JP4418594B2 - 着座ピンアクチュエータを備える油圧作動燃料噴射器 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は一般に燃料噴射器、より詳しくは、直接制御のチェック弁部材を備える油圧作動の燃料噴射器および燃料噴射システムおよびそれを用いる方法に関する。
【0002】
(背景)
既知の油圧作動燃料噴射システムおよび/または構成部品は、例えば、1992年6月6日にAusman他へ発行された米国特許第5,121、730号、1993年12月21日にMeints他へ発行された米国特許第5,271、371号,および1994年3月29日にHafner他へ発行された米国特許第5,297、523号に示されている。これらの油圧作動の燃料噴射器においては、スプリングで偏倚されたチェック弁部材が、増圧ピストン/プランジャアセンブリにより圧力が弁開口圧にまで上昇されたときに、燃料噴射を開始すべく開く。増圧ピストンは、ソレノイド駆動の作動流体制御弁が噴射器の高圧入口を開いたとき、エンジン潤滑油のような比較的高圧の作動流体により作動される。噴射は、増圧ピストンの圧力を解放すべくソレノイドを消磁することで終了される。これは、順に、燃料圧力の低下を生じさせ、チェック弁がそのリターンスプリングの作動の下で閉じ、噴射の終了を生じさせる。
【0003】
直接制御のチェック弁を備える油圧作動の燃料噴射器は、1998年4月14日にChen他へ発行された米国特許第5,738、075号に教示されている。直接制御のチェック弁を備える燃料噴射器においては、高圧の作動流体がまた、チェック弁部材の閉鎖油圧面に圧力を加えるチェック制御チャンバに流用される。直接制御のチェック弁は、一般に、作動流体制御弁よりも速く応答するので、直接制御のチェック弁は、燃料圧力の低下が生ずる前に、チェック弁部材をより迅速に閉じるか、または代わる代わりに極めて迅速に開および閉するために用いられ得る。
【0004】
この形式の油圧作動燃料噴射器の作動が図2−に示されており、ここでは、単一の二方向アクチュエータが、チェック制御弁のチェック弁部材の迅速な応答に対する作動流体制御弁のヒステリシス(遅れ)作用を利用して、作動流体制御および直接のチェック制御の両者を制御している。この燃料噴射器101は、増圧制御通路109を作動流体入口106または低圧の作動流体ドレン104に交互に開くのに単一の二方向ソレノイド130を利用し、そして、チェック制御チャンバ118の作動流体入口106または作動流体ドレン104への露出を制御するのにも、同じソレノイド130を用いている。
【0005】
噴射器101は、分岐レール通路(38)に接続されている作動流体入口106、作動流体還流ラインに接続されている作動流体ドレン104、および燃料供給通路に接続されている燃料入口120を有する噴射器本体105を含んでいる。噴射器101は、各噴射の際、噴射器内で燃料を加圧する油圧手段、および、ノズル出口117の開および閉を制御するチェック制御弁(160)を含んでいる。
【0006】
燃料を加圧する油圧手段は、ピン135に取付けられた二方向ソレノイド130を含む作動流体制御弁(203)を含んでいる。増圧スプール弁部材140は、ピン135およびボール弁部材136の動きに応答し、増圧制御通路109を作動流体入口106または低圧ドレン104に交互に開く。増圧制御通路109は段付きピストンボア110,115に開いており、段付きピストンボア内で増圧ピストン150は、戻り位置(図2および3に示される)と前方位置(不図示)との間を往復する。
【0007】
噴射器本体105はまた、プランジャボア111を含み、この中を、プランジャ153が引込み位置(図2および4に示される)と前進位置(不図示)との間で往復する。プランジャボア111とプランジャ153との一部は燃料加圧チャンバ112を画成し、この中で、燃料が各噴射の際に加圧される。プランジャ153および増圧ピストン150は、圧縮スプリング154の作用の下に、噴射の間にそれらの引込み位置に戻される。
【0008】
このように、燃料を加圧する油圧手段は、燃料加圧チャンバ112、プランジャ153、増圧ピストン150、作動流体入口106、増圧制御通路109および作動流体制御弁の種々の構成部品を含み、その構成部品はソレノイド130、ボール弁部材136、ピン135、および増圧スプール弁部材140、その他を含む。
【0009】
燃料は燃料入口120において噴射器101に入り、プランジャ153が引込むとき、ボールチェック121を過ぎ、隠れた燃料供給通路124に沿って燃料加圧チャンバ112に移動する。ボールチェック121は、プランジャの下方へのストロークの際、燃料加圧チャンバ112から燃料供給通路124への燃料の逆流を防止する。加圧された燃料は、燃料加圧チャンバ112から接続通路113を経てノズルチャンバ114に移動する。チェック弁部材160は、ノズルチャンバ114内で、ノズル出口117が開かれる開位置とノズル出口117が閉じられる閉位置との間を動く。
【0010】
チェック弁部材160は、下側チェック部分161とスペーサ164および166で分離された増圧部分162とを含み、スペーサ164と増圧部分162との間に縮設された圧縮スプリング165によってその閉位置に機械的に偏倚されている。かくて、チェック弁部材160が閉じられ且つチェック制御チャンバ118が低圧側に開いているとき、増圧部分162はその上側ストッパに対し押されている。
【0011】
チェック弁部材160は、ノズルチャンバ114の流体圧力に曝された開油圧表面163、および、チェック制御チャンバ118の流体圧力に曝された閉油圧表面167を含んでいる。閉油圧表面167および開油圧表面163は、チェック制御チャンバ118が高圧の流体源に開口されたとき、チェック弁部材160がその閉位置に向けて油圧的に偏倚されるように寸法付けられ且つ配列されている。かくて、ノズルチャンバ114内に弁開圧よりも高い圧力の燃料が存在するにもかかわらずノズル出口117を閉状態に保つべく、閉油圧表面167に適切な圧力が存すべきである。開油圧表面163および閉油圧表面167はまた、好ましくは、チェック制御チャンバ118が低圧通路に接続され、ノズルチャンバ114内の燃料圧力が弁開圧よりも高いとき、チェック弁部材160がその開位置に向けて油圧的に偏倚されるように寸法付けられ且つ配列されている。
