するための加圧室及び燃料導入用の増圧室を
    有し、前記作動流体の圧力を前記加圧室に導入して前記
    増圧室内の燃料の圧力を増圧する増圧手段と、 単一の電磁ソレノイドと、 前記電磁ソレノイドの励消磁作用によって、前記噴射用
    圧力制御手段の制御圧室を放圧部に連通した燃料噴射可
    能な放圧状態と、放圧部に連通しない燃料噴射不能な非
    放圧状態とに切り換えられる噴射用切り換え手段と、 前記電磁ソレノイドの励消磁作用によって、前記増圧手
    段の加圧室を作動流体供給部に連通して前記増圧手段を
    燃料増圧状態とする加圧状態と、前記増圧手段の加圧室
    を放圧部に連通して前記増圧手段を燃料非増圧状態とす
    る非加圧状態とに切り換えられる増圧用切り換え手段
    と、 前記電磁ソレノイドの励消磁の切り換えに伴う前記増圧
    手段の燃料増圧状態から燃料非増圧状態への移行を遅ら
    せて前記増圧室内の燃料の圧力低下を遅らせる降圧遅延
    手段とを備えた燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】前記噴射用切り換え手段は、前記電磁ソレ
    ノイドの消磁状態では非放圧状態にあり、前記噴射用切
    り換え手段は、前記電磁ソレノイドの励磁状態では放圧
    状態にあり、前記増圧用切り換え手段は、前記電磁ソレ
    ノイドの消磁状態では非加圧状態にあり、前記増圧用切
    り換え手段は、前記電磁ソレノイドの励磁状態では加圧
    状態にある請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】前記増圧手段は、前記増圧室の容積を増減
    可能に変位する増圧用変位体と、前記増圧室の容積を減
    少させるように前記増圧用変位体に作動流体を作用させ
    る前記加圧室と、前記増圧室の容積を増大させる方向に
    前記増圧用変位体を付勢する容積復帰用付勢手段とを備
    え、前記増圧用切り換え手段は、前記増圧手段の加圧室
    を放圧部に連通したときの前記放圧部と前記加圧室とを
    繋ぐ通路の通過断面積を絞る絞り手段を備えている請求
    項1及び請求項2のいずれか1項に記載の燃料噴射装
    置。
  4. 【請求項4】前記噴射用切り換え手段は、前記電磁ソレ
    ノイドの励消磁の切り換えによって、前記圧力制御手段
    の制御圧室に通じる作動流体の制御通路を放圧部に連通
    する放圧位置と放圧部に連通しない非放圧位置とに切り
    換えられる噴射用バルブと、前記非放圧位置へ前記噴射
    用バルブを付勢する噴射用ばねとを備え、 前記増圧用切り換え手段は、前記電磁ソレノイドの前記
    励消磁の切り換えによって、前記増圧手段の加圧室に通
    じる作動流体の加圧通路を作動流体供給部に連通する加
    圧位置と放圧部に連通する非加圧位置とに切り換えられ
    る増圧用バルブと、前記加圧位置へ前記増圧用バルブを
    付勢する増圧用ばねとを備え、 前記絞り手段は、前記増圧用バルブに設けられた絞り通
    路である請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】前記容積復帰用付勢手段は、前記増圧用変
    位体に作動流体の圧力を作用させる容積復帰用作用室で
    あり、前記噴射用切り換え手段は、前記放圧状態のとき
    に前記放圧部と前記容積復帰用作用室とを連通し、前記
    非放圧状態のときに前記作動流体供給部と前記容積復帰
    用作用室とを連通する請求項3に記載の燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006132538A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Robert Bosch Gmbh 燃料噴射装置

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