【0012】
噴射器101への燃料の作動流体制御弁領域において、二方向ソレノイド130がピン135に取付けられている。反発的ソレノイド130が消磁されると、高圧の油圧流体の油圧力がボール弁部材136を上側シート172に対して押すので、ピン135は引込み位置に押される。この位置では、高圧作動流体が下側シート173を過ぎて流れ、増圧スプール弁部材140の端部油圧表面141に接触する。高圧作動流体の端部油圧表面141に対する力は、スプール弁部材140の底端部に対する高圧作動流体の力と釣合い、結果として、圧縮スプリング145がスプール弁部材140をその下側位置に押すことができる。
【0013】
スプール弁部材140がその下側位置にあるときは、増圧制御通路109は、スプール弁内部147から高圧アクセスシート171を過ぎる高圧作動流体を受けることから遮断されるが、代わりに、ドレンアクセスシート170を過ぎて作動流体ドレン104に開口する。
【0014】
ソレノイド130が励磁されると、ピン135が下方に動き、ボール弁部材136に上側シート172を開かせ、下側シート173を閉じさせる。これは、端部油圧表面141を、第二のドレン108に接続されているドレン通路129内の低圧へ露出させる。これは、増圧スプール弁部材140における油圧的不釣合を創成し、ドレンアクセスシート170を閉じ且つ高圧アクセスシート171を開くべく、圧縮スプリング145の作用に対抗してスプール弁部材140を上方に動かすことになる。
【0015】
これは、作動流体が、入口106から増圧スプール弁部材140の中空内部147へ高圧アクセスシート171を過ぎて半径方向開口146を通って流れること、および、増圧制御通路109へ流れることを許容し、増圧ピストン150の段付き頂部155,156に作用する。
【0016】
このように、ソレノイド130が励磁された状態では、チェック弁部材160の閉油圧表面167が低圧通路に曝され、チェック弁部材が単純なチェック弁と同じように挙動し始める。単純なチェック弁では、もしもノズルチャンバ114内の燃料圧力が戻りスプリング165に打勝つに十分な弁開圧より高ければ、開くであろう。
【0017】
Caterpillar Inc.により製造された第一世代のHEUI−B(商標)のような直接制御のチェック弁を備えた油圧作動燃料噴射器は非常に良く作動する。しかしながら、作動流体制御弁、高圧の作動流体を噴射器に導入する重要な構成部品に対する改良が望まれている。
【0018】
これは、上述のようなボールおよびピン配列を利用したソレノイド駆動の作動流体制御弁は、非常に高い圧力の作動流体を使用するとき、圧力耐性の問題を受けるからである。ある場合には、ソレノイドの力は、非常に高い作動流体圧に打ち勝つには不充分である。他の時には、ソレノイドの力を十分強くすることもできるが、ソレノイドを作動させるに必要な電気エネルギが高くなる。
【0019】
このボールおよびピンデザインでは、ソレノイドがオンされ、接極子に取付けられたピンが、ボールを下側シートに押すべく下方に動くとき、ソレノイドの力はボールの底表面を押しているレール圧力に打勝つ必要がある。噴射中には、ソレノイドの力が、ボールをレール圧に対抗して保持しなければならない。
【0020】
ソレノイドがオフされた後、レール圧がボールを上側シートに押し付け、そこに保持する。ボールの動きは、ソレノイド力のみならず、作動状態により変化し、また噴射毎に変わるレール圧にも依存するので、ボールの動きは噴射毎に安定せず、上側シートおよび下側シートの間を動くのに要する時間がレール圧と共に変わる。レール圧に依存することは、安定性の欠如、圧力耐性の欠如および高いソレノイド電流の直接的な原因である。
【0021】
さらに、このボールおよびピンデザインにおける取付不良は、構造的欠陥へ導き、重大な寿命および空隙の変化に帰する。これは次いで、噴射器性能上の重大な変化に導くことになる。加えて、変動する作動流体圧に起因する安定性の問題が存し得、これは燃料の分配およびタイミングにおける望ましくない噴射毎の変動へと導く。
【0022】
これらおよび他の領域において、チェック弁の制御応答速度、チェック弁の制御応答タイミング、ノイズの低減およびアイドル状態における安定性を含む改良は有利であろう。
【0023】
出願人の発明は、これらの考察の一つ以上に対応することに向けられている。
【0024】
(発明の開示)
本発明による油圧作動燃料噴射器用の作動流体制御弁は、入口シート、ボア軸およびボア壁を有するボア、作動制御キャビティ、低圧作動流体ドレン、燃料噴射器の外部からボアへ高圧の作動流体を入れる作動流体入口、作動制御キャビティとボアとの間の境界における入口シート、および、作動制御キャビティと作動流体ドレンとの間の境界におけるドレンシートを有する弁本体を備えている。アクチュエータが弁本体に取付られている。作動弁部材がボア内に摺動可能に配置され、ボア内に流体進入チャンバを部分的に画成する入口ピン表面を有している。作動弁部材はアクチュエータに応答して第一の位置および第二の位置間を摺動可能である。第一の位置では、作動制御キャビティが流体進入チャンバを経て作動流体入口に開口し、作動弁部材は作動制御キャビティが作動流体ドレンから流体的に隔離されるようにドレンシートに対して保持されている。第二の位置では、作動制御キャビティが作動流体ドレンに開口し、作動弁部材は作動制御キャビティが作動流体入口から流体的に隔離されるように入口シートに対して保持されている。
【0025】
(詳細な説明)
さて図1を参照するに、直噴ディーゼルサイクル内燃機関12用に適合された油圧作動電子制御燃料噴射システム10の実施例が例示として示されている。燃料システム10は一つ以上の油圧作動電子制御燃料噴射器15を含み、これらは、エンジン12のそれぞれのシリンダヘッドボア内に位置されるべく適合されている。燃料システム10は、各々の燃料噴射器15に作動流体を供給する装置ないしは手段16、各々の燃料噴射器に燃料を供給する装置ないしは手段18、燃料噴射システムを電子的に制御する電子制御モジュール21を含むコンピュータ20、および、作動流体を還流し各々の噴射器を去る作動流体から油圧エネルギを回収する装置ないしは手段22を含んでいる。
【0026】
作動流体供給手段16は、好ましくは、作動流体還流手段22、作動流体貯め24、比較的低圧の作動流体転送ポンプ26、燃料噴射器15の作動流体ドレンと還流手段22とを接続する還流ライン27、作動流体冷却器28、一つ以上の作動流体フィルタ30、作動流体に比較的高圧を発生する高圧ポンプ32、還流手段22と作動流体供給手段16とを接続する還流ライン33、および、少なくとも一つの比較的高圧な作動流体マニフォルド36を含んでいる。共通レール通路38が比較的高圧な作動流体ポンプ32からの出口と連通して配列されている。レール分岐通路40が各燃料噴射器15の作動流体入口を高圧の共通レール通路38に接続している。
【0027】
燃料供給手段18は、好ましくは、燃料タンク42、燃料タンク42と各燃料噴射器15の燃料入口60(図2)とに連通して配列された燃料供給通路44、比較的低圧の燃料転送ポンプ46、一つ以上の燃料フィルタ48、燃料供給調整弁49、および、燃料噴射器15と燃料タンク42とに連通して配列された燃料循環戻り通路47を含んでいる。
【0028】
図5−7は、本発明による作動流体制御弁203を有する燃料噴射器15の一実施例を示している。この個別な実施例は直噴ディーゼルサイクル内燃機関用に適合されているが、本発明は他の形式のエンジンにおける燃料噴射器15にも用いられ得る。本発明による作動流体制御弁203を有する燃料噴射器15は、図1に示され且つ上述の燃料噴射システム10に用いられ得る。この実施例の構成部品および部分が図5−7を参照して以下に説明される。
【0029】
この実施例の燃料噴射器15は、本発明を利用する他の実施例がピエゾスタックまたは他のアクチュエータ205を用いることもできるが、単一吸引の二方向電磁アクチュエータ205を利用している。アクチュエータ205は、アクチュエータボア壁213を有するアクチュエータボア211内に摺動自在に配置された作動弁部材209が取付けられている、接極子207を含んでいる。作動弁部材209は二つの位置の間を摺動可能である。第一の位置においては、作動弁部材209はドレンシート215に係合し、第二の位置においては、作動弁部材209は入口シート217に係合する。アクチュエータスプリング220が接極子207、ひいては取付けられた作動弁部材209を第一の位置に向けて偏倚させている。
【0030】
作動弁部材209は、アクチュエータボア211内に流体進入チャンバ221を部分的に画成するほぼメニスカス形状の入口ピン表面219を有している。流体進入チャンバ221は、作動流体入口223を通って燃料噴射器15に入る高圧作動流体源に連通されている。作動弁部材209はまた、低圧の作動流体ドレン227に露出されている円錐形状のドレンピン表面225を有している。
【0031】
作動弁部材209はまた、チェック弁部材237の閉じ油圧表面235によって部分的に画成されているチェック制御チャンバ233と連通されているチェック制御キャビティ231に露出された中央ピン表面229を有している。このチェック制御キャビティ231はまた、スプール弁ボア243内に摺動可能に配置されたスプール弁部材241の下端油圧表面239に連通されている。スプール弁部材241は、スプール弁スプリング245によって(図5−7に対して)上方向に偏倚され、そして、下端油圧表面239からスプール弁部材241の端部に上端油圧表面247を有している。
【0032】
スプール弁部材241は、段付きピストンボア255内に摺動可能に配置された増圧ピストン253の段付き頂部251と連通された増圧制御通路249を部分的に画成している。増圧ピストン253は、プランジャ259を囲むプランジャスプリング257によって上方に偏倚されている。プランジャ259の一部は段付きピストンボア255内に上方に延出している。
【0033】
プランジャボア261内のプランジャ259の下方には、燃料入口265を通って燃料噴射器15に入る燃料の供給により給餌される燃料加圧チャンバ263がある。燃料加圧チャンバ263は、チェック弁部材237の下側チェック部271を囲むノズルチャンバ269と接続通路267を介して連通されている。ノズルチャンバ269は、加圧された燃料が燃料噴射器15を去るのを許容する複数のノズル出口273を備えている。
【0034】
この個別の実施例のチェック弁部材237は、概ね、下側チェック部271および上側チェック部275を備えると考えることができる。下側チェック部271は、ノズルスリーブ277のノズルスリーブボア279内に摺動可能に配置され、ノズルチャンバ269内に延出している。ノズルチャンバ269内では、下側チェック部271の下側チェック案内部281がノズルボア283内に摺動可能に配置されている。本発明を利用する燃料噴射器15の他の実施例では、下側チェック案内部を欠いてもよい。
【0035】
チェック弁部材237の上側チェック部275は、閉じ油圧表面235を備え、チェック制御チャンバ233内に摺動可能に配置されている。チェック弁部材237は、この実施例ではチェック制御チャンバ233にあるチェックスプリング285により下方に偏倚されている。
【0036】
図8Aおよび図8Bは、シート形態の二つの異なる形式を示している。図8Aにおいては、作動弁部材309がドレンシート315に外径(OD)着座形態で着座しており、ここでは、接触点が作動弁部材309の外径と一致する。図8Bにおいては、作動弁部材309がドレンシート316に内径(ID)着座形態で着座しており、ここでは、接触点が作動弁部材309の内側の径と一致する。
【0037】
図8Cは、円錐形状のドレンピン表面325を有する作動弁部材309を過ぎる油圧流体流れを示している。
【0038】
図8Dは、切頭形状のドレンピン表面326を有する作動弁部材310を過ぎる油圧流体流れを示している。
【0039】
図9は本発明による作動弁部材210の他の実施例を示し、ここでは、対応する同一要素を示すのに図6で用いられたのと同じ要素番号が用いられている。図6に示された円錐形状のドレンピン表面225とは対照的に、この実施例の作動弁部材210は、平坦化された、すなわち、切頭されたドレンピン表面226を有している。
【0040】
(産業上の利用可能性)
本発明による着座ピンアクチュエータ弁は、ボールおよびピンアクチュエータ弁が有しているのと同じ機能を遂行するが、いくつかの重要な相違がある。一つは、着座ピンアクチュエータ弁は圧力平衡されており、それ故に、レール圧から独立している。この理由により、接極子および作動弁部材(ピン)の動きは、磁力およびスプリング力のみに依存する。接極子の運動の反復は、噴射毎のレール圧力の変動には無関係であり、これは、噴射器の安定性、特にアイドル状態における改良につき重大である。
【0041】
着座ピンは、ボールおよびピンデザインに比べるとピンリフトが小さい。開および閉位置における有効流れ面積は、ピンリフトにおけるかなり大きな減少を伴って達成される。着座ピンデザインは、前ボール移動(接極子が、ボールに対するレール圧に打勝つために、ボールに当る前に動かなければならない距離)を排除し、ソレノイドと接極子との間の初期空隙が大幅に減少される。
【0042】
より小さなピンリフトは、上側および下側シート間のピンの移動時間を減じ、アイドルスプリット噴射のための最小ドエル時間を減少させる。より小さな初期空隙は、ソレノイド力を驚くほど改善し、引込み電流および継続時間が驚くほど低減される。
【0043】
さて、図1に示された油圧作動電子制御燃料噴射システム10を参照するに、燃料噴射器15は、作動流体供給手段16からポンプ32および共通レール36を経て高圧の作動流体を受け取る。各燃料噴射器15の作動流体ドレン26を去る作動流体は、油圧エネルギ還流または回復手段22にそれを運ぶ還流ライン27に入る。還流された作動流体の一部は高圧作動流体ポンプ32に向けられ、他の部分は還流ライン33を経て作動流体供給手段16の作動流体貯め24に戻される。
【0044】
燃料噴射器15は、燃料供給手段18から燃料供給通路44を経て、燃料が燃料転送ポンプ46および燃料フィルタ48を通過した後に燃料を受取る。
【0045】
本発明においては、作動流体として、全ての利用可能なエンジン流体が好ましく用いられる。しかしながら、好ましい実施例では、作動流体はエンジン潤滑油であり、作動流体貯め24はエンジン潤滑油貯めである。このことは、燃料噴射システム10がエンジンの潤滑油循環システムに対する寄生的サブシステムとして接続されることを許容する。代わりに、作動流体は燃料タンク42によりもたらされる燃料または冷却流体のような他の源であってもよい。
【0046】
コンピュータ20は、好ましくは、燃料噴射タイミング、噴射サイクル中の全燃料噴射量、燃料噴射圧、分離噴射の数すなわち各噴射サイクル中の噴射区分、噴射区分間の時間間隔、噴射サイクル中の各噴射区分の燃料量作動流体圧力、上記パラメータの組合せを制御する電子制御モジュール11を含んでいる。コンピュータ20は、複数のセンサ入力信号S1 − S8を受取る。これらは、後続の噴射サイクルのための噴射パラメータの正確な組合せを決定するのに用いられるエンジン作動状態、負荷等の既知のセンサ入力に対応する。この実施例では、コンピュータ20は、作動流体圧力を制御すべく制御信号S9、および各燃料噴射器15内の作動流体制御弁(203)を制御すべく制御信号S10を発する。噴射パラメータの各々は、エンジン速度および負荷とは独立に変更して制御可能である。燃料噴射器15の場合には、制御信号S10はコンピュータに命じられるアクチュエータ205への電流である。
【0047】
さて、各燃料噴射器15の作動が図5-7を参照して説明される。作動弁部材209がその第一の位置にあるとき、チェック制御キャビティ231は作動流体入口223からの高圧作動流体と連通しており、高圧作動流体が、スプール弁部材241の上端油圧表面247を下向きに押している高圧作動流体の力と釣り合わせるべく、スプール弁部材241の下端油圧表面239を押している。結果として、スプール弁スプリング245によりもたらされている偏倚力が、増圧制御通路249が作動流体ドレン227に開口するような位置に、スプール弁部材241を保持している。
【0048】
ピストンを押し下げているのは低圧のみであるから、プランジャスプリング257によりもたらされている偏倚力が、増圧ピストン253を燃料加圧チャンバ263内の加圧燃料から保っている。従って、ノズルチャンバ269内には低圧の燃料のみが存在する。チェック弁部材237の閉油圧表面235を下向きに押している油圧流体の力がないにしても、チェックスプリング285によりもたらされている偏倚力は、チェック弁部材237を下向きに押して、燃料がノズル出口273に到達するのを遮断するように保持するのに十分である。
【0049】
燃料噴射を開始するには、アクチュエータ205が励磁され、接極子207を引付け且つまた作動弁部材209を第二の位置まで引付ける。このデザインの一つの望ましい特徴は、作動弁部材209のメニスカス形状の入口ピン表面219が、作動流体入口223における作動弁部材209の水平方向表面を大きく排除していることである。流体進入チャンバ221内に鋭利な角部がないことが油圧流体のより滑らかな流れとなる。
【0050】
加えて、このデザインによれば、作動弁部材209の軸に沿う、高圧作動流体の圧力により生じさせられる正味の力は無視できる。その理由は二つある。第一に、高圧作動流体は流体進入チャンバ221に側方から入るので、入口ピン表面219の上向き水平方向表面積成分の合計は、入口ピン表面219の下向き水平方向表面積成分の合計と等しい。従って、高圧作動流体は、作動弁部材209が第二の位置にあり、流体進入チャンバ221を通る流体の流れがないときは、作動弁部材209に上向きまたは下向きのいずれの正味の力をも加えず、結果として、流体進入チャンバ221内の油圧流体は本質的に静的である。
【0051】
さらに、入口ピン表面219の水平方向成分を最小化し且つ流体進入チャンバ221の幅および/または深さを垂直方向に対称となる方法で、例えば、図示の実施例のように調整すべく、入口ピン表面をテーパ付けている。図示の実施例では、流体進入チャンバ221はその頂部および底部の両者において極めて小さな深さを有し、作動弁部材209が第一の位置にあり、流体が流体進入チャンバ221を通り入口シート217を過ぎて流れるとき、流体進入チャンバ221を通って流れる高圧作動流体の速度の垂直方向対称性を創成している。流体力学の知識で理解されるように、流体速度の垂直方向対称性は、付加的な正味垂直力が、油圧流体の速度により発生される油圧流体の圧力の変動のせいで導入されることから守ることができる。
【0052】
この圧力平衡デザインは、以前のデザインに対し、燃料分配およびタイミングにおいて噴射毎の変動を減少させる結果となる。何故ならば、作動弁部材209を動かす力は作動流体圧力における変動から本質的に独立しているからである。加えて、図2−4に示されたような、アクチュエータ205が、高圧作動流体の力に対抗して押さなければならないデザインに比べて、アクチュエータ205に要求される電気エネルギはより少ない。着座ピンの作動弁部材209が比較的小さな質量であるという少なくとも部分的な理由で、以前のデザインに対し、より速いチェック弁の制御応答性が存し、且つ、ノイズが低減する。
【0053】
作動弁部材209が第二の位置にあるとき、作動流体入口223からの高圧作動流体は、チェック制御キャビティ231およびスプール弁部材241の下端油圧表面239に到達することが阻止される。同時に、作動弁部材209の第二の位置は、チェック制御キャビティ231を低圧の作動流体ドレン227に開口させる。
【0054】
しかしながら、高圧作動流体はスプール弁部材241の上端油圧表面247を今なお押している。スプール弁部材241の下端油圧表面239を押しているのは今や低圧のみであるので、上端油圧表面247上の油圧流体の力はスプール弁スプリング245によりもたらされている偏倚力に打勝つには十分である。結果として、スプール弁部材241は下方に動き、増圧制御通路249を作動流体ドレン227から閉じ、一方、増圧制御通路249を作動流体入口223から高圧作動流体へ開口させる。このことは、プランジャスプリング257によりもたらされている偏倚力に打勝つに十分な大きさの力で増圧ピストン253を押し下げることになる。
【0055】
高圧作動流体の力により押し下げられると、増圧ピストン253はプランジャ259を押し下げ、燃料加圧チャンバ263内の燃料を加圧する。加圧された燃料は接続通路267を通ってノズルチャンバ269に流れる。チェック弁部材237の閉油圧表面235に対しては今や低圧のみしか存しないので、ノズルチャンバ269内において加圧された燃料によりもたらされる力は、チェックスプリング285によりもたらされている偏倚力に打勝つに十分である。結果として、チェック弁部材237は上方に動き、高く加圧された燃料が燃料噴射器15から、例えば、エンジンの燃焼室内に排出するのを許容する。
【0056】
燃料噴射を終了させるためには、アクチュエータ205が消磁され、アクチュエータスプリング216が作動弁部材209を第一の位置に戻して動かすことを許容する。この位置では、チェック制御キャビティ231が作動流体ドレン227から閉じられ、作動流体入口223からの高圧作動流体に連通される。これは、高圧作動流体がスプール弁部材241の下端油圧表面239に加えられるのを生じさせ、再度、スプール弁部材241の上端油圧表面247に対する高圧作動流体の力と釣り合わさせる。
【0057】
スプール弁スプリング245によりもたらされている偏倚力は、今や、スプール弁部材241を上方に動かすことができ、増圧制御通路249からの高圧作動流体の供給を切り離し、作動流体ドレン227に曝すことによって、増圧制御通路249内の圧力を解放する。プランジャスプリング257によりもたらされている偏倚力は、今や、増圧ピストン253を上方に押すことができる。これは、燃料加圧チャンバ263内、ひいてはノズルチャンバ269内の燃料の圧力を低減させ、チェックスプリング285によりもたらされている偏倚力がチェック弁部材237をその閉位置に向けて押すことを許容する。
【0058】
しかしながら、高圧作動流体がスプール弁部材241を移動させ、そして増圧ピストン253を押し下げるためには、ある時間を要する。チェック制御キャビティ231内の高圧作動流体はチェック制御チャンバ233に到達し、そして、質量の小さなチェック弁部材237により迅速に作用する。ノズルチャンバ269が、今なお、高く加圧された燃料を包含しているとしても、チェック制御チャンバ233内の増大された圧力とチェックスプリング285によりもたらされている偏倚力との組合せが、ノズルチャンバ269内の燃料の圧力に打勝つ。このことは、チェック弁部材237の瞬時の閉じを生じさせ、そうでないときに得られるよりも、噴射サイクルのより急激な終了をもたらす。
【0059】
加えて、スプール弁部材241の相対的遅れによるヒステリシスの影響のせいで、スプール弁部材241が増圧制御通路249からの高圧作動流体の供給を遮断すべく上方に移動できる前でさえも、チェック弁部材237を、その閉油圧表面235に作用させることにより直接に制御すべく、アクチュエータ205は急激にオンおよびオフされ得る。このようにすることは、チェック弁部材237を噴射サイクル中何時でも望むなら何回も開閉することを可能にする。例えば、この特徴は、エンジンのエミッションを低減するため、あるいは、他の理由のために、噴射サイクルの始めの「パイロット」の後の短い遅れ燃料噴射を生じさせるのに用いられ得る。
【0060】
着座形態の選択は、燃料噴射器の寿命に亘り燃料の成長を制御する噴射器10の性能にとって極めて重要である。ポペット弁については、上述したように二つの着座形態:OD(図8A)およびID(図8B)がある。着座形態の選択は、接触領域において磨耗が生ずるにつれて、シール長さ(ピンとシートとの間の実際の接触円環の幅)の成長方向に影響する。OD着座弁については、シール長さが弁の中心に向かって成長する。ID着座弁については、シール長さが弁の中心から離れて成長する。
【0061】
図示の実施例における着座形態の選択は、弁の実際の作動状態と時間に亘るシール長さの成長の制御を考慮することに基づいている。弁構成部品に対するシートにおける圧力(閉じたとき)は、シートが閉じられたときのピンとそれぞれのシートとの間の上流側接触点によって定められる着座直径と共に変わるということが理解されよう。図示の実施例については、図9に最も明瞭に示されているように、入口シート217,218はID着座であり、ドレンシート215、216はOD着座である。
【0062】
入口シート217,218は二つの理由でID着座されている。入口シート217,218はピンが第二の位置にあるとき圧力平衡されねばならず、且つ、着座直径の成長がピンの運動にそれ程悪影響を与えてはならないのである。入口シート217,218の着座直径は、アクチュエータボア211の直径と同じである。もしも、入口シート217,218がOD着座されていれば、着座直径はアクチュエータボア211の直径よりも大きく、着座直径がシートの磨耗につれて変わるであろう。
【0063】
着座直径とアクチュエータボア直径との間の差異は、流体進入チャンバ221のレール圧力に関しての不釣合いを生じさせる。この不釣合いに起因する力は下向きとなろう。従って、レール圧力が高い場合、ソレノイドの保持電流は、この不釣合いによる力および接極子スプリングの荷重に打勝つに十分な磁力を発生すべく、より高くされねばならないであろう。加えて、これは、上に説明したように、レール圧力の変動の故に、タイミング等に悪影響するであろう。
【0064】
ドレンシート215、216はOD着座されており、シール長さは弁の中心に向かって成長する。これは、ドレンシート215、216において着座直径を変化させない。入口シート217,218の着座直径およびドレンシート215、216の着座直径は、弁を圧力平衡させるように選ばれるべきであった。もしも、下側のシートがID着座であれば、シール長さが中心から離れて成長し且つ着座直径が時間と共に大きく成長するだろうし、上側シートと下側シートとの着座直径間の釣合いを損ね、より高いソレノイド引込み電流を必要とする。
【0065】
作動弁部材209の円錐形状のドレンピン表面225は、油圧流体の滑らかな流れに帰している。これは、円錐形状のドレンピン表面325を有する代表的な作動弁部材309についての図8Cに示されている。流れは滑らかで、流線の分離もない。ドレンピン表面225、325の圧力プロフィールは直線状に減少し、作動弁部材209、309への結果としての力は流れの力の重要な一部である。
【0066】
ドレン領域が大きくても、流れの力は減少しない。何故なら、その流れは破線の楕円で表されている淀み域を形成しているからである。この域内の圧力は常に大気圧よりも高く、ドレンピン表面225、325に作用する重大な流れ力を生じさせる。小さいけれども、この力を可能であれば排除することが、アクチュエータスプリング220に要求される偏倚力を低減するために重要である。何故なら、アクチュエータスプリング220の偏倚力が大きければ大きい程、アクチュエータに要求される引込み力も大きいからである。
【0067】
この不釣合いの流れ力を排除するのは、作動弁部材210の流れ特性を変える切頭されたドレンピン表面226を用いることにより達成される。これは、切頭ドレンピン表面326を有する代表的な作動弁部材310についての図8Dに示されている。この形態では、流れはシートを通過した後分離し、低圧分離流域を形成する。この域内の圧力は大気圧に近く、切頭ドレンピン表面226、326に作用する重大な流れ力を生じさせない。
【0068】
ここに説明され且つCaterpillarのHEUI-B(商標)燃料噴射器で実施されている着座ピンアクチュエータは、より良好な安定性、燃料噴射率形成能力、低電気エネルギ消費およびより高い圧力耐力を有する油圧作動燃料噴射器をもたらしている。
【0069】
上記説明は、本発明の概念を説明することのみが意図されており、本発明の潜在的範囲を制限することは全く意図されていないことが理解されるべきである。例えば、本発明の作動流体制御弁203は、Caterpillar Inc.により製造されているHEUI-B(商標)型の燃料噴射器において示されており、他のHEUI(商標)モデルにも同様に組込まれ得る。しかしながら、本発明の作動流体制御弁203は、全ての油圧作動燃料噴射器または油圧エンジンブレーキアクチュエータのような他の油圧作動装置や他の可動油圧制御装置にも用いられるように適合され得る。
【0070】
加えて、本発明は、作動流体として潤滑油を利用したエンジンに取付けられた油圧システムを含んで示されたが、これは変形されてもよい。例えば、油圧システムはエンジンから隔離され、作動流体として別の流体を用いるか、油圧システムはエンジンから隔離されるが、作動流体として潤滑油を利用してもよい。このように、種々の変形が、本発明の意図された趣旨および範囲から逸脱することなく特許請求の範囲に定義されるようになされ得る。
【図面の簡単な説明】
本発明のより良い理解のために、必ずしも尺度付けていない添付の図面が参照され得、ここにおいて、ある寸法および構成部品は説明の目的のために誇張されているかもしれない。
【図1】 本発明による燃料噴射システムの概略図である。
【図2】 直接制御チェック弁を有する燃料噴射器の側断面図である。
【図3】 図2に示された燃料噴射器の上部の側断面図である。
【図4】 図2に示された燃料噴射器の下部の側断面図である。
【図5】 本発明による燃料噴射器の実施例の側断面図である。
【図6】 図5に示された燃料噴射器のアクチュエータ部分の側断面図である。
【図7】 図5に示された燃料噴射器のスプール弁部分の側断面図である。
【図8A】 種々の可能な着座およびピン形態を説明する図である。
【図8B】 種々の可能な着座およびピン形態を説明する図である。
【図8C】 種々の可能な着座およびピン形態を説明する図である。
【図8D】 種々の可能な着座およびピン形態を説明する図である。
【図9】 本発明による他の実施例の着座およびピン形態を説明する図である。
Claims (18)
- 油圧作動燃料噴射器(15)のための作動流体制御弁(203)であって、
ボア軸およびボア壁(213)を有するボア(211)、作動制御キャビティ、低圧の作動流体ドレン(227)、燃料噴射器(15)の外部からボア(211)に高圧の作動流体を入れるための作動流体入口(223)、作動制御キャビティ(231)とボア(211)との間の境界における入口シート(217,218)、および、作動制御キャビティ(231)と作動流体ドレン(227)との間の境界におけるドレンシート(215,216、315、316)を含む弁本体、
弁本体に取付けられたアクチュエータ(205)、および
ボア(211)内に摺動可能に配置された作動弁部材(209、210,309,310)であって、ボア(211)内に流体進入チャンバ(221)を部分的に画成する入口ピン表面(219)を有する作動弁部材(209、210,309,310)を備え、
作動弁部材(209、210,309,310)は、アクチュエータ(205)に応答して、
作動制御キャビティ(231)が流体進入チャンバ(221)を経て作動流体入口(223)に開口し、且つ、作動弁部材(209、210,309,310)は、作動制御キャビティ(231)が作動流体ドレン(227)から隔離されるようにドレンシート(215,216、315、316)に対して保持されている第一の位置と、
作動制御キャビティ(231)が作動流体ドレン(227)に開口し、且つ、作動弁部材(209、210,309,310)は、作動制御キャビティ(231)が作動流体入口(223)から隔離されるように入口シート(217,218)に対して保持されている第二の位置と、
の間を摺動可能であり、
入口ピン表面(219)はメニスカス形状であり、作動弁部材(209,210,309,310)が第1の位置にあるときに流体進入チャンバ(221)を通じて流れる高圧の作動流体の速度の垂直方向対称性を創成するように、流体進入チャンバ(221)がほぼ垂直方向に対称にテーパ付けられていることを特徴とする作動流体制御弁(203)。 - アクチュエータ(205)は、ソレノイドを備えることを特徴とする請求項1の作動流体制御弁(203)。
- 作動弁部材(209、210,309,310)は、接極子(207)に取付けられたピン(209、210,309,310)を備えることを特徴とする請求項2の作動流体制御弁(203)。
- アクチュエータ(205)は、ピエゾスタックを備えることを特徴とする請求項1の作動流体制御弁(203)。
- 作動弁部材(209、210,309,310)およびドレンシート(215,216、315、316)は、作動弁部材(209、210,309,310)が第一の位置で、作動弁部材(209、210,309,310)がドレンシート(215,216、315、316)に対してOD着座形態で保持されるように形状付けられ、且つ、
作動弁部材(209、210,309,310)および入口シート(217,218)は、作動弁部材(209、210,309,310)が第二の位置で、作動弁部材(209、210,309,310)が入口シート(217,218)に対してID着座形態で保持されるように形状付けられていることを特徴とする請求項1の作動流体制御弁(203)。 - 作動弁部材(209、210,309,310)はさらに、作動弁部材(209、210,309,310)が第一の位置にあるとき、作動流体ドレン(227)を部分的に画成する切頭ドレンピン表面(226、326)を備えることを特徴とする請求項1の作動流体制御弁(203)。
- 作動流体制御弁(203)を有する燃料噴射器(15)であって、作動流体制御弁(203)は、
ボア軸およびボア壁(213)を有するボア(211)、作動制御キャビティ(231)、低圧の作動流体ドレン(227)、燃料噴射器(15)の外部からボア(211)に高圧の作動流体を入れるための作動流体入口(223)、作動制御キャビティ(231)とボア(211)との間の境界における入口シート(217,218)、および、作動制御キャビティ(231)と作動流体ドレン(227)との間の境界におけるドレンシート(215,216、315、316)を含む弁本体、
弁本体に取付けられたアクチュエータ(205)、および
ボア(211)内に摺動可能に配置された作動弁部材(209、210,309,310)であって、ボア内に流体進入チャンバ(221)を部分的に画成する入口ピン(219)表面を有する作動弁部材(209、210,309,310)を備え、
作動弁部材(209、210,309,310)は、アクチュエータ(205)に応答して、
作動制御キャビティ(231)が流体進入チャンバ(221)を経て作動流体入口(223)に開口し、且つ、作動弁部材(209、210,309,310)は、作動制御キャビティ(231)が作動流体ドレン(227)から隔離されるようにドレンシート(215,216、315、316)に対して保持されている第一の位置と、
作動制御キャビティ(231)が作動流体ドレン(227)に開口し、且つ、作動弁部材(209、210,309,310)は、作動制御キャビティ(231)が作動流体入口(223)から隔離されるように入口シート(217,218)に対して保持されている第二の位置と、
の間を摺動可能であり、
入口ピン表面(219)はメニスカス形状であり、作動弁部材(209,210,309,310)が第1の位置にあるときに流体進入チャンバ(221)を通じて流れる高圧の作動流体の速度の垂直方向対称性を創成するように、流体進入チャンバ(221)がほぼ垂直方向に対称にテーパ付けられていることを特徴とする燃料噴射器(15)。 - アクチュエータ(205)は、ソレノイドを備えることを特徴とする請求項7の燃料噴射器(15)。
- 作動弁部材(209、210,309,310)は、接極子(207)に取付けられたピンを備えることを特徴とする請求項8の燃料噴射器(15)。
- アクチュエータ(205)は、ピエゾスタックを備えることを特徴とする請求項7の燃料噴射器(15)。
- 作動弁部材(209、210,309,310)およびドレンシート(215,216、315、316)は、作動弁部材(209、210,309,310)が第一の位置で、作動弁部材(209、210,309,310)がドレンシート(215,216、315、316)に対してOD着座形態で保持されるように形状付けられ、且つ、
作動弁部材(209、210,309,310)および入口シート(217,218)は、作動弁部材(209、210,309,310)が第二の位置で、作動弁部材(209、210,309,310)が入口シートに対してID着座形態で保持されるように形状付けられていることを特徴とする請求項7の燃料噴射器(15)。 - 作動弁部材(209、210,309,310)はさらに、作動弁部材(209、210,309,310)が第一の位置にあるとき、作動流体ドレン(227)を部分的に画成する切頭ドレンピン表面(226、326)を備えることを特徴とする請求項7の燃料噴射器(15)。
- 作動流体制御弁(203)を有する燃料噴射器(15)であって、作動流体制御弁(203)は、
ボア軸およびボア壁(213)を有するボア(211)、作動制御キャビティ(231)、低圧の作動流体ドレン(227)、燃料噴射器(15)の外部からボア(211)に高圧の作動流体を入れるための作動流体入口(223)、作動制御キャビティ(231)とボア(211)との間の境界における入口シート(217,218)、および、作動制御キャビティ(231)と作動流体ドレン(227)との間の境界におけるドレンシート(215,216、315、316)を含む弁本体、
弁本体に取付けられたアクチュエータ(205)、および
ボア(211)内に摺動可能に配置された作動弁部材(209、210,309,310)であって、ボア(211)内に流体進入チャンバ(221)を部分的に画成する入口ピン表面(219)であって、作動弁部材(209、210,309,310)の正味垂直方向力を高圧作動流体の圧力とほぼ独立して保つ手段を備える入口ピン表面(219)を有する作動弁部材(209、210,309,310)を備え、
作動弁部材(209、210,309,310)は、アクチュエータ(205)に応答して、
作動制御キャビティ(231)が流体進入チャンバ(221)を経て作動流体入口(223)に開口し、且つ、作動弁部材(209、210,309,310)は、作動制御キャビティ(231)が作動流体ドレン(227)から隔離されるようにドレンシート(215,216、315、316)に対して保持されている第一の位置と、
作動制御キャビティ(231)が作動流体ドレン(227)に開口し、且つ、作動弁部材(209、210,309,310)は、作動制御キャビティ(231)が作動流体入口(223)から隔離されるように入口シート(217,218)に対して保持されている第二の位置と、
の間を摺動可能であり、
入口ピン表面(219)はメニスカス形状であり、作動弁部材(209,210,309,310)が第1の位置にあるときに流体進入チャンバ(221)を通じて流れる高圧の作動流体の速度の垂直方向対称性を創成するように、流体進入チャンバ(221)がほぼ垂直方向に対称にテーパ付けられていることを特徴とする燃料噴射器(15)。 - アクチュエータ(205)は、ソレノイドを備えることを特徴とする請求項13の燃料噴射器(15)。
- 作動弁部材(209、210,309,310)は、接極子(207)に取付けられたピン(209、210,309,310)を備えることを特徴とする請求項14の燃料噴射器(15)。
- アクチュエータ(205)は、ピエゾスタックを備えることを特徴とする請求項13の燃料噴射器(15)。
- 作動弁部材(209、210,309,310)およびドレンシート(215,216、315、316)は、作動弁部材(209、210,309,310)が第一の位置で、作動弁部材(209、210,309,310)がドレンシート(215,216、315、316)に対してOD着座形態で保持されるように形状付けられ、且つ、
作動弁部材(209、210,309,310)および入口シート(217,218)は、作動弁部材(209、210,309,310)が第二の位置で、作動弁部材(209、210,309,310)が入口シート(217,218)に対してID着座形態で保持されるように形状付けられていることを特徴とする請求項13の燃料噴射器(15)。 - 作動弁部材(209、210,309,310)はさらに、作動弁部材(209、210,309,310)が第一の位置にあるとき、作動流体ドレン(227)を部分的に画成する切頭ドレンピン表面(226、326)を備えることを特徴とする請求項13の燃料噴射器(15)。
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